JPH10237762A - 柔軟剤組成物の製造方法 - Google Patents

柔軟剤組成物の製造方法

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JPH10237762A
JPH10237762A JP9055592A JP5559297A JPH10237762A JP H10237762 A JPH10237762 A JP H10237762A JP 9055592 A JP9055592 A JP 9055592A JP 5559297 A JP5559297 A JP 5559297A JP H10237762 A JPH10237762 A JP H10237762A
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liquid crystal
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cationic surfactant
crystal composition
aqueous phase
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JP9055592A
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Hiroaki Umezawa
宏明 梅沢
Susumu Tsukagoshi
進 塚越
Kentarou Kiyama
健太郎 貴山
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 エステル基等で分断された長鎖のアルキ
ル基及びアルケニル基の少なくともいずれかを有するカ
チオン性界面活性剤を含有する油相と第一の水相とから
なる系に柔軟剤組成物のpHが上記カチオン性界面活性
剤が加水分解に対して安定なpH域になるように酸性化
合物を添加した後に、上記系を混練して液晶組成物を形
成させ、次いで該液晶組成物に第二の水相を添加、混合
することによって、上記第一、第二の水相及び酸性化合
物からなる水性液に上記カチオン性界面活性剤の二分子
膜多層構造からなる小胞体を分散させる。 【効果】 生分解性に優れると共に、保存安定性及び分
離安定性に優れた柔軟剤として使用でき、特に濃縮型柔
軟剤として有用な柔軟剤組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維や衣料に柔軟
性を付与するための柔軟剤組成物に関し、特に保存時の
安定性に優れた柔軟剤組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
一般家庭では、繊維や衣料等に柔軟性や帯電防止性を付
与するには、洗濯時のすすぎ水に柔軟剤を添加して、最
終すすぎを行う間にすすぎ水に含有された柔軟剤を繊維
等に吸着させて、繊維処理するという方法が行われてお
り、このような柔軟剤としてはジ長鎖アルキルジ短鎖ア
ルキル第4級アンモニウム塩を柔軟基剤としたものが一
般的である。しかし、このジ長鎖アルキルジ短鎖アルキ
ル第4級アンモニウム塩を配合した柔軟剤は、各種衣料
に対して良好な柔軟効果と帯電防止効果とを付与するこ
とができるが、すすぎ水と共に排水された場合、生分解
性に劣るために河川の汚染の一因となる恐れがあるた
め、近年では、エステル基やアミド基で分断された長鎖
のアルキル基又はアルケニル基を有するカチオン性界面
活性剤を柔軟基剤として含有するものが注目されてい
る。ところが、このようなカチオン性界面活性剤を柔軟
基剤とした柔軟剤の場合、その製造時における上記柔軟
基剤の加水分解安定性は問題ないが、保存中に中性〜ア
ルカリ性条件下において基剤が加水分解を起こしてしま
うという問題がある。そのため、このような事態を解決
するために、例えば製剤化の最後に柔軟基剤が加水分解
しないようなpH域に調整することが提案されている
が、未だその保存安定性には改良の余地がある。
【0003】また、最近は、製造及び輸送時のコストダ
ウン、消費者の使用性等の要請により、柔軟基剤の含有
量を高めた濃縮型柔軟剤が主流となっている。このよう
な濃縮型柔軟剤の柔軟基剤として上記のようなエステル
基やアミド基で分断された長鎖のアルキル基又はアルケ
ニル基を有するカチオン性界面活性剤を使用する場合、
特に柔軟基剤の保存安定性が問題となるため、基剤の保
存安定性をより向上させる手段が要望されている。
【0004】一方、柔軟剤の製造方法としては、従来よ
り種々の方法が採用されており、例えば油相と水相とに
