JP6339874B2 - エマルション組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エマルション組成物の製造方法に関する。
近年、柔軟仕上剤等の繊維製品処理剤に使用する基剤として、生分解性に優れる基剤の開発が盛んに行われており、例えば特許文献1には、エステル基を含む4級アンモニウム塩を基剤として含有する柔軟仕上剤が記載されている。
前記4級アンモニウム塩は十分な生分解性を有しており環境へ与える影響が小さいが、これを含有する繊維製品処理剤は、繊維製品に対する帯電防止効果が不十分であるため着用者に不快感を与える等の問題があった。
この問題の解決方法としては、前記4級アンモニウム塩と炭素数12以上の脂肪族アルコールとを含むエマルション組成物を繊維製品処理剤組成物として用いる技術が提案されている。例えば、特許文献2には、4級アンモニウム塩の混合物と、炭素数12〜32のアルコールとを特定の重量比で含有する柔軟仕上剤組成物が記載されている。
また、特許文献3、4には、炭素数16〜24の脂肪族アルコール、香料組成物及び特定の4級化物を含有する繊維製品処理剤組成物が記載されている。
更に特許文献5には、高分子送達増進剤を含有する場合において望ましい粘度特性を得るために、8〜20個の炭素原子を含む飽和分岐鎖アルコールを含有する布地ケア組成物が開示されている。
特開平4−108174号公報 特開平9−137379号公報 特開2010−285737号公報 特開2012−72539号公報 特表2014−510849号公報
特許文献2〜4に記載されるエマルション組成物を含む柔軟仕上剤組成物及び繊維製品処理剤組成物は、十分な帯電防止性能を具備するものであるが、炭素数12以上の脂肪族アルコールを含んでいるため粘度が高くなる傾向がある。したがって、均一で低粘度なエマルション組成物を得るためには、高いせん断力を有する混合機を用いる必要があり、製造時の負荷が大きくなるという問題があった。また、粘度が高いために混合が不十分になる結果、繊維製品処理剤中で炭素数12以上の脂肪族アルコールが分離する問題や、炭素数12以上の脂肪族アルコールにより得られる効果が十分に発現しないという問題があった。
本発明は、4級アンモニウム塩及び炭素数12以上の脂肪族アルコールを含有するエマルション組成物において、製造時の撹拌混合が容易であって製造負荷が小さい低粘度のエマルション組成物を製造することができるエマルション組成物の製造方法を提供する。
本発明者らは、4級アンモニウム塩、水溶性無機塩及び脂肪族アルコールを特定の順番で混合し、更に各成分を混合する際の温度を調整することにより、低粘度のエマルション組成物を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、[1]〜[3]に関する。
[1]下記工程1〜3を有するエマルション組成物の製造方法。
工程1:4級アンモニウム塩として、窒素原子に共有結合する炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基と炭素数16以上、22以下の脂肪酸とがエステル結合した有機基を1個以上、3個以下有し、窒素原子と共有結合する残りの有機基が炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である4級アンモニウム塩(A)を用い、該4級アンモニウム塩(A)をゲル−液晶転移温度(t1℃)以上に加熱し、t1℃以上、80℃以下の水と混合する工程
工程2:工程1で得られた混合物と、水溶性無機塩(B)とを混合する工程
工程3:工程2で得られた混合物と、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の融解液とを、60℃以上、80℃以下で混合する工程であり、エマルション組成物中の(C)成分の含有量が2質量%以上、8質量%以下になるように(C)成分を混合する工程
[2][1]に記載の製造方法で得られたエマルション組成物を含有する繊維製品処理剤。
[3][2]に記載の繊維製品処理剤を、水を媒体として繊維製品に接触させる繊維製品処理方法。
本発明によれば、4級アンモニウム塩及び炭素数12以上の脂肪族アルコールを含有するエマルション組成物において、製造時の撹拌混合が容易であって製造負荷が小さい低粘度のエマルション組成物を製造することができるエマルション組成物の製造方法を提供することができる。
[エマルション組成物の製造方法]
本発明のエマルション組成物の製造方法は、下記工程1〜3を有するエマルション組成物の製造方法である。
工程1:4級アンモニウム塩として、窒素原子に共有結合する炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基と炭素数16以上、22以下の脂肪酸とがエステル結合した有機基を1個以上、3個以下有し、窒素原子と共有結合する残りの有機基が炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である4級アンモニウム塩(A)を用い、該4級アンモニウム塩(A)をゲル−液晶転移温度(t1℃)以上に加熱し、t1℃以上、80℃以下の水と混合する工程
工程2:工程1で得られた混合物と、水溶性無機塩(B)とを混合する工程
工程3:工程2で得られた混合物と、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の融解液とを、60℃以上、80℃以下で混合する工程であり、エマルション組成物中の(C)成分の含有量が2質量%以上、8質量%以下になるように(C)成分を混合する工程
<工程1>
