JP2017061946A - 車両のセーリングストップ制御方法及び制御装置 - Google Patents

車両のセーリングストップ制御方法及び制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】惰性走行終了後の走行において、変速機内のフリクションが増大することを抑制すること。【解決手段】エンジン1と駆動輪7との間に配設され、油圧により締結/解放される駆動系クラッチFwd/Cを有する自動変速機4を備え、セーリングストップ走行条件の成立に基づき、駆動系クラッチFwd/Cの動力伝達を遮断すると共にエンジン1を停止して惰性走行する。このエンジン車において、セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温を予測する。予測された惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温が閾値2以下である場合、セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する。【選択図】図4

Description

本発明は、走行用駆動源から駆動輪への動力伝達を遮断すると共に走行用駆動源を停止して惰性走行する車両のセーリングストップ制御方法及び制御装置に関する。
従来、惰性走行条件の成立に基づき、クラッチを解放すると共にエンジンの回転速度をゼロとして、セーリングストップ制御による惰性走行を行う車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−213557号公報
しかしながら、従来装置にあっては、セーリングストップ制御による惰性走行中、クラッチの上流側の回転速度はゼロとなる。即ち、惰性走行を行っていない場合に比べて、変速機内の回転している部材が少なくなることで、変速機内の油温の上昇率が低下する。
また、変速機は潤滑油による冷却に加えて、空冷による冷却も行われているが、惰性走行中は、比較的高車速で行われることが多く、空冷による冷却効率が高くなる。
以上の点から、惰性走行を行うと、惰性走行中に変速機内の油温が低下し、惰性走行開始時の油温より惰性走行終了時の油温が低くなる。
従って、惰性走行終了時における変速機内の油温が低く、油の粘性が増大することで変速機内のフリクションが増大してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、惰性走行終了後の走行において、変速機内のフリクションが増大することを抑制する車両のセーリングストップ制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、走行用駆動源と駆動輪との間に配設され、油圧により締結/解放される摩擦締結要素を有する変速機を備え、セーリングストップ走行条件の成立に基づき、前記摩擦締結要素の動力伝達を遮断すると共に前記走行用駆動源を停止して惰性走行する。
この車両のセーリングストップ制御方法において、前記セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の前記変速機の油温を予測する。
予測された惰性走行終了時の前記変速機の油温が閾値以下である場合、前記セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する。
よって、セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の変速機の油温が予測される。そして、予測された惰性走行終了時の変速機の油温が閾値以下である場合、セーリングストップ制御による惰性走行が禁止される。
即ち、セーリングストップ条件成立時の油温が適正値であっても、惰性走行中は油温が低下するため、惰性走行終了時の油温が低く、変速機のフリクションが増大し、走行用駆動源の燃費や電費が悪化するおそれがある。従って、セーリングストップ走行条件成立時の油温が適正値であるからといって、惰性走行を行うと、惰性走行終了後の走行において、燃費や電費が悪化する。そこで、惰性走行終了時の油温を予測し、燃費や電費の悪化が予測される場合は、セーリングストップによる惰性走行を禁止する。
この結果、惰性走行終了後の走行において、変速機内のフリクションが増大することを抑制することができる。
実施例1のセーリングストップ制御方法及び制御装置が適用された副変速機付き無段変速機が搭載されたエンジン車を示す全体構成図である。 実施例1の変速機コントローラの内部構成を示すブロック図である。 実施例1の変速機コントローラの記憶装置に格納されている変速マップの一例を示す変速マップ図である。 実施例1の統合コントローラで実行されるセーリングストップ制御処理の流れを示すフローチャートである。 CVT油温に対する副変速機付き無段変速機でのフリクションの関係特性の一例を示すフリクション特性図である。 CVT油温に対する油温低下傾きの関係特性(外気温別)の一例を示す油温低下傾きマップ図である。 実施例1の装置を搭載した車両において油温低下傾き条件・セーリングストップ制御の入りから抜けまでの予測時間の長短・セーリング禁止/セーリング許可の関係特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の車両のセーリングストップ制御方法及び制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1におけるセーリングストップ制御方法及び制御装置は、副変速機付き無段変速機を搭載したエンジン車に適用したものである。以下、実施例1におけるエンジン車のセーリングストップ制御装置の構成を、「全体システム構成」、「変速マップによる変速制御構成」、「セーリングストップ制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のセーリングストップ制御装置が適用された副変速機付き無段変速機が搭載されたエンジン車の全体構成を示し、図2は、変速機コントローラの内部構成を示す。以下、図1及び図2に基づき、全体システム構成を説明する。
