JP2006109782A - 漁礁およびアワビの養殖方法 - Google Patents

漁礁およびアワビの養殖方法 Download PDF

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Abstract

【課題】産業廃棄物の有効利用を可能にし、アワビなどの貝類の養殖に適した漁礁およびその漁礁を用いたアワビの養殖方法を提供する。
【解決手段】漁礁が、鋳物廃砂を50質量%以上含む細骨材と、砂に対し20乃至30質量%のセメントと、水と、セメントに対し5質量%の塩化カルシウムと、4質量%のケイ酸ナトリウムと、1質量%のカルボキシルメチルセルロースとを混合し固化して成る。表面に表面積の30乃至50%を占めるようカキ貝殻およびホタテ貝殻が貼り付けられている。カキ貝殻およびホタテ貝殻は破砕物から成り、窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分を含む水を付着させたものから成る。漁礁を半径方向に10m以上の幅の砂地で包囲されるよう砂地の中に配置し、漁礁でアワビを養殖する。
【選択図】なし

Description

本発明は、漁礁およびアワビの養殖方法に関する。
従来の漁礁として、表面に藻を付着・成育させ、魚介類の成育環境を良好にすることを目的として、コンクリート等で形成された漁礁本体の表面に、真砂土と固化材とを含む混合土からなる真砂土固化層を形成して成るものがある(特許文献1参照。)。
特開平9−182540号公報
しかしながら、従来の漁礁には、アワビなどの貝類の養殖に適したものはなかった。
また、従来、鋳物廃砂、浚渫汚泥、カキ貝殻、ホタテ貝殻などは、産業廃棄物とされ、処分にコストがかかることから、有効な活用が望まれていた。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、産業廃棄物の有効利用を可能にし、アワビなどの貝類の養殖に適した漁礁およびその漁礁を用いたアワビの養殖方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る漁礁は、鋳物廃砂を50質量%以上含む細骨材とセメントと水とを混合し固化して成り、表面にカキ貝殻およびホタテ貝殻の一方または両方が貼り付けられていることを特徴とする。
カキ貝殻およびホタテ貝殻の表面には、海藻の胞子が付着しやすい。海藻には、アワビの胞子が海中で自然に付着しやすい。海藻は、アワビのエサになるため、アワビには給餌する必要がない。鋳物廃砂は、鉄分を含んでいる。アワビは鉄分を好む傾向があるため、鋳物廃砂を用いた本発明に係る漁礁にはアワビが集まりやすい。このため、本発明に係る漁礁は、アワビの養殖に適している。また、海藻が繁茂する藻場は、魚類の産卵場、稚魚の隠れ家となり、良好な漁場となる。
本発明に係る漁礁は、鋳物廃砂を50質量%以上含む細骨材と、前記細骨材に対し20乃至30質量%のセメントと、水とを混合し固化して成り、表面に表面積の30乃至50%を占めるようカキ貝殻およびホタテ貝殻の一方または両方が貼り付けられていることが好ましい。
特に、本発明に係る漁礁は、前記細骨材と前記セメントと前記水と前記セメントに対し5質量%の塩化カルシウムと4質量%のケイ酸ナトリウムと1質量%のカルボキシルメチルセルロースとを混合し固化して成ることが好ましい。カルボキシルメチルセルロースは、水溶性で高い接着性を有している。カルボキシルメチルセルロースは、セメントの硬化を促進し、凝固初期の強度を高める。塩化カルシウムは、石灰質およびケイ酸質の急速結合作用を有し、セメントの硬化時間を短縮させる。ケイ酸ナトリウムは、加水分解してシロップ状となり、粉体間に浸透して長期的に凝固の強度を高める。このため、圧縮強度を高めることができる。
本発明に係る漁礁は、少なくとも表面に窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分を含むことが好ましい。
