JP2017066291A - 再剥離性シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1種の感圧接着剤組成物の1回の塗工により、剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層を同一の基材シート上に同時に形成できる再剥離性シートの製造方法の提供。【解決手段】基材シート11上に感圧接着剤層13を備え、感圧接着剤層13を介して基材シート11の重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着でき、剥離強度が異なる第1領域131及び第2領域132を感圧接着剤層13が有する再剥離性シート1の製造に際して、表面に単位面積あたり異なる量の感圧接着剤組成物を保持可能な二以上の領域を有する転写ロールを用いて、感圧接着剤組成物を基材シート11上に1回塗工することで、基材シート11上に、単位面積あたりの前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の領域を有する塗工層を形成し、この感圧接着剤組成物の塗工量の違いに基づいて、第1領域131及び第2領域132を有する感圧接着剤層13を前記塗工層から形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、再剥離性を有する感圧接着剤層を備えた再剥離性シートの製造方法に関する。
基材シート上に再剥離性を有する感圧接着剤層を備え、この接着剤層を介して基材シート同士を圧着させ、再剥離可能に接着させた再剥離性シートは、種々の用途で使用され、広く社会に普及している。
このような再剥離性シートの代表的なものとしては、感圧圧着ハガキが例示され、親展性を有するハガキシステムで汎用されている。
親展性を有するハガキシステムは、例えば、個人的用件、プリント情報、印刷情報等の各種情報が記載されたハガキを折り込み、切り重ね、あるいは別体同士を重ね合わせる等、各種の重ね合わせ態様で再剥離可能に接着し、各種情報を隠蔽した後、郵送し、受取人が重ね合わせ面を再剥離して、隠蔽情報を読み取るものである。このような親展性を有するハガキシステムは、その利便性から、必要不可欠なものとなっている。
このような再剥離性シートは、例えば、基材シートの目的とする箇所に印字や印刷を行って印刷層を形成しておき、さらにこれら基材シート及び印刷層の上で重ね合わせ面となる箇所に感圧接着剤層を形成し、この感圧接着剤層を介して基材シート同士を重ね合わせ面において圧着させることで、製造できる。
また、再剥離性シートは、例えば、基材シートの重ね合わせ面となる箇所に、感圧接着剤層を形成しておき、さらにこれら基材シート及び感圧接着剤層の上で重ね合わせ面となる箇所に、印字や印刷を行って印刷層を形成し、感圧接着剤層を介して基材シート同士を重ね合わせ面において圧着させることでも、製造できる。
感圧接着剤層は、通常、接着力を発現する接着剤基剤と、接着力を弱める充填材等の接着力調節剤と、を含有する感圧接着剤組成物を用いて形成される。そして、接着させた後の基材シート同士を適切に再剥離させる再剥離性は、おもに前記組成物、換言すると感圧接着剤層の接着剤基剤及び接着力調節剤の種類並びに含有量によって、調節される。
一方、感圧接着剤層の所定の領域において、接着力調節剤を用いずに接着力を弱める(換言すると剥離強度を低くする)ように設計された再剥離性シートとしては、基材シート同士の重ね合わせ前に、感圧接着剤層の所定辺部をあらかじめ直接加圧処理することで、この部位の接着力を弱めておいてから、基材シート同士を重ね合わせたものが開示されている(特許文献1参照)。また、常温、常圧、常湿状態では接着性を示さずに、特定条件下での接着後に再剥離可能となる弱接着剤層を基材シートの重ね合わせ面の全面に形成した後、常温、常圧状態では接着性を示さずに、特定条件下での接着後に再剥離不可能となる強接着剤層を基材シートの重ね合わせ面の周縁部に形成するなど、種類が異なる感圧接着剤組成物を併用したものも開示されている(特許文献2参照)。
特開2000−071652号公報 特開平6−072074号公報
しかし、特許文献1で開示されている再剥離性シートは、その製造時に接着力を弱めた領域を設ける工程が別途必要であり、製造工程数が増加してしまうという問題点があった。
また、特許文献2で開示されている再剥離性シートは、少なくとも2種の感圧接着剤組成物を併用する必要があるという問題点があった。
そこで、本発明は、同一の基材シート上に剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層を備えた再剥離性シートの製造方法であって、1種の感圧接着剤組成物を用いて、その1回の塗工により、剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層を同時に形成できる再剥離性シートの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、基材シート上に感圧接着剤層を備え、前記感圧接着剤層を介して前記基材シートの重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着でき、剥離強度が異なる二以上の領域を前記感圧接着剤層が有する再剥離性シートの製造方法であって、転写ロールを用いて、前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シート上に塗工して、塗工層を形成する工程と、前記塗工層から前記感圧接着剤層を形成する工程と、を有し、前記転写ロールはその表面に、単位面積あたり異なる量の前記感圧接着剤組成物を保持可能な二以上の領域を有し、前記塗工層を形成する工程において、前記転写ロールから前記基材シートへの、前記感圧接着剤組成物の1回の転写によって、前記基材シート上に、単位面積あたりの前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の領域を有する前記塗工層を形成し、前記感圧接着剤層を形成する工程において、前記感圧接着剤組成物の塗工量の違いに基づいて、剥離強度が異なる二以上の領域を有する前記感圧接着剤層を形成する、再剥離性シートの製造方法を提供する。
本発明の再剥離性シートの製造方法においては、前記転写ロールとしてアニロックスロールを用い、前記アニロックスロールは、塗工する前記感圧接着剤組成物を充填するためのセルを表面に有し、前記セルは、前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の前記領域を同時に形成可能な互いに異なるパターンを有することが好ましい。
本発明の再剥離性シートの製造方法は、前記感圧接着剤層を形成する工程後に、さらに、前記基材シートの重ね合わせ面同士を、前記感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着する工程を有していてもよい。
本発明によれば、同一の基材シート上に剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層を備えた再剥離性シートの製造方法であって、1種の感圧接着剤組成物を用いて、その1回の塗工により、剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層を同時に形成できる再剥離性シートの製造方法が提供される。
本発明の製造方法で得られる再剥離性シートの一実施形態を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の製造方法で得られる再剥離性シートの他の実施形態を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の製造方法で得られる再剥離性シートの他の実施形態を模式的に示す拡大断面図である。 図1に示す再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層によって基材シートの重ね合わせ面同士が接着された状態となったものを模式的に示す拡大断面図である。 図2に示す再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層によって基材シートの重ね合わせ面同士が接着された状態となったものを模式的に示す拡大断面図である。 線数が互いに異なる領域を表面に有するアニロックスロールでのセルのパターンの一例を示す模式図である。 アニロックスロールでの深さが互いに異なるセルの一例を模式的に示す断面図である。 図1に示す再剥離性シートの製造方法の一実施形態を模式的に説明するための拡大断面図である。 図2に示す再剥離性シートの製造方法の一実施形態を模式的に説明するための拡大断面図である。 再剥離性シートの一例である三つ折りハガキの表面展開図である。 図10に示す三つ折りハガキの裏面展開図である。 実施例1で製造した再剥離性シートの平面図である。 実施例2で製造した再剥離性シートの平面図である。
<<再剥離性シートの製造方法>>
本発明の再剥離性シートの製造方法は、基材シート上に感圧接着剤層を備え、前記感圧接着剤層を介して前記基材シートの重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着でき、剥離強度が異なる二以上の領域を前記感圧接着剤層が有する再剥離性シートの製造方法であって、転写ロールを用いて、前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シート上に塗工して、塗工層を形成する工程(以下、「塗工層形成工程」と略記することがある)と、前記塗工層から前記感圧接着剤層を形成する工程(以下、「感圧接着剤層形成工程」と略記することがある)と、を有し、前記転写ロールはその表面に、単位面積あたり異なる量の前記感圧接着剤組成物を保持可能な二以上の領域を有し、前記塗工層形成工程において、前記転写ロールから前記基材シートへの、前記感圧接着剤組成物の1回の転写によって、前記基材シート上に、単位面積あたりの前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の領域を有する前記塗工層を形成し、前記感圧接着剤層形成工程において、前記感圧接着剤組成物の塗工量の違いに基づいて、剥離強度が異なる二以上の領域を有する前記感圧接着剤層を形成するものである。