本発明における工程1は、4級アンモニウム塩(A)をゲル−液晶転移温度(t1℃)以上に加熱し、t1℃以上、80℃以下の水と混合する工程である。
本発明においては、4級アンモニウム塩(A)をゲル−液晶転移温度(t1℃)以上に加熱しているため、水に対して(A)成分を均一に混合することができる。なお、4級アンモニウム塩(A)のゲル−液晶転位温度は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。なお、4級アンモニウム塩が混合物の場合のゲル−液晶転移温度は、混合物として測定することができる。
工程1における(A)成分の加熱温度は、ゲル−液晶転移温度(t1℃)以上であれば特に制限はないが、好ましくはt1+5℃以上、より好ましくはt1+10℃以上、更に好ましくはt1+15℃以上であり、そして、製造エネルギーを抑える観点、及び(A)成分の変質を防ぐ観点から、好ましくはt1+30℃以下、より好ましくはt1+25℃以下である。
4級アンモニウム塩(A)と混合する際の水の温度は、t1℃以上、80℃以下である。前記水の温度がt1℃以上、80℃以下であれば、(A)成分と水とを均一に混合することができる。
4級アンモニウム塩(A)と混合する際の水の温度は、(A)成分と水とを均一に混合する観点から、好ましくはt1+15℃以上であり、そして、好ましくは75℃以下、より好ましくは72℃以下である。
〔4級アンモニウム塩(A)〕
本発明における4級アンモニウム塩(A)は、窒素原子に共有結合する炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基と炭素数16以上、22以下の脂肪酸とがエステル結合した有機基を1個以上、3個以下有し、窒素原子と共有結合する残りの有機基が炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である4級アンモニウム塩である。なお、本発明における4級アンモニウム塩(A)は、脂肪酸由来の有機基の数が異なる4級アンモニウム塩の混合物であってもよく、製法上、4級アンモニウム塩が混合物として調製される場合は、該混合物をそのまま用いてもよい。4級アンモニウム塩の混合物としては、例えば、トリエタノールアミンの脂肪酸エステルの4級アンモニウム塩の混合物が挙げられる。
本発明における4級アンモニウム塩としては、製造容易性の観点から、下記一般式(I)で表され、R4が炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Z-が陰イオンである4級アンモニウム塩において、R1が炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOH基を除いた脂肪酸残基(x)であり、R2及びR3が水素原子である(a1)成分を(A)成分中に10質量%以上、45質量%以下含有し、R1及びR2が前記脂肪酸残基(x)であり、R3が水素原子である(a2)成分を(A)成分中に25質量%以上、70質量%以下含有し、R1、R2及びR3が前記脂肪酸残基(x)である(a3)成分を(A)成分中に5質量%以下、40質量%以下含有する4級アンモニウム塩の混合物がより好ましい。
Figure 0006339874
前記4級アンモニウム塩の混合物は、前記一般式(I)で表され、R4が炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、Z-が陰イオンである4級アンモニウム塩において、
1が炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOH基を除いた脂肪酸残基(x)であり、R2及びR3が水素原子である(a1)成分と、
1及びR2が前記脂肪酸残基(x)であり、R3が水素原子である(a2)成分と、
1、R2及びR3が前記脂肪酸残基(x)である(a3)成分と、
を含有するものである。
一般式(1)における脂肪酸残基(x)としては、炭素数16以上、22以下の脂肪酸からOH基を除いたものであるが、本発明のエマルション組成物を含有する繊維製品処理剤の柔軟性を向上させる観点から、好ましくは炭素数16以上、18以下の脂肪酸からOH基を除いた残基であることが好ましい。
脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、パーム油脂肪酸、ひまわり油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、及び硬化牛脂脂肪酸から選ばれる1種以上を用いることができ、これらの中でも、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸及び硬化牛脂脂肪酸から選ばれる1種以上が好ましい。
4は、炭素数1以上、3以下のアルキル基であり、中でもメチル基又はエチル基が好ましい。
-は、有機又は無機の陰イオンである。中でも、好ましくはクロロイオン、炭素数1以上、3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数12以上、18以下の脂肪酸イオン、炭素数1以上、3以下のアルキル基が1個以上、3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好ましく、炭素数1以上、3以下のアルキル硫酸エステルイオンがより好ましく、メチル硫酸エステルイオン、エチル硫酸エステルイオンが更に好ましい。
(A)成分中の(a1)成分の割合は、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、45質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
