JP2017069201A - 配線形成方法 - Google Patents

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【課題】 低温で銅ペーストを焼成し、電気抵抗率が低い配線を形成する方法を提供すること。【解決手段】 銅粒子を含有する銅ペーストを基板上に塗布する塗布工程と、塗布された銅ペーストを焼成する焼成工程と、を備え、焼成工程は、銅ペーストに含まれる溶剤及びバインダー樹脂を酸化雰囲気下で酸化除去し、かつ、銅粒子を酸化焼結する第一の焼成工程と、銅粒子が酸化焼結された銅酸化物を還元雰囲気下で還元する第二の焼成工程と、を備え、第一の焼成工程及び第二の焼成工程における焼成温度が130℃以上350℃未満であり、バインダー樹脂が、酸素と反応し揮発性ガスに転化する熱分解性樹脂であり、溶剤の大気圧における沸点が130℃以上350℃未満である、配線形成方法。【選択図】図3

Description

本発明は、銅ペーストを用いた配線の形成方法に関するものである。
電子部品は、半導体、磁性体、誘電体などからなる素子に配線を接続してその機能を発現する。よく知られている配線形成方法として、スクリーン印刷法を用いて基板上に導電性ペーストを印刷し、焼成する方法がある。また、スクリーン印刷法に利用する導電性ペーストとして銀ペーストや銅ペーストなどがある。銀ペーストは、大気焼成を行っても銀が酸化されないため広範囲に利用されている。一方で、銅ペーストは安価であるが、酸化されやすいため焼成条件が限定される。
特許文献1及び2には、銅ペーストの焼成方法として、酸素濃度が3500ppm以下の不活性ガスを焼成炉導入前にアルコール液中を通過させ、焼成炉に導入した雰囲気において200℃以上850℃以下の温度で焼成する方法が開示されている。該焼成方法によれば、酸化と還元を同一の雰囲気で行うため、銅粒子の酸化と還元のバランスを制御することは容易ではない。
特許文献3には、体積比で500ppm以上2000ppm以下の酸化性ガスを含有する窒素ガス雰囲気において、350℃以上500℃以下の温度で銅ペースト中の銅粒子を酸化焼結する第一の加熱工程(酸化工程)と、これに引き続いて、体積比で1%以上の還元性ガスを含有する窒素ガス雰囲気において、400℃以上550℃以下の温度で銅酸化物を還元する第二の加熱工程(還元工程)とを含む、銅ペーストの焼成方法が開示されている。該焼成方法は、酸化工程と還元工程とを分離しているので、銅粒子の酸化還元バランスの制御は、容易である。また、酸化工程を350℃以上で行うため、銅ペーストに含まれるバインダー樹脂を熱分解して除去し、銅粒子の焼結性を高めることが可能である。
しかし、電子部品の種類や構造によっては、銅ペーストの焼成温度が350℃以上になると電子製品の機能が損なわれる場合がある。例えば非特許文献1には、シリコン基板表面に非晶質シリコンと透明導電膜(TCO)を成膜した多層膜構造であるヘテロ接合型太陽電池が開示されている。該太陽電池においては、それぞれの層の熱膨張係数が異なるため、焼成温度が350℃を超えると熱応力によって基板が割れる場合がある。また、ポリイミドなどの有機材料基板の場合は、350℃近傍にガラス転移温度を有するため、350℃を超えると基板の構造や特性が変化してしまう場合がある。
このように、電子部品に用いられている材料及び電子部品の構造によっては、より低温で銅ペーストを焼成する配線形成方法が求められている。ここで、低温で銅ペーストを焼成する配線形成方法として、例えば熱硬化型樹脂のペーストを用いる方法が挙げられる。銅粒子と熱硬化型樹脂を混練してペーストを作製し、300℃以下の低温焼成を行うと、熱硬化型樹脂が熱硬化する際に体積収縮することで、隣接する金属粒子同士が接触し電気的導通が得られるという効果がある。このように銅粒子と熱硬化型樹脂を混練してペーストとすることは、特許文献4にも記載されている。
また、低融点合金粒子を用い低温で銅ペーストを焼成する方法もある。非特許文献2には、低融点合金粒子を用い、200℃前後で融解して銅粒子と接合し、配線を形成することが記載されている。また、非特許文献3には、ゼラチン層で微細銅粒子の表面をコーティングしペーストを作製し、大気中の酸化焼成とN及び3%Hガス中の還元焼成を実施することで、低抵抗の焼結体を形成することが記載されている。
特許第5671105号公報 特許第5598739号公報 特許第5766336号公報 特開2011−17067号公報
Fujishima et al., Panasonic Technical Journal vol.57, No.4, p.40(2012) Yoshida et al., Energy Procedia, vol.21, p.66 (2012) Yonezawa et al., RSC Advances, 2015, 5, 61290−61297(2015)