より液晶組成物を形成した後、該液晶組成物に更に水相
を加えて混合することによって小胞体分散液の柔軟剤組
成物を製造する方法は、優れた品質の柔軟剤組成物が得
られ、特に濃縮型として使用される柔軟剤組成物の製造
方法として好適である。ところで、この方法の場合、粒
径が細かい分散粒子を得るには、液晶組成物が形成され
た時にも良好な流動性を有することが必要であり、少な
くとも液晶組成物形成時の系の粘度が3000P以下で
あることが望ましい。しかしながら、エステル基やアミ
ド基で分断された長鎖のアルキル基又はアルケニル基を
有するカチオン性界面活性剤を上記方法で製造しようと
すると、液晶組成物の形成時に系の粘度が大幅に増加し
て流動性が悪くなり、粒径の細かい分散粒子を得るのが
困難であった。
【0005】本発明は、上記事情を鑑みなされたもの
で、エステル基やアミド基で分断された長鎖のアルキル
基及びアルケニル基の少なくとも一方を有するカチオン
性界面活性剤の保存安定性に優れる柔軟剤組成物が得ら
れるのみならず、分散粒子の微細化も容易であり、特に
濃縮型柔軟剤として有用な柔軟剤組成物を得ることがで
きる柔軟剤組成物の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明者
は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、エ
ステル基やアミド基で分断された長鎖のアルキル基又は
アルケニル基を有するカチオン性界面活性剤を柔軟基剤
とする柔軟剤組成物を製造するに当たり、油相と水相と
により液晶組成物を形成した後、該液晶組成物に更に水
相を加えて混合することによって小胞体分散液の柔軟剤
組成物を製造する方法を採用すると共に、この製造方法
の液晶組成物を形成する段階で上記界面活性剤を安定化
するためのpH調整を行うことによって、製剤化の最後
にpH調整を行った場合と比べて上記界面活性剤の保存
安定性が向上するのみならず、驚いたことに液晶組成物
の形成による系の大幅な粘度上昇が抑制されて、分散粒
子の微細化が容易となり、濃縮型柔軟剤として使用する
場合であっても十分な保存安定性及び分離安定性を有す
る柔軟剤組成物が得られることを見い出し、本発明をな
すに至った。なお、液晶組成物形成時にpH調整を行う
ことによって、従来のように製剤化の最終段階でpH調
整を行う方法に比べて上記柔軟剤組成物の保存安定性が
より優れたものとなる理由は、本発明の場合、柔軟剤組
成物は、上記界面活性剤の二分子膜多層構造からなる小
胞体の水性分散液として調製されるものであり、この場
合、液晶組成物形成時にpH調整を行うことによって、
柔軟剤組成物中の上記界面活性剤からなるベシクル粒子
の内部まで酸性化合物が行き渡るためであると考えられ
る。
【0007】即ち、本発明は、エステル基及び/又はア
ミド基で分断された長鎖のアルキル基及びアルケニル基
のいずれか一方又は両方を有するカチオン性界面活性剤
を含有すると共に、そのpHが上記カチオン性界面活性
剤が加水分解に対して安定なpH域に調整された柔軟剤
組成物の製造方法において、上記カチオン性界面活性剤
を含有する油相と第一の水相とからなる系に上記柔軟剤
組成物のpHが上記カチオン性界面活性剤が加水分解に
対して安定なpH域になるように酸性化合物を添加した
後に、上記系を混練して液晶組成物を形成させ、次いで
該液晶組成物に第二の水相を添加、混合することによっ
て、上記第一、第二の水相及び酸性化合物からなる水性
液に上記カチオン性界面活性剤の二分子膜多層構造から
なる小胞体を分散させることを特徴とする柔軟剤組成物
の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の柔軟剤組成物の製造方法は、エステル基や
アミド基で分断された長鎖のアルキル基及びアルケニル
基の少なくとも一方を有するカチオン性界面活性剤を含
有する油相、水相及びpH調製用の酸性化合物を用いる
ものである。
【0009】ここで、上記カチオン性界面活性剤として
は、柔軟剤の柔軟基剤として用いられるものであれば、
その種類は特に制限されないが、例えば下記一般式
(1)で示されるジ長鎖第4級アンモニウム塩などのカ
チオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上が好
適に使用される。
【0010】
【化1】 (但し、式中R1は、エステル基又はアミド基で分断さ
れ、且つ炭素数が分断基も含めて16〜25、好ましく
は18〜23のアルキル基又はアルケニル基である。R
