JPH10259574A - 柔軟仕上げ剤 - Google Patents

柔軟仕上げ剤

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JPH10259574A
JPH10259574A JP8453197A JP8453197A JPH10259574A JP H10259574 A JPH10259574 A JP H10259574A JP 8453197 A JP8453197 A JP 8453197A JP 8453197 A JP8453197 A JP 8453197A JP H10259574 A JPH10259574 A JP H10259574A
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alkyl
compound
carbon atoms
group
acid
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JP8453197A
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Hiroshi Imada
浩 今田
Hiroto Imai
博人 今井
Masami Fujiwara
正美 藤原
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種繊維製品に対して優れた柔軟性を付与
し、特に綿、麻などの親水性繊維製品の吸水性を損なわ
ず、しかも長期保存後にも黄変等美観を損ねることがな
い柔軟仕上げ剤を提供する。 【解決手段】 下記の一般式[1]等で示されるアミン
化合物の無機或いは有機酸中和物もしくは4級塩を含有
することを特徴とする柔軟仕上げ剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の繊維に対し
て優れた柔軟性を付与しうる新規な柔軟仕上げ剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】衣類などの繊維製品は、それの着用や洗
濯などを繰り返すことによって、逐次硬くなるなどの好
ましからざる風合いとなり、これを改善するために多く
の家庭では洗濯の濯ぎサイクル中に柔軟仕上げ剤で処理
することが行われている。現在、家庭用柔軟仕上げ剤と
して市販されているものの多くはカチオン界面活性剤を
主成分とするものであり、典型的にはジ硬化牛脂アルキ
ルジメチルアンモニウム塩を主成分とする水性液体製品
である。
【0003】しかし、このようなカチオン界面活性剤と
して疎水基が飽和炭化水素である界面活性剤を主成分と
する柔軟仕上げ剤は、特に綿、麻などの親水性繊維製品
を処理した場合に、確かに優れた繊維の柔らかさ、ふっ
くら感などの感触を与えるものの、同時にこれら親水性
繊維製品の吸水性を阻害し、例えば下着などの汗の吸水
性、布おむつの尿の吸収性が悪くなるなどの欠点を有し
ていた。
【0004】もっとも、こうした欠点を克服するため
に、主成分であるカチオン界面活性剤の疎水基が不飽和
炭化水素である界面活性剤、具体的にはジオレイルジメ
チルアンモニウム塩を主成分とする柔軟仕上げ剤が開発
された。この柔軟仕上げ剤で親水性繊維製品を処理した
場合には、疎水基が飽和炭化水素である界面活性剤を主
成分とする柔軟仕上げ剤を用いたほどではないが、かな
りの柔軟付与効果が認められ、吸水性もほとんど損なわ
れない。
【0005】しかしながら、このような疎水基が不飽和
炭化水素であるカチオン界面活性剤は、その分子中に外
界に存在する活性な反応種や光、熱などに不安定な不飽
和二重結合を含むために、柔軟処理後の繊維製品を長期
間保存すると繊維製品が黄変するなどの欠点を有してい
た。
【0006】そこで、対黄変性に優れ、しかも柔軟性、
吸水性にも優れた柔軟仕上げ剤として 特開平4−91
281号、特開平4−289276号、特開平6−18
4946号などにポリオルガノシロキサンを主成分とす
る繊維処理組成物が記載されているが、洗濯後の濯ぎサ
イクル中に行われるような低濃度処理には適さず、その
柔軟性はジオレイルジメチルアンモニウム塩に比べてか
なり劣っているのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種繊維製
品に対して優れた柔軟性を付与しうる上に、特に綿、麻
などの親水性繊維製品の柔軟仕上げ処理を行った場合
に、従来の柔軟仕上げ剤では達成し得なかった繊維の吸
水性を損なうことなく且つ長期保存後にも繊維製品の黄
変など美観を損ねる不都合な現象を起こさない繊維製品
柔軟仕上げ剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定のアミン化合
物の無機酸もしくは有機酸の中和物又は4級塩が、驚く
べきことにジ飽和アルキル型にアンモニウム塩に匹敵す
る柔軟付与効果を示し、且つ現在のところ未だ理由は不
