JP2017066021A - 酸化ジルコニウムナノ粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に、希土類酸化物等で安定化され、有機媒体に対して良好な分散性を示す酸化ジルコニウム粒子を得ることを目的とする。【解決手段】本発明は、1級カルボン酸及び2級カルボン酸の少なくとも1種であり、炭素数が3以上である第1のカルボン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子であって、前記酸化ジルコニウムナノ粒子は、イットリウムを含有することを特徴とする酸化ジルコニウムナノ粒子である。本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、更にAl及び希土類元素(イットリウム以外)の少なくとも1種以上を含有することが好ましい。前記第1のカルボン酸は、2級カルボン酸、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸、及び炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化ジルコニウムナノ粒子に関する。
近年、金属酸化物のナノ粒子は、光学材料、電子部品材料等に様々な機能を発現できる可能性を有しており、各種機能性材料の分野で注目を集めている。しかしながら、金属酸化物単独では有機媒体に対する分散性が不十分なため凝集する場合が多く、透明性の低下や機械強度の低下といった問題を生じていた。有機媒体に対して良好な分散性を付与するため、金属酸化物に有機基を化学的に結合させる方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、2種以上の被覆剤により被覆されており、当該被覆剤の少なくとも1種がR1−COOH(R1は炭素数6以上の炭化水素基)の式で表されるものである酸化ジルコニウムナノ粒子が開示されており、このような酸化ジルコニウムナノ粒子は、非極性の溶媒等に対する分散性を改善できることが記載されている。上記式で表される被覆剤として、特許文献1の実施例ではネオデカン酸を開示している。
また近年、金属酸化物粒子を希土類酸化物で安定化させる技術が提案されている。前記した特許文献1に開示されるネオデカン酸は、3級カルボン酸に分類されるが、非特許文献1には3級カルボン酸の金属錯体を出発物質に用いた、希土類酸化物で安定化されたジルコニア微粒子が開示されている。非特許文献1では、Zr(IV)−カルボキシレートに、Y(III)−カルボキシレートを所定の割合で混合した溶液を出発物質として、MgSO4水溶液と共に水熱合成することで、ジルコニア粒子が生成することを開示している。
特開2008−44835号公報
「金属カルボキシレートを出発物質とする希土類酸化物安定化ジルコニア微粒子」、化学工学協会、化学工学会秋季大会研究発表講演要旨集 2001年34巻16頁
本発明は、上記した非特許文献1に開示されるMgSO4水溶液等の硫酸塩水溶液を用いることなく、又はその使用量を減らして、簡便に希土類酸化物等で安定化され、有機媒体に対して良好な分散性を示す酸化ジルコニウム粒子を得ることを目的とする。
上記課題を達成した本発明は、1級カルボン酸及び2級カルボン酸の少なくとも1種であり、炭素数が3以上である第1のカルボン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子であって、前記酸化ジルコニウムナノ粒子は、イットリウムを含有することを特徴とする酸化ジルコニウムナノ粒子である。本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、更にAl及び希土類元素(イットリウム以外)の少なくとも1種を含有することが好ましい。前記第1のカルボン酸は、2級カルボン酸、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸、及び炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、Al及び希土類元素の合計含有量は、ジルコニウムに対する割合で0.1質量%以上であることが好ましい。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、前記第1のカルボン酸以外の有機酸、シランカップリング剤、界面活性剤及び有機リン化合物の少なくとも1種で被覆されていることが好ましい。
本発明は、上記のいずれかの酸化ジルコニウムナノ粒子を含む分散液、樹脂組成物、及び成型材料も包含する。
上記のいずれかの酸化ジルコニウムナノ粒子から得られるセラミックス材料及び、このセラミックス材料の製造方法も本発明に含まれる。該製造方法は、上記のいずれかの酸化ジルコニウムナノ粒子を500℃以上で焼成するか、又は上記のいずれかの酸化ジルコニウムナノ粒子を含む組成物を500℃以上で焼成することを特徴とするセラミックス材料の製造方法である。
更に、本発明は、第1のカルボン酸が、2級カルボン酸、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸、及び炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種である酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法も包含し、該製造方法は、2級カルボン酸、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸、及び炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種である第1のカルボン酸と、ジルコニウム又はジルコニウム含有化合物とから構成されるジルコニウム原料物質と、前記第1のカルボン酸と、Al、希土類元素、Al含有化合物及び希土類元素含有化合物の少なくとも1種と、から構成されるAl又は希土類元素原料物質とを、MgSO4を用いることなく水熱合成することを特徴とする酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法である。
本発明によれば、特定のカルボン酸を用いているため、カルボン酸で被覆され且つイットリウムを含み、必要に応じて更に、Al又はイットリウム以外の希土類元素(以下、「希土類元素等」と呼ぶ)を含む酸化ジルコニウムナノ粒子を、MgSO4等を用いることなく、またはその使用量を減らして簡便に得ることができる。このような酸化ジルコニウムナノ粒子は、特定のカルボン酸を用いているため有機媒体に対して良好な分散性を示すと共に、希土類元素等を含むことによって安定した結晶構造を有するため、この酸化ジルコニウムナノ粒子を焼成した際、結晶構造の変化を抑制できる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、特定の第1のカルボン酸で被覆されているため、溶媒や樹脂といった有機媒体に対する分散性が良好であると共に、イットリウムを必須として、必要に応じて更に希土類元素等の少なくとも1種を含んでいるため、酸化ジルコニウムの結晶構造が安定、すなわち焼成前後での結晶構造の変化が抑制されている。また、特定の第1のカルボン酸を用いているため、上記した非特許文献1のような3級カルボン酸の金属錯体を出発物質に用いた場合に必要とされ、触媒的機能を果たすMgSO4水溶液を用いなくとも、水熱合成によって酸化ジルコニウムナノ粒子を得ることができる。
本発明における第1のカルボン酸とは、1級カルボン酸及び2級カルボン酸の少なくとも1種であり、炭素数が3以上である。1級カルボン酸とは、1級アルキル基にカルボキシル基が結合しているカルボン酸を意味し、また2級カルボン酸とは、2級アルキル基にカルボキシル基が結合しているカルボン酸を意味する。従って、本発明の第1のカルボン酸とは、ギ酸、酢酸を除く1級カルボン酸及び2級カルボン酸である。第1のカルボン酸は、2級カルボン酸、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸、又は炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸であることが好ましく、これらの少なくとも1種で被覆されていることが好ましい。このうち、2級カルボン酸及びα位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸の少なくとも1種で被覆されていることがより好ましく、2級カルボン酸で被覆されていることが更に好ましい。
2級カルボン酸としては、炭素数4〜20の2級カルボン酸が好ましく、炭素数5〜18の2級カルボン酸がより好ましく、具体的にはイソ酪酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチル吉草酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、2−プロピル酪酸、2−ヘキシル吉草酸、2−プロピル酪酸、2−ヘキシルデカン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−メチルヘキサデカン酸、4−メチルシクロヘキサカルボン酸などが挙げられる。
