JP2009265062A - 分析用チップとその製造方法およびその分析方法 - Google Patents

分析用チップとその製造方法およびその分析方法 Download PDF

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琢郎 新留
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Abstract

【課題】基板に固定した金ナノロッドの局在表面プラズモン共鳴が特異的結合により吸収波長がシフトする現象をセンシング技術に応用する手段を提供する。
【解決手段】基板に水溶性高分子の相互作用でロッド形状の金微粒子を固定化し、検出対象物質である標的物質と特異的反応を生じる捕捉物質を、前記基板上に修飾した分析用チップとその製造方法および分析方法に関し、例えば、標的物質が含まれる試料溶液に分析用チップを浸漬し、捕捉物質と標的物質の特異的結合による分析用チップの局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトル変化として、試料溶液中の標的物質が検出されることを特徴とする分析方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナノサイズのロッド状の金微粒子(金ナノロッド)を水溶性高分子によって被覆して該水溶性高分子と相互作用を有する水溶性高分子で表面処理した基板に固定し、該基板上に検出対象物質である標的物質と結合する捕捉物質を修飾した分析用チップとその製造方法および分析方法に関する。
本発明は、より具体的には、相互に作用して安定化する水溶性高分子を金ナノロッドと基板におのおの用いることによって金ナノロッドを均一に基板上に固定し、この基板上に標的物質と結合する捕捉物質を修飾した分析用チップとその製造方法に関し、捕捉物質が標的物質と結合し、分析用チップに固定化された金ナノロッドの局在表面プラズモン共鳴の最大吸収波長のシフト量が大きく変化することを測定原理として標的物質を検出する分析方法に関する。本発明の分析技術はプラズモンセンサー用プローブとして有用である。
溶媒中に分散した金属微粒子に光を照射すると局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon resonance:LSPR)と呼ばれる共鳴吸収現象が生じる。この吸収現象は金属の種類と形状、そして金属微粒子周囲における媒体の屈折率によって吸収波長が決定される。例えば、球状の金微粒子が水に分散した場合は530nm付近に吸収域を持ち、金微粒子の形状を短軸10nm程度のロッド状(金ナノロッド)にすると、ロッドの短軸に起因する530nm付近の吸収の他に、ロッドの長軸に起因する長波長側の吸収を有することが知られている(非特許文献1)。
これらの金属微粒子分散液は、低分子化合物や高分子化合物を保護剤として金属微粒子表面に吸着ないし結合させることによって、金属微粒子が凝集することなく安定に溶媒に分散させることができる。特に金ナノロッドは形状の変化や凝集状態変化、金ナノロッド周辺の環境によって分光特性が変化する特異な金微粒子であり(非特許文献2、3、4)、近赤外光をプローブとして用いる新しい分光分析の材料として可能性がある。
金ナノロッドはアスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)が1より大きいロッド状のナノサイズの金微粒子であり、例えば、カチオン性界面活性剤である第四級アンモニウム塩のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)に溶解した水中で合成され、CTAB水溶液中の金イオンを化学還元、電気還元、光還元などによって合成することが可能であり、合成した金ナノロッドはCTABの保護作用によって水中で安定に分散している(特許文献1、2、3、4)。
近年、ポリスチレンスルホネート(PSS)などの高分子電解質を使用して電荷の違いによって金ナノロッドを表面処理する方法や、表面処理した金ナノロッドにアビジン−ビオチン、抗原−抗体などの相互作用による目的物質への特異的な吸着反応を利用した研究が報告されている(非特許文献5、6、7、8)。また、貴金属微粒子のLSPRをセンシング分野へ応用した開発が行われている(特許文献5)。
非特許文献5の方法によれば、金ナノロッドを重量平均分子量15000のPSSで表面処理した後に、ポリアリルアミンハイドロクロライド(PAH)、ポリビニルピロリドン(PVP)と順次表面処理を行う。表面処理した金ナノロッドイソプロパノール分散液にテトラエチルオルトシリケート(TEOS)イソプロパノール溶液を添加して、金ナノロッドをコアとしてシリカをシェルとするコア/シェル微粒子を調製している。