明であるが、ジ不飽和アルキル型アンモニウム塩に近い
吸水性も有し、さらに仕上げ処理後の長期保存後にも繊
維製品の黄変など美観を損ねる不都合な現象を起こさな
いことを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて
完成するに至った。
【0009】すなわち本発明によれば、下記の一般式
[1]、[2]、[3]で示されるアミン化合物の一種
以上の無機酸もしくは有機酸の中和物又は4級塩を必須
成分として含有することを特徴とする柔軟仕上げ剤が提
供される。
【化1】 (式中、R1は同一でも異なっていても良い炭素数1〜
4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R2
は炭素数3〜22の分岐又は直鎖のアルキル基を示しエ
ステル結合又はエーテル結合で中断されていても良い。
n、mは0以上の整数であって、n+m=11〜25で
あり、pは2〜10の整数である。Yは−O−又は−N
3−を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
ル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)
【化2】
【化3】 (式中、R1は同一でも異なっていても良い炭素数1〜
4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R4
は炭素数6〜36の分岐又は直鎖のアルキル基を示しエ
ーテル結合で中断されていても良い。r、sは0以上の
整数であって、r+s=10〜24であり、pは2〜1
0の整数である。Yは−O−又は−NR3−を示し、R3
は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキ
シアルキル基を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の柔軟仕上げ剤につ
いて詳細に説明する。本発明の柔軟仕上げ剤の必須成分
である前記一般式[1]、[2]、[3]で示されるア
ミン化合物において、該式中、R1は同一であっても異
なっていても良い炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロ
キシル基である。具体的にはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチ
ル基、t−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げ
られる。
【0011】また、R2は炭素数3〜22の分岐又は直
鎖アルキル基であり、エステル結合又はエーテル結合で
中断されていても良い。具体的には、ヘキシル基、ドデ
シル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0012】また、R3は水素又は炭素数1〜4のアル
キル基又はヒドロキシアルキル基である。R3が炭素数
1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である場
合の具体例としては、前記R1と同様の基が挙げられ
る。
【0013】更に、R4は炭素数6〜36の分岐又は直
鎖のアルキル基を示しエーテル結合で中断されていても
良い。具体的にはヘキシル基、ドデシル基、オクタデシ
ル基、2−ヘキサデシル−エイコシル基等が挙げられ
る。n、mは0以上の整数であって、n+m=11〜2
5であるが、好ましくは13〜19、更に好ましくは1
5であり、最も好ましくはn+m=15のときn、mが
各々7又は8の値を採るときである。r、sは0以上の
整数であって、r+s=10〜24であるが、好ましく
は12〜18、更に好ましくは14であり、最も好まし
くはr+s=14のときr、sが共に7の値を採るとき
である。
【0014】本発明に係わる中和物を形成する中和酸
は、無機酸や有機酸、例えば塩酸、硫酸、クエン酸、シ
ュウ酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、マロン酸等が挙げら
れる。また、4級塩を形成する4級化剤は低級アルキル
ハライド、低級ジアルキル硫酸、例えば塩化メチル、臭
化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、
塩化ブチル、モノクロロ酢酸低級アルキルエステル、ジ
メチル硫酸、ジエチル硫酸等が挙げられる。
【0015】本発明の柔軟仕上げ剤の必須成分である前
記一般式[1]、[2]、[3]で示されるアミン化合
物は、具体的には例えば以下の合成法で得られる。但
し、本発明化合物の製造法はこれらに限定されるもので
はない。化合物[1]の合成 A.J.Stirton et.al.,Ind. Eng. Chem.,31, 8
56(1939)、A.J.Stirton et.al.,J.A.O.