しかしながら、上述の低温で銅ペーストを焼成する配線形成方法は、以下の課題を有している。すなわち、特許文献4には、銅粒子と熱硬化型樹脂を混練してペーストを作製すると、形成された配線の電気抵抗率が30μΩcm以上と高い値になることが示唆されている。また、非特許文献2の低融点合金粒子を用いた銅ペーストについても、形成された配線の電気抵抗率が高くなるという課題がある。これらの問題について、本発明者らが検討した結果、混練ペーストが焼成される過程において金属粒子の間隙に熱硬化型樹脂や低融点合金粒子が残留するため、焼成後に形成された配線電極における銅粒子同士の接触面積が小さくなることが原因であるという知見を得た。
さらに、非特許文献3の銅ペーストにおいては、銅粒子の凝集を防止する目的でゼラチン層が銅粒子表面にコーティングされている。しかしながら、このゼラチン層コーティングにより、200℃で4時間という長時間で酸化焼成した後でも、粒子体積の30%しか銅粒子が酸化されず、10nm程度の大きさの銅酸化物からなる突起が粒子表面に形成されて粒子間を焼結する程度となる。このため、焼結後の銅粒子間の結合は弱く、配線としての力学的強度を維持できず、実用性に劣るという問題もある。
上記課題を鑑み、本発明は、低温で銅ペーストを焼成し、電気抵抗率が低い配線を形成する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述のとおり、低温で銅ペーストを焼成する従来の配線形成方法において、銅ペースト中に熱硬化性樹脂や低融点合金粒子を用いると、形成された配線の電気抵抗率が高くなってしまうという知見を得た。また、ゼラチン層などで銅粒子の表面をコーティングした場合には低抵抗の焼結体を得ることができても、十分な酸化等ができずに粒子間結合が弱く強度に劣る配線となってしまうという知見を得た。上記知見に基づき、低温で銅ペーストを焼成し、電気抵抗率が低い配線を形成できる方法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の(1)〜(8)の配線形成方法である。
(1)配線形成方法であって、
銅粒子を含有する銅ペーストを基板上に塗布する塗布工程と、
塗布された銅ペーストを焼成する焼成工程と、を備え、
焼成工程は、銅ペーストに含まれる溶剤及びバインダー樹脂を酸化雰囲気下で酸化除去し、かつ、銅粒子を酸化焼結する第一の焼成工程と、銅粒子が酸化焼結された銅酸化物を還元雰囲気下で還元する第二の焼成工程と、を備え、
第一の焼成工程及び第二の焼成工程における焼成温度が130℃以上350℃未満であり、
バインダー樹脂が、酸素と反応し揮発性ガスに転化する熱分解性樹脂であり、
溶剤の大気圧における沸点が130℃以上350℃未満である、配線形成方法。
上記本発明(1)の配線形成方法によれば、溶剤及びバインダー樹脂を酸化雰囲気下で酸化除去し、銅粒子を酸化焼結する第一の焼成工程(酸化焼成工程)と、銅粒子が酸化焼結された銅酸化物を還元雰囲気下で還元する第二の焼成工程(還元焼成工程)とを備え、第一の焼成工程及び第二の焼成工程の焼成温度が130℃以上350℃未満である。バインダー樹脂である熱分解性樹脂は、酸化雰囲気下で酸素と反応し、揮発性ガスに転化する。また、大気圧における沸点が130℃以上350℃未満である溶剤も酸化焼成工程で揮発する。これにより、銅粒子の間隙に熱分解性樹脂や溶剤が残留せず、銅粒子同士の接触が妨げられない。よって、本発明の配線形成方法によれば、銅粒子同士の接触面積が確保され、形成される配線の電気抵抗率を低く抑制することができる。
(2)熱分解性樹脂がセルロース系樹脂である、上記(1)に記載の配線形成方法。
(3)熱分解性樹脂の酸素と反応し揮発性ガスに転化する温度が130℃以上350℃未満である、上記(1)又は(2)に記載の配線形成方法。
(4)溶剤がOH基を末端に有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の配線形成方法。
(5)銅粒子の平均粒子径が0.05μm以上2.0μm以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の配線形成方法。
(6)第一の焼成工程において、酸化雰囲気に含有される酸素が体積比で2000ppmより大きい、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の配線形成方法。
(7)第二の焼成工程において、還元雰囲気に含有される還元性物質が、水素、アンモニア、一酸化炭素及びアルコールからなる群から選択される少なくとも一種である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の配線形成方法。