(A)成分中の(a2)成分の割合は、25質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは45質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上であり、そして、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
(A)成分中の(a3)成分の割合は、5質量%以上、好ましくは8質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
なお、本発明においては、一般式(I)で表される4級アンモニウム塩であって、前記(a1)〜(a3)成分以外の成分を、好ましくは5質量%以下含んでいてもよい。
((A)成分の製造方法)
本発明に用いる(A)成分は、炭素数16以上、22以下の脂肪酸と炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基を1個以上、3個以下有するアルカノールアミンとのエステル化合物をアルキル化剤で4級化することで本発明の(A)成分を得ることができる。本発明ではアルカノールアミンとしてトリエタノールアミンと脂肪酸とのエステル化合物を4級化して得られる化合物が好ましい。
具体的には、脂肪酸とトリエタノールアミンとを脱水エステル化反応させる方法(以下、「脱水エステル化法」という)、又は脂肪酸低級アルキルエステル(低級アルキルはメチル基、エチル基、プロピル基)とトリエタノールアミンとをエステル交換反応させる方法(以下、「エステル交換法」という)により得られたエステル化反応物を、アルキル化剤で4級化反応させることにより得られた4級アンモニウム塩の混合物が好ましい。
本発明の(A)成分の(a1)成分〜(a3)成分の割合を満たす混合物を得るには、例えば、トリエタノールアミン1モルに対して脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルを好ましくは1.3モル以上、より好ましくは1.5モル以上、そして、好ましくは2.0モル以下、より好ましくは1.9以下の比率で反応させたトリエタノールアミン脂肪酸エステルの混合物を4級化反応させることにより得ることができる。
脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルは、牛脂、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油から選ばれる油脂をケン化して得られる脂肪酸組成のものが好適であり、特に牛脂、パーム油及びヒマワリ油から得られる脂肪酸組成のものが好ましい。
また、これらの脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルは、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基を多量に含有するため、例えば特開平4−306296号公報に記載されているような晶析や、特開平8−99036号公報に記載の選択水素化反応を行うことにより、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上含有する脂肪酸の割合を制御することができる。例えば硬化牛脂は牛脂由来の脂肪酸を水素添加により飽和にしたものであり、一部を硬化させたものとして半硬化と表現する場合もある。また、これら硬化の程度を調整したものと硬化処理をしていない脂肪酸とを任意に混合してもよい。
なお、前記選択水素化反応を行った場合には不飽和結合の幾何異性体の混合物が形成するが、本発明ではシス/トランスが25/75〜100/0、好ましくは50/50〜95/5(モル比)が好ましい。
脱水エステル化法においては、エステル化反応温度を140℃以上、230℃以下とし、縮合水を除去しながら反応させることが好ましい。反応を促進させる目的から通常のエステル化触媒を用いても差し支えなく、例えば硫酸、燐酸等の無機酸、酸化錫、酸化亜鉛等の無機酸化物、テトラプロポキシチタン等のアルコラート等を選択することができる。
反応の進行はJIS K0070−1992に記載の方法で酸価(AV)及び鹸化価(SV)を測定することで確認することができ、AVが好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは6mgKOH/g以下となった時にエステル化反応を終了する。
得られたエステル化合物の混合物のSVは、好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。
エステル交換法においては、反応温度を好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、そして、好ましくは150℃以下とし、生成する低級アルコールを除去しながら行うことが好ましい。反応促進のために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリや、メチラート、エチラート等のアルコキシ触媒を用いることも可能である。
反応の進行はガスクロマトグラフィー等を用いて脂肪酸低級アルキルエステルの量を直接定量することが好適であり、未反応脂肪酸低級アルキルエステルが仕込みの脂肪酸低級アルキルエステルに対してガスクロマトグラフィーチャート上で10面積%以下、特に6面積%以下となった時に反応を終了させることが好ましい。
得られたエステル化合物の混合物のSVは、好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。