α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸とは、すなわち炭化水素基にカルボキシル基が結合したカルボン酸であって、前記炭化水素基のα位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸を意味する。このようなカルボン酸の炭素数は4〜20が好ましく、より好ましくは5〜18であり、例えばイソ吉草酸、3,3−ジメチル酪酸、3−メチル吉草酸、イソノナン酸、4−メチル吉草酸、4−メチル−n−オクタン酸などが挙げられる。
直鎖状カルボン酸(好ましくは直鎖状飽和脂肪族カルボン酸)の炭素数は4〜20であり、好ましくは5以上、より好ましくは8以上である。炭素数が4〜20の直鎖状カルボン酸としては、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などが挙げられ、好ましくはカプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸である。
第1のカルボン酸の量は、第1のカルボン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子に対して、例えば5〜25質量%(好ましくは10質量%以上、より好ましくは13質量%以上)である。本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が、後述する第1のカルボン酸以外の有機酸で更に被覆される場合には、第1のカルボン酸と、第1のカルボン酸以外の有機酸の合計量が前述の範囲となれば良い。
なお、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が第1のカルボン酸で被覆されているとは、第1のカルボン酸が酸化ジルコニウムナノ粒子に化学的に結合した状態及び物理的に結合した状態のいずれをも含む意味であり、第1のカルボン酸及び/又は第1のカルボン酸由来のカルボキシレートで被覆されていることを意味する。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、イットリウムを必須として、必要に応じて更にAl及びイットリウム以外の希土類元素の少なくとも1種を含んでおり、酸化ジルコニウム結晶における結晶構造が安定している。すなわち、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子中の正方晶及び/又は立方晶の割合を高くできると共に、酸化ジルコニウムナノ粒子を焼成した際の正方晶の減少を抑制でき、焼成後の正方晶の割合を高くできる。希土類元素には、Sc、Y(イットリウム)と、原子番号57(La)〜原子番号71(Lu)のランタノイド系元素が含まれる。
本発明では、イットリウムを必須成分とし、Al及び希土類元素のうち、好ましくは更にAl、La,Yb、Sc、Ce、Erの一種以上を含んでも良く、より好ましくはAl、Sc,Erの一種以上を含んでも良い。
Al及び希土類元素(イットリウムを含む)の含有量(イットリウムのみの場合はイットリウムの含有量、イットリウムの他1種以上含む場合には、合計の含有量)は、酸化ジルコニウムのジルコニウムと、Al及び希土類元素の合計量に対する割合で例えば0.1〜20質量%であり、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5質量%以上である。特に、3質量%以上とすることで、焼成後の正方晶の割合を焼成前に比べて増加させることができる。
なお、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子に含まれるジルコニウムの割合は、ジルコニウムナノ粒子に含まれる全金属元素の合計に対して、例えば80質量%以上である。また、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子に含まれる金属元素として、ジルコニウム、Al及び希土類元素以外の金属元素が含まれていても良い。ジルコニウム、Al及び希土類元素を除く金属元素は、通常、周期表3族以降の金属元素であり、その合計含有量は特に限定されないが、例えば3質量%以下であり、2質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以下であり、0質量%であっても良い。
本発明の酸化ジルコニウム粒子は、水熱合成反応後に得られた前記第1のカルボン酸で被覆されたものを、更に常温もしくは加熱して表面処理を行うことによって第1のカルボン酸以外の有機酸、シランカップリング剤、界面活性剤及び有機リン化合物等で表面修飾されていてもよい。最初に得られたナノ粒子に再度表面処理を施すことにより、焼成前駆体として他の物質との混合性、成型性等を制御することが可能となり、様々な用途への応用することができるようになる。好ましい有機酸、シランカップリング剤、界面活性剤及び有機リン化合物について、以下に説明する。
<有機酸>
有機酸としては、第1のカルボン酸以外の、カルボキシル基を有するカルボン酸化合物が好ましく用いられる。カルボン酸化合物は酸化ジルコニウムナノ粒子に化学結合するか、或いは水素原子やカチオン性原子と共にカルボン酸やその塩を形成して酸化ジルコニウムナノ粒子に付着するため、本発明において「被覆」とは、カルボン酸化合物が酸化ジルコニウムに化学的に結合した状態、カルボン酸化合物が酸化ジルコニウムに物理的に付着した状態の両方を包含する。
第1のカルボン酸以外の、カルボキシル基を有するカルボン酸化合物としては、溶媒への分散性や、酸化ジルコニウムナノ粒子以外の材料の性質で自由に選択可能であるが、(メタ)アクリル酸類、エステル基、エーテル基、水酸基、アミノ基、アミド基、チオエステル基、チオエーテル基、カーボネート基、ウレタン基、およびウレア基からなる群より選ばれる1以上の置換基を有するカルボン酸、炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸、分枝鎖状カルボン酸、環状カルボン酸、又は芳香族カルボン酸等の1つ以上(好ましくは1つ)のカルボン酸基を有する炭化水素類が好ましく採用される。
このようなカルボン酸化合物を具体的に例示すると、(メタ)アクリル酸類(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、3−アクリロイルオキシプロピオン酸等の(メタ)アクリロイロキシC1-6アルキルカルボン酸等);C3-9脂肪族ジカルボン酸の(メタ)アクリロイロキシC1-6アルキルアルコールによるハーフエステル類(例えば、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸等)、C5-10脂環式ジカルボン酸の(メタ)アクリロイロキシC1-6アルキルアルコールによるハーフエステル類(例えば、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等)、C8-14芳香族ジカルボン酸の(メタ)アクリロイロキシC1-6アルキルアルコールによるハーフエステル類(例えば、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸等)等のエステル基を有するカルボン酸;ピバリン酸、2,2−ジメチル酪酸、2,2−ジメチル吉草酸、2,2−ジエチル酪酸、ネオデカン酸等の分枝鎖状カルボン酸;ナフテン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の環状カルボン酸;エーテル基を含有するカルボン酸(メトキシ酢酸、エトキシ酢酸等);水酸基を含有するカルボン酸(乳酸、ヒドロキシプロピオン酸等)、アミノ基を有するカルボン酸(グリシン、アラニン、システイン等のアミノ酸類等)等が挙げられる。
カルボン酸化合物の添加量は、酸化ジルコニウムナノ粒子100質量部に対して、0.1質量部以上、30質量部以下であることが好ましい。
<シランカップリング剤>
シランカップリング剤としては、加水分解性基−Si−OR9(なお、R9はメチル基又はエチル基)を有する化合物が好ましい。このようなシランカップリング剤としては、官能基を有するシランカップリング剤や、アルコキシシラン等が例示できる。
官能基を有するシランカップリング剤としては、下記式(1):
[X−(CH2m4-n−Si−(OR9n …(1)
(式中、Xは官能基、R9は前記に同じ、mは0〜4の整数、nは1〜3の整数を表す。)で表されるシランカップリング剤が挙げられる。
Xとしては、ビニル基、アミノ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基、グリシドキシ基等が挙げられる。シランカップリング剤を具体的に例示すると、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の官能基Xがビニル基であるシランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン等の官能基Xがアミノ基であるシランカップリング剤;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の官能基Xが(メタ)アクリロキシ基であるシランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等の官能基Xがメルカプト基であるシランカップリング剤;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等の官能基Xがグリシドキシ基であるシランカップリング剤;等が挙げられる。
