JP2017067141A - 変速機及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイル貯留部を備えた変速機において、変速機ケース内における各種部品のレイアウト自由度の向上、変速機のコンパクト化及び軽量化、並びに部品点数及び組立工数の低減を図ることができる変速機及びその製造方法を提供する。
【解決手段】回転体を有する変速機構と、前記変速機構を収容する変速機ケース2と、オイルを貯留するオイル貯留部30とを備えた変速機の製造方法において、前記変速機ケース2の周壁3aの少なくとも一部に前記オイル貯留部30が形成されるように、該オイル貯留部30を三次元積層造形法によって前記周壁3aと一体に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイル貯留部を備えた車両用の変速機及びその製造方法に関する。
車両に搭載される自動変速機は、クラッチやブレーキ等の油圧アクチュエータを有する変速機構を備え、前記油圧アクチュエータに対する油圧の給排が制御されることで、車両の運転状態に応じた変速段が適宜形成される。一方、手動変速機は、互いに平行な一対のシャフトと、これらのシャフト間を連絡する複数のギヤ列とを有する変速機構を備え、これらのギヤ列のうちいずれか1つがチェンジレバーの操作に応じて選択的に動力伝達状態となることで、所望の変速段が形成される。
自動変速機及び手動変速機のいずれにおいても、ギヤの噛み合い部やシャフトの軸受等には潤滑や冷却のためのオイルが適宜供給され、自動変速機では、油圧アクチュエータの油圧室やトルクコンバータに対するオイルの給排も行われる。一般に、変速機ケース内で潤滑や冷却に用いられたオイルは、変速機ケースの内面等を伝って自重によって流れ落ちることによって、油圧アクチュエータの油圧室やトルクコンバータから排出されたオイルは、変速機ケースやシャフト等に設けられたドレン用の油路を経由することによって、それぞれ変速機ケース内の底部へ導かれる。
このようにして変速機ケース内の底部に蓄積されたオイルの油面高さ(オイルレベル)は、車両の運転状態や油温等に応じて変動する。例えば、長時間停車している状態では、変速機ケース内のほとんどのオイルが底部に蓄積されることからオイルレベルは高くなり、車両走行中には、底部に蓄積されたオイルがギヤによって掻き上げられて変速機ケースの内面等に付着したり、潤滑や冷却又は油圧制御のための各部へのオイル供給量が多くなったりすることで、オイルレベルが低くなる傾向がある。また、油温が低いときには、高粘度のオイルが変速機ケースの内面等の各部に付着しやすく底部へ落下し難いことから、オイルレベルが低くなる傾向があり、油温が高いときには、オイルの体積が増大すると共に、低粘度のオイルが変速機ケースの内面等を伝って落下しやすくなることから、オイルレベルが高くなる傾向がある。
ところで、変速機ケース内の底部近傍にオイルストレーナが配設される場合、オイルストレーナによるエアの吸い込みを回避するためには、その吸い込み口が常にオイルに浸かる必要がある。そのため、オイルレベルが最も低くなるときでもエアの吸い込みが生じないように、変速機ケース内のオイル貯留量が設定される必要がある。
一方で、このようにオイル貯留量が設定されると、オイルレベルが高いときに、ギヤやクラッチドラム等の回転体が液面下に浸かる度合いが大きくなることから、回転体の回転抵抗が増大して、燃費性能等が低下する一因となる。
このような問題に対して、例えば特許文献1に開示されているように、変速機ケース内のオイルレベルよりも上方に、別のオイル貯留部を設ける技術が知られている。このようなオイル貯留部が設けられる場合、変速機ケース内のオイルレベルに応じて、変速機ケース底部に蓄積されたオイル又は上方のオイル貯留部内のオイルのいずれかを優先的に潤滑や油圧制御等に使用することで、変速機ケース内のオイルレベルの変動を抑制することができる。これにより、適切なオイルレベルが安定的に維持されることで、オイルストレーナによるエアの吸い込みを防止しつつ、回転抵抗の低減によって燃費性能の改善を図ることが可能となる。
特開2005−273880号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたようなオイル貯留部を設ける場合、変速機ケース内において、オイル貯留部を配設するための大きなスペースを確保する必要があることから、変速機ケース内に収容される各種部品のレイアウト自由度が低くなると共に、変速機全体の大型化及び重量化を招くことになり、変速機の大型化によって車両搭載性が悪化する。
また、この場合、オイル貯留部を形成するための部材と、該部材を変速機ケースに取り付けるためのブラケット等が必要になるため、変速機の部品点数及び組立工数が増加する問題もある。
そこで、本発明は、オイル貯留部を備えた変速機において、変速機ケース内における各種部品のレイアウト自由度の向上、変速機のコンパクト化及び軽量化、並びに部品点数及び組立工数の低減を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る変速機及びその製造方法は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、回転体を有する変速機構と、前記変速機構を収容する変速機ケースと、オイルを貯留するオイル貯留部とを備えた変速機であって、