4級アンモニウム塩を得るためには前述の方法で得られたエステル化合物の4級化を行う。4級化に用いることができるアルキル化剤としては、メチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が好適である。アルキル化剤として、メチルクロリドを用いる場合には、特に溶媒を使用する必要はないが、溶媒を使用する場合は、エタノールやイソプロパノール等の溶媒を、エステル化合物に対して10質量%以上、50質量%以下程度混合した溶液をチタン製のオートクレーブ等の加圧反応器に仕込み、密封下30℃以上、120℃以下の反応温度でメチルクロリドを圧入させて反応させる。このときメチルクロリドの一部が分解し塩酸が発生する場合があるため、反応を効率的に進行させる観点から、アルカリ剤を少量加えることが好ましい。
メチルクロリドとエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してメチルクロリドを1当量以上、1.5当量以下用いることが好ましい。
ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸とエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を好ましくは0.9当量以上、より好ましくは0.95当量以上、そして、好ましくは1.1当量以下、より好ましくは0.99当量以下である。
本発明のエマルション組成物は、(A)成分の製造時に生成される副生成物を含有してもよい。副生成物としては、例えば、4級化されなかった未反応アミン、具体的には脂肪酸トリエステルのアミンと脂肪酸ジエステルのアミンが挙げられる。脂肪酸トリエステルのアミンと脂肪酸ジエステルのアミンとの合計量は、製造方法にもよるが、(A)成分100質量部に対して30質量部以下であることが多い。
一方、脂肪酸モノエステル構造体のアミンは4級化し易いことから、通常、反応生成物中の含有量は(A)成分100質量部に対して0.5質量部以下である。
更には脂肪酸エステル化されなかったトリエタノールアミン及びトリエタノールアミンの4級化物の合計含有量は、(A)成分100質量部に対して0.5質量部以上、3質量部以下であることが多く、このうち90質量%以上は4級化物である。
また、前記副生成物以外にも、4級アンモニウム塩の混合物中には未反応脂肪酸が含まれることもある。
(A)成分として(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分を含む混合物を用いる場合、4級アンモニウム塩の混合物中の(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、アミン化合物の割合等は、高速液体クロマトグラフ(「HPLC」ともいう)を用い、検出器として荷電荷粒子検出器(Charged Aerosol Detection、「CAD」ともいう)を使用して求めることができる。CADを用いた測定方法については「荷電化粒子検出器Corona CADの技術と応用」(福島ら Chromatography, Vol.32 No.3(2011))を参考にすることができる。
前記エマルション組成物中の(A)成分の含有量は、エマルション組成物を安定に分散させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。
工程1において、前記4級アンモニウム塩(A)と水とを混合する手段としては、パドル式撹拌機、プロペラ式撹拌機、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、フィルミックス、ウルトラミキサー、ラインミキサー、べコミックス、レキサミックス、及びスタティックミキサーが挙げられ、これらの中では、撹拌効率の点からプロペラ式撹拌機が好ましく、タービン型撹拌羽根を装着したプロペラ式撹拌機がより好ましい。
工程1における混合時間は、前記4級アンモニウム塩(A)と水とを均一に混合する観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上であり、そして、好ましくは10分以下である。
工程1において、前記4級アンモニウム塩(A)と水とを混合した後の温度は、均一に混合する観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上であり、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下である。
<工程2>
本発明における工程2は、工程1で得られた混合物と、水溶性無機塩(B)とを混合する工程である。
〔水溶性無機塩(B)〕
本発明においては、エマルション組成物の粘度を低下させる目的で水溶性無機塩(B)を用いる。水溶性無機塩(B)としては、少ない使用量でエマルション組成物の粘度を低下させる観点から、好ましくは金属塩、より好ましくは金属塩化物及び金属硫酸塩、更に好ましくは金属塩化物である。
金属塩の金属としては、経済性及び入手容易性の観点から、好ましくはアルカリ金属類及びアルカリ土類金属、より好ましくはナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはカルシウムである。
水溶性無機塩としては、経済性及び入手容易性の観点から、好ましくは塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上であり、より好ましくは塩化カルシウムである。
水溶性無機塩の20℃における水100mlに対する溶解度は、他の成分との相溶性の観点から、好ましくは10g以上、より好ましくは20g以上、更に好ましくは30g以上である。