(8)第一の焼成工程及び第二の焼成工程における焼成時間が1分以上60分以下である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の配線形成方法。
本発明によれば、低温で銅ペーストを焼成し、電気抵抗率が低い配線を形成する方法を提供することができる。本発明の方法により形成される配線は、酸化焼成及び還元焼成が十分に行われたものであることから、実用性の高い強度を有している。
銅ペーストの焼成における、還元焼成の時間及び温度と、得られる電気抵抗率との関係を示すグラフである。 銅ペーストの焼成における、還元焼成の時間及び温度と、得られる電気抵抗率との関係を示すグラフである。 焼成後の電極配線部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した断面組織を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は実施形態の記載によって限定されるものではない。
本発明の配線形成方法は、配線形成方法であって、銅粒子を含有する銅ペーストを基板上に塗布する塗布工程と、塗布された銅ペーストを焼成する焼成工程と、を備え、焼成工程は、銅ペーストに含まれる溶剤及びバインダー樹脂を酸化雰囲気下で酸化除去し、かつ、銅粒子を酸化焼結する第一の焼成工程と、銅粒子が酸化焼結された銅酸化物を還元雰囲気下で還元する第二の焼成工程と、を備え、第一の焼成工程及び第二の焼成工程における焼成温度が130℃以上350℃未満であり、バインダー樹脂が、酸素と反応し揮発性ガスに転化する熱分解性樹脂であり、溶剤の大気圧における沸点が130℃以上350℃未満である、配線形成方法である。
(基板)
基板は、銅ペーストを塗布し、焼成して配線を形成するための土台として用いられるものであれば、特に限定されない。基板としては、例えば太陽電池用基板や電子実装品を搭載する基板、プリント配線基板、スルーホールを有する基板などが挙げられる。基板材料としては、シリコン基板、珪酸ガラス、アルミナ、クォーツなどの酸化物基板、シリコン窒化物、アルミニウム窒化物などの窒化物基板、シリコン炭化物、チタン炭化物などの炭化物基板、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの樹脂基板などを使用できる。また、透明性導電膜(TCO)や金属膜を表面に備える基板を用いてもよい。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、酸素と反応し揮発性ガスに転化する熱分解性樹脂であれば、特に制限されずに用いることができる。バインダー樹脂が酸素と反応して揮発性ガスに転化する熱分解性樹脂であることによって、銅ペーストの焼成時にバインダー樹脂を効率的に銅ペースト中から除去することができる。熱分解性樹脂の酸素と反応し揮発性ガスに転化する温度は130℃以上350℃未満であることが好ましい。130℃未満では熱分解性樹脂が十分に揮発せず銅ペースト中の銅粒子間に残留する場合があることから好ましくない。より好ましくは、170℃以上300℃以下であり、さらに好ましくは200℃以上280℃以下である。熱分解性樹脂として、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などがある。これらの中で、セルロース系樹脂は、環境安全性に優れるだけでなく、酸素と反応して主に水と二酸化炭素に転化し、焼成時に銅ペーストから容易に揮発除去できる点で好ましい。セルロース系樹脂をバインダー樹脂として用いることによって、高密度の銅粒子焼結体である配線を得ることができる。
銅ペーストに含有されるバインダー樹脂の含有量は、銅粒子の質量に対して0.05質量%以上であり、5質量%以下であることが好ましい。また、0.5質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の含有量が0.05質量%未満であると、銅ペーストの粘度が小さくなり配線の形成性が悪化する傾向にあるので好ましくなく、5質量%より大きいと、銅ペーストの焼成時にバインダー樹脂が十分に揮発せず、銅ペースト中の銅粒子間に残留する傾向にあるので好ましくない。
(溶剤)
