JP4205355B2 - 接着剤組成物、接着剤組成物の製造方法、情報担持用シート - Google Patents

接着剤組成物、接着剤組成物の製造方法、情報担持用シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ゴム系接着剤の長所と、非水系接着剤の長所とを併せ持つ接着剤組成物、それを用いた情報担持用シートに関するものである。さらに詳しくは、折り重ね及び切り重ねにより重ね合わせた面を情報担持面としてなる折り畳みシート及び重ね合わせシート等の秘匿性および親展性を有する情報担持用シートや、寸法拡大可能な整理シート、複写用紙などの事務用シートなど、その重ね合わせ面同士を接着する情報担持用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重ね合わせ面に情報を担持する情報担持用シートにおいては、その重ね合わせ面同士が接着するように、通常、重ね合わせた際に対接するようなパターンで、重ね合わせ面の全面、部分的あるいは線状に感圧接着剤層が設けられている。この感圧接着剤は自着性感圧接着剤とも言われ、その接着剤層同士を対接させた状態で強圧をかけることにより、互いの高分子が自己拡散したりアンカー効果により密着するものであって、組成物の種類や加圧の程度により、永久接着性や再剥離接着性を具現するものである。
【0003】
この様な情報担持用シートの例として、秘匿性および親展性を有するハガキシステム等が実用化され、普及している。
【0004】
秘匿性および親展性を有するハガキシステムの例としては、個人的用件、プリント情報および印刷情報等の各種情報が記載されたハガキを、折り畳み、切り重ね、または別体同士を重ね合わせたものがある。
【0005】
これらのハガキシステムにおいては、各種の重ね合わせ態様で接着剤層が剥離可能に圧着され、秘匿性および親展性情報が隠蔽された後、郵送され、受取人が重ね合わせ面を再び剥離して隠蔽情報が読取られる。
【0006】
また、秘匿性および親展性を有するハガキシステムの他の例として、各種の重ね合わせ態様で接着剤層が剥離不能に圧着され、親展性情報が隠蔽された後、郵送され、受取人が接着部分を切取り除去して重ね合わせ面を再び開き、隠蔽情報が読取られるものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な秘匿性および親展性のハガキシステムを初めとする情報担持用シートの基体に塗工する接着剤組成物の形態としては、溶液、水溶液、エマルジョン(ラテックス)、無溶媒、固形などを挙げることができ、水溶液およびエマルジョンの形態の接着剤組成物は水系が一般的であり、溶液、無溶媒および固形の形態の接着剤組成物は非水系が一般的である。
【0008】
水系の感圧接着剤組成物としては、天然ゴム系ラテックスのエマルジョンが一般的であり、接着力が高い、各種の充填剤を添加できる、上質紙などの高吸収性の基体に対しても塗工できる等の利点がある。しかしながら、天然ゴム系エマルジョンの場合、全面塗工は容易に行えるものの、エマルジョンの粘度が低い、基体の塗工された部分が収縮する等の理由から、部分的な領域を塗工するパターン塗工には不向きであった。また、媒体が水であるため、塗工後の乾燥に長時間を要する場合もあった。
【0009】
一方、非水系の感圧接着剤組成物の場合、塗工後の乾燥時間が短い、全面塗工およびパターン塗工の何れも容易に行える等の利点がある。しかしながら、非水系の感圧接着剤組成物では接着力が不足する場合があり、接着力が低いため充填剤を十分添加できない場合もあり、基体に吸収され易いため上質紙などの高吸収性の基体に塗工が困難な場合もあった。
【0010】
また、以上の様な接着剤組成物より得られる感圧接着剤層の2層を圧着し、その後、圧着された感圧接着剤層を剥離すると、基体と感圧接着剤層との接着強度が不足しているため、基体と感圧接着剤層とが剥離し、情報が損なわれる場合があった。
【0011】
以上の様な状況に鑑み、本発明においては、十分な接着力を有し、各種の充填剤を十分充填でき、塗工後の乾燥時間が短く、全面塗工およびパターン塗工の何れも容易に行え、各種の基体に塗工することができ、基体と感圧接着剤層との十分な接着強度を実現できる接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、天然ゴム系微粒子が含環状エーテル放射線硬化性化合物中に分散されており、
含水率が10質量%以下である
ことを特徴とする接着剤組成物が提供される。
【0013】
また、天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンと、含環状エーテル放射線硬化性化合物とを混合する工程と、
該混合物を攪拌しながら昇温し、該水系エマルジョンの水を気化させ除去し、該天然ゴム系微粒子が分散している媒体を水から該含環状エーテル放射線硬化性化合物に置換する工程と
を具備する接着剤組成物の製造方法が提供される。
【0014】
また、基体シート上に感圧接着剤層が形成されており、
該感圧接着剤層は、本発明の接着剤組成物の放射線硬化物であることを特徴とする情報担持用シートが提供される。
【0015】
本発明の製造方法を採用すると、天然ゴム系微粒子が均一に分散している媒体を、均一分散性を損なうことなく水から放射線硬化性の含環状エーテル化合物に置換できる。
【0016】
なお、含環状エーテル化合物とは環状エーテル構造を含む化合物を言い、紫外線、電子線、X線、i線、g線などの放射線により、環状エーテル構造が開環し、硬化する。よって、非水系の接着剤組成物として、含環状エーテル放射線硬化性化合物を含む接着剤組成物を基体に塗工し、紫外線、電子線、X線、i線、g線などの放射線を照射して硬化し、感圧接着剤層を形成できる。なお、本発明で言う硬化とは、網目構造の形成による硬化のみならず、重合反応の進行などに伴い流動性が低下することなども含むものとする。
【0017】
得られた感圧接着剤層は天然ゴム系微粒子を含有しており、天然ゴム系微粒子が含環状エーテル放射線硬化性化合物中に均一に分散しているため、均一で高い接着力を実現できる。また、含環状エーテル放射線硬化性化合物を放射線により硬化する際、含環状エーテル放射線硬化性化合物と天然ゴム系微粒子とが反応すると考えられる。このため、天然ゴム系微粒子が含環状エーテル放射線硬化性化合物の硬化物中に固定されるため、高い接着力を実現できると考えられる。
【0018】
また、接着剤組成物が十分な感圧接着力を有しているため、必要に応じて接着剤組成物に各種の充填剤を十分量充填でき、接着剤組成物の広範囲な特性を実現できる。
【0019】
また、天然ゴム系微粒子が分散している媒体は非水性の含環状エーテル放射線硬化性化合物である。このため、全面塗工を良好に行えるのみならず、接着剤組成物が適度な粘度を有し、基体の塗工された部分の収縮も小さいため、パターン塗工も良好に行える。
【0020】
また、媒体が含環状エーテル放射線硬化性化合物であるため、塗工後の乾燥を素早く行える。
【0021】
また、媒体が含環状エーテル放射線硬化性化合物であり、加えて天然ゴム系微粒子を含有しているため、基体が接着剤組成物を吸収する速度を容易に制御できる。この結果、低吸収性の基体に良好に塗工できるのみならず、上質紙などの高吸収性の基体にも良好に塗工できる。