また、アルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルキル基がアルコキシシランのケイ素原子に直接結合しているアルキル基含有アルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等の芳香環がアルコキシシランのケイ素原子に直接結合しているアリール基含有アルコキシシラン;等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、中でも官能基Xが(メタ)アクリロキシ基であるシランカップリング剤及びアルキル基含有アルコキシシランが好ましく、特に好ましくは、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランである。
前記シランカップリング剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シランカップリング剤の量(被覆量)は、酸化ジルコニウムナノ粒子全体100質量部に対して、0.1質量部以上、30質量部以下が好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤は、組成物の透明性や分散性の向上させることが可能となる。さらに組成物の低粘度化を達成することもできる。界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤等のイオン性界面活性剤、あるいは非イオン系界面活性剤が好適に用いられ、陰イオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸エステルスルフォン酸ナトリウム等の脂肪酸系、アルキルリン酸エステルナトリウム等のリン酸系、アルファオレインスルフォン酸ナトリウム等のオレフィン系、アルキル硫酸ナトリウム等のアルコール系、アルキルベンゼン系等が、陽イオン系界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム等が、両性イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸系、フォスフォベタイン等のリン酸エステル系が、非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。界面活性剤は、組成物の全成分100質量%に対して、0.1質量%以上5質量%以下添加すると良い。
<有機リン化合物>
有機リン化合物としては、例えば、下記式:
Figure 2017066021
(上記式中、p1、p2は、それぞれ1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜30であり、より好ましくは4〜15である。またp1+p2は、1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜30である。)で表されるリン酸モノエステル、及びこれらと同じ置換基を有するリン酸ジエステルが挙げられる。
また下記式:
Figure 2017066021
[上記式中、aは1又は2であり、Aが下記式で表される置換基群:
Figure 2017066021
(上記式中、p1、p2、p5は、それぞれ1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜30であり、より好ましくは4〜15である。またp1+p2+p5は、1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜30である。r、r2は1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜20である。R4は炭素数1〜18の2価の炭化水素基、又は、炭素数6〜30の2価の芳香族含有炭化水素基。*はリン原子との結合部位を示す。)より選択される少なくとも1つ]で表されるリン酸モノエステル又はリン酸ジエステル等の化合物や、下記式:
Figure 2017066021
[上記式中、aは1又は2であり、Aが下記式で表される置換基群:
Figure 2017066021
(上記式中、p1は1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜30である。)より選択される少なくとも1つ]で表される化合物(例えば、下記式:
Figure 2017066021
(上記式中、p1は1〜100が好ましく、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜30である。)で表される化合物)や、下記式:
Figure 2017066021
で表される各種リン酸化合物又はリン酸エステルが例示できる。
なお本発明では、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルなどのように構造が異なる2種以上の有機リン化合物又はその塩を、それぞれ単独で、またはこれらを組み合わせて使用してもよい。
前述した有機リン化合物としては、例えば、ニューコール1000−FCP(日本乳化剤社製)、アントックスEHD−400(日本乳化剤社製)、Phoslexシリーズ(SC有機化学社製)、ライトアクリレートP−1A(共栄社化学社製)、ライトアクリレートP−1M(共栄社化学社製)、TEGO(登録商標) Dispers651、655、656(エボニック社製)、DISPERBYK−110、111(ビックケミー・ジャパン社製)、KAYAMERPM−2、KAYAMERPM−21(日本化薬社製)等の市販のリン酸エステルを適宜用いることができる。
有機リン化合物の量は、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子含有組成物100質量部に対して0.5〜10質量部程度である。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造は、立方晶、正方晶、単斜晶であり、正方晶及び立方晶の合計が結晶構造全体の80%以上であることが好ましい。正方晶及び立方晶の合計割合は好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。正方晶単独又は立方晶単独であっても良い。また、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、Al又は希土類元素を含んでいるため、正方晶及び/又は立方晶が安定しており、焼成して得られるセラミックス材料の正方晶及び/又は立方晶の割合も高い。本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を焼成して得られるセラミックス材料の正方晶及び/又は立方晶の割合は、正方晶及び立方晶の合計で例えば25%以上であり、好ましくは50%以上、より好ましくは90%以上である。また、焼成した後の正方晶及び/又は立方晶の減少が抑制されている。焼成前後の正方晶及び立方晶の合計割合の変化量は、焼成前の正方晶及び立方晶の合計割合に対して70%以下が好ましく、より好ましくは30%以下、更に好ましくは10%以下であり、最も好ましくは5%以下である。
酸化ジルコニウムナノ粒子の形状としては球状、粒状、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、板状、薄片状等が挙げられる。溶媒等への分散性を考慮すると、前記形状としては、球状、粒状、柱状等が好ましい。
X線回折解析により算出される酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶子径は、30nm以下が好ましく、20nm以下であることがより好ましい。このようにすることによって、酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する組成物の透明率を向上できる。該結晶子径は、より好ましくは20nm以下であり、更に好ましくは15nm以下であり、特に好ましくは10nm以下である。該結晶子径の下限は、通常1nm程度である。
酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径は、各種電子顕微鏡によって得られた画像を処理することによって得られる平均粒子径によって評価でき、該平均粒子径(平均一次粒子径)は、50nm以下が好ましい。このようにすることによって、酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する組成物の透明率を向上できる。平均一次粒子径は、より好ましくは30nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下である。平均一次粒子径の下限は、通常1nm程度(特に5nm程度)である。