溶剤は、大気圧における沸点が130℃以上350℃未満である溶剤であれば、特に制限されずに用いることができる。溶剤の大気圧における沸点を130℃以上350℃未満とすることで、銅ペーストの焼成時に溶剤を効率的にペーストから揮発除去することができる。その結果、高密度の銅粒子焼結体を得ることができる。溶剤の大気圧における沸点は、好ましくは170℃以上300℃以下であり、より好ましくは200℃以上280℃以下である。溶剤としては、例えば、炭化水素系溶剤、塩素化炭化水素系溶剤、環状エーテル系溶剤、アミド系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系化合物、多価アルコールのエステル系溶剤、多価アルコールのエーテル系溶剤、テルペン系溶剤、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中で、大気圧における沸点が200〜280℃の範囲にあり、OH基を末端に持つ、テキサノール(約245℃)、ブチルカルビトール(約230℃)、ブチルカルビトールアセテート(約247℃)、テルピネオール(約219℃)を用いることが好ましい。焼成温度が沸点以下の場合は溶剤が緩慢に蒸発し、沸点以上の場合は溶剤が急激に蒸発するので、銅粒子の焼結速度が低温では遅く、高温では速いという本発明の方法における温度依存性の傾向と合致し、焼成時にペーストとしての形状を維持しながら高密度の銅粒子焼成体を得ることができる。また、OH基を末端に持つ分子構造を有する溶剤は、分子相互の水素結合により、高速せん断速度の粘性が低く、低速せん断速度の粘性が高く、良好なチキソトロピー性を有するため、スクリーン印刷に適した溶剤となる。
銅ペーストにおける溶剤の含有量は、銅粒子の質量に対して1質量%以上であり、30質量%以下であることが好ましい。また、10質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。銅ペーストにおける溶剤の含有量が1質量%未満であると、銅ペーストの粘度が大きくなり塗布性が悪化する傾向にあるので好ましくなく、30質量%より大きいと、銅ペーストの焼成時に溶剤を効率的にペーストから揮発除去しにくくなる傾向にあるので好ましくない。
(銅粒子)
銅ペーストに含まれる銅粒子は、例えば国際公開第99/11407号に記載されている高圧水アトマイズ法や、国際公開第2014/80662号に記載されている湿式還元析出法などの方法を用いて作製することができる。高圧水アトマイズ法は、溶融金属から金属粉末(例えば銅)を製造する方法において、溶融金属の垂下流を気体が流れるノズルの中心部を通してノズルの出口近傍で気体により溶融金属を分裂させ、次いで逆円錐状に噴出する液体により上記分裂させた溶融金属をさらに細かく分裂させる方法である。当該方法によれば、気体による分裂と液体による分裂を溶融金属に連続的に作用させることにより、粒子径が微細で形状が球状ないし粒状となり、酸素含有量が少ない金属粉末(例えば銅)を工業的に大規模、かつ低コストで製造することが可能である。また、湿式還元析出法は、ヒドラジンなどの還元剤を用いた湿式での銅イオンの還元において、溶媒として水と相溶性を有しかつ水の表面張力を低下させ得る有機溶媒を用いる方法である。具体的には、水と該有機溶媒を液媒体とし、一価又は二価の銅源を含む反応液と還元剤とを混合し、銅源を還元して銅粒子を生成する方法である。一般に高圧水アトマイズ法によれば0.7μm以上の粒子を作製することができる。それ以下の微細粒子を作製するには湿式還元析出法が適している。
銅粒子は、平均粒子径が0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましい。銅粒子の平均粒子径を2.0μm以下とすることで、銅粒子の表面積が相対的に増加し、低温での焼結が容易となる傾向にある。一方、銅粒子の平均粒子径が0.05μm未満になると、原料となる銅粒子の価格が高騰し、本発明の方法により形成される銅配線が、銀配線の低価格代替品にならなくなる傾向にある。また、平均粒子径が0.05μm未満であると、多数の粒子が凝集して実質的に粗大粒子からなるペーストと同等の焼結性しか発現しない傾向にある。ここで平均粒子径とは50%粒子径(d50)であり、レーザー粒度分布計などを用いて測定した粒子直径の分布における中央値である。
銅粒子は、酸化焼成及び還元焼成に影響を与えない範囲で表面に被覆する物質を有していてもよい。しかし、非特許文献3に記載のようなゼラチン層は、酸化焼成等を不充分にする傾向があることから、本発明の方法における銅粒子はゼラチン層のコーティングを除いたものであることが好ましい。
(銅ペーストの作製)
銅ペーストは、バインダー樹脂と溶媒を混合し、さらに銅粒子を添加して、遊星ミキサーなどの装置を用いて混練することにより作製することができる。また、必要に応じて三本ロールミルを用い粒子の分散性を高めることも好ましい。
(塗布工程)
本発明の配線形成方法において、塗布工程は、銅ペーストを基板上に塗布する工程である。塗布工程における塗布方法は特に制限されず、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の印刷方式により、銅ペーストを基板上に配線形状に形成することができる。その中でも、スクリーン印刷法を用いて電極配線を形成する方法が好ましい。
