JP2017062182A - ガス検知方法及びガス検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、在型表面プラズモン粒子がガス等の標的を検知した際に、色の変化で判別することが可能な局在型表面プラズモンセンサーを用いたガス検知方法及びガス検知装置を提供することである。【解決手段】本発明のガス検知方法は、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを用い、局在型表面プラズモンセンサーが、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで屈折率が変化し、前記コア部の平均粒径D1が0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス検知方法及びガス検知装置に関する。更に詳しくは、局在型表面プラズモンセンサーを用いたガス検知方法及びガス検知装置に関する。
近年、化学物質、化学反応、生体又は遺伝子情報等を検出可能なセンサーとして、光によって表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance)を起こす光学系を用いたセンサー(以下、表面プラズモン共鳴センサーと称す。)が開発されてきた。
この表面プラズモン共鳴センサーは、金属中の伝導電子と光との相互作用により起こるプラズモン共鳴現象を利用するものである。具体的には、化学物質、化学反応、生体、又は遺伝子情報によって生じる金属構造体の表面近傍における数nm〜数十nmの微小な領域における屈折率等の状態変化をプラズモン現象による光の共鳴波長の応答で検知するというものである。この技術は、特に、不可視で検出が困難であるガス等の気体の検出用途に期待されている。
例えば、特許文献1には、分光光度計による光透過率が実質的に0である担体に、検知対象ガスとの接触により変色する変色物質を担持させた検知剤を用い、その変色をカラーマークセンサーにより検出する技術が開示されている。特許文献1に記載されている方法では、対象ガスと化学的に反応して呈色を起こす検知材料(カラーマークセンサー)の色変化を分光器で測定する方法である。
特許文献1に開示されている方法では、化学反応による呈色を利用する方法であり、化学反応が起こらない物質の検知に対して、検出効果が全く得ることができない。このように、化学反応を起こしにくい物質に対する検知が困難であるため、その問題を解決する方法として、プラズモン現象の利用が期待されている。
プラズモン現象を利用する方法において、表面プラズモン共鳴のセンサーチップには金や銀等の金属薄膜が用いられていることが一般的である。この場合、表面プラズモン共鳴センサーには紫外光から可視光域の光が使用されている。
最近、金属の代わりに酸化物半導体を対象としたプラズモン研究が行われている。酸化物半導体は、バンドギャップが広く、導入するドーパント濃度によりキャリア数を任意に制御できるため、可視から近赤外領域にわたって使用が可能となり、従来困難だった赤外線を用いた表面プラズモン共鳴センサーとして使用でき、特に非侵襲の血糖値センサーなど、バイオ分野への応用が期待されている。
当該プラズモン現象を利用したセンサーの具体的な方法としては、例えば、特許文献2に開示されている。特許文献2に記載されている方法は、金属層上に光透過性絶縁性薄膜を介して局在型表面プラズモンが励起される寸法の金属微粒子を固定化し、金属微粒子に入射された光との相互作用に起因して生じる第2高調波の変化を検出することで、金属微粒子近傍の屈折率変化を検知する技術である。
このように金属微粒子を用いたプラズモンを利用する場合、一般的には可視光領域に存在するプラズモンによる吸収波長のピークシフトを検知するため、分光器などの装置を用いてその微小なピークシフトを検出している。金属微粒子の近傍の実効屈折率によってピークシフト量が決まってくるため、ガス濃度とピークシフト量との相関をあらかじめ把握しておくことにより、微粒子周囲のガス成分の定量化も可能となる。
このように、局在型表面プラズモン共鳴センサーは、従来では測定が困難であった気体・液体の成分定量化や検出に対して将来的に期待されている技術である。
上記特許文献2に開示されている局在型表面プラズモン共鳴センサーは、分光器などの装置を用いて金属構造体の周辺における光学定数変化に伴う共鳴波長ピークの変化を検出することでセンサーとしての機能を実現するものである。しかし、一般的にプラズモン共鳴で発生する共鳴波長ピークの変化は、数nm〜数十nm程度と非常に小さいため、その微小な波長変化を捉えるためには、分光器などの、高額でかつ複雑なシステムを有する装置が必須となってくる。そのため、現状は研究機関や製造現場における定点測定としての用途が主流になるとされている。
一方で、今後、このような表面プラズモン共鳴センサーが必要とされてくる代表的な領域としては、無色無臭の可燃性ガスプラントなどが挙げられる。具体的には、将来におけるCOフリーエネルギーといわれる水素ガスは、通常のセンサーでは検知が難しいため、リークチェック用途でプラズモンセンサーの活用が期待されている。このような用途においては、水素ガス等を大量に製造、運搬及び貯蔵を行う現場では、主には、人間が巡回点検を行うため、ガスリーク箇所を、監視者が見てすぐに判別できる方法が要望されている。
よって、プラズモンセンサーは、水素ガスのように従来の技術では検知が困難なものを検知する手段としては優れているが、人間の目で見て水素ガスの漏えい等を確実に検知し、判断することは難しい。
したがって、上記のような問題を踏まえ、プラズモンセンサーの共鳴波長ピークのシフトを人の目で確実に検知することができる方法の開発が強く望まれている。
