JPWO2011007525A1 - ベシクル組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、成分(A)所定の構造を有する分岐脂肪酸;成分(B)所定の構造を有する第3級アミン;成分(C)炭素数1〜10の有機酸を含有する油相を当該油相の融点以上の温度で溶解させる工程と、溶解した油相に水相を加えながら混合する工程を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法である。

Description

本発明は、ベシクル組成物の製造方法に関する。
近年、パーマやヘアカラー、ブリーチなどの利用が一般化する反面、これらの化学処理に伴う毛髪のダメージも問題となっている。従来から、シャンプー後の毛髪の感触を向上させるために、リンス、コンディショナー、トリートメントなどの毛髪化粧料が使用されているが、毛髪のダメージを軽減する観点からも、更なる性能向上が望まれている。
特許文献1には、毛髪の損傷を修復又は抑止すると共に、良好な感触を付与する技術として、特定の分岐脂肪酸類を含有する毛髪化粧料が提案されている。
特許文献2および5には、化学処理、ドライヤー乾燥、日々のヘアケア行動による毛髪の損傷・疲労破壊を修復又は抑止し、また湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びしなやかな感触を付与できる毛髪化粧料が開示されている。この毛髪用化粧料は特定の第3級アミンまたはその塩、特定の芳香族アルコールおよび特定の分岐脂肪酸またはその塩、および水を含有する。その結果、この毛髪化粧料は毛髪に塗布、乾燥後の柔軟性、平滑性、しっとり感、しなやかさなどに優れることが記載されている。
また、特許文献3には、毛髪ダメージの効率的な修復を目的とする脂質分散組成物及びそれを含有する毛髪化粧料が開示されている。特許文献3の脂質分散組成物はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、ステロール類及び分岐脂肪酸のアミド構造を持つ第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤を、50重量%以上のポリオールを含有する分散媒に分散させて製造する。
また、特許文献4には、頭髪損傷の修復及び予防を目的として、コレステロールと塩基性アミノ酸と脂肪酸及び非イオン活性剤で安定化した多層小胞分散物からなる頭髪トリートメント組成物及び、多層小胞分散物を含むシャンプー及びコンディショナーのような頭髪トリートメント組成物が開示されている。このトリートメント組成物は頭髪繊維への幾つかの頭髪有効物質の浸透が特異的に促進されることが記載されている。
一方、乳化組成物の製造方法の一つとして、転相乳化法や液晶乳化法が知られている。転相乳化法とは油相に水相を添加しながら乳化する方法である。また液晶乳化法とは液晶相に水相を加えながら乳化する方法である。例えば非特許文献1では油相に水相を添加しながら乳化し、転相点付近で油−水界面張力が著しく低下することを利用して平均粒径1μm以下の微細なエマルションを形成させている。
特開平4−173719号公報 特開2007−176923号公報 特開2007−015986号公報 特表2002−516831号公報 米国特許出願公開第2009/0047231号明細書
Langumuir 2006,22,8326-8332
前記の従来技術によれば、柔軟性、平滑性、しっとり感等を付与する観点から、分岐脂肪酸またはその塩、または第3級アミンまたはその塩と特定の分岐脂肪酸またはその塩とを併用すること、更に又、4級アンモニウム塩型のカチオン活性剤が分岐脂肪酸と併用して用いられることが提案されている。
一方で、それら有効成分の含有量や、配合処方の最適化が更に求められている。しかし、製造方法については旧来の方法を実施しており、製造方法の改良については何ら言及されていない。
また、特許文献4に記載の技術ではコレステロールを必須成分として混在させることで、多層小胞を形成する。すなわち、ステロール類など特定の脂質が介在していることによりベシクル構造を形成する。しかし通常のトリートメント剤の成分のみでベシクル構造を形成することについては開示がない。また、毛髪表面の特性の変化、改質については何ら言及されていない。
更に、非特許文献1に記載されているような従来の転相乳化は微細なエマルションを形成させるための技術であって、2μmを超えるような大きな粒子サイズのエマルションを作るために転相乳化をする技術としては開示されていない。
本発明者らは、特定の第3級アミンおよび特定の分岐脂肪酸に加えて、特定の有機酸を組み合わせて用いることにより、水中でベシクルを構成することができることを見出した。また、当該ベシクル組成物を用いた毛髪化粧料が従来よりも分岐脂肪酸の含有量を低減しても同様またはそれ以上の効果を発揮することを見出した。