なお、以下の説明において、ある変速機構の「変速比」は、当該変速機構の入力回転速度を当該変速機構の出力回転速度で割って得られる値である。また、「最ロー変速比」は当該変速機構の最大変速比を意味し、「最ハイ変速比」は当該変速機構の最小変速比を意味する。
図1に示すエンジン車は、走行駆動源として、エンジン始動用のスタータモータ15を有するエンジン1を備える。エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ9を有するトルクコンバータ2、リダクションギア対3、副変速機付き無段変速機4(以下、「自動変速機4」という。)、ファイナルギア対5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。ファイナルギア対5には、駐車時に自動変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。油圧源として、エンジン1の動力により駆動されるメカオイルポンプ10と、モータ51の動力により駆動される電動オイルポンプ50と、を備える。そして、メカオイルポンプ10又は電動オイルポンプ50からの吐出圧を調圧して自動変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11と、油圧制御回路11を制御する変速機コントローラ12と、統合コントローラ13と、エンジンコントローラ14と、が設けられている。以下、各構成について説明する。
前記自動変速機4は、ベルト式無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に対して直列に設けられる副変速機構30とを備える。ここで、「直列に設けられる」とは、動力伝達経路においてバリエータ20と副変速機構30が直列に設けられるという意味である。副変速機構30は、この例のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギア列)を介して接続されていてもよい。
前記バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21,22の間に掛け回されるVベルト23とを備えるベルト式無段変速機構である。プーリ21,22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され、固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させるプライマリ油圧シリンダ23aとセカンダリ油圧シリンダ23bを備える。プライマリ油圧シリンダ23aとセカンダリ油圧シリンダ23bに供給される油圧を調整すると、V溝の幅が変化してVベルト23と各プーリ21,22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比が無段階に変化する。
前記副変速機構30は、前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33、リバースブレーキ34)とを備える。
前記副変速機構30の変速段は、各摩擦締結要素32〜34への供給油圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・解放状態を変更すると変更される。例えば、ローブレーキ32を締結し、ハイクラッチ33とリバースブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は前進1速段(以下、「低速モード」という。)となる。ハイクラッチ33を締結し、ローブレーキ32とリバースブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速よりも変速比が小さな前進2速段(以下、「高速モード」という。)となる。また、リバースブレーキ34を締結し、ローブレーキ32とハイクラッチ33を解放すれば副変速機構30の変速段は後進段となる。なお、副変速機構30のローブレーキ32とハイクラッチ33とリバースブレーキ34の全てを解放すれば、駆動輪7への駆動力伝達経路が遮断される。なお、ローブレーキ32とハイクラッチ33を、以下、「フォワードクラッチFwd/C」という。
前記変速機コントローラ12は、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125とから構成される。この変速機コントローラ12は、バリエータ20の変速比を制御すると共に、副変速機構30の複数の摩擦締結要素(ローブレーキ32、ハイクラッチ33、リバースブレーキ34)を架け替えることで所定の変速段を達成する。
前記入力インターフェース123には、アクセルペダルの踏み込み開度(以下、「アクセル開度APO」という。)を検出するアクセル開度センサ41の出力信号、自動変速機4の入力回転速度(=プライマリプーリ21の回転速度、以下、「プライマリ回転速度Npri」という。)を検出する回転速度センサ42の出力信号、車両の走行速度(以下、「車速VSP」という。)を検出する車速センサ43の出力信号、自動変速機4のライン圧(以下、「ライン圧PL」という。)を検出するライン圧センサ44の出力信号、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、ブレーキ状態を検出するブレーキスイッチ46の出力信号、などが入力される。さらに、入力インターフェース123には、変速機作動油の温度を検出するCVT油温センサ48の出力信号、外気温度を検出する外気温センサ49の出力信号などが入力される。
