JP2017060367A - インバータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PWM制御及びワンパルス制御を切り替えてモータを駆動させる際に、より効率を高めることのできるインバータ制御装置を提供することである。【解決手段】インバータ制御装置10は、交流モータ1を駆動させるための三相交流200を生成するインバータ2を制御する。PWM制御部12は、交流モータ1のトルク指令値TrqRefに基づいて、PWM制御を実行してインバータ2に三相交流200を生成させる。ワンパルス制御部13は、トルク指令値TrqRefに基づいて、ワンパルス制御を実行してインバータ2に三相交流200を生成させる。切替制御部14は、インバータ2の制御をPWM制御からワンパルス制御に切り替えるための切替期間においてPWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替え、切替期間の経過後にワンパルス制御が実行されるように、PWM制御部12とワンパルス制御部13とを制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、インバータ制御装置に関する。
直流電源を用いて交流モータを駆動させる場合、インバータが用いられる。インバータは、トランジスタなどの複数のスイッチング素子を備えており、直流電流を交流電流に変換する。インバータが備える複数のスイッチング素子の動作を制御するために、インバータ制御装置が用いられる。
インバータの制御には、一般的に、PWM(pulse width modulation)制御が用いられる。PWM制御では、交流モータに供給される交流電流が正弦波となるため、低速回転時において交流モータを滑らかに回転させることが可能である。
しかし、PWM制御の変調率は、約0.6であり、後述するワンパルス制御の変調率よりも低い。PWM制御を用いた場合、直流電源の電圧から得られる交流電圧の上限が低くなり、交流モータの出力が抑えられるという問題がある。すなわち、PWM制御を用いた場合、交流モータを高速に回転させることが難しい。
インバータの制御には、PWM制御の他に、ワンパルス制御が用いられる。ワンパルス制御は、PWM制御に比べて変調率が高いため、交流モータを高速に回転させることができる。ワンパルス制御におけるインバータのスイッチング回数は、PWM制御におけるスイッチング回数よりも少ない。これにより、ワンパルス制御は、スイッチング損失を抑制することができる。しかし、ワンパルス制御は、矩形波を用いてインバータを駆動させるため、矩形波に含まれる高調波成分による損失が増加するという問題がある。
交流モータの回転速度及びトルクに応じて、PWM制御とワンパルス制御とを切り替えて使用することにより、交流モータの効率を向上させることが従来から行われている。
例えば、特許文献1には、PWM制御からワンパルス制御へ切り替える際に、PWM電圧位相制御を実行する交流モータの駆動制御装置が開示されている。具体的には、この駆動制御装置は、PWM制御からワンパルス制御へ切り替える際に、ワンパルス制御からPWM電圧位相制御に切り替え、その後、PWM電圧位相制御からワンパルス制御に切り替える。PWM電圧位相制御は、交流電圧の振幅と周波数を変化させることにより交流電流を制御する。これにより、PWM制御からワンパルス制御に切り替える際に生じるトルクショックが低減される。なお、ワンパルス制御からPWM制御に切り替える場合においても、PWM電圧位相制御が実行される。
特開2000−50686号公報
特許文献1に係る駆動制御装置を実行する場合、PWM制御、PWM電圧位相制御、及びワンパルス制御の各々を実行する駆動領域が予め設定されている。図8は、特許文献1に係る駆動制御装置において、PWM制御、PWM電圧位相制御、及び、ワンパルス制御の各々が適用される駆動領域を模式的に示すマップである。
図8を参照して、領域91が、PWM制御が適用される駆動領域である。領域92が、PWM電圧位相制御が適用される駆動領域である。領域93が、ワンパルス制御が適用される駆動領域である。上記3種類の制御方式が適用される駆動領域が固定されているため、例えば、領域91においてワンパルス制御を実行することができない。
