JP5881042B2 - 乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5881042B2
JP5881042B2 JP2011527914A JP2011527914A JP5881042B2 JP 5881042 B2 JP5881042 B2 JP 5881042B2 JP 2011527914 A JP2011527914 A JP 2011527914A JP 2011527914 A JP2011527914 A JP 2011527914A JP 5881042 B2 JP5881042 B2 JP 5881042B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
solvent
emulsifier
mixed
hydrophilic nanoparticles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011527914A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011162093A1 (ja
Inventor
田嶋 和夫
和夫 田嶋
今井 洋子
洋子 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanagawa University
Original Assignee
Kanagawa University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanagawa University filed Critical Kanagawa University
Priority to JP2011527914A priority Critical patent/JP5881042B2/ja
Publication of JPWO2011162093A1 publication Critical patent/JPWO2011162093A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5881042B2 publication Critical patent/JP5881042B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K23/00Use of substances as emulsifying, wetting, dispersing, or foam-producing agents
    • C09K23/002Inorganic compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、乳化物製造用として用いる親水性ナノ粒子の製造方法、該親水性ナノ粒子を用いた乳化物の製造方法、該親水性ナノ粒子を使用する方法、乳化剤の製造方法、乳化剤調製液に関する。
従来、機能性油性基剤または機能性顆粒を水に乳化分散させる場合には、機能性油性基剤の所要HLBや顆粒表面の性質に応じて界面活性剤を選択し、乳化分散を行っていた。また、乳化剤として用いられる界面活性剤の所要HLB値は、O/W型エマルションを作る場合とW/O型エマルションを作る場合とのそれぞれに応じて使い分ける必要があり、しかも、熱安定性や経時安定性が十分でないため、多種多様な界面活性剤を混合して用いていた(非特許文献1〜4等参照)。
しかしながら、界面活性剤は、生分解性が低く、泡立ちの原因となるので、環境汚染などの深刻な問題となっている。また、機能性油性基剤の乳化製剤の調製法として、HLB法、転相乳化法、転相温度乳化法、ゲル乳化法等の物理化学的な乳化方法が一般に行われているが、いずれも油/水界面の界面エネルギーを低下させ、熱力学的に系を安定化させる作用をエマルション調製の基本としているので、最適な乳化剤を選択するために非常に煩雑かつ多大な労力を有しており、まして、多種類の油が混在していると、安定に乳化させることは殆ど不可能であった。
そこで、特許文献1には、自発的に閉鎖小胞を形成する両親媒性物質により形成され、200nm〜800nmの粒度分布を有する親水性ナノ粒子を含有する乳化剤が開示されている。
特許第3855203号公報
"Emulsion Science" Edited by P. Sherman, Academic Press Inc. (1969) "Microemulsions−Theory and Practice" Edited by Leon M. price, Academic Press Inc. (1977) 「乳化・可溶化の技術」 辻薦,工学図書出版(1976) 「機能性界面活性剤の開発技術」 シー・エム・シー出版(1998)
しかし、特許文献1に示される乳化剤は、両親媒性物質の粘性等が高く水への分散性が悪いため、親水性ナノ粒子を効率的に生成することが困難である。ここで、多量の両親媒性物質を水に添加すると、ゲル化や固化等するため、調製された親水性ナノ粒子分散液が期待する乳化能を得ることは難しくなる。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、幅広い範囲の量の親水性ナノ粒子を製造できる親水性ナノ粒子の製造方法、乳化剤の製造方法、及び乳化剤調製液を提供することを目的とする。また、本発明は、親水性ナノ粒子の新規用途を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、両親媒性物質を良溶媒中に溶解させ、溶液を水と混合することで、乳化作用を有する親水性ナノ粒子が析出することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 乳化物の製造に用いられる親水性ナノ粒子の製造方法であって、