前記エマルション組成物中の(B)成分の含有量は、エマルション組成物の粘度を低下させ組成物を安定に分散させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、そして、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
工程2において、工程1で得られた混合物と水溶性無機塩(B)とを混合する手段としては、パドル式撹拌機、プロペラ式撹拌機、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、フィルミックス、ウルトラミキサー、ラインミキサー、べコミックス、レキサミックス、及びスタティックミキサーが挙げられ、これらの中では、撹拌効率の点からプロペラ式撹拌機が好ましい。
工程2における混合時間は、工程1で得られた混合物と水溶性無機塩(B)とを均一に混合する観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上であり、そして、好ましくは10分以下である。
工程2において、工程1で得られた混合物と水溶性無機塩(B)とを混合する際の温度は、均一に混合する観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上であり、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下である。
<工程3>
本発明における工程3は、工程2で得られた混合物と、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の融解液とを、60℃以上、80℃以下で混合する工程であり、エマルション組成物中の(C)成分の含有量が2質量%以上、8質量%以下になるように(C)成分を混合する工程である。
〔炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)〕
本発明における(C)成分は、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコールである。
(C)成分としては、エマルション組成物を含む繊維製品処理剤の帯電防止効果を向上させる観点、及びエマルション組成物の分散安定性を向上させる観点から、炭素数12以上、22以下の直鎖又は分岐鎖の第一級飽和アルコールが好ましく、更に炭素数が14以上、18以下である、直鎖第一級飽和アルコールがより好ましい。
具体的なアルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、及びステアリルアルコールから選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中では、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましく、更にはステアリルアルコールがより好ましい。
本発明における工程3の融解液とは、(C)成分を融点以上に加熱し液状に相転移した流動性液体を指す。(C)成分が融点の異なる化合物の混合物で構成されている場合の融解液は、流動性液体であれば特に制限はないが、該混合物中の最も融点の高い化合物の融点以上で融解させた液体が好ましい。
本発明においては、工程3においてエマルション組成物中の(C)成分の含有量が2質量%以上、8質量%以下になるように(C)成分を混合する。エマルション組成物中の炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の含有量が前記範囲内であれば、繊維製品に対して十分な帯電防止効果を付与することができ、また、エマルション組成物の分散安定性が向上する。
エマルション組成物中の(C)成分の含有量は、帯電防止効果を向上させる観点、及びエマルション組成物の分散安定性を向上させる観点から、2質量%以上、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは2.8質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、8質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
(A)成分に対する(C)成分の質量比[(C)成分/(A)成分]は、帯電防止効果を向上させる観点、及びエマルション組成物の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であり、そして、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましく1.0以下、より更に好ましくは0.7以下である。
工程3においては、工程2で得られた混合物と、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の融解液とを、60℃以上、80℃以下で混合する。混合温度が前記範囲内であると、工程2で得られた混合物と、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の融解液とを均一に混合することができる。
工程3における混合温度は、工程2で得られた混合物と、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の融解液とを均一に混合する観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上であり、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下である。