2は、エステル基又はアミド基で分断され、且つ炭素数
が分断基も含めて16〜25、好ましくは18〜23の
アルキル基又はアルケニル基、又は炭素数14〜24、
好ましくは16〜18の非分断アルキル基又はアルケニ
ル基である。R3及びR4は、それぞれ炭素数1〜4のア
ルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、Xは陰イオ
ンである。)
【0011】ここで、本発明の場合、上記式における長
鎖の炭化水素鎖(R1及びR2)の飽和/不飽和比は特に
問わない。
【0012】上記カチオン性界面活性剤としては、具体
的には、上記式(1)の第4級アンモニウム塩として、
ジ(ステアロイルオキシエチル)ジメチル第4級アンモ
ニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシエチル)ジメ
チル第4級アンモニウムクロライド、ジ(パルミトイル
オキシエチル)ジメチル第4級アンモニウムメチルサル
フェート、ジ(ステアロイルオキシイソプロピル)ジメ
チル第4級アンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオ
キシイソプロピル)ジメチル第4級アンモニウムクロラ
イド、ジ(オレオイルオキシブチル)ジメチル第4級ア
ンモニウムクロライド等、その他のエステル基やアミド
基で分断された長鎖アルキル基又はアルケニル基を有す
るカチオン性界面活性剤として、ステアロイルオキシエ
チルトリメチル第4級アンモニウムクロライド、オレオ
イルオキシエチルトリメチル第4級アンモニウムクロラ
イド等が例示される。
【0013】上記界面活性剤の使用量は、適宜選定する
ことができ、通常組成物全体に対して1〜40%(重量
%、以下同様)程度であるが、本発明の場合、濃縮型柔
軟剤として使用する柔軟剤組成物に特に効果的であるこ
とを考慮すれば、10〜40%、特に10〜25%程度
が好適である。
【0014】本発明では、上記界面活性剤による膜形成
を容易にするために、上記界面活性剤と共にエチレング
リコール,プロピレングリコール,グリセリン等の多価
アルコールやエタノール,イソプロピルアルコール等の
低級アルコールなどの有機溶剤、ステアリン酸,オレイ
ン酸等の脂肪酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル等の各種乳化剤及び脂肪酸アル
カノールアミンなどの添加剤を通常の使用量で配合する
こともできる。
【0015】また、本発明の油相は、上記界面活性剤に
加えて、必要に応じて油分を配合することもでき、この
ような油分としては、油溶性香料、シリコーンオイル、
油溶性抗菌剤等を挙げることができ、これらの配合量は
本発明の効果を妨げない範囲で適宜選定することができ
る。
【0016】本発明の第一の水相と第二の水相とは、同
一組成であっても、異なる組成であってもよいが、水相
成分の配合量等を考慮すれば、同一組成とすることが望
ましい。本発明の水相は、水又は水に必要に応じて適宜
乳化剤,分散安定剤,低温安定化剤,無機塩類,色素及
びその他の各種水溶性有効成分等を溶解したものが例示
される。具体的には、乳化剤としてポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル,脂肪酸ポリエチレングリコー
ル等の非イオン性界面活性剤など、分散安定剤としてポ
リアクリル酸,カルボキシメチルセルロース、カルボキ
シビニルポリマーなど、低温安定化剤としてエチレング
リコール,プロピレングリコール,グリセリンなど、無
機塩類として塩化ナトリウム,塩化カルシウム等の塩酸
塩,硫酸ナトリウム等の硫酸塩など、色素としてアシッ
ドレッド138,アシッドブルー9,アシッドイエロー
141,リアクティブブルー、その他の各種水溶性有効
成分として殺菌剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、蛍光増白剤などが挙げられる。なお、上記水相の使
用量は通常量とすることができる。
【0017】本発明においてpH調整のために使用され
る酸性化合物としては、通常pH調整剤として使用され
ており、柔軟剤に配合可能なものであれば、その種類は
特に制限されるものではなく、例えば塩酸、硫酸、クエ
ン酸、リン酸等を適宜水に希釈、溶解したものを挙げる
ことができる。これらは2種以上を適宜組み合わせて使
用することもできるが、通常1種単独で使用される。本
発明の場合、これらの中でも、特に塩酸、硫酸が好適に
使用される。なお、塩酸は0.5〜6N水溶液、硫酸は