特開平10−2894号公報 特開2007−255947号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、局在型表面プラズモン粒子がガス等の標的を検知した際に、色の変化で判別することが可能な局在型表面プラズモンセンサーを用いたガス検知方法及び局在型表面プラズモンセンサーを具備したガス検知装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、水素ガス等のガス検知手段について鋭意検討を進めた結果、検知対象の標的(例えば、水素ガス等)に対する相互作用で、照射された電磁波の応答スペクトルに変化(例えば、色の強度変化)が生じる局在型表面プラズモンセンサーを用いるガス検知方法で、前記局在型表面プラズモンセンサーが、少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで屈折率が変化する特性を備え、かつ前記コア部の平均粒径Dが特定の範囲内にある局在型表面プラズモンセンサーであることを特徴とするガス検知方法により、局在型表面プラズモン粒子がガス等の標的を検知した際に、吸収波長のピーク波長のシフトを検知するのではなく、色の変化(ΔE)で判別することが可能となることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、上記課題は、以下の手段により解決される。
1.照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを用いるガス検知方法であって、
前記局在型表面プラズモンセンサーが、
少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、
当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、
前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで屈折率が変化し、
前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とするガス検知方法。
2.前記コア部を構成する材料が、酸化物半導体であることを特徴とする第1項に記載のガス検知方法。
3.前記コア部を構成する材料が、酸化亜鉛であることを特徴とする第1項に記載のガス検知方法。
4.前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.60〜1.30μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
5.前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.75〜1.20μmの範囲内であることを特徴とする第4項に記載のガス検知方法。
6.前記コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径をD(μm)としたとき、下記式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
式(1)
1.5×D(μm)<D(μm)
7.光源より、可視光を前記局在型表面プラズモンセンサーに射出し、
前記局在型表面プラズモンセンサーからの透過、反射又は散乱する光の分光情報を検出手段により検出し、
前記検出手段から得られた分光情報から色差ΔEを信号処理部で算出することにより、
ガスを検知することを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
8.前記局在型表面プラズモンセンサーが、前記ガス吸着により応答スペクトルの変化が生じる前記コア・シェル構造を有する粒子が存在している領域とは別の領域に、ガス吸着により、吸収波長の変化が生じない色基準部材を有することを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
9.前記シェル部が、生体触媒よりなる酵素で構成されていることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
10.前記シェル部が、ガスクロミック金属で構成されていることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
11.照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを具備したガス検知装置であって、
前記局在型表面プラズモンセンサーが、
少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、
当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、
前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで反射率が変化し、
前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とするガス検知装置。
12.前記コア部を構成する材料が、酸化物半導体であることを特徴とする第11項に記載のガス検知装置。
13.前記コア部を構成する材料が、酸化亜鉛であることを特徴とする第11項に記載のガス検知装置。
14.前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.60〜1.30μmの範囲内であることを特徴とする第11項から第13項までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
15.前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.75〜1.20μmの範囲内であることを特徴とする第14項に記載のガス検知装置。
16.前記コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径をD(μm)とした時、下記式(1)で規定する条件を持たすことを特徴とする第11項から第15項までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
式(1)
1.5×D(μm)<D(μm)
17.可視光を前記局在型表面プラズモンセンサーに射出す光源部と、
前記局在型表面プラズモンセンサーからの透過、反射又は散乱する光の分光情報を検出する検出手段と、
前記検出手段から得られた分光情報から色差ΔEを算出する信号処理部を有することを特徴とする第11項から第16項までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
