JP2017064188A - 眼底撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数回の撮影において被検者の負担を抑制しつつ、好適な撮影画像を得ることのできる眼底撮影装置を提供する。【解決手段】 眼底撮影装置は、被検者眼の眼底を可視光で照明する照明光学系と、撮像素子を有し、照明光学系により照明された眼底を撮影する撮影光学系と、可視光の照明光量を調節する調光手段と、撮像素子にて得られる撮影信号を増幅させる信号増幅手段と、撮影光学系を用いて、第1の撮影、第2の撮影の順で被検者眼を撮影する一括撮影モードを設定する設定部と、調光手段と信号増幅手段を制御する制御手段とを備えている。設定部により一括撮影モードが設定された場合、制御手段は第2の撮影の際には、信号増幅手段を用いて第1の撮影時における撮影信号よりも撮影信号を増幅させる制御を行うとともに,調光手段を用いて第2の撮影の際の照明光量を第1の撮影時の照明光量よりも減光させる制御を行う。【選択図】 図7

Description

本開示は、被検者眼を撮影する眼底撮影装置に関する。
被検者眼の眼底を撮影する眼底撮影装置が知られている。このような眼底撮影装置は、診断目的に応じた種々の撮影モードを備えている。例えば、特許文献1の眼底撮影装置は、1枚のカラー眼底画像を得ることを目的とする通常の眼底撮影(以下、単に通常撮影と略す)とは別に、アライメント基準位置に対して装置本体を左右各々の側にずらして被検者眼の眼底を立体撮影する機能や広い領域の眼底画像を得る目的でパノラマ撮影機能を持つ眼底撮影装置を開示する。
特開2011−097998号公報
眼底撮影装置においては、被検者の眼の状態によっては一回の撮影で良好な眼底画像を得ることができないこともあり、場合によっては通常撮影を複数回行っておきたい場合もある。また、複数の撮影モードを持つ眼底撮影装置においては、通常撮影と他の撮影とを連続で行うこともある。しかしながら、このような眼底撮影装置では、撮影モードにかかわらず一回の撮影に対する被検者眼への撮影光量が大きいため、撮影回数が増えるほど被検者への負担は大きい。また、撮影回数が増えることによって眼の縮瞳量が増え、短時間で好適な撮影画像を得ることが困難となる
本開示は、複数回の撮影において被検者の負担を抑制しつつ、好適な撮影画像を得ることのできる眼底撮影装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る眼底撮影装置は以下のような構成を備える。
被検者眼の眼底を可視光で照明する照明光学系と、撮像素子を有し、前記照明光学系により照明された眼底を撮影する撮影光学系と、前記可視光の照明光量を調節する調光手段と、前記撮像素子にて得られる撮影信号を増幅させる信号増幅手段と、前記撮影光学系を用いて、第1の撮影、第2の撮影の順で前記被検者眼を撮影する一括撮影モードを設定する設定部と、前記調光手段と前記信号増幅手段を制御する制御手段と、を備え、
前記設定部により前記一括撮影モードが設定された場合、
前記制御手段は前記第2の撮影の際には、前記信号増幅手段を用いて前記第1の撮影時における前記撮影信号よりも該撮影信号を増幅させる制御を行うとともに,前記調光手段を用いて前記第2の撮影の際の照明光量を前記第1の撮影時の照明光量よりも減光させる制御を行う、ことを特徴とする。
本開示によれば、複数回の撮影において被検者の負担を抑制しつつ、好適な撮影画像を得ることができる。
本実施形態に係わる眼底撮影装置の外観構成図である。 撮影部に収納される光学系及び制御系の概略構成図である。 前眼部像に関する図である。 アライメント位置に関する説明図である。 通常撮影時の画像に関する説明図である。 ステレオ撮影時の画像に関する説明図である。 撮影制御の全体流れに関するフローチャートである。 通常撮影制御に関するフローチャートである。 ステレオ撮影制御に関するフローチャートである。 各撮影でのパラメータに関する表である。
以下、図面を用いて、本開示における典型的な実施形態を説明する。図1は本実施形態に係る眼底撮影装置1の外観構成図である。なお、本実施形態の眼底撮影装置1は、無散瞳眼底カメラと呼ばれることがある。無散瞳眼底カメラとは、散瞳剤を被検者眼Eに点眼させることなく、被検者眼Eの眼底を撮影する眼底撮影装置である。本実施形態の眼底撮影装置1は、被検者眼を赤外光で観察した後に可視光で撮影する。これにより、自然散瞳状態の被検者眼Eを撮影できる。
本実施形態の眼底撮影装置1は、基台7と、移動台2と、撮影部3と、顔支持ユニット5を備える。移動台2は、基台7に対して左右方向(X方向)及び前後(作動距離)方向(Z方向)に移動可能に設けられている。撮影部3は、移動台2に対して3次元方向に移動可能に設けられている。また、撮影部3には、後述する光学系(眼底観察・撮影光学系30等)が収納されている。顔支持ユニット5は、被検者の顔を支持するため用いられる。顔支持ユニット5は、基台7に固設されている。また、本実施形態の眼底撮影装置1は自動移動機構を備える。自動移動機構には、電動機が含まれる。本実施形態の自動移動機構は、撮影部3を被検者眼Eに対して相対移動させるために用いられる。詳細には、本実施形態の眼底撮影装置1は、XYZ駆動部6を備える。XYZ駆動部6は、移動台2に設けられている。本実施形態の撮影部3は、XYZ駆動部6により、被検者眼Eに対して左右方向、上下方向(Y方向)及び前後方向に移動可能とされている。XYZ駆動部6は、制御部80に接続されている。制御部80は、XYZ駆動部6を駆動制御できる。