両親媒性物質を、前記両親媒性物質に対する良溶媒に溶解させる調液工程と、
前記調液工程において得られた溶液を水と混合することで、乳化作用を有する親水性ナノ粒子として前記両親媒性物質を析出させる析出工程と、を有する親水性ナノ粒子の製造方法。
(2) 前記両親媒性物質が、下記の一般式で表されるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の誘導体であって、前記誘導体のエチレンオキシドの平均付加モル数(E)が3〜100である(1)に記載の親水性ナノ粒子の製造方法。
Figure 0005881042
(3) 前記調液工程では、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の誘導体に対して0.1〜0.33モル分率の界面活性剤を更に溶解させる(2)に記載の親水性ナノ粒子の製造方法。
(4) 前記良溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、ter−ブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール、メチルエチルケトン、1,3−プロパンジオール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、1,4−ジオキサン、ジエチレンオキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、アセトン、及びテトラヒドロフランからなる群から選ばれる1種若しくは2種以上である溶媒、又は該溶媒と水との混合溶媒である(1)から(3)いずれかに記載の親水性ナノ粒子の製造方法。
(5) 乳化作用を有する親水性ナノ粒子を含有する乳化剤の製造方法であって、
両親媒性物質を、前記両親媒性物質に対する良溶媒に溶解させる調液工程と、
前記調液工程において得られた溶液を水と混合することで、乳化作用を有する親水性ナノ粒子として前記両親媒性物質を析出させる析出工程と、を有する乳化剤の製造方法。
(6) 両親媒性物質を、前記両親媒性物質に対する良溶媒中に溶解状態で含有し、
水と混合することで、前記両親媒性物質が乳化作用を有する親水性ナノ粒子として析出する乳化剤調製液。
(7) 界面活性剤では乳化させることが困難な条件下で乳化物を製造するために、両親媒性物質により形成された親水性ナノ粒子を使用する方法。
本発明によれば、両親媒性物質が良溶媒中に溶解された溶液を水と混合することで、乳化作用を有する親水性ナノ粒子が析出する。このため、良溶媒への両親媒性物質の溶解量を適宜調節することで、幅広い範囲から所望の量の親水性ナノ粒子を製造でき、親水性ナノ粒子を製造できる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、これが本発明を限定するものではない。
[親水性ナノ粒子の製造方法]
本発明の親水性ナノ粒子は、乳化物の製造に用いるものであり、その製造方法は調液工程と析出工程とを有する。以下、各構成を詳細に説明する。
<調液工程>
調液工程では、両親媒性物質を、この両親媒性物質に対する良溶媒に溶解させる。本発明で用いる両親媒性物質としては、特に限定されないが、下記の一般式1で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体、もしくは一般式2で表されるジアルキルアンモニウム誘導体、トリアルキルアンモニウム誘導体、テトラアルキルアンモニウム誘導体、ジアルケニルアンモニウム誘導体、トリアルケニルアンモニウム誘導体、又はテトラアルケニルアンモニウム誘導体のハロゲン塩の誘導体が挙げられる。
一般式1
Figure 0005881042
式中、エチレンオキシドの平均付加モル数であるEは、3〜100である。Eが過大になると、両親媒性物質を溶解する良溶媒の種類が制限されるため、親水性ナノ粒子の製造の自由度が狭まる。Eの上限は好ましくは50であり、より好ましくは40であり、Eの下限は好ましくは5である。
一般式2
Figure 0005881042
式中、R1及びR2は、各々独立して炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基であり、R3及びR4は、各々独立して水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、XはF、Cl、Br又はIである。
調液工程では、親水性ナノ粒子の乳化対象への付着力を高めるために、親水性ナノ粒子をイオン化してもよい。カチオン化のためには、イオン性界面活性剤として、アルキルまたはアルケニルトリメチルアンモニウム塩(炭素鎖長12〜22)、好ましくは、炭素鎖長16のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(Hexadecyltrimethylammonium Bromide:以下、CTABという)、アニオン化のためには、アルキル硫酸エステル塩(CnSO 炭素鎖長n=8〜22、M:アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩など)、アルキルスルホン酸塩(CnSO 炭素鎖長8〜22、M:アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩など)などを用いることができる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の誘導体、例えばHCO−10(一般式1においてEが10である場合)と、CTABとの混合ベシクルにおいて、CTABのモル分率(Xs)は、0.1未満であると、混合ベシクルのカチオン性が一定に保ちにくく、0.33超であると、安定した混合ベシクルを得られにくくなる。そこで、Xsは0.1以上0.33以下であることが好ましい。