【0022】
また、含環状エーテル放射線硬化性化合物を放射線により硬化する際、基体に吸収された含環状エーテル放射線硬化性化合物は基体中で硬化すると考えられる。また、含環状エーテル放射線硬化性化合物と基体とが反応するとも考えられる。このため、基体と感圧接着剤層との十分な接着強度を実現でき、圧着された感圧接着剤層を剥離して隠蔽情報を読取る際に、基体と感圧接着剤層とが剥離することを抑制でき、隠蔽情報が損なわれることを抑制できる。
【0023】
よって、本発明の接着剤組成物を基体に塗布し感圧接着剤層を形成することで、秘匿情報および親展情報などの隠蔽性に優れる情報担持用シートを作製できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
天然ゴム系微粒子は天然ゴム系ゴム等の微粒子であり、圧着により接着力を発現する主成分であり、天然ゴム系ゴムとしては、天然ゴムの主成分であるイソプレン骨格を有し、天然ゴムと同様に自着性を有するものであれば天然ゴムを初めとして特に制限されない。
【0026】
しかしながら、媒体である含環状エーテル放射線硬化性化合物に対する天然ゴム系微粒子の分散性および相溶性を向上するため、天然ゴム系微粒子としては、天然ゴム系ゴムとアクリル系モノマーとの共重合体が好ましい。
【0027】
アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ラウリル−トリデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸セチル−ステアリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル及びメタクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド及び(メタ)アクリル酸メチロールアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル及び(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の反応性アクリル系モノマー類;ジ(メタ)アクリル酸エチレン、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸デカエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタコンタヘクタエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ブチレン、(メタ)アクリル酸アリル、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール及びジ(メタ)アクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の架橋性アクリル系モノマー類などを使用でき、これらを2種以上併用することもできる。
【0028】
また、天然ゴム系微粒子の分散性を向上することに加え、接着剤組成物の基体への定着性を向上するために、天然ゴム系微粒子としては、天然ゴム系ゴムとスチレン系モノマーとの共重合体が好ましい。
【0029】
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、クロロスチレン及びブロモスチレン等を使用でき、これらを2種以上併用することもできる。
【0030】
なお、以上の様な観点から、天然ゴム系微粒子として、天然ゴム系ゴム、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの共重合体を使用する場合もある。また、必要に応じて、2種以上の天然ゴム系微粒子を併用することもできる。
【0031】
一方、含環状エーテル放射線硬化性化合物は特に制限されないが、接着剤組成物および感圧接着剤層の良好な性能を実現する観点から、また、環状エーテル構造の開環性の観点から、2〜12個の炭素と1〜6個の酸素とを含む環状エーテル構造を1以上含む含環状エーテル放射線硬化性化合物が好ましい。更に、炭素数は6以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、酸素数は4以下が好ましく、2以下が更に好ましい。また、環状エーテル構造は2以上がより好ましい。
【0032】
より具体的には、環状エーテル構造として−O−を含む橋かけ構造が好ましく、グリシジル基などのエポキシ環を有する基を有する化合物が好ましい。
【0033】
更に、環状エーテル構造に加え、ラジカル反応性の不飽和基を同時に有する化合物を用いることもできる。この様な不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、メタリル基などを挙げることができる。
【0034】
また、以上の様な環状エーテル構造を有する基や不飽和基は、接着剤組成物および感圧接着剤層の良好な性能を実現する観点から、モノマー成分およびオリゴマー成分に結合していることが好ましい。
【0035】
オリゴマー成分の種類は特に制限されないが、重量平均分子量が50〜1000であることが好ましく、オリゴエチレングリコール、エポキシ樹脂オリゴマー、ポリエステル樹脂オリゴマー、ポリアミド樹脂オリゴマー、ウレタン樹脂オリゴマー、オリゴビニルアルコール、フェノール樹脂オリゴマー等を使用する。
【0036】
これらのオリゴマー成分に環状エーテル構造が結合した化合物としては、例えば、オリゴエチレングリコールジグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0037】
また、モノマー成分の種類としては、上記の様なオリゴマー成分のモノマーが好ましく、この様なモノマー成分に環状エーテル構造が結合した化合物としては、例えば、グリシジル基が2個の例としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジル基が3個の例としてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0038】
以上の様な含環状エーテル放射線硬化性化合物の天然ゴム系微粒子100質量部に対する比率は、得られる接着剤組成物および接着剤層の性能の観点から、50質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましく、100質量部以上が更に好ましく、一方、500質量部以下が好ましく、300質量部以下がより好ましく、200質量部以下が更に好ましい。なお、必要に応じて、2種以上の含環状エーテル放射線硬化性化合物を併用することもでき、この場合、含環状エーテル放射線硬化性化合物の総量が上記の範囲内であることが好ましい。
【0039】