非特許文献6では、金ナノロッドを重量平均分子量70000のPSSで表面処理し、その表面に電荷の異なるポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDAMAC)を処理する技術が報告されている。PSS、PDAMACと繰り返し表面処理を施した場合や、PDAMACで処理したガラス基材上へ金ナノロッドが吸着した場合における金ナノロッドのゼータ電位の変化が報告されており、高分子の電荷に対応したゼータ電位の変化が観察されている。
非特許文献7によると、金ナノロッドを重量平均分子量14000のPSSで表面処理しておき、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)を標的とした抗体をPSS処理した金ナノロッドに吸着させており、抗体を介してガン細胞に金ナノロッドを取り込ませることによって、金ナノロッドの二光子発光によるガン細胞のイメージングが可能であることを報告している。
非特許文献8の方法によると、金ナノロッドを重量平均分子量15000のポリアクリル酸(PA)で表面処理し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジミドハイドロクロライド(EDC)存在下で、分子中にアミノ基を有するビオチン(Biotin−PEO−Amine)を添加して、PA処理した金ナノロッド表面のカルボキシル基とアミノ基をアミド結合させ、ビオチン修飾した金ナノロッドを作製している。ビオチン修飾した金ナノロッド水分散液中にリンカーとしてストレプトアビジンを添加し、アビジン−ビオチンの相互作用により、金ナノロッドどうしが規則的に配列したTEM像が得られている。
非特許文献9の方法によると、重量平均分子量5000のチオール末端ポリエチレングリコールで被覆した金ナノロッドを、アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理したガラス基板上に固定化し、メルカプトヘキサデカン酸とのカルボジイミド結合で捕捉物質となる抗体(rabbit IgG)を金ナノロッドに導入した分析用チップを作製しており、特異的に結合する抗体(goat antirabbit IgG)と、非特異的に結合する抗体(goat antimouse IgG)を接触させた場合における分析用チップの金ナノロッドによるLSPRの吸収スペクトルの変化を検出している。
非特許文献10の方法によると、メルカプトプロピルトリエトキシシランで表面処理したガラスに金ナノロッドを固定化し、その基板をPAHとPSSを交互に10回ずつ、計20層のポリマー層で被覆した基板にビオチンを捕捉物質として修飾した分析用チップを作製しており、検出対象の標的物質であるストレプトアビジンと結合して生じた金ナノロッドによるLSPRの吸収スペクトルの変化を検出している。
特許文献5によると、金属微粒子(直径10〜20nmの金微粒子)を任意の基板上に固定化したLSPRセンサーを検討しており、液体内に配置したLSPRセンサーに対して光を照射し、基板に固定された金属微粒子を透過した光の吸光度を測定することにより、基板に固定された金属微粒子近傍の媒質の屈折率を検出し、検出結果に応じてLSPRセンサーが配置された液体の屈折率を測定することが可能である。
特許文献6によると、基板上の金属薄膜をカチオン性高分子の側鎖のカチオン性基とアニオン性高分子の側鎖のアニオン性基のモル比が3.5:6.5〜4.5:5.5となるように混合したカチオン性高分子とアニオン性高分子の混合高分子膜で被覆し、その側鎖に標的物質に対する免疫反応性結合基を結合することによって免疫センサー用デバイスを得ている。
S.Link,M.B.Mohamed,M.A.El-Sayed,J.Phys.Chem.B,103,p3073(1999) K.Honda,Y.Niidome,N.Nakashima,H.Kawazumi,S.Yamada,Chem.Lett.,35,p854(2006) Y.Niidome,H.Takahashi,S.Urakawa,K.Nishioka,S.Yamada,Chem.Lett.,33,p454(2004) S.Link,M.A.El-Sayed,J.Phys.Chem.B,109,p10531(2005) I.Pastoriza-Santos,J.Perez-Juste,L.M.Liz-Marzan,Chem.Mater.,18,p2465(2006) A.Gole,C.J.Murphy,Chem.Mater.,17,p1325(2005) N.J.Durr,T.Larson,D.K.Smith,B.A.Korgel,K.Sokolov,A.Ben-Yakar,Nano Letters,7,p941(2007) A.gole,C.J.Murphy,Langmuir,21,p10756(2005) K.M.Mayer,S.Lee,H.Liao,B.C.Rostro,A.Fuentes,P.T.Scully,C.L.Nehl,J.H.Hafner,ACS NANO,(2008) S.M.Marinakos,S.Chen,A.Chilkoti,Anal.Chem.,79,p5278(2007) 特開2004−292627号公報 特開2005−97718号公報 特開2006−169544号公報 特開2006−118036号公報 特開2000−356587号公報 特開2007−171054号公報