前記オイル貯留部は、前記変速機ケースの周壁の少なくとも一部に、該周壁と一体に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記オイル貯留部は、前記変速機ケースの前記周壁の外面を構成する外壁部と、該外壁部の内側に間隔を空けて配置されて前記周壁の内面を構成する内壁部とを備え、
前記オイル貯留部に、前記外壁部と前記内壁部とを一体に繋ぐ柱状の補強部が設けられていることを特徴とする。
なお、本明細書において、「柱状の補強部」には、外壁部から内壁部にかけて直線状に延びるものに限らず、例えば、異なる方向に延びる複数の柱状部を二次元的又は三次元的に繋げたものなど、屈曲部や湾曲部を有するものも含まれるものとする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記変速機ケースは、前記変速機構の軸方向に沿って延びる筒状部材であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記オイル貯留部の内部空間と前記変速機ケースの内部空間との間を連絡する連絡部と、
前記連絡部を開閉するバルブと、を備えたことを特徴とする。
なお、本明細書において、「変速機ケースの内部空間」とは、変速機ケースの周壁の内面で囲まれた空間を意味する。
また、本願の請求項5に記載の発明は、回転体を有する変速機構と、前記変速機構を収容する変速機ケースと、オイルを貯留するオイル貯留部とを備えた変速機の製造方法であって、
前記変速機ケースの周壁の少なくとも一部に前記オイル貯留部が形成されるように、該オイル貯留部を三次元積層造形法によって前記周壁と一体に形成することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、
前記オイル貯留部に、前記周壁の外面を構成する外壁部と、該外壁部の内側に間隔を空けて配置されて前記周壁の内面を構成する内壁部とを形成し、
前記オイル貯留部に、前記外壁部と前記内壁部とを一体に繋ぐ柱状の補強部を形成することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記請求項5又は請求項6に記載の発明において、
前記変速機ケースを、前記三次元積層造形法の積層方向に沿った軸心を有する筒状に形成することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の発明において、
前記オイル貯留部の内部空間と前記変速機ケースの内部空間との間を連絡する連絡部を、三次元積層造形法によって前記変速機ケースと一体に形成し、
前記連絡部に、該連絡部を開閉するバルブを取り付けることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明に係る変速機によれば、変速機ケースの周壁の少なくとも一部に、該周壁と一体のオイル貯留部が設けられるため、周壁の厚み方向においてオイル貯留部をコンパクトに形成しつつ、変速機ケースの周壁の大きな面積を利用して、オイル貯留部の容量を十分に確保することができる。そのため、オイル貯留部を配設するための大きな空間を変速機ケース内に確保したり、変速機ケースの外側に大型のオイル貯留部を設けたりする必要がなく、これにより、変速機ケース内に配設される各種部品のレイアウト自由度を高めることができると共に、変速機の小型化及び軽量化を実現できる。
また、オイル貯留部は変速機ケースの周壁に一体に設けられるため、オイル貯留部を形成する部材やこれを変速機ケースに取り付けるためのブラケット等を用いる従来技術に比べて、部品点数及び組立工数を低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、変速機ケースの周壁の少なくとも一部を、互いに間隔を空けて配置された外壁部と内壁部とで構成することで、当該周壁部分を中空化してなるオイル貯留部を形成しつつ、該中空化された周壁部分に、外壁部と内壁部を一体に繋げる柱状の補強部が設けられることで、当該周壁部分の剛性を良好に確保することができる。
請求項3に記載の発明によれば、変速機構の軸方向に沿って延びる筒状の変速機ケースを、前記軸方向に沿った積層方向での三次元積層造形法によって形成することで、この造形中における変速機ケースの変形が抑制され、これにより、変速機ケース及びオイル貯留部を精度よく形成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、オイル貯留部の内部空間と変速機ケースの内部空間との間を連絡する連絡部がバルブによって開閉されることで、オイル貯留部の内部空間から変速機ケースの内部空間へのオイル供給を制御することが可能になる。この制御によって、変速機ケース内のオイルレベルを適宜調整することができ、これにより、オイルレベルの安定化を図ることができる。
さらに、請求項5に記載の発明に係る変速機の製造方法によれば、オイル貯留部が三次元積層造形法によって変速機ケースの周壁と一体に形成されることで、該周壁の少なくとも一部にオイル貯留部が形成されるため、周壁の厚み方向においてオイル貯留部をコンパクトに形成しつつ、変速機ケースの周壁の大きな面積を利用して、オイル貯留部の容量を十分に確保することができる。そのため、オイル貯留部を配設するための大きな空間を変速機ケース内に確保したり、変速機ケースの外側に大型のオイル貯留部を設けたりする必要がなく、これにより、変速機ケース内に配設される各種部品のレイアウト自由度を高めることができると共に、変速機の小型化及び軽量化を実現できる。
