JP2017069855A - プリンタ及びスキャナプロファイル作成プログラム並びにスキャナプロファイル作成方法 - Google Patents

Abstract

【課題】プリンタの色域に合わせてスキャナプロファイルを適切に作成／修正する。【解決手段】印刷エンジンに、第１のカラーチャート及びプリンタの色域の外殻の特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷させ、インラインスキャナ及びインライン測色器に、第１及び第２のカラーチャートのＲＧＢ値及び測色値を取得させる制御部を備え、制御部は、第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成し、第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの第１の色域を特定すると共に、第２のカラーチャートの特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの第２の色域を特定し、第１の色域と第２の色域とを比較した結果に基づいて、前記スキャナプロファイルを修正する。【選択図】図４

Description

本発明は、プリンタ及びスキャナプロファイル作成プログラム並びにスキャナプロファイル作成方法に関し、特に、インラインスキャナとインライン測色器とを備えるプリンタ及びスキャナの色変換テーブル（スキャナプロファイル）を作成するスキャナプロファイル作成プログラム並びにスキャナプロファイル作成方法に関する。

スキャナやプリンタなどのデバイスでは、当該デバイスが出力するデバイス値（ＲＧＢ値やＣＭＹＫ値）はデバイスに依存した値になることから、このデバイス値をデバイスに依存しない色に変換するための色変換テーブル（デバイスプロファイル）を作成し、デバイスプロファイルを用いて色変換が行われる。このデバイスプロファイルを作成する方法として、例えば、スキャナプロファイルを作成する場合は、プリンタで出力した色票（カラーチャート）をスキャナと測色器とで測定し、スキャナで測定して得たＲＧＢ値と測色器で測定して得たCIE 1976色空間のＬ*ａ*ｂ*値やCIE 1931色空間のＸＹＺ値などの測色値とを対応付けることによってスキャナプロファイルを作成することができる。

上記スキャナプロファイルは、プリンタで出力したカラーチャートを測定することによって作成されるため、プリンタの状態や使用する紙種が変わり、スキャナプロファイル作成時よりもプリンタの色域（プリンタが表現できる色の範囲）が広くなった場合には、スキャナプロファイルを用いた色変換精度が悪化する。そこで、そのような場合は、スキャナプロファイルを修正する必要がある。

スキャナプロファイルを修正する方法として、市販のソフトウェアを用い、プリンタで再度出力したカラーチャートをスキャナと測色器とで測定することによってスキャナプロファイルを作成し直す方法がある。また、スキャナ特性が変動した時にスキャナプロファイルを修正する技術に関して、特許文献１には、スキャナプロファイルの計算を外部の高速なデバイスに行わせ、画像処理装置の負荷を減らす技術が記載されている。

また、スキャナプロファイルの修正に関する技術ではないが、プリンタプロファイルを修正する技術に関して、下記特許文献２には、少ないパッチを測色器で測り、プリンタプロファイル作成時からのプリンタの変動によって生じるＬ*ａ*ｂ*値の変動の差を、ＣＭＹＫ→Ｌ*ａ*ｂ*値の色変換テーブル全体に反映させて、プリンタプロファイルを修正する技術が記載されている。

特開２００６−０３３５７２号公報 特開２００９−００４８６５号公報

スキャナプロファイルを修正するにあたり、上記市販のソフトウェアや特許文献１の技術ではスキャナプロファイルを最初から作り直す必要があるため、スキャナプロファイルの修正に時間がかかる。また、これらの技術では、スキャナプロファイルを修正する度に、スキャナプロファイル作成用のカラーチャートを出力しなければならないため、時間や資源の無駄が生じる。

また、特許文献２は、ＣＭＹＫの入力値が固定の場合に成り立つアルゴリズムであり、プリンタの特性の変動をスキャナで検知すると、ＲＧＢ値とＬ*ａ*ｂ*値とが共に変動するため、この技術をスキャナプロファイルの修正に適用することはできない。

また、スキャナプロファイルには一定間隔のＲＧＢ値に対する測色値（Ｌ*ａ*ｂ*値、ＸＹＺ値など）が対応付けられており、従来のスキャナプロファイルはグリッドのアドレスが決まっているため、カラーチャートを測定して現在のプリンタの色域が分かったとしても、プリンタの色域が変動したかどうかを正確に判断することができない。

すなわち、従来の技術は、スキャナプロファイルとプリンタプロファイルとを別個独立して作成／修正するものであり、スキャナプロファイルにプリンタの色域が反映されていないため、プリンタの特性の変化を検知したり、プリンタの特性の変化に合わせてスキャナプロファイルを修正したりすることができない。

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、プリンタの特性（色域）に合わせてスキャナプロファイルを適切に作成し、プリンタの特性（色域）の変化に合わせてスキャナプロファイルを適切に修正することができるプリンタ及びスキャナプロファイル作成プログラム並びにスキャナプロファイル作成方法を提供することにある。

本発明の一側面は、印刷エンジンとインラインスキャナとインライン測色器とを備えるプリンタであって、前記印刷エンジンに、複数のパッチを配置した第１のカラーチャート、及び、少なくとも前記プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷させ、前記インラインスキャナに、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値を取得させ、前記インライン測色器に、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチの測色値を取得させる制御部を備え、前記制御部は、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成するスキャナプロファイル作成部と、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第１の色域を特定すると共に、前記第２のカラーチャートの前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第２の色域を特定するプリンタ色域特定部と、前記第１の色域と前記第２の色域とを比較した結果に基づいて、前記スキャナプロファイルを修正するスキャナプロファイル修正部と、を備えることを特徴とする。

本発明の一側面は、プリンタとスキャナと測色器と含む印刷システム内の装置で動作するスキャナプロファイル作成プログラムであって、前記装置は、前記プリンタに、複数のパッチを配置した第１のカラーチャート、及び、少なくとも前記プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷させ、前記スキャナに、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値を取得させ、前記測色器に、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチの測色値を取得させる制御部を備え、前記制御部に、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成するスキャナプロファイル作成処理、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第１の色域を特定する第１のプリンタ色域特定処理、前記第２のカラーチャートの前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第２の色域を特定する第２のプリンタ色域特定処理、前記第１の色域と前記第２の色域とを比較した結果に基づいて、前記スキャナプロファイルを修正するスキャナプロファイル修正処理、を実行させることを特徴とする。