本実施形態の眼底撮影装置1は、手動移動機構を備える。本実施形態の手動移動機構は、撮影部3を被検者眼Eに対して相対的に移動させるために用いられる。本実施形態では、ジョイスティック4(操作部材)の操作により、撮影部3を被検者眼Eに対して相対的に移動可能とされている。本実施形態の眼底撮影装置1は、摺動機構を備える。本実施形態の摺動機構は、移動台2を基台7上でXZ方向に摺動させるために用いられる。例えば、検者がジョイスティック4を操作すると、移動台2は基台7上をXZ方向に摺動される。本実施形態のジョイスティック4は、回転ノブ4aを含む。検者が回転ノブ4aを回転操作すると、制御部80がXYZ駆動部6をY駆動して、撮影部3がY方向に移動される。本実施形態の撮影部3の検者側には、モニタ8が設けられている。本実施形態のモニタ8には、眼底観察像、診断像(眼底撮影像)、前眼部観察像等が表示される。
図2は、撮影部3に収納される光学系及び制御系の概略構成図である。本実施形態の眼底撮影装置1の光学系は、照明光学系10、眼底観察・撮影光学系30、アライメント指標投影光学系50、前眼部観察光学系60、および固視標呈示光学系70を含む。本実施形態の眼底観察・撮影光学系30は、被検者眼Eの眼底を観察または撮影するために用いられる。本実施形態の撮影部3には、撮影光学系30aと眼底観察光学系30bが含まれる。本実施形態の撮影光学系30aは、被検者眼Eの眼底を撮影するために用いられる。本実施形態の眼底観察光学系30bは、眼底を観察するために用いられる。なお、眼底観察・撮影光学系30を用いて、被検者眼Eの前眼部を観察または撮影してもよい。
<照明光学系>
本実施形態の照明光学系10は、観察照明光学系10aと撮影照明光学系10bを含む。本実施形態の撮影照明光学系10bは、撮影光源14、コンデンサレンズ15、リングスリット17、リレーレンズ18、ミラー19、黒点板20、リレーレンズ21、孔あきミラー22、および対物レンズ25を含む。本実施形態の撮影光源14は、被検者眼Eを撮影するための光源として用いられる。本実施形態の撮影光源14は、撮影時に閃光(換言するならパルス光)を出射できる。本実施形態では、撮影光源14として、フラッシュランプを用いている。撮影光源14として、LED等を用いてもよい。本実施形態の撮影照明光学系10bは、被検者眼Eに撮影光を投光するために用いられる。詳細には、本実施形態の撮影照明光学系10bは、被検者眼Eの眼底を撮影光で照明するために用いられる。本実施形態では、撮影光として可視光を投光する。詳細には、撮影光として、波長帯が400〜700nmの可視光を被検者眼Eに投光する。本実施形態の眼底撮影装置1は、撮影照明光学系10bと撮影光学系30aを用いて、色再現性が良好な被検者眼Eのカラー画像を取得できる。
本実施形態の観察照明光学系10aは、ハロゲンランプ等の光源11、赤外フィルタ12、コンデンサレンズ13、およびダイクロイックミラー16を有する。赤外フィルタ12は、波長750nm以上の赤外光(近赤外光)を透過する。ダイクロイックミラー16は、コンデンサレンズ13とリングスリット17の間に配置されている。本実施形態の観察照明光学系10aは、リングスリット17から対物レンズ25までの光学系を、撮影照明光学系10bと共用する。ダイクロイックミラー16は、光源11からの光を反射して、撮影光源14からの光を透過する特性を有する。観察照明光学系10aは、被検者眼Eに観察光を投光するために用いられる。詳細には、観察照明光学系10aは、被検者眼Eの眼底を観察光で照明するために用いられる。本実施形態の観察照明光学系10aは、観察光として赤外光を投光する。本実施形態の眼底撮影装置1は、観察照明光学系10aと眼底観察光学系30bを用いて、被検者眼Eの縮瞳を抑制しつつ、被検者眼Eを観察できる。
本実施形態の眼底撮影装置1は、撮影光量の調光手段を備えている。本実施形態の制御部80は、撮影光源14から発せられる撮影光の光量を調節可能である。本実施形態の制御部80は、撮影光源14(フラッシュランプ)に接続されている充電コンデンサの容量を変化(切り換え)させて、撮影光の光量を変化させることができる。本実施形態では、被検者眼Eに投光する撮影光の光量を、Lv.1〜17(17ステップ)の設定範囲で調節可能とされている。なお、被検者眼Eに投光する撮影光量は、Lv.1設定時が最も小さく、Lv.17設定時が最も大きい。各ステップ間の光量変化は、0.5EV(EV値:Exposure Value)とされている。例えば、発光量の設定がLv.4からLv.8へと変更されると、被検者眼Eに投光する撮影光の光量は4倍となる。例えば、撮影光源14の発光エネルギーを、Lv.4では5Wsとして、Lv.8では20Wsとしてもよい。また、調光手段で調光可能なステップ数、各ステップ間の光量変化量等を、適宜変更してもよい。例えば、眼底撮影装置1が、自動露出(AE:Auto Exprosure)機能を有してもよい。例えば、制御部80が、撮像素子38の出力信号(観察像)を解析して、撮影光量を調光制御してもよい。
<眼底観察・眼底撮影光学系>
本実施形態の眼底観察・撮影光学系30は、対物レンズ25、撮影絞り31、フォーカシングレンズ32、結像レンズ33、および跳ね上げミラー34を備える。本実施形態の撮影絞り31は、孔あきミラー22の開口近傍に配置される。本実施形態の撮影絞り31には、円形形状の開口部が形成されている。本実施形態では、撮影絞り31の開口部の中心を撮影光軸L1が通る。フォーカシングレンズ32には、移動機構49が接続されている。移動機構49により、フォーカシングレンズ32は、撮影光軸L1に沿って移動可能とされている。跳ね上げミラー34には、挿脱機構39が接続されている。挿脱機構39により、跳ね上げミラー34は、撮影光軸L1上に挿脱可能とされている。本実施形態では、制御部80の制御により、跳ね上げミラー34は、被検者眼Eを観察する際には撮影光軸L1上に挿入されて、被検者眼Eを撮影する際には撮影光軸L1上から離脱される。