前記記憶装置122には、自動変速機4の変速制御プログラム、この変速制御プログラムで用いる変速マップ(図4)が格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されている変速制御プログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して変速制御信号を生成し、生成した変速制御信号を、出力インターフェース124を介して油圧制御回路11に出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
前記油圧制御回路11は、複数の流路、複数の油圧制御弁で構成される。油圧制御回路11は、変速機コントローラ12からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して油圧の供給経路を切り替える。詳しくは後述する。
前記統合コントローラ13は、変速機コントローラ12による変速機制御やエンジンコントローラ14によるエンジン制御などが適切に担保されるように、複数の車載コントローラの統合管理を行う。この統合コントローラ13は、変速機コントローラ12やエンジンコントローラ14などの車載コントローラとCAN通信線25を介して情報交換が可能に接続される。そして、惰性走行中にエンジン1を停止するセーリングストップ制御、などを行う。
前記エンジンコントローラ14は、エンジン1へのフューエルカットによるエンジン停止制御、スタータモータ15を用いてエンジン1を始動するエンジン始動制御、などを行う。このエンジンコントローラ14には、エンジン1の回転数(以下、「エンジン回転数Ne」という。)を検出するエンジン回転数センサ47の出力信号、などが入力される。
[変速マップによる変速制御構成]
図3は、変速機コントローラの記憶装置に格納される変速マップの一例を示す。以下、図3に基づき、変速マップによる変速制御構成を説明する。
前記自動変速機4の動作点は、図3に示す変速マップ上で車速VSPとプライマリ回転速度Npriとに基づき決定される。自動変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが自動変速機4の変速比(バリエータ20の変速比vRatioに、副変速機構30の変速比subRatioを掛けて得られる全体の変速比、以下、「スルー変速比Ratio」という。)を表している。
この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセル開度APO毎に変速線が設定されており、自動変速機4の変速はアクセル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。なお、図3には簡単のため、全負荷線F/L(アクセル開度APO=8/8のときの変速線)、パーシャル線P/L(アクセル開度APO=4/8のときの変速線)、コースト線C/L(アクセル開度APO=0のときの変速線)のみが示されている。
前記自動変速機4が低速モードのときには、自動変速機4はバリエータ20の変速比vRatioを最大にして得られる低速モード最ロー線LL/Lと、バリエータ20の変速比vRatioを最小にして得られる低速モード最ハイ線LH/Lと、の間で変速することができる。このとき、自動変速機4の動作点はA領域とB領域内を移動する。一方、自動変速機4が高速モードのときには、自動変速機4はバリエータ20の変速比vRatioを最大にして得られる高速モード最ロー線HL/Lと、バリエータ20の変速比vRatioを最小にして得られる高速モード最ハイ線HH/Lと、の間で変速することができる。このとき、自動変速機4の動作点はB領域とC領域内を移動する。
前記副変速機構30の各変速段の変速比は、低速モード最ハイ線LH/Lに対応する変速比(低速モード最ハイ変速比)が高速モード最ロー線HL/Lに対応する変速比(高速モード最ロー変速比)よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードでとり得る自動変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である低速モードレシオ範囲LREと、高速モードでとり得る自動変速機4のスルー変速比Ratioの範囲である高速モードレシオ範囲HREと、が部分的に重複する。自動変速機4の動作点が高速モード最ロー線HL/Lと低速モード最ハイ線LH/Lで挟まれるB領域(重複領域)にあるときは、自動変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能になっている。
前記変速機コントローラ12は、この変速マップを参照して、車速VSP及びアクセル開度APO(車両の運転状態)に対応するスルー変速比Ratioを到達スルー変速比DRatioとして設定する。この到達スルー変速比DRatioは、当該運転状態でスルー変速比Ratioが最終的に到達すべき目標値である。そして、変速機コントローラ12は、スルー変速比Ratioを所望の応答特性で到達スルー変速比DRatioに追従させるための過渡的な目標値である目標スルー変速比tRatioを設定し、スルー変速比Ratioが目標スルー変速比tRatioに一致するようにバリエータ20及び副変速機構30を制御する。