工程3において、工程2で得られた混合物と(C)成分の融解液とを混合する手段としては、パドル式撹拌機、プロペラ式撹拌機、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、フィルミックス、ウルトラミキサー、ラインミキサー、べコミックス、レキサミックス、及びスタティックミキサーが挙げられ、これらの中では、撹拌効率の点から、ホモミキサーが好ましい。
工程3における混合時間は、エマルション組成物を均一に混合する観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上であり、そして、好ましくは10分以下である。
〔非イオン性界面活性剤(D)〕
本発明においては、(A)及び(C)成分の分散安定性を向上させ、貯蔵安定性を高める観点から、非イオン性界面活性剤(D)を使用することが好ましい。非イオン性界面活性剤を用いる場合、工程1〜3のいずれの工程において用いてもよいが、工程1において(A)成分と予備混合して用いることが粘度の増加を抑制する観点から、好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、下記(i)〜(iii)から選ばれる1種以上が好ましい。
(i)炭素数10以上、18以下のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数5以上、100以下であって、オキシエチレン基の平均付加モル数のうち0モル以上、5モル以下はオキシプロピレン基又はオキシブチレン基に変えてもよい(但し、オキシエチレン基の平均付加モル数は他のオキシアルキレン基の平均付加モル数の合計よりも多く、好ましくは5以上多い)ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル
(ii)炭素数10以上、18以下の脂肪酸基と上記と同じようにオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、炭素数8以上、18以下のアルキル基を有し、糖平均縮合度が1以上5以下であるアルキルポリグリコシド、炭素数8以上、18以下の脂肪酸基を有するショ糖脂肪酸エステル
(iii)炭素数8以上、18以下のアルキル基を有し、グリセリンの平均縮合度が1以上、10以下であるアルキルポリグリセリルエーテル
これらの中では、(A)及び(C)成分の分散安定性を向上させる観点から、(i)炭素数10以上、14以下のアルキル基を有しエチレンオキサイド平均付加モル数が10以上、40以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
エマルション組成物中の非イオン性界面活性剤(D)の含有量は、(A)及び(C)成分の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であり、そして、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下である。
〔pH調整剤(E)〕
本発明においては、貯蔵安定性を向上させる観点から、pH調整剤(E)を使用することが好ましい。pH調整剤を用いる場合、工程1〜3のいずれの工程において用いてもよいが、工程1において用いることが好ましい。
pH調整剤としては、塩酸や硫酸等の無機酸や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸等の有機酸等の酸剤や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ剤から選ばれる1種以上を用いることができる。これらの中では塩酸や硫酸、クエン酸が好ましい。
エマルション組成物中のpH調整剤(E)の配合量は、エマルション組成物の貯蔵安定性を向上させる観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
本発明の製造方法により製造したエマルション組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を含有してもよい。例えば、水溶性有機溶剤、香料、酸化防止剤、脂肪酸、キレート剤、染料、及び防腐剤等を使用することができる。
〔エマルション組成物の粘度〕
本発明の製造方法により製造したエマルション組成物の30℃における粘度は、製造負荷を低く抑える観点から、好ましくは1mPa・s以上であり、そして、好ましくは150mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下、更に好ましくは80mPa・s以下、より更に好ましくは60mPa・sm以下、より更に好ましくは50mPa・s以下、より更に好ましくは40mPa・s以下である。
本明細書における粘度は、B型粘度計を用いて、No.1〜No.3ローターの何れかのローターを用い、60r/minで、測定開始から1分後の指示値により測定することができる。なお、測定にあたってはエマルション組成物を30±1℃に調温して測定する。
〔エマルション組成物のpH〕
本発明の製造方法により製造したエマルション組成物のpHは、貯蔵安定性の観点から、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは2.2以上であり、そして、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。
pHは、JIS K 3362;2008の項目8.3にしたがって30℃において測定した値である。
[繊維製品処理剤]