本実施形態の撮影光学系30aと眼底観察光学系30bは、対物レンズ25から結像レンズ33までの光学系を共用する。撮影絞り31は、対物レンズ25を介して被検者眼Eの瞳孔と共役となる位置に配置されている。本実施形態の撮影絞り31は、撮影光学系30a(または眼底観察光学系30b)の開口絞りとして作用する。本実施形態の撮像素子35(受光素子)は、可視域の感度を有する。跳ね上げミラー34の反射方向の光路には、ダイクロイックミラー37、リレーレンズ36、および撮像素子38が配置されている。撮像素子38(受光素子)は、赤外域に感度を有する。ダイクロイックミラー37は、赤外光を反射して、可視光を透過する特性を有する。本実施形態の眼底観察・撮影光学系30は、対物レンズ25を介して42°以上の撮影画角(例えば、45°)にて眼底を撮像可能とされている。本実施形態では、撮像素子38(観察用)と撮像素子35(撮影用)とが、光学的に略共役な位置関係にある。本実施形態の制御部80は、撮像素子38の出力信号を解析した結果に基づいて、被検者眼Eの撮影部位(眼底)と撮像素子35とが光学的に共役の位置関係となるようにフォーカシング(フォーカシングレンズ32を撮影光軸L1に沿って移動させる)を行う。
本実施形態では、対物レンズ25と孔あきミラー22の間に、ダイクロイックミラー24(波長選択性ミラー)が斜設されている。ダイクロイックミラー24は、光路分岐部材である。本実施形態のダイクロイックミラー24は、撮影光軸L1上に挿脱可能とされている。本実施形態のダイクロイックミラー24は、アライメント指標投影光学系50および前眼部照明光源58の波長光(中心波長940nm)を反射して、眼底観察用照明の波長光の光源波長(中心波長880nm)を含む波長900nm以下の光を透過する特性を有する。本実施形態のダイクロイックミラー24は、撮影時には挿脱機構66により連動して跳ね上げられ、光路外に退避される。挿脱機構66を、ソレノイドとカムの組合せ等で構成してもよい。
光源11から発せられる可視光は、赤外フィルタ12により赤外光(中心波長880nm)に変換される。赤外フィルタ12を透過した光(赤外光)は、コンデンサレンズ13を透過した後に、ダイクロイックミラー16により反射されて、リングスリット17を照明する。リングスリット17の開口部を通過した光は、リレーレンズ18、ミラー19、黒点板20、リレーレンズ21を経て、孔あきミラー22に達する。孔あきミラー22のミラー箇所で反射された光(赤外光)は、ダイクロイックミラー24を透過して、対物レンズ25により被検者眼Eの瞳孔付近で一旦収束した後に、拡散して、被検者眼Eの眼底を照明する。
眼底からの反射光(換言するなら、眼底で反射された赤外光)は、対物レンズ25、ダイクロイックミラー24、孔あきミラー22の開口部、撮影絞り31、フォーカシングレンズ32、結像レンズ33、跳ね上げミラー34、ダイクロイックミラー37、リレーレンズ36を介して撮像素子38上に集光される。これにより、被検者眼Eの眼底の観察像(赤外光による像)が得られる。
撮影光源14から発せられる光は、コンデンサレンズ15を介して、ダイクロイックミラー16を透過した後、眼底観察用の照明光と同様の光路を経て、被検者眼Eの眼底を可視光で照明する。眼底からの反射光(可視光)は、対物レンズ25、孔あきミラー22の開口部、撮影絞り31、フォーカシングレンズ32、結像レンズ33を経て、撮像素子35に集光される。これにより、被検者眼Eの眼底の撮影像(可視光による像)が得られる。
本実施形態では、撮像素子38(観察用)、撮像素子35(撮影用)、および後述する撮像素子65に、二次元撮像素子を用いている。詳細には、撮像素子38および撮像素子65にはCCDイメージセンサーを用いて、撮像素子35にはCMOSイメージセンサーを用いている。本実施形態では、撮像素子35内で、光電変換された撮像信号(受光信号)に対する増幅処理、A/D変換等が行われる。本実施形態の撮像素子35は、受光感度を調節する感度調節手段を有している。詳細には、本実施形態の撮像素子35には、増幅率を可変できる増幅器が含まれている。制御部80は、増幅器の増幅率を調節可能である。換言するなら、本実施形態の制御部80は、撮像素子35の受光感度を調節可能である。本実施形態の制御部80は、撮像素子35の受光感度を例えばISO50〜800の設定範囲で調節できる。仮に、制御部80が撮像素子のISO感度をISO100からISO400へと変更すると、撮像素子35の受光感度は4倍となる。つまり、撮影光学系30aの受光感度が4倍となる。
なお、感度調節手段の態様は、本実施形態に限るものではない。例えば、撮像素子に接続された増幅回路等、撮像素子から出力される撮影信号を増幅させることのできる信号増幅手段であればよい。このような信号増幅手段によって感度(撮影信号)を増幅させることが可能である。
<アライメント指標投影光学系>
本実施形態のアライメント指標投影光学系50は、被検者眼Eに撮影部3を位置合わせするための指標を投影するために用いられる。本実施形態のアライメント指標投影光学系50は、図2の左上の点線A内の図に示すように、撮影光軸L1を中心として同心円上に赤外光源が複数個配置されている。アライメント指標投影光学系50は、第1指標投影光学系と第2指標投影光学系を備える。詳細には、第1指標投影光学系は、赤外光源51とコリメーティングレンズ52を含む。赤外光源51とコリメーティングレンズ52は、撮影光軸L1に対して左右対称に配置されている。第2指標投影光学系は、2つの赤外光源53を含む。2つの赤外光源53は、第1指標投影光学系とは異なる位置に配置されている。第1指標投影光学系は、被検者眼Eの角膜に無限遠の指標を左右方向から投影する。本実施形態の第2指標投影光学系は、被検者眼Eの角膜に有限遠の指標を斜め下方向から投影する。なお、図2の本図には、便宜上、第1指標投影光学系と第2指標投影光学系を撮影光軸L1に対して90°旋回させた状態で図示している。