特許文献1〜4などの方法で合成された金ナノロッドの水分散液中には過剰のCTABが存在している。この状態においては、金ナノロッドを基板上に固定化することは困難である。非特許文献5は金ナノロッドをシリカ修飾するための前工程としてPSSを含む高分子電解質で多段階に表面処理したものであり、特定物質と結合させることを目的とした技術ではない。
非特許文献6も同様にPSSを含む高分子電解質で金ナノロッドを表面処理する多層コーティングに関する技術であるが、ゼータ電位の差を確認したものであり、特定物質と結合させる技術ではない。非特許文献7は、金ナノロッドをPSSで表面処理後に抗体と結合させているが、金ナノロッドの二光子発光を測定するための処理方法であり、金ナノロッドのLSPRをセンシング技術に応用したものではない。非特許文献8は、PAを金ナノロッドに表面処理してビオチンを化学的に結合させているが、規則的な配向を目的としたもので金ナノロッドのLSPRをセンシング技術に応用したものではない。
非特許文献9は、検出対象物質の捕捉により生じる金ナノロッド周囲の屈折率の変化に伴う吸収スペクトルの変化を検出原理とする分析用チップと分析方法であるが、分析用チップの作製には20回の高分子膜をコーティングする必要がある。また、分析用チップが標的物質を検出した場合の金ナノロッドによる吸収スペクトルの変化は最大吸収波長のシフト量が4nm未満であり検出感度は低い。非特許文献10も非特許文献9と同様に、検出対象物質の捕捉により生じる金ナノロッド周囲の屈折率の変化に伴う吸収スペクトルの変化を検出原理とする分析用チップと分析方法であるが、分析用チップの作製には煩雑な工程を必要とする。また、分析用チップが標的物質を検出した場合の金ナノロッドによる吸収スペクトルの変化は最大吸収波長のシフト量が10nm未満であり検出感度は低い。
特許文献5の金微粒子は球状金微粒子のLSPRを利用して、特定物質の吸着による微粒子近傍の媒質による屈折率の変化を吸光度で測定するセンシング技術に関するものであるが、金ナノロッドを使用したものではなく、測定に利用できる吸収波長域は球状金微粒子を使用しているため530nm付近と限られている。また、特許文献6の免疫センサー用デバイスは、高分子で被覆した金属薄膜の表面プラズモン共鳴を分析センサーに応用しているが、金属微粒子のLSPRの吸収波長を利用したものではない。
本発明は、従来技術の上記課題を解決したものであり、金ナノロッドが基板上に均一に分散して固定されており、製作が容易であって使用しやすく、補足物質による標的物質との結合によって、分析用チップの吸収スペクトルの変化を利用し、好ましくは700〜2000nmにおけるLSPRの波長シフトを利用した検出感度に優れた分析用チップを提供するものであり、さらに該分析用チップを用いた分析方法を提供する。
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決した分析用チップとその製造方法に関する。
〔1〕ロッド形状の金微粒子(金ナノロッド)が水溶性高分子によって被覆され、該水溶性高分子と相互作用を有する水溶性高分子で表面処理された基板に固定化されており、該基板上に検出対象物質である標的物質と結合する捕捉物質が修飾されていることを特徴とする分析用チップ。
〔2〕アニオン性高分子、カチオン性高分子、水素結合性高分子から選択され、アニオン性高分子に対してカチオン性高分子を用い、水素結合性高分子に対して水素結合性高分子を用いることによって、金ナノロッドが基板に固定されている上記[1]に記載する分析用チップ。
〔3〕アニオン性高分子が重量平均分子量200000以下のポリスチレンスルホネートであり、カチオン性高分子が重量平均分子量1000以上のポリアリルアミンハイドロクロライドであることを特徴とする上記[2]に記載する分析用チップ。
〔4〕長軸長さ400nm未満であってアスペクト比が1より大きく、局在表面プラズモン共鳴の最大吸収波長が700〜2000nm範囲の金ナノロッドを用いた上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する分析用チップ。