沿岸では、磯焼けにより海藻が枯れ死する減少がしばしば発生する。磯焼けが発生すると、海藻や貝類が減少して漁獲量が減少し、大きな被害を受ける。本発明者は、窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分を漁礁に含ませることにより、磯焼けを防止できることを発見した。漁礁に含まれる窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分の量は、PPMオーダーまたはPPBオーダーの微量でよい。
前記細骨材は20乃至30質量%の浚渫汚泥を含むことが好ましい。浚渫汚泥には、窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分が含まれ、磯焼けを防止することができる。また、前記細骨材は、砂防ダム沈殿土砂を含むことが好ましい。砂防ダム沈殿土砂は、フミン酸鉄および第2鉄塩を含み、海藻育成用の栄養分に富むためである。
前記カキ貝殻およびホタテ貝殻は破砕物から成り、窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分を含む水を付着されたものから成ることが好ましい。カキ貝殻およびホタテ貝殻の破砕物は、2乃至4cm角、好適には3cm角程度の大きさであることが好ましい。前記カキ貝殻およびホタテ貝殻が破砕物から成る場合、貝殻が漁礁の表面に強く結合し、はがれにくくなる。
本発明に係る漁礁は、少なくとも一部がワインレッド色に着色されていることが好ましい。漁礁の表面全体がワインレッド色に着色されていても一部のみが着色されていてもよい。アワビはワインレッドの色に集まる習性があるため、ワインレッド色に着色することにより、アワビの管理が容易になる。
本発明に係る漁礁は、水平面に対し38度乃至42度の角度のアワビ定着面を有することが好ましい。アワビ定着面とは、アワビを付着させ、アワビを収獲する面である。アワビは、水平面に対し38度乃至42度の角度の位置を好むため、アワビ定着面をその角度に設定することにより、アワビの管理が容易になる。
本発明に係る漁礁は、テトラ型、ランダムの固型体、卵型、円錐形状等いかなる形状であってもよく、例えば、30cm×30cm×6cmの大きさの平板を並べたり積み重ねたりして構成されてもよい。本発明に係る漁礁は、最上部の深さが干潮時に1m乃至1.5mの深さとなるように海底に設置されることが好ましい。漁礁の積み上げる高さは、2m乃至5mが好ましい。漁礁は、海底に構築する方法、海底にメッシュの檻を作り、その中に卵球形状、円錐形状、レンガ型の漁礁をランダムに投入する方法などにより設置することができる。メッシュの檻は、張り合わせ構造で組立て、その中に風化貝殻を封入してもよい。風化貝殻は、コンブ類の定着に効果的である。
本発明に係るアワビの養殖方法は、前述の漁礁を半径方向に10m以上の幅の砂地で包囲されるよう配置し、前記漁礁でアワビを養殖することを特徴とする。
この場合、砂地の中に漁礁を配置するほか、漁礁の周囲に砂地を配するようにしてもよい。
アワビの天敵はヒトデ,タコであり、特に、タコが最大の天敵である。しかしながら、タコは、砂地を渡ると身を隠すことができないため、その習性から10m以上の幅の砂地を越えて漁礁まで近寄ることができない。また、アワビは砂地を歩くことができないため、漁礁の外側に逃げることができない。前述の漁礁は、アワビの養殖に適している。このため、本発明に係るアワビの養殖方法により、効率よくアワビを養殖することができる。
本発明によれば、産業廃棄物の有効利用を可能にし、アワビなどの貝類の養殖に適した漁礁およびその漁礁を用いたアワビの養殖方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
カキ貝殻を3cm角程度の大きさに砕き、硝酸14mg、リン酸23mgおよび酸化カリウム47mgの1リットル水溶液に浸漬させたものを準備した。鋳物廃砂7kgと、浚渫汚泥3kgと、ポルトランドセメント2.5kgと、水2リットルと、125gの塩化カルシウムと、100gのケイ酸ナトリウムと、25gのカルボキシルメチルセルロースとを混合し、型枠に流し込んで、300mm×300mm×60mmの大きさに成形した。その表面全体に表面積の30乃至50%を占めるよう、準備したカキ貝殻を貼り付け、1日養生し、固化させた。こうして、平板状の漁礁を製造した。なお、漁礁の材料には、アルカリ公害その他の公害を発生させないものを使用した。
