JPH11262790A - 浄化処理法、浄化処理材および浄化処理材の再生方法 - Google Patents

浄化処理法、浄化処理材および浄化処理材の再生方法

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JPH11262790A
JPH11262790A JP10085086A JP8508698A JPH11262790A JP H11262790 A JPH11262790 A JP H11262790A JP 10085086 A JP10085086 A JP 10085086A JP 8508698 A JP8508698 A JP 8508698A JP H11262790 A JPH11262790 A JP H11262790A
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JP
Japan
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zeolite
carrier
water
nonwoven fabric
purification
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Application number
JP10085086A
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English (en)
Inventor
Kenji Furukawa
憲治 古川
Yuta Ichimatsu
雄太 一松
Mika Hazama
美香 間
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この出願発明は、有機物処理と硝化処理とを
平行して行うことにより、連続的に汚濁水を浄化処理
し、極めて効率的に浄化処理することを課題とする。 【解決手段】 この出願発明は、担体に担持されたゼオ
ライトで汚濁水を処理する浄化処理法、その装置、浄化
処理材および浄化処理材の再生方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 この出願発明は、河川、湖
沼、池、排水下水2次処理水などの水の浄化処理法およ
びその装置に関し、とくに水中の窒素成分を連続的に硝
化する浄化処理法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 大都市近郊の下水道未整備地域では、
し尿は汲み取りや単独浄化槽で処分されているが、汚濁
負荷量の2/3を占める生活雑排水が全く未処理のまま
河川に放流されている。しかも、最近は都市化によって
地下に浸透する雨水量が大幅に低下し、都市域の中小河
川では河川が本来有する排水の希釈能力が失われ、雨天
時以外では河川水の7〜8割が生活排水で占められるど
ぶ川となっている。このような都市域における河川汚濁
の進行を防止するために、下水道の普及が進められてい
る。しかし、下水道の整備には長い年月がかかるので、
下水道が普及するまでの暫定的な手段として、近年汚濁
した年の中小河川をオンサイトで浄化する「河川水直接
浄化法」が注目されるようになってきた。汚濁河川の直
接浄化には下水処理のように沈殿池を必要としない、維
持管理の容易な接触酸化法が用いられている。河川の浄
化に使用する接触材に求められる要件としては、比表面
積が大きいこと、コストが安いこと、逆洗のような簡単
な操作で汚泥の剥離、目詰まりの解消ができること、目
詰まりが少なく、懸濁性物質の捕捉能が高いこと、強度
があることが必要である。このような要件を満たす接触
材として、プラスチック製、ひも状、木炭、活性コーク
ス、多孔性コンクリートブロック、礫、ゼオライト、粒
状活性炭などが開発、研究されてきた。これまでの「河
川水直接浄化法」の中心をなす技術は、BOD、SS除
去を目的としたものが大半で、窒素、リン等の栄養塩は
除去されないため、除去されない栄養塩が2次汚染を生
じる可能性がある。汚濁河川での窒素除去にはホテイア
オイ、パックブン、クレソンなどの水生植物、もしくは
NH4 +吸着鉱物のゼオライトを使用する方法が考えられ
る。水生植物により排水中の栄養塩を吸収除去させる技
術を活用した処理システムは処理に伴って多量に発生す
る植物の処理、植物の生長しない冬の処理が解決されて
いないため、わが国ではあまり普及していない。水中に
含まれる窒素成分を硝化する手段として、アンモニア性
窒素(NH4−N)成分を除去し、除去したアンモニア
性窒素(NH4−N)成分を不織布、編み物、織物、組
紐、ネット、連続発泡体、無機多孔体などの多孔質材な
どの担体をそのまま使用する方法や、硝化菌をそのまま
使用する方法が知られている。これらの担体をそのまま
使用すると、河川や湖沼の水または排水などの、水中の
亜硝酸菌や硝酸菌などの硝化菌が担体に付着し、増殖し
て、水中に含まれるアンモニア性窒素(NH4−N)を
硝化する働きをする。しかし、従来の担体では、硝化菌
の増殖が極めて遅く、担体を水中に設置してから、実際
に硝化作用が認められるまでに長い時間がかかり、ま
た、水のDO(溶存酸素濃度)値、BOD値や水質の影
響を受けやすいので、安定に硝化することが難しかっ
た。とくに、アンモニア性窒素(NH4−N)を吸着す
るような材料によりアンモニア性窒素(NH4−N)を
吸着した場合に、その吸着した窒素成分を一旦硝化しな
ければ、水中のアンモニア性窒素(NH4−N)を吸着
することができず、いわゆる、バッチ式によらなければ
ならず、連続的に処理することができなかった。ところ