(焼成工程)
本発明の配線形成方法において、焼成工程は、銅ペーストに含まれる溶剤及びバインダー樹脂を酸化雰囲気下で酸化除去し、かつ、銅粒子を酸化焼結する第一の焼成工程を有する。また、第一の焼成工程後に、銅粒子が酸化焼結された銅酸化物を還元雰囲気下で還元する第二の焼成工程を有する。
第一の焼成工程において、酸化雰囲気に含有される酸素が体積比で2000ppm以上であることが好ましい。第一の工程において酸素濃度を2000ppm以上とすることで、350℃未満の低温においても銅ペースト中に含有されるバインダー樹脂を効率的に銅ペースト中から除去できる。有機物成分が銅ペーストから除去される結果、高密度の銅酸化物焼結体を形成することができ、第二の工程において還元されて電気抵抗率の低い銅配線とすることができる。酸素濃度が2000ppm未満であると、バインダー樹脂の酸化分解反応が不完全となり、銅ペースト中に樹脂成分が残留し、銅ペーストの焼結性が悪化する傾向にある。第一の工程における酸素濃度は、より好ましくは2000ppmより大きく、さらに好ましくは3500ppmより大きい濃度である。酸化雰囲気は大気であってもよい。
第二の焼成工程において、還元雰囲気に含有される還元性物質が、水素、アンモニア、一酸化炭素及びアルコールからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。また、還元雰囲気には窒素、アルゴンガスなどの不活性ガスを含んでもよい。還元雰囲気における水素の含有量は0.1体積%〜30体積%であることが好ましく、0.5体積%〜5体積%であることが好ましい。水素の含有量が0.1体積%未満であると、還元が不十分となり電気抵抗率の低い銅配線を形成しにくくなる傾向にある。また、還元雰囲気におけるアンモニアの含有量は5体積%〜100体積%であることが好ましく、還元雰囲気における一酸化炭素の含有量は5体積%〜100体積%であることが好ましい。アルコールは還元雰囲気下ではガス状態で存在する。用いられるアルコールとしては、エタノール、メタノールでもよく、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリンなどの低級アルコールでもよく、オクタノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコールなどの高級アルコールでもよい。還元雰囲気におけるアルコールは、ガスとして5体積%〜100体積%の含有量であることが好ましい。
第一の焼成工程及び第二の焼成工程の焼成温度は、130℃以上である。焼成温度が130℃未満であると、100分以上の長時間焼成を行っても銅ペーストが十分に焼結されなくなる場合がある。また、焼成温度の上限は350℃未満である。焼成温度が350℃以上であると、基板を備える電子製品の機能が損なわれる場合があり、また熱応力によって基板が割れる場合がある。第一の焼成工程及び第二の焼成工程の焼成温度は、好ましくは170℃以上300℃以下であり、より好ましくは200℃以上280℃以下である。なお、第一の焼成工程における焼成温度(酸化焼成温度)と第二の焼成工程における焼成温度(還元焼成温度)とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
第一の焼成工程及び第二の焼成工程における焼成時間は、1分以上60分以下であることが好ましい。焼成時間が1分未満であると、銅ペーストが十分に焼結されない傾向にあることから好ましくない。また、焼成時間が60分を超えると、基板を備える電子製品の機能が損なわれる場合や熱応力によって基板が割れる場合があることから、60分以内であることが好ましい。第一の焼成工程及び第二の焼成工程における焼成時間は、より好ましくは2分以上50分以下であり、さらに好ましくは5分以上40分以下である。第一の焼成工程における焼成時間(酸化焼成時間)と第二の焼成工程における焼成時間(還元焼成時間)とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。なお、上述の非特許文献3に記載の方法では、200℃で4時間という長時間で酸化焼成し、還元焼成も200℃で3時間以上の長時間行う必要があり、このような長時間焼成を実施してもゼラチン層コーティングによって酸化等が十分ではない。これに対し、本発明の配線形成方法によれば、より短時間で酸化及び還元を十分になすことができ、低抵抗率及び強度に優れた配線を形成できる点で好ましい方法である。