前記平均粒子径は、酸化ジルコニウムナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)などで拡大し、無作為に100個の粒子を選択してその長軸方向の長さを測定し、その算術平均を求めることで決定できる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、ジルコニウム成分と、Al又は希土類元素成分(必須元素であるイットリウムと、必要に応じて用いられるイットリウム以外の希土類元素を含む意味)と、第1のカルボン酸とを水熱反応することによって、第1のカルボン酸で被覆され、イットリウムを含み、必要に応じて更にAl又はイットリウム以外の希土類元素を含む酸化ジルコニウムナノ粒子を得ることができる。前記ジルコニウム成分としては、第1のカルボン酸と、ジルコニウム又はジルコニウム含有化合物とから構成(好ましくは結合体)されるジルコニウム原料物質を用いることができる。また、Al又は希土類元素成分としては、第1のカルボン酸と、Al、希土類元素、Al含有化合物及び希土類元素含有化合物の少なくとも1種と、から構成(好ましくは結合体)されるAl又は希土類元素原料物質を用いることができる。本発明では、特定の第1のカルボン酸を用いているため、上記した非特許文献1に用いられているようなMgSO4を用いなくても、水熱合成によって酸化ジルコニウムナノ粒子を得ることができる。
ジルコニウム原料物質として、具体的には、(i)第1のカルボン酸と酸化ジルコニウム前駆体との塩、(ii)第1のカルボン酸のジルコニウム塩、および(iii)第1のカルボン酸及び酸化ジルコニウム前駆体、から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
前記した酸化ジルコニウム前駆体としては、例えばジルコニウムの水酸化物、塩化物、オキシ塩化物、酢酸塩、オキシ酢酸物、オキシ硝酸物、硫酸塩、炭酸塩、アルコキシド等が含まれる。すなわち、水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、およびテトラブトキシジルコニウム等のジルコニウムアルコキシド等である。
以下、前記酸化ジルコニウム前駆体として、ジルコニウムのオキシ塩化物等の塩化物やオキシ硝酸物等の硝酸塩等の、水溶性で腐食性の高い酸化ジルコニウム前駆体を原料として用いるときに好適である前記(i)の場合について、詳述する。尚、塩とは、カルボン酸と酸化ジルコニウム前駆体との量論比で構成される単種類の化合物だけでなく、複合塩や、未反応のカルボン酸又は酸化ジルコニウム前駆体が存在する組成物であってもよい。
前記(i)において、第1のカルボン酸と酸化ジルコニウム前駆体との塩とは、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属により中和度が0.1〜0.8の範囲に中和された第1のカルボン酸由来のカルボン酸塩含有組成物と酸化ジルコニウム前駆体とを反応させて得られた、第1のカルボン酸とジルコニウムとの塩であることが好ましい。
前記中和度は0.1〜0.8が好ましく、0.2〜0.7がより好ましい。0.1未満では第1のカルボン酸化合物の溶解性が低いために前記塩が十分に形成できないことがあり、また0.8を超えるとジルコニウムの水酸化物と推測される多量の白色沈殿が生成して被覆型酸化ジルコニウム粒子の収率が低下する場合がある。前記カルボン酸塩含有組成物を得るために用いるアルカリ金属及びアルカリ土類金属はいずれであってもよいが、水溶性の高いカルボン酸塩を形成する金属が好ましく、アルカリ金属、特にナトリウム及びカリウムが好適である。
前記カルボン酸塩含有組成物と前記酸化ジルコニウム前駆体との割合は、酸化ジルコニウム前駆体1モルに対してカルボキシル基が1モル〜20モルであることが好ましく、1.2〜18モルがより好ましく、1.5〜15モルがさらに好ましい。
前記カルボン酸塩含有組成物と前記酸化ジルコニウム前駆体とを反応させるには、水溶液同士又は水溶液と有機溶媒を混合させるのが好ましい。反応温度は水溶液を保持できる温度であれば特に問わないが、室温から100℃が好ましく、40℃〜80℃がより好ましい。
前記カルボン酸塩含有組成物と前記酸化ジルコニウム前駆体とを反応させて得られた前記塩は、そのまま水熱反応に供しても良いが、不溶性の副生物を濾過や分液等により取り除いておくのが好ましい。
次に(ii)の場合について、詳細に説明する。
(ii)の実施形態では、事前に調製した第1のカルボン酸のジルコニウム塩を用いるものである。上記の様な煩雑な工程を経ることなく、水熱反応に供することが出来る利点がある。但し、容易に入手できる化合物が限られているため、目的とする有機基で被覆された酸化ジルコニウム粒子が得られないことがある。
(ii)の実施形態で用いることが出来るジルコニウム塩としては、オクタン酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オレイン酸ジルコニウム、リシノール酸ジルコニウム等を例示することが出来る。ジルコニウム塩の純度が低い場合には、精製を施してから用いることもあるが、市販品又は事前に調製した塩をそのまま水熱反応に供することが出来る。
前記(iii)で、用いることの出来る前記酸化ジルコニウム前駆体は、上述した酸化ジルコニウム前駆体と同様である。(iii)の場合において、酸化ジルコニウム前駆体は、炭酸ジルコニウムであることが好ましい。前記カルボン酸と前記酸化ジルコニウム前駆体との割合は、酸化ジルコニウム前駆体1モルに対して、カルボン酸が0.5モル〜10モルであることが好ましく、1モル〜8モルであることがより好ましく、1.2モル〜5モルであることがさらに好ましい。前記カルボン酸と前記酸化ジルコニウム前駆体は、そのまま水熱反応に供してもよいし、水熱反応前にあらかじめ反応させておいてもよい。水熱反応前に反応させるには、カルボン酸と酸化ジルコニウム前駆体を有機溶媒中ですラリーにて反応させることが好ましい。その際、反応時に生じる水を取り除きながら反応させることが、反応速度や収率を向上させる意味でも好ましい。反応時に水を抜き出しながら反応を行うため、反応溶媒としては沸点が水よりも高い溶媒を用いることが好ましく、より好ましくは後述する水熱反応に用いる溶媒である。また反応温度は、水を抜き出すことができるように、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。反応温度上限は、180℃以下で、150℃以下がより好ましい。温度が高すぎると、副反応が進みカルボン酸の分解が起きてしまう可能性がある。反応時に水の取出しがうまくいかない場合には、反応圧力を下げて水の沸点を下げて反応させることもできる。
Al又は希土類元素原料物質として、具体的には、(i)第1のカルボン酸と酸化希土類元素等の前駆体との塩、(ii)第1のカルボン酸の希土類元素等の塩、および(iii)第1のカルボン酸及び酸化希土類元素等の前駆体、から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。(i)〜(iii)の好ましい態様は、ジルコニウム原料物質における(i)〜(iii)の好ましい態様と同様である。
ジルコニウム成分について前記(i)〜(iii)の少なくとも1種と、Al又は希土類元素成分についての前記(i)〜(iii)の少なくとも1種とを、好ましくは水存在下で混合する。この時に、加熱や減圧下で行うことにより、アンモニアや酢酸等の前記酸化ジルコニウム前駆体に含まれる低沸点の化合物を系外へ追い出すことができ、次工程の水熱反応での圧上昇が抑えられるので、好適である。尚、後述の有機溶媒を添加した溶液中で前記反応を行ってもよい。
続いて、水熱反応について説明する。
ジルコニウム成分について前記(i)〜(iii)の少なくとも1種と、Al又は希土類元素成分についての前記(i)〜(iii)の少なくとも1種とを水熱反応に供することで酸化ジルコニウムナノ粒子組成物が得られる。前記(i)〜(iii)だけでは、粘度が高く水熱反応が効率的に進行しない場合には、該(i)〜(iii)に対して良好な溶解性を示す有機溶媒を添加すると良い。本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を得るためには、特にジルコニウム成分、Al又は希土類元素成分として、それぞれ第1のカルボン酸のジルコニウム塩、第1のカルボン酸の希土類元素等の塩を用いることが好ましい。
前記有機溶媒としては、炭化水素、ケトン、エーテル、アルコール等を用いることが出来る。水熱反応時に気化する溶媒では十分に反応が進行しない恐れがあるので、常圧下での沸点が120℃以上の有機溶媒が好ましく、140℃以上がより好ましく、150℃以上が更に好ましい。具体的には、デカン、ドデカン、テトラデカン、メシチレン、プソイドクメン、鉱油、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、メタントリメチロール、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が例示され、ドデカン、テトラデカン、トリメチルベンゼンが好ましい。