更に、成分(A)、(B)、(C)及び水から形成され、十分なベシクル体積濃度を有するベシクル組成物は特定の第3級アミンおよび特定の分岐脂肪酸および特定の有機酸を含む油相に水相を加えながら混合することにより製造できることを見出した。
さらに、本発明者らは、本発明のベシクルが、形成したベシクルの平均粒径を2μm以上に保ちかつ、十分なベシクル体積濃度を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の製造方法によれば、成分(A)、(B)、(C)及び水から形成されるベシクル組成物:
(A)一般式(1)で表される分岐脂肪酸
Figure 2011007525
(式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、nは5〜36の整数を示す。);
(B)一般式(2)で表される第3級アミン
Figure 2011007525
(式中、Rは、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R及びRは、同一又は異なる炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)mH(AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは1〜6の数を示し、m個のAOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。);
(C)炭素数1〜10の有機酸、
が提供される。
本発明のベシクル組成物によれば、従来の「洗い流す形態」にて使用される毛髪化粧料よりも分岐脂肪酸の含有量を低減させても、当該従来の毛髪化粧料により実現されていた塗布時の馴染み感、すすぎ時の滑らかさを維持又は向上させることができる。
また、「洗い流さない形態」にて使用される毛髪化粧料として用いても、塗布時の滑らかさ、指通りのよさ、乾燥時のまとまりを維持又は向上させることができる。
本発明のベシクル組成物の製造方法は、以下の成分(A)、(B)、(C)を含有する油相を当該油相の融点以上の温度で完全に溶解させる工程と、溶解した油相に水相を加えながら、混合する工程を含む。以下、使用される各成分について具体的に説明する。
(A)分岐脂肪酸
(B)第3級アミン
(C)炭素数1〜10の有機酸
はじめに、成分(A)について説明する。
本発明で用いる成分(A)は、一般式(1)で表される分岐脂肪酸である。
Figure 2011007525
(式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、nは5〜36の整数を示す。)
このような分岐脂肪酸の中でも、好ましくはnが5〜35(分岐脂肪酸の総炭素数9〜40)、更には6〜35(分岐脂肪酸の総炭素数10〜40)、特に6〜19(分岐脂肪酸の総炭素数10〜24)である。
具体的には、18−メチルエイコサン酸、18−メチルノナデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸が挙げられる。
成分(A)の分岐脂肪酸は、例えば、LIPIDS, vol.23, No.9, 878〜881(1988)、国際公開第98/30532号パンフレットの記載に従い、毛髪等から分離、抽出することもできるが、特開平4−173719号公報(前記特許文献1)の記載に従って合成することもできる。
抽出品としては、ラノリンからの抽出物、すなわちラノリン脂肪酸及びその塩が挙げられる。市販のラノリン脂肪酸は、イソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸と呼ばれるメチル分岐長鎖脂肪酸を50重量%程度含有する。具体的には、18−MEA〔クローダジャパン株式会社製〕、スクライロ〔クローダジャパン株式会社製〕、FA−NH〔日本精化株式会社製〕が挙げられる。
成分(A)の分岐脂肪酸は、2種以上を併用してもよい。また、合成品と抽出品を組み合わせて使用してもよい。
本発明で用いる成分(B)は、一般式(2)で表される第3級アミンである。
Figure 2011007525
ここで、R2は炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、乾燥後の滑り性に優れる点から、炭素数12〜24、特に炭素数14〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に直鎖アルキル基であることが好ましい。
3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)mH(AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは1〜6の数を示し、m個のAOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)であり、乾燥後の滑り性に優れるという観点から、炭素数1〜6のアルキル基及び−(CH2CH2O)mH(mは1〜3、特に1が好ましい)が好ましく、更にはR3及びR4の少なくとも一方が、炭素数1〜6のアルキル基、中でもメチル基又はエチル基であるのが好ましく、特に双方が同じであることが好ましい。