以上のとおり、配線形成方法であって、銅粒子を含有する銅ペーストを基板上に塗布する塗布工程と、塗布された銅ペーストを焼成する焼成工程と、を備え、焼成工程は、銅ペーストに含まれる溶剤及びバインダー樹脂を酸化雰囲気下で酸化除去し、かつ、銅粒子を酸化焼結する第一の焼成工程と、銅粒子が酸化焼結された銅酸化物を還元雰囲気下で還元する第二の焼成工程と、を備え、第一の焼成工程及び第二の焼成工程における焼成温度が130℃以上350℃未満であり、バインダー樹脂が、酸素と反応し揮発性ガスに転化する熱分解性樹脂であり、溶剤の大気圧における沸点が130℃以上350℃未満である、本発明の配線形成方法によれば、低温で銅ペーストを焼成し、電気抵抗率が低い配線を形成する方法を提供することができる。また、本発明の方法により形成される配線は、酸化焼成及び還元焼成が十分に行われたものであり、実用性の高い強度を有している。
以下、本発明について実施例によりさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。本実施例では、配線を形成する基板としてシリコン太陽電池基板を用いているが、配線を形成するための土台としての役割をする基板であれば特に限定されず、酸化物、炭化物、窒化物などの他の基板においても同様の結果が得られることを本発明者らは確認している。
(実施例1)
シリコン太陽電池の受光面側の基板上に、スクリーン印刷法を用いて銅ペーストを印刷した。印刷に用いた銅ペーストは、平均粒子径が0.6μmの銅粒子と、銅粒子に対して1質量%のエチルセルロースと10質量%のテキサノールを混練し作製した。また、形成される配線の幅が2mm、高さが10μmとなるようにスクリーン印刷条件を調整した。
印刷後、銅ペースト付き基板を備えるシリコン太陽電池を焼成した。第一の焼成工程では、窒素ガスに2000ppmの酸素を混合した雰囲気において、230℃、250℃、260℃、270℃の4つの温度条件でそれぞれ10分間の酸化焼成を実施した。次に、第二の焼成工程では、窒素ガスに4体積%の水素を混合した雰囲気において、酸化焼成の4つの温度条件と同じ温度を還元温度とし、還元時間をそれぞれ10分、20分、30分、60分として還元焼成を行い、電気抵抗率を測定した。図1に示すように、いずれの条件においても、電気抵抗率は7μΩcm以下の低い値を示した。電気抵抗率の測定方法は以下のとおりである。
(電気抵抗率)
試験体の銅配線の電気抵抗率を直流四探針法で求めた。銅配線表面の長手方向に距離1mmの間隔で配置した4本の針状電極(探針)を加圧接触させ、外側の2探針間に電流(I)を流し、内側の2探針間の電位差(V)を測定し、ρ=(V/I)×S×Cにより、電気抵抗率(ρ)を算出した。ここでCは銅配線の形状に関する補正係数であり、C=4.532とした。配線の断面高さ(S)は、配線断面を走査型電子顕微鏡により観察して求めた。
(実施例2)
実施例1と同じ条件で銅ペーストの作製及びスクリーン印刷を行い、第1の焼成工程及び第2の焼成工程における焼成温度を250℃、焼成時間を10分間とした。第一の焼成工程における窒素ガスに混合する酸素量は、3,000ppm、4,000ppm、5,000ppm、10,000ppm、20,000ppm、200,000ppm(大気レベル)と増加させた。第2の焼成工程の雰囲気は窒素ガスに3体積%の水素を混合した。焼成後の配線の電気抵抗率を測定した結果を表1に示す。いずれの条件においても電気抵抗率は5μΩcm以下であった。一方、酸素量が1000ppm、500ppmの場合の電気抵抗率は、10μΩcmより大きい値を示した。
(実施例3)
実施例1と同じ含有成分の銅粒子の平均粒子径を0.05μm、0.2μm、0.4μm、0.8μm、1.2μm、2.0μmと変化させ、銅ペーストを作製し、実施例1と同様にスクリーン印刷を行った。第1の焼成工程及び第2の焼成工程における焼成温度を250℃、焼成時間を10分間とした。第1の焼成工程及び第2の焼成工程の雰囲気は、実施例1と同様とした。焼成後の配線の電気抵抗率を測定した結果を表2に示す。いずれの条件においても電気抵抗率は8μΩcm以下であった。一方、平均粒子径が4.0μm、5.0μmの場合の電気抵抗率は10μcmより大きい値を示した。
(実施例4)
平均粒子径が0.4μmの銅粒子、銅粒子に対して1.5質量%のエチルセルロース、10質量%のテキサノール、2質量%のブチルカルビトールアセテートを用いた以外は実施例1と同様にして、スクリーン印刷を行った。印刷後、銅ペースト付き基板を備えるシリコン太陽電池を焼成した。第一の焼成工程では、大気雰囲気において200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃の6つの温度条件でそれぞれ20分間の酸化焼成を実施した。次に、第二の焼成工程では、窒素ガスに4体積%の水素を混合した雰囲気において、酸化焼成の6つの温度条件と同じ温度を還元温度とし、還元時間をそれぞれ10分、20分、30分、50分の還元焼成を実施した。電気抵抗率は直流四探針法によって測定した。