前記有機溶媒を添加したことにより2層に分離した場合には、界面活性剤等を添加して均一相状態や懸濁乳化状態にしてもよいが、通常は2層のまま水熱反応に供することが出来る。前記組成物は原料に由来する十分な量の水を含有している場合もあるが、原料中に含まれる水分が無い又は少ない場合には、水熱反応に供する前に水分を添加しておく必要がある。
水熱反応の系内に存在する水分量は、系内に存在する酸化ジルコニウム前駆体又はジルコニウムを含む塩 (以下、酸化ジルコニウム前駆体等)のモル数に対する水のモル数(水のモル数/酸化ジルコニウム前駆体等のモル数)で4/1〜100/1が好ましく、8/1〜50/1がより好ましい。4/1未満では水熱反応に長時間を要したり、得られた前記酸化ジルコニウム粒子の粒径が大きくなったりすることがある。一方、100/1超では、系内に存在する酸化ジルコニウム前駆体等が少ないため生産性が低下する以外は特に問題は無い。
水熱反応は、2MPaG(ゲージ圧)以下の圧力で行うのが好ましい。2MPaG以上でも反応は進行するが、反応装置が高価になるため工業的には好ましくない。一方、圧力が低すぎると反応の進行が遅くなり、また長時間の反応により前記ナノ粒子の粒径が大きくなったり、酸化ジルコニウムが複数の結晶系を持ったりすることがある為、0.1MPaG以上の圧力下で行うのが好ましく、0.2MPaG以上で行うのがより好ましい。水熱反応の時間は例えば2〜24時間程度である。
なお、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を、第1のカルボン酸と、更に第1のカルボン酸以外の有機酸で被覆する場合には、まず初めに第1のカルボン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を調製し、次いでこの第1のカルボン酸化合物を、前記有機酸で置換することで製造できる。この置換は、具体的には、第1のカルボン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子と、有機酸とを含む混合物(特に混合液)を攪拌することによって行う。有機酸と、第1のカルボン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子との質量比は、5/100〜200/100が好ましい。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、各種媒体に対する分散性が良好であるため、多様な溶媒、モノマー(単官能モノマー及び/又は架橋性モノマー)、オリゴマー、ポリマー等、又はこれらの組み合わせへの添加が可能である。本発明は、酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する組成物も包含する。組成物には、酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する分散液、及び酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する樹脂組成物が含まれる。
代表的な溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの変性エーテル類(好ましくはエーテル変性及び/又はエステル変性エーテル類、さらに好ましくはエーテル変性及び/又はエステル変性アルキレングリコール類);ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ミネラルスピリットなどの炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;水;鉱物油、植物油、ワックス油、シリコーン油などの油類を挙げることができる。これらのうち1種を選択して使用することもできるし、2種以上を選択し混合して用いることもできる。取扱性の面から、常圧での沸点が40℃以上、250℃以下程度の溶媒が好適であり、後述するレジスト用途では、ケトン類、変性エーテル類などが好適である。
単官能モノマーは、重合可能な炭素−炭素二重結合を1つだけ有する化合物であればよく、(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体等が挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アラルキル;グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられるが、メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これら例示の単官能単量体は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
架橋性モノマーは、モノマーが有する炭素−炭素二重結合と共重合可能な炭素−炭素二重結合を複数含有する化合物であればよい。該架橋性モノマーとしては、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のネオペンチルグリコールポリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の多官能スチレン系単量体;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリルエステル系単量体等が挙げられる。
上記モノマーを含む組成物は、硬化性組成物に該当する。該硬化性組成物は、硬化後は、樹脂組成物を構成し、このような硬化性組成物も本発明の樹脂組成物に含まれる。また本発明の組成物は、上記ポリマー(樹脂)を含む樹脂組成物であってもよい。本発明の樹脂組成物を構成する場合、媒体であるポリマーは例えば、6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド類;ポリイミド類;ポリウレタン類;ポリエチレン、ポロプロピレンなどのポリオレフィン類;PET、PBT、PENなどのポリエステル類;ポリ塩化ビニル類;ポリ塩化ビニリデン類;ポリ酢酸ビニル類;ポリスチレン類;(メタ)アクリル樹脂系ポリマー;ABS樹脂;フッ素樹脂;フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・ホルマリン樹脂などのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂などのアミノ樹脂などを挙げることができる。また、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体系樹脂などの軟質樹脂や硬質樹脂、なども挙げられる。上記した中で、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、(メタ)アクリル樹脂系ポリマー、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂がより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記組成物中に占める本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子の濃度は用途に応じて適宜設定することができるが、該組成物が未硬化の場合やポリマー(樹脂)を含む場合、通常、該組成物の全成分(置換被覆型粒子、溶媒、モノマー、オリゴマー、ポリマー、及び後述するポリマー前駆体などのうち使用されているもの全ての合計)100質量%に対して、90質量%以下である。90質量%を超えると均一に分散し難くなり未硬化組成物が白濁するおそれがあり得る。一方、下限値は特に制限されないが、溶媒コストを考慮すると、例えば、1質量%以上である。より好ましくは5質量%以上、85質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上、80質量%以下である。
なお、本発明の樹脂組成物には、上記したポリマー(高分子化合物)と、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子との組成物だけでなく、上記ポリマーを構成するモノマー(ポリマー前駆体)、例えば、ジカルボン酸とジアミンの混合物、アクリル酸やメタアクリル酸等の不飽和カルボン酸やそのエステル化合物等と、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子との組成物も含まれる。また、本発明の樹脂組成物は、ポリマーとモノマーを両方含むもの、ポリマーと溶剤を含むもの(コーティング材)であっても良いし、光学フィルムなどの成型材料に用いられる成型用樹脂であっても良い。
また本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、分散性が顕著に優れているため、高濃度の組成物(分散体)であっても、組成物は良好な透明性を有する。酸化ジルコニウムナノ粒子が高濃度に分散された組成物は、例えば、屈折率の向上に有利であり、各種用途に応じた屈折率の調整が可能となる。高濃度の酸化ジルコニウムナノ粒子組成物として用いる場合には、該組成物中の酸化ジルコニウムナノ粒子の量を、25質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上である。上限は特に限定されないものの、該組成物中の酸化ジルコニウムナノ粒子の量は、90質量%以下とするとよい。