で、ゼオライトはアルミノケイ酸塩で、イオン交換性の
大きな陽イオンを含み、可逆脱水されやすい弱く保持さ
れた水と結合し、3次元の網目状構造を持つ鉱物であ
る。NH4 +を含有する排水処理にこのゼオライトを用い
ると、排水中のNH4 +がイオン交換される。ゼオライト
を多く含む岩石である大谷石を礫状に破砕したものを礫
の代わりに接触材として使用すれば、大谷石が礫として
働くことに加えてNH4 +がゼオライトのイオン交換によ
り除去されるので、より高度な河川浄化ができる。しか
し、ゼオライトによるNH4 +の吸着は吸着能が飽和に達
すると全く起こらないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 この出願発明者は、
いろいろ検討した結果、担体に担持したゼオライトおよ
び硝化菌を利用することによりこれらの問題を解決する
ことに成功した。
【0004】
【課題を解決するための手段】 この出願発明は、担体
に担持したゼオライトおよび硝化菌により汚濁水を浄化
処理する浄化処理法、浄化処理材および浄化処理材の再
生方法に関する。すなわち、この出願発明は、アンモニ
ア性窒素(NH4−N)に対する選択吸着性のあるゼオ
ライトを担持したものおよびアンモニア性窒素(NH4
−N)を硝化する硝化菌を利用して水を浄化する浄化処
理方法、浄化処理装置および浄化処理材の再生方法であ
る。とくに、ゼオライトを多孔質材に接着樹脂によって
安定に担持させることによって水との接触機会を高め、
効率よく担体にアンモニア性窒素(NH4−N)を吸着
し、吸着したアンモニア性窒素(NH4−N)を硝化菌
により硝化することができる。また、担体に硝化菌の栄
養源となるアンモニア性窒素(NH4−N)を吸着する
ことにより、担体に付着させた硝化菌を増殖することが
できる。汚濁水中のアンモニア性窒素(NH4−N)
は、ゼオライトの吸着作用により吸着され、吸着された
アンモニア性窒素(NH4−N)は硝化菌によって硝化
されるため、安定にしかも効率的に汚濁水を浄化するこ
とができる。なお、この出願発明でいう担持とは、担体
に付着していることを意味するものであり、ゼオライト
が直接あるいは接着剤等により担体に付着しているこ
と、また、硝化菌が付着していることをいう。
【0005】
【発明の実施の形態】 この出願発明のゼオライトある
いは硝化菌は、礫、波板、紐状物、多孔質、コンクリー
ト等の担体に担持されているが、多孔質に担持されてい
ることが好ましい。
【0006】この出願発明に使用できる多孔質材として
は、水が通過できる内部空隙をもつものであればとくに
限定されないが、例えば、不織布、編み物、織物、組
紐、ネット、連続発泡体、無機多孔体などがある。
【0007】これらのうち、繊維が3次元的に配置され
た構造を持つ不織布は、ゼオライトを3次元的に分布し
て担持させることができ、ゼオライトと水との接触機会
を増すことができるので好ましい。とくに、熱接着性繊
維を含む不織布は、不織布同士をシール部を形成して熱
接着することで立体的な形状に成形することができ、通
水性が高く、しかも水との接触面積を増すことができる
ので好ましい。
【0008】不織布に含まれる熱接着性繊維としては、
ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などのポリオレ
フィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊
維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、アクリル系繊維、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体系繊維など、または、
ポリエチレン/ポリプロピレン、低融点ポリエステル/
ポリエステル、低融点ポリアミド/ポリアミドなどの融
点の異なる2成分以上の樹脂の複合繊維が使用される。
【0009】これらの熱接着性繊維は不織布の構成繊維
中に少なくとも10重量%以上、より好ましくは20重
量%以上含まれていることが好ましい。熱接着性繊維が
10重量%未満になると、シール部による不織布と不織
布の結合力が不足することがある。不織布に含まれる熱
接着性繊維以外の繊維としては、熱接着性繊維の接着成
分よりも融点が少なくとも20℃以上高い繊維、または
実質的に融点がないレーヨン、綿などの繊維が使用でき
る。
【0010】この出願発明に用いる不織布はとくに限定
されず、乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド不織布
などの従来から使用されているものを用いることができ
るが、とくに、ニードルパンチ法、水流絡合法などによ
って繊維を機械的に絡合させた不織布や、繊維交点を熱
接着により結合させた不織布などが好ましく、その開孔
径は10μm〜2000μmであることが好ましい。
【0011】この出願発明で使用するゼオライトとして
は、アンモニア性窒素(NH4−N)に対する吸着性の
高いゼオライト、例えば、アンモニア性窒素(NH4
N)に対する強い選択吸着性を有するクリノプチロライ
ト(clinoptilolite)系ゼオライトが好ましい。
【0012】ゼオライトの粒子径は、とくに限定されな
いが、平均粒子径が0.5〜100μmのものが好まし
い。また、多孔質材の体積に対してゼオライトの体積が
占める割合は、1〜55vol%が好ましく、2〜45
vol%(100〜150mg/m2)であることがよ
り好ましい。ゼオライトの占める割合がこの範囲より少
ないと、ゼオライトを用いる効果が十分に得られなくな
ることがあり、一方、この範囲を越えると、圧力損失が