18.前記局在型表面プラズモンセンサーが、ガス吸着により応答スペクトルの変化が生じる前記コア・シェル構造を有する粒子が存在している領域と、ガス吸着により、吸収波長の変化が生じない色基準部材とを有することを特徴とする第11項から第17項までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
19.前記シェル部が、生体触媒よりなる酵素で構成されていることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
20.前記シェル部が、ガスクロミック金属で構成されていることを特徴とする第11項から第18項までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
本発明の構成を採用することにより、局在型表面プラズモンセンサーが含有するコア・シェル型の粒子が、水素ガス等の標的を検知した際に、色相の変化により、高い感度で検出することが可能なガス検知方法及びそれを適用したガス検知装置を提供することができる。
局在型表面プラズモンセンサーによるガスの検知方法の一例を示す概略図 基材上にコア・シェル型粒子を配置している局在型表面プラズモンセンサーの構成の一例を示す概略断面図 コア部の平均粒径Dと色差ΔEの関係の一例を示すグラフ 分光強度から色差ΔEを算出する方法の一例を示すフロー図
本実施形態のガス検知方法は、照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを用いるガス検知方法であって、前記局在型表面プラズモンセンサーが、少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで屈折率が変化し、前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項20までの各請求項に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明においては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、コア部を構成する材料として酸化物半導体を適用することが、赤外領域でのプラズモンの共鳴波長の制御が可能となり、色味変化を検出することに対する最適設計が可能となる観点から、好ましい形態である。
また、コア部を構成する酸化物半導体として、酸化亜鉛を適用することが、センサーとしての優れた性能を有するとともに、自然界での存在量が潤沢であり、供給枯渇の心配がないことに加え、低温環境下での結晶成長が可能なため、コストダウンにも貢献する観点から、好ましい形態である。
また、コア・シェル構造を有する粒子を構成するコア部の平均粒径D(μm)を、0.60〜1.30μmの範囲内とすることが、シェル部の屈折率変化による色変化巾として、色差ΔEを4.0以上にすることができ、ガスの検知精度を上げることができる観点から好ましい形態である。
さらに、コア部の平均粒径D(μm)を、0.75〜1.20μmの範囲内とすることが、色差ΔEを10以上とすることができ、ガス検知に対し誤検知を起こすことがなく、高精度で検知することができる。
さらに、コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径をD(μm)としたとき、前記式(1)で規定する条件を満たすことが、製造時におけるシェル部の厚さバラつきに起因するセンサーとしての性能バラつきを抑えることができる観点から、好ましい形態である。
また、ガス検知方法として、光源より可視光を局在型表面プラズモンセンサーに射出し、当該局在型表面プラズモンセンサーからの透過、反射又は散乱する光の分光情報を検出手段により検出し、当該検出手段から得られた分光情報から色差ΔEを信号処理部で算出することにより、ガスを検知する方法であることが、観測環境におけるノイズやセンサーを監視する人間の個人差などの影響を受けることなく、高い検出精度でガス検知を行うことができる観点から好ましい。
また、局在型表面プラズモンセンサーが、ガス吸着により応答スペクトルの変化が生じるコア・シェル構造を有する粒子が存在している領域とは別の領域に、ガス吸着により、吸収波長の変化が生じない色基準部材を有することが、局在型表面プラズモンセンサーの相対的な色味の変化を、確実に確認することができるため、ガス吸収による変化前後の両方を把握する必要がなくなり、判定が容易となる観点から、好ましい形態である。
また、シェル部が、生体触媒よりなる酵素で構成されていることが、有機物に対する選択反応性を持たせることができ、検知対象物以外にノイズとなる気体分子が存在する場合に感度を向上させることが可能となる観点から、好ましい形態である。
また、シェル部が、ガスクロミック金属で構成されていることが、水素ガス等の無機揮発物に対する選択反応性を持たせることができるとともに、ガスクロミック反応による透過率の変化で明度が変化するため、色味の変化として、屈折率の変化による色変化だけよりも大きくなる点で好ましい。
一方、本発明のガス検知装置は、照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを具備したガス検知装置であって、前記局在型表面プラズモンセンサーが、少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで反射率が変化し、前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、本実施形態の一例を示すものであり、これらに限定されることはない。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
以下、本発明のガス検知方法及びガス検知装置の詳細について説明する。
(プラズモン共鳴)
本発明でいうプラズモンとは、光によって励起された金属ナノ粒子における電子の粗密波(=縦波)である。プラズモンは、全波長域の光で生じるわけではなく、光の周波数が金属等における表面電子の自然周波数と一致するときにプラズモン共鳴が発生する。
プラズモン共鳴が発生すると、その周波数における光のエネルギーは電子振動の励起によって消費されるため、プラズモン共鳴周波数(波長)において光の吸収が生じる。このとき、プラズモン共鳴周波数は、金属等の表面電子を有する物質と、他方の物質との界面における境界条件として屈折率(広義には誘電率)の差により決定される。このとき、他方の物質の屈折率が変化することでも、共鳴周波数も変化する。