第3級アミンの好ましい具体例としては、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンが挙げられる。
成分(B)の第3級アミンは、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる成分(C)は、炭素数1〜10の有機酸である。
具体的には、酢酸、プロピオン酸、カプリン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;安息香酸、サリチル酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸などが挙げられる。これらの中で、ヒドロキシカルボン酸、酸性アミノ酸が好ましい。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸が特に好ましい。酸性アミノ酸としては、グルタミン酸が特に好ましい。
成分(A)、成分(B)、成分(C)の組合せとしては上述の化合物を適宜組み合わせることが可能である。組合せを特に限定するものではないが、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)の組み合せとして、成分(A)を18−メチルエイコサン酸、(B)成分をN,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンとした場合は(C)成分はカプリン酸、乳酸、リンゴ酸、安息香酸が好ましい。
成分(A)、成分(B)、成分(C)及び水により、ベシクルが形成され、特にいくつかの二重膜から成る多層ラメラベシクル(いわゆる、オニオンベシクル)が水中に分散したベシクル組成物が形成されやすい。また、ベシクルとは通常内層が中空あるいは水相である小胞体を指すが、ここで形成される多層ラメラベシクルは内層の一部もしくは全部が油相となる構造を持つものも包含される。また、本願において、「ベシクル」には多層ラメラベシクルも包含される。
ベシクル分散液中のベシクル体積濃度を高くするという観点から、成分(A)と成分(C)とのモル比(A)/(C)は、5/5以上、好ましくは7/3以上であり、かつ、9/1以下、好ましくは8/2である。
また、成分(A)、成分(B)、成分(C)を効率的にベシクル形成に寄与させるという観点から、(A)+(C)の酸当量と(B)の塩基当量の比は、0.5以上、好ましくは0.6以上であり、かつ、2以下、さらに好ましくは1.8以下である。
さらに、ベシクル分散液の保存安定性やハンドリング性という観点から、ベシクル分散液中の成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計は、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。
ベシクル分散液中に生成したベシクルの体積は塗布時の馴染み感、すすぎ時の滑らかさの向上という観点から、ベシクル組成物中の成分(A)の含有量に対して4体積倍以上が好ましく、6体積倍以上がより好ましく、8体積倍以上が更に好ましい。
また、好ましいベシクル分散液の形態はベシクルの体積濃度が20〜80体積%であり、30〜80体積%であることがより好ましく、その中でも30〜60体積%であることが特に好ましい。この範囲であれば、ベシクル分散液の保存安定性、ハンドリング性と馴染み感、すすぎ時の滑らかさの向上が最も優れるからである。
本発明のベシクル組成物はベシクルの分散液(プレミックス)の形態をとることが望ましい。このベシクル分散液は以下の段階、すなわち、
(i)成分(A)、成分(B)、成分(C)を含有する油相を、当該油相の融点以上の温度で完全溶解する工程と、
(ii)得られた油相に水相を加えながら混合する工程と、
によって好適に製造できる。このような手順に従えば、連続相が水相であるベシクル組成物が得られる。
工程(i)においては安定的な製造の観点から油相は完全に溶解する必要がある。ここで「完全に溶解する」とは油相に固形物がなくなる状態まで溶解した状態のことをいう。このため、油相の融点以上の温度で溶解し、更に油相の融点より5℃以上高い温度で溶解することが好ましく、特に油相の融点より10℃以上高い温度で溶解することが好ましい。
また、油相は均一に混合された状態であることが好ましい。そこで、本工程は油相を混合しながら溶解させることが好ましい。混合方法は特に限定しないが、例えば攪拌により混合することが好ましい。
工程(ii)においては水相滴下時の温度は油相温度及び滴下する水相の温度及び混合装置での加熱あるいは冷却により適宜決めることが出来る。ここで、「水相」には、イオン交換水、蒸留水などの精製水を用いるが、水に溶解する(D)成分である多価アルコール、例えばグリセリンやジプロピレングリコールなどを含有させることもできる。また、効率的にベシクルを製造する観点から、油相温度及び滴下する水相の温度を、形成させるベシクルの層転移温度以上にすることが好ましい。