前記再剥離性シートにおいて、前記感圧接着剤層が有する、剥離強度が異なる二以上の領域は、接着させた基材シート同士を再剥離させるときの剥離強度が明確に互いに異なる。
以下、まず、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートについて説明する。
<再剥離性シート>
前記感圧接着剤層は、前記基材シート上の単位面積あたりに塗工されている感圧接着剤組成物の量(単位面積塗工量)が異なる二以上の領域を有することに起因して、剥離強度が異なる二以上の領域を有している。ここで、「基材シート上の単位面積」とは、基材シート上に直接感圧接着剤層を備えている部分では、基材シートの表面の単位面積を意味し、基材シート上に後述する印刷層等の他の層を介して感圧接着剤層を備えている部分では、前記他の層の表面の単位面積を意味する。
本発明の製造方法は、このような感圧接着剤層の形成を、同一の感圧接着剤組成物の1回の塗工によって、可能とする。そのために、感圧接着剤組成物の塗工には、単位面積あたり異なる量の感圧接着剤組成物を保持可能な二以上の領域を表面に有する転写ロールを用い、この転写ロールの表面の前記二以上の領域から、前記基材シート上に、同時に感圧接着剤組成物を転写する。このようにすることで、1回の転写によって、単位面積あたり異なる量の感圧接着剤組成物が、転写ロールから基材シートへ転写される。
本発明においては、感圧接着剤層のうち、上記のように剥離強度が互いに異なる二の領域に着目した場合、剥離強度が小さい方の領域を第1領域と称し、剥離強度が大きい方の領域を第2領域と称することがある。
本発明の再剥離性シートにおいては、感圧接着剤層の第1領域は弱接着領域であり、感圧接着剤層の第2領域は強接着領域である。なお、ここで「弱接着」及び「強接着」とは、第1領域及び第2領域での接着の程度を相対的に比較して示すものであり、接着力又は剥離強度の絶対的な強弱を示すものではない。
本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、基材シートの重ね合わせ面同士が、前記感圧接着剤層で接着された状態であってもよいし、前記感圧接着剤層で接着される前の剥離した状態であってもよい。再剥離性シートの全体構造については、後ほど詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートの一実施形態を模式的に示す拡大断面図である。なお、図1は、例えば、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。これは、以降の図においても同様である。
ここに示す再剥離性シート1は、基材シート11上に印刷層12を備え、印刷層12上に感圧接着剤層13を備える。再剥離性シート1は、感圧接着剤層13を介して、基材シート11の重ね合わせ面同士、すなわち基材シート11の印刷層12を備えた側の表面11a同士を、印刷層12と共に再剥離可能に接着できるようになっている。
ここに示す再剥離性シート1は、基材シート11上に印刷層12を形成した後、感圧接着剤層13を形成して得られるものであり、後糊型とも称するものである。
なお、ここに示す再剥離性シート1は、基材シート11の重ね合わせ面同士が、感圧接着剤層13で接着される前の剥離した状態である。
再剥離性シート1において、印刷層12は、基材シート11の前記表面11aの一部の領域に設けられている。そして、感圧接着剤層13は、基材シート11の前記表面11aのうち、基材シート11の重ね合わせ面に対応した領域に設けられており、この領域内において、感圧接着剤層13は、印刷層12の基材シート11とは接触していない表面12aと、基材シート11の前記表面11aのうち、印刷層12が設けられていない領域と、を被覆している。
感圧接着剤層13の、基材シート11が設けられている側とは反対側の表面13aは、基材シート11の重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着するときの接着面となる。
感圧接着剤層13は、基材シート11の表面11a又は印刷層12の表面12aの単位面積あたり、その形成量(単位面積形成量、重量)が異なる二の領域を有する。これら二の領域は、基材シート11の表面11a又は印刷層12の表面12aの単位面積あたりに塗工された感圧接着剤組成物の量(単位面積塗工量)が異なっていた結果、形成されたものである。そして、これら二の領域では、基材シート11の表面11a又は印刷層12の表面12aの単位面積あたりの接着剤基材の量(単位面積塗工量)が互いに異なる。これら二の領域のうち、感圧接着剤層13の単位面積形成量及び接着剤基材の単位面積塗工量が少ない第1領域131は弱接着領域であり、感圧接着剤層13の単位面積形成量及び接着剤基材の単位面積塗工量が多い第2領域132は強接着領域である。
上述の様に、感圧接着剤組成物の単位面積塗工量が異なることに基づいて、感圧接着剤層13において、典型的には、第1領域131の厚さT13aは、第2領域132の厚さT13bよりも薄くなる。ただし、感圧接着剤組成物の塗工条件によっては、第1領域131及び第2領域132の密度等が変化することもあり、T13aとT13bとは同じとなるか、又はほぼ同じとみなし得る程度に差が小さくなる場合もある。
再剥離性シート1において、例えば、基材シート11の重ね合わせ面に対応した領域全面に感圧接着剤層13が形成されている場合等では、図1に示すように、第1領域及び第2領域は互いに隣接する可能性がある。この場合、第1領域131及び第2領域132には、通常、見かけ上の明確な界面は存在しないが、感圧接着剤層13の密度や厚さ等によって、区分け可能である。実際には、後述の製造方法のように、感圧接着剤層13の形成時に用いる転写ロールの表面における、単位面積あたりの感圧接着剤組成物の保持量の違いに対応させて、第1領域131及び第2領域132は区分けできる。
図2は、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートの他の実施形態を模式的に示す拡大断面図である。なお、図2に示す構成要素のうち、図1に示すものと同じものには、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは以降の図においても同様である。
ここに示す再剥離性シート2は、基材シート11上に感圧接着剤層23を備え、感圧接着剤層23上に印刷層22を備える。再剥離性シート2は、感圧接着剤層23を介して、基材シート11の重ね合わせ面同士、すなわち基材シート11の印刷層22を備えた側の表面11a同士を、印刷層22と共に再剥離可能に接着できるようになっている。
ここに示す再剥離性シート2は、基材シート11上に感圧接着剤層23を形成した後、印刷層22を形成して得られるものであり、先糊型とも称するものである。
なお、ここに示す再剥離性シート2は、基材シート11の重ね合わせ面同士が、感圧接着剤層23で接着される前の剥離した状態である。
再剥離性シート2において、感圧接着剤層23は、基材シート11の前記表面11aのうち、基材シート11の重ね合わせ面に対応した領域に設けられている。そして、印刷層22は、感圧接着剤層23の、基材シート11が設けられている側とは反対側の表面23aの一部の領域に設けられている。なお、印刷層22は、感圧接着剤層23の組成や印刷層22の形成方法等によっては、感圧接着剤層23の表面23a上に設けられるだけでなく、感圧接着剤層23の内部に浸透して設けられる(図示略)こともあり、また、設けられている位置によらず、形状が変化することもある。
感圧接着剤層23の前記表面23aは、基材シート11の重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着するときの接着面となる。
感圧接着剤層23は、基材シート11の表面11a又は印刷層22の表面22aの単位面積あたり、その形成量(単位面積形成量、重量)が異なる二の領域を有する。これら二の領域は、基材シート11の表面11a又は印刷層22の表面22aの単位面積あたりに塗工された感圧接着剤組成物の量(単位面積塗工量)が異なっていた結果、形成されたものである。そして、これら二の領域では、基材シート11の表面11a又は印刷層22の表面22aの単位面積あたりの接着剤基材の量(単位面積塗工量)が互いに異なる。これら二の領域のうち、感圧接着剤層23の単位面積形成量及び接着剤基材の単位面積塗工量が少ない第1領域231は弱接着領域であり、感圧接着剤層23の単位面積形成量及び接着剤基材の単位面積塗工量が多い第2領域232は強接着領域である。
上述の様に、感圧接着剤組成物の単位面積塗工量が異なることに基づいて、感圧接着剤層23において、典型的には、第1領域231の厚さT23aは、第2領域232の厚さT23bよりも薄くなる。ただし、感圧接着剤組成物の塗工条件によっては、第1領域231及び第2領域232の密度等が変化することもあり、T23aとT23bとは同じとなるか、又はほぼ同じとみなし得る程度に差が小さくなる場合もある。
再剥離性シート2においても、再剥離性シート1の場合と同様に、第1領域231及び第2領域232には、通常、見かけ上の明確な界面は存在しないが、感圧接着剤層23の密度や厚さ等によって、区分け可能である。実際には、後述の製造方法のように、感圧接着剤層23の形成時に用いる転写ロールの表面における、単位面積あたりの感圧接着剤組成物の保持量の違いに対応させて、第1領域231及び第2領域232は区分けできる。