使用する含環状エーテル放射線硬化性化合物の種類によっては、重合開始剤を併用する。重合開始剤としては、例えば、ベンゾインやベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル−エーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、エオシン、チオニン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その使用量は、含環状エーテル放射線硬化性化合物の合計量100質量部に対し、0.1〜30質量部とする。
【0040】
以上の様な天然ゴム系微粒子と含環状エーテル放射線硬化性化合物とを用いて接着剤組成物を調製する方法を、図1を用いて説明する。
【0041】
先ず、図1(a)に示す様に、含環状エーテル放射線硬化性化合物32に、天然ゴム系微粒子30を40〜80質量%含有するする水系エマルジョン31を添加する。
【0042】
これを混合し、混合物33を、図1(b)に示す様に例えば温浴34等を用いて加熱する。加熱により、水系エマルジョンの媒体である水が気化し、混合物外に徐々に除去される。そして、水の減少に伴い、含環状エーテル放射線硬化性化合物の分散媒体が水から含環状エーテル放射線硬化性化合物に置換される(図1(c))。
【0043】
この方法を実際に行うと、水の減少に伴い混合物の粘度が上昇し、分散媒体が置換されると混合物の粘度が急激に低下する。この様な急激な粘度の変化は相転移に起因するものと考えられ、この方法を採用することにより、天然ゴム系微粒子の凝集などが発生することなく、天然ゴム系微粒子が十分に分散した接着剤組成物を得ることができる。
【0044】
また、天然ゴム系微粒子の分散性に加え、得られる接着剤組成物および接着剤層の性能の観点から望ましい平均粒子径を有する天然ゴム系微粒子を実現できる。なお、天然ゴム系微粒子の平均粒子径としては、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上が更に好ましく、一方、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。なお、平均粒子径は、光散乱法などを用いて重量基準により測定する。
【0045】
また、上記の様な方法を採用すると、天然ゴム系微粒子含有水系エマルジョンから媒体である水を除去したり、天然ゴム系微粒子を乾燥させることなく、分散媒体を直接置換できる。この結果、得られる接着剤組成物の含水率を十分低くすることもでき、具体的には10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下とできる。
【0046】
所望の平均粒子径を有する天然ゴム系微粒子が十分均一に分散され、含水率が十分低い接着剤組成物を得るためには、天然ゴム系微粒子含有水系エマルジョンと含環状エーテル放射線硬化性化合物との混合比を注意深く選択する必要がある。具体的には、天然ゴム系微粒子含有水系エマルジョン100質量部に対する、含環状エーテル放射線硬化性化合物の比率を、25質量部以上とすることが好ましく、40質量部以上がより好ましく、50質量部以上が更に好ましく、一方、250質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましく、100質量部以下が更に好ましい。
【0047】
また、所望の平均粒子径を有する天然ゴム系微粒子が十分均一に分散され、含水率が十分低い接着剤組成物を得るためには、天然ゴム系微粒子含有水系エマルジョンの水分を気化させる温度を注意深く選択する必要がある。具体的には、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、40℃以上が更に好ましく、一方、70℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましく、50℃以下が更に好ましい。
【0048】
更に、所望の平均粒子径を有する天然ゴム系微粒子が十分均一に分散され、含水率が十分低い接着剤組成物を十分な生産性で得るためには、天然ゴム系微粒子含有水系エマルジョンの水分を気化させる方法を注意深く選択する必要がある。具体的には、温風を送風する、減圧する等により、気化した水分を強制的に除去し、30分〜5時間程度で分散媒体の置換を終了する。
【0049】
天然ゴム系微粒子として、天然ゴム系ゴムとアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも何れか一方との共重合体を使用する場合は、以上の分散媒体の置換に先立ち、共重合体を合成する。
【0050】
この様な共重合体は、天然ゴム系エマルジョンにアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも何れか一方を添加し、天然ゴム系エマルジョン中でアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも何れか一方をビニル重合して合成できる。
【0051】
この場合、天然ゴム系微粒子とアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーとの反応比としては、天然ゴム系微粒子100質量部に対して、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーを1〜80質量部の範囲とし、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物系のものを使用でき、有機過酸化物およびエチレンジアミン類より成るレドックス系開始剤が好ましく、中でもt−ブチルハイドロパーオキサイド(t−BHPO)及びテトラエチレンペンタアミン(TEPA)より成るレドックス系開始剤が好ましい。また、有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシカーボネート等が好ましく、エチレンジアミン類としては、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、テトラエチレンテトラアミン(TETA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)等が好ましい。
【0052】
また、重合開始剤の使用量は、天然ゴム系微粒子の100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲とする。
【0053】
更に、必要に応じて、テルペン樹脂、ロジン、油溶性フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系炭化水素樹脂、テルペン樹脂の誘導体、ロジンの誘導体、油溶性フェノール樹脂の誘導体、クマロンインデン樹脂の誘導体、石油系炭化水素樹脂の誘導体などの粘着付与剤を添加することもできる。
【0054】
以上の様にして得られる共重合体を合成直後のエマルジョンは、共重合体に加え未反応のモノマー等を含有しているが、共重合体を精製などすることなく、合成直後のエマルジョンに含環状エーテル放射線硬化性化合物を混合し、分散媒体を置換することができる。
【0055】
更に、分散媒体を置換した後に、必要に応じて、アクリル化合物を添加する。アクリル化合物を併用することにより、接着剤組成物の塗工性をより広い範囲で制御でき、得られる接着剤層の更に高い接着力を実現でき、接着剤層と基体とのより高い接着強度を実現できる。