本発明の樹脂組成物(硬化後の硬化性組成物を含む)には、酸化ジルコニウムナノ粒子と樹脂の他の添加成分を配合してもよい。かかる添加成分としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、着色剤、離型剤、反応性希釈剤、可塑剤、安定化剤、難燃助剤、架橋剤などを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物(硬化後の硬化性組成物を含む)の形状は特に制限されず、例えば、板、シート、フィルム、繊維などの成型材料としても良い。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、良好な分散性から、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム、レンチキュラーシート、マイクロレンズシート等の光学フィルム(又はシート)や、光学用屈折率調整剤、光学用粘接着材、光導波路、レンズ、触媒、CMP研磨用組成物、電極、キャパシタ、インクジェット記録方法、圧電素子、LED・OLED・有機EL等光取出し向上剤、抗菌剤、歯科用接着剤、太陽電池パネルに使用する集光構造体に好適に用いられる他、良好な分散性に加えて焼成前後での結晶構造の変化が抑えられていることから義歯用材料等のセラミックス材用途にも好適に用いることができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、イットリウムを必須として、好ましくは更にAl及びイットリウム以外の希土類元素の少なくとも1種を含んでいるため、安定した結晶構造を有している。すなわち、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を焼成した際に、結晶構造の変化が抑えられ、結晶構造の変化に起因する割れや強度低下などが抑制できる。また、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は特定の第1のカルボン酸で被覆されているため、有機媒体中での分散性が良好であり、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を含む組成物を焼成して得られるセラミックス材料は、透光性、靱性、強度等のセラミックス特性が良好である。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子から得られるセラミックス材料は、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子単独を焼成して得ることができる。また、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子に、アルミナ、スピネル、YAG、ムライト、ホウ酸アルミ化合物のような添加剤を含む組成物を焼成して得ることもできる。更に、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子とバインダーからなる組成物を焼成して得ることもできる。この時の焼成温度は500〜1600℃程度とすれば良い。焼成は、公知の方法で行うことができる。焼成時に焼結を促進するために圧力をかけてもかまわない。また空気中や酸素雰囲気、酸素と空気の混合雰囲気中で焼成してもよく、窒素中、アルゴン中等の不活性雰囲気で焼成してもよい。それぞれ、焼成した後の用途に応じて適切に選択することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例で開示される物性及び特性は、以下の方法により測定した。
(1)結晶構造の解析
酸化ジルコニウム粒子の結晶構造は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析した。測定条件は以下の通りである。
X線源:CuKα(0.154nm)
X線出力設定:50kV、300mA
サンプリング幅:0.0200°
スキャンスピード:10.0000°/min
測定範囲:10〜75°
測定温度:25℃
(2)正方晶、単斜晶の割合の定量
X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて算出される値を元に、計算ソフト(リガク社製、PDXL)を用いて参照強度比法(RIP法)により定量した(ピークの帰属も計算ソフトの指定に従った)。
(3)X線回折解析による結晶子径算出
酸化ジルコニウム粒子の結晶子径は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)によって解析及び算出される30°のピークの半値幅を元に、計算ソフト(リガク社製、PDXL)を用いて算出した。
(4)重量(質量)減少率の測定
TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)装置により、空気雰囲気下、室温から800℃まで10℃/分で被覆された酸化ジルコニウム粒子を昇温し、該粒子の重量(質量)減少率を測定した。この重量(質量)減少率により、酸化ジルコニウム粒子を被覆している第1のカルボン酸の割合、及び酸化ジルコニウムの割合を知ることができる。
(5)1H−NMRの測定
被覆された酸化ジルコニウム粒子を重クロロホルムに分散させて測定試料とし、Variann社製「Unity Plus」(共鳴周波数:400MHz、積算回数:16回)を用いて測定した。下記の化学シフト(テトラメチルシラン基準)のピークの積分比に基づき、各化合物のモル比を決定した。
i)2−エチルヘキサン酸(1.0−0.5ppm:6H)
ii)2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレート(1.0−0.5ppm:6H)
iii)2−アクリロイロキシエチルコハク酸(6.7−5.7ppm:3H、4.5−
4.0ppm:4H)
iv)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(6.5−5.5ppm:2H、4.5−4.0ppm:2H、4.0−3.5ppm:9H、1.0−0.5ppm:2H)
(6)蛍光X線分析
蛍光X線分析装置(ZSX PrimusII リガク社製)を用いて、被覆された酸化ジルコニウム粒子中のジルコニウム含有量、イットリウム含有量を測定した。
実施例1
2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートで被覆された被覆型イットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子1(被覆型YSZ粒子1)の製造
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(91.6g、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム含有率44質量%、第一稀元素化学工業社製)に2−エチルヘキサン酸イットリウム(III)(1.3g、イットリウム含有率7.9質量%、三津和化学薬品社製)及び純水(15.7g)を混合し、200mLの水熱合成容器に仕込んだ。この容器を190℃まで加熱し、該温度で16時間保持して反応させた。水熱合成の際の圧力は、1.3MPaG(ゲージ圧)であった。反応後の混合液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別して粘調固体を15g回収した。この粘調個体をビーカーに取り、75gのメタノールで洗浄した後、桐山ロートで濾過した。得られた固体を室温にて減圧乾燥し、メタノールを除去することで白色のイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子1(被覆型YSZ粒子1)を11g回収した。
得られた被覆型YSZ粒子1の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は91/9で、その粒子径(結晶子径)は5nmであった。なお、X線回折測定では立方晶と正方晶を区別することが難しく、立方晶が存在する場合でもその割合は正方晶の割合としてカウントされる。
さらに上記した「(4)重量(質量)減少率の測定」に従って測定した被覆型YSZ粒子1の質量減少率は、14質量%であった。従って、被覆型YSZ粒子1を被覆する2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートは、被覆型YSZ粒子1全体の14質量%であることが分かった。
さらに上記した「(6)蛍光X線分析」に従って測定した被覆型YSZ粒子1中のジルコニウムとイットリウムの重量存在比は99/1であった。
実施例2
2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートで被覆された被覆型イットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子2(被覆型YSZ粒子2)の製造