プラズモン共鳴現象は、金属表面の自由電子の振動が光と結合して金属表面を伝播する伝播型表面プラズモンと、金属等のナノ粒子全体が入射光電場によって電子の分極を誘発されそれが振動することによって生じる局在型表面プラズモンの2つに大別される。
伝播型表面プラズモンは、素子のサイズが大きくてもその金属の表面上に微細構造を設けることでその特性を制御できるため、波長フィルターやバイオセンサーへの応用が考えられているが、素子単位での特性を変えることが難しいため多チャンネル化が難しく、またセンサーとして利用する場合は、プラズモン励起光の検出のために高感度な検出装置が必要となるため、システムが複雑化・大型化しやすいといったデメリットが挙げられる。 一方、局在型表面プラズモンは、素子の最小単位がナノ粒子1つに相当するので小型化が容易であり、マルチチャンネルでのバイオセンサーや検疫システムに向いている。本発明は、この局在型表面プラズモンを利用した発明である。
一般的に、局在型表面プラズモン共鳴を起こすための適切なナノ粒子の粒子径は10〜150nmの範囲内といわれている。これはプラズモン共鳴を起こすピーク波長(以下、プラズモン共鳴周波数(波長))とナノ粒子の大きさの条件が同程度かそれ以下であることに起因する。しかしながら、このような条件においては、周辺の屈折率の変化によりプラズモン共鳴周波数はシフトするが、人の目で見たときの色味(色合い)としてはほとんど変化しない。実際、水素ガスの吸着による屈折率変化で生じるプラズモン共鳴周波数のシフトを、人の目の比視感度を考慮した色の変化量を色差ΔEで表すと、ΔE≒1.0〜2.0の範囲内である。
以下、本発明で規定する構成による原理を詳細に説明する。
人間の目が感じる色の変化は、彩度よりも明度の方に対して感度が大きいという特性を有している。これを分光強度で説明すると、例えば、共鳴波長のピークが可視光領域にあったとして、そのピーク波長が数nm〜数十nmの範囲内でシフトした程度では、ピークの強度変化は大きくないため、人間の目として、色の変化として視認しにくい。一方、ある波長における光の強度が変化したときには、人間の目は色の変化として大きく感じるという特徴を持つ。これは、可視光領域全体について同じことがいえるため、人間の目に対して色の変化を大きくしようとするには、可視光領域全体の(吸収)分光強度の総面積を大きく変化させればよいことになる。
以下、本発明のガス検知方法及びガス検知装置の技術的な特徴点について、一部図を交えてその詳細を説明する。
(実施形態1)
本発明のガス検知方法又はガス検知装置(以下、総称して「ガス検知方法」として説明する。)においては、照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを用いるガス検知方法であって、前記局在型表面プラズモンセンサーが、少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで屈折率が変化し、前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とする。
実施形態1で規定する構成を採ることにより、シェル部の屈折率変化に起因する吸収波長の変化を、人の目の比視感度に対して大きくすることができる。赤外領域にプラズモン共鳴周波数を持つ物質をコア部に用い、そのコア部の平均粒径Dを0.6μmからコア部の最大光吸収ピーク波長よりも小さい範囲に設定することで、粒子としてのプラズモン共鳴周波数を赤外領域に持たせることができる。このような構成とすることにより、赤外領域における吸収波長のピークシフトが発生した際、可視光領域における分光強度の面積変化を大きくすることができ、その結果、色としての変化巾が大きくなる。このとき、コア部の形状としては、球形であるのが一般的だが、多角形のような平面で構成される形状や平板状、ナノワイヤー状であっても同様の効果を発現させることができる。また、シェル部は、ガスが化学的に吸着して屈折率が変化する構成でもよいし、ガスを物理的に吸着することで屈折率が変化する構成であってもよい。
〈ガス検知方法の概要〉
次いで、本発明のガス検知方法の概要について、図を交えて説明する。ただし、本発明のガス検知方法は、ここで例示する方法にのみ限定されるものではない。
図1は、実施形態1における局在型表面プラズモンセンサーによるガスの検知方法の一例を示す概略図である。
図1において、1は、ガス(G)によって色の変化を起こす局在型表面プラズモンセンサーであり、この局在型表面プラズモンセンサー(1)が含有するコア・シェル構造を有する粒子の色相変化を捉えることにより、標的とするガス(G)の存在の有無を判別するものである。
図1に記載のガス検知方法あるいはガス検知装置においては、高い正確性を確保するため、基本構成である局在型表面プラズモンセンサー(1)に加えて、当該局在型表面プラズモンセンサー(1)に、電磁波を照射するための光源(2)と、局在型表面プラズモンセンサーからの透過、反射又は散乱する光の分光情報を検出する検出装置(3)と、後述する検出装置から得られた分光情報から色差ΔEを算出する信号処理部(4)と、色基準部材(5)を備えており、信号処理部(4)で色差ΔEを算出し、その色差ΔEが閾値以上か以下かを解析し、ガスの発生の有無を判定している。このとき、色基準部材(5)を基準色として、局在型表面プラズモンセンサー(1)との色差ΔEを算出している。
〈局在型表面プラズモンセンサーの基本構成〉
図2は、本発明のガス検知方法で適用する、基材上にコア・シェル型粒子を配置している局在型表面プラズモンセンサーの構成の一例を示す概略断面図である。
図2に示す局在型表面プラズモンセンサー(1)は、平面状の基材(13)上に、平均粒子径がDのコア部(11)と、当該コア部(11)の一部又は全面を被覆する形態でシェル部(12)から構成されている平均粒径がDの粒子(P)を多数固定して配置している構成である。このような構成とすることにより、在型表面プラズモンセンサー(1)として機能させることができる。
平面状の基材(13)としては、可視光から赤外領域に透明で高屈折率であることが好ましい。基材の屈折率は、1.30〜4の範囲内であることが好ましい。より好ましくは1.40〜3である。例えば、ガラス、樹脂が好ましく用いられる。