【0056】
この様な観点から、アクリル化合物としては、アクリル系モノマーであるか、重合度2〜10のアクリル系オリゴマーであるか、これらの混合物であることが好ましく、より具体的には、アクリル系モノマーをビニル重合して得られるオリゴマーが好ましく、アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ラウリル−トリデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸セチル−ステアリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル及びメタクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド及び(メタ)アクリル酸メチロールアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル及び(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の反応性アクリル系モノマー類;ジ(メタ)アクリル酸エチレン、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸デカエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタコンタヘクタエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ブチレン、(メタ)アクリル酸アリル、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール及びジ(メタ)アクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の架橋性アクリル系モノマー類などが好ましい。これらのモノマーは、必要に応じて2種以上併用でき、異なる重合度のオリゴマーの混合物を使用することもできる。
【0057】
また、アクリル化合物として、少なくとも1以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するオリゴマーを添加することもできる。更に、この(メタ)アクリロイル基に加え、ラジカル反応性の不飽和基を同時に有するオリゴマーを添加することもできる。この様な不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、メタリル基などを挙げることができる。
【0058】
オリゴマーの種類は特に制限されないが、重量平均分子量が50〜1000であることが好ましく、オリゴエチレングリコール、エポキシ樹脂オリゴマー、ポリエステル樹脂オリゴマー、ポリアミド樹脂オリゴマー、ウレタン樹脂オリゴマー、オリゴビニルアルコール、フェノール樹脂オリゴマー等を使用する。
【0059】
以上の様なアクリル化合物の具体例としては、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変成(n=4)アクリレート、エポキシ樹脂オリゴマーのアクリル酸エステル(例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート)、エポキシ樹脂オリゴマーとアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂オリゴマーと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、エポキシ樹脂オリゴマーのジグリシジルエーテルとジアリルアミンとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、オリゴエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物、オリゴビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、オリゴビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後グリシジルメタクリレートを付加させたもの、ピロメリット酸二無水物のジアリルエステル化物にp,p’−ジアミノジフェニルを反応させて得られるオリゴマー、エチレン−無水マレイン酸共重合体とアリルアミンとの反応生成物、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、これにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたもの、ウレタン結合を介してオリゴオキシアルキレンセグメント又は飽和オリゴエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系オリゴマー、末端アクリル変性イソプレンゴム又はブタジエンゴム等を挙げることができ、中でも、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0060】
また、必要に応じて、アクリル化合物として、光重合性モノマーを用いることもできる。光重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、例えばアルキル、シクロアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、テトラヒドロフルフリル、アリル、グリシジル、ベンジル、フェノキシアクリレート、フェノキシメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N’−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド等を挙げることができる。
【0061】
また、特に硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えば、イソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、オリゴオキシエチレン又はオリゴプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、又はこれらのモノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート等を用いる。
【0062】
更に、以上の様なオリゴマーのモノマーをアクリル化合物として使用することもできる。この場合、パラクミルフェノールEO変成(n=1)アクリレートの様に、アクリル化合物のオリゴマー成分をモノマー成分に置き換えたものを使用することもできる。
【0063】
また、必要に応じて、多官能性のアクリル化合物を用いることもできる。多官能性アクリル化合物としては、共重合性のα,β−不飽和多価カルボン酸の(メタ)アクリルエステル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,4−ブチレングリコール、ジメタクリル酸プロピレングリコール等のジメタクリル酸アルキレングリコールエステル、トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート等を用いることができる。