ベシクル分散液中のベシクルの体積濃度は油相への水相の滴下速度及び水相滴下時の攪拌速度により、またベシクルの粒径は水相滴下開始以降の攪拌速度(せん断速度)により調整可能である。油相への水相の滴下速度や滴下時の攪拌速度の最適値はベシクル組成物の処方や成分比及び配合槽の大きさ、形状によって変化するが、水相滴下途中で最も粘度の上昇する状態において均一に混合できる条件が好ましい。更に水相を滴下していくと、ベシクル分散液の粘度は低下し、ベシクル体積濃度は減少する。滴下する水相の量はベシクル分散液の保存安定性、ハンドリング性を考慮して適宜調整可能である。
油相への水相の滴下速度は上述のように適宜選択できるが、ベシクル分散液中のベシクルの体積濃度を高める目的から、10分以上時間をかけて滴下することが望ましい。特に滴下速度を制限するものではないが、例えば、滴下する水相の全量が600gであれば、5〜20g/分で滴下することが好ましい。
また、ベシクル組成物の安定性の観点から、工程(ii)の後に
(iii)水相滴下終了後、速やかにベシクルの相転移温度以下まで冷却する工程
を含むベシクル組成物の製造方法であることが好ましい。
ベシクル組成物中のベシクル体積濃度は、電解質溶液にベシクル組成物を分散させ、電解質溶液に浮遊しているベシクルがアパチャーと呼ばれる細孔で区切られた領域を通過する際、アパチャーを隔てて設置された2電極間の電気抵抗あるいは電圧あるいは電流の変化を測定することにより、アパチャーを通過するベシクルの正確な体積を求めることができる。このような原理の粒度分布測定装置、例えばベックマン・コールター株式会社製のMultisizerTM4またはシスメックス株式会社製CDA−1000Xなどを用いて測定することが出来る。
また、ベシクルが球状の場合の平均粒径は、毛髪塗布時の馴染み感のさらなる向上という観点から、2μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、かつ、20μm以下、好ましくは18μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。ここで、平均粒径は、上記ベシクル体積濃度の測定で用いられる粒度分布測定装置、例えばベックマン・コールター株式会社製のMultisizerTM4またはシスメックス株式会社製CDA−1000Xなどまたは、レーザ回折式粒度分布測定装置、例えば島津製作所社製のSALD2100あるいは株式会社堀場製作所製LA−920などを用いて、循環方式におけるフローセルの中を移動するベシクルにレーザ光を照射して得られる散乱光の強度分布を測定し、当該強度分布から変換して得られる体積分布により平均粒径を測定することができる。測定は室温下(15〜30℃)にて行うことが望ましい。
本発明のベシクル組成物は、さらに、(D)多価アルコールを含んでいてもよい。
成分(D)として具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
成分(D)の含有量は、ベシクル組成物の保存安定性の観点から、ベシクル組成物全体に対して0.5〜60重量%が好ましく、より好ましくは1〜50重量%である。
成分(D)の添加においては、前記(i)の段階において、成分(A)、成分(B)、成分(C)を含有する油相を、油相の融点以上の温度で溶解させた後、油相に成分(D)を加えることができる。または、前記(i)の段階において、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)を含有する油相を、油相の融点以上の温度で固形物が無くなるまで溶解させた油相を得てもよい。(i)の段階の後、得られた油相に水相を加えながら混合する(ii)の段階を経ることによって、ベシクル体積濃度が高く、保存安定性の高いベシクル分散液を得ることができる。さらにベシクルの保存安定性の観点から水相滴下終了後、速やかにベシクルの相転移温度以下まで冷却する(iii)の段階を経ることが好ましい。
また、油相には本発明のベシクルの製造を阻害しない範囲で任意の成分を入れることができる。任意成分としては、例えば各種エキス類及び酸化防止剤などを挙げることができるが、これに限定されない。油相に添加できる任意成分は安定的なベシクル組成物の製造の観点から油相の1%以下である。
水相には本発明のベシクルの製造を阻害しない範囲で任意の成分を添加できる。添加できる任意成分としては、例えば各種エキス類及び防腐剤などがあるが、特にこれに限定されない。水相に添加できる任意成分は安定的なベシクル組成物の製造の観点から、水相の0.1%以下である。
ベシクル組成物を製造する際には、せん断混合状態の油相に水相を滴下する。混合装置はせん断混合ができれば特に限定されないが、水相添加途中で高粘度になる場合には高粘度物を混合できる装置、例えばプライムミクス株式会社製アヂホモミキサー、T.K.コンビミックス、みづほ工業株式会社製真空乳化攪拌装置、住友重機械工業株式会社製マックスブレンド攪拌槽、佐竹化学機械工業株式会社製スーパーミックス攪拌槽などが好ましい。攪拌速度については特に限定するものではないが、例えば50〜100rpmで攪拌するのが好ましい。