樹脂基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。そのほかには、シリコンでもよいし、光ファイバーの先端のように、基材(13)側から光を照射する構成としてもよい。
本発明に係るコア・シェル型粒子は、本発明で規定する構成のコア・シェル型粒子を得ることができる範囲で、従来公知の調製方法により適宜選択して調製することができる。
一例として、コア部が酸化物半導体である酸化亜鉛で構成されているコア・シェル型粒子の調製方法を示す。
1)はじめに、原料液調製工程で、コア部を形成する亜鉛水溶液と、尿素類水溶液、その他の添加剤を含む水溶液を調製する。
2)亜鉛系化合物前駆体粒子(コア粒子)を形成する工程で、上記各水溶液を混合して、一定の温度、時間で撹拌しながら、種粒子に生成、及び種粒子を成長させて、コア粒子である)亜鉛系化合物前駆体粒子を形成する。
3)シェル部の形成として、コア粒子を含む水溶液に、シェル形成用材料を含む水溶液を添加して、コア粒子の表面を被覆してシェル部を形成する。
4)固液分離工程で、上記調製した亜鉛系化合物前駆体粒子(コア粒子)を水溶液から固液分離する。
5)次いで、分離した亜鉛系化合物前駆体粒子(コア粒子)を所定の温度及び時間で、焼成処理を施して、球状のコア・シェル構造を有する粒子を調製する。
以上のような方法で調製する本発明に係るコア・シェル構造を有する粒子の構成としては、詳細は後述するが、コア部(11)の平均粒径をD、コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径をD(μm)とした時、1.5×D(μm)<D(μm)の関係を満たす構成であることが好ましい形態である。
〈平均粒径測定方法〉
本発明において、粒子(P)の構成するコア部の平均粒径や、コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径は、公知の粒径測定方法を適用することにより、容易に求めることができる。例えば、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器、例えば、粒度測定器(マルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)を用い、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)により求めることができる。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。また、コア・シェル構造を有する粒子を日立ハイテクノロジーズ製 集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出す。次いで、切り出した切断面より、日立ハイテクノロジーズ製 STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、粒子組成の分布評価を行い、コア部とシェル部との組成変化領域を測定し、コア部(11)の平均粒径Dを求めることもできる。
(実施形態2)
本発明のガス検知方法においては、コア部を構成するプラズモン共鳴周波数のピークを赤外領域に持つ材料として、酸化物半導体を適用することが好ましい形態(実施形態2)である。
本発明に係るプラズモンの共鳴周波数ωは、下式(1)により求めることができる。
式(1)
ω=(ne/εm)1/2
式(1)において、nは電子密度、eは電子の電荷、εは誘電率、mは有効質量を表す。
酸化物半導体の電子移動度は、およそ1×1018〜1×1021cm−3の範囲内であり、近赤外から赤外域にかけてのプラズモン共鳴波長制御が可能である。これは、物性の制御が不可能な金属に対して、電子移動度という制御パラメータを余計に持つ半導体の特長といえる。赤外領域でプラズモンの共鳴波長の制御が可能な酸化物半導体を使用することにより、色味変化に対する最適設計が可能となる。
コア部の形成に適用可能な酸化物半導体としては、例えば、TiO、ITO(インジウム・スズ酸化物)、ZnO、Nb、ZrO、CeO、Ta、Ti、Ti、Ti、TiO、SnO、LaTi、(インジウム・亜鉛酸化物)、AZO(アルミニウム・亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム・亜鉛酸化物)、ATO(アンチモン・スズ酸化物)、ICO(インジウム・セリウム酸化物)、Bi、a−GIO、Ga、GeO、SiO、Al、HfO、SiO、MgO、Y、WO、a−GIO(ガリウム・インジウム酸化物)等が挙げられる。
(実施形態3)
本発明のガス検知方法においては、実施形態2で限定した酸化物半導体の具体的な物質として、酸化亜鉛(以下、ZnO)であることを好ましい形態である(実施形態3)。
ZnOは代表的なn型半導体であり、その高い光学特性、半導体特性及び圧電特性を有し、これまでにも焦電素子、圧電素子、ガスセンサー、透明導電膜等の分野にて用いられてきた優れた機能を備えた材料である。本発明においては、コア部を形成する酸化物半導体としてZnOを用いるメリットとして、センサーとしての性能はもちろんのこと、製造に関しては、存在量が潤沢であり、当面原料としての枯渇の心配がなく、安定して供給されるとに加え、低温での結晶成長が可能なため、コストダウンにも貢献することが可能となる。
(実施形態4)
本発明のガス検知方法においては、コア部の平均粒径D(μm)が、0.60〜1.30μmの範囲内であることが好ましい条件である(実施形態4)。
コア部の平均粒径D(μm)を、0.60〜1.30μmの範囲内とすることにより、シェル部の屈折率変化による色変化巾である色差ΔEを4.0以上にすることができる。一般的に、色の変化前後の色差ΔEが4.0以上あれば人の目で変化を認識することが可能であるといわれている。他方で屈折率変化の要因として水素ガスを想定した場合、シェル部の屈折率変化量Δnは約0.1である。ガス吸着によるΔnとしては水素ガスが最小となるため、水素ガスの条件で色差ΔEが4以上を確保することができれば、他のガスでも十分視認することが可能となる。
(実施形態5)