測定結果を図2に示す。酸化焼成温度及び還元焼成温度が240℃、又は250℃の場合は、どの還元時間においても電気抵抗率は6μΩcm以下の低い値を示した。また、酸化焼成温度及び還元焼成温度が210℃、220℃、230℃の場合は、還元時間が20分以上において、電気抵抗率は9μΩcm以下になることを示した。さらに、酸化焼成温度及び還元焼成温度が200℃程度の場合は、還元時間が30分以上において電気抵抗率は9μΩcm以下になることを示した。これらの結果は、本形成方法によれば、酸化焼成温度及び還元焼成温度が240〜250℃の場合には、短時間で銅酸化物が充分に還元されること、210〜230℃の場合には20分以上、200℃程度の場合には30分以上還元焼成を行うことによって、銅酸化物が充分に還元されること、を意味するものと考えられる。
(実施例5)
還元焼成雰囲気として窒素と水素の混合ガスではなく、エタノールを含む窒素ガスを用いた以外は実施例4と同様にして、電気抵抗率を測定した。測定結果を図2に示す。エタノールを還元焼成雰囲気に用いた場合、200℃であっても10分の還元時間で電気抵抗率は約9μΩcmと低い値となった。また、アンモニアガス、一酸化炭素ガスをエタノールの代わりに用いた場合でも、エタノールと同様の効果が得られた。
(実施例6)
実施例4で作製された銅ペーストを用い、シリコン太陽電池の受光面側の基板上に配線を印刷焼成した。酸化焼成温度と還元焼成温度は、同一温度とし、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃、345℃に設定し、焼成後に電気抵抗率を測定した。その結果を表1に示す。なお、焼成雰囲気は、酸化焼成時が窒素ガスに3000ppmの酸素を混合した雰囲気であり、還元焼成時は、窒素ガスに水素を4体積%混合した雰囲気とした。また、焼成時間は、酸化焼成及び還元焼成について同じ時間とし、100〜345℃の上記設定温度において1分〜100分の範囲で測定した。各焼成時間で電気抵抗率が10μΩcmとなる焼成時間を最短焼成時間とし、その値を表3に示した。
表3に示すように、焼成温度が高くなるほど最短焼成時間が短くなった。焼成時間が150℃以上の場合は30分以下の焼成時間で電気抵抗率が低い値を示し、焼成温度が150℃以上であることが好ましいことを示した。一方、焼成温度が100℃の場合は、焼成時間を100分としてもペーストが充分に焼結されず、直流四探針測定を行うことができなかった。
(実施例7)
銅ペーストで配線を形成する電子部品として、バックコンタクト型太陽電池を用いた。バックコンタクト型のセルは、米国特許第7388147号明細書に記載する方法に従って途中工程まで作製した。具体的には、n型シリコン基板の裏面にp型領域とn型領域を形成し、それぞれの領域表面にAl−Si合金コンタクト層、W−Ti合金バリア層、Cuシード層をスパッタ法によって形成した。その後、米国特許第7388147号明細書に記載のように電界Cuメッキ法を用いて配線を形成する代わりに、スクリーン印刷法によって銅ペーストを印刷焼成し電極配線を形成した。
銅ペーストは、平均粒子径が0.6μmの銅粒子、銅粒子に対して1質量%のカルボキシメチルセルロース、12質量%のテキサノール、3質量%のブチルカルビトールアセテートを混練して作製した。銅ペーストの印刷後、窒素ガスに4000ppmの酸素を混合した雰囲気において銅ペーストが印刷されたバックコンタクト型太陽電池の酸化焼成を行い、酸化焼成後に、窒素に4体積%の水素を含む還元雰囲気において還元焼成を行った。酸化焼成及び還元焼成における焼成温度及び焼成時間は、250℃、10分とした。
図3は、焼成後のバックコンタクト型太陽電池の電極配線部断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した断面組織を示す図である。図3に示すように、銅配線層1においては銅粒子が良好に焼結された。また、Al−Si合金コンタクト層4の上に形成されたW−Ti合金バリア層3の上にスパッタ法で積層したCuシード層2と、銅配線層1の銅粒子とが融合して良好な密着性が得られた。電極配線の電気抵抗率は3.8μΩcmと低く、該バックコンタクト型太陽電池の変換効率は20.5%と高い値を示した。変換効率及び密着性の測定方法は以下のとおりである。
(変換効率)
太陽電池の変換効率は、汎用のソーラーシミュレーターを用いて、標準条件(エアマス1.5、温度25℃)でI−V測定評価を行い、算出した。I−V特性のグラフから短絡電流密度、開放電圧、FF及び変換効率を算出した。
短絡電流密度(Jsc):電圧が0の時の電流密度(単位 mA/cm
開放電圧(Voc):電流が0の時の電圧(単位 V)
FF=(Vmax・Jmax)/(Voc・Jsc)
Jmax:太陽電池の出力が最大となるときの電流密度(単位 mA/cm
