JP2017067245A - エンコーダリングの圧入方法およびこのエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法 - Google Patents

エンコーダリングの圧入方法およびこのエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧入によるエンコーダリングの変形を抑えて検出精度の低下を防止し、信頼性の向上を図ったエンコーダリングの圧入方法を提供する。【解決手段】エンコーダリング12が、内輪7に装着され、円環状に形成された支持環13と、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向等配で交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダ14とで構成され、支持環13が、鋼板から断面L字状に形成され、内輪7の外周面に圧入される円筒状の嵌合部13aと、この嵌合部13aから径方向内方に延びる立板部13bおよびこの立板部13bと嵌合部13aの交差部に、当該嵌合部13aの端部を重合して形成された突出部13cを備え、立板部13bの側面に磁気エンコーダ14が一体に接合される共に、支持環13の突出部13cの側面19に圧入治具27の押圧面27aを当接させた状態で軸方向に圧入される。【選択図】図4

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置に使用され、車輪の回転速度を検出するエンコーダリングの圧入方法およびこのエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間に密封装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記密封装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサとで回転速度検出装置が構成されている。
車輪の回転速度を検出するエンコーダリングとして図7に示すものが知られている。このエンコーダリング51は、断面L字形に、全体として円環状に形成された支持環52と、この支持環52の側面に加硫接着等で一体に接合された磁気エンコーダ53とで構成され、支持環52は、内輪54の外周面に圧入される円筒状の嵌合部52aと、この嵌合部52aから径方向内方に屈曲して形成された立板部52bを備えている。磁気エンコーダ53は、ゴム磁石等の永久磁石を環状に形成して、周方向に交互に磁極N、Sが現われるように着磁され、周方向の回転によって磁界変動が生じるようになっている。
外方部材55には保護カバー56が装着されている。この保護カバー56は、非磁性体の合成樹脂を射出成形によってカップ状に形成され、外方部材55に内嵌される円筒状の嵌合部56aと、この嵌合部56aから径方向外方に突出して形成され、外方部材55の端面55aに密着する鍔部56bと、この鍔部56bから径方向内方に延び、内輪54の端部を塞ぐ底部56cとを備えている。
嵌合部56aと鍔部56bの部位には、鋼板からプレス加工によって断面略L字状に形成された芯金57がインサート成形され、底部56cの外側面に回転速度センサの検出部58が近接され、磁気エンコーダ53に所定のエアギャップを介して対峙されている。そして、この対峙されている部位を除き、保護カバー56の剛性を高めて変形を抑制するために底部56cの外側面にリブ59が突出して形成されている。この保護カバー56の存在により、回転速度センサの検出部58と磁気エンコーダ53との間に、水や鉄粉、磁気を帯びた破片等が入り込むのを防止して磁気エンコーダ53の損傷を防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
前記エンコーダリング51の内輪54への圧入方法は、図8(a)に示すように、エンコーダリング51の磁気エンコーダ53の側面に圧入治具60を対向させ、(b)に示すように、この圧入治具60を磁気エンコーダ53の側面に当接させた状態で軸方向に所望のストロークだけ押圧することによって内輪54の外周面に圧入固定される。
然しながら、断面L字形のエンコーダリング51の支持環52では、内輪54との嵌合面(嵌合部52aの内径面)と押圧される磁気エンコーダ53の側面の中心が同一直線上になく偏心しているため、圧入荷重によって支持環52が変形する恐れがある。この変形によって磁気エンコーダ53の着磁された磁極N、S単一ピッチ誤差や累積ピッチ誤差が悪化し、検出精度が低下してしまう。
また、図9に示すように、こうしたエンコーダリングを一体に構成した密封装置61も知られている。この密封装置61は、環状芯金62、スリンガ(エンコーダリング)63、環状シール部材64および磁気エンコーダ65を備える。
環状芯金62は、固定側環状部材として、金属板を屈曲してなり、円筒状芯金部62aと、この円筒状芯金部62aの端縁から径方向内向きに延びる環状芯金部62bとからなる断面L字形に形成されている。
スリンガ63は、回転側環状部材として、防錆処理された圧延鋼板等の金属板を屈曲してなり、円筒状スリンガ部63aと、この円筒状スリンガ部63aの端縁から径方向外向きに延びる環状スリンガ部63bとからなる断面L字形に形成されている。スリンガ63には、磁気エンコーダ65の表面より軸方向外向きに突出する突出部66が設けられている。突出部66は、断面L字形のスリンガ63の折曲部、すなわち円筒状スリンガ部63aと環状スリンガ部63bが交わる部分において、スリンガ63を軸方向外向きに屈曲させて、全周に渡って形成されている。
環状芯金部62bの外側面Bと、円筒状スリンガ部63aの先端Cが軸方向に略面一であるため、スリンガ63の突出部66により、密封装置61を積層して取り扱う場合、下段の密封装置61の磁気エンコーダ65と、上段の密封装置61の環状芯金部62bの外側面Bとの間に隙間Aが形成される。この隙間Aにより、磁気エンコーダ65の磁力による環状芯金部62bに対する磁気吸着力が極めて小さくなる。