C.S.,365(1948)などに記載の方法に準ずる
製造方法によって合成することができる。即ち、下記反
応式で示されるように、先ず塩化アルミニウムを触媒に
用いて下記化合物[4]と[5]を80℃で反応させて
(Friedel and Crafts reaction)、化合物[6]を得
る。
【表1】 (式中、R2は前記と同じ、t、uは0以上の整数であ
って、t+u=10〜24)
【0016】次に、下記反応式で示されるように、化合
物[6]に直接、又は塩化チオニル等で酸クロリドに変
換した後、若しくはジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)等で活性エステルに変換した後、化合物
[7]を反応させてエステル化又はアミド化することに
より前記一般式化合物[1]で示されるアミン化合物を
得ることが出来る。
【表2】 (式中、R1、R2、n、m、pは前記と同じ)
【0017】また、フェノール[8]と化合物[5]及
び化合物[7]で前記と同様に反応を行って化合物
[9]を得た後、化合物[10]でフェノールの水酸基
に通常の手法でエステル化することによっても、芳香族
環のアルキル鎖にエステル基を有する一般式[1’]で
示されるアミン化合物を得ることが出来る。
【表3】 (式中、R5は炭素数3〜21の分岐又は直鎖のアルキ
ル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。R1、n、m、
p、t、uは前記と同じ)
【0018】化合物[2]及び[3]の合成 Org. React., ,378(1953)記載の方法に
準ずる製造方法によって合成することができる。例えば
下記反応式で示されるように、、先ずメタクロロ過安息
香酸のような有機過酸を用いて、下記化合物[11]の
二重結合を酸化してエポキシ化合物[12]を得る。次
に、四塩化錫を触媒に用いて化合物[12]と化合物
[13]とでエポキシ開環エーテル化反応を行い、化合
物[14]及び化合物[15]の混合物を得る。次に、
化合物[14]及び化合物[15]を化合物[7]と反
応させて、通常の条件でエステル化反応又はアミド化反
応することで化合物[2]及び[3]の混合物を得るこ
とが出来る。
【0019】
【表4】 (式中、R6は炭素原子又は炭素数1〜5のアルキル基
を示す。R1、R4、Y、r、s、pは前記と同じ)
【0020】以下に化合物[1]の具体例を表5に示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【表5】
【0021】以下に化合物[2]及び化合物[3]の具
体例を表6に示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【表6】
【0022】本発明の柔軟仕上げ剤は、上記のようにし
て得られる化合物または反応混合物を100%でも使用
できるが、好ましくは70重量%以下、より好ましくは
3〜50重量%の範囲で含有することが望ましく、また
その形態については特に制限はなく、例えば液状、ペー
スト状、ゲル状などの任意の形態をとることが出来る。
【0023】本発明の柔軟仕上げ剤には、本発明の目的
が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の添加成分、
例えば他の柔軟化剤、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、プロピレングリコール、その他の多価アル
コールなどの溶剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ス
テアリン酸もしくはステアリン酸メチルエステルなどの
高級脂肪酸もしくは高級脂肪酸低級アルキルエステルと
グリセリン又はソルビトールとの部分エステル化物など
の非イオン界面活性剤、食塩、塩化アンモニウムなどの
水溶性塩、香料、香料キャリヤー、蛍光剤、着色剤、消
泡剤、再付着防止剤、蛍光増白剤、殺菌剤、防縮剤、直
鎖状または分岐状シリコーンオイル、殺カビ剤、酸化防
止剤、保存剤、漂白剤、漂白剤前駆物質、静電防止剤、
アイロン助剤などを配合することが出来る。
【0024】本発明組成物の調製方法については特に制
限はなく、種々の方法を用いることが出来る。例えば、
最終反応物であるアミン化合物の無機酸中和物もしくは
有機酸中和物又は4級塩の所定量を、場合により適当な
溶剤と共に混合して均質混合物を調製した後、この混合
物に撹拌しながら所定量の温水を加えて分散液を調製す
ることが出来る。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。
【0026】合成例 下記表7に合成例1〜4で得られた前記一般式[1]で
示されるアミン化合物を具体的に示す。
【表7】
【0027】化合物1の合成 空冷管と撹拌子を備えた100mlのナス型フラスコに
エライジン酸7g(純度90%:24.6mmol)とヘキ
シルベンゼン20g(123mmol)を仕込み、マグネチ
ックスターラーで撹拌しながら室温で塩化アルミニウム
3.6g(27mmol)をゆっくり添加した。添加終了
後、室温で撹拌して塩化アルミニウムが完全に溶解した
のを確認してから、80℃に昇温して3時間反応させ
た。放冷して室温に戻した後、希塩酸水溶液を加えて酸
クロリドを加水分解して脂肪酸に戻した。この反応物を
クロロホルムで抽出して有機層を分液した後、減圧下で
溶媒を留去した。この残渣をクーゲルロールで減圧蒸留
してエライジン酸の二重結合にヘキシルベンゼンが付加
した脂肪酸を10.6g得た(180℃/0.1mmHg)。
次に、この脂肪酸4.3g(9.67mmol)と3−アミノ
プロピルジメチルアミン1.97g(19.3mmol)を副
生水留去装置と還流管、撹拌子を備えた100mlの三
口フラスコに仕込み、180℃で徐々に減圧にして(最
終的に30mmHgまで減圧にした)副生する水を留去しな
がら5時間反応させた。この後、過剰の3−アミノプロ
ピルジメチルアミンを除くために、1mmHgの減圧下で2
時間熟成して、この反応物のアミドアミン化合物を5.