本発明のガス検知方法においては、上記実施形態4に対し、更に、コア部の平均粒径D(μm)が、0.75〜1.20μmの範囲内であることが、より好ましい条件である(実施形態5)。
実施形態5で規定する構成を採った場合、色差ΔEを10以上とすることができる。色差ΔEが10以上となる変化特性であれば、誤認識はほとんどなくなり、ガス吸着による色の変化をより正しく検知することができる。
図3は、シェル部の屈折率が0.1変化した条件におけるコア部の平均粒径Dと色差ΔEの関係の一例を示すグラフである。
図3に示すグラフは、横軸にコア部の平均粒径D(μm)を、縦軸にコア・シェル型粒子により得られる色差ΔEの測定値をプロットしたグラフである。
図3で示すように、コア部の平均粒径D(μm)を変化させることにより、色差ΔEは、最大値を有する上凸型のプロファイルを示す。
一般に、人間が色の違いを認識できる色差ΔEは、4.0が基準であるので、局在型表面プラズモンセンサーとしては、その閾値を超える条件に設定することが重要となる。本発明においては、コア部の平均粒径D(μm)は、0.6μm以上で、かつコア部の最大光吸収ピーク波長よりも小さい条件内に設定することを特徴とするが、具体的には、実施形態4で規定するように、コア部の平均粒径D(μm)を、0.60〜1.30μmの範囲内、すなわち図3で示すコア部の平均粒径D1aの範囲内とすることにより、色差ΔEを4.0以上に設定することができる。更に、実施形態5で規定するように、コア部の平均粒径D(μm)を、0.75〜1.20μmの範囲内、すなわち図3で示すコア部の平均粒径D1bの範囲内とすることにより、色差ΔEを10.0以上に設定することができ、より高い精度でガス等の検知を行うことができる。
(実施形態6)
本発明のガス検知方法においては、コア部の平均粒を径D(μm)、コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径をD(μm)とした時、下記式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい態様である(実施形態6)。
式(1)
1.5×D(μm)<D(μm)
実施形態6で規定する条件を満足することにより、製造時におけるシェル部の厚さバラつきに起因する、センサーとしての性能バラつきを抑えることが可能となる。
以下、局在型表面プラズモンセンサーにおいて、性能バラつきが生じる原理を説明する。本発明に係るコア・シェル構造を有する粒子では、コア部とシェル部との界面、及びシェル部とシェル部外側との界面の2つの界面を有しており、コア・シェル構造における粒子のプラズモン共鳴は、コア部とシェル部の界面近傍にて発生している。シェル部の膜厚〔(D−D)/2〕が薄すぎると、シェル部とシェル部外側との界面がプラズモンの発生している領域に含まれてしまうため、シェル部外側の屈折率の影響も受けてしまうことになる。また、プラズモン共鳴周波数は、プラズモンが発生する領域における実効(平均)屈折率で決まるため、コア部とシェル部の界面で発生しているプラズモン領域に、シェル部の外側の領域がどれだけ侵入してしまっているかで特性に影響を受けることになる。すなわち、シェル部の膜厚がプラズモン発生領域よりも薄い場合は、製造時の膜厚バラつきによって、粒子ごとの特性もバラついてしまうことになる。これに対して、シェル部の膜厚がプラズモンの影響を受ける範囲よりも外側にあれば、多少の製造バラつきが生じたところでも、プラズモン共鳴周波数は常にコア部とシェル部の屈折率差のみで決まることになる。その条件を満たす範囲が、1.5×D(μm)<D(μm)で示す条件であり、膜厚バラつきにプラズモン共鳴周波数が影響しないシェル部の膜厚は、コア部の径で決まることとなる。
(実施形態7)
本発明のガス検知方法においては、光源より、可視光を局在型表面プラズモンセンサーに射出し、前記局在型表面プラズモンセンサーからの透過、反射又は散乱する光の分光情報を検出手段により検出し、前記検出手段から得られた分光情報から色差ΔEを信号処理部で算出することにより、ガスを検知する方法が、好ましい形態である(実施形態7)。
実施形態7で規定する構成、具体的には、前述の図1で例示した構成とすることにより、一定の光量に制御された環境で色差ΔEを機械的に算出することが可能となるため、観測環境におけるノイズやセンサーを監視する人間の個人差などにより、検出精度が影響されることを防ぐことができる。
図を用いて、実施形態7に係る信号処理部で行われる分光強度から色差ΔEを算出する具体的な方法について、フロー図を用いて説明する。
図4は、分光強度から色差ΔEを算出する方法の一例を示すフロー図である。
はじめに、色変化が生じていない反応前の状態のフローについて説明する。局在型表面プラズモンセンサーにおいて、ガス等による色変化が起こっていない反応前の分光強度Aの情報をXYZ表色系のXYZ色度座標Aに変換し、さらに、それをL表色系のL色度座標Aに変換し、この初期状態のL色度座標Aを基準値として、信号処理部に記憶する。
次いで、特定のタイミングで、ガスと反応して色変化した局在型表面プラズモンセンサーの分光強度Bを測定し、この分光強度BのXYZ表色系のXYZ色度座標Bに変換し、さらに、それをL表色系のL色度座標Bに変換する。
次いで、上記測定した基準値である初期状態のL色度座標Aと、色変化後のL色度座標Bとの距離である色差ΔEを算出する。算出した色差ΔEが閾値を超えたタイミングで、標的であるガスを検知したという判断を下すことになる。
標的であるガスを検知した場合、すなわち、色差ΔEが閾値(規定値)を超え場合には、別途設置してある警報機等で警報を発するとともに、水素ガス等のガス漏れの発生源であるガスタンク等の配管に備えられている供給用バルブの遮断や、ガス供給装置の停止等の情報を、信号処理部より発する。
XYZ表色系は、人の目の各色に対する感度(比視感度)を考慮しており、CIE表色系の1つである。しかし、XYZ表色系のままではxy色度図を用いたとき、色の変化に対する座標上での移動量が場所(色)によって異なるという問題がある。今回のように、色の違いを統一指標で評価する、すなわち、色差の知覚を線形化するために、XYZ表色系から、更にL表色系に変換している。
反応前の分光強度Aとガスと反応して色変化した分光強度B間の色差ΔEは、具体的には下記の方法に従って、求められる。