本発明の一側面は、プリンタとスキャナと測色器とプロファイル作成装置とを含む印刷システムにおけるスキャナプロファイル作成方法であって、前記プリンタが、複数のパッチを配置した第１のカラーチャートを印刷する第１の印刷処理と、前記スキャナが、前記第１のカラーチャートの各パッチを測定してＲＧＢ値を取得する第１のＲＧＢ値取得処理と、前記測色器が、前記第１のカラーチャートの各パッチを測定して測色値を取得する第１の測色値取得処理と、前記プロファイル作成装置が、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成するスキャナプロファイル作成処理と、前記プロファイル作成装置が、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第１の色域を特定する第１のプリンタ色域特定処理と、前記プリンタが、少なくとも前記プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷する第２の印刷処理と、前記スキャナが、前記第２のカラーチャートの各パッチを測定してＲＧＢ値を取得する第２のＲＧＢ値取得処理と、前記測色器が、前記第２のカラーチャートの少なくとも前記特定色のパッチを測定して測色値を取得する第２の測色値取得処理と、前記プロファイル作成装置が、前記第２のカラーチャートの前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第２の色域を特定する第２のプリンタ色域特定処理と、前記プロファイル作成装置が、前記第１の色域と前記第２の色域とを比較した結果に基づいて、前記スキャナプロファイルを修正するスキャナプロファイル修正処理と、を実行することを特徴とする。

本発明のプリンタ及びスキャナプロファイル作成プログラム並びにスキャナプロファイル作成方法によれば、プリンタの特性（色域）に合わせてスキャナプロファイルを適切に作成し、プリンタの特性（色域）の変化に合わせてスキャナプロファイルを適切に修正することができる。

その理由は、第１のカラーチャートを印刷し、スキャナを用いて第１のカラーチャートのＲＧＢ値を取得すると共に、測色器を用いて第１のカラーチャートの測色値を取得し、ＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成する。その後、プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷し、スキャナを用いて第２のカラーチャートのＲＧＢ値を取得すると共に、測色器を用いて第２のカラーチャートの測色値を取得し、第１のカラーチャートのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの第１の色域を特定すると共に、第２のカラーチャートのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの第２の色域を特定し、第１の色域と第２の色域とを比較した結果に基づいてスキャナプロファイルを修正する制御を行うからである。

本発明の一実施例に係る印刷システムの構成例を示す模式図である。 本発明の一実施例に係るプロファイル作成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施例に係るプリンタ（スキャナ及び測色器を含む場合）の構成例を示す模式図である。 本発明の一実施例に係るプリンタ（プロファイル作成装置、スキャナ及び測色器を含む場合）の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施例に係るプロファイル作成装置の機能を備えるプリンタの動作（スキャナプロファイル作成時）を示すフローチャート図である。 本発明の一実施例に係るプロファイル作成装置の機能を備えるプリンタの動作（スキャナプロファイル修正時）を示すフローチャート図である。 本発明の一実施例に係るカラーチャートの一例である。 本発明の一実施例に係る色変換テーブルの一例である。 本発明の一実施例に係るスキャナプロファイル作成／修正方法を説明する模式図である。 従来の色変換テーブルの一例である。 従来のスキャナプロファイルの問題を説明する模式図である。 従来のスキャナプロファイルの問題を説明する模式図である。

背景技術で示したように、スキャナやプリンタなどのデバイスを使用する場合、当該デバイスが出力するデバイス値をデバイスに依存しない色に変換するための色変換テーブル（デバイスプロファイル）を用いて色変換が行われる。この色変換テーブルには、例えば、図１０に示すように、Ｒ、Ｇ、Ｂの各値（ＩＮＰＵＴ）を一定間隔で変化させた時（図１０では、Ｂの値を一定間隔で変化させた例を示している。）のＬ*、ａ*、ｂ*（ＯＵＴＰＵＴ）の各値が記述される。

ここで、プリンタの状態や使用する紙種が変わり、スキャナプロファイル作成時よりもプリンタの色域が広くなった場合には、スキャナプロファイルを用いた色変換精度が悪化する。この問題について図１１を参照して説明する。図１１は、一定間隔のＲＧＢ値（ここではＲＧ値）のグリッド（格子）に、カラーチャートの各パッチを測定して得た測色値から求めたプリンタの色域（実線）を重ね合わせた図であり、プリンタの色域内の格子点を白丸、プリンタの色域外の格子点を黒丸で示している。スキャナプロファイルの作成時に、プリンタの色域が図１１（ａ）に示す範囲であった場合、プリンタの色域の右下の外殻（境界）の色は、精度の高い色域内の３つの格子点のＲＧ値を用いて計算することができるため、高い色変換精度を維持することができる。しかしながら、プリンタの状態や使用する紙種が変わり、図１１（ｂ）に示すようにスキャナプロファイル作成時よりもプリンタの色域が広くなった（図の右下方向に拡大した）場合、プリンタの色域の右下の外殻の色は、外挿計算で求めた精度の悪い色域外の３つの格子点のＲＧ値を用いて計算することになるため、色変換精度が悪化する。

また、従来のスキャナプロファイルは、一定間隔のＲＧＢ値に対する測色値（Ｌ*ａ*ｂ*値、ＸＹＺ値など）が対応付けられているため、カラーチャートをスキャナで測定することによって現在のプリンタの色域が分かったとして、プリンタの色域が変動したかどうかを正確に判断することができない。例えば、図１２に示すようなプリンタの色域の場合、スキャナプロファイルのグリッドの格子点がプリンタの色域内であるか色域外であるかを判断することはできるが、グリッド間の情報はないため、プリンタの色域（例えば左下の外殻の色）がグリッド間で変化した場合、その変動を検知することができない。