〔5〕捕捉物質がアビジンまたは/および抗体であることを特徴とする上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する分析用チップ。
〔6〕(イ)金ナノロッド水分散液に水溶性高分子Aを添加して攪拌することによって、金ナノロッドを該水溶性高分子Aによって被覆する工程、(ロ)該水溶性高分子Aと相互に作用する水溶性高分子Bによって基板を表面処理する工程、(ハ)水溶性高分子Bが表面に修飾した基板を水溶性高分子Aによって被覆された金ナノロッドの水分散液に浸漬して金ナノロッドを基板表面に固定する工程、(ニ)金ナノロッドが表面に固定した基板を捕捉物質が溶解した水溶液に浸漬して該捕捉物質を基板表面に修飾させる工程を有することを特徴とする分析用チップの製造方法。
さらに、本発明は上記分析用チップを用いた分析方法に関する。
〔7〕標的物質が含まれる試料溶液に上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する分析用チップを浸漬し、捕捉物質と標的物質の特異的結合による分析用チップの局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトル変化として、試料溶液中の標的物質が検出されることを特徴とする分析方法。
〔8〕補足物質がアビジンであり、標的物質がビオチンまたはビオチン標識化された物質のいずれかを検出する上記[7]に記載する分析方法。
〔9〕捕捉物質と標的物質の特異的結合によって、分析用チップにおける吸収スペクトルの変化が10nm以上の最大吸収波長位置のシフトとして検出される上記[8]に記載する分析方法。
〔10〕補足物質が抗体であり、標的物質として抗原または抗原標識化された物質のいずれかを検出する上記[7]に記載する分析方法。
〔11〕捕捉物質と標的物質の特異的結合によって、分析用チップにおける吸収スペクトルの変化が5nm以上の最大吸収波長位置のシフトとして検出される上記[10]に記載する分析方法。
本発明の分析用チップは、相互に作用して安定化する水溶性高分子を金ナノロッドと基板におのおの用いることによって金ナノロッドが均一に基板上に固定したものであり、この分析用チップを容易に製作することができる。この分析用チップには標的物質を捕捉する物質が基板上に修飾されており、標的物質との特異的な結合によって分析用チップの吸収波長が大きく変化することを利用して検出するので、本発明の分析用チップおよび該分析用チップを用いた本発明の分析方法によれば、標的物質を感度よく検出することができる。
さらに、本発明の分析用チップは、好ましくは、長軸長さ400nm未満であってアスペクト比が1より大きく、LSPRの最大吸収波長が700〜2000nm範囲の金ナノロッドを用いているので、捕捉物質と標的物質の特異的結合によって上記波長域で吸収スペクトルの顕著な変化を示す標的物質を感度よく検出することができる。
具体的には、例えば、捕捉物質としてアビジンを用いることによって標的物質のビオチンおよびビオチン標識化物質を感度よく検出することができ、また補足物質として抗体を用いることによって標的物質の抗原および抗原標識化物質を感度よく検出することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、濃度の%は特に示さない限り質量%である。
本発明の分析用チップは、金ナノロッドを水溶性高分子によって被覆し、該水溶性高分子と相互に作用する水溶性高分子によって表面処理した基板に固定し、この基板に捕捉物質を修飾したものである。本発明の分析方法は、標的物質を含有する溶液中に分析用チップを浸漬し、捕捉物質と標的物質を特異的に結合させ、金ナノロッド周囲の屈折率変化による分析用チップの吸収スペクトルの変化を測定することを検出原理とする。
本発明における吸収スペクトルの変化とは、金ナノロッド周囲の屈折率の変化に伴うLSPRの最大吸収波長の長波長側や短波長側へのシフト、または金ナノロッドの凝集による吸光度の低下や吸収スペクトル形状の変化を意味する。
金ナノロッドを被覆する水溶性高分子、この水溶性高分子と相互に作用する水溶性高分子(基板表面に修飾される水溶性高分子)としては、アニオン性高分子、カチオン性高分子、水素結合性高分子などを用いることができる。例えば、アニオン性高分子に対してカチオン性高分子を用いることによって、金ナノロッドを基板上に静電気的に安定に固定することができる。また、水素結合性高分子に対して水素結合性高分子を用いることによって、水素結合を介して金ナノロッドを基板上に安定に固定することができる。