実際には、PWM制御を適用可能な駆動領域と、ワンパルス制御を適用可能な駆動領域とは、重複する。図9は、PWM制御を適用可能な駆動領域と、ワンパルス制御を適用可能な駆動領域とを模式的に示すマップである。図9に示すマップ60において、領域96は、PWM制御の適用が一般的な駆動領域であり、領域99は、ワンパルス制御のみを適用可能な駆動領域である。領域96において、ワンパルス制御を適用することは可能であるが、ワンパルス制御を適用することは想定されてない。領域97及び98は、PWM制御及びワンパルス制御の両者の適用が想定される駆動領域である。ただし、領域97は、PWM制御がワンパルス制御よりも高効率な領域であり、領域98は、ワンパルス制御がPWM制御よりも高効率な領域である。従って、図9に示す点P100で交流モータを駆動させる場合、PWM制御及びワンパルス制御の両者を適用可能であるが、ワンパルス制御を適用することにより交流モータを高効率で駆動させることができる。なお、図9に示す破線は、図8に示す領域91〜93を区分する線である。
特許文献1に係る駆動制御装置の場合、上述のように、PWM制御、PWM電圧位相制御、及び、ワンパルス制御がそれぞれ適用される駆動領域が固定されている。点P100の位置は、図8では、領域91の中である。特許文献1に係る駆動制御装置は、点P100で交流モータを駆動させる場合であっても、PWM制御を利用しなければならない。このように、PWM制御及びワンパルス制御の駆動領域を固定することにより、却って交流モータの効率が低下する場合があるという問題がある。
本発明の目的は、PWM制御及びワンパルス制御を切り替えてモータを駆動させる際に、より効率を高めることのできるインバータ制御装置を提供することである。
本発明は、モータを駆動させるための三相交流を生成するインバータを制御するインバータ制御装置であって、モータのトルク指令値に基づいて、PWM制御を実行してインバータに三相交流を生成させるPWM制御部と、トルク指令値に基づいて、ワンパルス制御を実行してインバータに三相交流を生成させるワンパルス制御部と、インバータの制御をPWM制御からワンパルス制御に切り替えるための切替期間においてPWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替え、切替期間の経過後にワンパルス制御が実行されるように、PWM制御部とワンパルス制御部とを制御する切替制御部とを備える。
切替制御部は、インバータの制御をPWM制御からワンパルス制御に切り替える場合、切替期間において、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。切り替えの際に、PWM制御及びワンパルス制御以外の制御を使用しない。モータのトルク及び回転速度の関係を示す駆動領域において、モータのトルク及び回転速度により定められる点が、PWM制御及びワンパルス制御の両者を適用できる領域であれば、インバータ制御装置は、PWM制御からワンパルス制御に切り替えることができるため、モータを駆動させるための効率を高めることができる。
また、切替期間の経過後にワンパルス制御を実行するときに、インバータにおける三相交流の電流の不平衡を緩和することができ、PWM制御からワンパルス制御に移行する際に発生するトルクショックを低減することができる。
インバータ制御装置において、切替制御部による指示は、三相交流に含まれる相ごとに所定の順序で行われてもよい。
切替期間において、三相交流に含まれる全ての相が同一のタイミングでPWM制御からワンパルス制御に切り替えられることが防止される。これにより、インバータにおける三相交流の電流の不平衡をさらに緩和することができ、PWM制御からワンパルス制御に移行する際に発生するトルクショックをさらに低減することができる。
切替制御部は、切替期間におけるワンパルス制御への切り替えがN(Nは2以上の自然数)回目である場合、N回目の切り替え後におけるワンパルス制御の実行期間が、(N−1)回目の切り替え後におけるワンパルス制御の実行期間よりも長くなるように、PWM制御部とワンパルス制御部とを制御してもよい。
切替期間においてワンパルス制御が実行される期間を徐々に長くすることにより、切替期間に生じるトルクショックをさらに低減することができる。
PWM制御部は、トルク指令値に基づいて、PWM制御に用いられる第1電圧目標値とワンパルス制御に用いられる第2電圧目標値とを生成し、切替期間において第1電圧目標値から第2電圧目標値まで徐々に変化させてもよい。