0.5〜10N水溶液として使用することが望ましい。
なお、上記酸性化合物の使用量は、後述するように、本
発明の最終製造物である小胞体分散液を目的とするpH
域に調整することができる量である。
【0018】本発明における上記油相と第一の水相との
配合割合は、液晶組成物形成及び界面活性剤のベシクル
化率の点からベシクルになる直前の液晶組成物を形成す
る量が好適であり、通常重量比で油相/第一の水相=1
/0.7〜1/2、特に1/1〜1/1.5程度となる
量であって、第一の水相と第二の水相との配合割合は、
小胞体を形成する点から、第一の水相/第二の水相=1
5/85〜50/50、特に20/80〜40/60程
度となる量が好適である。なお、本発明の製造方法によ
り製造された柔軟剤組成物は、小胞体分散液として調製
された後、製品化するに当たり、カチオン性界面活性剤
の加水分解を抑制することができる限り、本発明の効果
を妨げない範囲で適宜水を配合したり、その他の適宜成
分を添加することができる。
【0019】本発明の製造方法では、上述した界面活性
剤及び必要に応じて上記油分、その他の油相成分を適宜
溶融、混合した油相と第一の水相とからなる系に上記酸
性化合物を添加した後、系を混練することによって液晶
組成物を形成させ、次いで液晶組成物に第二の水相を添
加・混合することによって、上記界面活性剤からなる二
分子膜多層構造からなる小胞体を上記第一、第二の水相
及び酸性化合物からなる水性液に分散させて、所定のp
H域にある柔軟剤組成物を製造するものである。
【0020】ここで、本発明の製造方法は、上記液晶組
成物を形成する系に予めpH調整用の酸性化合物を添加
しておくことによって、小胞体の水性分散液として調製
される柔軟剤組成物のpHが上述したエステル基やアミ
ド基で分断された長鎖のアルキル基及びアルケニル基の
少なくとも一方を有するカチオン性界面活性剤の加水分
解が抑制されるpH域となるように調整するものであ
る。即ち、エステル基やアミド基で分断された長鎖のア
ルキル基及びアルケニル基の少なくとも一方を有するカ
チオン性界面活性剤の加水分解が最も抑制されるpH域
は、その種類にもよるが、通常pH2〜5である。しか
し、上記界面活性剤を柔軟基剤として用いて、一般的な
組成により柔軟剤を調製する場合、全工程において特に
pH調整を行わない場合、最終的に得られる小胞体分散
液のpHは、通常pH5〜8である。そのため、柔軟剤
の製品安定化のために、最終工程において製品のpH調
整が行われているが、本発明の場合、特に、柔軟剤組成
物を製造する方法として、界面活性剤を含有する油相と
水相とから液晶組成物を形成した後、この液晶組成物に
更に水相を配合して小胞体分散液を得る方法を採用する
と共に、この液晶組成物を形成する系に予めpH調整用
の酸性化合物を添加して、pH調整を行うものである。
具体的には、目的とする小胞体分散液のpHがpH2〜
5、特にpH2.5〜4となるような量の酸性化合物を
液晶組成物を形成する系に添加するものであり、このよ
うな量の酸性化合物を添加することによって、液晶組成
物自体のpHも変化する。ここで、液晶組成物自体のp
Hは、最終製造物である柔軟剤組成物の組成によって種
々選定されるものであるが、通常、第二の水相のpHが
中性付近であることを考慮すれば、pH1.5〜4程
度、特にpH1.5〜3程度とすることが好ましい。な
お、液晶組成物を形成する際に、上記油相を第一の水相
及び酸性化合物を撹拌槽内に添加する順序は特に制限さ
れず、全部を同時に添加してもよい。
【0021】本発明の場合、このように液晶組成物形成
時に予め最終製造物のpHが目標pHに調整されるよう
に酸性化合物を添加することによって、上記柔軟剤組成
物の保存安定性をより優れたものとするものである。こ
こで、上記酸性化合物を添加する場合、上記系を仕込ん
だ撹拌槽内にpHメーターを投入し、系を全体撹拌し
て、pHメーターを観察しながら酸性化合物を少量ずつ
滴下することもできるが、工業的製造においては、例え
ば上記酸性化合物の配合割合を予め実験室レベルで求め
ておき、その割合から上記系に添加する酸性化合物のお
およその添加量を求めて添加、混合すると共に、撹拌槽
内のpHメーターに従って微調整を行ってもよい。ま
た、同一組成物を連続して製造する場合、最終工程で得
られた組成物のpHをpHメーターで測定し、目標値か
らずれていた場合には、酸性化合物の添加量をコントロ
ールすることが望ましく、この場合、コンピューターに
よるフィードバック回路を設けると好適であり、フィー
ドバックによるpHコントロール幅は、目標値の±0.