アニオン性高分子としては、ポリスチレンスルホネート、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸、ポリリン酸などを用いることができる。カチオン性高分子としては、ポリアリルアミンハイドロクロライド、ポリアミノ酸などを用いることができる。水素結合性高分子としては、核酸(DNA、RNA)、糖質(セルロース、デンプン)、タンパク質(酵素、ペプチド)などを用いることができる。
本発明の分析用チップの基板としては、測定波長における透過率が高く、金ナノロッドのLSPRの吸光測定を妨げない基板であれば、大きさ、形状などについて制限なく使用することができる。具体的には、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂等を用いることができ、この中でも、取り扱いの容易さからガラス板が好ましい。
本発明で使用する金ナノロッドは、長軸の長さが400nm未満であって、アスペクト比が1より大きいロッド形状の金微粒子である。具体的には、LSPRの最大吸収波長が波長700〜2000nmの範囲内にあるアスペクト比の金ナノロッドが用いられる。金ナノロッドの長軸長さは好ましくは200nm以下がよい。長軸長さが長くなるにつれ、沈降しやすくなる傾向があり、基板に金ナノロッドを吸着させる工程において吸着時間が確保し難くなる。
金ナノロッドは次式[I]で示される4級アンモニウム塩が溶解した水溶液中で金イ
オンを還元することによって合成することができる。例えば、n=15のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を使用することによって、CTABが表面に吸着した金ナノロッドを得ることができる。この金ナノロッドはCTABが吸着した状態で水中に安定に分散している。
CH3(CH2)n+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …[I]
上記金ナノロッド水分散液は、水中に存在する余剰の界面活性剤CTABを除去して使用するとよい。具体的には、金ナノロッド水分散液を遠心分離して金ナノロッドを遠沈管の底に沈降させ、CTABを含む上澄みを除去する。沈降した金ナノロッドは水を添加して再分散させる。この操作を1〜3回繰り返すことによって余剰なCTABを除去することができる。なお、CTABを過剰に除去すると金ナノロッドが凝集して水に再分散しなくなる。
以下、金ナノロッドを被覆する水溶性高分子としてアニオン性高分子を用い、基板を表面処理する水溶性高分子としてカチオン性高分子を使用して製作した分析用チップの一例について説明する。なお、本発明の分析用チップはこれらの水溶性高分子を用いるものに限らず、相互に作用する水溶性高分子であればよく、これらを用いて金ナノロッドが基板に固定化された分析用チップを構築することができる。
余剰のCTABを除去した金ナノロッド水分散液に、アニオン性高分子として重量平均分子量200000以下のポリスチレンスルホネート(PSS)を添加して攪拌すると、負の電荷をもつPSSは正電荷のCTABで被覆されている金ナノロッド表面に静電気的に吸着し、PSSで被覆された金ナノロッドが得られる(PSS−NR)。
PSSの重量平均分子量は1000〜100000の範囲が好ましく、金ナノロッド表面に残存するCTABの正電荷と過不足なく吸着することが可能である。重合平均分子量が200000より大きいと、金ナノロッドと標的物質の距離が大きくなり、金ナノロッド周囲の屈折率の変化が乏しくなり、分析用チップの吸収波長変化量が少なくなる。重量平均分子量が1000より小さいと、金ナノロッド表面に残存するCTABの正電荷に対するPSS負の電荷点が不足し、金ナノロッドの分散安定性が失われ、金ナノロッドが凝集する可能性が高くなる。
PSS−NRは、余剰のCTABを除去した金含有率0.1mg/mlの金ナノロッド水分散液に対して、PSSを0.1〜100mg添加して攪拌すればよく、好ましくはPSSを1〜10mg添加すればよい。PSSの添加量が0.1mgより少ないと金ナノロッド表面への処理量が不足し金ナノロッドの凝集が発生する。一方、PSSの添加量が100mgより多いと金ナノロッドに吸着しないPSSの余剰分が発生し、コスト的に不利である。
PSS−NRは負に荷電しており、カチオン性高分子によって表面処理され正に荷電している基板表面にPSS−NRを固定することができる。基板表面を正電荷に処理するカチオン性高分子としては、分子量1000以上のポリアリルアミンハイドロクロライド(PAH)を使用するとよい。
PAHの重量平均分子量は1000〜100000の範囲が好ましく、基板に吸着して正の電荷を付与し、負に荷電したPSS−NRを基板に固定することができる。重合平均分子量が100000より大きくてもPSS−NRの固定化効果に変化はなく、コスト的に不利である。重合平均分子量が1000より小さいと、PSS−NR表面の負電荷に対するPAHの正の電荷点が不足し、基板に固定化できるPSS−NRが少なくなるため、分析用チップとして使用した場合の吸収の吸光度が低下する。