そこで、本発明の一実施の形態では、まず、複数のパッチを配置した第１のカラーチャートを印刷し、スキャナ及び測色器の両方で測定してＲＧＢ値及び測色値を取得し、第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成する。その際、例えば、第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値に基づき、プリンタの色域の内部及び外殻でＲＧＢ値と測色値とを対応付けて、スキャナプロファイルにプリンタの色域情報を持たせる。また、プリンタのキャリブレーションやプリンタプロファイルの作成、色検証等のためのカラーチャートの一部に、少なくともプリンタの色域を代表する外殻の色（言い換えるとプリンタの色域の境界上の色であって、プリンタの色域の特徴を表す色、特定色と呼ぶ。）のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷し、特定色のパッチをスキャナ及び測色器の両方で測定してＲＧＢ値及び測色値を取得する。そして、第１のカラーチャート及び第２のカラーチャートのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いてプリンタの色域を特定し、プリンタの色域の変動を判断し、スキャナプロファイル作成時よりもプリンタの色域が広くなった場合は、現在のプリンタの色域に合わせてスキャナプロファイルを修正するようにする。

図を参照して具体的に説明すると、事前準備として、（１）ＲＧＢのアドレス（グリッドにおける位置）を可変にして、プリンタの色域を代表する外殻の色においてＲＧＢ値とＬ*ａ*ｂ*値の両方を持つように（すなわち、グリッドの格子点がプリンタの色域の外殻に重なるように）色変換テーブル（スキャナプロファイル）を作成し、スキャナプロファイルにおけるプリンタの色域を特定する（図８及び図９の左下参照）。その際、プリンタ内のインライン測色器及びインラインスキャナを用いてカラーチャートを測定するのが簡便である。次に、スキャナプロファイルを用いた色変換時に、（２）色変換対象のカラーチャートの一部（プリンタの色域の外殻の色を示す特定色のパッチを配置した部分、図９の左上のカラーチャートの中央を縦断する太い実線の枠参照）を、インライン測色器とインラインスキャナの両方で測定して、その時のプリンタの色域を特定する。そして、図９の右下に示すように、（２）で特定したプリンタの色域（実線）が、（１）で特定したプリンタの色域（破線）よりも大きい場合に、グリッドの格子点が（２）で特定したプリンタの色域の外殻に重なるように、スキャナプロファイルを修正する。なお、本発明におけるグリッドは、直交する線で構成される必要はなく、また、グリッドの間隔も一定にする必要はない。

このような制御を行うことにより、プリンタの状態の変動によって、プリンタの色域がスキャナプロファイル作成時より大きくなっても、外挿（補外）計算が発生せずに、高精度で色変換を実施することができる。また、スキャナプロファイルを使用する際に、プリンタの状態の変動を毎回判定することができるため、プリンタの状態を確認するためのカラーチャートを出力する必要がなくなり、資源や時間の無駄を抑制することができる。また、スキャナプロファイルのＲＧＢ値を可変にすることにより、プリンタの色域の大小を正しく判定することができる。更に、スキャナプロファイルはプリンタの色域が大きくなる方向に拡大していくため、使えば使うほど広い色域に対応したスキャナプロファイルにすることができ、ロバスト性を向上させることができる。

なお、本明細書において、プロファイルとは色変換テーブルのことを指す。プロファイルのなかでも、ＩＣＣ（International Color Consortium）プロファイルが印刷業界のみならず、ＩＴ業界においても広く使われており、実質的にデファクトスタンダードとなっている。上記ＩＣＣプロファイルでは対応表の入力値は格子数として定義されており、例えば格子数が６であれば、０から２５５を（格子数−１）で割った値が入力値の刻み幅となる。従って、Ｒ、Ｇ、Ｂのそれぞれが０、５１、１０２、１５３、２０４、２５５の値を持ち、対応表には、６の３乗の組み合わせの入力値とそれに対応する測色値とが記載されることになる。

上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係るプリンタ及びスキャナプロファイル作成プログラム並びにスキャナプロファイル作成方法について、図１乃至図９を参照して説明する。図１は、本実施例の印刷システムの構成例を示す模式図であり、図２は、本実施例のプロファイル作成装置の構成を示すブロック図である。また、図３は、本実施例のプリンタ（スキャナ及び測色器を含む場合）の構成例を示す模式図、図４は、プリンタ（プロファイル作成装置、スキャナ及び測色器を含む場合）の構成を示すブロック図であり、図５及び図６は、本実施例のプロファイル作成装置の機能を備えるプリンタの動作を示すフローチャート図である。また、図７は、本実施例のカラーチャートの一例、図８は、本実施例の色変換テーブルの一例であり、図９は、本実施例のスキャナプロファイル作成／修正方法を説明する模式図である。

図１に示すように、本実施例の印刷システムは、出力指示端末１０と、コントローラ２０と、プロファイル作成装置３０と、プリンタ４０と、スキャナ５０と、測色器６０などで構成される。これらはイーサネット（登録商標）、トークンリング、ＦＤＤＩ（Fiber-Distributed Data Interface）等の規格により定められるＬＡＮ（Local Area Network）やＷＡＮ（Wide Area Network）等の通信ネットワーク７０を介して接続されている。なお、コントローラ２０とプリンタ４０とはＰＣＩ（Peripheral Component Interconnect）接続など、専用線で接続されていてもよい。

出力指示端末１０は、クライアントのコンピュータ装置であり、プリンタドライバや専用のソフトウェアを用いて、コントローラ２０に印刷指示を行うジョブを発行する。

コントローラ２０は、出力指示端末１０によって発行されたジョブに対して、色変換、スクリーニング、ラスタイズ等の画像処理を行い、画像処理後の画像データをプリンタ４０に転送する。上記色変換にはプロファイル作成装置３０が作成したスキャナプロファイルやプリンタプロファイルを用いて行うことになる。

プロファイル作成装置３０は、プリンタ４０から出力されたカラーチャートを用いてスキャナプロファイルやプリンタプロファイルを作成する。このプロファイル作成装置３０の詳細な構成は後述する。