また、オイル貯留部は変速機ケースの周壁に一体に設けられるため、オイル貯留部を形成する部材やこれを変速機ケースに取り付けるためのブラケット等を用いる従来技術に比べて、部品点数及び組立工数を低減できる。
請求項6に記載の発明によれば、変速機ケースの周壁の少なくとも一部を、互いに間隔を空けて配置された外壁部と内壁部とで構成することで、当該周壁部分を中空化してなるオイル貯留部を形成しつつ、該中空化された周壁部分に、外壁部と内壁部を一体に繋げる柱状の補強部が設けられることで、当該周壁部分の剛性を良好に確保することができる。
請求項7に記載の発明によれば、三次元積層造形法による筒状の変速機ケースの形成において、該変速機ケースの軸心に沿った積層方向で造形が行われるため、この造形中における変速機ケースの変形が抑制され、これにより、変速機ケース及びオイル貯留部を精度よく形成することができる。
請求項8に記載の発明によれば、三次元積層造形法によって変速機ケースと一体に形成された連絡部を介して、オイル貯留部の内部空間と変速機ケースの内部空間との間が連絡されるため、該連絡部に取り付けられたバルブによって連絡部が開閉されることで、オイル貯留部の内部空間から変速機ケースの内部空間へのオイル供給を制御できる。この制御によって、変速機ケース内のオイルレベルを適宜調整することができ、これにより、オイルレベルの安定化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る変速機を車体後方側から見た図である。 同変速機の内部構造を概略的に示す図1のA−A線断面図である。 同変速機を示す図2のB矢視図である。 停車状態における同変速機の内部を示す図2と同様の断面図である。 車両走行状態における同変速機の内部を示す図2と同様の断面図である。 オイル貯留部の内部を厚み方向から見た拡大断面図である。 三次元積層造形法によって一体に形成される変速機ケースのケース本体、オイル貯留部、バルブボディ、ピストンシリンダ及びサポート部を示す一部破断側面図である。 オイル貯留部の構造の変形例を示す斜視図及び断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る変速機の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る変速機を車体後方側から見た図、図2は、同変速機の内部構造を概略的に示す図1のA−A線断面図、図3は、同変速機を示す図2のB矢視図である。なお、図2では、発明の理解を容易にするために変速機構の図示が省略されている。
[変速機の全体構成]
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る変速機は、例えば、フロントエンジンフロントドライブ車等のエンジン横置き式自動車に適用される自動変速機1であり、車体幅方向に延びる軸心を有する変速機構(図示せず)を収容する変速機ケース2を備えている。なお、図示は省略するが、車体幅方向における自動変速機1の例えば右側には、エンジン等の駆動源が配設されている。
図2に示すように、自動変速機1の変速機構は、その軸心に沿って延びる入力軸14と、該入力軸14と同一軸線上に配置された出力部としてのカウンタドライブギヤ18とを備えている。入力軸14は、例えば、トルクコンバータの出力部であるタービンシャフト(図示せず)と一体に構成されており、トルクコンバータを介して駆動源に連結されている。
また、自動変速機1は、前記カウンタドライブギヤ18に噛み合うカウンタドリブンギヤ93が設けられたカウンタ軸92を更に備えている。カウンタ軸92は、入力軸14よりも車体後方側において、入力軸14と平行に配置されている。カウンタ軸92には、更に、カウンタドリブンギヤ93よりも小径のファイナルドライブギヤ94が設けられている。
車軸96は、カウンタ軸92の車体後方側の斜め下方に配設されており、該車軸96と同一軸線上に配設された差動装置(図示せず)のデフリングギヤ95に前記ファイナルドライブギヤ94が噛み合っている。デフリングギヤ95はファイナルドライブギヤ94よりも大径であり、これにより、変速機構の出力回転は減速されて差動装置に伝達され、該差動装置に入力された動力は、走行状況に応じた回転差となるように左右の車軸96に伝達される。
なお、変速機構は、入力軸14の軸線上にクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素を複数備え、油圧制御装置による油圧制御によって摩擦締結要素が選択的に締結されることで、シフトレンジや車両の運転状態に応じた変速段が形成される。
図1〜図3に示すように、変速機ケース2は、外周囲を構成するケース本体3と、ケース本体3の反駆動源側(左側)の開口端部を閉塞するエンドカバー5とを有する。ケース本体3は、変速機構の軸方向(入力軸14及びカウンタ軸92の軸方向)に沿って延びる筒状部材であり、変速機構を取り囲むように配置される。また、ケース本体3の駆動源側(右側)の開口端部の合わせ面3bには、トルクコンバータを収容するコンバータハウジング6が結合されている。