本発明の繊維製品処理剤は、本発明の製造方法により製造したエマルション組成物を含有するものである。エマルション組成物は水により任意の割合で希釈して用いることができる。例えば、繊維製品処理剤中の(A)成分濃度が5質量%以上、25質量%以下になるように水で希釈することが好ましい。また、本発明の繊維製品処理剤は、本発明の製造方法によって得られたエマルション組成物を水で希釈せずに、エマルション組成物のみで構成されることがより好ましい。
[繊維製品処理方法]
本発明の繊維製品処理方法は、本発明の繊維製品処理剤を、水を媒体として繊維製品に接触させる繊維製品処理方法である。本発明の繊維製品処理剤を繊維製品に接触させることにより、繊維製品の柔軟性を向上させることが可能になり、また、帯電を防止することが可能になる。
処理方法としては、乾燥時の繊維製品1.0kgに対して、本発明の繊維製品処理剤を5ml以上、40ml以下溶解させた水溶液を接触させることで、帯電防止効果を得ることができる。この場合、繊維製品と処理液との浴比〔繊維製品(kg)/処理液(L)〕は5以上、40以下が好ましい。水で希釈された本発明の繊維製品処理剤のpHは6.0以上、8.0以下であることが好ましい。
本発明の繊維製品処理剤を希釈した水溶液に対して、乾燥した衣料を浸漬してもよく、本発明の繊維製品処理剤を洗濯における濯ぎ時の仕上工程で添加してもよい。その場合は脱水して乾燥することにより、柔軟性及び帯電防止効果が付与された繊維製品を得ることができる。
<繊維製品>
本発明において繊維製品とは、前記の木綿繊維や混用繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、Yシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。
なお、繊維製品は、反応性染料、バット染料等による先染め、反染、プリント品であってもより。
<合成例>
以下の手順に従って(A)成分を調製した。
パーム油由来の脂肪酸584.7g、及びBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)1.0gを2Lの4つ口フラスコに仕込み、60℃に加熱して撹拌混合した。これにトリエタノールアミン196.9g(分子量149.2、1.32モル)を加え、170℃まで昇温し、生成する水を除去しながら170℃で6時間反応を行い、エステル化合物を得た。なお、この反応におけるアシル化度は1.65であった。
次に、得られたエステル化合物の全量を2Lの4つ口フラスコに入れ反応容器内の温度を65℃以下に保ちながらジメチル硫酸157.5g(分子量126、1.25モル)を2時間かけて加え、その後、更に2時間熟成した。次いで、エタノール100gを30分かけて加えた後、冷却することにより(A)成分の4級アンモニウム塩の混合物を含む溶液(a−1)を得た。
溶液(a−1)中の溶媒(エタノール)の含有量は10質量%であった。溶液(a−1)中の含有成分は、前記エタノール以外に、主に(A)成分である(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、そして未反応の脂肪酸、4級化されていないアミン化合物であり、その他に微量の未反応アルカノールアミンやその4級化物及び副生成物である。
4級アンモニウム塩の混合物を含む溶液(a−1)中には、(A)成分中の割合として(a1)成分が30質量%、(a2)成分が55質量%、(a3)成分が15質量%の割合で含まれており、溶液(a−1)中の(A)成分の濃度は、75質量%であった。残りは前記(a1)、(a2)及び(a3)成分以外の含有成分であった。ここで(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分の割合、並びにその他成分の分析は、HPLCを用い下記条件により測定した。
<HPLC条件>
カラム:Inertsil NH2 5μm(4.6×250mm)
温度:室温
移動相:0.05%トリフルオロ酢酸−ヘキサン溶液/メタノール/テトラヒドロフラン=85/10/5(質量比)
流速:開始から10分までは0.8mL/min、開始から10分超55分までは1.2mL/min、開始から55分超60分までは0.8mL/min
注入:20μL
検出:CAD
また、この4級アンモニウム塩の混合物(a−1)のゲル−液晶転移温度(t1℃)を示差走査熱量計(DSC)により測定したところ42℃であった。
実施例及び比較例に使用した各成分は以下のとおりである。
<(A)成分>
(a−1)上記合成例1で調製した4級アンモニウム塩の混合物(表の濃度は、(A)成分濃度に換算されている。)
<(B)成分>
(b−1)塩化カルシウムの35質量%水溶液(これに含まれる水は残部となる)
<(C)成分>
(c−1)ミリスチルアルコール(テトラデカン−1−オール)
(c−2)セチルアルコール(ヘキサデカン−1−オール)
(c−3)ステアリルアルコール(オクタデカン−1−オール)
<(D)成分>
(d−1)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均付加モル数21)
<(E)成分>
(e−1)クエン酸の50質量%水溶液(これに含まれる水は残部となる
<実施例1〜6、比較例1〜6>
実施例及び比較例のエマルション組成物の製造方法は以下のとおりである。なお、いずれの製造方法においても、エマルション組成物のできあがり質量は300gであり、それぞれ表1の配合量となるように製造した。得られたエマルション組成物について、下記方法により粘度を測定した。結果を表1に示す。
・製造方法1
〔工程1〕