大きくなり目詰りが生じやすくなることがある。
【0013】ゼオライトを担持するには公知の手段が使
用されるが、接着樹脂によって、多孔質材、例えば不織
布の構成繊維に担持されることが好ましい。例えば、接
着樹脂をエマルジョン溶液とし、これにゼオライトを分
散させた溶液を、多孔質材に含浸またはスプレーし、乾
燥する手段などがある。このため、接着樹脂はゼオライ
トと混合して多孔質材に含浸またはスプレーすることが
できるようにエマルジョン化でき、しかも、後の工程で
シール部を形成できるように熱接着性であることが好ま
しい。
【0014】このような接着樹脂としては、例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−
塩化ビニル共重合体などのエチレン−酢酸ビニル系共重
合体、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体
などの酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共
重合体などの熱接着性樹脂を主成分とするものが好まし
い。
【0015】接着樹脂の量は、ゼオライト100重量部
に対して10〜50重量部が好ましく、20〜40重量
部であることがより好ましい。接着樹脂の量が10重量
部未満になるとゼオライトの多孔質材への担持力が弱く
なり、例えば、浄化処理などに利用した場合に、ゼオラ
イトの水中への脱落が生じやすくなることがある。ま
た、接着樹脂の量が50重量部を越えるとゼオライトの
表面が被覆されて多孔構造が利用できなくなる場合があ
る。
【0016】多孔質材として熱接着性繊維を含む不織布
を使用する場合には、このゼオライトを接着樹脂によっ
て担持した不織布を使用するが、2枚以上、点状または
線状のシール部を形成することによって結合し、立体的
に成形して用いることができる。シール部は熱シール、
超音波シール、高周波シールなどの手段によって、ゼオ
ライトの担持に用いた熱接着性樹脂と不織布中に含まれ
る熱接着性繊維とを融着させることによって形成され、
浄化処理に用いた場合に不織布間の剥離が生じにくい結
合力に優れた担体が得られる。
【0017】なお、このように複数枚の不織布を結合し
て立体的に成形した多孔質材を担体に用いる場合には、
ゼオライトを不織布に担持させた後に、不織布と不織布
をシール部を形成することにより結合することが好まし
い。不織布と不織布を結合した後に、ゼオライトを担持
させようとすると、ゼオライトが2枚の不織布の結合部
や接触部に集中して担持する傾向があり、結合した不織
布全体にわたってゼオライトを一様に担持させることが
難しいからである。
【0018】この出願発明の硝化菌は、礫、波板、紐状
物、多孔質、コンクリート等の担体に担持されているこ
とができるが、担体としては不織布がとくに好ましい。
硝化菌は、たとえば、フィルアンドドロー(fill
and draw)法で肉エキス、ペプトンを主体とす
る合成下水で長期間低負荷で培養して硝化活性汚泥とし
て調製することができる。
【0019】硝化菌を担持するには、たとえぱ、ゼオラ
イトを担持した担体を硝化活性汚泥を加えた中に注入
し、空気を流入して攪拌することにより行うことが好ま
しい。なお、硝化菌が汚濁水に含まれる場合には、汚濁
水の処理を通じて硝化菌を担体に付着させることができ
る。
【0020】また、ゼオライトと硝化菌は、別々の担体
に担持されてもよいが、同じ担体に担持されていてもよ
い。
【0021】この出願発明の浄化処理は、連続的に汚濁
水を浄化することがとくに好ましい。連続的に浄化する
には、吸着されるアンモニア性窒素(NH4−N)の量
と、吸着されたアンモニア性窒素(NH4−N)を硝化
する量とが関係するが、処理される水のアンモニア性窒
素(NH4−N)の負荷量は、10〜250mg−N/
L/dであることが好ましい。10mg−N/L/dよ
り少ないと、吸着されたアンモニア性窒素(NH4
N)によって硝化菌を増殖できないことがあり、また、
250mg−N/L/dより多いと硝化菌による、アン
モニアを吸着したゼオライトの微生物学的再生処理が追
いつかなくなることがある。
【0022】この出願発明の浄化処理装置は、担体に担
持されたゼオライトおよび硝化菌を有しているものであ
り、それぞれ担体に担持されていることがとくに好まし
い。
【0023】この出願発明の浄化処理材は、ゼオライト
および硝化菌が同一の担体に担持されたものであること
が好ましく、担体が不織布であることがとくに好まし
い。
【0024】担体に担持されたゼオライトでアンモニア
性窒素(NH4−N)を吸着した後に、ゼオライトを再
生するには、吸着されたアンモニア性窒素(NH4
N)を脱離することが好ましく、脱離を硝化菌によって
行うことがとくに好ましい。
【0025】以下、担体として最も適している不織布に
ついて図面により説明する。図1は接着樹脂によりゼオ
ライトを担持させた不織布の拡大断面模型図であり、図
3、4、6はこの出願発明の担体の他の例を示す模型図
であり、図5は他の担体の製法を示す図である。また、
図7〜図17はこの出願発明の浄化処理によるアンモニ
ア性窒素(NH4−N)の挙動を示す図であり、図10
および図12はこの出願発明の浄化処理装置を示す図で
ある。
【0026】図2はこの出願発明のゼオライトが担持し
た担体の製造方法の一例を示している。この例では、ゼ
オライト1を担持した3枚の不織布4を積層した後、不
織布を結合する線状のシール部5が適当な間隔で形成さ
れる。線状のシール部5は図2の例では連続した直線で
あるが、破線などの不連続線であってもよく、また波線