確証はないが、このような本発明の製造方法により得られるベシクルでは、毛髪に塗布した際に容易にベシクルから膜状に構造変化することにより、毛髪表面での特性を好適に変化させることができるものと考えられる。
また、従来のベシクル構造は、特許文献3に記載されているように、ステロール類、リン脂質などの特定の脂質が介在することにより構成されている。これに対して、本発明は、ステロール類やリン脂質を含有していなくてもベシクル組成物を形成できる。すなわち、ベシクル構造を従来からリンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料に使用される成分により構成することができるという点で新しい知見ということができる。従って、本発明は、当該分野における新規な製剤処方を提供するものである。
本発明の毛髪化粧料は、前述したベシクル組成物を含有する。
毛髪化粧料中のベシクル組成物の含有量は、塗布時の馴染み感、すすぎ時の滑らかさを付与する点から、ベシクルを構成する成分(A)である分岐脂肪酸の量として見たときに、0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2重量%となる量である。このような毛髪化粧料は、従来の毛髪化粧料よりも有効成分の含有量を低減させても、従来の毛髪化粧料により実現されていた柔軟性、平滑性、しっとり感、しなやかさを維持または向上させることができる。
このような毛髪用化粧料としては例えば、コンディショナー、リンス、トリートメント、シャンプーなどが挙げられる。特に効果的な毛髪用化粧料として、コンディショナー、リンス、トリートメントが好ましい。これらの毛髪用化粧料は、毛髪化粧料塗布後、洗い流す使用形態でも洗い流さない使用形態でも良い。
ベシクル組成物を含有する毛髪化粧料は本発明のベシクル組成物を別途、通常の方法で調製した毛髪用化粧料に混合することで得られる。通常の方法で調整した毛髪用化粧料とは例えば界面活性剤、シリコーン、油性成分などを配合した一般的な毛髪化粧料をいう。これは任意の方法で調整することができる。
毛髪用化粧料の処方や製造方法は特に限定されるものではないが、例えば加熱攪拌した水相にカチオン性界面活性剤と高級アルコールと乳化シリコーンを含有する油相を添加し、乳化することで得られる。
通常の毛髪化粧料に本ベシクル組成物を配合する方法は特に限定されないが、ベシクルの安定性の観点から、ベシクルのゲル転移温度以下の温度で配合することが望ましい。これによりベシクル組成物の構造を維持した毛髪用化粧料を得ることができる。
(実施例1)
18−MEA(18−メチルエイコサン酸を含む脂肪酸及び分岐脂肪酸混合物、平均分子量:364.3、融点35〜55℃、クローダジャパン株式会社製)28.00g、ムサシノ乳酸90(乳酸、純度90%、分子量:90.08、融点18℃、株式会社武蔵野化学研究所製)1.92g、ファーミンDM E−80(N,N−ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン、純度90%、分子量355.63、融点29℃、花王株式会社製)37.94g及びDPG−RF(ジプロピレングリコール、融点−40℃、株式会社ADEKA製)84gを、乳化装置(T.K.アヂホモミクサー、プライミクス株式会社製)に入れ、槽内温度80℃となるようにジャケットに温水を投入し、パドル翼による攪拌(80rpm)で原料を完全溶解した。この油相中に、水相として80℃に加熱したイオン交換水648.14gを60分かけて定速滴下し、80℃にて乳化した。その後5℃の冷媒により30℃以下まで冷却を行った。このようにして得られたベシクル組成物をプレミックスとした。油相を攪拌しながら水相を滴下する乳化形式を一般に転相乳化という。このベシクル組成物のゲル転移温度を示差走査熱量計(DSC)で測定したところ51.8℃であった。
表1には、プレミックスの製造条件およびプレミックス10.00gに換算した各成分の量(g)を示した。
ここで、調製したベシクル組成物であるプレミックスを用いて、リンスの配合を行った。なお、本実施例1〜11及び比較例1〜4で調整したリンスは洗い流す形態で使用する毛髪化粧料である。
500mlビーカーに水相としてイオン交換水301.40g、ムサシノ乳酸90を2.36g入れ、55℃までプロペラで攪拌下加熱する。その後、ファーミンDM E−80を9.29g、カルコール8098(ステアリルアルコール、純度98%、花王株式会社製)21.00g、DPG−RF(同上)5.95gから成る油相を80℃で均一溶解した後、水相中に添加し、10分間300rpmで攪拌して乳化した。35℃以下まで放冷してベースリンスを調製した後、前述のプレミックス10.00gを添加し、リンスとした。
(比較例1)