これにより、PWM制御の実行により生成される三相交流の位相と、ワンパルス制御の実行により生成される三相交流の位相とのずれを縮小させることができるため、切替期間に生じるトルクショックをさらに低減することができる。
本発明に係るインバータ制御装置は、さらに、トルク指令値と、ワンパルス制御を開始する際における矩形波信号の初期位相値とを対応付けて記録する初期位相テーブルを備えてもよい。ワンパルス制御部は、切替期間を終了するタイミングにおいて、終了するタイミングにおけるトルク指令値に対応する初期位相値に基づいて矩形波信号の位相を決定し、切替期間の経過後において、トルク指令値と、モータのトルクの検出値と、トルク指令値に対応する初期位相値とに基づいて、矩形波信号の位相を決定してもよい。
これにより、切替期間の経過後にワンパルス制御が開始される際に、トルク指令値とモータのトルクとの誤差を縮小させることができるため、切替期間の経過後に生じるトルクショックを低減することができる。
本発明によれば、PWM制御及びワンパルス制御を切り替えてモータを駆動させる際に、より効率を高めることができる。
本発明の実施の形態に係るモータ制御システムの構成を示す機能ブロック図である。 図1に示すインバータ制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示すインバータ制御装置で生成されるPWM信号、矩形波信号、及び、スイッチング信号の時間関係を示す図である。 PWM制御の実行時に算出される電流ベクトルを、dq座標空間において示す図である。 ワンパルス制御の実行時に算出される電圧ベクトルを、dq座標空間において示す図である。 図1に示すインバータ制御装置が切替制御を実行するときにおける、電圧目標値のq軸成分の変化を示す図である。 図1に示すインバータ制御装置が切替制御を実行するときにおける、電圧目標値のd軸成分の変化を示す図である。 従来のインバータ制御装置におけるPWM制御、PWM電圧位相制御、及び、ワンパルス制御の駆動領域を示すマップである。 PWM制御及びワンパルス制御の両者を適用可能な駆動領域を示すマップである。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
{1.モータ制御システム100の構成}
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係るモータ制御システム100の構成を示す機能ブロック図である。図1を参照して、モータ制御システム100は、交流モータ1と、インバータ2と、電流センサ3,4と、回転角センサ5と、インバータ制御装置10とを備える。モータ制御システム100では、インバータ制御装置10が、PWM制御及びワンパルス制御のいずれか一方を実行することにより、インバータ2を制御する。
交流モータ1は、IPM(Interior Permanent Magnet)モータであり、インバータ2から供給される三相交流200により駆動される。三相交流200は、U相50Uと、V相50Vと、W相50Wとを有する。
インバータ2は、インバータ制御装置10から入力されるスイッチング信号Swに基づいて、トランジスタ等のスイッチング素子(図示省略)のオンオフを切り替えることにより、三相交流200に変換する。
電流センサ3は、U相50Uをインバータ2から交流モータ1に供給するための配線上に設けられ、U相50Uの電流を検出する。電流センサ3は、U相50Uの電流の検出結果として、電流検出値Iuをインバータ制御装置10に出力する。
電流センサ4は、W相50Wをインバータ2から交流モータ1に供給するための配線上に設けられ、W相50Wの電流を検出する。電流センサ4は、W相50Wの電流の検出結果として、電流検出値Iwをインバータ制御装置10に出力する。
回転角センサ5は、例えば、レゾルバやホール素子などであり、交流モータ1が備える回転子(図示省略)の回転位置θを検出する。また、回転子の回転速度ωが、検出した回転位置θに基づいて算出される。検出された回転位置θ及び算出された回転速度ωは、インバータ制御装置10に入力される。
インバータ制御装置10は、トルク指令値TrqRefに基づいて、PWM制御及びワンパルス制御のいずれかを実行して、インバータ2を制御する。インバータ制御装置10は、インバータ2の制御のために、トルク指令値TrqRefに応じたスイッチング信号Swを生成して、インバータ2に出力する。
(インバータ制御装置10の構成)