本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、図1及び図2に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1又は図2に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、印刷層12及び印刷層22の形状は目的に応じて任意に選択でき、基材シート11の前記表面11aにおける重ね合わせ面の一部の領域ではなく、全面に設けられていてもよい。また、印刷層12及び印刷層22は、一部又はすべての領域で、単層構造ではなく、二層以上の複数層構造であってもよく、これら複数層の形状は、互いに同一でも異なっていてもよい。
また、図1及び図2では、印刷層及び感圧接着剤層がいずれも、基材シートの一方の面(例えば、前記表面11a)のみに設けられている場合の再剥離性シートについて示しているが、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、印刷層及び感圧接着剤層がいずれも他方の面(例えば、前記裏面11b)にも設けられているものでもよい。この場合の前記他方の面における印刷層及び感圧接着剤層はいずれも、前記一方の面の場合と同様に設けることができる。そして、前記一方の面及び他方の面(両面)において、印刷層の組成、厚さ及び配置位置等の配置形態は、互いに同一でも異なっていてもよい。同様に、前記一方の面及び他方の面(両面)において、感圧接着剤層の組成、厚さ及び配置位置等の配置形態は、互いに同一でも異なっていてもよい。
また、図1及び図2では、感圧接着剤層において、第1領域及び第2領域が隣接している場合の再剥離性シートについて示しているが、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、第1領域及び第2領域が必ずしも隣接しているとは限らない。例えば、再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層が離間して設けられ、この離間している一方の感圧接着剤層が第1領域のみを有し、他方の感圧接着剤層が第2領域のみを有していてもよい。
さらに、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートにおいては、このように互いに隣接せずに離間して設けられている感圧接着剤層が、第1領域及び第2領域をともに有していてもよい。
また、図1では、再剥離性シートとして、感圧接着剤層中に印刷層を備えたものを示し、図2では、再剥離性シートとして、感圧接着剤層上に印刷層を備えたものを示しているが、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、印刷層を備えていないなど、印刷層及び感圧接着剤層の積層構造を有しないものでもよい。図3に、前記再剥離性シートの一例として、基材シートの両面(表面及び裏面)に感圧接着剤層が設けられ、印刷層が設けられていないものを示す。ここに示す再剥離性シート3は、印刷層を備えておらず、感圧接着剤層を基材シートの両面に備えている点以外は、図1に示す再剥離性シート1と同じものである。再剥離性シート3は、基材シート11の前記表面11a上及び裏面11b上に、感圧接着剤層33を備えており、これら2層の感圧接着剤層33において、弱接着領域である第1領域331及び強接着領域である第2領域332は、感圧接着剤層33を上方から見下ろして平面視したときに、互いに配置位置が一致するように設けられている。図3中、符号33aは、感圧接着剤層33の表面を示す。ただし、第1領域331及び第2領域332の配置形態はこれに限定されず、感圧接着剤層33を上記のように平面視したときに、第1領域331及び第2領域332の配置位置は互いに一致していなくてもよい。
ただし、同一の基材シート上に剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層が形成されており、これら感圧接着剤層の剥離強度が互いに明確に異なるという特徴が最も顕著となる点から、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、例えば、図1に示すような、基材シートと感圧接着剤層との間に印刷層を備えたもの、及び図3に示すような、印刷層を備えていないものが好ましい。例えば、図2に示すような、基材シート上に感圧接着剤層を備え、感圧接着剤層上に印刷層を備えた再剥離性シートは、感圧接着剤層上に印刷層を備えていることにより、本発明の効果を損なわない程度に、感圧接着剤層の剥離強度が印刷層の影響を受ける可能性があり、第1領域及び第2領域の剥離強度の調節が煩雑になることがある。
先に説明したとおり、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、基材シートの重ね合わせ面同士が、前記感圧接着剤層で接着された状態であってもよい。その場合、一の再剥離性シートが折り畳まれて、基材シートの重ね合わせ面同士が接着されたものであってもよいし、別々の再剥離性シート同士が、これらの基材シートの重ね合わせ面で、これらの感圧接着剤層により接着された状態であってもよい。
図4は、図1に示す再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層によって基材シートの重ね合わせ面同士が接着された状態となったものを模式的に示す拡大断面図である。
また、図5は、図2に示す再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層によって基材シートの重ね合わせ面同士が接着された状態となったものを模式的に示す拡大断面図である。
なお、図4及び図5では、基材シートの重ね合わせ面において、2層の感圧接着剤層が、これらの第1領域及び第2領域の位置がいずれも一致する様に互いに接触している状態を示しているが、互いに接触している2層の感圧接着剤層において、これらの第1領域及び第2領域のいずれか一方又は両方の位置は、一致していなくてもよい。ただし、互いに接触している2層の感圧接着剤層間において、接着力の差を大きくし易い点から、前記2層の感圧接着剤層においては、これらの第1領域及び第2領域の少なくとも一方の位置が一致していることが好ましく、これらの第1領域及び第2領域の両方の位置が一致していることがより好ましい。
また、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、基材シートの重ね合わせ面が、これと同様の基材シートの重ね合わせ面ではなく、表面が剥離処理されてなる剥離紙の表面と接着(貼り合わせ)されていてもよい。剥離紙を用いる場合には、その剥離処理面が再剥離性シートの基材シートの重ね合わせ面と接着されていることが好ましい。このような、剥離紙を用いた場合にも、再剥離性シートは再剥離性を有する。
次に、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートにおける各層について、より詳細に説明する。
[基材シート]
前記基材シートは、再剥離性シートの使用目的に応じて任意に選択できる。例えば、再剥離性シートが感圧圧着ハガキである場合には、基材シートとして紙を用いることができる。
前記基材シートの材質は、後述する感圧接着剤組成物が塗工可能なものであれば特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。前記基材シートの好ましい材質としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、合成紙等の紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等の合成樹脂等が挙げられる。
基材シートの材質が前記合成樹脂である場合、この基材シートの表面はマット処理、コロナ処理等の表面処理が施されていることが好ましい。
基材シートの厚さは特に限定されないが、通常は20〜300μmであることが好ましく、80〜200μmであることがより好ましい。
基材シートは、単層からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるもの(複数層が積層されたもの)でもよい。基材シートが複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
基材シートが複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材シートの厚さとなるようにするとよい。
[感圧接着剤層]
感圧接着剤層は、公知の組成のものでよく、例えば、接着剤基剤、接着力調節剤、及び必要に応じて、前記接着剤基剤及び接着力調節剤のいずれにも該当しないその他の成分を含有するものが挙げられる。
(接着剤基剤)
前記接着剤基剤は公知のものでよく、例えば、天然ゴム、天然ゴムを変性させた変性ゴム、合成ゴム等が挙げられ、より具体的には、有機溶媒を用いる有機溶媒系のもの、水を媒体とする水系のもの、紫外線等の放射線の照射で硬化する放射線硬化系のもの、加熱で硬化する加熱硬化系のもの等が挙げられる。なお、本明細書において「接着剤基剤」とは、特に断りのない限り、前記天然ゴム等の固形のものを意味し、前記有機溶媒、水等の液状の媒体を含まないものとする。
これらの中でも、前記接着剤基剤は水系のものが好ましく、天然ゴム系水性エマルジョンタイプのものがより好ましい。水系の接着剤基剤を用いたエマルジョン等の組成物は、揮発性が低いため、塗工量の調節が容易であり、基材シートへの塗工適性がより高い。また、このような組成物は、媒体が水なので人体に無害であり、さらに引火性もなく、塗工工程や乾燥工程において、防爆設備等の特殊設備が不要である。
天然ゴム系水性エマルジョンタイプの接着剤基剤としては、天然ゴム系粘着剤の基剤として公知のものが例示でき、例えば、天然ゴムを主成分とするラテックス(天然ゴムラテックス);酸性ラテックス、解重合ラテックス、加硫ラテックス、グラフト化した天然ゴムラテックス等の、前記天然ゴムを変性した変性ゴムを主成分とする変性ラテックス;前記天然ゴムラテックス又は変性ラテックスに対して、SBRラテックス、ポリスチレンエマルジョン及びスチレン・アクリル共重合体エマルジョンからなる群から選択される1種以上を適当量配合した混合物等が挙げられる。天然ゴムのグラフト化に用いるモノマー又はオリゴマーは、重合性基を有するものであれば、目的に応じて任意に選択でき、例えば、モノマーであれば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、スチレン等の重合性不飽和二重結合を有するものが挙げられる。ここで、前記アルキルエステルは、メチルエステル又はエチルエステルであることが好ましい。