図2及び図3に示すように、変速機ケース2のケース本体3には、油圧制御装置のバルブボディ100、変速機構を構成するブレーキのピストンシリンダ108、及び後述のオイル貯留部30が三次元積層造形法によって一体に形成されている。これにより、部品点数及び組立工数の低減、並びに、自動変速機1全体の小型化及び軽量化が図られている。
図2に示すように、変速機ケース2内の底部近傍にはオイルストレーナ20が配設されている。オイルストレーナ20の下面は、変速機ケース2の底部に近接して対向配置されており、該オイルストレーナ20の下面に吸い込み口22が設けられている。オイルストレーナ20の上部には吐出口24が設けられており、吐出口24は、後述のバルブボディ100の油路に連絡されている。オイルポンプ(図示せず)が駆動されると、変速機ケース2内の底部に溜まったオイルが吸い込み口22からオイルストレーナ20内に導入され、該オイルストレーナ20内に設けられたフィルタによって異物が除去された後、吐出口24からバルブボディ100の油路へ導かれる。
[油圧制御装置のバルブボディ]
図2及び図3に示すように、バルブボディ100は、変速機構の軸方向に沿って延びる概ね筒状の全体形状を有し、変速機構を取り囲むように配置される。
バルブボディ100には、その内周面100aから径方向内側に突出するようにピストンシリンダ108が一体に連なっている。ピストンシリンダ108は、バルブボディ100の内周面から径方向内側に延びる環状の縦壁部104と、該縦壁部104の内周側端部から反駆動源側へ軸方向に延びる内側筒部106とで構成されており、軸方向の反駆動源側に開放した周溝状に形成されている。このピストンシリンダ108内には、変速機構のブレーキのピストン(図示せず)が収容されて油圧室(図示せず)が形成される。
また、バルブボディ100には、ソレノイドバルブ150やスプールバルブ160が装着される複数のバルブ挿入穴120と、これらのバルブ挿入穴120に連絡される油路110とが設けられている。
バルブ挿入穴120に連絡される油路110は、三次元積層造形法によるバルブボディ100の造形によって形成されるため、従来のように金型を用いた成形によって油路が形成される場合に比べて、油路110の向き、配置、断面形状、個数等、具体的な油路110の構成に関しては高い設計自由度が得られる。そのため、例えば、大部分の油路110をバルブボディ100の形状に合わせて周方向に延びるように形成することで、バルブボディ100を径方向にコンパクトに形成することが可能になる。
バルブ挿入穴120は、三次元積層造形法によるバルブボディ100の造形時に下穴が形成された後、その下穴の内周面に仕上げ加工が施されることで形成される。ただし、三次元積層造形法による造形時にバルブボディ100に下穴を形成せずに、造形後に行われる機械加工のみによってバルブ挿入穴120を形成してもよい。
バルブ挿入穴120は、バルブボディ100の内周面100aに沿って周方向に間隔を空けて配置されている。全てのバルブ挿入穴120は、変速機構の軸方向に延びるように形成されており、軸方向の駆動源側に開口している。これにより、バルブ挿入穴120の内周面を仕上げ加工するとき、全てのバルブ挿入穴120に対して同じ方向から加工を行うことができると共に、バルブ挿入穴120にバルブ150,160を取り付けるとき、全てのバルブ150,160を同じ方向から差し込むことができる。
ソレノイドバルブ150及びスプールバルブ160は、バルブボディ100の油路110などと共に油圧制御回路(図示せず)を構成している。該油圧制御回路は、ソレノイドバルブ150やスプールバルブ160の動作によって、変速機構を構成する摩擦締結要素の油圧室、変速機構におけるギヤの噛み合い部分や軸受部分等といった変速機ケース2内の被潤滑部、及び、トルクコンバータの各部等に対するオイルの給排を制御する。
ソレノイドバルブ150としては、リニアソレノイドバルブ又はオンオフソレノイドバルブが用いられる。リニアソレノイドバルブは、例えば、摩擦締結要素の油圧室に供給される油圧を直接的に制御するバルブとして用いられ、オンオフソレノイドバルブは、例えば、スプールバルブ160の制御ポートへの油圧供給経路を開閉するバルブとして用いられる。
スプールバルブ160は、例えば、機械式オイルポンプの吐出圧をライン圧に調整する調圧レギュレータバルブ、運転者によるシフトレバーの操作に連動して油圧供給経路を切り換えるマニュアルバルブ、ソレノイドバルブ150の故障時に所定の変速段を実現するように油圧供給経路を切り換えるフェールセーフバルブ等、種々の切換バルブとして機能し得る。
また、バルブボディ100には、オイルストレーナ20の吐出口24から吐出されたオイルを導入するための導入用油路180が設けられている。導入用油路180は、例えば、吐出口24と調圧レギュレータバルブ等のスプールバルブ160の入力ポートとを繋ぐようにバルブボディ100に形成されている。
なお、バルブボディ100には、更に、チェックバルブ、オリフィス等、油圧制御回路を構成するその他の構成要素が一体に設けられてもよい。また、チェックバルブやオリフィス等がバルブボディ100とは別の部品で構成される場合、当該別部品が装着される穴等の被装着部がバルブボディ100に設けられるようにしてもよい。