図2は、図1に示すインバータ制御装置10の構成を示す機能ブロック図である。図2を参照して、インバータ制御装置10は、電流指令生成部11と、PWM制御部12と、ワンパルス制御部13と、切替制御部14と、出力切替部15と、トルク推定部16とを備える。
電流指令生成部11は、インバータ制御装置10に入力されるトルク指令値TrqRefに基づいて、電流目標値Id_r及びIq_rを生成する。電流目標値Id_rは、dq座標空間における電流目標値のd軸成分である。電流目標値Iq_rは、電流目標値のq軸成分である。
PWM制御部12は、電流目標値Id_r,Iq_rを用いて、PWM制御によりインバータ2を駆動させるためのPWM信号300を生成する。PWM信号300は、PWM信号UP1,UN1,VP1,VN1,WP1,WN1を有する。PWM制御部12の構成の詳細については、後述する。
PWM信号UP1及びUN1は、互いに反対の位相を有し、インバータ2においてU相50Uの電流の生成に用いられる。PWM信号VP1及びVN1は、互いに反対の位相を有し、インバータ2においてV相50Vの電流の生成に用いられる。PWM信号WP1及びWN1は、互いに反対の位相を有し、インバータ2においてW相50Vの電流の生成に用いられる。
ワンパルス制御部13は、トルク指令値TrqRefに基づいて、ワンパルス制御によりインバータ2を駆動させるための矩形波信号400を生成する。矩形波信号400は、矩形波信号UP2,UN2,VP2,VN2,WP2,WN2を有する。ワンパルス制御部13の構成の詳細については、後述する。
矩形波信号UP2及びUN2は、互いに反対に位相を有し、インバータ2においてU相50Uの電流の生成に用いられる。矩形波信号VP2及びVN2は、互いに反対の位相を有し、インバータ2においてV相50Vの電流の生成に用いられる。矩形波信号WP2及びWN2は、互いに反対の位相を有し、インバータ2においてW相50Vの電流の生成に用いられる。
切替制御部14は、インバータ2の制御をPWM制御及びワンパルス制御のどちらで実行するかを決定し、その決定に応じた切替信号Usig,Vsig,Wsigを出力切替部15に出力する。切替信号Usig,Vsig,Wsigは、それぞれ、U相、V相、W相に対応し、各相に対応するPWM信号及び矩形波信号のいずれか一方の出力を指示する信号である。
また、切替制御部14は、インバータ2の制御をPWM制御からワンパルス制御に切り替える場合、切替期間において、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替え、切替期間の経過後にワンパルス制御を実行するように、PWM制御部12及びワンパルス制御部13を制御する。
出力切替部15は、切替制御部14から入力される切替信号Usig,Vsig,Wsigに基づいて、各相に対応するPWM信号300及び矩形波信号400のいずれか一方を、スイッチング信号Swとしてインバータ2に出力する。
トルク推定部16は、後述するベクトル変換部124により電流検出値Iu,Iwから生成される電流検出値Id_f,Iq_fに基づいて、交流モータ1で発生しているトルク推定値TrqFBを計算する。そして、トルク推定部16は、その計算したトルク推定値TrqFBをワンパルス制御部13に出力する。
(PWM制御部12の構成)
PWM制御部12は、減算器121A,121Bと、PI制御部122A,122Bと、ベクトル変換部123,124と、PWM比較回路125とを備える。
減算器121Aは、電流目標値Iq_rから電流検出値Iq_fを減算して、電流差分値Iq_sを出力する。減算器121Bは、電流目標値Id_rから電流検出値Id_fを減算して、電流差分値Id_sを出力する。
PI制御部122Aは、PI制御を実行して、電流差分値Iq_sから電圧目標値Vqを生成し、PI制御部122Bは、PI制御を実行して、電流差分値Id_sから電圧目標値Vdを生成する。
ベクトル変換部123は、回転角センサ5により検出された回転位置θを参照して、二相の電圧目標値Vd,Vqを三相の電圧目標値Vu,Vv,Vwに変換する。電圧目標値Vu,Vv,Vwは、それぞれU相50U,V相50V,W相50Wに対応する。電圧目標値Vu,Vv,Vwの各々は、正弦波である。
PWM比較回路125は、電圧目標値Vu,Vv,VwからPWM信号300を生成する。具体的には、PWM比較回路125は、電圧目標値Vuを図示しないキャリアと比較することにより、PWM信号UP1,UN1を生成する。PWM比較回路125は、同様に、電圧目標値VvからPWM信号VP1,VN1を生成し、電圧目標値VwからPWM信号WP1,WN1を生成する。