1g得た。このアミン価は102.3mgKOH/g(理論
値:106.1mgKOH/g)であった。このアミドアミン
化合物4gをイソプロパノールに溶解してアミン価と当
量の塩酸で中和した後、溶媒を完全に留去して塩酸塩
4.2gを得た。この化合物1のNMRの特性を表8−
1に示す。
【0028】化合物2の合成 化合物1の合成で得たアミドアミン化合物2g(アミン
価:102.3mgKOH/g)とイソプロパノール2mlを
撹拌子を備えた100mlのナス型フラスコに仕込み、
マグネチックスターラーで撹拌しながら60℃でジメチ
ル硫酸0.45g(3.57mmol)を滴下した。滴下終了
後4時間撹拌して反応を完全なものにした。次に、減圧
下で溶媒を完全に留去して四級塩2.45gを得た(未
反応アミン価:2mgKOH/g)。この化合物2のNMRの特
性を表8−2に示す。
【0029】化合物3の合成 化合物1の合成法に準じて、エライジン酸の二重結合に
ヘキシルベンゼンが付加した脂肪酸を得た。次に、この
脂肪酸4.0g(9.0mmol)とN,N−ジメチルモノエ
タノールアミンアミン0.86g(10mmol)とを、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いて常法
に従ってエステル化した。この反応物をシリカゲルクロ
マトグラフィー(CHCl3/イソプロパノール=4/
1)で精製してエステルアミン化合物3.52gを得
た。このエステルアミン化合物3gをイソプロパノール
に溶解してアミン価(108.7mgKOH/g)と当量の塩
酸で中和した後、溶媒を完全に留去して化合物1の塩酸
塩3.2gを得た。この化合物3のNMRの特性を表8
−3に示す。
【0030】化合物4の合成 ヘキシルベンゼンをドデシルベンゼンに、エライジン酸
をオレイン酸(純度85%)に変えた以外は、化合物1
の合成法に準じて合成した。尚、オレイン酸の二重結合
にドデシルベンゼンが付加した脂肪酸の精製は、沸点が
高いため蒸留で取り出すことが出来ず、180℃/0.
1mmHgで低沸点分を除去するに留めた。この化合物4の
NMRの特性を表8−4に示す。
【0031】
【表8−1】
【0032】
【表8−2】
【0033】
【表8−3】
【0034】
【表8−4】
【0035】下記表9に合成例5〜6で得られた前記一
般式[2]又は[3]で示されるアミン化合物を具体的
に示す。
【表9】
【0036】化合物5の合成 窒素導入管、滴下ロート、撹拌子を備えた1000ml
の3口フラスコに窒素雰囲気下でメタクロロ過安息香酸
31.5g(0.101mol)、ジクロロメタン300m
l仕込み、これに水冷下でオレイン酸エチル25g
(0.101mol)のジクロロメタン250ml溶液を1
時間で滴下した。滴下終了後室温で2時間撹拌した。次
に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応停止し
て、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水層が中性に
なるまで水洗した後分液して、溶媒を減圧下で留去し
た。この残渣を減圧蒸留してオレイン酸エチルの二重結
合部分がエポキシになった生成物を20g得た(150
〜158℃/1.3mmHg)。窒素導入管、滴下ロート、
撹拌子を備えた100mlの3口フラスコに窒素雰囲気
下で前記エポキシ化合物15g(46mmol)、n−デシ
ルアルコール8.0g(50.6mmol)、触媒として四塩
化錫0.3g仕込み、90℃で2時間反応した。室温ま
で放冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて
反応停止して、クロロホルムで抽出した。有機層を水層
が中性になるまで水洗した後分液して、溶媒を減圧下で
留去した。この残渣を減圧蒸留してエポキシ部位にn−
デシルアルコールが開環付加した生成物を9.5g得た
(200〜210℃/0.1mmHg)。この生成物8.5g
(17.6mmol)を水酸化ナトリウム843mg(21m
mol)でメタノール20mlと水30mlの溶媒中還流
して、エステル基を加水分解した。室温まで放冷後、反
応溶媒のメタノールを減圧下留去し、これに6N塩酸水
溶液7mlを加えて脂肪酸を酸型にした後、クロロホル
ムで抽出した。水洗を2回行った後有機層を分液して、
溶媒を減圧下で完全に留去した。この反応は定量的に進
行した。次に、この脂肪酸7.8g(17.15mmol)と
3−アミノプロピルジメチルアミン3.5g(34.3mm
ol)を副生水留去装置と還流管、撹拌子を備えた100
mlの三口フラスコに仕込み、180℃で徐々に減圧に
して(最終的に30mmHgまで減圧にした)副生する水を
留去しながら5時間反応した。この後、過剰の3−アミ
ノプロピルジメチルアミンを除くために、1mmHgの減圧
下で2時間熟成して、反応生成物9.2gを得た。この