このように、上下段の密封装置61の磁気吸着力が弱いため、密封装置61は互いの間にてスムーズに離れ、組み合わせられた環状芯金62とスリンガ63とがずれたり、外れたりするようなことがなくなる。また、箱から取り出した後、組込機に送る際、積み重ねられた密封装置61を水平方向にスライドさせて抜き取ることがある。この抜き取り作業時に、上下段の密封装置61の磁気吸着力が弱く、かつ、磁気エンコーダ65と環状芯金部62bが非接触であることから、磁気エンコーダ65が傷付くことなく、円滑に抜き取ることができる。また、突出部66は、スリンガ63の円筒状スリンガ部63a側に屈曲形成されており、スリンガ63を内輪(図示せず)に圧入固定する部位が突出部66よって補強され、スリンガ63を強固に内輪に固定することができる(例えば、特許文献2参照。)。
特開2011−149836号公報 特開2004−36817号公報
前記密封装置61の装着方法は、図10(a)に示すように、環状芯金62の内側面Dと、広い平面部を有する磁気エンコーダ65の側面に圧入治具67を対向させ、(b)に示すように、この圧入治具67を、環状芯金62の内側面Dと磁気エンコーダ65の側面に当接させた状態で軸方向に所望のストロークだけ押圧することによって外輪68と内輪69との間に形成される開口部に密封装置61が圧入固定される。
然しながら、スリンガ63は突出部66よって補強されているものの、前述したエンコーダリング51と同様、内輪69との嵌合面(円筒状スリンガ部63aの内径面)と押圧される磁気エンコーダ65の側面の中心が同一直線上になく偏心しているため、圧入荷重によってスリンガ63が変形し、磁気エンコーダ65の着磁された磁極N、S単一ピッチ誤差や累積ピッチ誤差が悪化し、検出精度が低下してしまう恐れがある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、エンコーダリングの構成と、その圧入方法を工夫することにより、エンコーダリングの支持環(芯金)の嵌合面と圧入治具の押圧面の中心とが偏心なく同一直線上になるように圧入することに着目し、圧入によるエンコーダリングの変形を抑えて検出精度の低下を防止し、信頼性の向上を図ったエンコーダリングの圧入方法およびこのエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に使用され、前記車輪の回転速度を検出するエンコーダリングの圧入方法において、前記エンコーダリングが、前記車輪用軸受の回転側部材に圧入され、円環状に形成された支持環と、周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、前記支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、前記回転側部材に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向に延びる立板部、およびこの立板部と前記嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、前記立板部の側面に前記エンコーダが設けられる共に、前記支持環の突出部の側面に圧入治具の押圧面を当接させた状態で軸方向に圧入される。
このように、車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に使用され、車輪の回転速度を検出するエンコーダリングの圧入方法において、エンコーダリングが、車輪用軸受の回転側部材に圧入され、円環状に形成された支持環と、周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、回転側部材に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向に延びる立板部、およびこの立板部と嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、立板部の側面にエンコーダが設けられる共に、支持環の突出部の側面に圧入治具の押圧面を当接させた状態で軸方向に圧入されるので、エンコーダリングの嵌合面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるエンコーダリングの変形を抑えて検出精度の低下を防止したエンコーダリングの圧入方法を提供することができる。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に装着され、前記車輪の回転速度を検出するエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法において、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とエンコーダリングとからなり、前記シール板が、外方部材の内周面に圧入された芯金と、この芯金に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップと、このサイドリップの内径側に二股状に形成されたダストリップおよびグリースリップを備え、前記エンコーダリングが、前記車輪用軸受の内方部材に装着され、円環状に形成された支持環と、周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、前記支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、前記内方部材の外周面に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部と前記嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、前記立板部の側面に前記エンコーダが設けられ、前記サイドリップが、前記エンコーダリングの支持環の立板部に軸方向シメシロをもって摺接されると共に、前記ダストリップとグリースリップが、前記支持環の嵌合部に径方向シメシロをもって摺接されるパックシールで構成されると共に、圧入治具の押圧面を前記シール板の端面と前記支持環の突出部の側面にそれぞれ当接させた状態で軸方向に圧入される。