製造した漁礁20枚を、2000年2月から7月にかけて宮城県気仙沼大谷海岸の干潮時30cm、満潮時1mの深さの場所に敷設し、観察した。敷設後、2週間で漁礁の表面に植物性プランクトンによるぬめりが生じた。その後、1週間で漁礁の表面に動物性プランクトンが発生していた。その後、1ヵ月で漁礁から藻が生長、繁茂し、ハゼなどの小魚の定住が観察された。
この漁礁のカキ貝殻の表面には、コンブ、カキ、ホタテ、ワカメ等の胞子が付着しやすい。コンブ、ワカメ等の海藻には、アワビの胞子が海中で自然に付着する。鋳物廃砂は、鉄分を含んでいる。アワビは鉄分を好む傾向があるため、鋳物廃砂を用いた漁礁にはアワビが集まりやすい。このため、この漁礁はアワビの養殖に適している。
天然のアワビ漁場では、水揚げ期間が限定され、短期間に集中している。天候によっては、漁期はさらに短くなり、漁獲量は不安定である。これに対し、本実施例の漁礁を用いた養殖では、一年中収穫することができ、漁獲量を安定させることができる。アワビなどの生物は、低気圧時には深く潜み、高気圧時には浅場に移動する習性があるため、漁礁での管理が容易である。
沿岸では、磯焼けにより海藻が枯れ死する減少がしばしば発生する。磯焼けが発生すると、海藻や貝類が減少して漁獲量が減少し、大きな被害を受ける。以前、アワビが生息していた多くの岩礁地帯は、磯焼け現象の発生により、海藻類の生長に障害が発生し餌がなくなり、また、隠れる場所がなくなることから、生息がみられなくなっている。
磯焼け対策として、従来のコンクリート漁礁を海に沈めると、アルカリ成分の影響で数年間は海藻が着生せず、繁茂しにくい。コンクリート製以外の漁礁の場合、当初は海藻が良く生長するが、次第にサンゴモ類が生えてきて、結局は磯焼けを起こしてしまうことがしばしばである。漁礁に磯焼けが発生した場合、その表面を掃除したり新しい漁礁を投入したりして対応している。
そこで、アワビの養殖には、磯焼けが発生しない人工漁礁を設置する必要がある。本実施例の漁礁には、カキ貝殻に窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分が付着し、それらの成分は浚渫汚泥に含まれているため、磯焼けを防止できる。
カルボキシルメチルセルロースは、水溶性で高い接着性を有している。カルボキシルメチルセルロースは、セメントの硬化を促進し、凝固初期の強度を高める。塩化カルシウムは、石灰質およびケイ酸質の急速結合作用を有し、セメントの硬化時間を短縮させる。ケイ酸ナトリウムは、加水分解してシロップ状となり、粉体間に浸透して長期的に凝固の強度を高める。このため、圧縮強度を高めることができる。
鋳物廃砂は、通常、管理型産業処理場で埋め立てられ処理されるが、現状では膨大な量に対処しきれないため、工場敷地内に野積みされ粉塵公害を招いている。浚渫汚泥や、カキ・ホタテ貝殻もほとんど有効に利用されていない。本実施例の漁礁は、鋳物廃砂や浚渫汚泥、カキ・ホタテ貝殻などの産業廃棄物を材料とするため、それらの有効利用を図ることができる。
この漁礁を用いたアワビの養殖方法では、漁礁を半径方向に10m以上の幅の砂地で包囲されるよう砂地の中に配置する。本実施例の漁礁は、干潮時に最上部が1m乃至1.5mの深さとなるように海底に設置する。このような養殖場は、日本の国の沿岸は70%が砂地海岸のため、確保が容易である。
本実施例の漁礁には、カキ貝殻にコンブ、ワカメなどの胞子が付着し、それらの海藻が繁茂する。コンブ、ワカメなどの海藻には、海中で3cm程度の長さに生長した段階で自然にアワビの胞子が付着する。通常、その海藻が4〜5m程度の長さに生長した頃には、1本の海藻あたり3個乃至5個のアワビが付着する。あるいは、アワビの稚貝を放流する。アワビの稚貝の放流密度は、1立方メートルあたり10個程度が好ましい。コンブ、ワカメなどの海藻はアワビのエサとなるため、養殖するアワビには給餌の必要がない。また、本実施例の漁礁は、アワビにとって隠れ家となる隙間を提供する。また、本実施例の漁礁はアワビの餌となるコンブ、特に、茶褐色コンブの一種、ラミナリア・ジャポニカ(Laminaria Japonica)が発生し易く、そのコンブが揺れるたびにアワビの角に擦れる岩場を提供する。このため、本実施例の漁礁は、アワビの生育に適している。