反応前の分光強度AにおけるL色度座標Aと、ガスと反応後のL色度座標Bを、例えば、X−rite938 Spectrodensitometer(X−Rite社製)を用いて、測定条件としてD50光源、2°視野にて測定し、それぞれのL*、a*、b*の値を10点測定し、下式(2)に従って、分光強度Aと発光強度B間の色差ΔEを求める。
式(2)
ΔE={(ΔL+(Δa)+(Δb)}1/2
ここで、ΔLは分光強度AにおけるLと分光強度BにおけるLとの差であり、Δaは分光強度Aにおけるaと分光強度Bにおけるaとの差であり、Δbは分光強度Aにおけるbと分光強度Bにおけるbとの差である。
色差の測定には、分光測色計CM−2002(コニカミノルタセンシング社製)を用いることができる。
(実施形態8)
本発明のガス検知方法においては、局在型表面プラズモンセンサーが、ガス吸着により応答スペクトルの変化が生じるコア・シェル構造を有する粒子が存在している領域とは別の領域に、ガス吸着により、吸収波長の変化が生じない色基準部材を有することが好ましい形態である(実施形態8)。
前述の図1で例示した構成とすることにより、ガス吸着等による色変化を起こさない基準部材を配置することにより、局在型表面プラズモンセンサーの相対的な色味の変化を、確実に確認することができるため、ガス吸収による変化前後の両方を把握する必要がなくなり、判定が容易となる。
(実施形態9)
本発明のガス検知方法においては、シェル部が、生体触媒よりなる酵素で構成されていることが好ましい形態である(実施形態9)。
実施形態9で規定する構成のシェルを形成することにより、有機物に対する選択反応性を持たせることができ、検知対象物以外にノイズとなる気体分子が存在する場合に、測定感度を向上させることができる。有機物の選択反応性は、生体内の酵素や細胞の受容体のように特定の分子量や結合部、構造に対して捕捉するものである。特に、人の呼気のように様々なVOCが混在し、かつその濃度が低い領域で用いる場合に効果を発揮する。
本発明に係る生体触媒(バイオセンサー)に関しては、例えば、特表2002−515980号公報、特開2009−145322号公報、特開2010−066135号公報、2010−286466号公報、特開2015−063535号公報に開示されている構成や方法を適用することができる。
(実施形態10)
本発明のガス検知方法においては、シェル部が、ガスクロミック金属で構成されていることが、好ましい形態の一つである(実施形態10)。
実施形態10で規定する構成のシェルを形成することにより、無機物の揮発物に対する選択反応性を持たせることができる。例えば、シェル部の構成材料として酸化タングステンを用いることで、水素ガスに対する選択反応性を持たせることができる上、ガスクロミック反応による透過率の変化でも明度変化が発現するため、色味の変化としては屈折率の変化による色変化だけよりも大きな変化を得ることができ、ガス検知精度を高めることができる。
ガスクロミックとは、ガス(水素ガス等)の出入りにより光学特性が可逆的に変化する特性をいう。例えば、La,Yなどの希土類金属、Mg及び他の金属との合金、Pd、Pt、又はTi、V、Zr、Ni、Al、Co、Mn、Cu、Fe、Cr、Ca、In、Sn、Si、Geなどの金属や、WO、MoO、Nbなどの遷移金属の酸化物又はその混合物、すなわち、水素ガスの出入りによって材料の光学特性が可逆的に変化を示すガスクロミック材料が使用される。
一例として、酸化タングステンによるガスクロミックについて、説明する。
酸化タングステン(HWO)により構成するガス検知方式では、ガス検知用部材の表面に水素ガスが接触されると、触媒金属により水素ガスを構成する水素原子からプロトン(H+ )および電子(e- )が生成され、このプロトン(H+)および電子(e- )が触媒金属によるスピルオーバー効果によって、シェル部を構成している酸化タングステン含有層中に供給され、酸化タングステンが、通常状態における6価の状態から、プロトン(H+)が挿入された、いわゆるタングステンブロンズ構造と呼ばれる5価の状態に変化する。 この6価の状態と5価の状態との間を遷移する電子による原子価間移動吸収によって、水素ガス検知用部材が、波長域600〜800nmの可視光が吸収される特定の低い光透過率を有する呈色状態に変化する。このとき、通常状態においては無色透明であった酸化タングステン含有層は青色(タングステンブロンズ)を呈する状態となる。
(実施形態11)
本発明のガス検知装置においては、照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを具備したガス検知装置であって、前記局在型表面プラズモンセンサーが、少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで反射率が変化し、前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とする。
本発明の請求項11〜請求項20に係るガス検知装置においても、上記実施形態1〜10で説明したのと同様の効果を得ることができる。
本発明のガス検知方法及びガス検知装置は、局在型表面プラズモン粒子がガス等の標的を検知した際に、高い精度で色の変化として判別することが可能な局在型表面プラズモンセンサーを用いたガス検知方法及びガス検知装置であり、水素ガス等を使用しているタンク、ボンベ、使用機器、配管等を有する環境において、標的である水素ガス等の漏えい時に、局在型表面プラズモンセンサーの色相が大きく変化することにより、目視あるいは光学的な検視手段(例えば、カメラ、分光光度計等)で水素ガスの漏えいを速やかに検知し、迅速な処置を取りことができ、水素ガス等を使用している作業環境の安全性を、確保することができる。
1 局在型表面プラズモンセンサー
2 光源
3 検出装置
4 信号処理部
5 色基準部材
11 コア部
12 シェル部
13 基材
コア部の平均粒径
コア・シェル型粒子の平均粒径
G ガス
P コア・シェル型粒子

Claims (20)

  1. 照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを用いるガス検知方法であって、
    前記局在型表面プラズモンセンサーが、
    少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、