このように、車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に装着され、車輪の回転速度を検出するエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法において、密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とエンコーダリングとからなり、シール板が、外方部材の内周面に圧入された芯金と、この芯金に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップと、このサイドリップの内径側に二股状に形成されたダストリップおよびグリースリップを備え、エンコーダリングが、車輪用軸受の内方部材に装着され、円環状に形成された支持環と、周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、内方部材の外周面に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部と嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、立板部の側面にエンコーダが設けられ、サイドリップが、エンコーダリングの支持環の立板部に軸方向シメシロをもって摺接されると共に、ダストリップとグリースリップが、支持環の嵌合部に径方向シメシロをもって摺接されるパックシールで構成されると共に、圧入治具の押圧面をシール板の端面と支持環の突出部の側面にそれぞれ当接させた状態で軸方向に圧入されるので、エンコーダリングの嵌合面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるエンコーダリングの変形を抑えて検出精度の低下を防止し、信頼性の向上を図った密封装置の圧入方法を提供することができる。
好ましくは、請求項3に記載の発明のように、前記エンコーダが、前記支持環の立板部の側面に一体に接合され、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向等配で交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダで構成されると共に、前記圧入治具が前記エンコーダに干渉しないように、当該エンコーダに対向する部分に凹所が形成されていれば、押圧による打ち傷等を防止して磁気エンコーダの損傷のリスクを軽減すると共に、押圧時のゴム磁石の弾性変形による位置決め精度の低下を防止し、信頼性の向上を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記シール板の端面と前記支持環の突出部の側面が略面一に設定されていれば、圧入治具の押圧面を研削加工等で面一に形成することができ、加工性が向上すると共に、寸法精度を高めることができ、密封装置の位置決め精度を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記支持環の側面が円弧状に形成されていれば、この側面に圧入治具の押圧面を当接させて軸方向に圧入する際、面同士の接触に比べ、こじれた状態で支持環を押圧することはなく、エンコーダリングの嵌合面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるエンコーダリングの変形を一層抑えることができる。
本発明に係るエンコーダリングの圧入方法は、車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に使用され、前記車輪の回転速度を検出するエンコーダリングの圧入方法において、前記エンコーダリングが、前記車輪用軸受の回転側部材に圧入され、円環状に形成された支持環と、周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、前記支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、前記回転側部材に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向に延びる立板部、およびこの立板部と前記嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、前記立板部の側面に前記エンコーダが設けられる共に、前記支持環の突出部の側面に圧入治具の押圧面を当接させた状態で軸方向に圧入されるので、エンコーダリングの嵌合面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるエンコーダリングの変形を抑えて検出精度の低下を防止したエンコーダリングの圧入方法を提供することができる。