5程度にすることが好ましい。なお、最終工程で得られ
た組成物のpHを測定する場合、組成物が製造される撹
拌槽内をpHメーターで測定してもよいが、サンプリン
グした組成物をpHメーターで測定することもできる。
【0022】上記のように酸性化合物を添加した系を混
練して液晶組成物を形成する際の温度は、上記界面活性
剤の相転移温度(Tc)以上であることを必要とする。
液晶組成物形成温度がTcに満たないと、液晶組成物が
形成されない。液晶組成物の形成温度とTcとの温度差
は、特に制限されるものではなく、液晶形成が可能な温
度範囲内で適宜選定することができるが、通常、液晶組
成物の形成温度がTcよりも5〜20℃、特に5〜10
℃程度高いことが望ましい。
【0023】上記系から液晶組成物を形成する場合、使
用する混練装置は特に制限されず、従来より使用されて
いる装置を使用することができるが、系の粘度が液晶組
成物が形成されるに従って高くなることを考慮すれば、
高粘度物を全体混合できるものが望ましく、このような
装置として、例えばラインミキサー、アジホモミキサ
ー、ニーダー、パドルミキサー、スクリューミキサー、
スパイラルミキサー、ナウターミキサー、ダブルヘリカ
ルリボンミキサー、コンティニュアスニーダー等を挙げ
ることができる。この際の混練条件は、これら装置の通
常の使用範囲にて行い、液晶組成物が形成されて系の粘
度が高くなってくるまで撹拌を続けることが好ましい。
【0024】本発明は、このような混練工程によって、
上記系から液晶組成物を形成するものであるが、かかる
工程において液晶組成物が形成されたか否かは、液晶組
成物が形成された場合、系の粘度が高くなるので、この
粘度変化を利用して確認することができる。ここで、本
発明の製造方法の場合、液晶組成物形成時のpHを酸性
側に調整することによって、最終製造物の保存安定性を
確保できるのみならず、液晶形成による系の粘度の大幅
な上昇も抑制することができるものである。即ち、液晶
組成物形成時のpHを調整しない場合、系の粘度は液晶
組成物の形成によって3,000〜20,000P(ポ
イズ)程度まで上がるが、上記pH調整を行うと液晶組
成物が形成しても系の粘度は、500〜2,500P程
度にしか上がらない。このように系の粘度上昇が抑制さ
れる結果、液晶組成物の形成及び液晶組成物と第二水相
との混合、分散も容易となり、最終的に得られる柔軟剤
組成物中の小胞体粒子の微細化が容易となるので、柔軟
剤組成物の分離に対する安定性も向上させることができ
る。なお、液晶組成物が形成された系を凍結した後に裁
断し、その裁断表面の型を取って、透過型電子顕微鏡で
観察すると多層構造の存在が認められ、この多層構造
は、界面活性剤による二分子膜と上記水性液とからなる
水層とにより形成されたラメラ液晶と認められる。
【0025】本発明の製造方法は、上記液晶組成物と第
二の水相とを混合して、目的とする小胞体分散液を得る
ものであり、この場合、混合温度は、上記界面活性剤の
相転移温度以下でも製造可能であるが、界面活性剤が固
まってくることを考慮すれば、上記相転移温度以上で行
うことが好ましい。また、液晶組成物と第二の水相の添
加順序は、特に問わず、例えば同時に添加してもよい。
この混合・分散工程に使用する撹拌装置は、特に制限さ
れず、通常の乳化分散工程に使用される装置を使用する
ことができるが、本発明の場合、液晶組成物の粘度が高
いという点を考慮すれば、滞留時間を長くして、剪断の
かかる時間を増やすことが望ましい。このような装置と
しては、ラインミキサー、アジホモミキサー、ホモミッ
クラインミル、ホモミックラインフロー、マイルダー、
ディスパーミキサー等が例示される。この際の撹拌条件
は、これらの装置の通常の使用範囲にて行うが、特に剪
断力の代表値として撹拌羽根先端の周速を用いると、撹
拌羽根先端の周速が8m/s以上となる剪断力をかける
ことが好ましい。