<前眼部観察光学系>
本実施形態の前眼部観察光学系60は、被検者眼Eの前眼部を撮像するために用いられる。本実施形態の前眼部観察光学系60は、ダイクロイックミラー24の反射側に、フィールドレンズ61、ミラー62、絞り63、リレーレンズ64、撮像素子65を備える。撮像素子65は、赤外域の感度を有する。撮像素子65は、アライメント指標検出用の撮像手段を兼ねる。本実施形態では、中心波長940nmの赤外光を発する前眼部照明光源58により照明された前眼部とアライメント指標とが撮像素子65で撮像される。前眼部照明光源58により照明された前眼部は、対物レンズ25、ダイクロイックミラー24及びフィールドレンズ61からリレーレンズ64の光学系を介して撮像素子65により受光される。アライメント指標投影光学系50が持つ光源から発せられたアライメント光束は、被検者眼Eの角膜に投影されて、その角膜で反射した光は、対物レンズ25〜リレーレンズ64を介して撮像素子65で受光される。撮像素子65の出力信号は、制御部80に入力される。図3に示すように、モニタ8には、撮像素子65により撮像された前眼部像が表示される。前眼部観察光学系60は、被検者眼Eに対する撮影部3のアライメントずれを検出(検知)するための受光素子(撮像素子65)を有するアライメント検出光学系を兼用する。
<固視標呈示光学系>
本実施形態の固視標呈示光学系70は、被検者眼Eを固視させるための固視標を呈示するために用いられる。本実施形態の固視標呈示光学系70は、光源74、遮光板71、およびリレーレンズ75を備える。光源74は、赤色で点灯する。遮光板71には、開口穴が形成されている。固視標呈示光学系70は、対物レンズ25からダイクロイックミラー37までの光路を眼底観察・撮影光学系30と共用する。本実施形態の固視標呈示光学系70は、固視標の呈示位置を変化できる。これにより、被検者眼Eの視線を所定方向に誘導できる(例えば、特開2005−95450号公報参照)。本実施形態の制御部80は、固視標の呈示位置を制御できる。
本実施形態では、光源74により遮光板71が背後から照明されることで固視標(固視灯)となる。光源74から発せられて、遮光板71を通過する光は、リレーレンズ75、ダイクロイックミラー37、跳ね上げミラー34、結像レンズ33、フォーカシングレンズ32、孔あきミラー22、ダイクロイックミラー24、対物レンズ25の順で通過して、被検者眼Eの眼底に集光される。換言するなら、被検者は、遮光板71に形成されている開口部を固視標として視認する。例えば、光源74と遮光板71の代わりに、ドットマトリクスLED、液晶ディスプレイ、有機ELパネル等を用いてもよい。固視標呈示光学系70により、被検者眼Eの視線方向を誘導できればよい。
なお、本実施形態の通常撮影時は、遮光板71の開口部と光軸L2とを略位置させた状態で、固視標を被検者眼Eに呈示する。これにより、被検者眼Eの乳頭と黄斑の中間位置が撮影光軸L1上に配置されて、標準部位(図5(a)参照)の撮影が行われる。一方で、本実施形態の立体撮影(以下、ステレオ撮影と記す)時は、遮光板71の開口部を光軸L2から十分離間させた状態で、固視標を被検者眼Eに呈示する。これにより、被検者眼Eの乳頭が撮影光軸L1上に配置されて、眼底の部位としては周辺部位である乳頭中心(図6(a),(b)参照)の撮影が行われる。
<制御系>
本実施形態の制御部80は、CPU81、RAM82、ROM83、および不揮発性メモリ86等を備える。CPU81は、眼底撮影装置1における各部の制御を司る。RAM82は、各種情報を一時的に記憶する。ROM83には、各種プログラム、初期値等が記憶されている。不揮発性メモリ86は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、制御部80に着脱可能に装着されるUSBメモリ、制御部80に内蔵されたフラッシュROM等を、不揮発性メモリ86として使用してもよい。不揮発性メモリ86を、眼底撮影装置1の撮影に関するパラメータの値を記憶する記憶手段として用いてもよい。記憶手段として、RAM82、ROM83、または他の状態保持媒体(例えばディップSW等)を用いてもよい。
本実施形態の制御部80には、撮像素子65、撮像素子38、および撮像素子35が接続されている。本実施形態の制御部80は、撮像素子65で撮像された前眼部像からアライメント指標を検出する。本実施形態の制御部80には、モニタ8が接続されている。本実施形態の制御部80は、モニタ8に表示させる表示内容を制御する。つまり、本実施形態の制御部80は、表示制御手段としての機能を有する。本実施形態の制御部80には、XYZ駆動部6、移動機構49、挿脱機構39、回転ノブ4a、撮影スイッチ4b、各種のスイッチを持つスイッチ部84、診断用画像を記憶するためのメモリ85(記憶手段)、各光源等が接続されている。制御部80に、プリンタを接続してもよい。制御部80に、LANケーブルを接続してもよい。本実施形態の制御部80は、後述する診断用画像(診断用画像IMGb,IMGf)を、眼底撮影装置1に接続されるプリンタにプリントさせる、または、LANケーブル等を用いて眼底撮影装置1の外部に転送/保存させる出力制御手段としても働く。
なお、本実施形態の制御部80は、撮像素子65(受光素子)から出力される受光信号(撮像素子65の受光結果)に基づいて被検者眼Eに対する撮影部3のアライメントずれを検出する。制御部80は、アライメントずれの検出結果に基づいてXYZ駆動部6に駆動信号を出力する。眼底観察用の撮像素子38の受光結果を用いて、被検者眼Eに対するアライメントずれを検出してもよい。例えば、孔あきミラー22の近傍にアライメント光源を設けて、撮像素子38によって眼底像と共に検出されたアライメント輝点の位置からアライメントずれを検出しても良い。
