JP2017066569A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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純矢 澤田
Junya Sawada
純矢 澤田
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Abstract

【課題】生物分解性に優れた柔軟基剤を用いた液体柔軟剤組成物に関し、柔軟性能を従来以上に高めることができ、低粘度及び分散安定性に優れる液体柔軟剤組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】(a)エステル結合(COO)を含む3種の特定の4級アンモニウム塩、(b)3級アミン化合物、(c)非イオン界面活性剤、及び水を、特定条件で含有する液体柔軟剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液体柔軟剤組成物及び液体柔軟剤組成物の製造方法に関する。
繊維用柔軟仕上げ剤として市販されている商品は環境への負荷が小さい生物分解性に優れた基剤を使用している。例えばN−メチル−N−ヒドロキシエチル−N,N−ビス(長鎖アルカノイルオキシエチル)アンモニウム・メチル硫酸塩等を挙げることができる。この化合物は、トリエタノールアミンを、脂肪酸でエステル化、或いは脂肪酸メチルエステルなどでエステル交換し、続いてジメチル硫酸で4級化して調製される化合物である。このようにして得られた化合物は、トリエタノールアミンのヒドロキシエチル基が、脂肪酸とエステル結合をした構成を有する化合物であって、モノエステル体(以下、モノ体と言う場合もある)、ジエステル体(以下、ジ体と言う場合もある)及びトリエステル体(以下、トリ体と言う場合もある)の混合物となる。
しかしながら、このような脂肪酸エステルタイプの4級アンモニウム塩による柔軟効果は、かつての柔軟基剤である、ジタロウジメチルアンモニウム塩のような、ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキルアンモニウム塩と比較して柔軟性や保存安定性に劣る。従って脂肪酸エステルタイプの4級アンモニウム塩のような生物分解性に優れた基剤を用いて、優れた柔軟性を得る技術が求められている。また、4級化の際に未反応の脂肪酸エステルタイプの3級アミンは4級アンモニウム化合物と比較して柔軟性において劣る。加えてトリ体を増やすと分散安定性が低下する。従ってトリ体の増加は好ましくない。現状ではトリエタノールアミンと脂肪酸又は脂肪酸メチルエステルを特定比率で反応させ、ジエステル体が中心の混合物を用いている。エステル化の程度を考慮した先行技術として以下のようなものが知られている。
特許文献1には、ジ体の割合が55重量%以上である4級アンモニウム塩混合物及びその製造法が開示されている。特許文献2には、トリ体の割合が15〜85重量%の第4級アンモニウム塩組成物及びこれを含有する柔軟仕上げ剤組成物が開示されている。特許文献3には、トリ体の割合が0.1〜40重量%の4級アンモニウム塩混合物を用いた液体柔軟剤組成物が開示されている。特許文献4には、トリ体の割合が5〜30重量%の第4級アンモニウム塩混合物を含有する液体柔軟剤組成物が開示されている。特許文献5には、モノ体、ジ体、トリ体を所定の重量比で含む4級アンモニウム塩混合物を含有する柔軟剤組成物が開示されている。特許文献6には、トリ体の割合が30〜70重量%の4級アンモニウム塩混合物を含有する繊維処理剤組成物が開示されている。
特表2000−509445号公報 特開2001−131871号公報 特開2012−82538号公報 特開2006−207112号公報 特開2001−336065号公報 特開2012−202000号公報
本発明は、生物分解性に優れた柔軟基剤を用いた液体柔軟剤組成物であって、より優れた柔軟性を有し、低粘度及び分散安定性に優れる液体柔軟剤組成物及びその製造方法を提供する。
本発明者らは、まず本来柔軟性への寄与が低いと考えられていたモノ体が柔軟性に寄与していることを見出した。またモノ体は保存安定性にも優位であることが判明した。先行技術には、モノ体、ジ体及びトリ体のそれぞれの比率が記載された混合物が開示されているが、実際のところ、脂肪酸のアルキル分布や触媒等による影響を除き、脂肪酸とトリエタノールアミンの比率が決まると、混合物として生成されるエステル化合物のモノ体、ジ体、トリ体の比率も決まる。例えば、脂肪酸の割合を増やすとトリ体が増加し、減らすとジ体が増え、更に減らすとモノ体が増加していく。すなわち、トリ体を増やす反応はモノ体を低減させ、次いでジ体を低減させてしまう。逆にモノ体を増やす反応はトリ体が生成しにくい。またトリエタノールアミンと脂肪酸のエステル化反応時は、モノ体、ジ体及びトリ体の間でエステル交換されやすい状況にある。
本発明者らはアルカノールアミンの脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩混合物を柔軟性の主基剤とする液体柔軟剤組成物に関し、4級アンモニウム塩混合物中にモノ体とジ体を一定量以上存在させた上でトリ体の割合を増やすこと、分散剤としての非イオン界面活性剤が及ぼす影響を見直すこと、及び3級アミン化合物をある程度残留させることで、分散性を損なうことなく、低粘度で柔軟性に優れた液体柔軟剤組成物が得られることを見出した。
すなわち本発明は、下記(a)成分を0.5質量%以上25質量%以下、(b)成分を1質量%以上3質量%以下、(C)成分を0.05質量%以上10質量%以下、及び水を含有する液体柔軟剤組成物であり、
(a)成分において、(M)/(T)の質量比が20/100以上160/100以下、(D)/(T)の質量比が50/100以上280/100以下であり、
(a)成分と(c)成分の質量比(a)/(c)が70/30以上99/1以下である、
液体柔軟剤組成物に関する。
(a)成分:(M)下記一般式(I)で示される化合物、(D)下記一般式(II)で示される化合物、及び(T)下記一般式(III)で示される化合物
Figure 2017066569
〔式中、Rは炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数である。R3は炭素数1以上3以下の炭化水素基を示す。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Xは陰イオン基を示す。〕
(b)成分:3級アミン化合物
(c)成分:非イオン界面活性剤
また本発明は、下記工程1及び工程2を含む、液体柔軟剤組成物の製造方法に関する。
工程1:炭素数2又は3のアルキレンオキシドがヒドロキシアルキル基1モルに対して1.5モル以下の割合で付加してもよい、ヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン(以下、トリ(AO)アルカノールアミンともいう)と脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比1.2以上2.1以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−1)、及び前記トリ(AO)アルカノールアミンと脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比2.1超3.0以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−2)を混合して、下記(a)成分を含む混合物を得る工程であって、
(M)/(T)の質量比が20/100以上160/100以下、(D)/(T)の質量比が50/100以上280/100以下となるように、(a−1)と(a−2)を混合する工程
工程2:工程1で得られた(a)成分、下記(b)成分、下記(c)成分、及び水を混合して、(a)成分を0.5質量%以上25質量%以下、(b)成分を1質量%以上3質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上10質量%以下含有する液体柔軟剤組成物を得る工程であって、
(a)成分と(c)成分の質量比(a)/(c)が70/30以上99/1以下となるように(a)成分と(c)成分を混合する工程
(a)成分:(M)下記一般式(I)で示される化合物、(D)下記一般式(II)で示される化合物、及び(T)下記一般式(III)で示される化合物
Figure 2017066569
〔式中、Rは炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数である。R3は炭素数1以上3以下の炭化水素基を示す。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Xは陰イオン基を示す。〕
(b)成分:3級アミン化合物
(c)成分:非イオン界面活性剤