乳化装置(T.K.アヂホモミクサー、プライミクス株式会社製)に水相としてイオン交換水648.14gを入れパドル翼で攪拌(80rpm)しながら、乳化装置のジャケットに温水を投入して、槽内温度を80℃に調整した。その後、18−MEA(18−メチルエイコサン酸を含む脂肪酸及び分岐脂肪酸混合物、平均分子量:364.3、クローダジャパン株式会社製)28.00g、ムサシノ乳酸90(乳酸、純度90%、分子量:90.08、株式会社武蔵野化学研究所製)1.92g、ファーミンDM E−80(N,N−ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン、純度90%、分子量355.63、花王株式会社製)37.94g及びDPG−RF(ジプロピレングリコール、株式会社ADEKA製)84gをビーカーに入れ攪拌下、80℃の水浴中で完全溶解して油相とした。この油相を乳化装置中の水相にパドル翼で攪拌しながら、60分かけて定速滴下した。その後5℃の冷媒により30℃以下まで冷却を行った。このようにして得られたベシクル組成物をプレミックスとした。水相を攪拌しながら油相を滴下する乳化形式を一般に順相乳化という。表1には、プレミックスの製造条件およびプレミックス10.00gに換算した各成分の量(g)を示した。
続いて実施例1と同様にその評価を行うため、リンス配合を行った。
500mlビーカーに水相としてイオン交換水301.40g、ムサシノ乳酸90を2.36g入れ、55℃までプロペラで攪拌下加熱する。その後、ファーミンDM E−80を9.29g、カルコール8098(ステアリルアルコール、純度98%、花王株式会社製)21.00g、DPG−RF(同上)5.95gから成る油相を80℃で均一溶解した後、水相中に添加し、10分間300rpmで攪拌して乳化した。35℃以下まで放冷してベースリンスを調製した後、前述のプレミックス10.00gを添加し、リンスとした。
(実施例2)
乳化装置の槽内温度を45℃として油相成分を溶解し、滴下するイオン交換水の温度を45℃にした以外は実施例1と同様にてプレミックス及びリンスを調製した。生成したベシクルのゲル転移温度を示差走査熱量計(DSC)で測定したところ51.6℃であった。
(実施例3)
プレミックス調製品にホモミキサー7000rpm、30分間による剪断を加えて粒径を制御したこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(比較例2)
500mlビーカーに水相としてイオン交換水を309.50g、ムサシノ乳酸90を2.38g入れ、55℃までプロペラで攪拌下加熱する。そこへ予め80℃で均一に溶解した0.35gの18−MEA、13.19gのファーミンDM E−80、7.00gのDPG−RF、21.00gのカルコール8098から成る油相を添加し、10分間300rpmで攪拌して乳化した。その後35℃以下まで放冷を行い、リンスとした。
(比較例3)
イオン交換水を308.10gにして、ベンジルアルコール(純度99.9%、サンケミカル株式会社製)1.40gを油相に加えたこと以外は、比較例2と同様にて、リンスを調製した。
(実施例4)
プレミックス10.00g中のDPG−RF量を0.00gとし、ベースリンス調製時のDPG−RF量を7.00gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(実施例5)
プレミックス10.00g中のファーミンDM E−80量を0.95gとし、ベースリンス調製時のファーミンDM E−80量を8.82gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(実施例6)
プレミックス10.00g中のファーミンDM E−80量を0.24gとし、ベースリンス調製時のファーミンDM E−80量を9.53gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(実施例7)
プレミックス10.00g中の乳酸量を0.10g、ファーミンDM E−80を0.76gとし、ベースリンス調製時の乳酸量を2.28g、ファーミンDM E−80を9.01gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(比較例4)
プレミックス10.00g中の乳酸量を0.00g、ファーミンDM E−80を0.38gとし、ベースリンス調製時の乳酸量を2.38g、ファーミンDM E−80を9.39gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(実施例8)
プレミックス10.00g中のファーミンDM E−80を1.90gとし、ベースリンス調製時のファーミンDM E−80を7.87gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(実施例9)