前記変速マップ上には、副変速機構30のアップ変速を行うモード切替アップ変速線MU/L(副変速機構30の1→2アップ変速線)が、低速モード最ハイ線LH/L上に略重なるように設定されている。モード切替アップ変速線MU/Lに対応するスルー変速比Ratioは、低速モード最ハイ線LH/L(低速モード最ハイ変速比)に略等しい。また、変速マップ上には、副変速機構30のダウン変速を行うモード切替ダウン変速線MD/L(副変速機構30の2→1ダウン変速線)が、高速モード最ロー線HL/L上に略重なるように設定されている。モード切替ダウン変速線MD/Lに対応するスルー変速比Ratioは、高速モード最ロー変速比(高速モード最ロー線HL/L)に略等しい。
そして、自動変速機4の動作点がモード切替アップ変速線MU/L又はモード切替ダウン変速線MD/Lを横切った場合、すなわち、自動変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切替変速比mRatioを跨いで変化した場合やモード切替変速比mRatioと一致した場合には、変速機コントローラ12はモード切替変速制御を行う。このモード切替変速制御では、変速機コントローラ12は、副変速機構30の変速を行うとともに、バリエータ20の変速比vRatioを副変速機構30の変速比subRatioが変化する方向と逆の方向に変化させるというように2つの変速を協調させる「協調制御」を行う。
前記「協調制御」では、自動変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切替アップ変速線MU/LをB領域側からC領域側に向かって横切ったときや、B領域側からモード切替アップ変速線MU/Lと一致した場合に、変速機コントローラ12は、1→2アップ変速判定を出し、副変速機構30の変速段を1速から2速に変更するとともに、バリエータ20の変速比vRatioを最ハイ変速比からロー変速比に変化させる。逆に、自動変速機4の目標スルー変速比tRatioがモード切替ダウン変速線MD/LをB領域側からA領域側に向かって横切ったときや、B領域側からモード切替ダウン変速線MD/Lと一致した場合、変速機コントローラ12は、2→1ダウン変速判定を出し、副変速機構30の変速段を2速から1速に変更するとともに、バリエータ20の変速比vRatioを最ロー変速比からハイ変速比側に変化させる。
前記モード切替アップ変速時又はモード切替ダウン変速時において、バリエータ20の変速比vRatioを変化させる「協調制御」を行う理由は、自動変速機4のスルー変速比Ratioの段差により生じる入力回転数の変化に伴う運転者の違和感を抑えることができるとともに、副変速機構30の変速ショックを緩和することができるからである。
[セーリングストップ制御処理構成]
図4は、実施例1の統合コントローラ13で実行されるセーリングストップ制御処理構成の流れを示す(セーリングストップ制御部)。以下、セーリングストップ制御処理構成をあらわす図4の各ステップについて説明する。
ステップS1では、エンジン1を走行駆動源とし、フォワードクラッチFwd/C(ローブレーキ32又はハイクラッチ33)を締結しての走行中、セーリング入り条件が成立したか否かを判断する。YES(セーリング入り条件成立)の場合はステップS2へ進み、NO(セーリング入り条件不成立)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ここで、「セーリング入り条件」とは、
(a)エンジン駆動による前進走行中(レンジ位置信号や車速信号などにより判断)
(b)ブレーキOFF(ブレーキスイッチ信号により判断)
(c)アクセルOFF(開度=0のアクセル開度信号により判断)
をいい、上記(a)〜(c)の条件を全て満足する状態が所定時間(ディレー時間:例えば、1秒〜2秒)経過すると、セーリング入り条件成立とする。即ち、運転者が加速や停止を意図しておらず、惰性走行を行うことを検知する条件に設定している。
ステップS2では、ステップS1でのセーリング入り条件成立であるとの判断に続き、CVT油温が閾値1を超えているか否かを判断する。YES(CVT油温>閾値1)の場合はステップS3へ進み、NO(CVT油温≦閾値1)の場合はステップS8へ進む。
ここで、「CVT油温」の情報は、CVT油温センサ48から取得する。「閾値1」は、図5に示すように、セーリングストップ制御を許可する自動変速機4のフリクション許可限界値に対応するCVT油温の値に設定される。
ステップS3では、ステップS2でのCVT油温>閾値1であるとの判断に続き、油温低下傾きを算出し、ステップS4へ進む。
ここで、「油温低下傾き」は、CVT油温センサ48からのCVT油温と、外気温センサ49からの外気温と、車速センサ43からの車速VSPと、図6に示す油温低下傾きマップを用いて油温低下傾きを算出する。即ち、CVT油温が低いと油温低下傾き[℃/sec]は大きく、CVT油温が高くなるほど油温低下傾き[℃/sec]は小さくなる。また、外気温が低いほど油温低下傾き[℃/sec]は大きくなる。さらに、車速VSPについては、車速VSPが高いほど走行風による冷却効果が大きくなり、油温低下傾き[℃/sec]は大きくなる。
ステップS4では、ステップS3での油温低下傾き算出に続き、セーリング継続予測時間を算出し、ステップS5へ進む。
こここで、「セーリング継続予測時間の算出」では、下記の何れかの算出手法を用いる。
(a) 1ドライビングサイクル中の一度のセーリング実施時間の平均値、または、車両トータル走行の一度のセーリング実施時間の平均値により算出する。