本発明によれば、生物分解性に優れた柔軟基剤を用いた液体柔軟剤組成物に関し、柔軟性能を従来以上に高めることができ、低粘度及び分散安定性に優れる液体柔軟剤組成物及びその製造方法を提供することができる。
<(a)成分>
本発明の液体柔軟剤組成物は、(a)成分として、(M)前記一般式(I)で示される化合物、(D)前記一般式(II)で示される化合物、及び(T)前記一般式(III)で示される化合物を、所定の質量比で含有する。(M)は、炭素数2又は3のアルキレンオキシドがヒドロキシアルキル基1モルに対して1.5モル以下の割合で付加してもよい、ヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン(以下、トリ(AO)アルカノールアミンともいう)、好ましくはヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンのモノ脂肪酸エステル体の4級化物である。(D)は、前記トリ(AO)アルカノールアミン、好ましくはヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンのジ脂肪酸エステル体の4級化物である。(T)は、前記トリ(AO)アルカノールアミン、好ましくはヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンのトリ脂肪酸エステル体の4級化物である。
本発明でいう、炭素数2又は3のアルキレンオキシドをヒドロキシ基1モルに対して1.5モル以下、好ましくは1.2モル以下、より好ましくは1.0以下の割合で付加してもよい、ヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン、すなわちトリ(AO)アルカノールアミンは、好ましくはヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンである。以下、同様とする。
一般式(I)、(II)及び(III)において、Rは、それぞれ独立に、炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基であり、経済性の観点から、好ましくは炭素数13以上、より好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下、より好ましくは17以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基である。
一般式(I)、(II)及び(III)において、それぞれ独立に、RはHO−(C2pO)−C2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数であり、安定性の観点から、好ましくはpが3の数、qが2の数、及びrが0以上1.2以下の数であるか、或いはqが3の数及びrが0の数であり、経済性の観点から、好ましくはqが2の数、rが0の数である。R3は炭素数1以上3以下の炭化水素基であり、生成物の匂い及び4級化の容易性の観点からメチル基又はエチル基、より好ましくはメチル基である。
一般式(I)、(II)及び(III)において、それぞれ独立に、Xは陰イオン基であり、陰イオンは、3級アミンを4級アンモニウム塩化する際に用いるアルキル化剤に依るものであり、特に制限されるものではないが、Cl、Br、I、CHSO 、などのアニオンが挙げられ、匂いの観点から、好ましくはCl、CHSO であり、より好ましくはCHSO である。アルキル化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチルなどのハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジ−n−プロピル硫酸などのアルキル硫酸などの一般的なアルキル化剤が挙げられ、経済性の観点から、好ましくはジメチル硫酸、ジエチル硫酸であり、より好ましくはジメチル硫酸である。
一般式(I)、(II)及び(III)において、上記規定で示される化合物のうち、さらにより好ましい化合物は、Rが、炭素数13以上17以下の直鎖アルキル基又は直鎖アルキレン基であり、RがHO−(C2pO)2q−で示される基であって、qが2の数、rが0の数であり、Rがメチル基であり、及びXがCl又はCHSO である、4級アンモニウム塩である。
(a)成分において、(M)/(T)の質量比は、柔軟性能と分散性の両立の観点から、20/100以上、好ましくは25/100以上、より好ましくは30/100以上、そして、同様の観点から、160/100以下、好ましくは140/100以下、より好ましくは120/100以下である。
(a)成分において、(D)/(T)の質量比は、柔軟性能と分散性の両立の観点から、50/100以上、好ましくは80/100以上、より好ましくは95/100以上、そして、同様の観点から、280/100以下、好ましくは250/100以下、より好ましくは200/100以下である。なお前記(D)/(T)の質量比の規定は、(a)成分濃度が高い場合であって、柔軟剤組成物の極低温状況下での凍結状態から回復した際の粘度の増加やゲル化抑制の観点(凍結回復性という場合もある)から好ましい場合がある。
本発明の(a)成分を構成する(M)、(D)及び(T)は、前記トリ(AO)アルカノールアミン、好ましくはヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンと植物もしくは動物油脂由来の脂肪酸とを脱水縮合反応すること(以下、脱水エステル化法と言う場合もある)、あるいは前記トリ(AO)アルカノールアミン、好ましくはヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンと植物もしくは動物油脂由来の脂肪酸の低級アルコールエステルとをエステル交換すること(以下、エステル交換法と言う場合もある)により、エステル化度の異なるアミン化合物を得、それらアミン化合物をジメチル硫酸又は塩化メチルなどのアルキル化剤で4級アンモニウム塩化することで得ることができる。
エステル交換法においては、反応温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、そして、好ましくは150℃以下である。反応は、生成する低級アルコールを除去しながら行うことが好ましい。反応促進のために水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリや、メチラート、エチラートなどのアルコキシ触媒を用いることも可能である。反応の進行はガスクロマトグラフィーなどを用いて脂肪酸低級アルキルエステルの量を直接定量することが好適であり、未反応脂肪酸低級アルキルエステルが仕込みの脂肪酸低級アルキルエステルに対してガスクロマトグラフィーチャート上で15面積%以下、特に10面積%以下で反応を終了させることが好ましい。
脱水エステル化法においては、エステル化反応温度を140℃以上230℃以下で縮合水を除去しながら反応させることが好ましい。反応を促進させる目的から通常のエステル化触媒を用いても差し支えなく、例えば硫酸、燐酸などの無機酸、酸化錫、酸化亜鉛などの無機酸化物、テトラプロポキシチタンなどのアルコラートなどを選択することができる。反応の進行はJIS K 0070;1992に記載の方法で酸価(AV)を測定することで確認を行い、好適にはAVが15mgKOH/g以下、好ましくは10mgKOH/g以下となった時、エステル化反応を終了させる。
次に、このようにして得られたエステル化合物の4級アンモニウム塩化を行うが、4級アンモニウム塩化に用いられるアルキル化剤としては、メチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が好適である。例えばアルキル化剤として、メチルクロリドを用いる場合、溶媒を使用する場合はエタノールやイソプロパノールなどの溶媒を、エステル化合物に対して10質量%以上50質量%以下程度混合した溶液をチタン製のオートクレーブなどの加圧反応器に仕込み、密封下30℃以上120℃以下の反応温度でメチルクロリドを圧入させて反応させる。このときメチルクロリドの一部が分解し塩酸が発生する場合があるため、アルカリ剤を少量加えることで反応が効率よく進むため好適である。メチルクロリドとエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してメチルクロリドを0.95倍当量以上、1.0倍当量以下用いることが好適である。