<各撮影モード>
本実施形態の眼底撮影装置1は、通常撮影モード、ステレオ撮影モード、および一括撮影モードを備える。各撮影モードはスイッチ部(設定部)84の操作により選択可能とされている。本実施形態の通常撮影とは、1回の撮影により診断用画像を生成する撮影方法である。本実施形態のステレオ撮影とは、2回の撮影により立体的な診断画像を生成する撮影方法である。本実施形態の通常撮影モードは、通常撮影のみが行える撮影モードとされている。本実施形態のステレオ撮影モードは、ステレオ撮影のみが行える撮影モードとされている。本実施形態の一括撮影モードは、通常撮影とステレオ撮影とを一連の撮影流れで連続して行われる撮影モードとされている。換言するなら、本実施形態の一括撮影モードとは、種類が異なる撮影を、撮影モードを切り換えることなく行える動作モードとされている。
なお、本実施形態では、通常撮影モードの通常撮影シーケンスと、一括撮影モードの通常撮影シーケンスとが大部分で一致する。また、通常撮影モードの通常撮影シーケンスと、一括撮影モードの通常撮影シーケンスとも大部分で一致する。以降では、先ず、一括撮影モードの各動作を説明した後に、通常撮影モードおよびステレオ撮影モードの動作を、一括撮影モードとの相違点を中心として説明する。
<一括撮影モード>
図3〜図10を用いて、本実施形態の眼底撮影装置1が有する一括撮影モードの説明を行う。
<一括撮影モード・全体の流れ>
先ず、図7で示すフローチャートを用いて、一括撮影モードでの全体の流れを説明する。一括撮影モードでは、通常撮影、ステレオ撮影、出力の順で制御が遷移される。ステップS101では、通常撮影方法により第1の診断用画像(第1の撮影)を構築する。ステップS102では、ステレオ撮影方法により第2の診断用画像(第2の撮影)を構築する。ステップS103では、ステップS101で構築した第1の診断用画像とステップS102で構築した第2の診断用画像を、眼底撮影装置1から出力する。
検者の操作により眼底撮影装置1に電源が投入されると、制御部80は、初期動作を行った後に、モニタ8に前眼部観察像を表示させて、スタンバイ状態となる。スタンバイ状態にて、制御部80は、スイッチ部84の操作を検出して、一括撮影モードを選択する。制御部80は、一括撮影モードが選択・設定されたことを検出すると、ステップS101の制御を実行する。
<一括撮影モード・通常撮影>
図8は、前述したステップS101(通常撮影処理)での制御の流れを示すフローチャートである。通常撮影処理として、制御部80は、先ず、ステップS201を実行する。ステップS201にて、制御部80は、通常撮影用として、眼底撮影装置1の各パラメータを設定する。図10(b)は、制御部80が設定するパラメータの一例である。制御部80は、次のようにパラメータを設定する。先ず、固視標呈示位置を、中心に設定する。次いで、撮像素子35のISO感度を、所定の感度(例えば、ISO100)に設定する。次いで、撮影光量を、Lv.8に設定する。次いで、アライメント目標位置を、角膜頂点として設定する。なお、固視標呈示位置を中心に設定するとは、被検者眼Eの乳頭と黄斑の中間位置と、撮影光軸L1とが重なるように、固視標を呈示(点灯)させる状態である。
ステップS202にて、制御部80は、アライメント処理を行う。制御部80は、リング状に投影された指標像Ma〜Md(図3参照)により形成されるリング形状の中心のXY座標を、仮想の角膜頂点位置Mo(図3参照)として検出する。制御部80は、検出した角膜頂点位置Moをアライメント目標位置O1(図4参照)として設定する。次いで、制御部80は、撮影光軸L1とアライメント目標位置O1(つまり角膜頂点位置Mo)とが一致するように、XYZ駆動部6を駆動制御する(図4を合わせて参照)。また、制御部80は、無限遠の指標像Ma,Mbの像間隔a(図3参照)と有限遠の指標像Mc,Mdの像間隔b(図3参照)との像比率(a/b)を比較することにより、Z方向のアライメント偏位量を求める(詳しくは、特開平6−46999号参照)。制御部80は、求めたZ方向のアライメント偏位量に基づいて、XYZ駆動部6を駆動制御する。被検者眼Eと撮影部3のアライメント関係が、所定の許容範囲内に収まると、制御部80は、自動アライメント動作を一旦停止させる。以降の説明で、上述したアライメント制御を、オートトラッキングと呼ぶ場合がある。
次いで制御部80は、フォーカシングレンズ32を駆動して、被検者眼Eの眼底に対するフォーカシングを行う。詳細には、撮像素子38の出力信号(観察像)を解析して、眼底と撮像素子35とが共役の位置関係になるようにフォーカシングレンズを駆動する。本実施形態では、撮像素子38が撮像する眼底観察像のコントラストにより、眼底に対するフォーカス状態を判断する。以降の説明で、上述したフォーカシング制御を、オートフォーカスと呼ぶ場合がある。なお、本実施形態では、フォーカシング中にも前述したオートトラッキングが平行して働かされている。なお、アライメントおよびフォーカシングは、赤外光を投光した自然散瞳状態で行われる。
次いでステップS203にて、制御部80は、眼底像の取得処理を行う。制御部80は、ダイクロイックミラー24および跳ね上げミラー34を撮影光学系30aの光路外に退避する。次いで制御部80は、撮影光源14を点灯する。被検者眼Eには、ステップS201で設定した光量の撮影光が投光される。眼底で反射した撮影光は、撮影光学系30aの光学部材を介して、撮像素子35に集光される。次いで、制御部80は、撮像素子35の出力信号(撮影画像IMGaを構成する画像信号)を入力する。撮像素子35からは、ステップS201で設定したISO感度で撮像された画像信号が出力される。以上説明したように、本実施形態の制御部80はオートショットを行う。なお、本実施形態の撮像素子35は、眼底の二次元画像データ(デジタル信号)を出力する。また、制御部80は、取得した画像信号(画像データ)をRAM82に記憶させる。なお、撮影光源14は撮影中のみ点灯される。つまり、被検者眼Eの瞳孔は、撮影光により一旦縮瞳される。しかし、撮影光の点灯は一瞬であり、撮影光が消灯すると、被検者眼Eの瞳孔は、徐々に自然散瞳してゆく。なお、被検者眼Eの瞳孔は、単位時間内の撮影回数が増えるほど、自然散瞳による散瞳速度が低下してゆく傾向がある。