[オイル貯留部]
図2に示すように、上記の油圧制御装置による油圧制御によって油圧室等からドレンされたオイルや、変速機ケース2内での潤滑や冷却に用いられたオイルは、バルブボディ100の油路110や、入力軸14、カウンタ軸92、エンドカバー5等に設けられた油穴(図示せず)等を経由したり、ケース本体3の周壁3aの内面3e等を伝って流れ落ちたりすることで、変速機ケース2内の底部に導かれ、これにより、変速機ケース2内の底部にオイルが蓄積される。このように、変速機ケース2内の底部は、オイルを貯留するオイル貯留部として機能し、変速機ケース2内の底部に溜まったオイルが、オイルストレーナ20及び油圧制御装置を経由して各部へ供給される。
本実施形態に係る自動変速機1は、変速機ケース2内の底部とは別のオイル貯留部30を更に備えている。このオイル貯留部30は、変速機ケース2のケース本体3の周壁3aの一部に、該周壁3aと一体に設けられている。
具体的には、例えば、周壁3aにおける車体前方側に配置される断面半円状部分に、オイル貯留部30が周方向に連続するように設けられている。また、図3において領域Tで示される周壁3a部分において、オイル貯留部30は車体幅方向に連続するように設けられている。つまり、オイル貯留部30が設けられる領域Tは、車体前方側から見える周壁3a部分において、車体幅方向における周壁3aの大部分の範囲に亘り、且つ、車体上下方向における周壁3aの上端部から下端近傍部に至る範囲に亘る領域とされている。
ただし、周壁3aにおいてオイル貯留部30が設けられる領域は、これに限定されるものでなく、任意に変更可能である。また、周壁3aの全体にオイル貯留部30が設けられたり、周壁3aにおける複数の領域にオイル貯留部30が分割されて設けられたりしてもよい。
図2に示すように、オイル貯留部30は周壁3aの一部を構成している。オイル貯留部30が設けられた周壁3a部分では、周壁3aの厚み方向に間隔を空けて配置された外壁部31と内壁部32とを有する二重壁構造とされている。オイル貯留部30において、外壁部31は周壁3aの外面3dを構成し、内壁部32は、周壁3aの内面3eを構成している。つまり、オイル貯留部30は、周壁3aの外面3dと内面3eとの間に設けられている。
このように、周壁3aの一部が、互いに間隔を空けて配置された外壁部31と内壁部32とで構成されることで、当該周壁3a部分を中空化してなるオイル貯留部30が形成され、これにより、外壁部31と内壁部32との間にオイル収容空間Sが形成されている。
外壁部31と内壁部32とは互いに近接して配置されており、これにより、オイル貯留部30の厚みの低減が図られている。また、オイル貯留部30は、上記のように周壁3aの広範囲に亘って形成されていることから、外壁部31と内壁部32との間隔を小さくしても、大きなオイル収容空間Sを形成することができる。
外壁部31の下端部と内壁部32の下端部とは、底壁部33を介して一体に繋がっている。底壁部33は、オイル収容空間Sの底面を構成するものである。底壁部33は、例えば、オイルストレーナ20の吸い込み口22よりも上側に配置されている。
なお、外壁部31の車体幅方向両端部と内壁部32の車体幅方向両端部とは、それぞれ側壁部(図示せず)を介して一体に繋がっており、これらの側壁部によってオイル収容空間Sの側面が構成されている。
また、オイル貯留部30に、外壁部31と内壁部32とを一体に繋ぐ複数の柱状の補強部34が設けられている。補強部34は、例えば、外壁部31から内壁部32にかけて厚み方向に沿って直線状に延びるように設けられている。図6に示すように、複数の補強部34は、周壁3aの軸方向及び周方向に互いに間隔を空けて配置されている。
オイル貯留部30では、上記のようにして設けられた補強部34によって外壁部31と内壁部32が一体に繋げられることで、特に厚み方向の外側からの荷重に対する剛性が高められている。また、このように外壁部31と内壁部32との間に補強部34が介在しても、オイル貯留部30に貯留されたオイルは、補強部34を迂回するように蛇行しながら上方から下方へ流れ落ちることができる。
なお、補強部34の構成は、外壁部31と内壁部32とを一体に繋げるものであれば上記のものに限定されるものでなく、種々の変更が可能である。
例えば、上記の補強部34に代えて、図8(a)に示すオイル貯留部230のように、異なる4つの方向に延びる複数の柱状部235を三次元的に一体に繋げてなる補強部234が設けられてもよい。この場合、図8(b)に示すように、補強部234の柱状部235は、厚み方向から見てハニカム形状を構成するように配置される。このような補強部234を介して外壁部31と内壁部32を一体に繋げることで、周壁3aの厚み方向、軸方向及び周方向のいずれの荷重に対しても、中空化されたオイル貯留部30の剛性を良好に確保できる。
また、図示は省略するが、その他の例に係る補強部として、3つの異なる方向に延びる複数の柱状を二次元的に一体に繋げてなるメッシュ状のものが膜状に設けられてもよい。この場合、膜状の補強部は、周壁3aの厚み方向に直交する方向に間隔を空けて複数設けられることが好ましい。
図2に示すように、オイル貯留部30は、オイル収容空間Sにオイルを導入するための導入開口部35,36aを備えている。具体的に、オイル貯留部30は、例えば、その上端部に設けられた上側の導入開口部35と、該導入開口部36aよりも下側に設けられた下側の導入開口部36aとを備えている。