アルキル化剤としてジメチル硫酸、ジエチル硫酸を用い、且つ溶媒を使用する場合、エタノールやイソプロパノールなどの溶媒をエステル化合物に対して10質量%以上50質量%以下程度混合した溶液を40℃以上100℃以下に加熱混合し、ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を滴下して行われる。ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸とエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を好ましくは0.9倍当量以上1.5倍当量以下、より好ましくは0.95倍当量以上1.0倍当量以下用いる。4級アンモニウム塩化後の4級アンモニウム塩混合物の全アミン価は、1mgKOH/g以上5mgKOH/g以下となる事が好ましい。
(a)成分を調製する際の4級アンモニウム塩化方法は、ジメチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれる1種以上のアルキル化剤を用いる事がより好ましい。
未反応の脂肪酸やその他不純物は、本発明の効果を損なわない範囲及び生成や製法上の経済的な背景を考慮して、本発明の液体柔軟剤組成物中に含有してもよい。
(a)成分は、酸価10mgKOH/g以下であることが好ましい。
背景技術で示したように、(a)成分におけるモノ体、ジ体、及びトリ体の比率を規定した柔軟剤に関する発明は既に数件報告されているが、アルカノールアミンとの反応に用いる脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルの割合でその配合比率は変動する。つまり脂肪酸の割合をアルカノールアミンのヒドロキシ基のモル数に近い比率ないし該モル数よりも多いモル比で反応させる場合、トリ体の比率を増加させることができるが、一方でモノ体の比率は低下する。モノ体を残す事を考える場合、脂肪酸の反応モル比を下げればよいが、その場合はトリエステル体の比率が低下する。従って本発明における特定の(M)、(D)及び(T)の比率を有する(a)成分を得るために、より具体的な方法は、製法の収率や効率を考えると、アルカノールアミンと脂肪酸の反応モル比が異なった製法で製造した2種以上の4級アンモニウム塩の混合物を混合して目的の(a)成分を得ることである。
本発明の(a)成分を得る方法として、前記トリ(AO)アルカノールアミンと脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比1.2以上2.1以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−1)〔以下、4級アンモニウム塩(a−1)という〕、及び前記トリ(AO)アルカノールアミンと脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比2.1超3.0以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−2)〔以下、4級アンモニウム塩(a−2)という〕を混合する方法〔以下、方法1という〕が挙げられる。
方法1では、4級アンモニウム塩(a−1)を得る過程でのエステル化反応における、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比は、分散性の観点から、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、そして、好ましくは1.9以下、より好ましくは1.8以下である。
また、方法1では、4級アンモニウム塩(a−2)を得る過程でのエステル化反応における、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比は、柔軟性能の観点から、好ましくは2.3以上、より好ましくは2.5以上、そして、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.9以下である。
方法1で用いる4級アンモニウム塩(a−1)は、トリ(AO)アルカノールアミンと脂肪酸とのエステル化物にアルキル化剤を反応させて、4級アンモニウム塩化して調製する。アルキル化剤の反応モル比は、トリ(AO)アルカノールアミン1.0モルに対して、好ましくは0.9モル以上、より好ましくは0.95モル以上、そして、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1.0モル以下である。
同様に、方法1で用いる4級アンモニウム塩(a−2)は、トリ(AO)アルカノールアミンと脂肪酸とのエステル化物にアルキル化剤を反応させて、4級アンモニウム塩化して調製する。アルキル化剤の反応モル比は、トリ(AO)アルカノールアミン1.0モルに対して、好ましくは0.9モル以上、より好ましくは0.95モル以上、そして、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1.0モル以下である。
トリ体は4級アンモニウム塩化反応が難しいことから、反応溶媒の条件を変えることや、アルキル化剤の割合を増やすことで本発明の(a)成分の特定比率のものを得ることができる。
本発明では、4級アンモニウム塩(a−1)の調製は、4級アンモニウム塩化反応を、無溶媒条件下で行うことが好ましい。ここでの無溶媒条件下とは、実質的に無溶媒で反応を行うものであり、実質的とは、不純物として微量混入する場合を除外する意味として使用する。
また、本発明では、4級アンモニウム塩(a−2)の調製は、4級アンモニウム塩化反応を、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒はエタノール、イソプロパノール、及びエチレングリコールから選ばれる1種以上が好ましい。
方法1では、4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)を、(a)成分における(M)/(T)の質量比が20/100以上160/100以下、(D)/(T)の質量比が50/100以上280/100以下となるように混合する。4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)の混合は、液体柔軟剤組成物の調製前に行ってもよく、この場合は、他の成分も任意に混合することができる。また、液体柔軟剤組成物を調製する際に、4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)を、それぞれ、他の成分と共に混合することもできる。
方法1では、4級アンモニウム塩(a−1)及び4級アンモニウム塩(a−2)に加えて、更に別の4級アンモニウム塩混合物を配合してもよいが、全4級アンモニウム塩混合物中の4級アンモニウム塩(a−1)及び4級アンモニウム塩(a−2)の合計質量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)は、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比が、それぞれ異なる反応によって得られるものであるから、(M)/(T)の質量比及び(D)/(T)質量比が異なる4級アンモニウム塩の混合物である。
脂肪酸の反応モル比が小さく、エステル化度の低い条件で合成される4級アンモニウム塩(a−1)において、(M)/(T)の質量比は、分散性の観点から、好ましくは200/100以上、より好ましくは210/100以上、更に好ましくは220/100以上、そして、好ましくは270/100以下、より好ましくは260/100以下、更に好ましくは250/100以下である。
また、4級アンモニウム塩(a−1)において、(D)/(T)の質量比は、分散性の観点から、好ましくは375/100以上、より好ましくは385/100以上、更に好ましくは395/100以上、そして好ましくは445/100以下、より好ましくは435/100以下、更に好ましくは425/100以下である。
脂肪酸の反応モル比が大きく、エステル化度の高い条件で合成される4級アンモニウム塩(a−2)において、(M)/(T)の質量比は、柔軟性能の観点から、好ましくは1/100以上、そして、好ましくは40/100以下、より好ましくは30/100以下、更に好ましくは15/100以下である。
また、4級アンモニウム塩(a−2)において、(D)/(T)の質量比は、柔軟性能の観点から、好ましくは3/100以上、より好ましくは5/100以上、更に好ましくは10/100以上、そして、好ましくは60/100以下、より好ましくは50/100以下、更に好ましくは40/100以下である。
本発明の液体柔軟剤組成物中の(a)成分の含有量は、柔軟性能と分散性の観点から、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、そして、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
<(b)成分>
本発明の液体柔軟剤組成物は、(b)成分として、3級アミン化合物を含有する。