また、親水性ナノ粒子を形成する両親媒性物質としては、リン脂質やリン脂質誘導体等を採用してもよい。リン脂質としては、下記の一般式3で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPC(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長14のDMPC(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長16のDPPC(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)が採用可能である。
一般式3
Figure 0005881042
また、下記の一般式4で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPG(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩、炭素鎖長14のDMPG(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩、炭素鎖長16のDPPG(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩を採用してもよい。
一般式4
Figure 0005881042
さらに、リン脂質としては、他のグリセロリン脂質(レシチン、エタノールアミン,セリン,イノシトールなど)、スフィンゴリン脂質が挙げられる。卵黄レシチンまたは大豆レシチンなどの天然物質を採用してもよい。なお、被乳化油性成分を上記親水性ナノ粒子により形成される乳化剤を用いて乳化分散する場合には、被乳化油性成分と前記乳化剤との質量比を4〜200として接触、混和させるとよい。
<良溶媒>
本発明で用いる良溶媒は、用いる両親媒性物質を溶解する能力を有し、かつ水への混合性を有するものである。良溶媒には多量の両親媒性物質を溶解でき、その溶液を良溶媒の水混合性に応じた量で混合できるので、所望量の親水性ナノ粒子の製造が可能である。
良溶媒は、前述のとおり、用いる両親媒性物質に応じて適宜選択されてよいが、例えば、水への混合性に優れる点で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、ter−ブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール、メチルエチルケトン、1,3−プロパンジオール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、1,4−ジオキサン、ジエチレンオキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、アセトン、及びテトラヒドロフランからなる群から選ばれる1種若しくは2種以上である溶媒、又は該溶媒と水との混合溶媒であることが好ましい。水を含む混合溶媒の場合、水の含有率は、両親媒性物質の溶解度を所望の程度を下回らない範囲で、適宜設定されてよい。
なお、良溶媒は、上記のものに限られず、ベンジルアルコール、n−ブタノール等であってもよい。これらの溶媒は、水への混合性が優れてはいないが、両親媒性物質の溶解能に優れるため、多くの両親媒性物質を高濃度で溶解する溶液を形成できる。これにより、水と混合する溶液の量が少量に抑えられるため、水への混合性に低さが問題となりにくい。このように、本発明における良溶媒は、両親媒性物質の溶解度と水への混合性とのバランスを考慮して、適宜選択されてよい。
<析出工程>
析出工程では、調液工程において得られた溶液を水と混合することで、乳化作用を有する親水性ナノ粒子として両親媒性物質を析出させる。
溶液と水との混合は、撹拌等の外的作用を介して行ってもよく、良溶媒の水混合性に依存した拡散による自発的なものであってもよい。ただし、効率の観点からは前者が好ましい。なお、撹拌は、溶液の水への添加もしくは水の溶液への添加と同時に行ってもよく、添加後に行ってもよい。なお、水は、イオン交換水、純水、超純水、水道水のいずれでもよく、求められる純度に応じて適宜選択されてよい。
このようにして析出する親水性ナノ粒子は、分散液中0.1〜20質量%で存在する場合に、平均粒子径20nm〜800nm程度である。かかる粒度分布を有する親水性ナノ粒子は、使用時にエマルション形成の工程で親水性ナノ粒子が細粒化されることで、平均粒子径8〜500nm程度の優れた安定したエマルション形成作用を呈することになる。なお、本明細書における平均粒子径は個数頻度に基づく平均値を指し、測定装置は「FPAR(大塚電子(株)社製)」である。
[乳化剤の製造方法]
本発明は、親水性ナノ粒子を含有する乳化剤の製造方法も提供する。この方法は、前述した親水性ナノ粒子を製造する方法と同様の工程を有する。
析出した親水性ナノ粒子は、水及び良溶媒の混合溶媒中に分散している。かかる分散液は、親水性ナノ粒子による乳化の対象に応じて適宜処理してもよく、無処理のまま乳化剤としてもよい。