プリンタ４０は、コントローラ２０から画像データを受け取り、画像データに基づく画像を用紙上に形成して出力する。このプリンタ４０の詳細な構成も後述する。

スキャナ５０は、例えば、ＲＧＢの３種類のセンサで構成され、プリンタ４０から出力されたカラーチャートをスキャンし、ＲＧＢ値を出力する。

測色器６０は、光の波長ごとに計測可能なスペクトル方式（分光光度計）の測色器であり、プリンタ４０から出力されたカラーチャートを測色し、測色値（Ｌ*ａ*ｂ*値、ＸＹＺ値など）を出力する。

なお、図１は本実施例の印刷システムの一例であり、その構成は適宜変更可能である。例えば、コントローラ２０はプリンタ４０に内蔵される構成としてもよいし、プロファイル作成装置３０はコントローラ２０やプリンタ４０に内蔵される構成としてもよいし、スキャナ５０や測色器６０はプリンタ４０に内蔵される構成としてもよい。以下、プロファイル作成装置３０とプリンタ４０について詳細に説明する。

［プロファイル作成装置］
プロファイル作成装置３０は、図２（ａ）に示すように、制御部３１、記憶部３５、ネットワークＩ／Ｆ部３６、表示部３７、操作部３８などで構成される。

制御部３１は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）３２とＲＯＭ（Read Only Memory）３３やＲＡＭ（Random Access Memory）３４などのメモリとで構成され、ＣＰＵ３２は、ＲＯＭ３３や記憶部３５に記憶した制御プログラムをＲＡＭ３４に展開して実行することにより、プロファイル作成装置３０全体の動作を制御する。

記憶部３５は、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）やＳＳＤ（Solid State Drive）などで構成され、ＣＰＵ３２が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、作成又は修正したスキャナプロファイルなどを記憶する。

ネットワークＩ／Ｆ部３６は、ＮＩＣ（Network Interface Card）やモデムなどで構成され、プロファイル作成装置３０を通信ネットワーク７０に接続し、コントローラ２０やプリンタ４０、スキャナ５０、測色器６０とのデータ通信を可能にする。

表示部３７は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）や有機ＥＬ（Electro Luminescence）ディスプレイなどであり、スキャナプロファイルの作成や修正に関する各種画面を表示する。

操作部３８は、マウス、キーボード、ハードスイッチなどであり、スキャナプロファイルの作成や修正に関する各種操作を可能にする。

上記制御部３１は、図２（ｂ）に示すように、ＲＧＢ値取得部３１ａ、測色値取得部３１ｂ、スキャナプロファイル作成部３１ｃ、プリンタ色域特定部３１ｄ、スキャナプロファイル修正部３１ｅなどとしても機能する。

ＲＧＢ値取得部３１ａは、スキャナプロファイル作成時においては、スキャナ５０（又は後述するプリンタ４０のインラインスキャナ４９ａ）から、カラーチャート（第１のカラーチャート）の各パッチのＲＧＢ値を取得する。また、スキャナプロファイル使用時（スキャナプロファイルを用いた色変換時）においては、スキャナ５０（又はインラインスキャナ４９ａ）から、カラーチャート（第２のカラーチャート）の各パッチ（少なくとも、プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチ）のＲＧＢ値を取得する。

測色値取得部３１ｂは、スキャナプロファイル作成時においては、測色器６０（又は後述するプリンタ４０のインライン測色器４９ｂ）から、カラーチャート（第１のカラーチャート）の各パッチの測色値を取得する。また、スキャナプロファイル使用時（スキャナプロファイルを用いた色変換時）においては、測色器６０（又はインライン測色器４９ｂ）から、カラーチャート（第２のカラーチャート）の所定領域（例えば、カラーチャートの中央を縦断（又は横断）する領域）の少なくともプリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチの測色値を取得する。

スキャナプロファイル作成部３１ｃは、スキャナプロファイル作成時にＲＧＢ値取得部３１ａが取得したＲＧＢ値と、スキャナプロファイル作成時に測色値取得部３１ｂが取得した測色値とを対応付ける（ＲＧＢ値を測色値に変換する）スキャナプロファイルを作成する。その際、取得したＲＧＢ値及び測色値に基づき、プリンタの色域の内部及び外殻で、ＲＧＢ値と測色値とを対応付けて、スキャナプロファイルを作成する。

プリンタ色域特定部３１ｄは、スキャナプロファイル作成時に印刷したカラーチャート（第１のカラーチャート）の各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの色域（第１の色域と呼ぶ。）を特定する。また、スキャナプロファイル使用時（スキャナプロファイルを用いた色変換時）に印刷したカラーチャート（第２のカラーチャート）のプリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの色域（第２の色域と呼ぶ。）を特定する。

スキャナプロファイル修正部３１ｅは、スキャナプロファイル作成時のプリンタの色域（第１の色域）とスキャナプロファイル使用時のプリンタの色域（第２の色域）とを比較し、その比較結果に基づいてスキャナプロファイルの修正要否を判断する。具体的には、スキャナプロファイル作成時よりもプリンタの色域が広がった場合（例えば、第２のカラーチャートの所定の特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方が、第１の色域の外にある場合）は、スキャナプロファイルの修正が必要と判断し、スキャナプロファイル使用時のプリンタの色域に基づいて、スキャナプロファイルを修正する。例えば、スキャナプロファイルにおけるＲＧＢ値と測色値とを対応付けるグリッドの格子点がスキャナプロファイル使用時のプリンタの色域の外殻に重なるようにグリッドの格子点を設定し直す（すなわち、所定の特定色に最も近い第１の色域の外殻のＲＧＢ値及び測色値を所定の特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値に変更する）か、若しくは、スキャナプロファイル使用時のプリンタの色域の外殻に合わせてグリッドの格子点を追加する（すなわち、第２の色域の外殻で所定の特定色のパッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付ける）。