(b)成分は、別途調製して配合してもよく、或いは(a)成分の合成の際に4級化しきれなかった3級アミン化合物として、(a)成分とともに組成物に配合してもよい。例えば、方法1では、4級アンモニウム塩(a−1)及び4級アンモニウム塩(a−2)は、(b)成分を含む混合物として得ることができる。4級アンモニウム塩(a−2)のように(T)の比率が増えると4級化が進みにくくなるため、原料アミンが残存し、(b)成分の含有量が増加する傾向にある。4級アンモニウム塩(a−2)の製造にあたっては、4級化反応を溶媒存在下で行うことで、目的の4級化物を製造し易いだけでなく、(T)の比率が高まることによる、反応生成物の粘度の増加を低減できるため、好ましい。
(b)成分は、好ましくは(b−1)下記一般式(IV)で示される化合物、(b−2)下記一般式(V)で示される化合物、(b−3)下記一般式(VI)で示される化合物、及び(b−4)下記一般式(VII)で示される化合物から選ばれる1種以上の3級アミン化合物である。
Figure 2017066569
〔式中、Rは炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数である。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
一般式(IV)、(V)及び(VI)において、Rは、経済性の観点から、それぞれ独立に、炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基であり、好ましくは炭素数13以上、より好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下、より好ましくは17以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基である。
一般式(IV)、(V)及び(VI)において、それぞれ独立に、RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数であり、安定性の観点から、好ましくはpが3の数、qが2の数、及びrが0以上1.2以下の数であるか、或いはqが3の数及びrが0の数であり、経済性の観点から、好ましくはqが2の数、rが0の数である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(b)成分を特定量含有することで、液体柔軟剤組成物の粘度を低減できる。4級アンモニウム塩(a−1)及び4級アンモニウム塩(a−2)を用いる場合、それぞれが(b)成分を含有することが好ましい。更に、4級アンモニウム塩(a−1)及び4級アンモニウム塩(a−2)が、(b)成分を、混合後の組成物中の(b)成分の含有量が本発明で規定する所定範囲となる量で含んでいれば、別途(b)成分を添加する必要が無く、製造上、より好ましい。
製造時の反応時間や反応温度等の経済性を考慮した上で、4級アンモニウム塩(a−2)の合成時に、エタノール、イソプロパノールやエチレングリコール等の有機溶媒の存在下、好ましくはエタノール中でエステル化反応を行ない、その後、有機溶媒の存在下でアルキル化剤を用いて4級化することで効率よくトリ体を多く合成し、且つ(b)成分を得ることができる。
また4級アンモニウム塩(a−1)の合成では、無溶媒下でトリエタノールアミンと脂肪酸とのエステル化反応を行い、その後、無溶媒下でアルキル化剤を用いて4級化することが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物中の(b)成分の含有量は、組成物の粘度制御と柔軟性能の観点から1質量%以上、好ましくは1.1質量%以上、より好ましくは1.3質量%以上、そして、生成物の匂いの観点から、3質量%以下、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.3質量%以下である。
<(c)成分>
本発明の液体柔軟剤組成物は、(c)成分として、非イオン界面活性剤を含有する。
非イオン界面活性剤としては、炭素数8以上20以下の鎖式炭化水素を1つ以上と、ヒドロキシ基、オキシエチレン基が連なったポリエチレンオキシ鎖、又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基が連なったポリアルキレンオキシ鎖などの非イオン性の親水性基とを有する化合物が挙げられる。
(c)成分としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸グリセリンエステルエチレンオキシド付加物、グルコースの平均付加モル数が1以上4以下であるアルキルポリグルコシド、アルキルジエタノールアミンのエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル低級アルキル(炭素数1以上3以下)エーテルなどが挙げられる。
また、(c)成分としては、炭素数が3以上、好ましくは4以上、そして6以下であり、及び水酸基の数が3以上、好ましくは4以上、そして6以下である多価アルコールと炭素数12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、そして22以下、好ましくは20以下の脂肪酸とのエステル化合物が挙げられる。具体的には、前記多価アルコールは、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、キシリトール及びマンニトールから選ばれる1種以上が好ましく、更にはペンタエリスリトール及びソルビタンから選ばれる1種以上がより好ましい。脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リレイン酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸及び硬化牛脂脂肪酸から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、ステアリン酸、硬化パーム油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸から選ばれる1種以上がより好ましい。本発明の(c)成分として、ペンタエリスリトールと炭素数16以上22以下の脂肪酸とのエステル化合物、及びソルビタンと炭素数16以上22以下の脂肪酸とのエステル化合物から選ばれる非イオン界面活性剤が挙げられる。
好ましい(c)成分として、炭素数8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして20以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下の鎖式炭化水素基、好ましくは直鎖アルキル基を有し、エチレンオキシ基の平均付加モル数が10以上、好ましくは20以上、そして100以下、好ましくは50以下の数である非イオン界面活性剤、更に該非イオン界面活性剤において、オキシエチレンの酸素原子に結合した前記鎖式炭化水素基の炭素原子が1級又は2級の炭素原子である非イオン界面活性剤が挙げられる。
より好ましい(c)成分として、下記一般式(VIII)で表される非イオン界面活性剤が挙げられる。
−B−[(R−O)−H] (VIII)
〔式中、Rは炭素数10以上、好ましくは12以上、そして18以下、好ましくは14以下のアルキル基又はアルケニル基である。Rは炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。sは平均付加モル数を示し、10以上、好ましくは20以上、そして100以下、好ましくは50以下の数である。Bは−O−、−CONH−、−N<、又は−CON<であり、好ましくは−O−である。tは、Bが−O−又は−CONH−の場合、tは1の数であり、Bが−N<又は−CON<の場合、tは2の数である。〕
一般式(VIII)で表される非イオン界面活性剤のより具体的な例としては下記一般式(IX)で表される非イオン界面活性剤及び一般式(X)で表される非イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が挙げられる。
−O−(CO)−H (IX)
〔式中、Rは前記の意味を示す。uは平均付加モル数を示し、10以上、好ましくは20以上、そして100以下、好ましくは50以下の数である。〕
−O−[(CO)・(CO)]−H (X)
〔式中、Rは前記の意味を示す。v及びwは平均付加モル数を示し、それぞれ独立に5以上、そして50以下、好ましくは40以下の数である。v+wは10以上、好ましくは20以上、そして100以下、好ましくは50以下の数であり、またw<vである。COとCOは、ランダム結合及びブロック結合のいずれでもよい。〕