また、本発明に係る密封装置の圧入方法は、車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に装着され、前記車輪の回転速度を検出するエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法において、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とエンコーダリングとからなり、前記シール板が、外方部材の内周面に圧入された芯金と、この芯金に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップと、このサイドリップの内径側に二股状に形成されたダストリップおよびグリースリップを備え、前記エンコーダリングが、前記車輪用軸受の内方部材に装着され、円環状に形成された支持環と、周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、前記支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、前記内方部材の外周面に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部と前記嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、前記立板部の側面に前記エンコーダが設けられ、前記サイドリップが、前記エンコーダリングの支持環の立板部に軸方向シメシロをもって摺接されると共に、前記ダストリップとグリースリップが、前記支持環の嵌合部に径方向シメシロをもって摺接されるパックシールで構成されると共に、圧入治具の押圧面を前記シール板の端面と前記支持環の突出部の側面にそれぞれ当接させた状態で軸方向に圧入されるので、エンコーダリングの嵌合面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるエンコーダリングの変形を抑えて検出精度の低下を防止し、信頼性の向上を図った密封装置の圧入方法を提供することができる。
本発明に係るエンコーダリングが装着された車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1のエンコーダリング単体を示す縦断面図である。 (a)は、図2のエンコーダリングの変形例を示す縦断面図、(b)は、(a)の変形例を示す縦断面図、(c)は、(a)の他の変形例を示す縦断面図である。 図2のエンコーダリングの圧入方法を示す説明図で、(a)は、圧入前を示し、(b)は、圧入後を示し、(c)は、図3(c)に示すエンコーダリングの圧入方法を示す説明図で、圧入前を示し、(d)は、圧入後を示している。 図3(c)のエンコーダリングを備えた密封装置を示す縦断面図である。 図5の密封装置の圧入方法を示す説明図で、(a)は、圧入前を示し、(b)は、圧入後を示す。 従来のエンコーダリングが装着された車輪用軸受装置を示す要部拡大図である。 図7のエンコーダリングの圧入方法を示す説明図で、(a)は、圧入前を示し、(b)は、圧入後を示す。 エンコーダリングが一体に構成された従来の密封装置を示す縦断面図である。 図9の密封装置の圧入方法を示す説明図で、(a)は、圧入前を示し、(b)は、圧入後を示す。
車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に使用され、前記車輪の回転速度を検出するエンコーダリングの圧入方法において、前記エンコーダリングが、前記車輪用軸受の回転側部材となる内輪の外周面に圧入され、円環状に形成された支持環と、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向等配で交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダとで構成され、前記支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、前記内輪の外周面に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる立板部、およびこの立板部と前記嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、前記立板部の側面に前記磁気エンコーダが一体に接合される共に、前記支持環の突出部の側面に圧入治具の押圧面を当接させた状態で軸方向に圧入される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るエンコーダリングが装着された車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のエンコーダリング単体を示す縦断面図、図3(a)は、図2のエンコーダリングの変形例を示す縦断面図、(b)は、(a)の変形例を示す縦断面図、(c)は、(a)の他の変形例を示す縦断面図、図4は、図2のエンコーダリングの圧入方法を示す説明図で、(a)は、圧入前を示し、(b)は、圧入後を示し、(c)は、図3(c)に示すエンコーダリングの圧入方法を示す説明図で、圧入前を示し、(d)は、圧入後を示し、図5は、図3(c)のエンコーダリングを備えた密封装置を示す縦断面図、図6は、図5の密封装置の圧入方法を示す説明図で、(a)は、圧入前を示し、(b)は、圧入後を示す。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1に示す車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と呼称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2とがユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、内方部材3と外方部材4、および両部材3、4間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。内方部材3は、ハブ輪1と、このハブ輪1に圧入固定された内輪7とからなる。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる軸状の小径段部1bが形成されている。また、車輪取付フランジ6の円周等配位置には車輪を締結するハブボルト6aが植設されている。