などの直線以外の線であってもよい。線状のシール部5
の幅は特に限定されないが、1〜5mmであることが好
ましい。シール後、線状のシール部5とシール部5との
間の点線に沿って切断することにより、図3に示すよう
な略円柱状の立体形状の多孔質基材の担体Aが得られ
る。この担体Aは、断面がシール部5を中心として不織
布4が放射状に広がる略円形をしており、各不織布4間
に隙間があるため、通水性が優れており、処理する水と
の接触面積が極めて大きくなっている。また、各不織布
はシール部により強固に結合されているため、水中で不
織布がバラバラになる心配もない。更には、ゼオライト
が担体の全面にわたって平均して分布しているため、水
中のアンモニア性窒素(NH4−N)の吸着性に優れて
いる。
【0027】なお、この図2の製造例において、図面の
点線に沿ってすべての不織布4を切断せずに、一番下の
不織布を残して他の不織布のみを切断すると、図4に示
すような一枚のシート状に半円形状の突出を持つ立体形
状の多孔質材の担体Bが得られる。この担体Bは断面
が、シール部5を中心として不織布4が放射状に広がる
略半円形状が、シート状に所定間隔で設けられた構造を
しており、担体Aと比べてシート形態で取扱えるという
利点がある。
【0028】図5はこの出願発明の担体の製造方法の他
の例を示している。この例ではゼオライト1を担持した
3枚の円盤状の不織布4を積層した後、円盤の中心に点
状のシール部5を形成して不織布を結合している。点状
のシール部5の直径は1〜5mmの範囲にあることが好
ましい。このように、点状のシール部5で結合すること
により図6に示すような断面を有する略球状の立体形状
の多孔質材の担体Cが得られる。担体Cの断面は、シー
ル部5を中心として不織布4が放射状に広がる円形状を
している。
【0029】担体A〜Cはいずれも、シール部5からゼ
オライトを担持した不織布4が放射状に延びる断面形状
を有しているため、例えば、河川や排水などの浄化処理
に用いた場合、不織布4と不織布4との間に処理する水
を導くことができ、処理面積を非常に大きくできるとと
もに、不織布に微生物膜が形成されたり塵埃が捕集され
たりして目が詰ってきても、水の抵抗によりシール部に
固定された状態で不織布が変形して通水路を確保できる
ので、処理される水の流れをせき止めてしまうことがな
い。また、不織布の全体にわたって一様にゼオライトが
分布しているため、水中のアンモニア性窒素(NH4
N)の吸着性に優れ、不織布に担持した硝化菌が吸着さ
れたアンモニア性窒素(NH4−N)を栄養源として増
殖できる。更に、吸着されたアンモニア性窒素(NH4
−N)は、増殖した硝化菌によって安定に効率よく硝化
される。
【0030】
【実施例】以下、この出願発明を実施例によって具体的
に説明する。 実施例1 目付250(g/m2)の不織布基材(T−3タイ
プ)、この基材にゼオライト「CP−G」、ゼオライト
「CP−F」、及びゼオライト「イズカライト」の夫々
の粉体を担持したもの(いずれも平均粒径7.8(μ
m)、粉体担持量142.5(g/m2))、並びに上
記基材にゼオライト「SSS」を担持させたもの(平均
粒径6.2(μm)、粉体担持量144(g/m2))
の5種類の不織布サンプルを一辺2cmの正方形に裁断
した。裁断した21個(面積84cm2)のゼオライト
付着担体を1L容の三角フラスコに投入し、NH4−N
濃度6.0mg/Lを含む水道水250mLを投入し
た。水温30℃、回転数110stroke/minで
振とう器にかけ、NH4 +吸着回分試験を行った。経時的
にサンプルを5mL採取し、NH4−Nの濃度を測定し
た。NH4−Nはインドフェノール法(1)で測定した。こ
の実験の結果、ゼオライトを担持したものは50〜80
%の吸着率を示したが、不織布だけの場合には、10%
程度であった。この結果から各ゼオライト付着担体のう
ち、CP−G担体が最も高いNH4−N吸着能(0.9
2mg−N/g−zeolite)を有することがわか
った。SSS担体は粉末状のゼオライトの担持量は多い
が、使用する接着剤が多くなるためにゼオライト付着担
体の吸着部位が接着剤によりブロックされ、実際の吸着
能力は落ちていると考えられる。
【0031】参考例 CP−G担体のNH4−N吸着の解析 NH4−N吸着に優れたCP−G担体を用いて、初発N
4−Nの濃度を変化させた吸着実験を行い、その実験
結果をもとにCP−G担体によるNH4−N除去がFr
eundlich吸着平衡式により説明できるかどうか
検討するために、水道水を使用しNH4−Nの濃度を5
〜200mg/Lに変え、2.1(1)と同様の実験方
法によりCP−G担体によるNH4−Nの吸着回分試験
を行った。図7に初発NH4−N濃度を変化させた回分
試験におけるCP−G担体によるNH4−Nの吸着経時
変化を示した。Freundlich吸着平衡式は式
で示される。 y/m=KC1/n − 平衡時では、式は次のように置き換えることができ
る。 y/m=V(N0−N1)/m − y:吸着したNH4−N(mg) m:吸着材のグラム数(g) C:平衡濃度(mg/L) N0:初期NH4−N濃度(mg/L) N1:平衡時のNH4−N濃度(mg/L) 式の両辺の対数をとると log(y/m)=log+(l/n)logC −
両対数グラフにy/mと平衡濃度Cをプロットし、得ら
れる直線からKとnを決定することができる。図8にC
P−G担体についての式のプロットを示した。この結
果、K=0.28、l/n=1.17と図式決定され、
CP−G担体によるNH4−N吸着が式に示すFre
undlich吸着平衡式に適合することが明らかとな
った。 y/m=0.28C1.17 − なお、図8に示すようにゼオライトを担体に担持して