【0064】
以上の様なアクリル化合物の添加量は、得られる接着剤組成物および接着剤層の性能を考慮して注意深く設定され、含環状エーテル放射線硬化性化合物の100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましく、一方、80質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。
【0065】
以上の様にして分散媒体を置換し、必要に応じてアクリル化合物を添加後、接着剤層を形成する際に含環状エーテル放射線硬化性化合物を硬化するための重合開始剤を、必要に応じて更に添加する。
【0066】
また、得られる接着剤層の接着力と接着剤層の基材への定着性を向上させる観点から、スチレン−ブタジエンゴムラテックスを添加する場合もある。スチレン−ブタジエンゴムラテックスは、接着剤組成物が塗布される基体と天然ゴム系微粒子との密着性を向上すると考えられる。
【0067】
スチレン−ブタジエンゴムラテックスはスチレン−ブタジエンゴム(SBR)から主になり、SBRとしては、SBRドライバー及びSBRラテックス等の乳化重合SBR;ランダムSBR、ブロックSBR及び対称ブロックSBR等の溶液重合SBR等を用いることができる。
【0068】
また、SBRの特性は、スチレン及びブタジエンの共重合比に大きく依存する。この様な観点から、スチレン含有量が低い(30質量%以下)もの、スチレン含有量が中程度(30質量%より多く70質量%以下)のもの、スチレン含有量が高い(70質量%を超える)もの等を注意深く選択し、スチレン−ブタジエンゴムラテックスにおいて使用する。
【0069】
スチレン−ブタジエンゴムラテックスの主成分として使用されるSBRとしては、非変性タイプ、ビニルピリジン変性タイプ及びカルボキシ変性タイプル等を挙げることができる。中でも、基体との密着性に優れ、天然ゴム系微粒子と基体との接着力を十分向上できるため、カルボキシ変性されたスチレン−ブタジエンゴムラテックスが好ましい。
【0070】
天然ゴム系微粒子およびスチレン−ブタジエンゴムラテックスの混合比としては、天然ゴム系微粒子の接着力を十分向上させるために、天然ゴム系微粒子100質量部に対してスチレン−ブタジエンゴムラテックスを、1質量部以上とすることが好ましく、5質量部以上がより好ましい。一方、天然ゴム系微粒子の他の特性を損なわないために、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましい。
【0071】
また、スチレン−ブタジエンゴムラテックスの含有量を適度な値とすることにより、得られる接着剤層とインク及びトナー等の印刷剤との十分な相互作用を実現できるため、印刷剤の十分な定着性を実現できる。更に、接着剤層を圧着した後の接着強度を適度とできるため、圧着後の不必要な時に接着剤層が剥離することを抑制でき、必要に応じて圧着後の所望時に接着剤層を容易に剥離することができる。
【0072】
更に、得られる感圧接着剤組成物の十分な耐ブロッキング性を実現するため、接着剤組成物に、天然ゴム系微粒子に対して非親和性の充填剤を添加することが好ましい。充填剤の添加により接着剤層の表面(接着面)に凹凸が形成されるため、接着面の圧着に先立ち接着面が他の面に接着することが抑制され、耐ブロッキング性が向上すると考えられる。
【0073】
加えて、充填剤を添加して接着剤層の表面(接着面)に凹凸を形成すれば、接着面の圧着後に接着面同士の融着が進行し、接着力が高進することも抑制できると考えられる。これらの結果、接着面の圧着後に接着面を剥離する必要がある場合、容易に接着面を剥離することができる。
【0074】
また、接着剤層の透明性を阻害しない様にする必要がある場合には、充填剤として、粒子形状が規則的に整ったものが好ましい。この様なものとしては、例えば、各種シリカ系充填剤、各種デンプン系充填剤、合成ゼオライト、微球状(メタ)アクリル樹脂、微球状ポリエチレン、球状アルミナ、ガラス粉末、シラスバルーン、活性白土、酸化チタン及び酸化亜鉛などが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0075】
なお、これらの充填剤の平均粒子径は、0.01μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、一方、35μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。また、粒子径の異なる2種以上を組み合わせて用いると、接着剤層の表面を凹凸状に形成し易いので、耐ブロッキング性、剥離性能の向上に有利である。
【0076】
以上の様な充填剤の中でも、天然ゴム系微粒子との親和力が小さく、十分な耐ブロッキング性を実現できるため、シリカ系充填剤およびデンプン系充填剤が好ましい。
【0077】
充填剤の配合量としては、シリカ系充填剤の場合、天然ゴム系微粒子100質量部に対して10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上が更に好ましく、一方、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、60質量部以下が更に好ましい。
【0078】
また、デンプン系充填剤の場合、天然ゴム系微粒子100質量部に対して10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上が更に好ましく、一方、200質量部以下が好ましく、180質量部以下がより好ましく、160質量部以下が更に好ましい。
【0079】
以上の様な添加剤に加え、耐紫外線性を向上するために、紫外線吸収剤(紫外線吸収剤)を接着剤組成物に添加する場合もある。
【0080】
この様な紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、ブチルフェニルサリシレート及びオクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸類;ジヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、ヒドロキシドデシルオキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシスルホベンゾフェノン及びビス(メトキシヒドロキシベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン類;(ヒドロキシメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(ヒドロキシブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(ヒドロキシジブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(ヒドロキシブチルメチルフェニル)クロロベンゾトリアゾール、(ヒドロキシジブチルフェニル)クロロベンゾトリアゾール、(ヒドロキシジアミルフェニル)ベンゾトリアゾール及び[ヒドロキシ(テトラヒドロフタルイミドメチル)メチルフェニル]ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類;エチルヘキシルシアノジフェニルアクリレート及びエチルシアノジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート類;ヒンダードアミン類等を挙げることができる。