(b) カーナビゲーションシステムより道路情報(高速道路、勾配道路、カーブ路、等)を入手し、セーリング実施時間の平均時間を道路状況毎に分類する。そして、現在の道路状況がどの分類に属するかを判断し、判断された道路状況でのセーリング実施時間の平均時間とする。
ステップS5では、ステップS4でのセーリング継続予測時間の算出に続き、セーリングストップ制御を実施したとき、惰性走行終了時のCVT予測油温を算出し、ステップS6へ進む。
ここで、「惰性走行終了時のCVT予測油温の算出」は、ステップS3で算出された油温低下傾きと、ステップS4で算出されたセーリング継続予測時間を用いて算出する。
ステップS6では、ステップS5での惰性走行終了時のCVT予測油温の算出に続き、ステップS5で算出されたCVT予測油温が閾値2を超えているか否かを判断する。YES(CVT予測油温>閾値2)の場合はステップS7へ進み、NO(CVT予測油温≦閾値2)の場合はステップS8へ進む。
ここで、「閾値2」は、セーリングストップ制御を許可する自動変速機4のフリクション許可限界値に対応するCVT油温の値に設定するものであるため、閾値2=閾値1としても良い。しかし、「閾値1」がCVT油温の比較判断値とし、「閾値2」がCVT予測油温の比較判断値とするものであるため、図5に示すように、予測誤差を見積もり、「閾値1」より少し高めの値に設定している。即ち、閾値2は、閾値2≧閾値1の関係にて設定する。
ステップS7では、ステップS6でのCVT予測油温>閾値2であるとの判断に続き、セーリングストップ制御の実行を許可するセーリング許可判定をし、エンドへ進む。
ここで、「セーリング許可判定」が出されたら、フォワードクラッチFwd/Cを解放し、エンジン1を停止し、セーリングストップ制御による惰性走行を開始する。
ステップS8では、ステップS2でのCVT油温≦閾値1であるとの判断、或いは、ステップS6でのCVT予測油温≦閾値2であるとの判断に続き、セーリングストップ制御の実行を禁止するセーリング禁止判定をし、エンドへ進む。
ここで、「セーリング禁止判定」が出されたら、セーリング入り条件が成立しているアクセルOFF・ブレーキOFFの走行状態であるにもかかわらず、セーリングストップ制御による惰性走行が行われない。
次に、作用を説明する。
実施例1のエンジン車のセーリングストップ制御装置における作用を、「セーリングストップ制御処理作用」、「セーリングストップ制御動作」、「セーリングストップ制御方法の特徴作用」に分けて説明する。
[比較例でのセーリングストップ制御作用]
セーリング入り条件が成立すると、CVT油温にかかわらず、常にセーリングストップ制御での惰性走行を行うものを比較例とする。
セーリングストップ制御での惰性走行中は、駆動系クラッチFwd/Cが解放で、エンジンが停止であるため、駆動系クラッチFwd/Cの上流側の回転速度はゼロとなる。即ち、惰性走行を行っていない場合に比べて、自動変速機内の回転している部材が少なくなることで、自動変速機内のCVT油温の上昇率が低下する。
また、自動変速機は潤滑油による冷却に加えて、走行風による空冷も行われているが、惰性走行中は、比較的高車速で行われることが多く、走行風による冷却効率が高くなる。
以上の点から、比較例のように、CVT油温が極低温である走行状況であるにもかかわらず、セーリングストップ制御での惰性走行を許可すると、惰性走行中に自動変速機内のCVT油温が低下し、惰性走行開始時のCVT油温より惰性走行終了時のCVT油温が低くなる。
従って、惰性走行終了時における自動変速機内のCVT油温が低く、作動油の粘性が増大することで自動変速機内のフリクションが増大してしまう。そして、セーリングストップ制御による惰性走行終了後の走行に際して、自動変速機内のフリクションが制動力として作用するために車両が減速する。このため、例えば、意図した地点まで到達するのに、アクセルペダルを、フリクション分を上乗せした駆動力を出すレベルまで深く踏み込む必要があり、燃料を消費し、燃費向上を目指すセーリングストップ制御を実施しながら、逆に燃費が悪化することがある。
[セーリングストップ制御処理作用]
実施例1のセーリングストップ制御処理作用を、図4に示すフローチャートに基づき説明する。
まず、エンジン1を走行駆動源とし、フォワードクラッチFwd/Cを締結しての走行中、セーリング入り条件が成立し、かつ、CVT油温>閾値1と判断される。このように、セーリング入り条件とCVT油温条件が成立する場合、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む。ステップS3では、油温低下傾きが算出され、ステップS4では、セーリング継続予測時間が算出され、ステップS5では、セーリングストップ制御を実施したとき、惰性走行終了時のCVT予測油温が算出される。ステップS6では、ステップS5で算出されたCVT予測油温が閾値2を超えているか否かが判断される。CVT予測油温>閾値2との判断によりCVT予測油温条件が成立する場合は、ステップS6からステップS7へ進み、ステップS7では、セーリングストップ制御の実行を許可するセーリング許可判定が出され、エンドへ進む。
したがって、「セーリング許可判定」が出されたら、フォワードクラッチFwd/Cを解放し、エンジン1を停止し、セーリングストップ制御による惰性走行が開始される。
一方、エンジン1を走行駆動源とし、フォワードクラッチFwd/Cを締結しての走行中、セーリング入り条件が成立するものの、CVT油温≦閾値1であると判断される。このように、セーリング入り条件は成立であるが、CVT油温条件が不成立であると、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS8へと進み、ステップS8では、セーリングストップ制御の実行を禁止するセーリング禁止判定が出され、エンドへ進む。