も、ゼオライトをそのまま使用する場合に比べて約82
%の吸着性能を有している。
【0032】実施例2 初発濃度50mg/L、100mg/LのNH4−N溶
液250mLの入った1L容の三角フラスコにCP−G
担体(84×4cm2/L)を加え、NH4−Nを吸着さ
せた。なお、CP−G付着担体は2時間振とうさせた。
NH4−Nが吸着した付着担体を流水でよく洗った後、
1時間水切りを行った。200〜1574meq/Lの
NaCl溶液を250mL入れた。水温20℃、回転数
100stroke/minで振とう器にかけ、回分試
験によりCP−G付着担体からのNH4−Nの脱着を調
べた。経時的にサンプルを5mL採取し、NH4−N濃
度を測定した。初発NH4−N濃度100mg/LでN
4−NをCP−G担体に吸着させた後、NaCl濃度
を200〜1574meq/Lに変化させて化学的に再
生処理した場合のCP−G担体の再生率の経時変化を図
9に示した。初期濃度が100mg/Lの再生液のNa
Cl濃度を200meq/Lにしたときが最も多くNH
4−Nが脱着され、効率的にNH4−N吸着能が再生され
た。いずれの場合も1時間で再生は終了した。初発NH
4−N濃度100mg/Lで吸着させた後の再生率は、
1回目が45.5%、 2回目が35.6%であり、減
少率は21.8%であった。また、初発NH4−N濃度
50mg/Lのときの再生率は、1回目が48.7%、
2回目が39.7%であり、減少率は18.5%であっ
た。NaClによる化学的処理により一度再生したゼオ
ライト付着担体を再び吸着実験した結果、その吸着能は
2〜4割減少した。
【0033】実施例3 CP−G担体をNH4−N濃度50mg/Lを含む水道
水に浸漬させCP−G担体にNH4−Nを吸着させた。
吸着後のゼオライト付着担体を硝化活性汚泥1,000
mg/Lを含む250mLの無機培地に投入し、水温2
5℃、回転数100stroke/minで振とう器に
かけ回分試験を行った。経時的にサンプルを10mL採
取し、NO3−N濃度を調べた。再生終了後、最初の吸
着と同様の条件及び方法で再びNH4−N吸着実験を行
った。吸着率は、1回目が72.5%、2回目が65.
2%であり、減少率は10.1%であった。再吸着した
ときに多少の吸着率の低下が見られたが実施例2の化学
的再生と比較すると有効であることがわかった。NH4
−Nを吸着したゼオライト付着担体が硝化菌により再生
され、NO3−Nへと硝化が行われていることが証明さ
れた。なお、硝化菌の担体への付着は、硝化活性汚泥を
ゼオライト付着担体に付着させ、1日毎に硝化処理液を
交換するfill and draw法によって硝化処
理を行い、その硝化特性を検討した。図10に示す浄化
処理装置を使用して、NH4−N濃度を25mg/Lに
調整した無機培地5Lに水道水で水洗いした硝化活性汚
泥を3,000mg/Lの濃度になるよう添加した。処
理槽には8×30×0.7cmのCP−G担体を5枚浸
漬した。水温を25℃に設定し、曝気することにより水
槽中の水を攪拌した。24時間毎に硝化処理液を新鮮な
無機培地に交換し、7日間にわたり硝化処理液のNH
4−N濃度とNO3−N濃度を調べた。常にpHは5.5
以上、DOは約8.0mg/Lを保った。硝化活性汚泥
はゼオライト付着担体にほぼ全て付着保持されるため数
時間後に水槽中に懸濁する硝化活性汚泥はなくなった。
これは付着担体の繊維状の目に汚泥が付着したためと思
われ、振動などを与えると容易に剥離した。この実験の
結果図11に示すように、時間が経つにつれ、硝化能
力、NH4−N吸着量は共に減少したがNH4−Nの吸着
及び硝化は順調に行われた。
【0034】実施例4 ゼオライト付着担体に硝化活性汚泥が安定に保持され、
沈殿池を設けることなく澄明な硝化処理水を得ることが
可能となったので、さらに連続処理で硝化活性汚泥を付
着したゼオライト付着担体にどの程度の硝化能力がある
のかについて検討した。図12に示す連続浄化処理装置
を使用して、CP−G担体(5×30×0.7cm、5
枚)、硝化活性汚泥MLSS 3,000mg/L、5
mg/LのNH4−Nを含有する無機培地と共に5Lの
処理槽に投入した。水槽中の水温を25℃に設定し、曝
気することにより水槽全体を攪拌した。5mg/LのN
4−N含有無機培地を定量ポンプ(東京理化ローラー
RP−2000型)により25L/dの流量で連続供給
した。NH4−N負荷量を一定に維持した状態で流入N
4−N濃度を種々変化(12.5L×10mg/L、
6.25L×20mg/L)させて連続硝化処理を行っ
た。この実験の結果、図13に示すように、使用したア
ンモニア性窒素(NH4−N)合成排水濃度が20pp
mになると排水中のNH4−Nが完全には吸着除去され
なくなった。これは使用したCP−G担体の吸着能をア
ンモニア性窒素(NH4−N)合成排水の負荷量が越え
たためであり、処理水の滞留時間に硝化速度が追いつか
なくなったためともいえる。この結果から、負荷を一定
にしても高濃度のアンモニア性窒素(NH4−N)合成
排水においては流量を小さくする必要があることがわか
った。この連続実験の結果から、アンモニア性窒素(N
4−N)合成排水の濃度を、処理システムが順調に稼
働すると思われる10mg/Lにより、引き続き負荷を
増やして処理することによりゼオライト付着担体、およ
び硝化活性汚泥による処理システムの限界を調べた。ア
ンモニア性窒素(NH4−N)合成排水の負荷量を、N
4−N濃度が一定のまま2日おきに増やし、連続実験
を行った。図14に示すように、10日間にわたりアン
モニア性窒素(NH4−N)合成排水の負荷量を変化さ
せたときにおける処理水のNH4−N濃度、NO3−N濃