上側の導入開口部35は、オイル貯留部30の上端開口で構成されており、車体後方側を向くように開口されている。下側の導入開口部36aは、内壁部32の周方向中間部から厚み方向の内側に突出した突出部32aに設けられている。突出部32aには、上下方向に延びる油路36が設けられており、該油路36の上端が導入開口部36aとされ、油路36の下端はオイル収容空間Sに連通されている。
これらの導入開口部35,36aが設けられていることにより、変速機ケース2内のギヤ18,93,94,95やクラッチドラム16等の回転体に付着したオイルが、これらの回転体から飛散するとき、飛散したオイルの一部を導入開口部35,36aからオイル収容空間Sに効率よく導入することができる。
また、オイル貯留部30には、バルブボディ100の油路110に連通する導入開口部が更に設けられてもよく、この場合、バルブボディ100の油路110からオイル収容空間Sへのオイルの導入を、油圧制御装置によって制御することが可能である。
さらに、オイル貯留部30のオイル収容空間Sは、連絡用の油路170を介して変速機ケース2の内部空間、すなわち周壁3aの内面で囲まれた空間に連絡されている。連絡用の油路170は、例えばバルブボディ100に形成されている。連絡用の油路170の一端は、オイル貯留部30の内壁部32の下端近傍部に設けられた開口部(図示せず)を介して、オイル収容空間Sに連通し、連絡用の油路170の他端は、バルブボディ100に設けられた吐出口172を介して、変速機ケース2の内部空間に連通している。
連絡用の油路170には、該油路170を開閉するバルブ174が設けられている。バルブ174は、例えば、バルブボディ100に形成されたバルブ挿入穴(図示せず)に装着されている。
ただし、連絡用の油路170、吐出口172及びバルブ174は、オイル貯留部30のオイル収容空間Sと変速機ケース2の内部空間とを連絡可能な構成である限り、必ずしもバルブボディ100に設ける必要はない。
上記のように、オイル貯留部30のオイル収容空間Sと変速機ケース2の内部空間とは連絡用の油路170を介して連通可能であり、連絡用の油路170はバルブ174によって開閉可能となっている。そのため、バルブ174の動作を制御することにより、オイル収容空間Sから変速機ケース2の内部空間へのオイル供給を制御できる。したがって、車両の運転状態や油温、変速機ケース2内のオイルレベルLV1等に応じて、オイル収容空間Sから変速機ケース2の内部空間へのオイル供給を制御することで、変速機ケース2内のオイルレベルLV1を適宜調整することができ、これにより、車両の運転状態や油温等に関わらず、オイルレベルLV1の安定化を図ることができる。したがって、変速機ケース2内に収容される総オイル量を少なくすることが可能になり、これにより、自動変速機1の軽量化を図ることができる。
図4(a)には、停車状態で油温が低いときの変速機ケース2内の理想のオイルレベルLV1とオイル貯留部30内の実際のオイルレベルLV2の具体例、図4(b)には、停車状態で油温が高いときの変速機ケース2内の理想のオイルレベルLV1とオイル貯留部30内の実際のオイルレベルLV2の具体例が示されている。
図4(a)及び図4(b)に示す停車状態では、機械式オイルポンプが停止していることから、該オイルポンプによる潤滑油の供給を行えないため、差動装置において車軸96を支持するベアリング98がオイルに浸かることが好ましい。そのため、停車状態では、理想のオイルレベルLV1はベアリング98の下端よりも高く設定される。なお、油温が高いときは、膨張によってオイルの体積が比較的大きくなることから、油温が低いときに比べて、理想のオイルレベルLV1が若干高く設定される。
したがって、停車状態において、変速機ケース2内のオイルレベルLV1が理想よりも低いときは、バルブ174の開放によってオイル貯留部30から変速機ケース2の内部空間にオイルを供給することで、オイルレベルLV1を調整できる。このようなオイル供給を行うことにより、オイル貯留部30内のオイルレベルLV2は比較的低くなる。
なお、車両走行中には、回転体から飛散したオイルが変速機ケース2の周壁3aの内面3e等に付着しているが、停車状態が長時間続くと、大部分のオイルは落下して変速機ケース2内の底部に蓄積される。このようにオイルレベルLV1が十分に高い停車状態では、オイル貯留部30からのオイル供給を行う必要はない。
図5(a)には、車両が低車速で走行しているときの変速機ケース2内の理想のオイルレベルLV1とオイル貯留部30内の実際のオイルレベルLV2の具体例、図5(b)には、車両が高車速で走行しているときの変速機ケース2内の理想のオイルレベルLV1とオイル貯留部30内の実際のオイルレベルLV2の具体例が示されている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、車両走行中には、デフリングギヤ95の回転抵抗を低減するために、変速機ケース2内のオイルレベルLV1は、デフリングギヤ95の下端よりも低いことが望ましい。