したがって、「セーリング禁止判定」が出されたら、セーリング入り条件が成立しているアクセルOFF・ブレーキOFFの走行状態であるにもかかわらず、セーリングストップ制御による惰性走行が行われない。
また、セーリング入り条件とCVT油温条件が成立する場合、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む。そして、ステップS6でのCVT予測油温≦閾値2であるとの判断によりCVT予測油温条件が不成立である場合は、ステップS6からステップS8へ進み、ステップS8では、セーリングストップ制御の実行を禁止するセーリング禁止判定が出され、エンドへ進む。
したがって、「セーリング禁止判定」が出されたら、セーリング入り条件が成立しているアクセルOFF・ブレーキOFFの走行状態であるにもかかわらず、セーリングストップ制御による惰性走行が行われない。
[セーリングストップ制御動作」
セーリングストップ制御の狙いは、走行中車速域にかかわらず、アクセル足放し操作時にCVT(動力伝達機構)のエンジン1からの動力を伝達するフォワードクラッチFwd/Cを解放する。これによりエンジン1と駆動輪7が切り離され、エンジンブレーキによる減速を防止することで、アクセル足放し操作時の空走距離が伸び、その結果、燃費が向上する。さらに、エンジン1を停止させアイドリング維持のための燃料も節約することにある。
上記セーリングストップ制御の狙いを実現しつつ、CVT予測油温条件によってセーリング禁止を加えた実施例1でのセーリングストップ制御動作を、図7に示すタイムチャートに基づき説明する。
図7において、時刻t1はセーリング入り条件成立時刻、時刻t2はセーリング実施時間が短いときのセーリング抜け予測時刻である。時刻t3はセーリング実施時間が長いときのセーリング抜け予測時刻である。
時刻t1にてセーリング入り条件が成立したとき、CVT油温がTa(>油温閾値)であり、高外気温と低車速の少なくとも一方の条件を満足する場合、CVT予測油温特性は、図7のDに示すように、緩やかな低下勾配にてCVT予測油温が低下する。ここでの油圧閾値とは、閾値1,閾値2のことであり、図7では、閾値1=閾値2としている。
従って、セーリング実施時間が短いときのセーリング抜け予測時刻t2において、CVT予測油温がTb(>油温閾値)になり、セーリングストップ制御の実行を許可するセーリング許可判定が出される。そして、セーリング実施時間が長いときのセーリング抜け予測時刻t3においても、CVT予測油温がTc(>油温閾値)になり、セーリングストップ制御の実行を許可するセーリング許可判定が出される。
時刻t1にてセーリング入り条件が成立したとき、CVT油温がTa(>油温閾値)であり、低外気温と高車速の少なくとも一方の条件を満足する場合、CVT予測油温特性は、図7のEに示すように、特性Dに比べ急な低下勾配にてCVT予測油温が低下する。
従って、セーリング実施時間が短いときのセーリング抜け予測時刻t2において、CVT予測油温がTb’(>油温閾値)になり、セーリングストップ制御の実行を許可するセーリング許可判定が出される。しかし、セーリング実施時間が長いときのセーリング抜け予測時刻t3においては、CVT予測油温がTc’(≦油温閾値)になり、セーリングストップ制御の実行を禁止するセーリング禁止判定が出される。
[セーリングストップ制御方法の特徴作用]
実施例1では、セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温が予測される。そして、予測された惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温が閾値2以下である場合、セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する。
即ち、セーリングストップ条件成立時のCVT油温が適正値、即ち、CVT油温>閾値1であっても、惰性走行中はCVT油温が低下するため、惰性走行終了時のCVT油温が低く、自動変速機4のフリクションが増大し、エンジン1の燃費が悪化するおそれがある。従って、セーリングストップ走行条件成立時のCVT油温が適正値であるからといって、惰性走行を行うと、惰性走行終了後の走行において、燃費が悪化する。そこで、惰性走行終了時のCVT油温を予測し、燃費の悪化が予測される場合は、セーリングストップによる惰性走行を禁止する。
この結果、惰性走行終了後の走行において、自動変速機4内のフリクションが増大することが抑制される。
実施例1では、バリエータ20の下流に副変速機30を備える自動変速機4に適用している。このため、惰性走行により停止する回転体(ここではバリエータ20)が多くなるため、惰性走行によるCVT油温の低下が顕著になる。このような自動変速機4に適用することで、ユニットフリクション増大による燃費悪化を抑制する効果が増す。
また、セーリングストップによる惰性走行が禁止されると、アクセル足放しによるコースト走行状態(ブレーキペダルのon/offは問わない)となり、フォワードクラッチFwd/Cの締結により駆動輪7により自動変速機4が回される。このため、自動変速機4のフリクションを増大するCVT油温の低下が抑えられ、減速走行距離を長くすることが可能である。
実施例1では、セーリングストップ入り条件の成立時、自動変速機4のCVT油温を検出し、自動変速機4のCVT油温が閾値1以下である場合、セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する。そして、自動変速機4のCVT油温が閾値1を超えている場合、惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温を予測する。