アワビの天敵はヒトデ,タコであり、特に、タコが最大の天敵である。しかしながら、タコは、砂地を渡ると身を隠すことができないため、その習性から10m以上の幅の砂地を越えて本実施例の漁礁まで近寄ることができない。また、アワビは砂地を歩くことができないため、本実施例の漁礁の外側に逃げることができない。このため、この本実施例の漁礁を用いたアワビの養殖方法により、効率よくアワビを養殖することができる。
一時もてはやされた陸上養殖では、水温,水質,水流の調整に莫大な経費が必要となり採算性が悪い。自然界においては,アワビは年間3cm前後、成長するが、陸上養殖においては、自然界ほどの成長はみられない。そのため、陸上養殖は採算が取れないのが現状である。アワビの成長を早くするには、自然界に近い環境を作ることが重要である。アワビは食生活の向上に伴い、ますます需要が大きくなっているが、生産は減少している。本実施例の漁礁は、(1)コンブのような海藻の光合成による水中溶存酸素量の調整、(2)葉体の成長・枯れ死による水中栄養塩類の蓄積と放出、(3)付着珪藻の付着面積の増大、(4)底生生物に対する棲場・餌場の提供、(5)生物の産卵場・稚魚の隠れ場の提供などの役割を持つ。このため、本実施例の漁礁を用いて、アワビの供給を増やすことができる。また、本漁礁は、コンブやワカメ、アラメ、カジメなどの海藻が茂る藻場を提供する。藻場の海中林は、魚の産卵場、稚魚やエビの隠れ家、ウニやアワビの餌場などを形成する。形成された海中林は、海水に溶け込んだ二酸化炭素を大量に取り込み、酸素に変える。このため、本漁礁は、海中林の形成に寄与することにより、アワビ資源を復活させ、魚類の産卵場を提供するとともに、二酸化炭素を除去し、地球環境浄化に貢献することができる。
なお、本実施例の漁礁は、日陰になる場所に設置し、一部または全部がワインレッドの色に着色してあることが好ましい。
本実施例の漁礁の色として好ましいワインレッド色は、RGBコードで示した場合、R:80 G:00 B:7A乃至02、R:80 G:19 B:7B乃至1B、R:80 G:32 B:7C乃至34、R:80 G:4C B:7D乃至4D、R:94 G:00 B:8E乃至02、R :94 G:1D B:8F乃至1F、R:94 G:3A B:90乃至3C、R:94 G:59 B:91乃至5A、R:A4 G:00 B:9D乃至02、R:A4 G:21 B:9E乃至23、R :A4 G:41 B:9F乃至43、R:A4 G:63 B:A1乃至64、R:B8 G:00 B:AF乃至03、R:B8 G:24 B:B1乃至27、R:B8 G:49 B:B3乃至4A、R:B8 G:6E B:B5乃至70、R:CC G:00 B:C3乃至03、R :CC G:29 B:C5乃至2B、R:CC G:51 B:C7乃至53、R:CC G:7B B:C9乃至7Cの範囲の色である。特に、この範囲のうち、R :A4 G:00 B:50のワインレッド色が好ましい。
アワビは、光を避ける習性がある。このため、海水の透明度は、暗い方がよい。アワビは視界がないといわれているが、長い時間の観察によれば、アワビはワインレッドの色に集まる習性がある。このアワビの習性は、本発明者が経験と実験により発見した習性である。
その習性を確認するため、2年から3年成長させたアワビ1500個を収容した500cm×500cm×深さ40cmの大きさの水槽の中央に10cm×10cmのビニル樹脂製の染色板2枚を並べて配置する実験を行い、アワビの色に対する反応を観察した。
実験は、黒色、赤色、白色、茶色、紫色、緑色、ワインレッド色の7種類の色の染色板について行った。アワビは、水槽全体に分散させて実験を開始した。