基板をPAH水溶液に浸漬すると、PAHが表面に均一に処理された基板が得られる。例えば、PAH添加量が0.1〜10mg/mlのPAH水溶液に基板を浸漬して取り出し、水で洗浄し、常温にて乾燥させると、PAHが均一に表面処理された基板が得られる。均一にPAHが処理されていない基板は、PSS−NRを均一に固定できないため、分析用チップとして基板を使用した場合に標的物質の検出濃度で再現性が得られにくい。
PAHで表面処理された基板をPSS−NR水分散液に浸漬させると、静電的にPSS−NRが基板に吸着し、PSS−NRが固定された基板を得ることができる。基板を浸漬するPSS−NR水分散液中の金含有率は0.01〜10mg/mlの範囲がよく、好ましくは0.1〜1mg/mlの範囲がよい。金含有量が0.01mg/mlより少ないと基板に固定化される金ナノロッドの量が少なくなり分析用チップの検出感度が低下する。また、金含有量が10mg/mlより多いと基板上で金ナノロッドが凝集状態で固定化される。
上記基板表面には金ナノロッドと共に捕捉物質が修飾されている。捕捉物質は検出対象物質である標的物質と特異的に結合する物質が用いられる。具体的には、例えば、標的物質がビチオンまたはビチオン標識化物質である場合には、捕捉物質としてアビジンが使用される。標的物質が抗原または抗原標識物質である場合には、捕捉物質として抗体が用いられる。
アビジンや抗体を溶解した水溶液にPSS−NRを固定化した基板を浸漬すると、アビジンないし抗体が捕捉物質として基板表面に均一に修飾され、本発明の分析用チップを得ることができる。捕捉物質としてアビジンを基板表面に修飾した分析用チップを用いることによってビチオンまたはビチオン標識化物質を検出することができる。また、捕捉物質として抗体を基板表面に修飾した分析用チップを用いることによって抗原または抗原標識物質を検出することができる。
金ナノロッドの吸収波長は、金ナノロッド周囲の媒体の屈折率が関連するため、金ナノロッド周囲の媒体の屈折率が変化すると、LSPRもシフトする。例えば、金ナノロッド周囲の屈折率が高くなるとLSPRの最大吸収波長は長波長側へシフトし、金ナノロッド周囲の屈折率が低くなるとLSPRの最大吸収波長は短波長側へシフトする。
本発明の分析用チップは、標的物質の存在する試料溶液に浸漬すると、分析用チップに修飾された補足物質と試料溶液中の標的物質との間で特異的結合が起こり、分析用チップに固定化された金ナノロッド周囲の屈折率が変化し、金ナノロッドのLSPRの最大吸収波長がシフトする。その結果、分析用チップの吸収特性の変化として標的物質を検出することができ、標的物質の検出を目的とする分析方法を構築することができる。
金ナノロッドが固定されている部位以外の基板表面に標的物質が吸着することによって検出感度が低下するのを防ぐには、基板表面をブロッキング処理すればよい。ブロッキング処理する物質としては、アニオン性高分子のPSSやタンパク質のアルブミンなどが挙げられる。これらのブロッキング材は、捕捉物質の標的物質に対する特異的結合を阻害せず、検出感度を低下させる基板表面の因子(カチオン性高分子と標的物質との相互作用)をブロッキングすることができるため、検出感度を高めることができる。
ブロッキング処理は、ブロッキング材がPSSの場合は捕捉物質を基板に修飾する前に基板をPSS水溶液に浸漬すればよい。またブロッキング材がアルブミンの場合は、捕捉物質を修飾した基板をアルブミン水溶液中に浸漬すればよい。なお、金ナノロッドが固定されている基材表面部位にブロッキング剤が吸着した場合でも、捕捉物質と標的物質の特異的な結合力の方が大きいため、検出感度が低下することはない。
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。また、比較例を示す。なお、以下の実施例は、金ナノロッドの主に900nm付近の波長域におけるLSPRの吸収波長シフトを測定しているが、金ナノロッドのアスペクト比を変更することによって700〜2000nmまでの波長域についても同様の吸収波長のシフトを測定することができる。分光特性は日本分光株式会社製品のV−570で測定し、分析用チップを乾燥させ、基板を垂直方向に透過吸収にて測定した。なお、分析用チップは圧縮空気を吹きつけて乾燥させた。以下の実施例、比較例は基板にガラスを使用した。
〔金ナノロッド水分散液の調製〕