一方で、車両走行中において、デフリングギヤ95が変速機ケース2内の底部に溜まったオイルに浸かっているときは、デフリングギヤ95によってオイルが掻き上げられて、変速機ケース2内の各部に付着することで、変速機ケース2内のオイルレベルLV1は低くなりやすい。特に、油温が低くオイルの粘度が高いときは、変速機ケース2内の各部に付着したオイルが変速機ケース2内の底部へ落下し難く、オイルレベルLV1が低下しやすくなる。
また、車両走行中において、オイル貯留部30内には、ギヤ18,93やクラッチドラム16等の回転体から飛散したオイルの一部が供給されることで、オイル貯留部30内のオイルレベルLV2は停車状態に比べて上昇する。
図5(a)に示す低車速走行状態では、デフリングギヤ95によるオイルの掻き上げ量が比較的少ないのに対して、図5(b)に示す高車速走行状態では、デフリングギヤ95によるオイルの掻き上げ量が大きくなることで、オイルレベルLV1が下がりすぎる可能性がある。この場合は、バルブ174の開放によってオイル貯留部30からのオイル供給を行うことで、変速機ケース2内のオイルレベルLV1を上昇させればよい。これにより、オイルストレーナ20の吸い込み口22がオイルに浸かった状態を維持して、エアの吸い込みを防止することができる。
[ケース本体の製造方法]
変速機ケース2のケース本体3は、3Dプリンタを用いて、オイル貯留部30、バルブボディ100及びピストンシリンダ108と三次元積層造形法によって一体に形成される。これにより、バルブ挿入穴120、油路110、オイル収容空間S等の空洞部を除いた全ての部分が一体に連なるように形成される。
三次元積層造形法における具体的なプリント方式は特に限定されないが、ケース本体3の材料としてアルミニウム等の金属を用いる場合は、例えば、敷き詰められた金属粉末の層の任意の位置に電子ビーム又はレーザを照射することで、該照射部分を焼結させて造形した後、次の層を敷き詰めるという動作を繰り返す粉末焼結積層造形法が採用され得る。
また、ケース本体3の材料として樹脂を用いる場合も、粉末焼結積層造形法を採用してもよいが、樹脂材料を用いる場合は、金属材料に比べて多くのプリント方式を採用することができ、例えばインクジェット方式等、ニーズに応じたプリント方式を採用すればよい。なお、ケース本体3を樹脂で形成する場合、変速機ケース2の剛性を高めるために、ケース本体3全体が金属製の筒状部材で被覆されるようにしてもよい。
図7に示すように、三次元積層造形法によるケース本体3の形成において、積層方向D1は上方に向かう方向であり、ケース本体3は、バルブボディ100の軸心、バルブ挿入穴120の軸心、及びケース本体3の軸心が上下方向に沿って配置される姿勢で形成される。
ケース本体3の特にピストンシリンダ108の造形を安定的に行うために、造形中にピストンシリンダ108を下側から支持するサポート部199を、積層方向D1の下端から上方に延びるようにケース本体3と一体に形成することが好ましい。サポート部199は、例えば、積層方向D1の下端に形成される扁平な円柱部199aと、該円柱部199aから上方に延びる長尺の筒状部199bとで構成される。サポート部199は、例えば、縦壁部104を支持する部分に設けられる。
このようにケース本体3と一体にサポート部199が造形されるため、サポート部199よりも上側におけるピストンシリンダ108、バルブボディ100及びオイル貯留部30の造形は、サポート部199によって下側から支持された状態で安定的に行われ、これらを精度よく形成することができる。
また、バルブ挿入穴120は、三次元積層造形法の積層方向D1に平行な軸心に沿って形成されるため、バルブボディ100の造形中に、バルブ挿入穴120の内周が変形することなく安定して形成される。そのため、バルブ挿入穴120を精度よく形成することができる。したがって、特にスプールバルブ用のバルブ挿入穴120においてスプールの円滑な移動を実現でき、これにより、応答性に優れた油圧制御を実現できる。
三次元積層造形法によるケース本体3の造形が終了すると、サポート部199は除去される。サポート部199の筒状部199bは、内部が空洞であることにより低剛性とされているため、サポート部199は容易に除去可能である。
その後、バルブ挿入穴120の内周面や端面、サポート部199と繋がっていた部分等に仕上げ加工が施されたり、ケース本体3の両端面に設けられるボルト穴のねじ切り加工が施されたりすることで、ケース本体3が完成する。
なお、サポート部199は必ずしも形成する必要はなく、特に樹脂材料を用いた造形を行う場合、採用するプリント方式(例えば粉末焼結積層造形法)によっては、サポート部199を省略することが可能である。
以上のように、上述したオイル貯留部30が三次元積層造形法によってケース本体3の周壁3aと一体に形成されることで、該周壁3aの一部にオイル貯留部30が形成されるため、周壁3aの厚み方向においてオイル貯留部30をコンパクトに形成しつつ、周壁3aの大きな面積を利用して、オイル貯留部30の容量を十分に確保することができる。そのため、オイル貯留部30を配設するための大きな空間を変速機ケース2内に確保したり、変速機ケース2の外側に大型のオイル貯留部を設けたりする必要がなく、これにより、変速機ケース2内に配設される各種部品のレイアウト自由度を高めることができると共に、自動変速機1の小型化及び軽量化を実現できる。
また、オイル貯留部30は周壁3aに一体に設けられるため、オイル貯留部30を形成する部材やこれを変速機ケース2に取り付けるためのブラケット等を用いる従来技術に比べて、部品点数及び組立工数を低減できる。