300mlビーカーにイオン交換水を240g入れ、ウォーターバスで65℃に昇温し、プロペラ式撹拌機としてスリーワンモータ(新東科学株式会社製、TYPE HEIDON 1200G)に装着したタービン型の撹拌羽根(長さ2cmの撹拌羽根を3枚備える撹拌羽根。回転速度;300r/min)で撹拌しながら、(E)成分を溶解させた。次に、65℃に加熱した(A)成分と(D)成分とを予備混合することにより調製した均一溶液を、前記(E)成分を含有するイオン交換水に対して添加し、5分間65℃で撹拌することにより工程1を行った。
〔工程2〕
工程1の終了後(B)成分を添加し、プロペラ式撹拌機としてスリーワンモータ(新東科学株式会社製、TYPE HEIDON 1200G)に装着したタービン型の撹拌羽根を用いて5分間65℃で撹拌を行うことにより工程2を行った。
〔工程3〕
工程2の終了後、T.K.ロボミックス(プライミクス株式会社製)を用いて更に65℃2分間撹拌(3000r/min)した。これに65℃に加熱した(C)成分の融解液を添加し、65℃3分間撹拌することにより工程3を行った。
工程3の後、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移動し、再び、スリーワンモータ(新東科学株式会社製、TYPE HEIDON 1200G)に装着したタービン型の撹拌羽根で撹拌しながら混合物を30℃に冷却した。この混合物に対して、エマルション組成物が300gになるようにイオン交換水を添加した。
得られたエマルション組成物を光学顕微鏡で観察した結果、水中油型乳化物であった。
・製造方法2(比較製造例)
300mlビーカーにイオン交換水を240g入れ、ウォーターバスで65℃に昇温し、スリーワンモータ(新東科学株式会社製、TYPE HEIDON 1200G)に装着したタービン型の撹拌羽根(長さ2cmの撹拌羽根を3枚備える撹拌羽根。回転速度;300r/min)で撹拌しながら、(E)成分を溶解させた。次に、65℃に加熱した(A)成分、(C)成分、及び(D)成分を予備混合することにより調製した均一溶液を、前記(E)成分を含有するイオン交換水に添加し、5分間65℃で撹拌を行った。
次いで、(B)成分を添加し、5分間65℃で撹拌を行った後、T.K.ロボミックス(プライミクス株式会社製)を用いて更に5分間65℃で撹拌した(3000r/min)。
その後、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、再び、スリーワンモータ(新東科学株式会社製、TYPE HEIDON 1200G)に装着したタービン型の撹拌羽根で撹拌しながら混合物を30℃に冷却した。この混合物に対して、エマルション組成物が300gになるようにイオン交換水を添加した。
得られたエマルション組成物を光学顕微鏡で観察した結果、水中油型乳化物であった。
<粘度の評価方法>
製造直後のエマルション組成物をガラス製の規格瓶(PS−No.6)に60g充填し、B型粘度計を用いて粘度を測定した。エマルション組成物の粘度は、No.1〜No.3ローターのいずれかのローターを用い、60rpm/minで測定開始から1分後の指示値を測定値とした。なお、測定は、エマルション組成物を30±1℃に調温して行った。結果を表1に示す。
Figure 0006339874
表1の結果から明らかなように、本発明のエマルション組成物の製造方法によれば、炭素数脂肪族12以上、22以下の脂肪族アルコールを含有したエマルション組成物の粘度を低く抑えることができる。

Claims (6)

  1. 下記工程1〜3を有するエマルション組成物の製造方法。
    工程1:4級アンモニウム塩として、窒素原子に共有結合する炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基と炭素数16以上、22以下の脂肪酸とがエステル結合した有機基を1個以上、3個以下有し、窒素原子と共有結合する残りの有機基が炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である4級アンモニウム塩(A)を用い、該4級アンモニウム塩(A)をゲル−液晶転移温度(t℃)以上に加熱し、t℃以上、80℃以下の水と混合する工程
    工程2:工程1で得られた混合物と、水溶性無機塩(B)とを混合する工程
    工程3:工程2で得られた混合物と、炭素数12以上、22以下の脂肪族アルコール(C)の融解液とを、60℃以上、80℃以下で混合する工程であり、エマルション組成物中の(C)成分の含有量が2質量%以上、8質量%以下になるように(C)成分を混合する工程
  2. 前記エマルション組成物中の(A)成分の含有量が5質量%以上、25質量%以下である、請求項1に記載のエマルション組成物の製造方法。
  3. 前記エマルション組成物中の(C)成分の含有量が3質量%以上、5質量%以下である、請求項1又は2に記載のエマルション組成物の製造方法。
  4. 前記(C)成分がミリスチルアルコール、セチルアルコール、及びステアリルアルコールから選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のエマルション組成物の製造方法。
  5. 前記(B)成分が塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のエマルション組成物の製造方法。
  6. 前記工程1において、更に非イオン界面活性剤(D)と前記(A)成分とを予備混合した後、t℃以上、80℃以下の水と混合する、請求項1〜5のいずれかに記載のエマルション組成物の製造方法。
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