乳化物が、例えば生体に使用される物、具体的には被摂取物(例えば飲食品、経口投与製剤)、外用剤、化粧品、農薬等、あるいは良溶媒に侵される物(例えば、タンパク質)として使用される場合には、安全性の向上や刺激性の低下等の観点から、良溶媒の含有量が低いことが好ましい。そこで、良溶媒の含有量を低減させる処理(例えば分留、水希釈)を行ってもよい。分散液における水含有率が過大であると、親水性ナノ粒子の保存性が低下するため、良溶媒の含有量を低減させる処理(例えば分留、水希釈)は、乳化の長時間前に行わないことが望ましい。なお、乳化物が、生体に使用されない物、例えば燃料、塗料等に使用される場合には、上記処理を行わなくてもよい。
[使用]
前述した方法で製造される親水性ナノ粒子及び乳化剤は、種々の油性物質の乳化に使用できる。具体的には、乳化剤に、水相に分配される物質を適宜添加し又は添加せずに、油性物質と混合することで、油性物質を含む油相と、水相とが分散したエマルションを製造できる。なお、油性物質とは、油のみ又は油を主成分として含む物質をいう。詳細な使用手順は、特許第3855203号公報に記載されている。
親水性ナノ粒子及び乳化剤は、機能性油性基剤と水、または機能性顆粒と水などの界面に対して、熱安定性や経時安定性に優れた乳化分散系を形成できる。このため、本発明の乳化分散剤は、長期間に亘る幅広い温度領域での安定な乳化に使用できる。また、一種類の乳化分散剤を用いて、被乳化油剤の所要HLB値又は機能性顆粒の表面状態に関係なく、油性物質を乳化分散できるので、炭化水素系油剤やシリコン系油剤の乳化にも使用できる。このため、多種類の混在している油を併せて乳化するためにも使用できる。従って、本発明の親水性ナノ粒子及び乳化剤は、軽油、A重油、C重油、タール、バイオディーゼル燃料、再生重油、廃食油、化粧油、食用油、工業用油剤(例えばシリコン油、灯油)等の種々の油への水の乳化に使用し得る。
その他、本発明の親水性ナノ粒子及び乳化剤は、界面活性剤では乳化させることが困難な条件下で乳化物を製造するために使用し得る。かかる条件としては、強酸性(例えばpH4以下)及び強塩基性(例えばpH12以上)の条件、高塩濃度(例えば0.1モル/L以上)の条件、天然物油剤(植物油、鉱物油)の乳化、高融点(例えば50℃以上)の油剤(乳化時は高温で液状、乳化後に固化してしまう油剤)の乳化が挙げられる。
(参考例)
前述した一般式1におけるエチレンオキシドの平均付加モル数(E)が100であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の誘導体(HCO−100)を、種々の割合で60℃の水に滴下して撹拌した。その混合物の状態を表1に示す。
Figure 0005881042
次に、HCO−100、水及びエタノール又はイソプロピルアルコールを7:1.5:1.5(質量比)の比率で混合した。すると、エタノール及びイソプロピルアルコールのいずれを用いた場合も、混合物は均一な液体であった。従って、水のみの溶媒を用いた場合にはゲル化するような多量の両親媒性物質も、良溶媒を用いることで溶解できることが確認された。
本発明者らが、各々の両親媒性物質に関し、溶解性に優れる良溶媒を調査した結果を次に示す。なお、表2において、○は溶液を形成したこと、×は溶液を形成できない又は沈殿を生じたことを示す。
Figure 0005881042
Figure 0005881042
Figure 0005881042
<実施例1> ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の誘導体
HCO−10、水及びエタノールを7:1.5:1.5(質量比)の比率で混合して得られる溶液10mLを、25℃の水1Lに添加し、500rpmで5分間に亘って撹拌することによって混合した。得られた混合物について、粒度分布測定装置FPAR(大塚電子(株)社製)で粒度分布を測定したところ、親水性ナノ粒子の存在を示すピークが400nm付近の他、数μmの所にもピークが確認された。
(比較例)
前述した一般式1におけるエチレンオキシドの平均付加モル数(E)が10であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の誘導体(HCO−10)を、60℃の水に滴下した。HCO−10の滴下量は、質量比1:9(HCO−10:水)とした。得られた混合物について、粒度分布測定装置FPAR(大塚電子(株)社製)で粒度分布を測定したところ、親水性ナノ粒子の存在を示すピークが400nm付近の他、数μmの所にもピークが確認された。
(評価)
実施例1及び比較例の分散液を、表3及び4に示す各質量比でA−重油と、室温でホモミキサーを用いて、8000rpmで約5分間撹拌して乳化し、その乳化状態を評価した。なお、評価基準は、次の通りである。
○:相分離なし、△:比重差による分離(コアセルベーション)、×:分離
1:O/W型エマルション、2:W/O型エマルション、3:W/Oエマルションと分離水相
Figure 0005881042
Figure 0005881042
表3及び4に示されるように、比較例の分散液では、80質量%以上のA重油を乳化できず、また60〜70質量%のA重油の乳化安定性が不充分であった。これに対し、実施例1の分散液では、あらゆる量、少なくとも95質量%以下の量のA重油が、安定的にかつ良好に乳化された。
<実施例2> リン脂質
表2に示す、水素化レシチンのクロロホルム溶液を、実施例1と同様の手順で、水と混合した。得られた混合物について、実施例1と同様に粒度分布を測定したところ、親水性ナノ粒子の存在を示すピークが100nm付近に確認された。
得られた分散液を、表5に示す条件の範囲で各油と実施例1と同様に撹拌して乳化し、その乳化状態を評価した。評価基準は前述のとおりである。
Figure 0005881042
表5に示されるように、実施例2の分散液は、種々の油を幅広い範囲の混合量比に亘って安定に乳化した。