反応物のアミン価は103.9mgKOH/g(理論値:10
3.1mgKOH/g)であった。このアミン化合物5gをイ
ソプロパノールに溶解してアミン価と当量の塩酸で中和
した後、溶媒を完全に留去して塩酸塩5.3gを得た。
この化合物5のNMRの特性を表10に示す。
【0037】
【表10】
【0038】化合物6の合成 n−デシルアルコールをステアリルアルコールに変えた
以外は、化合物5の合成法に準じて合成した。但し、エ
ポキシ部位にステアリルアルコールが開環付加した生成
物の精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィーで行っ
た。
【0039】実施例1〜5 (柔軟付与効果、吸水性、黄変性の評価)合成例1〜6
で得られたアミン化合物を基材とする柔軟仕上げ剤につ
いて、以下の性能を測定し評価した。その結果を表11
に示す。 1.柔軟付与効果の判定方法 市販の木綿タオルを市販洗剤のスーパートップ[ライオ
ン(株)製、商標登録]にて2回繰り返し洗濯を行い、
次いで5回繰り返し流水すすぎを行って洗剤を除去し、
被処理布を調製した。次に本発明の柔軟仕上げ剤の5wt
%水分散液を調製しておき、洗濯機中(25℃、水道
水)に基材濃度が0.033重量%となるように加え
た。そこに被処理布を浴比1/30となるように添加
し、3分間撹拌して柔軟仕上げ処理を行った。前記方法
で処理したタオルを室内で風乾後、20℃、50%RH
の恒温恒湿室で24時間放置した。これらのタオルにつ
いて、柔軟性の評価を8人からなる熟練したパネラーに
より、以下のような基準で判定した。 5:比較品1(ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウムクロリ
ド)と同等 4:比較品1より硬く、比較品2より軟らかく感じる 3:比較品2(ジオレイルジメチルアンモニウムクロリ
ド)と同等 2:比較品2より硬く、未処理より軟らかく感じる 1:未処理品と同等 評点が高いほど柔軟性が良好なことを意味する。
【0040】2.吸水性の判定方法 前記1で処理したタオルから、2.5cm×20cmの
大きさに切り出した布片を5本用意し、垂直に吊るし、
下端から水道水を毛管現象を利用して上昇させた。下端
を水道水に接触させた瞬間から10分後の吸水高さを測
定した。吸水高さが大きいほど、吸水性が良好なことを
意味する(JIS、バイレッグ法に相当)。
【0041】3.黄変性の判定 前記1で処理したタオルを、45℃の恒温室に3カ月間
放置し、放置後のタオルの黄ばみの程度を目視で観察
し、以下のような基準で判定した。 ○:未処理のタオルと同等の外観 ×:明らかに黄ばんで見える
【0042】
【表11】
【0043】
【発明の効果】本発明の繊維製品柔軟仕上げ剤は、驚く
べきことにジ飽和アルキル型4級アンモニウム塩に匹敵
する柔軟付与効果を有し、且つジ不飽和アルキル型4級
アンモニウム塩に匹敵する吸水性も有し、さらに仕上げ
処理後の長期間保存後にも繊維製品の黄変など美観を損
ねる不具合な現象を起こさないと言う従来の柔軟仕上げ
剤では達成できない作用効果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式[1]、[2]、[3]で
    示されるアミン化合物の一種以上の無機酸もしくは有機
    酸の中和物又は4級塩を必須成分として含有することを
    特徴とする柔軟仕上げ剤。 【化1】 (式中、R1は同一でも異なっていても良い炭素数1〜
    4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R2
    は炭素数3〜22の分岐又は直鎖のアルキル基を示しエ
    ステル結合又はエーテル結合で中断されていても良い。
    n、mは0以上の整数であって、n+m=11〜25で
    あり、pは2〜10の整数である。Yは−O−又は−N
    3−を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
    ル基又はヒドロキシアルキル基を示す。) 【化2】 【化3】 (式中、R1は同一でも異なっていても良い炭素数1〜
    4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R4
    は炭素数6〜36の分岐又は直鎖のアルキル基を示しエ
    ーテル結合で中断されていても良い。r、sは0以上の
    整数であって、r+s=10〜24であり、pは2〜1
    0の整数である。Yは−O−又は−NR3−を示し、R3
    は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキ
    シアルキル基を示す。)
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