内輪7は、外周に他方(インナー側)の内側転走面7aが形成され、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて加締部1cが形成され、この加締部1cによってハブ輪1に対して内輪7が所定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面1aをはじめ、後述するシール9のシールランド部となる車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部1cは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部とされている。また、内輪7はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。また、転動体5は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで62〜67HRCの範囲で硬化処理されている。
一方、外方部材4は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に固定されるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に前記内方部材3の複列の内側転走面1a、7aに対向する複列の外側転走面4a、4aが一体に形成されている。この外方部材4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面4a、4aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。そして、両転走面4a、1aおよび4a、7a間に複列の転動体5、5が収容され、これら複列の転動体5、5が保持器8、8によって転動自在に保持されている。
また、外方部材4と内方部材3との間に形成される環状空間の開口部にはシール9、10が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。さらに、外方部材4のインナー側の開口端部にカバー11が装着され、外方部材4のインナー側の開口部が閉塞され、外部から雨水やダスト等が検出部に侵入するのを防止している。
なお、外方部材4のインナー側の開口部がカバー11により閉塞されているため、基本的にはシール10は不要であるが、ここでは、外方部材4のインナー側の端部にシール10が装着されているので、軸受内部に封入されたグリースが漏洩するのをこのシール10で密封することができる。すなわち、封入されたグリースはカバー11内に流出することがないので、グリース封入量を最小限に抑えることができ、軽量化と低コスト化を図ることができると共に、運転中のグリースの撹拌による軸受の昇温を抑えることができる。
なお、本実施形態では、複列の転がり軸受2として、転動体5、5をボールとした複列アンギュラ玉軸受で構成されたものを例示したが、これに限らず転動体に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されていても良い。また、第3世代の構造を例示したが、これに限らず、図示はしないが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪をハブ輪に圧入した、所謂第2世代構造であっても良いし、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置であっても良い。
本実施形態では、内輪7の外径にエンコーダリング12が圧入されている。このエンコーダリング12は、円環状に形成された支持環13と、この支持環13の側面に加硫接着等で一体に接合された磁気エンコーダ14とで構成されている。この磁気エンコーダ14は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向等配で交互に磁極N、Sが着磁されて車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。なお、本発明では、ゴム磁石からなる磁気エンコーダ14を例示したが、これに限らず、周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化する構成であれば良く、例えば、複数の透孔や凹凸が形成された鋼板製のものであっても良いし、磁極N、Sが焼結合金で形成されたものでも良い。また、プラスチック磁石が接合されたものでも良い。
カバー11は外方部材4のインナー側の開口端部に内嵌固定され、外方部材4の開口部が閉塞されている。このカバー11は、合成樹脂製の有底円筒状のカバー本体15と、このカバー本体15の開口部に一体モールドされた芯金16とからなる。
カバー本体15は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の特殊エーテル系合成樹脂材から射出成形によって形成され、さらにGF(ガラスファイバー)等の強化材が30〜50wt%添加されている。これにより、後述する回転速度センサ18の感知性能に悪影響を及ぼさず、耐食性に優れ、強度・剛性が高くなり長期間に亘って耐久性を向上させることができる。なお、カバー本体15は前述した材質以外にPA(ポリアミド)66、PA6・12、PPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の射出成形可能な合成樹脂を例示することができる。また、繊維状強化材としては、GFに限らず、これ以外に、CF(炭素繊維)やアラミド繊維、ホウ素繊維等を例示することができる。
カバー本体15は、外方部材4の端部内周に嵌合される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に突出し、外方部材4のインナー側の端面に密着する鍔部および底部を備えている。そして、この底部の径方向外方部に軸方向に突出する取付部17が一体に形成されている。取付部17は、センサユニット18が装着される円筒状の挿入部17aを備え、図示しない固定ボルトによってセンサユニット18が固定されている。