その結果、黒色、赤色、白色、茶色、紫色、緑色では、30日−50日の実験期間中、アワビは全く反応を見せなかった。これに対し、ワインレッド色では、実験開始15日目から染色板に寄り付くアワビが現れはじめ、30日目には染色板にアワビが群れている状態が観察された。この結果から、アワビは、ワインレッド色に集まることがわかった。従って、本実施例の漁礁および漁礁の周囲をワインレッド色に着色しておくことにより、アワビを本実施例の漁礁およびその周辺に集めることができ、アワビの管理が容易になる。
アワビの生物分布帯は38度線にて分かれており、エゾアワビは38度線より以北に、黒アワビは以南に生息する。アワビは、岩礁に取り付くとき定着角度38度乃至42度の傾斜面を好む習性がある。このため、アワビ定着面をその角度に設定することにより、アワビの管理が容易になる。
アワビには、成長の度合いに応じて、ポジションの順位がある。そのポジションは、比較的、岩場の良い位置ほど順位が高いと見られる。順位が高いポジションほど、他のアワビより大きさの優れたアワビが定着する。相撲の番付に例えれば、最も良い位置を横綱が占め、次に良い位置を大関が、さらに次の位置を関脇が占めることになる。岩場から最も大きなアワビを取り除くと、30〜40日後には、次の大振りのアワビがその位置を占める。このように、アワビには順次、昇格して良い位置を占める習性がある。
そこで、横綱の位置にいるアワビを収穫したら、鉄製の金具で接着していた面をこそぎ、付着しているものを除いて清潔にするとともに鉄分をつける。アワビは横綱の位置を好むとともに、鉄分の付着した面を好むことから、やがてその位置に大関のアワビが昇格して定着する。従って、定った位置でアワビを収獲することができる。

Claims (9)

  1. 鋳物廃砂を50質量%以上含む細骨材とセメントと水とを混合し固化して成り、表面にカキ貝殻およびホタテ貝殻の一方または両方が貼り付けられていることを特徴とする漁礁。
  2. 鋳物廃砂を50質量%以上含む細骨材と、前記細骨材に対し20乃至30質量%のセメントと、水とを混合し固化して成り、表面に表面積の30乃至50%を占めるようカキ貝殻およびホタテ貝殻の一方または両方が貼り付けられていることを特徴とする漁礁。
  3. 前記細骨材と前記セメントと前記水と前記セメントに対し5質量%の塩化カルシウムと4質量%のケイ酸ナトリウムと1質量%のカルボキシルメチルセルロースとを混合し固化して成ることを特徴とする請求項1または2記載の漁礁。
  4. 少なくとも表面に窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分を含むことを特徴とする請求項1,2または3記載の漁礁。
  5. 前記細骨材は20乃至30質量%の浚渫汚泥を含むことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の漁礁。
  6. 前記カキ貝殻およびホタテ貝殻は破砕物から成り、窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分を含む水を付着させたものから成ることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の漁礁。
  7. 少なくとも一部がワインレッド色に着色されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の漁礁。
  8. 水平面に対し38度乃至42度の角度のアワビ定着面を有することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の漁礁。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の漁礁を半径方向に10m以上の幅の砂地で包囲されるよう配置し、前記漁礁でアワビを養殖することを特徴とするアワビの養殖方法。


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