天然ゴム系水性エマルジョンタイプの接着剤基剤で好ましいものとしては、特に耐ブロッキング性、耐熱性、耐摩耗性等の観点から、天然ゴムにメタクリル酸メチル(MMA)をグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックス、天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックスが挙げられる。
天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させて得られた変性ゴムで好ましいものとしては、例えば、天然ゴム100質量部に対して、メタクリル酸メチルを10〜40質量部グラフト重合させたものが挙げられる。
天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムで好ましいものとしては、例えば、天然ゴム100質量部に対して、スチレン及びメタクリル酸メチルを合計で30〜70質量部重合させたものが挙げられる。
前記接着剤基剤としては、上述のゴム系のもの以外にも、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
前記接着剤基剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。ただし、2種以上を併用する場合には、互いに同じ系の接着剤基剤を用いることが好ましい。
感圧接着剤層の接着剤基剤の含有量は、接着剤基剤の種類等を考慮して適宜調節できるが、例えば、30〜99質量%であることが好ましく、50〜96質量%であることがより好ましい。接着剤基剤の含有量が前記下限値以上であることで、感圧接着剤層の感圧接着性がより安定する。また、接着剤基剤の含有量が前記上限値以下であることで、感圧接着剤層の再剥離性がより安定する。
例えば、後述する接着力調節剤は、その種類によっては好ましい含有量が大きく異なることがある。このような場合も考慮すると、感圧接着剤層の前記接着剤基剤の含有量の下限値は、例えば、60質量%、70質量%、80質量%及び90質量%のいずれかから選択することもきる。
(接着力調節剤)
前記接着力調節剤は、前記接着剤基剤による接着力の発現を阻害して、感圧接着剤層の接着力(感圧接着性)や再剥離性を調節するための成分である。通常は、感圧接着剤層の接着力調節剤の含有量が多いほど、感圧接着剤層は再剥離が容易となり、剥離強度が低下する。
前記接着力調節剤としては、例えば、充填材、ワックス等、前記接着剤基剤との親和性が低いものが挙げられる。これらはいずれも、感圧接着剤層と、その接着対象物との間に介在することで、その効果を発揮する。
前記接着力調節剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
・充填材
前記充填材は、有機充填材及び無機充填材のいずれでもよい。
前記有機充填材の材質としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル樹脂」とは、「アクリル樹脂」及び「メタクリル樹脂」の両方を包含する概念とする。
前記無機充填材の材質としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、活性白土、アルミナ、デンプン(スターチ)、シリカ、ガラス、シラスバルーン等が挙げられる。前記シリカは非晶質シリカであることが好ましく、前記非晶質シリカとしては、例えば、乾式シリカ及び湿式シリカ等の合成非晶質シリカが挙げられる。
前記充填材は、粒子状(微粒子状)であるものが好ましい。
前記充填材の平均粒子径は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、1〜30μmであることが好ましく、1.5〜25μmであることがより好ましい。充填材の平均粒子径がこのような範囲内であることで、感圧接着剤層の第1領域及び第2領域の剥離強度の差がより大きくなる。
なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、レーザー回折法で測定された、体積累積分布の中央値D50を意味する。
・ワックス
前記ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス(固形パラフィン)等、公知のものが挙げられる。
前記接着力調節剤が充填材である場合、前記感圧接着剤層において、前記接着剤基剤の含有量100質量部に対する、前記接着力調節剤(充填材)の含有量の割合は、1〜200質量部であることが好ましい。接着力調節剤の前記含有量の割合が前記下限値以上であることで、接着力調節剤を用いたことによる効果がより顕著に得られ、接着力調節剤の前記含有量の割合が前記上限値以下であることで、感圧接着剤層をより安定して形成できる。
前記接着力調節剤がワックスである場合、前記感圧接着剤層において、前記接着剤基剤の含有量100質量部に対する、前記接着力調節剤(ワックス)の含有量の割合は、1〜20質量部であることが好ましい。接着力調節剤の前記含有量の割合が前記下限値以上であることで、接着力調節剤を用いたことによる効果がより顕著に得られ、接着力調節剤の前記含有量の割合が前記上限値以下であることで、感圧接着剤層をより安定して形成できる。
前記充填材は固有の体積を有するため、感圧接着剤層における充填材の含有量は、前記接着剤基剤の含有量に影響を与える可能性がある。このような観点から、前記接着力調節剤はワックスであることが好ましい。
前記接着力調節剤として充填材を用いる場合には、後述する転写ロールの表面において、その単位面積あたり異なる量が保持されている感圧接着剤組成物同士の間では、接着剤基剤の含有量に対する充填材の含有量の割合に差がないか又は前記差が誤差程度に微小となるような転写条件を選択することが好ましい。
(その他の成分)
感圧接着剤層が必要に応じて含有してもよい前記その他の成分は、特に限定されず、例えば、感圧接着剤分野で公知のものが挙げられ、好ましいものとしては、多価金属塩、カチオンポリマー、界面活性剤、密着剤、アンチブロッキング剤、安定剤等が挙げられる。
前記その他の成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
感圧接着剤層の前記その他の成分の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に調節できる。
ただし、本発明の効果がより顕著に得られる点から、感圧接着剤層の前記その他の成分の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、例えば、20質量%以下、10質量%以下、及び5質量%以下等のいずれかとすることもでき、0質量%であってもよい。
感圧接着剤層の厚さは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されないが、0.1〜30μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましい。感圧接着剤層の厚さが前記下限値以上であることで、感圧接着剤層の感圧接着性がより安定し、感圧接着剤層の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
また、感圧接着剤層の形成量(塗工量)は、1〜20g/mであることが好ましく、1.5〜15g/mであることがより好ましい。
なお、感圧接着剤層の厚さは、例えば、基材シートの種類、感圧接着剤組成物の粘度、接着剤基材の接着力等、複数の要因により影響され得る。したがって、これら各要因を考慮の上、適宜条件を調節して、感圧接着剤層の厚さを調節することが好ましい。
前記再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層中の前記第1領域及び第2領域の数は、それぞれ独立に1でもよいし2以上でもよい。
前記再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層中の前記第1領域及び第2領域の大きさ(広さ)及び形状は、特に限定されず、目的に応じて適宜設定すればよい。例えば、第1領域及び第2領域を感圧接着剤層の上方から見下ろして平面視したときのこれら領域の表面積及び形状は、特に限定されず、これら領域の表面積の大小関係も特に限定されない。
本発明の製造方法で得られる再剥離性シートにおいて、感圧接着剤層中の前記第1領域及び第2領域の層数は、通常、共に1となる。前記第1領域及び第2領域の層数が同じとなるのは、後述する製造方法で説明するとおり、同一の感圧接着剤組成物を用いてその1回の塗工により、第1領域及び第2領域を同時に形成するためである。
[印刷層]
上述のように、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、印刷層を備えていてもよい。
前記印刷層は、形状、色等を目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。例えば、印刷層は、文字のみで構成されていてもよいし、文字以外のパターン又は全面印刷のみで構成されていてもよく、文字と文字以外のパターン又は全面印刷との組み合わせで構成されていてもよい。
印刷層の厚さは特に限定されないが、通常は0.1〜50μmであることが好ましい。
印刷層は、単層からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるもの(複数層が積層されたもの)でもよい。印刷層が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、上述の基材シートの場合と同じである。