さらに、ケース本体3には、バルブボディ100も一体に形成されるため、ケース本体3の一部がオイル貯留部30及びバルブボディ100として共用されることになり、変速機ケース、オイル貯留部及びバルブボディがそれぞれ別体として個別に形成される場合に比べて、これらの形成に用いられる材料が削減される。そのため、自動変速機1を全体的に小型化及び軽量化することができ、これにより、自動変速機1の車両搭載性及び車両の燃費性能が向上する。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、ケース本体3及びオイル貯留部30に対して、バルブボディ100及びピストンシリンダ108も一体化する例を説明したが、本発明において、バルブボディ及びピストンシリンダは変速機ケースと別体であってもよい。
また、上述の実施形態では、変速機ケース2内のオイルレベルLV1を調整するためのオイル貯留部30を設ける例を説明したが、本発明において、オイル貯留部の用途は限定されるものでなく、例えば、潤滑に用いられるオイルを一時的に貯留するためのものであってもよい。
さらに、以上の実施形態では、本発明を自動変速機に適用する場合について説明したが、本発明は手動変速機にも同様に適用可能である。
以上のように、本発明によれば、オイル貯留部を備えた変速機において、変速機ケース内における各種部品のレイアウト自由度の向上、変速機のコンパクト化及び軽量化、並びに部品点数及び組立工数の低減を図ることが可能となるから、この種の変速機及びこれを搭載した車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動変速機
2 変速機ケース
3 ケース本体
3a ケース本体の周壁
3b コンバータハウジングとの合わせ面
3d 周壁の外面
3e 周壁の内面
5 エンドカバー
6 コンバータハウジング
14 入力軸
16 クラッチドラム
18 カウンタドライブギヤ
20 オイルストレーナ
22 吸い込み口
30 オイル貯留部
31 外壁部
32 内壁部
33 底壁部
34 補強部
35 導入開口部
36a 導入開口部
92 カウンタ軸
93 カウンタドリブンギヤ
94 ファイナルドライブギヤ
95 デフリングギヤ
96 車軸
98 ベアリング
100 バルブボディ
104 縦壁部
106 内側筒部
108 ピストンシリンダ
110 油路
120 バルブ挿入穴
150 ソレノイドバルブ
160 スプールバルブ
170 連絡用の油路
172 吐出口
174 バルブ
199 サポート部
230 オイル貯留部
234 補強部
235 柱状部
S オイル収容空間

Claims (8)

  1. 回転体を有する変速機構と、前記変速機構を収容する変速機ケースと、オイルを貯留するオイル貯留部とを備えた変速機であって、
    前記オイル貯留部は、前記変速機ケースの周壁の少なくとも一部に、該周壁と一体に設けられていることを特徴とする変速機。
  2. 前記オイル貯留部は、前記変速機ケースの前記周壁の外面を構成する外壁部と、該外壁部の内側に間隔を空けて配置されて前記周壁の内面を構成する内壁部とを備え、
    前記オイル貯留部に、前記外壁部と前記内壁部とを一体に繋ぐ柱状の補強部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
  3. 前記変速機ケースは、前記変速機構の軸方向に沿って延びる筒状部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機。
  4. 前記オイル貯留部の内部空間と前記変速機ケースの内部空間との間を連絡する連絡部と、
    前記連絡部を開閉するバルブと、を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変速機。
  5. 回転体を有する変速機構と、前記変速機構を収容する変速機ケースと、オイルを貯留するオイル貯留部とを備えた変速機の製造方法であって、
    前記変速機ケースの周壁の少なくとも一部に前記オイル貯留部が形成されるように、該オイル貯留部を三次元積層造形法によって前記周壁と一体に形成することを特徴とする変速機の製造方法。
  6. 前記オイル貯留部に、前記周壁の外面を構成する外壁部と、該外壁部の内側に間隔を空けて配置されて前記周壁の内面を構成する内壁部とを形成し、
    前記オイル貯留部に、前記外壁部と前記内壁部とを一体に繋ぐ柱状の補強部を形成することを特徴とする請求項5に記載の変速機の製造方法。
  7. 前記変速機ケースを、前記三次元積層造形法の積層方向に沿った軸心を有する筒状に形成することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の変速機の製造方法。
  8. 前記オイル貯留部の内部空間と前記変速機ケースの内部空間との間を連絡する連絡部を、三次元積層造形法によって前記変速機ケースと一体に形成し、
    前記連絡部に、該連絡部を開閉するバルブを取り付けることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の変速機の製造方法。
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