ベクトル変換部124は、電流センサ3,4の各々から出力される電流検出値Iu,Iwから、電流検出値Id_f,Iq_fを生成する。なお、電流検出値Id_f,Iq_fの生成の際に、回転角センサ5により検出された回転位置θが参照される。
(ワンパルス制御部13の構成)
ワンパルス制御部13は、減算器131と、PI制御部132と、初期位相テーブル133と、加算器134と、矩形波生成回路135とを備える。
減算器131は、トルク指令値TrqRefからトルク推定値TrqFBを減算して、トルク差分値Trq_sを出力する。PI制御部132は、PI制御を実行して、トルク差分値Trq_sから位相目標値γ1を算出する。
初期位相テーブル133は、切替期間の完了によりワンパルス制御を開始するときにおける、矩形波信号400の初期位相値γ2を記憶している。初期位相値γ2は、トルク指令値TrqRefに対応付けて記憶される。切替期間の終了によりワンパルス制御が開始されるとき、初期位相テーブル133は、トルク指令値TrqRefに対応する初期位相値γ2を加算器134に出力する。
加算器134は、位相目標値γ1に初期位相値γ2を加算し、加算により得られた電圧位相値γ3を矩形波生成回路135に出力する。矩形波生成回路135は、電圧位相値γ3に基づいて位相を調整した矩形波信号400を生成して、出力切替部15に出力する。
{2.インバータ制御装置10の動作}
以下、インバータ制御装置10の動作として、交流モータ1の回転開始時、PWM制御からワンパルス制御への切り替えについてそれぞれ説明する。
{2.1.交流モータ1の回転開始}
図2を参照して、交流モータ1が停止しているときに、トルク指令値TrqRefが、インバータ制御装置10に入力される。インバータ制御装置10において、切替制御部14は、トルク指令値TrqRefを入力する。
切替制御部14は、回転子の回転速度ωを継続的に監視する。
切替制御部14には、図9に示すような、PWM制御の駆動領域及びワンパルス制御の駆動領域を示すマップ60が予め設定されている。交流モータ1が停止しているため、回転速度ωはゼロである。切替制御部14は、図9に示すマップ60を参照して、回転速度ω及びトルク指令値TrqRefにより定まるマップ上の点が領域96に位置すると判断する。このため、切替制御部14は、PWM制御を実行してインバータ2を制御することを決定する。
切替制御部14は、上記の決定に応じた制御ステータス信号Stを生成し、PWM制御部12、ワンパルス制御部13、及び、トルク推定部16に出力する。制御ステータス信号Stは、インバータ2の制御を、PWM制御、ワンパルス制御、及び、切替制御のいずれか1つで実行することを示す信号である。制御ステータス信号Stは、PWM制御を示す場合には0、ワンパルス制御を示す場合には2、切替制御を示す場合には1である。切替制御は、PWM制御からワンパルス制御へ切り替えるための切替期間において実行される。切替制御の詳細については後述する。
上述のように、切替制御部14がPWM制御の実行を決定したため、制御ステータス信号Stは、0である。PWM制御部12は、値が0に設定された制御ステータス信号Stが入力された場合、電流指令生成部11により生成された電流目標値Iq_r,Id_rに基づいて、PWM信号300の生成を開始する。一方、ワンパルス制御部13は、値が0に設定された制御ステータス信号Stが入力された場合、矩形波信号400を生成せずに待機する。トルク推定部16は、トルク推定値TrqFBがワンパルス制御部13により使用されないため、トルク推定値TrqFBを計算せずに待機する。
また、切替制御部14は、PWM信号300の出力を指示するために、値が1に設定された切替信号Usig,Vsig,Wsigを出力切替部15に出力する。
切替信号Usigは、PWM信号UP1,UN1の出力を指示する場合には1であり、矩形波信号UP2,UN2の出力を指示する場合には0である。同様に、切替信号Vsigは、PWM信号VP1,VN1の出力を指示する場合には1であり、矩形波信号VP2,VN2の出力を指示する場合には0である。切替信号Wsigは、PWM信号WP1,WN1の出力を指示する場合には1であり、矩形波信号WP2,WN2の出力を指示する場合には0である。