次いでステップS204にて、制御部80は、診断用画像(第1診断用画像)の生成処理を行う。図5(a)は、ステップS203で取得した撮影画像IMGaである。撮影画像IMGaは、カラー画像であり、4000×3000ピクセルで構成されている。各ピクセルは、R/G/B用の階調データ(8bit)を有する。撮影画像IMGaには、被検者眼Eの情報である眼底像Sの領域と、撮影光学系30aの光学部材のコバ等が写りこんだ不要領域Vが含まれる。
制御部80は、診断用画像の生成処理として、撮影画像IMGaに対してトリミングを行う。これにより、検者が診断する際に不要な不要領域Vの量が低減される。また、例えば、眼底像Sの分解能自体を損なわずに、診断に用いる画像のデータ容量が低減される。制御部80は、撮影画像IMGaに対して、図5(a)にて破線で示す枠線Uaの箇所でトリミングを行う。トリミングした画像データ(つまり、枠線Ua内の画像データ)は、診断用画像IMGbとなる。なお、診断用の画像生成処理は、トリミングに限らない。例えば、撮影画像IMGaの一部領域をマスキングする電子マスク処理を行ってもよい(特開2003−225208号参照)。また、各種画像処理(画質変更処理、リサイズ処理等)を行ってもよい。
次いで、ステップS205にて、制御部80は、診断用画像IMGbおよび確認ダイアログをモニタ8に表示させる。確認ダイアログには、診断用画像IMGbを採用するか否かの選択ボタン(OK,NGの各ボタン)が表示される。検者は、モニタ8に表示される診断用画像IMGbを確認して、スイッチ部84の操作により、診断用画像IMGbを採用(OK)するか否(NG)かを選択する。制御部80は、スイッチ部84の操作を検出する。採用(OK)が選択された場合はステップS102に進む。非採用(NG)が選択された場合はステップS202に戻る。以上説明したようにして、通常撮影による診断用画像IMGbの生成処理が行われる。
<一括撮影モード・ステレオ撮影>
図9は、前述したステップS102(ステレオ撮影制御)での制御の流れを示すフローチャートである。ステレオ撮影制御として、制御部80は、先ず、ステップS301を実行する。ステップS301にて、制御部80は、眼底撮影装置1の各パラメータを設定する(図10を合わせて参照)。制御部80は、次のようにパラメータを設定する。固視標呈示位置を、周辺に設定する。撮像素子35のISO感度を、先の通常撮影とは異なる感度(例えば、ISO400)に設定する。撮影光量を、Lv.4に設定する。アライメント目標位置を、オフセット位置(右側)に設定する。なお、固視標呈示位置を周辺に設定するとは、被検者眼Eの乳頭と、撮影光軸L1とが重なるよう固視標を呈示(点灯)させる状態である。なお、オフセット位置(右側)とは、撮影部3のアライメント目標位置を、角膜頂点に対して右側にずらす位置である。本実施形態では、アライメント目標位置ORと称する。このように、第1の撮影(ここでは通常撮影)時における撮影光量に対して、第2の撮影(ここではステレオ撮影)時における撮影光量を減光させるとともに、第1の撮影時におけるISO感度に対して、第2の撮影時におけるISO感度を上げるようにする。第2の撮影におけるこのような撮影条件の変更は、第1の撮影において得られる撮影画像の明るさと同等となることを考慮して種々決定されればよい。
次いで、ステップS302にて、制御部80は、アライメント処理を行う。制御部80は、撮影光軸L1とアライメント目標位置ORとが一致するように、XYZ駆動部6を駆動制御する。なお、Z方向のアライメント制御は通常撮影と同様であるため省略する。被検者眼Eと撮影部3のアライメント関係が、所定の許容範囲内に収まると、制御部80は、自動アライメント動作を一旦停止させる。次いで制御部80は、通常撮影と同様にして、フォーカシングレンズ32を駆動して、被検者眼Eの眼底に対するフォーカシングを行う。
次いでステップS303にて、制御部80は、眼底像(右画像)の取得処理を行う。制御部80は、前述した通常撮影時と同様にして、フォーカシング、ダイクロイックミラー24および跳ね上げミラー34の駆動、および撮影光源14の点灯を行う。被検者眼Eには、ステップS301で設定した光量の撮影光が投光される。眼底で反射した撮影光は、撮影光学系30aの光学部材を介して、撮像素子35に集光される。撮像素子35からは、ステップS301で設定したISO感度で撮像された画像信号が出力される。制御部80は、ステップS303で取得した撮影画像IMGd(図6(b)参照)を、右画像としてRAM82に一旦記憶させる。
次いで、ステップS304にて、制御部80は、ステップS303で取得した撮影画像IMGd(右画像)および確認ダイアログをモニタ8に表示させる。確認ダイアログには、撮影画像IMGdを採用するか否かの選択ボタン(OK,NGの各ボタン)が表示される。検者は、モニタ8に表示される撮影画像IMGdを確認して、スイッチ部84の操作により、撮影画像IMGdを採用(OK)するか否(NG)かを選択する。制御部80は、スイッチ部84の操作を検出する。採用(OK)が選択された場合はステップS305に進む。非採用(NG)が選択された場合はステップS302に戻る。