(c)成分としては、一般式(IX)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。一般式(IX)中、Rが炭素数12以上14以下の直鎖アルキル基であって、酸素原子と結合するRの炭素原子が第1級炭素原子又は第2級炭素原子であり、uが20以上50以下の数である非イオン界面活性剤(以下、(c1)成分という場合もある)がより好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物中の(c)成分の含有量は、溶液の分散性を良好に保つ観点から、0.05質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、経済的観点から、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
(a)成分と(c)成分の質量比(a)/(c)は、溶液の分散性を良好に保ち、かつ優れた柔軟性能を実現する観点から、70/30以上、好ましくは80/20以上、より好ましくは85/15以上、そして、99/1以下、好ましくは50/1以下、より好ましくは35/1以下である。
また(c)成分が(c1)の場合、(a)成分と(c1)成分の質量比(a)/(c1)は、溶液の分散性を良好に保ち、かつ優れた柔軟性能を実現する観点から、70/30以上、好ましくは80/20以上、より好ましくは85/15以上、そして、99/1以下、好ましくは50/1以下、より好ましくは35/1以下である。
<水>
本発明の液体柔軟剤組成物は、水を含有する。組成物の残部が水である。水は(a)成分や(c)成分の分散体又は溶媒として働く。水は脱イオン水を、次亜塩素酸ナトリウムを添加することにより殺菌したものを用いることがましい。
<その他の成分>
本発明の液体柔軟剤組成物は、下記(d)成分を含有することができる。
また、本発明の液体柔軟剤組成物は、下記(e)成分を含有することができる。
また、本発明の液体柔軟剤組成物は、下記(d)成分及び下記(e)成分から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
(d)成分:水溶性有機溶剤
(e)成分:無機又は有機の電解質
本発明の液体柔軟剤組成物は、分散性を向上させるために、(d)成分として、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。ここで、有機溶剤について水溶性とは、20℃の脱イオン水100gに対して、77g以上溶解することを言う。
(d)成分としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、メタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコールから選ばれる1種以上の水溶性溶剤が挙げられる。この中でも、エタノール及びエチレングリコールから選ばれる1種以上の水溶性溶剤が好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(d)成分の水溶性有機溶剤を、液体柔軟剤組成物の分散性向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、経済的観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは6質量%以下含有する。
(d)成分は、(a)成分の製造工程で(a)成分を含む混合物中に取り込まれることがあり、そのような混合物を用いることにより、組成物中に配合することができる。また(d)成分は前記した凍結回復性にも有効である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、(e)成分として、無機又は有機の電解質を含有することが好ましい。
(e)成分のうち、無機の電解質としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硫酸塩、及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩から選ばれる1種以上の電解質が挙げられる。
(e)成分のうち、有機の電解質としては、炭素数1以上3以下である有機物の電解質が挙げられ、好適な具体例としては、酢酸、乳酸又はグリコール酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。
(e)成分は、無機の電解質が好ましく、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、及び硝酸ナトリウムから選ばれる1種以上の化合物がより好ましく、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上の電解質が更に好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物中の(e)成分の含有量は、組成物の粘度を安定化させ、低く抑える観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、前記(a)成分〜(e)成分、及び水以外にも、柔軟性能を向上させるために、高級アルコール、高級脂肪酸、シリコーン化合物を、保存安定化剤として、ポリオール、さらにはそれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物、更にはpH調整剤、キレート剤、消泡剤、セルロース誘導体、シリコーン化合物、本発明の(a)成分以外の陽イオン界面活性剤、特には下記一般式(XI)、(XII)及び(XIII)で示されるモノ長鎖アルキルカチオン等やArch Chemicals社から商標名Proxel BDN(登録商標)やProxel IB(登録商標)等の防腐剤、保存経過時の溶液の変色抑制剤としてクエン酸、EDTAやMGDA等のキレート剤等を必要に応じて添加することができる。
Figure 2017066569
〔式中、Rは炭素数8以上12以下の炭化水素基であり、Rは炭素数1以上4以下のアルキル基、及び炭素数2以上4以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、Yは陰イオン基である。〕
Figure 2017066569
〔式中、R10及びR14は、それぞれ独立に炭素数5以上19以下の炭化水素基であり、R12は、それぞれ独立に炭素数1以上3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Tは、−COO−、−OCO−、−CONH−、又は−(C)−である。R11は炭素数1以上6以下の炭化水素基又は−(O−R15−である。ここでR15はエチレン基もしくはプロピレン基であり、nは平均付加モル数を示し、1以上、10以下の数である。R13は炭素数1以上3以下の二価の炭化水素基である。zは0又は1の数である。Yは陰イオン基である。〕
また嗜好性の観点から、香料、顔料、染料、紫外線吸収剤、抗菌剤等の機能化剤を添加することもできる。
近年は、製品の使用感を実感させるために、液体柔軟剤組成物に香料を配合することが好ましく、一般に柔軟組成物に使用されている種々の天然あるいは合成香料、例えば、脂肪酸エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪酸オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種以上を混合して使用することができる。例えば、1969年化学工業日報社刊、印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR, N. J.刊STEFFEN ARCTANDER 著“Perfume and Flavor Chemicals”等に記載の香料が使用出来る。
また、他にも香料前駆体として特開2010−209494号公報に示されるようなケイ酸エステル、及びメラミン樹脂やポリアクリル樹脂等のポリマーで構成される殻で香料成分を封じ込めた柔軟剤に使用することが一般的なマイクロカプセル香料等も使用することも出来る。
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は、使用勝手の観点から、30℃で、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、そして、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは70mPa・s未満である。(d)成分や(e)成分、その他の成分により、このような範囲に調整するのが望ましい。組成物の粘度は、B型粘度計を用いて、対象粘度に合ったNo.1〜No.3のローターの何れかを用い、60rpm/minで、測定開始から1分後の指示値である。液体柔軟剤組成物は30±1℃に調温して測定する。条件を満たすローターが複数存在する場合、番号の小さい方のローターを用いた時の数値を採用する。低粘度であることは(a)成分濃度が高い、例えば15質量%を超えるような濃縮タイプの柔軟剤組成物を用いる場合、その使用量は少量になるため、キャップを用いて計量するような場合に有効である。