印刷層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい印刷層の厚さとなるようにするとよい。
本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、実施例において後述するように、剥離速度300mm/分でのT型剥離試験における、幅150mmの感圧接着剤層の剥離強度(接着力)が、1〜20N/150mmであることが好ましく、2〜10N/150mmであることがより好ましい。ここで、「感圧接着剤層の剥離強度」とは、第1領及び第2領をともに含む感圧接着剤層全域の剥離強度を意味する。
また、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、同様の剥離速度300mm/分でのT型剥離試験における、幅150mmの前記第1領域の剥離強度(接着力)が、1〜9N/150mmであることが好ましく、2〜6N/150mmであることがより好ましい。
また、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、同様の剥離速度300mm/分でのT型剥離試験における、幅150mmの前記第2領域の剥離強度(接着力)が、4〜20N/150mmであることが好ましく、6〜10N/150mmであることがより好ましい。
そして、本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、上述の第2領域の剥離強度と第1領域の剥離強度との差([第2領域の剥離強度(N/150mm)]−[第1領域の剥離強度(N/150mm)])が、2.5N/150mm以上であることが好ましく、3.5N/150mm以上であることがより好ましい。前記剥離強度の差の上限値は、特に限定されないが、再剥離性シートの取り扱い易さの観点では、前記剥離強度の差は8N/150mm以下であることが好ましい。
なお、ここでは単位「N/150mm」で表される剥離強度(接着力)について説明しているが、剥離強度の測定対象部位が狭く、150mm幅の領域を確保できない場合等においては、150mm未満の幅(mm)の領域で上記と同様に剥離強度を測定し、この150mm未満の値(mm)の150mmに対する比率(幅の比率)を、測定したこの剥離強度に乗じて、剥離強度を150mm幅相当に換算した換算接着力を、単位「N/150mm」で表される接着力として採用できる。
前記剥離強度は、例えば、再剥離性シートを感圧接着剤層同士が接触するように対向させ、対向する2個の金属ロールをロール面同士が非接触となるようにして備えたシール装置を用いて、対向させた再剥離性シートを、前記ロール面間を通過させることにより加圧して、基材シートの重ね合わせ面同士を接着させた後、再剥離性シートを剥離(再剥離)させたときに、発現するものであることが好ましい。この場合、再剥離性シートを加圧するときの圧力は、前記ロール面間の距離を調節することで、調節できる。
再剥離性シートを折り曲げて対向させる場合、その折り曲げ方は、例えば、Z字状の三つ折りでもよいし、二つ折り等、他の折り曲げ方でもよく、任意に選択でき、特に限定されない。
本発明の製造方法で得られる再剥離性シートは、同一の基材シート上に剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層を備えているが、後述するように、感圧接着剤組成物を1種のみ用いて、その1回の塗工により前記感圧接着剤層を形成できるため、安価に提供可能である。
<再剥離性シートの製造方法>
次いで、前記再剥離性シートの製造方法について説明する。
[塗工層形成工程]
前記塗工層形成工程においては、転写ロールを用いて、前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シート上に塗工して、塗工層を形成する。
前記転写ロールは、その表面に、単位面積あたり異なる量の前記感圧接着剤組成物を保持可能な二以上の領域を有するものであれば、特に限定されない。
好ましい転写ロールとしては、例えば、ゴムロール、アニロックスロール等が挙げられる。
(ゴムロール)
前記ゴムロールは、ゴムからなるか又は主たる材質がゴムであって、ロール状のものであり、単位面積あたりの感圧接着剤組成物の保持量が異なるように2種以上のパターンを表面に有するものである。
このような前記ゴムロールとしては、例えば、2種以上の凹部のパターンを表面に有する1枚又は2枚以上のゴムシートが、これらパターンが外側を向いて露出するように芯材に巻かれて、目的とする2種以上の凹部のパターンが表面に形成されているもの;1種の凹部のパターンを表面に有する2枚以上のゴムシートが、これらパターンが外側を向いて露出するように芯材に巻かれて、目的とする2種以上の凹部のパターンが表面に形成されているもの等が挙げられる。このようなゴムロールでは、表面に形成されている凹部に転写対象物を充填し、その充填量によって、転写対象物の転写量を調節する。
また、前記ゴムロールとしては、例えば、2種以上の凸部のパターンを表面に有するものが挙げられる。このようなゴムロールでは、前記凸部に転写対象物を付着させ、転写対象面に前記凸部によって加えられる圧力の違いによって、転写対象物の転写量を調節する。
また、前記ゴムロールとしては、例えば、加熱処理や薬品処理等の改質処理によって形成された1種又は2種以上のパターンを表面に有するものが挙げられる。このようなゴムロールでは、改質処理部で転写対象物の付着量を非改質処理部とは異なるようにすることによって、転写対象物の転写量を調節する。
(アニロックスロール)
アニロックスロールは、塗工する感圧接着剤組成物を充填するためのセルを表面に有し、前記セルは、単位面積あたりの感圧接着剤組成物の保持量が異なるように2種以上のパターンを表面に有する。そして、前記セルは、基材シート上の目的とする箇所に感圧接着剤組成物を塗工(転写)できるように、アニロックスロールの表面に多数形成されている。
前記セルに充填された感圧接着剤組成物は、基材シート上の目的とする箇所に接触して転写され、塗工される。このとき、セルが有する上述のパターンに基づいて、前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の前記領域が基材上に同時に形成される。
前記アニロックスロールは、線数によって前記セルの数が決定される。線数とは、アニロックスロールの表面における、1インチ(25.4mm)あたりのセルの数である。したがって、線数が大きいほどセルの1個あたりの開口面積は小さくなる。
本発明で用いるアニロックスロールにおいて、前記セルは、同一の感圧接着剤組成物の塗工によって、前記第1領域及び第2領域を同時に形成できるように、互いに異なるパターンを有している。
ここで、セルが互いに異なるパターンを有している、とは、例えば、セルの形状、開口面積及び容積等のいずれか一以上が、互いに異なった状態にあることを意味する。
このように、同一(1種)の感圧接着剤組成物の1回の塗工によって、前記第1領域及び第2領域を同時に形成できるように、セルが互いに異なるパターンを有しているアニロックスロールで好ましいものとしては、例えば、線数の値が互いに異なる領域を表面に有し、前記線数の違いに基づいて、前記第1領域及び第2領域を同時に形成するものが挙げられる。
図6は、このような線数が互いに異なる領域を表面に有するアニロックスロールでの、前記セルのパターンの一例を示す模式図である。
ここに示すアニロックスロール8は、そのロール面である表面81に、第1セル82aを多数有する第1ロール面81aと、第2セル82bを多数有する第2ロール面81bと、を有する。
第1セル82a及び第2セル82bは、いずれもアニロックスロール8の表面81に凹状に形成されており、開口部は略正方形状であり、凹状部は直方体状である。第1セル82aは、第2セル82bよりも開口面積が小さく、かつ容積も小さいため、1個あたりの感圧接着剤組成物の充填可能量は、第1セル82aの方が第2セル82bよりも少ない。
このように、第1ロール面81aの線数は、第2ロール面81bの線数よりも大きい。
したがって、同一(1種)の感圧接着剤組成物を用いた場合に、第1ロール面81aから基材シート上に転写される感圧接着剤組成物及び接着剤基剤の量は、第2ロール面81bから基材シート上に転写される感圧接着剤組成物及び接着剤基剤の量よりも少なくなる。
すなわち、第1ロール面21aは、再剥離性シートの感圧接着剤層のうち、第1領域を形成するための領域であり、第2ロール面21bは、第2領域を形成するための領域である。
このように、同一の感圧接着剤組成物を用いて、第1領域及び第2領域を同時に形成する効果を高めるためには、例えば、第1ロール面81aの線数は、90〜400であることが好ましく、90〜300であることがより好ましく、90〜200であることが特に好ましい。
同様に、上述の効果をより高めるためには、第2ロール面81bの線数は、50〜150であることが好ましく、50〜125であることがより好ましく、50〜100であることが特に好ましい。
また、本発明においては、第2ロール面81bの線数と第1ロール面81aの線数との差([第2ロール面81bの線数]−[第1ロール面81aの線数])は、10〜250であることが好ましく、20〜250であることがより好ましく、30〜250であることが特に好ましい。
同一の感圧接着剤組成物の塗工によって、前記第1領域及び第2領域を同時に形成できるように、セルが互いに異なるパターンを有している、図6に示すもの以外の好ましいアニロックスロールとしては、例えば、線数がいずれも同じで、かつ前記セルの平均深さが互いに異なる領域を表面に有し、前記セルの平均深さの違いに基づいて、前記第1領域及び第2領域を同時に形成するものが挙げられる。
図7は、深さが互いに異なるセルを模式的に示す断面図である。
ここに示す第1セル83a及び第2セル83bは、これらの開口面積と深さの関係が異なる点以外は、図6に示す第1セル82a及び第2セル82bと同様のものである。