400mMのCTAB水溶液中で合成された金ナノロッド水分散液1ml(金含有量0.3mg/ml)を遠沈管に入れ、15000(×g)の相対遠心加速度(遠心加速度を地球の重力加速度で除したもの)で10分間遠心分離して金ナノロッドを遠沈管の底に沈降させ、CTABを含む上澄み液を除去した。沈降した金ナノロッドに水を添加して再分散させ、金ナノロッド水分散液1mlを得た。この操作を2回繰り返し、余剰のCTABを除去した金ナノロッド水分散液1mlを得た(NR水分散液、金含有量0.3mg/ml)。
〔PSS−NR水分散液の調製〕
NR水分散液1mlに、3mg/mlのポリスチレンスルホネート(PSS、重合平均分子量70000)、および水溶液1mlを添加し、25℃で1時間攪拌して、PSSで被覆された金ナノロッド(PSS−NR)を形成した。攪拌終了後、8000(×g)で10分間遠心分離してPSS−NRを遠沈管の底に沈降させ、余剰のPSSを除去した。沈降したPSS−NRに水を添加し、PSS−NRが分散した水分散液1mlを得た(PSS−NR水分散液、金含有量0.3mg/ml)。
〔PAHで表面修飾されたガラス基板の調整〕
ガラス基板(表面積300mm2)は親水処理して乾燥した。ポリアリルアミンハイドロクロライド(PAH、重量平均分子量15000)添加量1mg/mlのPAH水溶液中にガラス基板を25℃で30分間浸漬し、ガラス表面をPAHで処理した。浸漬終了後、ガラスをPAH水溶液から取り出し、水洗浄後、乾燥させた。
〔ビオチン標識化したプロタミンの調製〕
1mg/mlのプロタミン水溶液1mlと0.5mg/mlのビオチン水溶液1mlを混合し、1時間攪拌し、ビオチン標識化したプロタミン水溶液を得た。
〔実施例1〕
PAH処理したガラスをPSS−NR水溶液に2時間浸漬し、ガラス基板上にPSS−NRを固定化した。このガラス基板をPSS−NR水分散液から取り出し、水洗浄後、乾燥させた(PSS−NR−PAHガラス基板)。図1(イ)にその吸収特性を示す。作製したPSS−NR−PAHガラス基板を、0.01mg/mlのアビジン水溶液に2時間浸漬し、基板を取り出して水洗浄後、乾燥し、アビジンを捕捉物質とする分析用チップを得た。図1(ロ)にその吸収特性を示す。得られた分析用チップをビオチン水溶液(ビオチン含有量0.5mg/ml)に2時間浸漬し、基板を取り出して水洗浄後、乾燥し、その吸収特性を測定した。図1(ハ)にその吸収特性を示す。図示するように、標的物質であるビオチンが分析用チップにて検出され、分析用チップの吸収波長において20nmの最大吸収波長のシフトが確認された。
〔実施例2〕
実施例1と同様に、PAH処理したガラスをPSS−NR水溶液に2時間浸漬し、ガラス基板上にPSS−NRを固定化した。このガラス基板をPSS−NR水分散液から取り出し、水洗浄後、乾燥した(PSS−NR−PAHガラス基板)。図2(イ)にその吸収特性を示す。作製したPSS−NR−PAHガラス基板を、0.01mg/mlのアビジン水溶液に2時間浸漬し、基板を取り出し水洗浄後、乾燥し、アビジンを捕捉物質とする分析用チップを得た。図2(ロ)にその吸収特性を示す。得られた分析用チップをビオチン標識化したプロタミン水溶液(ビオチン含有量0.5mg/ml)に2時間浸漬し、基板を取り出して水で洗浄後、乾燥し、その吸収特性を測定した。図2(ハ)にその吸収特性を示す。図示するように、標的物質であるビオチン標識化が分析用チップにて検出され、分析用チップの吸収波長において28nmの最大吸収波長のシフトが確認された。
〔実施例3〕
実施例1と同様に、PAH処理したガラスをPSS−NR水溶液に2時間浸漬し、ガラス基板上にPSS−NRを固定化した。このガラス基板をPSS−NR水分散液から取り出し、水洗浄後、乾燥した(PSS−NR−PAHガラス基板)。図3(イ)にその吸収特性を示す。作製したPSS−NR−PAHガラス基板を、67μg/mlの抗PSAモノクローナル抗体水溶液に2時間浸漬し、基板を取り出して水洗浄後、乾燥し、抗PSAモノクローナル抗体を捕捉物質とする分析用チップを得た。図3(ロ)にその分光特性を示す。得られた分析用チップを、PSA(抗原)水溶液(PSA含有量1ng/ml)に2時間浸漬し、基板を取り出して水で洗浄後、乾燥し、その吸収特性を測定した。図3(ハ)にその吸収特性を示す。図示するように、標的物質であるPSAが分析用チップで検出され、分析用チップの吸収波長において40nmの最大吸収波長のシフトが確認された。
〔実施例4〕
実施例1と同様に、PAH処理したガラスをPSS−NR水溶液に2時間浸漬し、ガラス基板上にPSS−NRを固定化した。このガラス基板をPSS−NR水分散液から取り出し、水洗浄後、乾燥した(PSS−NR−PAHガラス基板)。図4(イ)にその吸収特性を示す。作製したPSS−NR−PAHガラス基板を、67μg/mlの抗PSAモノクローナル抗体水溶液に2時間浸漬し、基板を取り出して水洗浄後、乾燥し、抗PSAモノクローナル抗体を捕捉物質とする分析用チップを得た。図4(ロ)にその分光特性を示す。得られた分析用チップを、PSA(抗原)水溶液(PSA含有量0.1ng/ml)に2時間浸漬し、基板を取り出して水洗浄後、乾燥し、その吸収特性を測定した。図4(ハ)にその吸収特性を示す。図示するように、標的物質であるPSAが分析用チップで検出され、分析用チップの吸収波長において6nmの最大吸収波長のシフトが確認された。