Vmax:太陽電池の出力が最大となるときの電圧 (単位 V)
変換効率η=Voc・Jsc・FF (単位 %)
(密着性)
銅配線の密着性は、JIS規格D0202−1988に準拠して実施した。ナイフによって銅配線の層に等間隔で網目状の切り込みを形成し、10マス×10マスの領域に分断した。その表面にセロハンテープを接着して引き剥がした。10マス以下しか引き剥がれない場合を密着性が優れていると評価した。
(実施例8)
銅ペーストで配線を形成する電子部品として、ヘテロ接合型太陽電池を用いた。ヘテロ接合型太陽電池のセルは、非特許文献1に記載する方法に従って作製した。具体的には、アルカリ溶液による異方性エッチング法を用いてn型チョクラルスキー(CZ)のc−Siウェハ表面に周期的なテクスチャー構造を形成した後、基板上に真性な(i型)アモルファスシリコン(a−Si)層とp型のa−Si層を堆積することでp/nヘテロ接合を形成し、p/nヘテロ接合の反対面側には、i型とn型のa−Si層を堆積し、BSF(Back Surface Field)構造を形成した。ドーピングされたa−Si層の表面には、透明導電酸化物(Transparent Conductive Oxide:TCO)層と金属グリッド電極を形成することで、両面受光構造を有するヘテロ接合型太陽電池を形成した。ここで、上記金属グリッド電極として、本実施例8ではスクリーン印刷法によって銅ペーストを印刷焼成し電極配線を形成した。
銅ペーストは、平均粒子径が0.3μmの銅粒子と、銅粒子に対して0.5質量%のメチルセルロース、2質量%のテルピネオール、10質量%のテキサノールを混練して作製した。銅ペースト印刷後は、大気雰囲気において酸化焼成を行い、窒素ガスにエタノールを混合させた還元雰囲気(エタノールの含有量は20体積%)において還元焼成を行った。それぞれの焼成工程における焼成温度、焼成時間は200℃、20分とした。窒素ガスにエタノールを混合させる方法は、エタノールを容器に入れて30℃に保持し、このエタノール液中を通過させた窒素ガスを用いる方法を用いた。また、エタノール液面上部のエタノール蒸気が存在する容器内の空間に窒素ガスを通過させる方法を用いてもよい。
焼成後の配線の電気抵抗率は8.3μΩcmであり、TCOと良好な密着性を示した。また太陽電池の変換効率は21.3%と高い値を示した。変換効率及び密着性の測定方法は上述のとおりである。
また、上記実施例で形成された配線の力学的強度が高く、実用性に優れることを確認した。
1・・・銅配線層
2・・・Cuシード層
3・・・W−Ti合金バリア層
4・・・Al−Si合金コンタクト層

Claims (8)

  1. 配線形成方法であって、
    銅粒子を含有する銅ペーストを基板上に塗布する塗布工程と、
    塗布された前記銅ペーストを焼成する焼成工程と、を備え、
    前記焼成工程は、前記銅ペーストに含まれる溶剤及びバインダー樹脂を酸化雰囲気下で酸化除去し、かつ、前記銅粒子を酸化焼結する第一の焼成工程と、前記銅粒子が酸化焼結された銅酸化物を還元雰囲気下で還元する第二の焼成工程と、を備え、
    前記第一の焼成工程及び前記第二の焼成工程における焼成温度が130℃以上350℃未満であり、
    前記バインダー樹脂が、酸素と反応し揮発性ガスに転化する熱分解性樹脂であり、
    前記溶剤の大気圧における沸点が130℃以上350℃未満である、配線形成方法。
  2. 前記熱分解性樹脂がセルロース系樹脂である、請求項1記載の配線形成方法。
  3. 前記熱分解性樹脂の酸素と反応し揮発性ガスに転化する温度が130℃以上350℃未満である、請求項1又は2記載の配線形成方法。
  4. 前記溶剤がOH基を末端に有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の配線形成方法。
  5. 前記銅粒子の平均粒子径が0.05μm以上2.0μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項記載の配線形成方法。
  6. 前記第一の焼成工程において、前記酸化雰囲気に含有される酸素が体積比で2000ppmより大きい、請求項1〜5のいずれか一項記載の配線形成方法。
  7. 前記第二の焼成工程において、前記還元雰囲気に含有される還元性物質が、水素、アンモニア、一酸化炭素及びアルコールからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1〜6のいずれか一項記載の配線形成方法。
  8. 前記第一の焼成工程及び前記第二の焼成工程における焼成時間が1分以上60分以下である、請求項1〜7のいずれか一項記載の配線形成方法。
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