    当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、
    前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで屈折率が変化し、
    前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とするガス検知方法。
  2. 前記コア部を構成する材料が、酸化物半導体であることを特徴とする請求項1に記載のガス検知方法。
  3. 前記コア部を構成する材料が、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のガス検知方法。
  4. 前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.60〜1.30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
  5. 前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.75〜1.20μmの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載のガス検知方法。
  6. 前記コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径をD(μm)としたとき、下記式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
    式(1)
    1.5×D(μm)<D(μm)
  7. 光源より、可視光を前記局在型表面プラズモンセンサーに射出し、
    前記局在型表面プラズモンセンサーからの透過、反射又は散乱する光の分光情報を検出手段により検出し、
    前記検出手段から得られた分光情報から色差ΔEを信号処理部で算出することにより、
    ガスを検知することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
  8. 前記局在型表面プラズモンセンサーが、前記ガス吸着により応答スペクトルの変化が生じる前記コア・シェル構造を有する粒子が存在している領域とは別の領域に、ガス吸着により、吸収波長の変化が生じない色基準部材を有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
  9. 前記シェル部が、生体触媒よりなる酵素で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
  10. 前記シェル部が、ガスクロミック金属で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のガス検知方法。
  11. 照射された電磁波に対して透過、反射又は散乱が可能であり、検知対象の標的に対する相互作用で照射された電磁波の応答スペクトルに変化が生じる局在型表面プラズモンセンサーを具備したガス検知装置であって、
    前記局在型表面プラズモンセンサーが、
    少なくとも、赤外領域に表面プラズモン共鳴による最大光吸収ピーク波長を有する物質からなるコア部と、
    当該コア部を覆うシェル部より構成されるコア・シェル構造を有する粒子の集合体からなり、
    前記シェル部が、前記検知対象の標的に対して吸収又は反応することで反射率が変化し、
    前記コア部の平均粒径Dが0.6μm以上で、かつ前記コア部の前記最大光吸収ピーク波長よりも小さいことを特徴とするガス検知装置。
  12. 前記コア部を構成する材料が、酸化物半導体であることを特徴とする請求項11に記載のガス検知装置。
  13. 前記コア部を構成する材料が、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項11に記載のガス検知装置。
  14. 前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.60〜1.30μmの範囲内であることを特徴とする請求項11から請求項13までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
  15. 前記コア部の平均粒径D(μm)が、0.75〜1.20μmの範囲内であることを特徴とする請求項14に記載のガス検知装置。
  16. 前記コア・シェル構造を有する粒子の平均粒径をD(μm)とした時、下記式(1)で規定する条件を持たすことを特徴とする請求項11から請求項15までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
    式(1)
    1.5×D(μm)<D(μm)
  17. 可視光を前記局在型表面プラズモンセンサーに射出す光源部と、
    前記局在型表面プラズモンセンサーからの透過、反射又は散乱する光の分光情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段から得られた分光情報から色差ΔEを算出する信号処理部を有することを特徴とする請求項11から請求項16までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
  18. 前記局在型表面プラズモンセンサーが、ガス吸着により応答スペクトルの変化が生じる前記コア・シェル構造を有する粒子が存在している領域と、ガス吸着により、吸収波長の変化が生じない色基準部材とを有することを特徴とする請求項11から請求項17までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
  19. 前記シェル部が、生体触媒よりなる酵素で構成されていることを特徴とする請求項11から請求項18までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
  20. 前記シェル部が、ガスクロミック金属で構成されていることを特徴とする請求項11から請求項18までのいずれか一項に記載のガス検知装置。
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