上記ＲＧＢ値取得部３１ａ、測色値取得部３１ｂ、スキャナプロファイル作成部３１ｃ、プリンタ色域特定部３１ｄ、スキャナプロファイル修正部３１ｅは、ハードウェアとして構成してもよいし、制御部３１を、ＲＧＢ値取得部３１ａ、測色値取得部３１ｂ、スキャナプロファイル作成部３１ｃ、プリンタ色域特定部３１ｄ、スキャナプロファイル修正部３１ｅとして機能させる（プロファイル作成装置３０にＲＧＢ値取得処理、測色値取得処理、スキャナプロファイル作成処理、プリンタ色域特定処理、スキャナプロファイル修正処理を実行させる）スキャナプロファイル作成プログラムとして構成し、当該スキャナプロファイル作成プログラムをＣＰＵ３２に実行させる構成としてもよい。

［プリンタ］
プリンタ４０は、ＭＦＰ（Multi-Functional Peripherals）などの画像形成装置であり、スキャナプロファイル作成用の第１のカラーチャート（プリンタの色域全体の情報が取得できるようにパッチを配置したカラーチャート）と、プリンタのキャリブレーション用やプリンタプロファイル作成用、色検証用などの第２のカラーチャート（少なくともプリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置したカラーチャート）と、を出力することができる。なお、図１では、プリンタ４０とスキャナ５０と測色器６０とを別々の装置としているが、図３に示すように、プリンタ４０にスキャナ５０及び測色器６０が内蔵される構成としてもよい。このプリンタ４０は、図４（ａ）に示すように、制御部４１、記憶部４５、ネットワークＩ／Ｆ部４６、表示操作部４７、画像処理部４８、印刷処理部４９などで構成される。

制御部４１は、ＣＰＵ４２とＲＯＭ４３やＲＡＭ４４などのメモリとで構成され、ＣＰＵ４２は、ＲＯＭ４３や記憶部４５に記憶した制御プログラムをＲＡＭ４４に展開して実行することにより、プリンタ４０全体の動作を制御する。

記憶部４５は、ＨＤＤやＳＳＤなどで構成され、ＣＰＵ４２が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、スキャナプロファイル、プリンタプロファイルなどを記憶する。

ネットワークＩ／Ｆ部４６は、ＮＩＣやモデムなどで構成され、プリンタ４０を通信ネットワーク７０に接続し、コントローラ２０やプロファイル作成装置３０などとのデータ通信を可能にする。

表示操作部４７は、表示部上に透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部（タッチセンサ）を設けたタッチパネルなどであり、印刷処理に関する各種画面を表示し、印刷に関する各種操作を可能にする。また、プリンタ４０がプロファイル作成装置３０の機能を備える場合は、表示操作部４７は、スキャナプロファイルの作成や修正に関する各種画面を表示し、スキャナプロファイルの作成や修正に関する各種操作を可能にする。

画像処理部４８は、プリンタ４０がコントローラ２０の機能を備える場合に設けられ、出力指示端末１０によって発行されたジョブに対して、色変換、スクリーニング、ラスタイズ等の画像処理を行い、画像処理後の画像データを印刷処理部４９に転送する。

印刷処理部（印刷エンジン）４９は、画像処理後の画像データに基づいて印刷処理を実行する。この印刷処理部４９は、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置から画像に応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を転写ベルトに１次転写し、転写ベルトから用紙に２次転写し、更に定着装置で用紙上のトナー像を定着させる処理を行う。また、プリンタ４０がスキャナ５０及び測色器６０の機能を備える場合、印刷処理部４９は、インラインスキャナ４９ａ及びインライン測色器４９ｂを含む。

インラインスキャナ４９ａは、例えば、ＲＧＢの３種類のセンサで構成され、ＲＧＢセンサで取得したＲＧＢ値を出力する。

インライン測色器４９ｂは、例えば、外部測色器と同様に光の波長ごとに計測可能なスペクトル方式（分光光度計）の測色器であり、外部測色器と同様な精度で測色値（Ｌ*ａ*ｂ*値、ＸＹＺ値など）を出力する。

プリンタ４０がプロファイル作成装置３０の機能を備える場合、上記制御部４１は、図４（ｂ）に示すように、スキャナプロファイル作成部４１ａ、プリンタ色域特定部４１ｂ、スキャナプロファイル修正部４１ｃなどとしても機能する。

スキャナプロファイル作成部４１ａは、スキャナプロファイル作成時にインラインスキャナ４９ａがカラーチャート（第１のカラーチャート）から読み取ったＲＧＢ値と、スキャナプロファイル作成時にインライン測色器４９ｂがカラーチャート（第１のカラーチャート）から読み取った測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成する。その際、取得したＲＧＢ値及び測色値に基づき、プリンタの色域の内部及び外殻で、ＲＧＢ値と測色値とを対応付けて、スキャナプロファイルを作成する。

プリンタ色域特定部４１ｂは、上述したように、スキャナプロファイル作成時に印刷したカラーチャート（第１のカラーチャート）の各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの色域（第１の色域）を特定する。また、スキャナプロファイル使用時（スキャナプロファイルを用いた色変換時）に印刷したカラーチャート（第２のカラーチャート）のプリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、プリンタの色域（第２の色域）を特定する。

スキャナプロファイル修正部４１ｃは、上述したように、スキャナプロファイル作成時のプリンタの色域（第１の色域）とスキャナプロファイル使用時のプリンタの色域（第２の色域）とを比較し、その比較結果に基づいてスキャナプロファイルの修正要否を判断する。具体的には、スキャナプロファイル作成時よりもプリンタの色域が広がった場合（例えば、第２のカラーチャートの所定の特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方が、第１の色域の外にある場合）は、スキャナプロファイルの修正が必要と判断し、スキャナプロファイル使用時のプリンタの色域に基づいて、スキャナプロファイルを修正する。例えば、スキャナプロファイルにおけるＲＧＢ値と測色値とを対応付けるグリッドの格子点がスキャナプロファイル使用時のプリンタの色域の外殻に重なるようにグリッドの格子点を設定し直す（すなわち、所定の特定色に最も近い第１の色域の外殻のＲＧＢ値及び測色値を所定の特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値に変更する）か、若しくは、スキャナプロファイル使用時のプリンタの色域の外殻に合わせてグリッドの格子点を追加する（すなわち、第２の色域の外殻で所定の特定色のパッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付ける）。