【0081】
また、酸化防止剤を必要とする場合もある。酸化防止剤としては、アミン−ケトン系、ジフェニルアミン系、ジアリール−P−フェニレンジアミン系およびアルキルアリール−P−フェニレンジアミン系等の芳香族第2級アミン系を含むアミン類;モノフェノール系、ビスフェノール系およびヒドロキノン系を含むフェノール類;有機イオウ類;ホスファイト類;これらの複合系などを使用することができ、中でも、汚染性および着色性が少ないことからフェノール類が好ましい。
【0082】
更に、必要に応じて、合成ゴムエマルジョンを併用して接着剤組成物を作製することもできる。合成ゴムエマルジョンとしては、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリウレタンゴム、チオコールゴム及びアクリルゴム等の合成ゴムを水性溶媒中に分散させたエマルジョンを例示することができる。
【0083】
また、合成樹脂エマルジョンを併用して感圧接着剤組成物を作製することもできる。合成樹脂エマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合体系エマルジョン、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン及びポリ塩化ビニル系エマルジョン等を例示することができる。なお、これらの合成樹脂エマルジョンのなかでも、ガラス転移温度(Tg)が−30〜20℃のものが好適である。
【0084】
また、天然ゴム系微粒子の分散を安定化させるために乳化剤を添加することもできる。この様な乳化剤としては、ロジンセッケン、ナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸セッケン及びアルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン系やノニオン系の界面活性剤が用いられる。
【0085】
更に、必要に応じて、接着剤組成物に、pH調整剤、酸化防止剤、粘着付与剤、粘度調整剤、老化防止剤、安定剤および着色剤などを混合することもできる。
【0086】
以上の様にして得られた接着剤組成物は、グラビアコーター、フレキソ、エアーナイフコーター、ワイヤーバー及びバーコーター等の塗布手段により、基体上に塗布され、塗膜を形成する。
【0087】
なお、基体としてはシート状などの形状を有し、通常の紙の他に、合成紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び塩化ビニル等の合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面にマット処理およびコロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。
【0088】
また、基体シート面への接着剤組成物の塗布量は、接着剤層の接着性、剥離性および透明性を維持するため、1g/m2以上が好ましく、3g/m2以上がより好ましく、4g/m2以上が更に好ましく、一方、30g/m2以下が好ましく、20g/m2以下がより好ましく、7g/m2以下が更に好ましい。
【0089】
接着剤組成物よりなる塗膜は、放射線の照射により硬化される。この結果、図2に示した様に、基体42のシート上に感圧接着剤層が形成されており、感圧接着剤層は、天然ゴム系微粒子40が分散される含環状エーテル放射線硬化性化合物の放射線硬化物41である情報担持用シートを得ることができる。なお、分散媒体である含環状エーテル放射線硬化性化合物の一部は、硬化前に基体中に拡散していると考えられ、放射線の照射により、43に示した様に、含環状エーテル放射線硬化性化合物の一部は基体中で硬化したり、基体と反応していると考えられる。この結果、接着剤層と基体との高い接着強度を実現できる。
【0090】
また、塗膜は硬化前に必要に応じて乾燥されるが、放射線の照射による硬化工程中に乾燥も同時に進行し、また分散媒体が含環状エーテル放射線硬化性化合物であるため、短時間で乾燥を終了できるか、乾燥工程を別途に必要としない場合もある。
【0091】
ここで、図3(a)に、接着剤層が剥離可能な情報担持用シートの例を、図4(a)に、接着剤層が剥離不能な情報担持用シートの例を、それぞれ示した。
【0092】
図3(a)の場合、図3(b)に示す様に、接着剤層10上に秘匿性および親展性などの情報12が印刷される。その後、図3(c)に示す様に、接着剤層10が重合わされる様に情報担持用シートを折り線11で折り曲げ、接着剤層10を圧着する。そして、図3(d)に示す様に、必要な時に接着剤層10は剥離され情報12が読取られる。この場合、接着剤層は、圧着後の所望な時期に容易に剥離できることが要求される。また、接着剤組成物は全面塗工されている。
【0093】
一方、図4(a)の場合、図4(b)に示す様に、秘匿性および親展性などの情報22は接着剤層20が形成されていない位置に印刷される。その後、図4(c)に示す様に、接着剤層10が重合わされる様に情報担持用シートを折り線21で折り曲げ、接着剤層20を圧着する。そして、図4(d)に示す様に、情報22の読取りは、接着剤層20を剥離することなく、基体シートの所定位置(例えば、ミシン目23)を切断する等して行われる。この場合、接着剤層は、圧着後において実質的に剥離しないことが要求される。また、接着剤組成物はパターン塗工されている。
【0094】
なお、感圧接着剤組成物の構成物質の配合比率および圧着条件などを変化させることにより、接着剤層を剥離可能とすることもできるし、剥離不能とすることもできる。
【0095】
接着剤層が剥離可能な場合、得られた接着剤層上に、必要な情報が印刷および印字される。印刷方式では一般的な印刷機の他、電子写真法、また、印字方式としてはインクジェット法などを採用することができる。インクジェット法の場合、印刷剤はインクであり、電子写真法の場合、印刷剤はトナーである。その後、印刷剤を乾燥および/または定着するため、紫外線を照射する。また、印刷剤を乾燥および/または定着するために加熱する場合もある。
【0096】
以上に説明した情報情報担持用シートは、2つ折り、3つ折り、切り重ね及び各種の重ね合わせの形で接着でき、見開き面を有するハガキ、各種帳票、通知書および各種カード等として好適に利用できる。
【0097】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。
【0098】
(アクリル・スチレン共重合天然ゴムエマルジョンの調製)