【0026】このようにして得られた上記小胞体分散液
のpHは、上述したように上記カチオン性界面活性剤の
加水分解が抑制されるpH域に調整されており、そのp
Hは、カチオン性界面活性剤の種類によるが、通常pH
2〜5、特にpH2.5〜4となっていることが望まし
い。なお、本発明の場合、pH調整は液晶組成物形成時
に行うものであるが、必要に応じ、小胞体分散液のpH
を微調整することは差し支えない。
【0027】本発明の製造方法の場合、上記小胞体の水
性分散液をそのまま柔軟剤組成物として使用することが
できるが、上記小胞体分散液に、必要に応じ、さらに色
素等を添加したり、適宜水で希釈することもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、エステル基
やアミド基で分断された長鎖のアルキル基及びアルケニ
ル基の少なくとも一方を有するカチオン性界面活性剤の
保存中の加水分解が抑制されるので、保存安定性が向上
した柔軟剤組成物が得られるのみならず、製造中の系の
粘度上昇が抑制されることにより、最終的に得られる柔
軟剤組成物中の小胞体粒子の微細化が容易となるので、
分離安定性に優れる柔軟剤組成物を容易に製造すること
ができる。従って、この柔軟剤組成物は、生分解性に優
れると共に、保存安定性及び分離安定性に優れた柔軟剤
として使用でき、特に濃縮型柔軟剤として有用である。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、表中の%は重量%を意味する。
【0030】[実施例,比較例]表1に示す油相組成の
割合となるように各油相成分を溶融、混合して油相を調
製すると共に、表1に示す水相組成の割合となるように
各水相成分を精製水に溶解して水相を調製し、この水相
のうち、表1に示す油相組成に対するa)工程の油相:
水相比となる量を第一の水相とし、残りを第二の水相と
した。
【0031】上記油相と上記第一の水相とをそれぞれ、
予め表中のa)工程の温度に加温しておき、これらを同
じ温度に設定したラインミキサーに表1に示す油相:第
一の水相比となるように連続的に供給し、更に実施例に
ついては、表1に示す酸性化合物の水溶液を表1に示す
酸性化合物の添加量(製品に対する酸性化合物の添加割
合)となるように連続的に供給しながら混練して液晶組
成物を形成した。この時のラインミキサーの撹拌条件に
ついては、撹拌羽根の羽根径dと撹拌槽径Dとの比d/
Dが0.8である4枚傾斜羽根パドル2段組を用いて、
パドル羽根先端の周速を8m/sとして剪断を与え、平
均滞留時間40秒の混練を加えた。
【0032】ここで形成された液晶組成物と、予め表中
のb)工程の温度に加温しておいた第二の水相とをそれ
ぞれ、表中のb)工程の温度に設定した次のラインミキ
サーに連続的に供給し、更に比較例1については、この
時点で表1に示す酸性化合物の水溶液を表1に示す酸性
化合物の添加量となるように連続的に供給しながら混合
して小胞体の水性分散液を得た。この時のラインミキサ
ーの撹拌条件については、撹拌羽根の羽根径dと撹拌槽
径Dとの比d/Dが0.5である4枚平羽根タービン2
段組を用いて、タービン羽根先端の周速を10m/sと
して剪断を与え、平均滞留時間30秒の混合を加えた。
【0033】ここで得られた小胞体分散液は、そのまま
表1に示す実施例及び比較例1の柔軟剤組成物(製品)
とした。比較例2については、得られた小胞体分散液
に、さらに表1に示す酸性化合物の水溶液を表1に示す
添加量加えてpHを調整したものを柔軟剤組成物(製
品)とした。
【0034】これらの実施例及び比較例につき、a)工
程で形成された液晶組成物のa)工程の温度における粘
度をBH型回転粘度計を使用し、ローターを20rpm
で30秒間回転させた後の粘度を測定した。また、柔軟
剤組成物(製品)のpHをpHメーターで測定すると共