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(86.7g、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム含有率44質量%、第一稀元素化学工業社製)に2−エチルヘキサン酸イットリウム(III)(4.8g、イットリウム含有率7.9質量%、三津和化学薬品社製)及び純水(15.0g)を混合し、200mLの水熱合成容器に仕込んだ。この容器を190℃まで加熱し、該温度で16時間保持して反応させた。水熱合成の際の圧力は、1.3MPaG(ゲージ圧)であった。反応後の混合液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別して粘調固体を15g回収した。この粘調固体をビーカーに取り、75gのメタノールで洗浄した後、桐山ロートで濾過した。得られた固体を室温にて減圧乾燥し、メタノールを除去することで白色のイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子2(被覆型YSZ粒子2)を11g回収した。
得られた被覆型YSZ粒子2の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は94/6で、その粒子径(結晶子径)は4nmであった。
さらに上記した「(4)重量(質量)減少率の測定」に従って測定した被覆型YSZ粒子2の質量減少率は、14質量%であった。従って、被覆型YSZ粒子2を被覆する2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートは、被覆型YSZ粒子2全体の14質量%であることが分かった。
さらに上記した「(6)蛍光X線分析」に従って測定した被覆型YSZ粒子2中のジルコニウムとイットリウムの重量存在比は95/4であった。
実施例3
2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートで被覆された被覆型イットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子3(被覆型YSZ粒子3)の製造
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(80.4g、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム含有率44質量%、第一稀元素化学工業社製)に2−エチルヘキサン酸イットリウム(III)(11.7g、イットリウム含有率7.9質量%、三津和化学薬品社製)及び純水(13.8g)を混合し、200mLの水熱合成容器に仕込んだ。この容器を190℃まで加熱し、該温度で16時間保持して反応させた。水熱合成の際の圧力は、1.3MPaG(ゲージ圧)であった。反応後の混合液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別して粘調固体を13g回収した。この粘調固体をビーカーに取り、65gのメタノールで洗浄した後、桐山ロートで濾過した。得られた固体を室温で減圧乾燥し、メタノールを除去することで白色のイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子3(被覆型YSZ粒子3)を10g回収した。
得られた被覆型YSZ粒子3の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は100/0で、その粒子径(結晶子径)は4nmであった。
さらに上記した「(4)重量(質量)減少率の測定」に従って測定した被覆型YSZ粒子3の質量減少率は、15質量%であった。従って、被覆型YSZ粒子を被覆する2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートは、被覆型YSZ粒子3全体の15質量%であることが分かった。
さらに上記した「(6)蛍光X線分析」に従って測定した被覆型YSZ粒子3中のジルコニウムとイットリウムの重量存在比は91/9であった。
実施例4
2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートで被覆された被覆型イットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子4(被覆型YSZ粒子4)の製造
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(83.0g、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム含有率44質量%、第一稀元素化学工業社製)に2−エチルヘキサン酸イットリウム(III)(6.3g、イットリウム含有率7.9質量%、三津和化学薬品社製)及び純水(15.8g)を混合し、200mLの水熱合成容器に仕込んだ。この容器を190℃まで加熱し、該温度で8時間保持して反応させた。水熱合成の際の圧力は、1.4MPaG(ゲージ圧)であった。反応後の混合液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別して粘調固体を13g回収した。この粘調個体をビーカーに取り、70gのメタノールで洗浄した後、桐山ロートで濾過した。得られた固体を室温にて減圧乾燥し、メタノールを除去することで白色のイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子4(被覆型YSZ粒子4)を10g回収した。
得られた被覆型YSZ粒子4の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は97/3で、その粒子径(結晶子径)は5nmであった。
さらに上記した「(4)重量(質量)減少率の測定」に従って測定した被覆型YSZ粒子4の質量減少率は、17質量%であった。従って、被覆型YSZ粒子4を被覆する2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートは、被覆型YSZ粒子4全体の17質量%であることが分かった。
さらに上記した「(6)蛍光X線分析」に従って測定した被覆型YSZ粒子4中のジルコニウムとイットリウムの重量存在比は95/5であった。
比較例1
2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートで被覆された被覆型酸化ジルコニウムナノ粒子(被覆型ZrO2粒子)の製造
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(90.4g、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム含有率44質量%、第一稀元素化学工業社製)に純水(15.5g)を混合し、200mLの水熱合成容器に仕込んだ。この容器を190℃まで加熱し、該温度で16時間保持して反応させた。水熱合成の際の圧力は、1.3MPaG(ゲージ圧)であった。反応後の混合液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してウェットケーキを15g回収した。この粘調固体をビーカーに取り、75gのメタノールで洗浄した後、桐山ロートで濾過した。得られた固体を室温にて減圧乾燥し、メタノールを除去することで白色の酸化ジルコニウムナノ粒子(被覆型ZrO2粒子)を11g回収した。
得られた被覆型ZrO2粒子の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は74/26で、その粒子径(結晶子径)は5nmであった。
さらに上記した「(4)重量(質量)減少率の測定」に従って測定した被覆型ZrO2粒子の質量減少率は、14質量%であった。従って、被覆型酸化ジルコニウム粒子を被覆する2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートは、被覆型酸化ジルコニウム粒子全体の14質量%であることが分かった。
実施例5
2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートと2−アクリロイロキシエチルコハク酸で被覆されたイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子5(被覆型YSZ粒子5)の製造
実施例2にて得られた被覆型YSZ粒子2(10g)と2−アクリロイロキシエチルコハク酸(1.5g)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(12g、以下「PGMEA」と称する)中で均一分散するまで撹拌混合した。次いで、n−ヘキサン(36g)を添加することで分散粒子を凝集させて溶液を白濁させ、白濁液から凝集粒子を濾過により分離した。その後、分離した凝集粒子をn−ヘキサン(36g)中に添加、10分撹拌後、凝集粒子を濾過により分離し、得られた粒子を室温にて真空乾燥することで、2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートと2−アクリロイロキシエチルコハク酸で表面処理されたイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子5(被覆型YSZ粒子5)を得た。