度の経時変化を示した。また図15にNH4−N容積負
荷量、図14のNH4−N濃度から求められる吸着除去
できたNH4−N容積負荷量の関係を示した。図14に
示されるように、徐々に硝化能力は低下したが、NH4
−N吸着除去の様子を示した図15を見るとその処理能
の90%に低下した。従ってこの処理法の限界負荷量は
250(mg−N/d・L)である。しかし、その時の
処理のためのアンモニア性窒素(NH4−N)合成排水
滞留時間が僅か1時間であるので、この処理システムは
有効に機能していることがわかる。図15から、100
%のNH4−N吸着除去率と消化率が得られたNH4−N
容積負荷量と同じNH4−N負荷量になるよう汚濁合成
河川水を処理層に供給し、この硝化処理システムが汚濁
した河川水の浄化に有効かどうかを検討した。C612
6 TOC 10mg/L、(NH42SO4 T−N
10mg/L、KH2PO4 T−P 2mg/L、水
道水 1.0Lの汚濁合成河川水を処理層に供給し、
NH4−N容積負荷量が50(mg−N/d・L)とな
るように25L/日の流量で連続実験を行った。図16
に汚濁合成河川水の連続処理における処理水のNH4
N濃度、NO3−N濃度、TOC濃度の経時変化を示し
た。汚濁合成河川水における流入水と処理水の各成分濃
度はつぎのようになった。 表−1 ──────────────────────────────────── 流入水濃度(mg/L) 処理水濃度(mg/L) ──────────────────────────────────── T−N(mg/L) 10.0 11.0 TOC(mg/L) 10.0 N.D T−P(mg/L) 2.0 − NH4−N(mg/L) 10.0 N.D NO3−N(mg/L) 0 11.1 SS(mg/L) − 0.69 ──────────────────────────────────── (N.D;検出されず) 図16から、汚濁合成河川水においてもNH4−N吸着
除去と硝化は100%行われ、TOCについても12時
間後には検出されるが、その後は完全に除去されたこと
がわかる。処理水のSS濃度からも分かるように極めて
澄明な処理水が得られた。表−1には、処理水質の安定
した定常域での処理成績を示した。流入NH4−Nが完
全に硝化されると共に、流入TOCもほぼ完全に分解除
去されることが示されている。従って、汚濁合成河川水
の処理においても5.2で求めた限界負荷250(mg
−N/d・L)域では、有機物除去と硝化処理を併行し
て行うことが可能であることが実験的に確認された。
【0035】実施例5 繊度30デニールのポリエステル繊維50重量%と繊度
15デニールの芯鞘型複合繊維(鞘:融点140℃の低
融点ポリエステル、芯:ポリエチレンテレフタレート)
50重量%の繊維ウェブをドライヤーにより140℃で
加熱処理して、厚み7mm、目付250g/m2の繊維
接着不織布(平均開孔径約500μm)を作成した。こ
の不織布に、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体を主成分とするエマルジョンに平均粒径21.9μm
のクリノプチロライト系ゼオライトを分散した溶液を含
浸し、乾燥して、クリノプチロライト系ゼオライトを不
織布に担持させた。なお、不織布体積に占めるゼオライ
トの割合は139g/m2である。一方、肉エキス、ペ
プトンを主体とする合成下水で長期間低負荷で培養して
高い硝化能を有する硝化活性汚泥を調製した。この硝化
活性汚泥は、沈降性に優れているだけでなく、BOD除
去と平行して硝化を行うことができる。ゼオライトを担
持した幅8cm×長さ30cm×厚さ0.7cmの寸法
に裁断した5枚の不織布を、5Lの硝化活性汚泥の曝気
槽に、たて(長さ方向)に吊り下げ、底部から曝気しな
がら、不織布に硝化活性汚泥を付着させた。ついて、こ
の5枚の不織布を図12の連続硝化装置に吊り下げ、S
Sを粗いフィルターで除去した汚濁水を50mg−N/
L/dの負荷で通した。この浄化処理により連続的に汚
濁水のアンモニア性窒素(NH4−N)を吸着すると共
に吸着されたアンモニア性窒素(NH4−N)を硝化す
ることができた。また、汚濁水のNH4−N容積負荷量
について検討したところ、250mg−N/L/dの負
荷が限界であることが確認された。
【0036】実施例6 繊度30デニールのポリエステル繊維50重量%と繊度
15デニールの芯鞘型複合繊維(鞘:融点140℃の低
融点ポリエステル、芯:ポリエチレンテレフタレート)
50重量%の繊維ウェブをドライヤーにより140℃で
加熱処理して、厚み7mm、目付250g/m2の繊維
接着不織布(平均開孔径約500μm)を作成した。こ
の不織布に、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体を主成分とするエマルジョンに平均粒径7.8μmの
クリノプチロライト系ゼオライトを分散した溶液を含浸
し、乾燥して、クリノプチロライト系ゼオライトを不織
布に担持させた。なお、不織布体積に占めるゼオライト
の担持重量は142.5g/m2である。この不織布を
厚さ7mm、幅8cm×長さ30cmの寸法に裁断した
5枚の不織布を、5Lの硝化活性汚泥の曝気槽に、たて
(長さ方向)に吊り下げ、底部から曝気しながら、SS
を粗いフィルターで除去した生活排水を通した。フィル
アンドドロー法で肉エキス、ペプトンを主体とする合成
下水で長期間低負荷で培養して硝化能を有する硝化活性
汚泥を調製した。この硝化活性汚泥は、沈降性に優れて
いるばかりか、BOD除去と平行して硝化を行うことが
できる。この硝化活性汚泥を図12の連続浄化処理装置