本発明の液体柔軟剤組成物の30℃でのpHは、保存安定性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは3以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。pHは、JISK 3362;2008の項目8.3にしたがって30℃において測定した値である。pHはクエン酸等の有機酸の他、塩酸等の酸剤及び水酸化ナトリウム等のアルカリ剤及びそれらの水溶液を用いて調整してもよい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、繊維製品用として好適である。繊維製品としては、衣料、タオル、枕カバー、シーツなどが挙げられる。
<液体柔軟剤組成物の製造方法>
本発明は、下記工程1及び工程2を含む、液体柔軟剤組成物の製造方法に関する。
工程1:炭素数2又は3のアルキレンオキシドがヒドロキシアルキル基1モルに対して1.5モル以下の割合で付加してもよい、ヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン(以下、トリ(AO)アルカノールアミンともいう)と脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比1.2以上2.1以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−1)、及び前記トリ(AO)アルカノールアミンと脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比2.1超3.0以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−2)を混合して、下記(a)成分を含む混合物を得る工程であって、
(M)/(T)の質量比が20/100以上160/100以下、及び(D)/(T)の質量比が50/100以上280/100以下となるように、(a−1)と(a−2)を混合する工程
工程2:工程1で得られた(a)成分、下記(b)成分、下記(c)成分、及び水を混合して、(a)成分を0.5質量%以上25質量%以下、(b)成分を1質量%以上3質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上10質量%以下含有する液体柔軟剤組成物を得る工程であって、
(a)成分と(c)成分の質量比(a)/(c)が70/30以上99/1以下となるように(a)成分と(c)成分を混合する工程
(a)成分:(M)下記一般式(I)で示される化合物、(D)下記一般式(II)で示される化合物、及び(T)下記一般式(III)で示される化合物
Figure 2017066569
〔式中、Rは炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数である。R3は炭素数1以上3以下の炭化水素基を示す。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Xは陰イオン基を示す。〕
(b)成分:3級アミン化合物
(c)成分:非イオン界面活性剤
この製造方法には、本発明の液体柔軟剤組成物で述べた事項を、適宜適用することができる。(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の好ましい態様も本発明の液体柔軟剤組成物と同じである。
工程1は、前記した方法1に相当する。すなわち、4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)とを混合して(a)成分を得る工程である。
4級アンモニウム塩(a−1)を得る過程でのエステル化反応における、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比は、分散性の観点から、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上、そして、好ましくは1.9以下、より好ましくは1.8以下である。また、4級アンモニウム塩(a−2)を得る過程でのエステル化反応における、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比は、柔軟性能の観点から、好ましくは2.3以上、より好ましくは2.5以上、そして、好ましくは2.9以下である。
4級アンモニウム塩(a−1)を調製する際の3級アミンから4級アンモニウム塩にするためのアルキル化剤の割合は経済性と生成物の匂いの観点から、トリ(AO)アルカノールアミン1モルに対して、好ましくは0.9モル以上、より好ましくは0.95モル以上、そして、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1.0モル以下である。
4級アンモニウム塩(a−2)を調製する際の3級アミンから4級アンモニウム塩にするためのアルキル化剤の割合は、経済性と生成物の匂いの観点から、トリ(AO)アルカノールアミン1モルに対して、好ましくは0.9モル以上、より好ましくは0.95モル以上、そして、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1.0モル以下である。
工程1では、4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)を、(a)成分における(M)/(T)の質量比が20/100以上160/100以下、及び(D)/(T)の質量比が50/100以上280/100以下となるように混合する。4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)の混合は、液体柔軟剤組成物の調製前に行ってもよく、この場合は、他の成分も任意に混合することができる。また、液体柔軟剤組成物を調製する際に、4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)を、それぞれ、他の成分と共に混合することもできる。この場合、(b)成分である3級アミン化合物も同時に混合される。
工程1では、4級アンモニウム塩(a−1)及び4級アンモニウム塩(a−2)に加えて、更に別の4級アンモニウム塩混合物を配合してもよいが、全4級アンモニウム塩混合物中の4級アンモニウム塩(a−1)及び4級アンモニウム塩(a−2)の合計質量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
4級アンモニウム塩(a−1)と4級アンモニウム塩(a−2)は、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比が、それぞれ異なる反応によって得られるものであるから、(M)/(T)の質量比及び(D)/(T)質量比が異なる4級アンモニウム塩の混合物である。
脂肪酸の反応モル比が小さく、エステル化度の低い条件で合成される4級アンモニウム塩(a−1)において、(M)/(T)の質量比は、分散性の観点から、好ましくは200/100以上、より好ましくは210/100以上、更に好ましくは220/100以上、そして、好ましくは270/100以下、より好ましくは260/100以下、更に好ましくは250/100以下である。
また、4級アンモニウム塩(a−1)において、(D)/(T)の質量比は、分散性の観点から、好ましくは375/100以上、より好ましくは385/100以上、更に好ましくは395/100以上、そして、好ましくは445/100以下、より好ましくは435/100以下、更に好ましくは425/100以下である。
脂肪酸の反応モル比が大きく、エステル化度の高い条件で合成される4級アンモニウム塩(a−2)において、(M)/(T)の質量比は、柔軟性能の観点から、好ましくは1/100以上、そして、好ましくは60/100以下、より好ましくは40/100以下、更に好ましくは30/100以下、より更に好ましくは15/100以下である。
また、4級アンモニウム塩(a−2)において、(D)/(T)の質量比は、柔軟性能の観点から、好ましくは3/100以上、より好ましくは5/100以上、更に好ましくは10/100以上、そして、好ましくは60/100以下、より好ましくは50/100以下、更に好ましくは40/100以下である。
トリ体は4級アンモニウム塩化反応が難しいことから、反応溶媒の条件を変えることや、アルキル化剤の割合を増やすことで本発明の(a)成分の特定比率のものを得ることができる。
本発明では、4級アンモニウム塩(a−1)の調製は、4級アンモニウム塩化反応を、無溶媒条件下で行うことが好ましい。ここでの無溶媒条件下とは、実質的に無溶媒で反応を行うものであり、実質的とは、不純物として微量混入する場合を除外する意味として使用する。
また、本発明では、4級アンモニウム塩(a−2)の調製は、4級アンモニウム塩化反応を、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒はエタノール、イソプロパノール、及びエチレングリコールから選ばれる1種以上が好ましい。