即ち、セーリングストップ入り条件の成立時にCVT油温が閾値1以下であると、セーリングストップ制御による惰性走行を禁止している。このため、惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温を予測する必要があるのは、自動変速機4のCVT油温が閾値1を超えている場合に限られる。
したがって、不要に惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温を予測する演算負荷が低減される。
実施例1では、惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温は、惰性走行条件成立時のCVT油温、油温低下勾配、惰性走行予測時間を用いて予測する。
従って、容易な構成で、惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温が予測される。
実施例1では、油温低下勾配は、現在のCVT油温、外気温、車速VSPから算出する。
即ち、現在のCVT油温と外気温との差が大きいほど、油温低下勾配は大きくなる。また、車速VSPが高いほど、走行風による冷却効率が高くなり、油温低下勾配は大きくなる。
従って、油温低下勾配が正確に算出される。
実施例1では、惰性走行予測時間は、過去の惰性走行時間の平均値とする。
従って、容易な構成で、惰性走行予測時間が算出される。
実施例1では、惰性走行予測時間は、道路状況毎に過去の惰性走行時間の平均値を算出する。
従って、道路状況に応じて、運転者の惰性走行予測時間を算出することで、惰性走行予測時間の算出精度がより向上する。
次に、効果を説明する。
実施例1のエンジン車のセーリングストップ制御方法及び制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 走行用駆動源(エンジン1)と駆動輪7との間に配設され、油圧により締結/解放される摩擦締結要素(駆動系クラッチFwd/C)を有する変速機(自動変速機4)を備え、
セーリングストップ走行条件の成立に基づき、摩擦締結要素(駆動系クラッチFwd/C)の動力伝達を遮断すると共に走行用駆動源(エンジン1)を停止して惰性走行する車両(エンジン車)において、
セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)を予測し、
予測された惰性走行終了時の変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)が閾値(閾値2)以下である場合、セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する(図4)。
このため、惰性走行終了後の走行において、変速機(自動変速機4)内のフリクションが増大することを抑制する車両(エンジン車)のセーリングストップ制御方法を提供することができる。
(2) セーリングストップ走行条件の成立時、変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)を検出し、変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)が閾値(閾値1)以下である場合、セーリングストップ制御による惰性走行を禁止し(図4:S2→S8)、
変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)が閾値(閾値1)を超えている場合、惰性走行終了時の(自動変速機4)の油温(CVT油温)を予測する。
このため、(1)の効果に加え、不要に惰性走行終了時の自動変速機4のCVT油温を予測する演算負荷を低減することができる。
(3) 惰性走行終了時の変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)は、惰性走行条件成立時の油温(CVT油温)、油温低下勾配、惰性走行予測時間を用いて予測する(図4:S5)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、容易な構成で、惰性走行終了時の変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)を予測することができる。
(4) 油温低下勾配は、現在の油温(CVT油温)、外気温、車速から算出する(図4:S3)。
このため、(3)の効果に加え、油温低下勾配を正確に算出することができる。
(5) 惰性走行予測時間は、過去の惰性走行時間の平均値とする(図4:S4)。
このため、(3)又は(4)の効果に加え、容易な構成で、惰性走行予測時間を算出することができる。
(6) 惰性走行予測時間は、道路状況毎に過去の惰性走行時間の平均値を算出する(図4:S4)。
このため、(5)の効果に加え、道路状況に応じて、運転者の惰性走行予測時間を算出することで、より算出精度を向上することができる。
(7) 走行用駆動源(エンジン1)と駆動輪7との間に配設され、油圧により締結/解放される摩擦締結要素(駆動系クラッチFwd/C)を有する変速機(自動変速機4)と、
セーリングストップ走行条件の成立に基づき、摩擦締結要素(駆動系クラッチFwd/C)の動力伝達を遮断すると共に走行用駆動源(エンジン1)を停止して惰性走行するセーリングストップ制御部(統合コントローラ13)と、を備える車両(エンジン車)において、
セーリングストップ制御部(統合コントローラ13、図4)は、セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)を予測し、