得られた被覆型YSZ粒子5を重クロロホルムに分散させて測定資料とし、1H−NMRによる分析を行なった。その結果、2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートと2−アクリロイロキシエチルコハク酸の存在モル比率が29:71であることがわかった。
さらに上記した「(4)重量(質量)減少率の測定」に従って測定した被覆型YSZ粒子5の質量減少率は、18質量%であった。従って、被覆型酸化ジルコニウム粒子を被覆する2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレート、及び2−アクリロイロキシエチルコハク酸は、被覆型酸化ジルコニウム粒子全体の18質量%であることが分かった。
実施例6
無機酸化物微粒子含有溶液1の製造
実施例5で得られた被覆型YSZ粒子5(7g)及びメチルエチルケトン(3g)を配合し、均一になるまで撹拌することで、無機酸化物微粒子含有溶液1を得た。
実施例7
無機酸化物微粒子含有溶液2の製造
実施例5で得られた被覆型YSZ粒子5(7g)、メチルエチルケトン(3g)及びリン酸エステルKAYAMERPM−21(日本化薬社製、0.1g)を配合し、均一になるまで撹拌することで、無機酸化物微粒子含有溶液2を得た。
実施例8
2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで被覆されたイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子6(被覆型YSZ粒子6)の製造
実施例2で得られた被覆型イットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子2(10g)を、メチルイソブチルケトン(40g)に分散させて白濁スラリーを調製した。当該溶液に表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.0g、信越化学工業社製、KBM−503)、水(0.9g)を添加し、80℃で1時間加熱還流することで透明分散溶液を得た。次いでn−ヘキサンを添加することで分散粒子を凝集させて溶液を白濁させた。白濁液から凝集粒子を濾過により分離後、室温で加熱乾燥し、2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで被覆されたイットリア安定化酸化ジルコニウムナノ粒子6(被覆型YSZ粒子6)を調製した。
得られた被覆型YSZ粒子5のTG−DTA(熱重量−示唆熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した時の被覆型YSZ粒子5の質量減少率を測定したところ、15質量%の減少率となった。このことから被覆型YSZ粒子6の有機分量が15質量%であることが確認された。
得られた被覆型YSZ粒子6を重クロロホルムに分散させて測定資料とし、1H−NMRによる分析を行なった。その結果、2−エチルヘキサン酸及び/又は2−エチルヘキサン酸由来のカルボキシレートと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの存在モル比率が59:41であることがわかった。
実施例9
無機酸化物微粒子含有溶液3の製造
実施例8で得られた被覆型YSZ粒子6(7g)及びメチルエチルケトン(3g)を配合し、均一になるまで撹拌することで、無機酸化物微粒子含有溶液3を得た。
実施例10
無機酸化物微粒子含有溶液4の製造
実施例8で得られた被覆型YSZ粒子6(7g)、メチルエチルケトン(3g)、リン酸エステルPhoslexA−208(1g、SC有機化学社製)を配合し、均一になるまで撹拌することで、無機酸化物微粒子含有溶液4を得た。
実施例11
被覆型YSZ粒子6のベンジルアクリレート分散体製造
実施例10で得られた無機酸化物粒子含有溶液4(10g)にベンジルアクリレート(7g、日立化成社製)を加え均一になるまで撹拌した。撹拌は継続したまま、50℃/減圧条件でメチルエチルケトンを除去することで、被覆型YSZ粒子6のベンジルアクリレート分散体を14g得た。
実施例12
無機酸化物微粒子含有組成物の製造
上記被覆型YSZ粒子6のベンジルアクリレート分散体1gにイルガキュア184を0.02g加え、均一になるまで撹拌することで、無機酸化物微粒子含有組成物を得た。
実施例13
無機酸化物微粒子含有透明硬化膜の製造
実施例12で得た無機酸化物含有組成物をガラス基板の上にのせ、アプリケータで100μmの膜を塗工し、UV硬化させることで無機酸化物微粒子含有透明硬化膜を得た。
実施例14
被覆型YSZ粒子1の焼成前後での結晶系変化
実施例1で得られた被覆型YSZ粒子1(1g、正方晶/単斜晶=91/9)を燃焼用ボートに計量し、1000℃で3時間、焼成した。回収した被覆型YSZ粒子1の灰分の結晶構造を確認したところ、正方晶/単斜晶=28/72であった。
実施例15
被覆型YSZ粒子2の焼成前後での結晶系変化
実施例2で得られた被覆型YSZ粒子2(1g、正方晶/単斜晶=94/6)を燃焼用ボートに計量し、1000℃で3時間、焼成した。回収した被覆型YSZ粒子2の灰分の結晶構造を確認したところ、正方晶/単斜晶=98/2であり、結晶系がほとんど変化していないことを確認した。
実施例16
被覆型YSZ粒子3の焼成前後での結晶系変化
実施例3で得られた被覆型YSZ粒子3(1g、正方晶/単斜晶=100/0)を燃焼用ボートに計量し、1000℃で3時間、焼成した。回収した被覆型YSZ粒子3の灰分の結晶構造を確認したところ、正方晶/単斜晶=100/0であり、結晶系が全く変化していないことを確認した。
比較例2
被覆型ZrO2粒子の焼成前後での結晶系変化
比較例1で得られた被覆型ZrO2粒子(1g、正方晶/単斜晶=74/26)を燃焼用ボートに計量し、1000℃で3時間、焼成した。回収した被覆型ZrO2粒子の灰分の結晶構造を確認したところ、正方晶/単斜晶=12/88であり、結晶系が大きく変化していることを確認した。

Claims (12)

  1. 1級カルボン酸及び2級カルボン酸の少なくとも1種であり、炭素数が3以上である第1のカルボン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子であって、
    前記酸化ジルコニウムナノ粒子は、イットリウムを含有することを特徴とする酸化ジルコニウムナノ粒子。
  2. 更に、Al及び希土類元素(イットリウム以外)の少なくとも1種を含有する請求項1に記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  3. 前記第1のカルボン酸は、2級カルボン酸、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸、及び炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  4. Al及び希土類元素の合計含有量が、ジルコニウムに対する割合で0.1質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  5. 前記第1のカルボン酸以外の有機酸、シランカップリング剤、界面活性剤及び有機リン化合物の少なくとも1種で被覆されている請求項1〜4のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含む分散液。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含む樹脂組成物。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含む成型材料。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子から得られるセラミックス材料。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を500℃以上で焼成することを特徴とするセラミックス材料の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含む組成物を500℃以上で焼成することを特徴とするセラミックス材料の製造方法。
  12. 請求項3〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法であって、
    2級カルボン酸、α位以外の炭素原子が枝分かれしたカルボン酸、及び炭素数4〜20の直鎖状カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種である第1のカルボン酸と、ジルコニウム又はジルコニウム含有化合物とから構成されるジルコニウム原料物質と、
    前記第1のカルボン酸と、Al、希土類元素、Al含有化合物及び希土類元素含有化合物の少なくとも1種と、から構成されるAl又は希土類元素原料物質とを、
    MgSO4を用いることなく水熱合成することを特徴とする酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法。
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