また、芯金16は、例えば、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板等をプレス成形して断面L字形の円環状に形成されている。特に、この芯金16は、回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさないように、非磁性体の鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)で形成されるのが好ましい。
ここで、エンコーダリング12の支持環13は、強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によって断面略L字状に形成され、図2に拡大して示すように、内輪7に圧入される円筒状の嵌合部13aと、この嵌合部13aから径方向内方に延びる立板部13b、および嵌合部13aと立板部13bの交差部に嵌合部13aのインナー側端部を重合して形成された突出部13cを備えている。そして、立板部13bのインナー側の側面に磁気エンコーダ14が加硫接着等で一体に接合されている。なお、突出部13cの端面19と磁気エンコーダ14の側面14aとは軸方向に略面一に設定されている。なお、ここで、前記「略面一」とは、例えば、設計の狙い値であって、各部材の出来具合や接合時の誤差程度のものも含む意味であり、実質的に段差がない状態、すなわち、加工誤差や接着誤差等によって生じる段差は当然許容されるべきものである。
エンコーダリング12の変形例として、図3(a)〜(c)に示す。(a)に示すエンコーダリング20は、基本的には、図2のエンコーダリング12と磁気エンコーダ14の接合部の構成が一部異なるだけで、その他の部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。このエンコーダリング20は、円環状に形成された支持環13と、この支持環13の側面に加硫接着等で一体に接合された磁気エンコーダ21とで構成されている。
本実施形態では、磁気エンコーダ21が、その固着力を高めるために、支持環13の立板部13bのインナー側の側面から外縁に回り込んで立板部13bのインナー側の側面から外縁に回り込んで一体に接合され、磁気エンコーダ21の側面21aと突出部13cの端面19とは軸方向に略面一に設定されている。
(b)に示すエンコーダリング22は、基本的には、(a)のエンコーダリング20と磁気エンコーダ21の側面21aの構成が一部異なるだけで、その他の部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。このエンコーダリング22は、円環状に形成された支持環13と、この支持環13の側面に加硫接着等で一体に接合された磁気エンコーダ23とで構成されている。
本実施形態では、磁気エンコーダ23が、その固着力を高めるために、立板部13bのインナー側の側面から外縁に回り込んで一体に接合されると共に、磁気エンコーダ23の側面23aは突出部13cの端面19から軸方向に凹んで接合されている。
(c)に示すエンコーダリング24は、円環状に形成された支持環25と、この支持環25の側面に加硫接着等で一体に接合された磁気エンコーダ26とで構成されている。支持環25は、フェライト系のステンレス鋼板や防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工によって断面略L字状に形成され、内輪(図示せず)の外周面に圧入される円筒状の嵌合部25aと、この嵌合部25aから径方向外方に延びる立板部25b、および嵌合部25aと立板部25bの交差部に嵌合部25aのインナー側端部を重合して形成された突出部25cを備えている。そして磁気エンコーダ26が、立板部25bのインナー側の側面に一体に接合され、磁気エンコーダ26の側面26aと突出部25cの端面19とは軸方向に略面一に設定されている。
次に、図4(a)〜(d)を用いて、前述したエンコーダリングの圧入方法について説明する。(a)、(b)は、図2に示したエンコーダリング12の圧入方法を示している。(a)に示すように、エンコーダリング12における支持環13の突出部13cと磁気エンコーダ14の側面14aに円環状の圧入治具27を対向させる。この圧入治具27の押圧面27aは、磁気エンコーダ14に干渉しないように、径方向に重合された突出部13cの厚さに設定されている。そして、(b)に示すように、この圧入治具27の押圧面27aを支持環13の突出部13cの側面19に当接させた状態で軸方向に所望のストロークだけ押圧することによって内輪7の外周面に圧入固定される。
ここで、支持環13の突出部13cが嵌合部13aの端部を重合して形成されているため、その側面19は円弧状に形成されている。この側面19に圧入治具27の押圧面27aを当接させて軸方向に圧入されるため、面同士の接触に比べ、こじれた状態で支持環13を押圧することはなく、エンコーダリング12の嵌合面、すなわち、支持環13の嵌合部13aの内径面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるエンコーダリング12の変形を抑えて検出精度の低下を防止したエンコーダリング12の圧入方法を提供することができる。
また、圧入治具27の押圧面27aが磁気エンコーダ14に干渉しないように形成されているため、押圧による打ち傷等を防止して磁気エンコーダ14の損傷のリスクを軽減すると共に、押圧時のゴム磁石の弾性変形による位置決め精度の低下を防止し、信頼性の向上を図ることができる。