上記スキャナプロファイル作成部４１ａ、プリンタ色域特定部４１ｂ、スキャナプロファイル修正部４１ｃは、ハードウェアとして構成してもよいし、制御部４１を、スキャナプロファイル作成部４１ａ、プリンタ色域特定部４１ｂ、スキャナプロファイル修正部４１ｃとして機能させる（プリンタ４０にスキャナプロファイル作成処理、プリンタ色域特定処理、スキャナプロファイル修正処理を実行させる）スキャナプロファイル作成プログラムとして構成し、当該スキャナプロファイル作成プログラムをＣＰＵ４２に実行させる構成としてもよい。

なお、図１乃至図４は、本実施例の印刷システム、プロファイル作成装置３０及びプリンタ４０の一例であり、その構成は適宜変更可能である。

以下、本実施例の印刷システムの動作について説明する。なお、以下のフローでは、図４のプリンタ４０を前提とし、プリンタ４０がプロファイル作成装置３０の機能を備え（すなわち、プリンタ４０の制御部４１が、スキャナプロファイル作成部４１ａ、プリンタ色域特定部４１ｂ、スキャナプロファイル修正部４１ｃとして機能し）、プリンタ４０の印刷処理部４９にインラインスキャナ４９ａとインライン測色器４９ｂとを含むものとして説明する。

まず、スキャナプロファイルを作成する手順について説明する。ＣＰＵ４２は、ＲＯＭ４３又は記憶部４５に記憶したスキャナプロファイル作成プログラムをＲＡＭ４４に展開して実行することにより、図５のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。なお、本処理は一番始めに１回だけ行えば良い。

プリンタ４０は、色材を適宜変化させ、プリンタの色域全体の情報が取得できるようにパッチを配置したカラーチャートを出力する（Ｓ１０１）。

次に、プリンタ４０のインラインスキャナ４９ａ（若しくはスキャナ５０）は、上記カラーチャートをスキャンし、全パッチのＲＧＢ値を取得する（Ｓ１０２）。

次に、プリンタ４０のインライン測色器４９ｂ（若しくは測色器６０）は、上記カラーチャートを測色し、全パッチの測色値を取得する（Ｓ１０３）。

次に、プリンタ４０の制御部４１（スキャナプロファイル作成部４１ａ）は、チャートの全点のＲＧＢ値と測色値とを対応付ける色変換テーブル（スキャナプロファイル）を作成し、記憶部４５などに記憶する（Ｓ１０４）。その際、図９の左下に示すように、グリッドの格子点がプリンタの色域の外殻と重なるようにＲＧＢ値を設定する。図８は、このステップで取得した色変換テーブルの一例である。

次に、スキャナプロファイルを修正する手順について説明する。ＣＰＵ４２は、ＲＯＭ４３又は記憶部４５に記憶したスキャナプロファイル作成プログラムをＲＡＭ４４に展開して実行することにより、図６のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。

まず、プリンタ４０の制御部４１は、記憶部４５などから作成済みのスキャナプロファイルを読み込む（Ｓ２０１）。なお、読み込むスキャナプロファイルは本フローチャートで修正したスキャナプロファイルでも良い。

次に、プリンタ４０は、パッチを配置したカラーチャートを出力する（Ｓ２０２）。図７はカラーチャートの一例である。このカラーチャート８０は、スキャナプロファイルを用いて測色値を得る目的によってパターンが異なり、例えば、プリンタの変動を抑えるキャリブレーション用のパターンや、プリンタのプロファイル（ＩＣＣプロファイル）を作成するためのパターン、または色検証用（カラーマネージメント処理後の色が目的の色に入っているかの確認のため）のパターンなどとすることができるが、インライン測色器４９ｂで測定する部分には、少なくともプリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置する。例えば、Red、Yellow、Green、Cyan、Blue、Magentaといった純色と、白地、最暗点（４色ベタなど）の８点が最低限あればよく、その間の色は適宜配置すれば良い。

次に、プリンタ４０の印刷処理部４９のインラインスキャナ４９ａ（若しくはスキャナ５０）は、図７に示すカラーチャート８０の太い破線で示す領域（スキャナ読み込み領域８１）をスキャンし、全パッチのＲＧＢ値を取得する（Ｓ２０３）。

次に、プリンタ４０の印刷処理部４９のインライン測色器４９ｂ（若しくは測色器６０）は、図７に示すカラーチャートの太い実線で示す領域（測色器読み込み領域８２）を測色し、測色器読み込み領域８２内（例えば、カラーチャート８０の真ん中の１ライン分）のパッチの測色値を取得する（Ｓ２０４）。

次に、プリンタ４０の制御部４１（プリンタ色域特定部４１ｂ）は、スキャナプロファイル作成時のプリンタ色域を特定する（Ｓ２０５）。スキャナプロファイル作成時のプリンタ色域を特定するために、図８のようなスキャナプロファイル作成用のカラーチャートを測定して得た色変換テーブルを用いる。従来のＩＣＣプロファイルのフォーマットを示す図１０では、ＲＧＢ値の刻み幅が等量となっており、グリッドの格子点がプリンタの色域の外殻と重なっていないため、プリンタの正確な色域を把握することは不可能であったが、本実施例では、グリッドの格子点がプリンタの色域の外殻と重なるようにＲＧＢ値を設定しているため、色変換テーブルに記述されたＲＧＢ値及び測色値を用いてプリンタの正確な色域を把握することが可能である。

次に、プリンタ４０の制御部４１（プリンタ色域特定部４１ｂ）は、現在（スキャナプロファイル使用時）のプリンタの色域を特定する（Ｓ２０６）。具体的には、上述したように、インライン測色器４９ｂで測定する部分には、プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチが配置されているため、これらの特定色のパッチをインラインスキャナ４９ａで測定したＲＧＢ値及びインライン測色器４９ｂで測定した測色値から、現在のプリンタの色域を特定することができる。なお、プリンタの色域はＲＧＢ値で把握することも可能であるが、精度が期待できる測色値を用いる方が好ましい。