予測された惰性走行終了時の変速機(自動変速機4)の油温(CVT油温)が閾値(閾値2)以下である場合、セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する処理を行う。
このため、惰性走行終了後の走行において、変速機(自動変速機4)内のフリクションが増大することを抑制する車両(エンジン車)のセーリングストップ制御装置を提供することができる。
以上、本発明の車両のセーリングストップ制御方法及び制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、走行用駆動源の停止中に油圧を供給可能な油圧源として、電動オイルポンプ50を用いる例を示した。しかし、走行用駆動源の停止中に油圧を供給可能な油圧源としては、アキュームレータなどを用いても良い。
実施例1では、本発明の車両のセーリングストップ制御方法及び制御装置を、副変速機付き無段変速機を搭載したエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明のセーリングストップ制御方法及び制御装置は、無段変速機を搭載した車両や有段変速機を搭載した車両等に適用しても良い。また、車両としても、エンジン車に限らず、ハイブリッド車や電気自動車等の走行用駆動源にモータを搭載した電動車両に対しても適用できる。要するに、摩擦締結要素を有する変速機を備え、セーリングストップ制御による惰性走行を行う車両であれば適用できる。
1 エンジン(走行用駆動源)
2 トルクコンバータ
3 リダクションギア対
4 自動変速機(変速機)
5 ファイナルギア対
6 終減速装置
7 駆動輪
9 ロックアップクラッチ
10 メカオイルポンプ
11 油圧制御回路
12 変速機コントローラ
13 統合コントローラ(セーリングストップ制御部)
20 バリエータ
21 プライマリプーリ
22 セカンダリプーリ
23 Vベルト
30 副変速機構
31 ラビニョウ型遊星歯車機構
32 ローブレーキ(摩擦締結要素、駆動系クラッチFwd/C)
33 ハイクラッチ(摩擦締結要素、駆動系クラッチFwd/C)
34 リバースブレーキ(摩擦締結要素)
43 車速センサ
48 CVT油温センサ
49 外気温センサ

Claims (7)

  1. 走行用駆動源と駆動輪との間に配設され、油圧により締結/解放される摩擦締結要素を有する変速機を備え、
    セーリングストップ走行条件の成立に基づき、前記摩擦締結要素の動力伝達を遮断すると共に前記走行用駆動源を停止して惰性走行する車両において、
    前記セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の前記変速機の油温を予測し、
    予測された惰性走行終了時の前記変速機の油温が閾値以下である場合、前記セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する
    ことを特徴とする車両のセーリングストップ制御方法。
  2. 請求項1に記載された車両のセーリングストップ制御方法において、
    前記セーリングストップ走行条件の成立時、前記変速機の油温を検出し、前記変速機の油温が閾値以下である場合、前記セーリングストップ制御による惰性走行を禁止し、
    前記変速機の油温が閾値を超えている場合、惰性走行終了時の前記変速機の油温を予測する
    ことを特徴とする車両のセーリングストップ制御方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両のセーリングストップ制御方法において、
    前記惰性走行終了時の前記変速機の油温は、惰性走行条件成立時の油温、油温低下勾配、惰性走行予測時間を用いて予測する
    ことを特徴とする車両のセーリングストップ制御方法。
  4. 請求項3に記載された車両のセーリングストップ制御方法において、
    前記油温低下勾配は、現在の油温、外気温、車速から算出する
    ことを特徴とする車両のセーリングストップ制御方法。
  5. 請求項3又は請求項4に記載された車両のセーリングストップ制御方法において、
    前記惰性走行予測時間は、過去の惰性走行時間の平均値とする
    ことを特徴とする車両のセーリングストップ制御方法。
  6. 請求項5に記載された車両のセーリングストップ制御方法において、
    前記惰性走行予測時間は、道路状況毎に過去の惰性走行時間の平均値を算出する
    ことを特徴とする車両のセーリングストップ制御方法。
  7. 走行用駆動源と駆動輪との間に配設され、油圧により締結/解放される摩擦締結要素を有する変速機と、
    セーリングストップ走行条件の成立に基づき、前記摩擦締結要素の動力伝達を遮断すると共に前記走行用駆動源を停止して惰性走行するセーリングストップ制御部と、を備える車両において、
    前記セーリングストップ制御部は、前記セーリングストップ走行条件の成立時、惰性走行終了時の前記変速機の油温を予測し、
    予測された惰性走行終了時の前記変速機の油温が閾値以下である場合、前記セーリングストップ制御による惰性走行を禁止する処理を行う
    ことを特徴とする車両のセーリングストップ制御装置。
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JP2015059631A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 株式会社デンソー 自動変速機制御装置

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