工程2は、工程1で得られた(a)成分、下記(b)成分、(c)成分、及び水を混合して、(a)成分を0.5質量%以上25質量%以下、(b)成分を1質量%以上3質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上10質量%以下含有する、液体柔軟剤組成物を得る工程であって、(a)成分と(c)成分の質量比(a)/(c)が70/30以上99/1以下となるように(a)成分と(c)成分を混合する工程である。本発明の製造方法は、本発明の液体柔軟剤組成物を製造する方法として好適である。
実施例1〜5及び比較例1〜7で用いた各成分を以下にまとめて示す。
<(a)成分>
(a)成分は、下記の方法で合成した4級アンモニウム塩混合物を表1のように用いて組成物中に配合した。なお、表1中の(a)成分の欄には、各4級アンモニウム塩混合物中のモノ体(M)、ジ体(D)、及びトリ体(T)の合計量の質量%を示した。
4級アンモニウム塩混合物の組成は、H−NMRスペクトルにより、各々のカチオンの窒素原子上のメチル基の積分値から求めた相対比とカチオン界面活性剤の分子量を用いp−ジニトロベンゼンを内部標準物質とした内部標準法より算出した。また、NMR測定は重クロロホルム/重アセトン=6/4(質量比)で調製した溶液中で測定を行った。
〔4級アンモニウム塩混合物(a−1−1)の合成〕
植物を原料としたヨウ素価35gI/100g、酸価207mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンとを用い、これらを反応モル比1.65/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で定法に従い脱水縮合反応を行い、エステル化合物を得た。次に、溶媒の不存在下で、この縮合物に対してジメチル硫酸をアミノ基1当量に対し0.98当量用い、定法に従って4級アンモニウム塩化を行った後、エタノールで希釈することによって、モノ体(M)、ジ体(D)、及びトリ体(T)と、エタノール12質量%とを含有する4級アンモニウム塩混合物(a−1−1)を得た。
得られた4級アンモニウム塩混合物(a−1−1)は、(M)、(D)、及び(T)の質量比が、(M)/(T)=233/100、(D)/(T)=410/100であった。NMR測定から算出した4級アンモニウム塩混合物(a−1−1)中の(M)、(D)、及び(T)の合計量は73.4質量%であった。また、4級アンモニウム塩混合物(a−1−1)は、酸価、アミン価、NMR測定から、その他の成分として、未反応の3級アミン、脂肪酸を含有するものであった。
〔4級アンモニウム塩混合物(a−2−1)の合成〕
植物を原料としたヨウ素価35gI/100g、酸価207mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンとを用い、これらを反応モル比3/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で定法に従い脱水縮合反応を行い、エステル化合物を得た。次に、エタノール溶媒の存在下で、この縮合物に対してジメチル硫酸をアミノ基1当量に対し0.98当量用い、定法に従って4級アンモニウム塩化を行った後、エタノールで希釈することによって、モノ体(M)、ジ体(D)、及びトリ体(T)と、エタノールを12質量%とを含有する4級アンモニウム塩混合物(a−2−1)を得た。
得られた4級アンモニウム塩混合物(a−2−1)は、(M)、(D)、及び(T)の質量比が、(M)/(T)=2/100、(D)/(T)=26/100であった。NMR測定から算出した4級アンモニウム塩混合物(a−2−1)中の(M)、(D)、及び(T)の合計量は68.0質量%であった。また、4級アンモニウム塩混合物(a−2−1)は、酸価、アミン価、NMR測定からその他の成分として、未反応の3級アミン、脂肪酸を含有するものであった。
〔4級アンモニウム塩混合物(a−2−2)の合成〕
植物を原料としたヨウ素価35gI/100g、酸価207mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンとを用い、これらを反応モル比3/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で定法に従い脱水縮合反応を行い、エステル化合物を得た。次に、この縮合物に対してジメチル硫酸をアミノ基1当量に対し0.98当量用い定法に従って4級アンモニウム塩化を行った後、エタノールで希釈することによって、モノ体(M)、ジ体(D)、及びトリ体(T)と、エタノールを12質量%とを含有する4級アンモニウム塩混合物(a−2−2)を得た。
得られた4級アンモニウム塩混合物(a−2−2)は、(M)、(D)、及び(T)の質量比が、(M)/(T)=5/100、(D)/(T)=24/100であった。NMR測定から算出した4級アンモニウム塩混合物(a−2−2)中の(M)、(D)、及び(T)の合計量は73.0質量%であった。また、4級アンモニウム塩混合物(a−2−2)は、酸価、アミン価、NMR測定からその他の成分として、未反応の3級アミン、脂肪酸を含有するものであった。
〔4級アンモニウム塩混合物(a−2−3)の合成〕
植物を原料としたヨウ素価35gI/100g、酸価207mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンを用い、これらを反応モル比2.5/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で定法に従い脱水縮合反応を行い、エステル化合物を得た。次に、エタノール溶媒の存在下で、この縮合物に対してジメチル硫酸をアミノ基1当量に対し0.98当量用い、定法に従って4級アンモニウム塩化を行った後、エタノールで希釈することによって、モノ体(M)、ジ体(D)、及びトリ体(T)と、エタノール12質量%とを含有する4級アンモニウム塩混合物(a−2−3)を得た。
得られた4級アンモニウム塩混合物(a−2−3)は、(M)、(D)、及び(T)の質量比が、(M)/(T)=10/100、(D)/(T)=96/100であった。NMR測定から算出した4級アンモニウム塩混合物(a−2−3)中の(M)、(D)、及び(T)の合計量は66.5質量%であった。また、4級アンモニウム塩混合物(a−2−3)は、酸価、アミン価、NMR測定からその他の成分として、未反応の3級アミン、脂肪酸を含有するものであった。
<(b)成分>
(b−1):実施例及び比較例の(b)成分は、各(a−1−1)〜(a―2−3)の合成の際に4級化しきれなかった未反応の3級アミンに由来するものであり、前記一般式(IV)で示される化合物、前記一般式(V)で示される化合物、前記一般式(VI)で示される化合物、及び前記一般式(VII)で示される化合物の混合物であり、表1では、それを便宜的に(b−1)として示した。各一般式中、Rは脂肪酸由来のアルキル基又はアルケニル基であり、Rはヒドロキシエチル基であり、rは0の数であり、qは2の数である。
なお各(a)成分合成時に含まれる(b)成分の3級アミン混合物濃度は、以下の通りである。
4級アンモニウム塩混合物(a−1−1)合成時の3級アミン混合物濃度
:4.1質量%
4級アンモニウム塩混合物(a−2−1)合成時の3級アミン混合物濃度
:22.9質量%
4級アンモニウム塩混合物(a−2−2)合成時の3級アミン混合物濃度
:9.2質量%
4級アンモニウム塩混合物(a−2−3)合成時の3級アミン混合物濃度
:14.5質量%
<(c)成分>
(c−1):ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン140(花王(株)製)、平均エチレンオキシド付加モル数が40の化合物)
<(d)成分>
(d−1):エチレングリコール
(d−2):エタノール((a)成分調製時の溶媒に由来する)
<(e)成分>
(e−1):塩化カルシウム
<その他の成分>
香料:エチレンブラシレート、シクロペンタデカノイド、5−シクロヘキセデセノン−1−オン、エチレンドデカンジオエート、クマリン、バニリン、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、アンブロキサン、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、リモネン、ジヒドロミルセノール、1,8−シネオール、サリチル酸cis−3−ヘキセニルを含む。
実施例1〜5及び比較例1〜7
下記方法により表1に示す組成の液体柔軟剤組成物を調製し、以下の方法により柔軟性、粘度及び分散性を評価した。結果を表1に示す。
<液体柔軟剤組成物の調製>
本発明の液体柔軟剤組成物は、以下のようにして調製した。