天然ゴムラテックス100質量部を含む水系エマルジョン200質量部に対し、スチレン10質量部およびメタクリル酸メチル25質量部とを混合し、重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド(t−BHPO)0.1質量部およびテトラエチレンペンタミン(TEPA)0.3質量部とを添加した。これを、45℃/窒素置換雰囲気中で2時間反応させることにより得た共重合体天然ゴムエマルジョンに、粘着付与剤としてテルペン樹脂を5質量部添加して天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンを得た。
【0099】
(実施例1)接着剤組成物1、情報担持用シート1
以上で得られた天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンに、天然ゴム系微粒子100質量部に対して100質量部となる様にエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:エポライト 400E、共栄社化学社製)を良く攪拌したのち、混合物を50℃に昇温して減圧下で気化する水分を除去することにより、1時間で分散媒体を置換した。なお、天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンとエチレングリコールジグリシジルエーテルとの質量比は160:100であった。
【0100】
これに光重合開始剤(商品名:バイキュア55、アクゾノーベル社製)4質量部を添加して、紫外線硬化型の感圧接着剤組成物1を得た。
【0101】
得られた感圧接着剤組成物1の含水率を測定したところ、0.5質量%であった。また、天然ゴム系微粒子の平均粒子径は0.2μmであり、分散性は均一であった。
【0102】
この感圧接着剤組成物1をワイヤーバーを使用してフォーム上質紙(商品名:NIP N(70kg連量)王子製紙社製)に6g/m2になるように塗工し、高圧水銀ランプを使用して硬化させて、接着剤層を形成して、情報担持用シート1を得た。塗工性は、全面塗工およびパターン塗工の場合も、低吸収性の用紙の場合と同様に良好であった。また、乾燥不良などの不具合も発生しなかった。
【0103】
得られた情報担持用シート1の接着剤層が形成されている面同士を重ね合わせたのち、シーリングマシンをローラ間ギャップ100μmに設定してシーリングを行った。シーリング後には2枚の用紙は十分な強度で接着されていた。また、この2枚の用紙を剥離したところ、接着剤層と基体とが剥離することなく、綺麗に剥離できた。
【0104】
(実施例2)接着剤組成物2、情報担持用シート2
接着剤組成物1で使用したエチレングリコールジグリシジルエーテルの使用量を60質量部に変えた以外は同様の操作を行い、接着剤組成物2及び情報担持用シート2得た。得られた接着剤組成物2及び情報担持用シート2は、実用に耐え得る性能を有していた。
【0105】
(実施例3)接着剤組成物3、情報担持用シート3
接着剤組成物1で使用した天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンに、天然ゴム系微粒子100質量部に対して100質量部となる様にエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:エポライト 400E、共栄社化学社製)を良く攪拌したのち、混合物を50℃に昇温して減圧下で気化する水分を除去することにより、1時間で分散媒体を置換した。なお、天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンとエチレングリコールジグリシジルエーテルとの質量比は160:100であった。
【0106】
一方、アクリル酸ダイマ(商品名:アロニックスM−5600、東亞合成社製)100質量部に重合開始剤(商品名:バイキュア55、アクゾノーベル社製)100質量部を溶解し、この10質量部を以上で得た分散媒体置換物に添加して、紫外線硬化型の感圧接着剤組成物3を得た。
【0107】
得られた感圧接着剤組成物3の含水率を測定したところ、0.5質量%であった。また、天然ゴム系微粒子の平均粒子径は0.2μmであり、分散性は均一であった。
【0108】
この感圧接着剤組成物3をワイヤーバーを使用してフォーム上質紙(商品名:NIP N(70kg連量)王子製紙社製)に6g/m2になるように塗工し、高圧水銀ランプを使用して硬化させて、接着剤層を形成して、情報担持用シート3を得た。塗工性は、全面塗工およびパターン塗工の場合も、低吸収性の用紙の場合と同様に良好であった。また、乾燥不良などの不具合も発生しなかった。
【0109】
得られた情報担持用シート3の接着剤層が形成されている面同士を重ね合わせたのち、シーリングマシンをローラ間ギャップ60μmに設定してシーリングを行った。シーリング後には2枚の用紙は十分な強度で接着されていた。また、この2枚の用紙を剥離したところ、接着剤層と基体とが剥離することなく、綺麗に剥離できた。
【0110】
(実施例4)接着剤組成物4、情報担持用シート4
接着剤組成物3で使用したアクリル酸ダイマをノニルフェノールEO変成(n=4)アクリレート(商品名:アロニックス M−113、東亞合成社製)に変更した以外は同様の操作を行い、接着剤組成物4を得た。また、シーリングマシンをローラ間ギャップ100μmに設定した以外は、情報担持用シート3と同様の操作を行い、情報担持用シート4を得た。得られた接着剤組成物4及び情報担持用シート4は、良好な性能を有していた。
【0111】
(実施例5)接着剤組成物5、情報担持用シート5
接着剤組成物3で使用したアクリル酸ダイマをパラクミルフェノールEO変成(n=1)アクリレート(商品名:アロニックス M−110、東亞合成社製)に変更した以外は同様の操作を行い、接着剤組成物5を得た。また、シーリングマシンをローラ間ギャップ100μmに設定した以外は、情報担持用シート3と同様の操作を行い、情報担持用シート5を得た。得られた接着剤組成物5及び情報担持用シート5は、良好な性能を有していた。
【0112】
(実施例6)接着剤組成物6、情報担持用シート6
接着剤組成物3において、天然ゴム系微粒子100質量部に対し、武田薬品工業社製SBR(商品名:クロスレンSK−72)が15質量部となるよう、平均粒子径4μmの市販のシリカが50質量部となるよう、平均粒子径15μmの市販の小麦デンプンが150質量部となるように、これらの充填剤を添加した以外は、同様の操作を行い、接着剤組成物6を得た。また、情報担持用シート5の場合と同様にして、情報担持用シート6を得た。得られた接着剤組成物6及び情報担持用シート6は、良好な性能を有していた。
【0113】
(実施例7)接着剤組成物7、情報担持用シート7
接着剤組成物1で使用した天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンに、天然ゴム系微粒子100質量部に対して100質量部となる様にエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:エポライト 400E、共栄社化学社製)75質量部とトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(商品名:エポライト 100MF、共栄社化学社製)25質量部とを良く攪拌したのち、混合物を50℃に昇温して減圧下で気化する水分を除去することにより、1時間で分散媒体を置換した。なお、天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンとエチレングリコールジグリシジルエーテルおよびトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルの混合物との質量比は160:100であった。