アニロックスロールの第1セル83aが多数形成されているロール面と、第2セル83bが多数形成されているロール面とは、線数が同じであって、第1セル83a及び第2セル83bは、開口面積が同じとなっている。
一方、第1セル83aの深さDは、第2セル83bの深さDよりも浅いため、1個あたりの感圧接着剤組成物の充填可能量は、第1セル83aの方が第2セル83bよりも少ない。
したがって、同一(1種)の感圧接着剤組成物を用いた場合に、第1セル83aが多数形成されているロール面(第1ロール面)から基材シート上に転写される感圧接着剤組成物及び接着剤基剤の量は、第2セル83bが多数形成されているロール面(第2ロール面)から基材シート上に転写される感圧接着剤組成物及び接着剤基剤の量よりも少なくなる。
すなわち、前記第1ロール面は、再剥離性シートの感圧接着剤層のうち、第1領域を形成するための領域であり、前記第2ロール面は、第2領域を形成するための領域である。
このように、同一の感圧接着剤組成物を用いて、第1領域及び第2領域を同時に形成する効果を高めるためには、第2ロール面における第2セル83bの平均深さと、第1ロール面における第1セル83aの平均深さとの差([第2セル83bの平均深さ]−[第1セル83aの平均深さ])は、5μm以上であることが好ましく、7μm以上であることがより好ましい。
ここでは、セルが互いに異なるパターンを有しているアニロックスロールとして、線数の値が互いに異なる領域を表面に有するもの、及び、線数がいずれも同じで、かつセルの平均深さが互いに異なる領域を表面に有するもの、について説明したが、本発明においては、前記アニロックスロールとして、線数の値が互いに異なる領域を表面に有するものを用いることがより好ましい。
アニロックスロールの前記セルは、上述のものに限定されない。例えば、前記セルの開口部は、略正方形状以外の形状であってもよいし、凹状部の形状も直方体状以外であってもよい。さらに、図6及び図7では、前記セルとして、対向する側面同士が平行である場合について示しているが、これら側面は非平行であってもよい。そして、前記セルの側面及び底面は、平面ではなく、曲面、凹凸面等の非平面であってもよい。
また、第1ロール面及び第2ロール面のいずれにおいても、前記セルはすべて同じ形状でなくてもよく、少なくとも一部が互いに異なる形状であってもよい。
また、図6では、アニロックスロールとして、第1ロール面及び第2ロール面が互いに隣接しているものについて示しているが、第1ロール面及び第2ロール面が互いに隣接していなくてもよい。そして、このように互いに隣接していない一方の第1ロール面は、さらに第2ロール面を有していてもよいし、有していなくてもよい。同様に、互いに隣接していない他方の第2ロール面は、さらに第1ロール面を有していてもよいし、有していなくてもよい。
本発明の製造方法で用いるアニロックスロールは、上記の点以外は、公知のアニロックスロールと同様のものである。例えば、本発明の再剥離性シートの製造で用いるアニロックスロールは、公知のアニロックスロールと同じ材質で構成できる。
塗工層の形成時には、感圧接着剤組成物を転写ロールから基材シート上に直接塗工(転写)する方法を採用してもよいし、例えば、感圧接着剤組成物を転写ロールからゴムロール等に転写してから、この転写した感圧接着剤組成物を基材シート上に塗工(転写)するオフセット法を採用してもよい。
前記転写ロールは、感圧接着剤組成物の転写(塗工)後に、転写ロールに余分に付着している感圧接着剤組成物を除去する除去手段を備えていてもよい。
前記除去手段としては、例えば、形状がプレート状であり、その表面が転写ロールの表面に対して特定の角度を為すように、周縁部が微小な隙間を空けて転写ロールの表面近傍に配置可能となっているものが挙げられる。このようなものとして、より具体的には、当該分野で公知のドクターブレード等が挙げられる。
(感圧接着剤組成物)
感圧接着剤層を形成するための前記感圧接着剤組成物は、先に説明したとおりであり、例えば、接着剤基剤、接着力調節剤、及び必要に応じて、前記接着剤基剤及び接着力調節剤のいずれにも該当しないその他の成分を含有するものが挙げられる。
塗工層形成工程においては、前記基材シート上の目的とする箇所に、前記感圧接着剤組成物を塗工することで、塗工層を形成すればよい。
前記感圧接着剤組成物は、前記その他の成分として、感圧接着剤層におけるその他の成分として挙げたものに加えて、例えば、溶媒が配合されていてもよい。
前記溶媒は、例えば、前記感圧接着剤組成物における液状媒体であり、感圧接着剤組成物の調製時に粘度を調整するために用い、その例としては、水、有機溶媒等が挙げられる。
一方、先の説明の様に、感圧接着剤組成物の調製時には、上記の接着剤基剤等の固形状の各配合成分は、水や有機溶媒等の液状媒体に溶解又は分散させた状態で配合することがある。本発明においては、このような固形状の各配合成分を溶解又は分散させるのに用いる液状媒体も溶媒に含める。
前記有機溶媒は、配合成分を劣化させないものであれば特に限定されないが、高極性の有機溶媒が好ましく、その例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の鎖状又は環状ケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル等が挙げられる。
前記感圧接着剤組成物における、常温で気化しない成分同士の配合量(含有量)の比率は、感圧接着剤層中でのこれら成分同士の含有量の比率と同じとなる。ここで、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度が好適である。
したがって、通常は、前記感圧接着剤組成物は、溶媒以外の成分の総含有量(総配合量)に対する、前記接着剤基剤(固形分)の含有量(配合量)の割合が、30〜99質量%であることが好ましく、50〜96質量%であることがより好ましい。さらに、前記接着剤基剤(固形分)の配合量の割合の下限値は、例えば、60質量%、70質量%、80質量%及び90質量%のいずれかから選択することもできる。
また、前記感圧接着剤組成物において、前記接着剤基剤の含有量100質量部に対する、前記接着力調節剤としての充填材の含有量の割合は、1〜200質量部であることが好ましい。
また、前記感圧接着剤組成物において、前記接着剤基剤の含有量100質量部に対する、前記接着力調節剤としてのワックスの含有量の割合は、1〜20質量部であることが好ましい。
また、前記感圧接着剤組成物は、溶媒以外の成分の総含有量に対する、前記その他の成分の含有量の割合が、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、例えば、20質量%以下、10質量%以下、及び5質量%以下等のいずれかとすることもでき、0質量%であってもよい。
そして、本発明の効果がより顕著に得られる点から、前記感圧接着剤組成物において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、前記接着剤基剤及び接着力調節剤(すなわち必須成分)の総含有量の割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、例えば、80質量%以上、90質量%以上、及び95質量%以上等のいずれかとすることもでき、100質量%であってもよい。
前記感圧接着剤組成物の25℃での粘度は、10〜3000mPa・sであることが好ましく、30〜800mPa・sであることがより好ましい。なお、ここでの「粘度」とは、B型粘度計を用いて測定した場合の値である。
(感圧接着剤組成物の製造方法)
前記感圧接着剤組成物は、例えば、接着剤基剤、接着力調節剤、及び必要に応じて前記その他の成分等の、必要とされる各成分を配合することで製造できる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。また、固形状の成分は、少なくともその一部を溶媒に溶解させた溶液として、又は溶媒(分散媒)に分散させた分散物として添加してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。そして、溶解していない成分が存在する場合には、この成分が均一に分散するまで撹拌することが好ましい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、10〜30℃であることが好ましい。そして、配合時の温度は、配合成分の種類及び量に応じて、配合して得られた混合物が撹拌し易い粘度となるように、適宜調節するとよい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜24時間であることが好ましい。
塗工層形成工程においては、前記転写ロールを用いることで、前記感圧接着剤組成物の1回の転写によって、前記基材シート上に、単位面積あたりの前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の領域を有する前記塗工層を形成する。
[感圧接着剤層形成工程]
前記感圧接着剤層形成工程においては、前記塗工層から前記感圧接着剤層を形成する。
感圧接着剤層形成工程により、基材シート上において、単位面積あたりの前記感圧接着剤組成物の塗工量の違いに基づいて、剥離強度が異なる二以上の領域を有する前記感圧接着剤層が形成される。
感圧接着剤層を形成する方法は、例えば、用いた接着剤基剤の種類に応じて適宜選択できる。一例を挙げると、水性エマルジョンタイプの接着剤基剤を用いた場合には、形成した塗工層(感圧接着剤組成物)を乾燥させることで、感圧接着剤層を形成できる。また、紫外線等の放射線の照射で硬化する放射線硬化系タイプの接着剤基剤を用いた場合には、形成した塗工層(感圧接着剤組成物)に放射線を照射して前記塗工層を硬化させることで、感圧接着剤層を形成できる。
塗工された感圧接着剤組成物の乾燥は、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれで行ってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。そして、乾燥時間等、その他の乾燥条件は、乾燥方法に応じて適宜設定すればよい。