ステップS305に進む。ステップS305では、制御部80は、アライメント目標位置を変更する。詳細には、左画像を撮影するために、仮想の角膜頂点位置Moに対して左側にオフセットさせた位置をアライメント目標位置OLとして設定する。
次いでステップS306にて、制御部80は、アライメント処理を行う。制御部80は、撮影光軸L1とアライメント目標位置OLとが一致するように、XYZ駆動部6を駆動制御する(図4参照)。つまり、左画像を撮影するためのオートトラッキングが行われる。また、通常撮影時と同様にしてZ方向のアライメントおよびフォーカシングも行う。
次いでステップS307にて、制御部80は、眼底像(左画像)の取得処理を行う。制御部80は、右画像の取得時と同様にして、フォーカシング、ダイクロイックミラー24および跳ね上げミラー34の駆動、および撮影光源14の点灯を行う。被検者眼Eには、ステップS301で設定した光量の撮影光が投光される。眼底で反射した撮影光は、撮影光学系30aの光学部材を介して、撮像素子35に集光される。撮像素子35からは、ステップS301で設定したISO感度で撮像された画像信号が出力される。制御部80は、ステップS307で取得した撮影画像IMGc(図6(b))を、左画像としてRAM82に一旦記憶させる。なお、撮影画像IMGd(右画像)および撮影画像IMGc(左画像)は、共にカラー画像である。
次いで、ステップS308にて、制御部80は、ステップS307で取得した撮影画像IMGc(左画像)および確認ダイアログをモニタ8に表示させる。確認ダイアログには、撮影画像IMGcを採用するか否かの選択ボタン(OK,NGの各ボタン)が表示される。検者は、モニタ8に表示される撮影画像IMGcを確認して、スイッチ部84の操作により、撮影画像IMGcを採用(OK)するか否(NG)かを選択する。制御部80は、スイッチ部84の操作を検出する。採用(OK)が選択された場合はステップS309に進む。非採用(NG)が選択された場合はステップS306に戻る。
ステップS309にて、制御部80は、ステレオ画像の生成処理を行う。先ず、制御部80は、撮影画像IMGd(右画像)と撮影画像IMGc(左画像)の各々から、所定領域の画像を切り出す。図6(a)と図6(b)にて破線で示す枠(枠Ubおよび枠Uc)は、制御部80が切り出す領域である。図6(c)は、制御部80が切り出した切出画像IMGe(左用)である。図6(d)は、制御部80が切り出した切出画像IMGf(右用)である。制御部80は、切出画像IMGe(左用)と切出画像IMGf(右用)を左右に並べて、1枚の診断用画像IMGgを生成する(図6(e)参照)。
本実施形態では、枠Ubおよび枠Ucの形状、サイズ、および座標に関する情報は、予め不揮発性メモリ86に記憶されている。もちろん、枠Ubおよび枠Ucの形状、サイズ、および座標を、適宜変更してもよい。スイッチ部84の操作により、変更可能であってもよい。本実施形態では、制御部80は、切り出し処理および合成処理を行った。しかし、他の画像処理を行ってもよい。
次いでステップS310にて、制御部80は、診断用画像IMGgをモニタ8に表示させる。以上説明したようにして、ステレオ撮影による診断用画像IMGgの生成処理が行われる。
<一括撮影モード・出力>
ステップS103では、制御部80は、診断用画像(診断用画像IMGbおよび診断用画像IMGg)の出力処理を行う。先ず、制御部80は、確認ダイアログをモニタ8に表示させる。確認ダイアログには、診断用画像を出力するか否かの選択ボタン(OK,NGの各ボタン)が表示される。検者は、スイッチ部84の操作により、診断用画像を採用(OK)するか否(NG)かを選択する。制御部80は、スイッチ部84の操作を検出する。制御部80は、採用(OK)が選択された場合は、診断用画像を出力する。非採用(NG)が選択された場合はステップS103を抜ける。制御部80は、モニタ8に前眼部観察像を表示させて、スタンバイ状態となる。なお、診断用画像を出力した場合も、ステップS103を抜けてスタンバイ状態となる。
本実施形態では、診断用画像の出力として、メモリ85への記憶が行われる。しかし、診断用画像の出力態様はこれに限るものではない。診断用画像の出力として、外部ストレージデバイスへの転送(保存)、外部ネットワークへの転送(保存)等が行われてもよい。例えば、外部ネットワークには、PACS(Picture Archiving and Communication System)が接続されており、眼底撮影装置1が出力した診断用画像がPACSに保存されてもよい。
<通常撮影モード>
次いで、本実施形態の眼底撮影装置1が有する通常撮影モードについて説明する。通常撮影モードでの通常撮影シーケンスと、一括撮影モードでの通常撮影シーケンスとは大部分で一致する。パラメータ(図10参照)も、大部分で一致する。したがって、相違点を中心として説明する。
通常撮影モードでは、前述したステップS201〜S205(図8参照)の流れで制御が遷移する。通常撮影モードと一括撮影モードの通常撮影とでは、ステップS201で設定されるパラメータの値が異なる(図10(a)と図10(b)を比較されたし)。通常撮影モードでは、固視標呈示位置は任意の位置とされる。つまり、他の撮影モードから通常撮影モードへと移行される際に、固視標呈示位置が自動で変化されることはない。もちろん、通常撮影モード中に、診断目的に応じて、固視標呈示位置を任意の位置へと変更できる。
<ステレオ撮影モード>
次いで、本実施形態の眼底撮影装置1が有するステレオ撮影モードについて説明する。ステレオ撮影モードでのステレオ撮影シーケンスと、一括撮影モードでのステレオ撮影シーケンスとは大部分で一致する。しかし、パラメータ(図10参照)は、大部分で異なる。以降では、相違点を中心として説明する。