プレミックス10.00g中のファーミンDM E−80を0.12gとし、ベースリンス調製時のファーミンDM E−80を9.65gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(実施例10)
プレミックス10.00g中の乳酸0.02gに変えてカプリン酸(和光純薬工業株式会社試薬99%結晶)0.05gとし、イオン交換水を8.08gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(実施例11)
プレミックス10.00g中の乳酸0.02gに変えて安息香酸(シグマアルドリッチジャパン株式会社一級試薬)0.04gとし、イオン交換水を8.09gとしたこと以外は、実施例1と同様にて、プレミックス及びリンスを調製した。
(プレミックスの評価方法)
(1)プレミックス中のベシクル体積濃度はベックマン・コールター株式会社製のMultisizerTM4を用いて25℃で測定した。
(2)プレミックス中ベシクルの平均粒径は、株式会社島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2100を用い、循環方式により測定した。なお、平均粒径は体積基準のメディアン径(D50)を用いた。
(3)プレミックスの安定性は50℃1ヶ月の熱履歴をかけた後、粘度(B型粘度計(株式会社東京計器製)、ロータNo.2、30rpm、1分間)の変化で評価した。
(リンスの評価方法)
コールドパーマ、ブリーチ等の美容処理を行った日本人女性の毛髪20g(約15.20cm)を束ね、シャンプーで洗浄した。この毛髪に実施例1〜11、比較例1〜4で調製したリンス2gを均一に塗布し、30秒間流水ですすぎ流した。この間の『塗布時の馴染み感』『すすぎ時の滑らかさ』について官能評価を行った。
評価は専門パネラー5人が5段階評価を行い、その平均値を取った。平均点が3点以上であれば合格品とした。
(評価基準)
5:塗布時の馴染み感、すすぎ時の滑らかさ共に優れる
4:塗布時の馴染み感、すすぎ時の滑らかさ共に良好
3:塗布時の馴染み感又はすすぎ時の滑らかさのどちらかが良好
2:塗布時の馴染み感又はすすぎ時の滑らかさのどちらかが劣る
1:塗布時の馴染み感及びすすぎ時の滑らかさのどちらも劣る
Figure 2011007525
(実施例12)
実施例1で調製したベシクル組成物であるプレミックスを用いて、洗い流さない形態で使用するトリートメントの配合を行った。
500mlビーカーに水相としてイオン交換水323.68g、ムサシノ乳酸90を0.69g、日本薬局方濃グリセリン(グリセリン、純度98%、花王株式会社製)10.50gを入れ、55℃までプロペラで攪拌下加熱する。その後、コータミン2285E(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムのエタノール溶液、純度80%、分子量404.16、花王株式会社製)を1.40g、カルコール6850(セトステアリルアルコール、純度97%、花王株式会社製)8.75gから成る油相を80℃で均一溶解した後、水相中に添加し、10分間300rpmで攪拌して乳化した。35℃以下まで放冷してベースコンディショナーを調製した後、実施例1で調製したベシクル組成物であるプレミックス4.97gを添加し、洗い流さない形態で使用するトリートメントとした。
(比較例5)
500mlビーカーに水相としてイオン交換水を327.73g、ムサシノ乳酸90を0.70g、日本薬局方濃グリセリン10.50gを入れ、55℃までプロペラで攪拌下加熱する。そこへ予め80℃で均一に溶解した0.17gの18−MEA、0.23gのファーミンDM E−80、コータミン2285E(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムのエタノール溶液、純度80%、分子量404.16、花王株式会社製)を1.40g、0.52gのDPG−RF、8.75gのカルコール6850から成る油相を添加し、10分間300rpmで攪拌して乳化した。その後35℃以下まで放冷を行い、洗い流さない形態で使用するトリートメントとした。
(洗い流さない形態で使用するトリートメントの評価方法)
(ダメージ毛の毛束の作製)
パーマやヘアカラー等の化学処理を行っていない日本人女性毛髪を用い、長さ15cm、幅3cm、毛髪重量3gの毛束を作製した。次にこの毛束にブリーチ処理(花王株式会社製、プリティアふんわり泡カラー ハイブリーチ)を2回行いダメージ毛の毛束を作製した。
(毛束の処理方法)
ダメージ毛の毛束をプレーンシャンプー(花王株式会社製キュレルシャンプー)で洗浄後、乾燥したタオルで水分を除去した。このダメージ毛の毛束に実施例12記載及び比較例5記載の毛髪処理剤を0.3g均一に塗布し、ウエット毛塗布時の『なめらかさ』及び『指通りのよさ(すべり)』について評価を行った。次に70℃のドライヤー温風をあてながら、リングコームを用いて5分間クシ通し仕上た毛束について、ドライヤー仕上後の『なめらかさ』及び『まとまり』について評価を行った。