に入れMLSS(MixedLiquor Suspe
nded Solid)濃度は2.300mg/Lに調
整し、空気を入れて攪拌し、ゼオライトを担持した不織
布にリアクタ中の硝化活性汚泥を完全に付着固定化し
た。このようにして、硝化活性汚泥を完全に不織布に付
着固定化した後、合成河川水(グルコース 42.7m
g/L、(NH42SO4 25.0mg/L、KH2
4 8.77mg/L、水道水 1.0L)を、ロー
ラーポンプを用いて25L/dの流量でリアクタに供給
し、合成汚濁河川水の連続浄化試験を行った。液滞留時
間は4.8時間、処理温度は25℃で実験を行った。流
入水と処理水について、TOCとNH4−N、NO3−N
濃度を測定し、リアクタの浄化能力を評価した。図17
に連続処理試験におけるNH4−Nの除去の経時変化を
示した。実験期間中、NH4−N容積負荷量は50mg
−NH4−N/L/dとなるように一定に維持した。実
験開始当初10日は、ゼオライトを担持した不織布を用
いたリアクタでは92〜99%の高いNH4−N除去率
が得られた。これに対しゼオライトを担持していない不
織布を用いた対照リアクタでは、NH4−N除去率が大
きく変動し、実験開始11日後には、NH4−N除去率
が64%にまで低下した。この結果、ゼオライトを担持
した不織布を用いることで、運転開始当初から安定した
高いNH4−N除去率を達成できることが示され、不織
布へのゼオライト担持の効果を認めることができた。実
験開始10日から15日までの間はNH4−N容積負荷
量を50mg−NH4−N/L/dに維持した状態で、
流入水のNH4−N濃度のみを4倍に上げ、流入水量を
1/4に低下させた実験となった。NH4−N容積負荷
量が変わらないのであれば、NH4−N除去速度も変わ
らないはずであるが、何れのリアクタもNH4−N除去
率が50%程度に大幅に低下した。この原因について
は、NH4−N濃度のみを40mg/Lにも高めたこと
から流入水のアルカリ度が不足し、硝化反応が阻害を受
けたものと考えられる。しかし、この間においても、ゼ
オライトを担持した不織布を使ったリアクタの方が常に
NH4−N除去率が20%程高くなっておりゼオライト
の担持効果を認めることができた。15日以降、流入水
のNH4−N濃度を元の10mg/Lに戻した実験に戻
した。いずれのリアクタも急速にNH4−N除去率が回
復し、実験開始21日後にはNH4−N除去率は94%
に高まった。この後、実験を35日間継続した。図17
から明らかなように、ゼオライトを担持した不織布を充
填したリアクタでは、92〜96%の極めて高い効率で
NH4−Nを長期間にわたって安定して除去することが
できた。これに対して、ゼオライトを使用していない対
照のリアクタでは、NH4−Nの除去挙動が非常に不安
定で、30日〜40日にかけては大幅なNH4−N除去
率の低下が起こっている。実験期間中、極めて澄明な処
理水が得られた。供試の合成汚濁河川水には有機物とし
てグルコースを含むことから、リアクタ内部で遊離の細
菌が生育することが考えられるが、不織布に付着固定化
した硝化活性汚泥微生物の吸着能からこれら発生する遊
離の細菌は硝化活性汚泥に吸着除去され、SSフリーの
処理水が得られる結果となっている。以上の2カ月の長
期に及ぶ対照連続試験で得られた結果をまとめると、以
下のようになる。 (1)ゼオライトを担持した不織布は硝化活性汚泥の付
着固定化担体として最適で、長期にわたって硝化活性汚
泥の硝化活性を低下させることなく、硝化活性汚泥をリ
アクタ内に安定して保持する能力を有している。 (2)ゼオライトを担持した不織布を充填したリアクタ
では、長期にわたって高いNH4−N除去率を維持でき
た。 (3)対照リアクタとの処理成績の比較検討から、不織
布に担持したゼオライトのNH4−N吸着能が硝化活性
汚泥により微生物再生され、ゼオライトを担持した不織
布を充填したリアクタのNH4−N除去の安定性に大い
に貢献していることを認めた。 (4)リアクタ内で発生する遊離の細菌は付着固定化し
た硝化活性汚泥によって吸着除去され、澄明な処理水を
得ることができた。
【0037】
【発明の効果】 この出願発明は、有機物処理と硝化処
理とを平行して行うことができるので、連続的に汚濁水
を浄化処理することができ、極めて効率的に浄化処理す
ることができるという優れた効果がある。この出願発明
の担体は、アンモニア性窒素(NH4−N)に対する選
択吸着性のあるゼオライトを、多孔質材に接着樹脂によ
って安定に担持させているので汚濁水との接触機会を高
め、効率よく担体にアンモニア性窒素(NH4−N)を
吸着することができる。また、担体に付着させた硝化菌
の栄養源となるアンモニア性窒素(NH4−N)が担体
に担持されているので、硝化菌が増殖することができ、
アンモニア性窒素(NH4−N)を連続的に硝化し、ゼ
オライトのアンモニア性窒素吸着能力をを再生すること
ができる。しかも、水中のアンモニア性窒素(NH4
N)は、ゼオライトの吸着作用により、担体に担持した
硝化菌のもとに効率よく運ばれるため、安定かつ効率的
な硝化作用が得られる。この出願発明の浄化処理方法お
よび浄化処理装置は、安価であり、寿命が長く、維持管
理が容易であり、微生物による自己再生ができる。不織
布を利用することにより、微生物が担持しやすくなるの
で、ゼオライトを不織布に担持することにより、硝化菌
によりゼオライトを再生することができる。また、ゼオ
ライトおよび硝化菌の担体として不織布を利用すると、
軽く、丈夫である点で優れている。とくに、多孔質材と
して2枚以上の熱接着性繊維を含む不織布を点状または
線状のシール部により結合して立体形状に成形したもの
を用いた場合には、微生物や微細な塵埃が担持しやす