上記方法により得られた4級アンモニウム塩混合物を任意量混合し得られた混合物と所定量の(c)成分の混合物を60℃で融解し組成物1〔(a)成分、(b)成分に相当する化合物を含む〕を得た。300mLのガラス製ビーカー(内径7cm、高さ11cm)に、液体柔軟剤組成物の出来上がり質量200gとなるのに必要な量相当する量の脱イオン水(60℃)及び所定量の(d)成分を入れた後、60℃で溶融した組成物1を投入した。次いで、スリーワンモーター(新東科学(株)製、TYPE HEIDON 1200G)に装着した攪拌羽根(タービン型攪拌羽根、3枚翼、翼長2cm)をガラス製ビーカー底面から1cmの高さに設置し、回転数300rpm/minで5分間攪拌混合した。次いで、回転数300rpm/minで攪拌混合しながら氷水を入れたウォーターバス中で内容物温度が30℃になるまで冷却し、これに所定量の(e)成分及び香料を添加し、その後3分間撹拌した。各成分の濃度が表1記載の値となるのに必要な量の脱イオン水を添加し、25℃、回転数200r/minにて3分間攪拌し、液体柔軟剤組成物を得た。
<柔軟性の評価>
洗浄用界面活性剤としてラウリルアルコールエチレンオキサイド8モル付加物の10質量%水分散液を用い、全自動洗濯機で市販の木綿タオルを2回繰り返し洗濯後、充分に濯いで、これを試験布とした。次に、25℃の水道水4.5Lに対して、調製した液体柔軟剤組成物を濃度が33ppmとなるように加え、均一な液体柔軟剤分散液を調製した。この分散液中に浴比30になるように各試験布を加え、5分間攪拌後、1分脱水した。処理した布は23℃、40%RHの条件で乾燥させた後に、標準試験室(20℃、65%RH)にて柔軟性の評価を行った。
柔軟性の評価は、10人の熟練試験者が対照布を基準として一対比較を行い、次の基準で評価し、10人の評価の平均値を評価値とした。対照布には比較例1で柔軟仕上げ処理した布を用い、次の基準で評価して10人の評価の平均値を小数点2桁で四捨五入し評価値とした。
+2:対照布より柔らかい
+1:対照布よりやや柔らかい
0:対照布と同等
-1:対照布よりややかたい
-2:対照布よりかたい
<粘度の評価>
各液体柔軟剤組成物の粘度を次の基準で評価した。
各液体柔軟剤組成物の粘度は、B型粘度計を用いて、測定対象の粘度に合ったNo.1〜No.3のローターの何れかを使用し、60rpm/minで測定した。測定開始から1分後の指示値を測定値とした。また各液体柔軟剤組成物は30±1℃に調温して測定した。条件を満たすローターが複数存在する場合は、番号の小さい方のローターを用いた時の数値を採用する。
<分散性評価>
各液体柔軟剤組成物の配合直後の外観を目視観察し、次の基準で評価した。
○:均一分散している
×:分離もしくはゲル化している
Figure 2017066569
表1中、ゲル化とは、液体柔軟剤組成物がゲル状になった状態であることを意味し、粘度の測定を行わなかった。
またゲル化分離とは、液体柔軟剤組成物がゲル状であり、かつ液体が分離した状態であることを意味し、粘度の測定を行わなかった。
また分離500以上とは、液体柔軟剤組成物が液体分離した状態であることを意味し、粘度が500mPa・s以上であったことを意味する。

Claims (8)

  1. 下記(a)成分を0.5質量%以上25質量%以下、(b)成分を1質量%以上3質量%以下、(C)成分を0.05質量%以上10質量%以下、及び水を含有する液体柔軟剤組成物であり、
    (a)成分において、(M)/(T)の質量比が20/100以上160/100以下、(D)/(T)の質量比が50/100以上280/100以下であり、
    (a)成分と(c)成分の質量比(a)/(c)が70/30以上99/1以下である、
    液体柔軟剤組成物。
    (a)成分:(M)下記一般式(I)で示される化合物、(D)下記一般式(II)で示される化合物、及び(T)下記一般式(III)で示される化合物
    Figure 2017066569

    〔式中、Rは炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数である。R3は炭素数1以上3以下の炭化水素基を示す。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Xは陰イオン基を示す。〕
    (b)成分:3級アミン化合物
    (c)成分:非イオン界面活性剤
  2. (b)成分が(b−1)下記一般式(IV)で示される化合物、(b−2)下記一般式(V)で示される化合物、(b−3)下記一般式(VI)で示される化合物、及び(b−4)下記一般式(VII)で示される化合物から選ばれる1種以上の3級アミン化合物である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
    Figure 2017066569

    〔式中、Rは炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数である。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
  3. 更に(d)成分として水溶性有機溶剤を含有する請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
  4. 更に(e)成分として無機又は有機の電解質を含有する請求項1〜3の何れかに記載の液体柔軟剤組成物。
  5. 下記工程1及び工程2を含む、液体柔軟剤組成物の製造方法。
    工程1:炭素数2又は3のアルキレンオキシドがヒドロキシアルキル基1モルに対して1.5モル以下の割合で付加してもよい、ヒドロキシアルキル基の炭素数が2又は3のトリアルカノールアミン(以下、トリ(AO)アルカノールアミンという)と脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比1.2以上2.1以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−1)、及び前記トリ(AO)アルカノールアミンと脂肪酸とを、トリ(AO)アルカノールアミンに対する脂肪酸の反応モル比2.1超3.0以下でエステル化反応させ、反応物を4級アンモニウム塩化することによって得られたトリ(AO)アルカノールアミン脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩(a−2)を混合して、下記(a)成分を含む混合物を得る工程であって、
    (M)/(T)の質量比が20/100以上160/100以下、(D)/(T)の質量比が50/100以上280/100以下となるように、(a−1)と(a−2)を混合する工程
    工程2:工程1で得られた(a)成分、下記(b)成分、下記(c)成分、及び水を混合して、(a)成分を0.5質量%以上25質量%以下、(b)成分を1質量%以上3質量%以下、(c)成分を0.05質量%以上10質量%以下含有する液体柔軟剤組成物を得る工程であって、
    (a)成分と(c)成分の質量比(a)/(c)が70/30以上99/1以下となるように(a)成分と(c)成分を混合する工程
    (a)成分:(M)下記一般式(I)で示される化合物、(D)下記一般式(II)で示される化合物、及び(T)下記一般式(III)で示される化合物
    Figure 2017066569

    〔式中、Rは炭素数11以上23以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示す。RはHO−(C2pO)2q−で示される基を示す。p及びqは2又は3の数であり、rは0以上1.5以下の数である。R3は炭素数1以上3以下の炭化水素基を示す。同一分子内にR、R、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Xは陰イオン基を示す。〕
    (b)成分:3級アミン化合物
    (c)成分:非イオン界面活性剤
  6. 工程1において、(a−1)の4級アンモニウム塩化反応を無溶媒下で行い、(a−2)の4級アンモニウム塩化反応を溶媒存在下で行う、請求項5に記載の液体柔軟剤組成物の製造方法。
  7. (a−2)の4級アンモニウム塩化反応で用いる溶媒が、エタノール、イソプロパノール又はエチレングリコールである、請求項6記載の液体柔軟剤組成物の製造方法。
  8. (a−1)が(M)、(D)及び(T)を含み、(a−1)において、(M)/(T)の質量比が200/100以上270/100以下、(D)/(T)の質量比が375/100以上445/100以下であり、(a−2)が(M)、(D)及び(T)を含み、(a−2)において、(M)/(T)の質量比が1/100以上60/100以下、(D)/(T)の質量比が3/100以上60/100以下である、請求項5〜7の何れかに記載の液体柔軟剤組成物の製造方法。
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