Claims (4)

  1. 乳化作用を有する親水性ナノ粒子を含有する乳化剤の製造方法であって、
    両親媒性物質を、前記両親媒性物質に対する良溶媒に溶解させる調液工程と、
    前記調液工程において得られた溶液を水と別途混合することで、乳化作用を有する親水性ナノ粒子として前記両親媒性物質を析出させる析出工程と、を有し、
    前記良溶媒が水を含む混合溶媒である場合、該良溶媒中の水の含有率は、50質量%以下であり、該混合溶媒に含まれる水は、前記析出工程において別途混合される水でない、乳化剤の製造方法(ただし、リン脂質である両親媒性物質を除く)。
  2. 両親媒性物質を、前記両親媒性物質に対する良溶媒中に溶解状態で含有する乳化剤調製液であって
    該乳化剤調製液は、水と別途混合することで、前記両親媒性物質が乳化作用を有する親水性ナノ粒子として析出するものであり
    前記良溶媒が水を含む混合溶媒である場合、該良溶媒中の水の含有率は、50質量%以下であ該混合溶媒に含まれる水は、前記乳化剤調製液において親水性ナノ粒子が析出する際に該乳化剤調製液と混合される水でない、乳化剤調製液(ただし、リン脂質である両親媒性物質を除く)。
  3. 乳化作用を有する親水性ナノ粒子を含有する乳化剤の製造方法であって、
    両親媒性物質を、前記両親媒性物質に対する良溶媒に溶解させる調液工程と、
    前記調液工程において得られた溶液を水と別途混合することで、乳化作用を有する親水性ナノ粒子として前記両親媒性物質を析出させる析出工程と、を有し、
    前記両親媒性物質が、水素化レシチン又はレシチンであり、
    前記両親媒性物質が水素化レシチンである場合、前記良溶媒は、クロロホルムからなる溶媒、又は該溶媒と水との混合溶媒であり、
    前記両親媒性物質がレシチンである場合、前記良溶媒は、テトラヒドロフランもしくはクロロホルムからなる溶媒、又は該溶媒と水との混合溶媒であり、
    前記良溶媒が水を含む混合溶媒である場合、該良溶媒中の水の含有率は、50質量%以下であり、該混合溶媒に含まれる水は、前記析出工程において別途混合される水でない、乳化剤の製造方法。
  4. 両親媒性物質を、前記両親媒性物質に対する良溶媒中に溶解状態で含有する乳化剤調製液であって
    該乳化剤調製液は、水と別途混合することで、前記両親媒性物質が乳化作用を有する親水性ナノ粒子として析出するものであり
    前記両親媒性物質が、水素化レシチン又はレシチンであり、
    前記両親媒性物質が水素化レシチンである場合、前記良溶媒は、クロロホルムからなる溶媒、又は該溶媒と水との混合溶媒であり、
    前記両親媒性物質がレシチンである場合、前記良溶媒は、テトラヒドロフランもしくはクロロホルムからなる溶媒、又は該溶媒と水との混合溶媒であり、
    前記良溶媒が水を含む混合溶媒である場合、該良溶媒中の水の含有率は、50質量%以下であ該混合溶媒に含まれる水は、前記乳化剤調製液において親水性ナノ粒子が析出する際に該乳化剤調製液と混合される水でない、乳化剤調製液。
JP2011527914A 2010-06-23 2011-06-07 乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法 Active JP5881042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011527914A JP5881042B2 (ja) 2010-06-23 2011-06-07 乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010142968 2010-06-23
JP2010142968 2010-06-23
JP2011527914A JP5881042B2 (ja) 2010-06-23 2011-06-07 乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法
PCT/JP2011/063015 WO2011162093A1 (ja) 2010-06-23 2011-06-07 乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011162093A1 JPWO2011162093A1 (ja) 2013-08-19
JP5881042B2 true JP5881042B2 (ja) 2016-03-09