評価は専門パネラー5人が5段階評価を行い、その平均値を取った。ウエット毛塗布時及びドライヤー仕上後についてそれぞれ評価を行い、両方の評価において平均点が3点以上であれば合格品とした。
(評価基準)
(ウエット毛塗布時)
5:ウエット塗布時のなめらかさ、指通りのよさ共に優れる
4:ウエット塗布時のなめらかさ、指通りのよさ共に良好
3:ウエット塗布時のなめらかさ、又は指通りのよさのどちらかが良好
2:ウエット塗布時のなめらかさ、又は指通りのよさのどちらかが劣る
1:ウエット塗布時のなめらかさ、又は指通りのよさのどちらも劣る
(ドライヤー仕上後)
5:ドライヤー仕上後のなめらかさ、まとまり共に優れる
4:ドライヤー仕上後のなめらかさ、まとまり共に良好
3:ドライヤー仕上後のなめらかさ、又はまとまりのどちらかが良好
2:ドライヤー仕上後のなめらかさ、又はまとまりのどちらかが劣る
1:ドライヤー仕上後のなめらかさ、又はまとまりのどちらも劣る
Figure 2011007525

Claims (10)

  1. 成分(A)一般式(1)で表される分岐脂肪酸
    Figure 2011007525
    (式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、nは5〜36の整数を示す。);
    成分(B)一般式(2)で表される第3級アミン
    Figure 2011007525
    (式中、Rは、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R及びRは、同一又は異なる炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)mH(AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは1〜6の数を示し、m個のAOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。);
    成分(C)炭素数1〜10の有機酸
    を含有する油相を当該油相の融点以上の温度で溶解させる工程と、溶解した油相に水相を加えながら混合する工程を含む、連続相が水相であるベシクル組成物の製造方法。
  2. 油相が更に(D)多価アルコールを含有する請求項1のベシクル組成物の製造方法。
  3. 前記成分(A)、(B)及び(C)において、(A)+(C)の酸当量と(B)の塩基当量の比が0.5〜2である請求項1又は2に記載のベシクル組成物の製造方法。
  4. ベシクル組成物中の前記成分(A)、(B)及び(C)の合計が1〜20重量%であって、ベシクル組成物中の成分(A)の含有量(体積)に対して4体積倍以上のベシクルを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
  5. ベシクルが球状である場合の平均粒径が2〜20μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のベシクル組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法で製造されるベシクル組成物。
  7. コンディショナーまたはリンスの形態であり、1種または複数の界面活性剤と脂肪アルコールと乳化シリコーン粒子を含むベースコンディショナーまたはリンスに、請求項6に記載のベシクル組成物を添加することで得られる毛髪化粧料。
  8. 成分(A)、(B)、(C)及び水から形成される連続相が水相であるベシクル組成物であって、ベシクル組成物中の成分(A)の含有量に対して4体積倍以上のベシクルを含有する、連続相が水相であるベシクル組成物:
    (A)一般式(1)で表される分岐脂肪酸
    Figure 2011007525
    (式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、nは5〜36の整数を示す。);
    (B)一般式(2)で表される第3級アミン
    Figure 2011007525
    (式中、Rは、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R及びRは、同一又は異なる炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)mH(AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、mは1〜6の数を示し、m個のAOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。);
    (C)炭素数1〜10の有機酸。
  9. 更に(D)多価アルコールを含有する請求項8に記載のベシクル組成物。
  10. ベシクルが球状である場合の平均粒径が2〜20μmである請求項8または9に記載のベシクル組成物。
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