【0114】
これに光重合開始剤(商品名:バイキュア55、アクゾノーベル社製)4質量部を添加して、紫外線硬化型の感圧接着剤組成物7を得た。
【0115】
得られた感圧接着剤組成物7の含水率を測定したところ、0.5質量%であった。また、天然ゴム系微粒子の平均粒子径は0.2μmであり、分散性は均一であった。
【0116】
この感圧接着剤組成物7をワイヤーバーを使用してフォーム上質紙(商品名:NIP N(70kg連量)王子製紙社製)に6g/m2になるように塗工し、高圧水銀ランプを使用して硬化させて、接着剤層を形成して、情報担持用シート7を得た。塗工性は、全面塗工およびパターン塗工の場合も、低吸収性の用紙の場合と同様に良好であった。また、乾燥不良などの不具合も発生しなかった。
【0117】
得られた情報担持用シート7の接着剤層が形成されている面同士を重ね合わせたのち、シーリングマシンをローラ間ギャップ100μmに設定してシーリングを行った。シーリング後には2枚の用紙は十分な強度で接着されていた。また、この2枚の用紙を剥離したところ、接着剤層と基体とが剥離することなく、綺麗に剥離できた。
【0118】
(比較例1)
エチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名:エポライト 400E、共栄社化学社製)100質量部に、光重合開始剤(商品名:バイキュア55、アクゾノーベル社製))8質量部を溶解した。得られた液をワイヤーバーを使用してフォーム上質紙(商品名:NIP N(70kg連量)王子製紙社製)に6g/m2になるように塗工し、高圧水銀ランプを使用して硬化させた。得られた塗工紙の接着剤面同士を重ね合わせたのち、シーリングマシンをローラ間ギャップ100μmに設定してシーリングを行ったが、シーリング後には2枚の用紙は接着されていなかった。
【0119】
(比較例2)
市販の紫外線硬化型感圧擬似接着剤をワイヤーバーを使用してフォーム上質紙(商品名:NIP N(70kg連量)王子製紙社製)に6g/m2になるように塗工し、高圧水銀ランプを使用して硬化させた。得られた塗工紙の接着剤面同士を重ね合わせたのち、シーリングマシンをローラ間ギャップ100μmに設定してシーリングを行ったが、シーリング後には2枚の用紙は接着されていなかった。
【0120】
【発明の効果】
天然ゴム系微粒子が含環状エーテル放射線硬化性化合物中に分散されている接着剤組成物を使用することにより、十分な接着力を有し、各種の充填剤を十分充填でき、塗工後の乾燥時間が短く、全面塗工およびパターン塗工の何れも容易に行え、各種の基体に塗工することができ、基体と感圧接着剤層との十分な接着強度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着剤組成物の調製方法を説明する模式図である。
【図2】接着剤層を説明するための模式図である。
【図3】接着剤層が剥離可能な場合の情報担持用シートを説明するための模式図である。
【図4】接着剤層が剥離不能な場合の情報担持用シートを説明するための模式図である。
【符号の説明】
10 接着剤層
11 折り線
12 情報
20 接着剤層
21 折り線
22 情報
23 ミシン目
30 天然ゴム系微粒子
31 水系エマルジョン
32 含環状エーテル放射線硬化性化合物
33 混合物
34 温浴
40 天然ゴム系微粒子
41 含環状エーテル放射線硬化性化合物の硬化層
42 基体
43 含環状エーテル放射線硬化性化合物の硬化層

Claims (14)

  1. 天然ゴム系微粒子が含環状エーテル放射線硬化性化合物中に分散されており、
    含水率が10質量%以下である
    ことを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記天然ゴム系微粒子100質量部に対する、前記含環状エーテル放射線硬化性化合物の比率は50〜500質量部であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 前記天然ゴム系微粒子は、天然ゴム系ゴムと、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも何れか一方との共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記共重合体は、天然ゴム系エマルジョン中でアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも何れか一方をビニル重合して得られることを特徴とする請求項記載の接着剤組成物。
  5. 前記天然ゴム系微粒子の平均粒子径は、0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1乃至何れかに記載の接着剤組成物。
  6. 前記含環状エーテル放射線硬化性化合物は、2〜12個の炭素と1〜6個の酸素とを含む環状エーテル構造を1以上含むことを特徴とする請求項1乃至何れかに記載の接着剤組成物。
  7. 前記環状エーテル構造は、エポキシ環であることを特徴とする請求項記載の接着剤組成物。
  8. アクリル化合物を更に含有することを特徴とする請求項1乃至何れかに記載の接着剤組成物。
  9. スチレン−ブタジエンゴムラテックスを更に含有していることを特徴とする請求項1乃至何れかに記載の接着剤組成物。
  10. 天然ゴム系微粒子を含有する水系エマルジョンと、含環状エーテル放射線硬化性化合物とを混合する工程と、
    該混合物を攪拌しながら昇温し、該水系エマルジョンの水を気化させ除去し、該天然ゴム系微粒子が分散している媒体を水から該含環状エーテル放射線硬化性化合物に置換する工程と
    を具備する接着剤組成物の製造方法。
  11. 前記天然ゴム系微粒子含有水系エマルジョン100質量部に対する、前記含環状エーテル放射線硬化性化合物の比率は25〜250質量部であることを特徴とする請求項10記載の接着剤組成物の製造方法。
  12. 前記天然ゴム系微粒子含有水系エマルジョンは、天然ゴム系エマルジョン中でアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも何れか一方をビニル重合して得られることを特徴とする請求項10又は11記載の接着剤組成物の製造方法。
  13. 前記媒体が置換された混合物に、アクリル化合物を更に添加することを特徴とする請求項10乃至12何れかに記載の接着剤組成物の製造方法。
  14. 基体シート上に感圧接着剤層が形成されており、
    該感圧接着剤層は、請求項1乃至9何れかに記載の接着剤組成物の放射線硬化物であることを特徴とする情報担持用シート。
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