ステレオ撮影モードでは、前述したステップS301〜S310(図8参照)の流れで制御が遷移する。ステレオ撮影モードと一括撮影モードのステレオ撮影とでは、ステップS301で設定されるパラメータの値が異なる(図10(a)と図10(b)を比較されたし)。ステレオ撮影モードでは、前述した通常撮影モードと同様に、固視標呈示位置は任意の位置とされる。つまり、他の撮影モードからステレオ撮影モードへと移行される際に、固視標呈示位置が自動で変化されることはない。もちろん、ステレオ撮影モード中に、診断目的に応じて、固視標呈示位置を任意の位置へと変更できる。
ステレオ撮影モードでは、ISO感度がISO100に設定される。また、撮影光量は、Lv.8に設定される。つまり、ステレオ撮影モードでは、ISO感度および撮影光量が、通常撮影モードと同じ設定とされる。
以上説明したように、本実施形態の眼底撮影装置1は、複数の撮影モードを有している。検者は、複数の撮影モードから、診断目的に沿った撮影モードを選択して撮影を行える。例えば、本実施形態の撮影モードはいずれもカラー撮影であるが、各々の撮影モードに適した撮影パラメータへと自動で設定変更される。これにより、検者の操作手間が低減される。また、撮影ミスが抑制される。
また、本実施形態の一括撮影モードは、通常撮影とステレオ撮影とが一括して行われる。通常撮影モードとステレオ撮影モードとを検者が各々選択して撮影する場合に対して、例えば、検者の操作手間が低減される。これにより、装置の使用に不慣れな検者であっても、速やかに撮影を行える。
また、本実施形態の一括撮影モードでは、被検者眼Eの縮瞳を抑制するパラメータ設定がなされる。これにより、被検者の負担が低減される。また、本実施形態の眼底撮影装置1は、赤外光で観察し、可視光で撮影を行う。つまり、本実施形態の眼底撮影装置1は、無散瞳撮影が可能とされている。したがって、前述した縮瞳抑制がより効果的に働く。縮瞳が抑制されることで、効率よく、種類が異なる診断用画像を取得し易くなる。したがって、通常撮影のみ、またはステレオ撮影のみの場合に対して、本実施形態の一括撮影モードでは、より他角的な診断を行い易くなる。
また、本実施形態の一括撮影モードでは、通常撮影、ステレオ撮影の順で撮影が行われる。これにより、例えば、被検者の縮瞳を抑制しつつ、好適な診断用画像を生成できる。詳細には、通常撮影で診断用画像を生成する際には、取得した眼底像S全体を使用する。しかし、ステレオ撮影で診断用画像を生成する際には、取得した眼底像Sの一部領域のみを使用する。よって、ステレオ撮影の方が、縮瞳した際の影響が少ないと考えられる。また、ステレオスコープ等を用いた立体観察状態は、2回の撮影で取得された2種類の画像を同時に視認した状態となる。このような立体観察状態では、2種類の画像(例えば、切出画像IMGe,切出画像IMGf)を略平均化して視認しているといえる。したがって、画質劣化が顕著になり難い。
なお、本実施形態では、通常撮影とステレオ撮影を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えば通常撮影を少なくとも2回連続して行ったり、通常撮影とパノラマ撮影との組み合わせ、等、同種又は異なる種類の撮影モードを連続して行うような一括撮影の場合に適用できることは言うまでもない。
さらに、本実施形態では第1の撮影と第2の撮影をセミオートで行うものとしているが、これに限るものではなく、手動,自動に限らず、一括撮影のモードの設定に基づいて、第1の撮影における撮影条件(撮影光量,ISO感度)に対して第2の撮影における撮影条件(撮影光量,ISO感度)が異なるように設定されればよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びこれと均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :眼底撮影装置
10 :照明光学系
30a:撮影光学系
35 :撮像素子
E :被検者眼

Claims (3)

  1. 被検者眼の眼底を可視光で照明する照明光学系と、
    撮像素子を有し、前記照明光学系により照明された眼底を撮影する撮影光学系と、
    前記可視光の照明光量を調節する調光手段と、
    前記撮像素子にて得られる撮影信号を増幅させる信号増幅手段と、
    前記撮影光学系を用いて、第1の撮影、第2の撮影の順で前記被検者眼を撮影する一括撮影モードを設定する設定部と、
    前記調光手段と前記信号増幅手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記設定部により前記一括撮影モードが設定された場合、
    前記制御手段は前記第2の撮影の際には、前記信号増幅手段を用いて前記第1の撮影時における前記撮影信号よりも該撮影信号を増幅させる制御を行うとともに,前記調光手段を用いて前記第2の撮影の際の照明光量を前記第1の撮影時の照明光量よりも減光させる制御を行う、
    ことを特徴とする眼底撮影装置。
  2. 請求項1に記載の眼底撮影装置において、
    前記制御手段は前記第1の撮影において得られる撮影画像の明るさと、前記第2の撮影において得られる撮影画像の明るさとが同等となるように、前記調光手段による減光と前記信号増幅手段による前記撮影信号の増幅とを行う
    ことを特徴とする眼底撮影装置。
  3. 請求項1または2に記載の眼底撮影装置において
    前記第1の撮影は被検者眼の眼底画像を1枚得る目的でカラー撮影する通常の眼底撮影であり、前記第2の撮影は被検者の眼底を立体的に撮影するための立体撮影である、
    ことを特徴とする眼底撮影装置。
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