次に、プリンタ４０の制御部４１（スキャナプロファイル修正部４１ｃ）は、スキャナプロファイル作成時のプリンタの色域と現在（スキャナプロファイル使用時）のプリンタの色域とを比較し、現在のプリンタの色域がスキャナプロファイル作成時よりも広いかを判断する（Ｓ２０７）。なお、現在のプリンタの色域が、スキャナプロファイル作成時のプリンタの色域に完全に内包されている場合は、スキャナプロファイルを修正する必要はない。

現在のプリンタの色域の方がスキャナプロファイル作成時のプリンタの色域よりも広い場合は、制御部４１（スキャナプロファイル修正部４１ｃ）は、スキャナプロファイルを修正する（Ｓ２０８）。具体的には、図９の右下に示すように、現在のプリンタの色域の外殻と重なるようにグリッドの格子点を設定し直すか、若しくは、現在のプリンタの色域の外殻に合わせてグリッドの格子点を追加する。

本処理を、スキャナプロファイルを使用する際に毎回行うことで、高い精度で色変換ができる色域は広くなり続け、様々な紙種に対応したスキャナプロファイルにすることができる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、システムや各装置の構成や制御は適宜変更可能である。

例えば、インライン測色器４９ｂは外部の測色器でも良いし、インラインスキャナ４９ａはフラットベッドスキャナとしても良い。ただし、その場でスキャナプロファイルを作成／修正できるようにするためには、インラインの形態が好適である。

また、プリンタ４０は、ＣＭＹＫプリンタでもＲＧＢプリンタでも良く、また、電子写真プリンタ、インクジェットプリンタ、オフセット印刷機などとすることができ、特に制限されない。

また、上記実施例では、測色値としてCIE 1976色空間のＬ*ａ*ｂ*値を例示したが、CIE 1931色空間のＸＹＺ値としてもよいし、CIECAM02などの色の見えモデルなどとしてもよく、特に制限されない。

また、上記実施例では、プリンタ４０がスキャナプロファイルの作成／修正を行う場合について記載したが、プロファイル作成装置３０が、プリンタ４０とスキャナ５０と測色器６０を制御して、スキャナプロファイルの作成／修正を行う場合においても、本発明の制御を同様に適用することができる。

また、上記実施例では、第２のカラーチャートとして、プリンタのキャリブレーション用やプリンタプロファイル作成用、色検証用などのカラーチャートを例示したが、第２のカラーチャートは、少なくともプリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを含んでいればよく、パッチの構成や配置は特に制限されない。例えば、第２のカラーチャートは、パッチとして特定色のパッチのみを備える任意の印刷物とすることができる。

本発明は、プリンタ及びスキャナの色変換テーブル（スキャナプロファイル）を作成するスキャナプロファイル作成プログラム並びにスキャナプロファイル作成プログラムを記録した記録媒体並びにスキャナプロファイル作成方法に利用可能である。

１０ 出力指示装置
２０ コントローラ
３０ プロファイル作成装置
３１ 制御部
３１ａ ＲＧＢ値取得部
３１ｂ 測色値取得部
３１ｃ スキャナプロファイル作成部
３１ｄ プリンタ色域特定部
３１ｅ スキャナプロファイル修正部
３２ ＣＰＵ
３３ ＲＯＭ
３４ ＲＡＭ
３５ 記憶部
３６ ネットワークＩ／Ｆ部
３７ 表示部
３８ 操作部
４０ プリンタ
４１ 制御部
４１ａ スキャナプロファイル作成部
４１ｂ プリンタ色域特定部
４１ｃ スキャナプロファイル修正部
４２ ＣＰＵ
４３ ＲＯＭ
４４ ＲＡＭ
４５ 記憶部
４６ ネットワークＩ／Ｆ部
４７ 表示操作部
４８ 画像処理部
４９ 印刷処理部
４９ａ インラインスキャナ
４９ｂ インライン測色器
５０ スキャナ
６０ 測色器
７０ 通信ネットワーク
８０ カラーチャート
８１ スキャナ読み込み領域
８２ 測色器読み込み領域

Claims (18)