(c)、(d)は、図3(c)に示したエンコーダリング24の圧入方法を示している。(c)に示すように、エンコーダリング24における支持環25の突出部25cと磁気エンコーダ26の側面26aに円環状の圧入治具28を対向させる。この圧入治具28の押圧面28aは、磁気エンコーダ26に干渉しないように、突出部25cの厚さに設定され、磁気エンコーダ26に対向する部分に凹所28bが形成されている。そして、(d)に示すように、この圧入治具28の押圧面28aを支持環25の突出部25cの側面19に当接させた状態で軸方向に所望のストロークだけ押圧することによって内輪7の外周面に圧入固定される。
これにより、前述した本実施形態と同様、エンコーダリング24の嵌合面となる支持環15の嵌合部25aの内径面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるエンコーダリング24の変形を抑えて検出精度の低下を防止すると共に、磁気エンコーダ26の押圧による打ち傷等を防止して損傷のリスクを軽減し、押圧時のゴム磁石の弾性変形による位置決め精度の低下を防止して信頼性の向上を図ることができる。
図5は、図3(c)に示したエンコーダリング24を備えた密封装置29である。この密封装置29は、互いに対向配置されたスリンガ25と環状のシール板30とからなる、所謂パックシールを構成している。このスリンガ25は、前述したエンコーダリング24の支持環25と基本的には同じ構成のため、各部品や部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
シール板30は、外方部材(図示せず)に装着された芯金31と、この芯金31に加硫接着等によって一体に接合されたシール部材32とを備えている。芯金31は、オーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成され、外方部材の端部内周に圧入された円筒部31aと、この円筒部31aの端部から径方向内方に延びる内径部31bとを備えている。
シール部材32はNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の弾性部材からなり、芯金31の内径部31bの内縁部に回り込んで接合された基部32aから芯金31の円筒部31aの内周面を介して円筒部31aに亙って接合されている。このシール部材32は、基部32aから径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ32bと、このサイドリップ32bの内径側に二股状に形成されたダストリップ32cおよびグリースリップ32dを備えている。そして、サイドリップ32bは、スリンガ25の立板部25bに所定の軸方向シメシロをもって摺接されると共に、ダストリップ32cとグリースリップ32dは、スリンガ25の嵌合部25aに所定の径方向シメシロをもって摺接されている。
また、芯金31の円筒部31aの先端部の外径が縮径して薄肉に形成され、シール部材32がこの先端部の外表面を覆うように回り込んで固着されてパッキン部32eが形成され、外周面が外方部材の端部内周に弾性密着される、所謂ハーフメタル構造をなしている。これにより、外方部材と芯金31の嵌合部の気密性を高めることができる。
本実施形態では、シール部材32がダストリップ32cとグリースリップ32dを備え、スリンガ25の嵌合部25aに所定の径方向シメシロをもって摺接されているので、ダストリップ32cとグリースリップ32dの緊迫力によってシール板30とスリンガ25を予め組み立てて一体化することができ、密封装置29の組立作業を簡素化できると共に、シール部材32の各リップが露出せず、工程中に損傷するのを防止することができ、品質の信頼性を向上させることができる。
さらに、シール部材32の基部32aにはアウター側に突出する凸部32fが一体に形成されている。この凸部32fにより、密封装置29を積層して取り扱う場合、下段の密封装置29の磁気エンコーダ26に凸部32fが衝合して磁気エンコーダ26と上段の密封装置29の芯金31の内径部31bとの間に隙間が形成される。これにより、磁気エンコーダ26の磁力による芯金31に対する吸着力が極めて小さくなり、密封装置29は互いの間にてスムーズに離れ、組み合わせられたシール板30とスリンガ25とがずれたり、外れたりするようなことがなくなる。
なお、シール部材32の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
次に、図6(a)、(b)を用いて、密封装置29の圧入方法を説明する。圧入治具33は、磁気エンコーダ26に干渉しないように、磁気エンコーダ26に対向する部分に凹所33cが形成されている。そして、圧入治具33の押圧面33a、33bをシール部材32のパッキン部32eの端面と、スリンガ25の突出部25cの側面19にそれぞれ対向させ、(b)に示すように、この圧入治具33を、シール部材32のパッキン部32eの端面と、スリンガ25の突出部25cの側面19に当接させた状態で軸方向に所望のストロークだけ押圧することによって外方部材34と内輪35との間に形成される開口部に圧入固定される。
これにより、スリンガ25の嵌合面となる嵌合部25aの内径面と偏心なく同一直線上に圧入荷重がかかり、圧入によるスリンガ25の変形を抑えて検出精度の低下を防止すると共に、磁気エンコーダ26の押圧による打ち傷等を防止して損傷のリスクを軽減し、押圧時のゴム磁石の弾性変形による位置決め精度の低下を防止して信頼性の向上を図ることができる。
なお、ここでは、シール部材32のパッキン部32eの端面とスリンガ25の突出部25cの側面19が略面一に設定されている。これにより、圧入治具33の押圧面33a、33bを研削加工等で面一に形成することができ、加工性が向上すると共に、寸法精度を高めることができ、密封装置29の位置決め精度を向上させることができる。なお、シール部材32のパッキン部32eの端面とスリンガ25の突出部25cの側面19が略面一に設定されていない場合は、圧入治具33の磁気エンコーダ26に対向する部分に凹所33cを形成すれば良く、押圧面33a、33bをそれぞれの平面差に対応して段差を設定すれば良い。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るエンコーダリングの圧入方法は、鋼板からプレス加工によって形成される支持環にエンコーダが一体に設けられた自動車等の車輪の回転速度を検出するエンコーダリングに適用することができる。