〔参考例1〕
実施例1と同様に、PAH処理したガラスをPSS−NR水溶液に2時間浸漬し、ガラス基板上にPSS−NRを固定化した。このガラス基板をPSS−NR水分散液から取り出し、水洗浄後、乾燥した(PSS−NR−PAHガラス基板)。図5(イ)にその吸収特性を示す。作製したPSS−NR−PAHガラス基板を、0.01mg/mlのアビジン水溶液に2時間浸漬し、基板を取り出し水洗浄後、乾燥し、アビジンを捕捉物質とする分析用チップを得た。図5(ロ)にその吸収特性を示す。得られた分析用チップを、プロタミン水溶液(ビオチン含有量0mg/ml、プロタミン含有量1mg/ml)に2時間浸漬した。浸漬後、基板を取り出し水洗浄後、乾燥し、その吸収特性を測定した。図5(ハ)にその吸収特性を示す。本例では捕捉物質であるアビジンによって捕捉されるビオチンが試料溶液に含まれていないので、図示するように、分析用チップの吸収波長の変化は確認されず、分析用チップの吸収波長の変化は捕捉物質と標的物質の特異的結合によって生じることが確認された。
実施例1の分析用チップの吸収スペクトル図。 実施例2の分析用チップの吸収スペクトル図。 実施例3の分析用チップの吸収スペクトル図。 実施例4の分析用チップの吸収スペクトル図。 参考例1の分析用チップの吸収スペクトル図。

Claims (11)

  1. ロッド形状の金微粒子(金ナノロッド)が水溶性高分子によって被覆され、該水溶性高分子と相互作用を有する水溶性高分子で表面処理された基板に固定化されており、該基板上に検出対象物質である標的物質と結合する捕捉物質が修飾されていることを特徴とする分析用チップ。
  2. アニオン性高分子、カチオン性高分子、水素結合性高分子から選択され、アニオン性高分子に対してカチオン性高分子を用い、水素結合性高分子に対して水素結合性高分子を用いることによって、金ナノロッドが基板に固定されている請求項1に記載する分析用チップ。
  3. アニオン性高分子が重量平均分子量200000以下のポリスチレンスルホネートであり、カチオン性高分子が重量平均分子量1000以上のポリアリルアミンハイドロクロライドであることを特徴とする請求項2に記載する分析用チップ。
  4. 長軸長さ400nm未満であってアスペクト比が1より大きく、局在表面プラズモン共鳴の最大吸収波長が700〜2000nm範囲の金ナノロッドを用いた請求項1〜3の何れかに記載する分析用チップ。
  5. 捕捉物質がアビジンまたは/および抗体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載する分析用チップ。
  6. (イ)金ナノロッド水分散液に水溶性高分子Aを添加して攪拌することによって、金ナノロッドを該水溶性高分子Aによって被覆する工程、(ロ)該水溶性高分子Aと相互に作用する水溶性高分子Bによって基板を表面処理する工程、(ハ)水溶性高分子Bが表面に修飾した基板を水溶性高分子Aによって被覆された金ナノロッドの水分散液に浸漬して金ナノロッドを基板表面に固定する工程、(ニ)金ナノロッドが表面に固定した基板を捕捉物質が溶解した水溶液に浸漬して該捕捉物質を基板表面に修飾させる工程を有することを特徴とする分析用チップの製造方法。
  7. 標的物質が含まれる試料溶液に請求項1〜5の何れかに記載する分析用チップを浸漬し、捕捉物質と標的物質の特異的結合による分析用チップの局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトル変化として、試料溶液中の標的物質が検出されることを特徴とする分析方法。
  8. 補足物質がアビジンであり、標的物質がビオチンまたはビオチン標識化された物質のいずれかを検出する請求項7に記載する分析方法。
  9. 捕捉物質と標的物質の特異的結合によって、分析用チップにおける吸収スペクトルの変化が10nm以上の最大吸収波長位置のシフトとして検出される請求項8に記載する分析方法。
  10. 補足物質が抗体であり、標的物質として抗原または抗原標識化された物質のいずれかを検出する請求項9に記載する分析方法。
  11. 捕捉物質と標的物質の特異的結合によって、分析用チップにおける吸収スペクトルの変化が5nm以上の最大吸収波長位置のシフトとして検出される請求項10に記載する分析方法。
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