1. 印刷エンジンとインラインスキャナとインライン測色器とを備えるプリンタであって、
   前記印刷エンジンに、複数のパッチを配置した第１のカラーチャート、及び、少なくとも前記プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷させ、前記インラインスキャナに、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値を取得させ、前記インライン測色器に、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチの測色値を取得させる制御部を備え、
   前記制御部は、
   前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成するスキャナプロファイル作成部と、
   前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第１の色域を特定すると共に、前記第２のカラーチャートの前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第２の色域を特定するプリンタ色域特定部と、
   前記第１の色域と前記第２の色域とを比較した結果に基づいて、前記スキャナプロファイルを修正するスキャナプロファイル修正部と、を備える、
   ことを特徴とするプリンタ。
2. 前記スキャナプロファイル作成部は、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値に基づき、前記第１の色域の内部及び外殻でＲＧＢ値と測色値とを対応付けた前記スキャナプロファイルを作成する、
   ことを特徴とする請求項１に記載のプリンタ。
3. 前記スキャナプロファイル修正部は、前記第２のカラーチャートの所定の前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方が、前記第１の色域の外にある場合に、前記スキャナプロファイルを修正する、
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載のプリンタ。
4. 前記スキャナプロファイル修正部は、前記所定の特定色に最も近い前記第１の色域の外殻のＲＧＢ値及び測色値を前記所定の特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値に変更、若しくは、前記第２の色域の外殻で前記所定の特定色のパッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けて、前記スキャナプロファイルを修正する、
   ことを特徴とする請求項３に記載のプリンタ。
5. 前記第１のカラーチャートは、前記スキャナプロファイル作成用のカラーチャートであり、前記第２のカラーチャートは、前記プリンタのキャリブレーション用又は前記プリンタのプロファイル作成用又は色検証用のカラーチャートである、
   ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一に記載のプリンタ。
6. 前記測色値は、CIE 1976色空間のＬ*ａ*ｂ*値又はCIE 1931色空間のＸＹＺ値である、
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一に記載のプリンタ。
7. プリンタとスキャナと測色器と含む印刷システム内の装置で動作するスキャナプロファイル作成プログラムであって、
   前記装置は、前記プリンタに、複数のパッチを配置した第１のカラーチャート、及び、少なくとも前記プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷させ、前記スキャナに、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値を取得させ、前記測色器に、前記第１のカラーチャート及び前記第２のカラーチャートの各パッチの測色値を取得させる制御部を備え、
   前記制御部に、
   前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成するスキャナプロファイル作成処理、
   前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第１の色域を特定する第１のプリンタ色域特定処理、
   前記第２のカラーチャートの前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第２の色域を特定する第２のプリンタ色域特定処理、
   前記第１の色域と前記第２の色域とを比較した結果に基づいて、前記スキャナプロファイルを修正するスキャナプロファイル修正処理、を実行させる、
   ことを特徴とするスキャナプロファイル作成プログラム。
8. 前記スキャナプロファイル作成処理では、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値に基づき、前記第１の色域の内部及び外殻でＲＧＢ値と測色値とを対応付けた前記スキャナプロファイルを作成する、
   ことを特徴とする請求項７に記載のスキャナプロファイル作成プログラム。
9. 前記スキャナプロファイル修正処理では、前記第２のカラーチャートの所定の前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方が、前記第１の色域の外にある場合に、前記スキャナプロファイルを修正する、
   ことを特徴とする請求項７又は８に記載のスキャナプロファイル作成プログラム。
10. 前記スキャナプロファイル修正処理では、前記所定の特定色に最も近い前記第１の色域の外殻のＲＧＢ値及び測色値を前記所定の特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値に変更、若しくは、前記第２の色域の外殻で前記所定の特定色のパッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けて、前記スキャナプロファイルを修正する、
    ことを特徴とする請求項９に記載のスキャナプロファイル作成プログラム。
11. 前記第１のカラーチャートは、前記スキャナプロファイル作成用のカラーチャートであり、前記第２のカラーチャートは、前記プリンタのキャリブレーション用又は前記プリンタのプロファイル作成用又は色検証用のカラーチャートである、
    ことを特徴とする請求項７乃至１０のいずれか一に記載のスキャナプロファイル作成プログラム。
12. 前記測色値は、CIE 1976色空間のＬ*ａ*ｂ*値又はCIE 1931色空間のＸＹＺ値である、
    ことを特徴とする請求項７乃至１１のいずれか一に記載のスキャナプロファイル作成プログラム。
13. プリンタとスキャナと測色器とプロファイル作成装置とを含む印刷システムにおけるスキャナプロファイル作成方法であって、
    前記プリンタが、複数のパッチを配置した第１のカラーチャートを印刷する第１の印刷処理と、
    前記スキャナが、前記第１のカラーチャートの各パッチを測定してＲＧＢ値を取得する第１のＲＧＢ値取得処理と、
    前記測色器が、前記第１のカラーチャートの各パッチを測定して測色値を取得する第１の測色値取得処理と、
    前記プロファイル作成装置が、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けるスキャナプロファイルを作成するスキャナプロファイル作成処理と、
    前記プロファイル作成装置が、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第１の色域を特定する第１のプリンタ色域特定処理と、
    前記プリンタが、少なくとも前記プリンタの色域を代表する外殻の色を示す特定色のパッチを配置した第２のカラーチャートを印刷する第２の印刷処理と、
    前記スキャナが、前記第２のカラーチャートの各パッチを測定してＲＧＢ値を取得する第２のＲＧＢ値取得処理と、
    前記測色器が、前記第２のカラーチャートの少なくとも前記特定色のパッチを測定して測色値を取得する第２の測色値取得処理と、
    前記プロファイル作成装置が、前記第２のカラーチャートの前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方を用いて、前記プリンタの第２の色域を特定する第２のプリンタ色域特定処理と、
    前記プロファイル作成装置が、前記第１の色域と前記第２の色域とを比較した結果に基づいて、前記スキャナプロファイルを修正するスキャナプロファイル修正処理と、を実行する、
    ことを特徴とするスキャナプロファイル作成方法。
14. 前記スキャナプロファイル作成処理では、前記第１のカラーチャートの各パッチのＲＧＢ値及び測色値に基づき、前記第１の色域の内部及び外殻でＲＧＢ値と測色値とを対応付けた前記スキャナプロファイルを作成する、
    ことを特徴とする請求項１３に記載のスキャナプロファイル作成方法。
15. 前記スキャナプロファイル修正処理では、前記第２のカラーチャートの所定の前記特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値の少なくとも一方が、前記第１の色域の外にある場合に、前記スキャナプロファイルを修正する、
    ことを特徴とする請求項１３又は１４に記載のスキャナプロファイル作成方法。
16. 前記スキャナプロファイル修正処理では、前記所定の特定色に最も近い前記第１の色域の外殻のＲＧＢ値及び測色値を前記所定の特定色のパッチのＲＧＢ値及び測色値に変更、若しくは、前記第２の色域の外殻で前記所定の特定色のパッチのＲＧＢ値と測色値とを対応付けて、前記スキャナプロファイルを修正する、
    ことを特徴とする請求項１５に記載のスキャナプロファイル作成方法。
17. 前記第１のカラーチャートは、前記スキャナプロファイル作成用のカラーチャートであり、前記第２のカラーチャートは、前記プリンタのキャリブレーション用又は前記プリンタのプロファイル作成用又は色検証用のカラーチャートである、
    ことを特徴とする請求項１３乃至１６のいずれか一に記載のスキャナプロファイル作成方法。
18. 前記測色値は、CIE 1976色空間のＬ*ａ*ｂ*値又はCIE 1931色空間のＸＹＺ値である、
    ことを特徴とする請求項１３乃至１７のいずれか一に記載のスキャナプロファイル作成方法。

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