Family

ID=45371289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011527914A Active JP5881042B2 (ja) 2010-06-23 2011-06-07 乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5881042B2 (ja)
WO (1) WO2011162093A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016005006A1 (de) 2014-07-11 2016-01-14 Trumpf Lasersystems For Semiconductor Manufacturing Gmbh Treiberlaseranordnung, euv-strahlungserzeugsvorrichtung und verfahren zum verstärken von gepulster laserstrahlung
EP3381244B1 (de) 2015-11-27 2022-06-08 TRUMPF Lasersystems for Semiconductor Manufacturing GmbH Treiberlaseranordnung, euv-strahlungserzeugungsvorrichtung und verfahren zum verstärken von laserpulsen

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63116737A (ja) * 1986-07-15 1988-05-21 シラグ・リミテツド 一様な二重層化されたリポソームの製造法
JP2002536316A (ja) * 1999-02-08 2002-10-29 アルザ・コーポレーション リポソームサイズを調節する方法
WO2005096711A2 (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Kanagawa University 乳化分散剤及びこれを用いた乳化分散方法、乳化物、並びにエマルション燃料
WO2006121017A1 (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Fujifilm Corporation 有機粒子の製造方法
JP2007061688A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Mitsubishi Chemicals Corp 有機化合物微粒子の調製条件の探索方法
WO2010064678A1 (ja) * 2008-12-03 2010-06-10 株式会社 資生堂 水中油型化粧料

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4178397B2 (ja) * 2002-08-12 2008-11-12 学校法人神奈川大学 混合ベシクル、これを用いたエマルション、及びこれらの調製方法
JP3855203B2 (ja) * 2004-04-05 2006-12-06 学校法人神奈川大学 乳化分散剤及びこれを用いた乳化分散方法並びに乳化物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63116737A (ja) * 1986-07-15 1988-05-21 シラグ・リミテツド 一様な二重層化されたリポソームの製造法
JP2002536316A (ja) * 1999-02-08 2002-10-29 アルザ・コーポレーション リポソームサイズを調節する方法
WO2005096711A2 (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Kanagawa University 乳化分散剤及びこれを用いた乳化分散方法、乳化物、並びにエマルション燃料
WO2006121017A1 (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Fujifilm Corporation 有機粒子の製造方法
JP2007061688A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Mitsubishi Chemicals Corp 有機化合物微粒子の調製条件の探索方法
WO2010064678A1 (ja) * 2008-12-03 2010-06-10 株式会社 資生堂 水中油型化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011162093A1 (ja) 2011-12-29
JPWO2011162093A1 (ja) 2013-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3855203B2 (ja) 乳化分散剤及びこれを用いた乳化分散方法並びに乳化物
CN1243079C (zh) 官能化立方液晶相物质及其制备和使用方法
US9366387B2 (en) Process of preparing improved heavy and extra heavy crude oil emulsions by use of biosurfactants in water and product thereof
CN1324112C (zh) 官能化立方液晶相物质及其制备和使用方法
CN102258959B (zh) 乳化分散剂及使用其的乳化分散方法、乳化物及乳液燃料
JP6707727B2 (ja) 乳化物及び乳化物の製造方法
US20020160040A1 (en) Cubic liquid crystalline compositions and methods for their preparation
Silva et al. Size, Charge, and Stability of Fully Serine‐Based Catanionic Vesicles: Towards Versatile Biocompatible Nanocarriers
CN103788402B (zh) 一种碳量子点/锂皂石乳液稳定体系及制备石蜡乳液的方法
JPS5858392B2 (ja) 安定化した鉱油中水滴エマルシヨン
JP2010104946A (ja) 逆ベシクルを用いて形成された油中水(w/o)型エマルション
CN112108075B (zh) 一种Pickering乳化剂及其制备方法与应用
KR102407260B1 (ko) 유중 나노입자 분산체의 제조방법
TW201929835A (zh) 脂質微粒子分散物
JP5881042B2 (ja) 乳化物製造用親水性ナノ粒子の製造方法
US20040127612A1 (en) Emulsions including surface-modified organic molecules
JP2007161683A (ja) 乳化液体の製造方法
Ito et al. Two-step emulsification process for water-in-oil-in-water multiple emulsions stabilized by lamellar liquid crystals
JP2007074909A (ja) 可食性エマルション及びその製造方法
KR20240140984A (ko) 하이드로트로프로부터 구축된 현탁 시스템
JP3202984B2 (ja) 親油性乳化剤を用いて成るo/wエマルション
JPWO2006011448A1 (ja) 植物油用乳化剤
EP3154670B1 (en) Emulsification of hydrophobic organophosphorous compounds
JP6274477B2 (ja) 乳化剤製造用材料の製造方法、乳化剤製造用材料、及び乳化剤の製造方法
CA2803770C (en) Process for producing emulsifier-producing material, process for producing emulsifier, emulsifier for orally administered composition, and orally administered composition

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130617

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140704

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140711

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20140926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5881042

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250