[印刷層形成工程]
前記再剥離性シートが印刷層を備える場合には、例えば、前記基材シート又は感圧接着剤層等の形成対象物の目的とする箇所に、印刷層を構成するための成分が配合されてなる印刷層形成用組成物を塗工し、乾燥させることで、印刷層を形成すればよい(本明細書においては、本工程を「印刷層形成工程」と略記することがある)。
前記印刷層形成用組成物は、例えば、インクジェット式印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、電子写真印刷方式、ディップ式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等、公知の印刷法で印刷き、目的に応じて適宜選択すればよい。また、印刷法は、一の方法を単独で適用してもよいし、二以上の方法を組み合わせて適用してもよい。
例えば、再剥離性シートが、配布対象者が多数の、隠蔽情報が印刷された感圧圧着ハガキである場合には、すべての配布対象者に共通の固定情報を、オフセット印刷法等で印刷(印字)し、配布対象者ごとに異なる可変情報をインクジェット式印刷法等で印刷(印字)するという方法によって、印刷層を形成できる。ただし、これは一例であり、印刷層の形成方法はこれに限定されない。
以下、図面を参照して、本発明の再剥離性シートの製造方法についてさらに説明する。
まず、図1に示す再剥離性シート1の製造方法について説明する。図8は、図1に示す再剥離性シートの製造方法の一実施形態を模式的に説明するための拡大断面図である。
再剥離性シート1を製造するためには、塗工層形成工程に先駆けて印刷層形成工程を行い、例えば、図8(a)に示すように、基材シート11の表面11aに印刷層形成用組成物を塗工し、乾燥させて、印刷層12を形成する。
次いで、塗工層形成工程を行い、図8(b)に示すように、前記転写ロール(図示略)を用いて、感圧接着剤組成物を基材シート11上に塗工して、塗工層13’を形成する。ここでは、基材シート11の表面11aと、印刷層12の表面12aと、の両方に感圧接着剤組成物を塗工している。
本工程により、基材シート11の表面11a又は印刷層12の表面12aの単位面積あたり、異なる量(単位面積塗工量)の感圧接着剤組成物が基材シート11上に塗工される。
次いで、感圧接着剤層形成工程を行い、図8(c)に示すように、塗工層13’から感圧接着剤層13を形成する。
以上により、再剥離性シート1が得られる。
次に、図2に示す再剥離性シート2の製造方法について説明する。図9は、図2に示す再剥離性シートの製造方法の一実施形態を模式的に説明するための拡大断面図である。
再剥離性シート2を製造するためには、まず、塗工層形成工程を行い、図9(a)に示すように、前記転写ロール(図示略)を用いて、感圧接着剤組成物を基材シート11上に塗工して、塗工層23’を形成する。ここでは、基材シート11の表面11aに感圧接着剤組成物を塗工している。
本工程により、基材シート11の表面11aの単位面積あたり、異なる量(単位面積塗工量)の感圧接着剤組成物が基材シート11上に塗工される。
次いで、感圧接着剤層形成工程を行い、図9(b)に示すように、塗工層23’から感圧接着剤層23を形成する。
次いで、印刷層形成工程を行い、例えば、図9(c)に示すように、感圧接着剤層23の表面23a上に印刷層形成用組成物を塗工し、乾燥させて、印刷層22を形成する。
以上により、再剥離性シート2が得られる。
なお、例えば、図4に示す再剥離性シート1、図5に示す再剥離性シート2等の、基材シートの重ね合わせ面同士が前記感圧接着剤層で接着された状態の再剥離性シートは、前記感圧接着剤層形成工程後に、さらに、前記基材シートの重ね合わせ面同士を、前記感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着する工程を有する製造方法によって得られる。
上記の説明のように、本発明の製造方法では、再剥離性シートを得る過程において、感圧接着剤組成物を1種のみ用いて、その1回の塗工により、同一の基材シート上に剥離強度が互いに異なる感圧接着剤層を形成できる。したがって、例えば、複数種の感圧接着剤組成物を用いる必要が無く、さらに工程数を削減でき、製造工程を大幅に簡略化できる。
<<再剥離性シートの具体例>>
前記再剥離性シートとして好ましい感圧圧着ハガキの具体例について、以下、図面を引用しながら説明する。図10は、前記再剥離性シートの一例である、三つ折りハガキの表面展開図であり、図11は図10に示す三つ折りハガキの裏面展開図である。
図10及び図11に示す三つ折りハガキ91は、定型ハガキサイズの3倍のサイズを有する基材シート92から構成され、折り線93(93a、93b)によって三つの領域に区画されるものである。左側区画領域Aの表面には、郵便番号、宛て名、住所等の宛て先情報印刷94が施されている。そして、基材シート92の左側区画領域Aの裏面、中央区画領域Bの表裏面及び右側区画領域Cの表面の上には、隠蔽情報印刷95が施されており、さらに、中央区画領域B及び右側区画領域Cの表面全体と、左側区画領域A及び中央区画領域Bの裏面全体には、隠蔽情報印刷95を被覆する様に、感圧接着剤用組成物が塗布及び乾燥され、再剥離可能な感圧接着剤層96が形成されている。このように構成された三つ折りハガキ91は、折り線93a、93bにおいてZ型に折り込んで、各区画の重ね合わせ面の感圧接着剤層96同士を対接させ、ドライシーラーで圧力を加えることにより、感圧接着剤層96を介して各区画の重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。ここで、図10及び図11では感圧接着剤層96の形成領域が、基材シート92の中央区画領域B及び右側区画領域Cの表面、並びに基材シート92の左側区画領域A及び中央区画領域Bの裏面となっているが、左側区画領域Aの表面及び右側区画領域Cの裏面にも形成されていてもよい。
ドライシーラーとしては、例えば、対向する2個の金属ロールをロール面同士が非接触となるようにして備えたシール装置を用いることができる。折り込んだ基材シート92を、前記ロール面間を通過させて加圧することにより、シートの重ね合わせ面同士を、感圧接着剤層96を介して再剥離可能に接着することができる。シール装置としては、例えば「プレッスルマルチ」(商品名、トッパンフォームズ社製)を好適に使用できる。
加圧時の圧力は、前記ロール面間の距離を変えることで調節でき、シートの厚さによって適宜選択すればよい。
なお、ここでは表裏二区画ずつ、合計四区画に感圧接着剤層を形成した場合について説明したが、感圧接着剤層をいかなる区画(面)に形成するかは、目的に応じて任意に設定でき、例えば、表裏全区画(面)の六区画に感圧接着剤層を形成してもよい。
感圧圧着ハガキの他の例としては、例えば、定型ハガキサイズの2倍のサイズを有する二つ折りハガキが挙げられ、この二つ折りハガキは、折り線で折り込み、重ね合わせ面となる領域の感圧接着剤層同士を対接させ、圧力を加えることにより、重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。
図10及び図11では、再剥離性シートとして、印刷層上に感圧接着剤層を備えた感圧圧着ハガキについて説明したが、感圧圧着ハガキは感圧接着剤層上に印刷層を備えたものでもよい。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
なお、本実施例及び比較例で用いた原料を、以下に示す。
[接着剤基剤]
・天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させた、グラフト重合率20%の変性天然ゴム(以下、「変性天然ゴム(1)」と略記することがある。)
[その他の成分]
・スチレンブタジエンラテックス(以下、「SBR」と略記することがある。)
[実施例1]
<再剥離性シートの製造>
(感圧接着剤組成物の製造)
固形分濃度が40質量%の前記変性天然ゴム(1)の水性エマルジョン(250質量部、固形分100質量部)と、固形分濃度が40質量%の前記SBRの水性エマルジョン(100質量部、固形分40質量部)との混合物に、固形分濃度が40質量%のパラフィンの水性エマルジョン(20質量部、固形分8質量部)を添加し、常温で1時間撹拌することで、感圧接着剤組成物を製造した。B型粘度計を用いて、得られた感圧接着剤組成物の25℃での粘度を測定したところ、400mPa・sであった。
(重ね合わせ前の再剥離性シートの製造)
グラビアオフセット印刷法により、上質紙シート(日本製紙社製、坪量128g/m、厚さ156μm)の両面に、上記で得られた感圧接着剤組成物を塗工した。このとき、塗工速度は10m/分とした。また、転写ロールとしては、線数が175の第1ロール面及び線数が80の第2ロール面を表面に有するアニロックスロールを用いた。第1ロール面の第1セルの深さは30μmであり、第2ロール面の第2セルの深さは83μmであって、第1セル及び第2セルは、平均深さが互いに異なる。
次いで、形成した塗工層を熱風乾燥器内において80℃で乾燥させ、感圧接着剤層を形成して、図12に示す、重ね合わせ前の再剥離性シートを得た。図12は、本実施例で製造した再剥離性シートの平面図である。ここに示す再剥離性シート3Aは、基材シート11の表面に感圧接着剤層33が直接積層されたものであり、図3に示す再剥離性シート3と同様の積層構造を有するものであり、感圧接着剤層33は、第1領域331及び第2領域332を有する。第1領域331は、平面視にて、感圧接着剤層33の周辺部に沿って、一定の幅を持って設けられ、感圧接着剤層33のその他の領域はすべて第2領域332となっている。
本実施例における、感圧接着剤組成物の溶媒以外の成分の塗工量、換言すると感圧接着剤層の形成量は、表1に示すように、第1ロール面に対応する第1領域は2.0g/m、第2ロール面に対応する第2領域は14.7g/mであった。
(重ね合わせ済みの再剥離性シートの製造)