1 ハブ輪
1a、7a 内側転走面
1b 小径段部
1c 加締部
2 複列の転がり軸受
3 内方部材
4、34 外方部材
4a 外側転走面
4b 車体取付フランジ
5 転動体
6 車輪取付フランジ
6a ハブボルト
6b 基部
7、35 内輪
8 保持器
9、10 シール
11 カバー
12、20、22、24 エンコーダリング
13、25 支持環
13a、25a 嵌合部
13b、25b 立板部
13c、25c 突出部
14、21、23、26 磁気エンコーダ
14a、21a、23a、26a 磁気エンコーダの側面
15 カバー本体
16、31 芯金
17 取付部
17a 挿入部
18 センサユニット
19 突出部の端面
27、28、33 圧入治具
27a、28a、33a、33b 圧入治具の押圧面
28b、33c 圧入治具の凹所
29 密封装置
30 シール板
31a 芯金の円筒部
31b 芯金の内径部
32 シール部材
32a シール部材の基部
32b サイドリップ
32c ダストリップ
32d グリースリップ
32e シール部材のパッキン部
32f シール部材の凸部
51 エンコーダリング
52 支持環
52a、56a 嵌合部
52b 立板部
53、65 磁気エンコーダ
54 内輪
55 外方部材
55a 外方部材の端面
56 保護カバー
56b 鍔部
56c 底部
57 芯金
58 回転速度センサの検出部
59 リブ
60、67 圧入治具
61 密封装置
62 環状芯金
62a 円筒状芯金部
62b 環状芯金部
63 スリンガ
63a 円筒状スリンガ部
63b 環状スリンガ部
64 環状シール部材
66 突出部
A 突出部と磁気エンコーダの側面との軸方向隙間
B 環状芯金部の外側面
C 円筒状スリンガ部の先端
D 環状芯金の内側面

Claims (5)

  1. 車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に使用され、前記車輪の回転速度を検出するエンコーダリングの圧入方法において、
    前記エンコーダリングが、前記車輪用軸受の回転側部材に圧入され、円環状に形成された支持環と、
    周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、
    前記支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、前記回転側部材に圧入される円筒状の嵌合部と、
    この嵌合部から径方向に延びる立板部、およびこの立板部と前記嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、
    前記立板部の側面に前記エンコーダが設けられる共に、前記支持環の突出部の側面に圧入治具の押圧面を当接させた状態で軸方向に圧入されることを特徴とするエンコーダリングの圧入方法。
  2. 車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受に装着され、前記車輪の回転速度を検出するエンコーダリングを備えた密封装置の圧入方法において、
    前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とエンコーダリングとからなり、
    前記シール板が、外方部材の内周面に圧入された芯金と、
    この芯金に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップと、
    このサイドリップの内径側に二股状に形成されたダストリップおよびグリースリップを備え、
    前記エンコーダリングが、前記車輪用軸受の内方部材に装着され、円環状に形成された支持環と、
    周方向に特性が交互に、かつ等間隔に変化するエンコーダとで構成され、
    前記支持環が、鋼板から断面L字状に形成され、前記内方部材の外周面に圧入される円筒状の嵌合部と、
    この嵌合部から径方向外方に延びる立板部、およびこの立板部と前記嵌合部の交差部に、当該嵌合部の端部を重合して形成された突出部を備え、
    前記立板部の側面に前記エンコーダが設けられ、前記サイドリップが、前記エンコーダリングの支持環の立板部に軸方向シメシロをもって摺接されると共に、
    前記ダストリップとグリースリップが、前記支持環の嵌合部に径方向シメシロをもって摺接されるパックシールで構成されると共に、
    圧入治具の押圧面を前記シール板の端面と前記支持環の突出部の側面にそれぞれ当接させた状態で軸方向に圧入されることを特徴とする密封装置の圧入方法。
  3. 前記エンコーダが、前記支持環の立板部の側面に一体に接合され、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向等配で交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダで構成されると共に、前記圧入治具が前記エンコーダに干渉しないように、当該エンコーダに対向する部分に凹所が形成されている請求項2に記載の密封装置の圧入方法。
  4. 前記シール板の端面と前記支持環の突出部の側面が略面一に設定されている請求項2または3に記載の密封装置の圧入方法。
  5. 前記支持環の側面が円弧状に形成されている請求項2に記載の密封装置の圧入方法。
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