に、分散された小胞体粒子の体積平均粒径を日機装
(株)製マイクロトラックUPA粒度分析計を用いて測
定した。そして、これらの柔軟剤組成物中のカチオン性
界面活性剤の加水分解安定性及び柔軟剤組成物の分離安
定性を下記方法によって評価した。結果を表1に併記す
る。 <カチオン性界面活性剤の加水分解安定性>柔軟剤組成
物中のカチオン性界面活性剤量を液体クロマトグラフィ
ーを使用して、常法により求めておき、密閉状態、50
℃で1カ月間保存した後に同様にして測定したカチオン
性界面活性剤量と保存前のカチオン性界面活性剤量とか
ら、保存後のカチオン性界面活性剤量の加水分解に対し
ての残存率を求めた。 <柔軟剤組成物の分離安定性>柔軟剤組成物を、密閉状
態、50℃で1カ月間保存した後、油相の分離状態を目
視により調べ、全く分離が認められなかった場合を○、
下層に希薄な層が出現した場合を×と評価した。
【0035】
【表1】 1)カチオン性界面活性剤は有効成分約70〜75%、
エタノール約15%、精製水約10%、アミンなどの未
反応物を少量含む 2)酸性化合物の添加位置 A:液晶相形成時 B:小胞体分散時 C:粒子化後(小胞体分散後) 3)酸性化合物の添加量の調整には、製造直後の液のp
Hを測定してフィードバックを行った
【0036】表1によれば、液晶形成時にpH調整用の
酸性化合物を添加することによって、最終製造物のpH
をエステル基を有するカチオン性界面活性剤の加水分解
に対して安定なpH域に調整する本発明の製造方法の場
合(実施例1〜7)、エステル基を有するカチオン性界
面活性剤が高濃度で配合された濃縮型の柔軟剤組成物で
あっても、そのカチオン性界面活性剤の保存安定性が向
上するのみならず、液晶組成物形成による系の粘度上昇
も抑制され、特に系の粘度上昇が顕著な濃縮型の柔軟剤
組成物の製造効率が向上すると共に、平均粒子径が細か
い小胞体分散液が得られ、分離安定性にも優れる柔軟剤
組成物を製造することができるのに対して、pH調整を
小胞体分散時に行った場合(比較例1)、小胞体分散後
に行った場合(比較例2)は、いずれも上記のような保
存安定性及び分離安定性に優れる柔軟剤組成物は得られ
ないことが認められる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル基及び/又はアミド基で分断さ
    れた長鎖のアルキル基及びアルケニル基のいずれか一方
    又は両方を有するカチオン性界面活性剤を含有すると共
    に、そのpHが上記カチオン性界面活性剤が加水分解に
    対して安定なpH域に調整された柔軟剤組成物の製造方
    法において、上記カチオン性界面活性剤を含有する油相
    と第一の水相とからなる系に上記柔軟剤組成物のpHが
    上記カチオン性界面活性剤が加水分解に対して安定なp
    H域になるように酸性化合物を添加した後に、上記系を
    混練して液晶組成物を形成させ、次いで該液晶組成物に
    第二の水相を添加、混合することによって、上記第一、
    第二の水相及び酸性化合物からなる水性液に上記カチオ
    ン性界面活性剤の二分子膜多層構造からなる小胞体を分
    散させることを特徴とする柔軟剤組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009534544A (ja) * 2006-04-19 2009-09-24 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ リンス剤添加繊維処理組成物
JP2016011469A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 花王株式会社 エマルション組成物の製造方法

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