次いで、感圧接着剤層同士が接触するように、得られた再剥離性シートをZ字状に三つ折りし、この三つ折りしたものをロールシーラー(トッパンフォームズ社製「プレッスルマルチ」)で加圧して、シートの重ね合わせ面同士を接着させ、重ね合わせ済みの再剥離性シートを得た。このときの加圧は、前記ロールシーラーのロールギャップ(ロール面間の距離)を350μmに設定して行った。前記ロールシーラーは、対向する2個の金属ロールをロール面同士が非接触となるようにして備えたものであり、三つ折りした再剥離性シートを、このロール面間を通過させることにより加圧した。
<再剥離性シートの評価>
(感圧接着剤層の剥離強度の評価)
得られた重ね合わせ済みの再剥離性シートを温度23℃、相対湿度50%の環境下に置いて1時間以上調湿した後、二組の重ね合わせ面(加圧接着面)のうち、一方においてシート同士を剥離させ、残った他方の重ね合わせ面について、剥離試験機(島津製作所社製「オートグラフAGSH」)を用いて、剥離速度300mm/分でT型剥離を行い、このときの接着力を測定し、剥離強度とした。結果を表1に示す。
<再剥離性シートの製造及び評価>
[実施例2]
再剥離性シートの製造時において、アニロックスロールとして、線数が175の第1ロール面及び線数が80の第2ロール面を表面に有し、図12に示す感圧接着剤層のパターンを形成するものに代えて、線数が160の第1ロール面及び線数が80の第2ロール面を表面に有し、図13に示す感圧接着剤層のパターンを形成するものを用いた点以外は、実施例1と同じ方法で再剥離性シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。図13は、本実施例で製造した再剥離性シートの平面図である。ここに示す再剥離性シート3Bは、基材シート11の表面に感圧接着剤層33が直接積層されたものであり、感圧接着剤層33は、第1領域331及び第2領域332を有する。第2領域332は、平面視にて、感圧接着剤層33の周辺部のうち、一方の短辺部に沿って、一定の幅を持って設けられ、感圧接着剤層33のその他の領域はすべて第1領域331となっている。
前記アニロックスロールの第1ロール面の第1セルの深さは30μmであり、第2ロール面の第2セルの深さは83μmであって、第1セル及び第2セルは、平均深さが互いに異なる。
本実施例における、感圧接着剤組成物の溶媒以外の成分の塗工量、換言すると感圧接着剤層の形成量は、表1に示すように、第1ロール面に対応する第1領域は4.0g/m、第2ロール面に対応する第2領域は14.7g/mであった。
<再剥離性シートの製造及び評価>
[比較例1]
アニロックスロールとして、線数が175の第1ロール面及び線数が80の第2ロール面を表面に有するものに代えて、線数が80のロール面のみを表面に有するものを用い、感圧接着剤層を形成後に、第1領域上にさらに印刷層を形成して、第1領域の接着力の発現を抑制するようにしてから、感圧接着剤層同士が接触するように、得られた再剥離性シートをZ字状に三つ折りした点以外は、実施例1と同じ方法で再剥離性シートを製造及び評価した。結果を表1に示す。
前記アニロックスロールの第1ロール面の第1セルの深さ、及び第2ロール面の第2セルの深さは、いずれも83μmである。
本比較例における、感圧接着剤組成物の溶媒以外の成分の塗工量、換言すると感圧接着剤層の形成量は、表1に示すように、第1ロール面に対応する第1領域、及び第2ロール面に対応する第2領域のいずれも、14.7g/mであった。
[比較例2]
<再剥離性シートの製造>
(感圧接着剤組成物の製造)
固形分濃度が40質量%の前記変性天然ゴム(1)の水性エマルジョン(250質量部、固形分100質量部)と、固形分濃度が40質量%の前記SBRの水性エマルジョン(100質量部、固形分40質量部)とを混合し、常温で1時間撹拌することで、感圧接着剤組成物(以下、「感圧接着剤組成物(ii)」と略記する)を製造した。この感圧接着剤組成物(ii)は、実施例1で用いた感圧接着剤組成物(以下、「感圧接着剤組成物(i)」と略記する)よりも、接着力が大きいものである。
(重ね合わせ前の再剥離性シートの製造)
グラビアオフセット印刷法により、線数が160のロール面のみを有するアニロックスロールを用いて、上質紙シート(日本製紙社製、坪量128g/m、厚さ156μm)の両面全面に、上記で得られた感圧接着剤組成物(i)を塗工した。そして、形成した塗膜を熱風乾燥器内において80℃で乾燥させ、第1領域に相当する感圧接着剤層を形成した。
次いで、実施例1の場合と同じ形状の第1領域及び第2領域を形成するように、グラビアオフセット印刷法により、線数が160のロール面のみを有するアニロックスロールを用いて、上質紙シートの両面に形成済みの前記感圧接着剤層の表面に、上記で得られた感圧接着剤組成物(ii)を塗工した。そして、形成した塗膜を熱風乾燥器内において80℃で乾燥させ、第2領域に相当する感圧接着剤層を形成して、図12に示すものと見かけが同じである、重ね合わせ前の再剥離性シートを得た。感圧接着剤組成物(i)及び感圧接着剤組成物(ii)の固形分の塗工量は、表1に示すように、いずれも4.0g/mであった。
(重ね合わせ済みの再剥離性シートの製造)
次いで、上記で得られた重ね合わせ前の再剥離性シートを用いて、実施例1と同じ方法で、重ね合わせ済みの再剥離性シートを得た。
<再剥離性シートの評価>
上記で得られた重ね合わせ済みの再剥離性シートについて、実施例1と同じ方法評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017066291
上記結果から明らかなように、実施例1〜2の再剥離性シートは、感圧接着剤層が第1領域及び第2領域を有し、感圧接着剤組成物の塗工量は第2領域の方が第1領域よりも顕著に多かった。すなわち、これら再剥離性シートでは、第1ロール面及び第2ロール面を有するアニロックスロールと、同一の感圧接着剤組成物を用いて、この感圧接着剤組成物の1回の転写によって、基材上に、単位面積あたりの感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二の領域を有する塗工層を形成でき、このような塗工層から、剥離強度(接着力)が異なる二の領域を有する感圧接着剤層を形成できた。
これに対して、比較例1の再剥離性シートは、第1領域上にさらに印刷層を形成して、第1領域の接着力の発現を抑制すようにしたことによって、第1領域の剥離強度が著しく小さくなり、第2領域の剥離強度と第1領域の剥離強度との差は、実施例1〜2の再剥離性シートよりも大きくなっていた。しかし、比較例1では、上記のように、前記塗工層形成工程以外に、さらに印刷層を設ける工程が別途必要であり、実施例1〜2の製造方法よりも工程が煩雑であった。
また、比較例2の再剥離性シートは、第2領域の剥離強度と第1領域の剥離強度との差が、実施例1〜2の再剥離性シートと同等であったが、剥離強度が異なる二の領域を有する感圧接着剤層の形成に、2種の感圧接着剤組成物を用い、これら感圧接着剤組成物を別々に転写することで、2回の転写が必要であり、実施例1〜2の製造方法よりも工程が煩雑であった。
本発明は、感圧圧着ハガキ等、秘匿情報記録シート等に利用可能である。
1,2,3,3A,3B・・再剥離性シート、11・・・基材シート、11a・・・基材シートの表面、12,22・・・印刷層、12a・・・印刷層の表面、13,23,33・・・感圧接着剤層、13a,23a,33a・・・感圧接着剤層の表面、131,231,331・・・感圧接着剤層の第1領域、132,232,332・・・感圧接着剤層の第2領域、T13a,T23a・・・感圧接着剤層の第1領域の厚さ、T13b,T23b・・・感圧接着剤層の第2領域の厚さ、13’,23’・・・塗工層、
8・・・アニロックスロール、81・・・アニロックスロールの表面(ロール面)、81a・・・アニロックスロールの第1ロール面、81b・・・アニロックスロールの第2ロール面、82a,83a・・・アニロックスロールの第1セル、82b,83b・・・アニロックスロールの第2セル、
91・・・三つ折りハガキ、92・・・基材シート、93,93a,93b・・・折り線、94・・・宛て先情報印刷、95・・・隠蔽情報印刷、96・・・感圧接着剤層

Claims (3)

  1. 基材シート上に感圧接着剤層を備え、前記感圧接着剤層を介して前記基材シートの重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着でき、剥離強度が異なる二以上の領域を前記感圧接着剤層が有する再剥離性シートの製造方法であって、
    転写ロールを用いて、前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シート上に塗工して、塗工層を形成する工程と、
    前記塗工層から前記感圧接着剤層を形成する工程と、を有し、
    前記転写ロールはその表面に、単位面積あたり異なる量の前記感圧接着剤組成物を保持可能な二以上の領域を有し、
    前記塗工層を形成する工程において、前記転写ロールから前記基材シートへの、前記感圧接着剤組成物の1回の転写によって、前記基材シート上に、単位面積あたりの前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の領域を有する前記塗工層を形成し、
    前記感圧接着剤層を形成する工程において、前記感圧接着剤組成物の塗工量の違いに基づいて、剥離強度が異なる二以上の領域を有する前記感圧接着剤層を形成する、再剥離性シートの製造方法。
  2. 前記転写ロールとしてアニロックスロールを用い、
    前記アニロックスロールは、塗工する前記感圧接着剤組成物を充填するためのセルを表面に有し、前記セルは、前記感圧接着剤組成物の塗工量が異なる二以上の前記領域を同時に形成可能な互いに異なるパターンを有する、請求項1に記載の再剥離性シートの製造方法。
  3. 前記感圧接着剤層を形成する工程後に、さらに、前記基材シートの重ね合わせ面同士を、前記感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着する工程を有する、請求項1又は2に記載の再剥離性シートの製造方法。
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