出力切替部15は、切替制御部14から入力される切替信号Usig,Vsig,Wsigに基づいて、PWM制御部12から入力されるPWM信号300をスイッチング信号Swとしてインバータ2に出力する。
このように、インバータ制御装置10は、交流モータ1の回転開始時などのように、PWM制御を実行すると決定した場合、PWM制御を実行してインバータ2に三相交流200を生成させる。交流モータ1は、インバータ2から供給される三相交流200により駆動を開始する。
{2.2.PWM制御からワンパルス制御への切り替え}
{2.2.1.切り替えの判断}
交流モータ1の回転速度ωは、交流モータ1が回転を開始してから時間が経過するにつれて増加する。また、トルク指令値TrqRefは、交流モータ1を搭載した機器の動作等に応じて変化する。切替制御部14は、回転速度ωと、トルク指令値TrqRefとに基づいて、PWM制御及びワンパルス制御のどちらを使用することが適切であるかを判断する。この判断には、図9に示すマップ60が用いられる。
PWM制御により交流モータ1が回転を開始した後のある時点において、回転速度ω及びトルク指令値TrqRefによって定まるマップ60上の点が点P100に移動した場合を想定する。点P100は、PWM制御及びワンパルス制御の両者を使用可能であり、かつ、ワンパルス制御がPWM制御よりも高効率である領域98内に位置する。このため、切替制御部14は、交流モータ1の回転開始時から実行していたPWM制御ではなく、ワンパルス制御によりインバータ2を制御することを決定する。
この場合、切替制御部14は、PWM制御からワンパルス制御へ即座に切り替えるのではなく、PWM制御からワンパルス制御へ切り替えるための切替制御を実行する。切替制御では、予め設定された時間長の切替期間において、PWM制御及びワンパルス制御が交互に繰り返される。インバータ制御装置10は、切替期間において、PWM制御及びワンパルス制御以外の制御を実行しない。
切替制御部14は、切替制御の実行を通知するために、制御ステータス信号Stの値を0から1に変更する。値が1に変更された制御ステータス信号Stが、PWM制御部12、ワンパルス制御部13、及び、トルク推定部16へ出力される。
PWM制御部12は、値が1に設定された制御ステータス信号Stを入力した場合、PWM信号300の生成を継続する。ワンパルス制御部13は、値が1に設定された制御ステータス信号Stを入力した場合、矩形波信号400の生成を開始する。
トルク推定部16は、値が1に設定された制御ステータス信号Stを入力した場合、切替制御においてトルク推定値TrqFBを算出することなく待機する。この理由は、ワンパルス制御部13が切替期間においてトルク推定値TrqFBを利用するクローズドループ制御ではなく、オープンループ制御を実行するためである。
{2.2.2.切替期間における切替制御部14の動作}
図3は、インバータ制御装置10が切替制御を実行するときにおけるPWM信号の一部と、矩形波信号400の一部と、スイッチング信号Swの一部との対応関係を示す図である。
図3を参照して、時刻t1よりも前の期間は、インバータ制御装置10がPWM制御を実行しているPWM制御期間である。時刻t1から時刻t3までの期間は、インバータ制御装置10が切替制御を実行している切替期間である。時刻t3より後の期間は、インバータ制御装置10がワンパルス制御を実行しているワンパルス制御期間である。
図3において、矩形波信号400の一部として、矩形波信号UP2,VP2,WP2のみを表示している。矩形波信号UN2,VN2,WN2は、矩形波信号UP2,VP2,WP2の位相と反対の位相を有している点のみが異なるため、図3においてその表示を省略している。また、図3において、矩形波信号400がPWM制御期間において生成されている。これは、矩形波信号UP2,VP2,WP2の各々の位相の関係をわかりやすく示すためであり、PWM制御期間において矩形波信号400が生成されることを示しているのではない。
PWM信号300の一部として、PWM信号UP1,VP1,WP1のみを表示している。PWM信号UN1,VN1,WN1は、PWM信号UP1,VP1,WP1の位相と反対の位相を有している点のみが異なるため、その表示を省略している。図3において、PWM信号UP1,VP1,WP1を縦縞模様で示しているが、これらの縦線は、これらのPWM信号の立ち上がり、立ち下がりのタイミングを示すものではない。