く、微生物が増殖したり塵埃が捕集されても目詰りが生
じにくく、しかも、処理される水との接触面積が大き
く、不織布間での通水性も高くなっている。また、シー
ル部からゼオライトを担持した不織布が放射状に延びる
断面形状を有する場合には、例えば、河川や排水下水2
次処理水などの浄化処理に用いた場合、不織布と不織布
との間に処理する水を導くことができ、処理面積を非常
に大きくできるとともに、不織布に微生物膜が形成され
たり塵埃が捕集されたりして目が詰ってきても、水の抵
抗によりシール部に固定された状態で不織布が変形して
通水路を確保できるので、処理される水の流れをせき止
めてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 接着樹脂によりゼオライトを担持させた不織
布の拡大断面模型図
【図2】 この出願発明の担体の製法の一例を示す図
【図3】 この出願発明の担体Aの部分模型図
【図4】 この出願発明の担体Bの部分模型図
【図5】 この出願発明の担体の製法の他の例を示す図
【図6】 この出願発明の担体Cの断面模型図
【図7】 各初発設定濃度におけるNH4−N濃度の経
時変化
【図8】 粉末状ゼオライトと担持したゼオライトのN
4−N濃度の経時変化
【図9】 NaCl濃度による担持したゼオライトの再
生率の経時変化
【図10】 バッチ式浄化処理装置
【図11】 バッチ式によるNH4−N濃度とNO3−N
の経時変化
【図12】 連続浄化処理装置
【図13】 NH4−N濃度とNO3−N濃度の経時変化
【図14】 NH4−N濃度とNO3−N濃度の経時変化
【図15】 NH4−N容積負荷量とNH4−Nの吸着除
去量
【図16】 汚濁水における処理水のNH4−N濃度と
NO3−N濃度、TOC濃度の経時変化
【図17】 汚濁水の連続処理水のNH4−N濃度の経
時変化
【符号の説明】
1 ゼオライト 2 接着樹脂 3 繊維 4 ゼオライトを担持した不織布 5 シール部 6 浄化処理装置 7 浄化処理材 8 汚濁水 9 浄化された水 10 空気

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体に担持されたゼオライトで汚濁水を
    処理することを特徴とする浄化処理法。
  2. 【請求項2】 硝化菌の存在下で汚濁水を処理すること
    を特徴とする請求項1に記載の浄化処理法。
  3. 【請求項3】 硝化菌が担体に担持されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の浄化処理法。
  4. 【請求項4】 ゼオライトおよび硝化菌が同一の担体に
    担持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の浄化処理法。
  5. 【請求項5】 担体が多孔質であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の浄化処理法。
  6. 【請求項6】 多孔質が不織布であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の浄化処理法。
  7. 【請求項7】 連続的に汚濁水を浄化することを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の浄化処理法。
  8. 【請求項8】 バッチ式に汚濁水を浄化することを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の浄化処理法。
  9. 【請求項9】 汚濁水のアンモニア性窒素(NH4
    N)の負荷量が250mg−N/L/d以下であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の浄化処理
    法。
  10. 【請求項10】 汚濁水のアンモニア性窒素(NH4
    N)の濃度が10mg−N/L程度(5〜20mg−N
    /L)であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の浄化処理法。
  11. 【請求項11】 担体に担持されたゼオライトを有する
    ことを特徴とする浄化処理装置。
  12. 【請求項12】 担体に担持されたゼオライトおよび担
    体に担持された硝化菌を有することを特徴とする浄化処
    理装置。
  13. 【請求項13】 ゼオライトおよび硝化菌が同一の担体
    に担持されていることを特徴とする請求項11または1
    2に記載の浄化処理装置。
  14. 【請求項14】 担体が不織布であることを特徴とする
    請求項11〜13のいずれかに記載の浄化処理装置。
  15. 【請求項15】 ゼオライトおよび硝化菌が担体に担持
    された浄化処理材。
  16. 【請求項16】 担体が不織布であることを特徴とする
    請求項15に記載の浄化処理材。
  17. 【請求項17】 担体に担持されたゼオライトでアンモ
    ニア性窒素(NH4−N)を吸着し、ついで吸着された
    アンモニア性窒素(NH4−N)を微生物学的に脱離す
    ることを特徴とするゼオライトの再生方法。
  18. 【請求項18】 微生物学的な脱離を硝化菌によって行
    うことを特徴とする請求項17に記載のゼオライトの再
    生方法。
  19. 【請求項19】 担体が不織布であることを特徴とする
    請求項17または18に記載のゼオライトの再生方法。
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