スイッチング信号Swにおいて、スイッチング信号UPは、PWM信号UP1及び矩形波信号UP2のうち、出力切替部15が切替信号Usigに応じた信号を出力することにより生成される。スイッチング信号UPにおいて、縦縞で示される信号は、PWM信号UP1に相当する。無地(白色)で示される信号は、矩形波信号UP2に相当する。同様に、スイッチング信号VPは、PWM信号VP1及び矩形波信号VP2のうち、出力切替部15が切替信号Vsigに応じた信号を出力することにより生成される。スイッチング信号WPは、PWM信号WP1及び矩形波信号WP2のうち、出力切替部15が切替信号Wsigに応じた信号を出力することにより生成される。
以下、図3を参照しながら、切替制御を実行するインバータ制御装置10の動作について説明する。
(1)時刻t1よりも前の期間(PWM制御期間)
時刻t1より前において、切替制御部14は、PWM制御の実行を指示する値「0」が設定された制御ステータス信号StをPWM制御部12、ワンパルス制御部13、及び、トルク推定部16に出力している。この制御ステータス信号Stに基づいて、PWM制御部12は、PWM制御期間においてPWM信号300を生成する。
ワンパルス制御部13は、PWM制御期間において矩形波信号400を生成しない。また、PWM制御部12がPWM信号300を生成するためにトルク推定値TrqFBを使用しないため、トルク推定部16は、PWM制御期間においてトルク推定値TrqFBを算出しない。
切替制御部14は、PMW制御期間において、切替信号Usig,Vsig,Wsigの値を、PWM信号300の出力を指示する1に設定して出力切替部15に出力している。このため、出力切替部15は、PWM制御部12から出力されるPWM信号300をスイッチング信号Swとして、インバータ2に出力する。
(2)時刻t1から時刻t3までの期間(切替期間)
切替制御部14は、PWM制御からワンパルス制御への切り替えを決定した場合、時刻t1から時刻t3までの期間を切替期間として設定する。切替期間の長さは、矩形波信号400の2周期分の時間である。なお、時刻t1から時刻t2までの期間と、時刻t2から時刻t3までの期間は、それぞれ、矩形波信号400の1周期分の時間に相当する。
切替期間が矩形波信号400の2周期分であることから、切替期間は、トルク指令値TrqRefが変更される時間スケールに比べて非常に短い。従って、以下の説明では、トルク指令値TrqRefの変更が切替期間内に生じないと仮定する。
切替制御部14は、時刻t1から、値が1に設定された制御ステータス信号StをPWM制御部12、ワンパルス制御部13、及びトルク推定部16に出力して、切替制御の実行を通知する。これにより、PWM制御部12は、PWM信号300の生成をPWM制御期間から継続する。ワンパルス制御部13は、時刻t1から、矩形波信号400の生成を開始する。上述のように、トルク推定部16は、切替期間においても、トルク推定値TrqFBを算出しない。
・切替期間の前半
切替制御部14は、時刻t1から時刻t2の期間(切替期間の前半)において、ワンパルス制御を実行する期間が矩形波信号400の位相の60度分となるように、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。以下、特に説明のない限り、矩形波信号400の位相を、単に「位相」と記載する。
PWM制御とワンパルス制御とが切り替えられるタイミングは、時刻ta〜te,t2である。時刻t1,ta〜te,t2において、隣り合う2つの時刻の間隔は、位相60度分の時間である。切替制御部14は、時刻ta〜te,t2を特定するために、図示していない矩形波基準信号を利用する。矩形波基準信号は、クロック信号であるため、切替制御部14は、矩形波基準信号をカウントすることにより、位相を特定し、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替えるタイミングを特定する。
以下、U相50Uの生成に用いられるスイッチング信号UPの出力を例にして、PWM制御とワンパルス制御との切り替えについて説明する。
なお、出力切替部15が、切替信号Usigに基づいて、PWM信号UP1をスイッチング信号UPとして出力する場合、PWM信号UP1とともにPWM信号UN1を出力する。同様に、PWM信号VP1がスイッチング信号VPとして出力される際に、PWM信号VN1が、PWM信号VP1とともに出力される。PWM信号WP1がスイッチング信号WPとして出力される際に、PWM信号WN1が、PWM信号WP1とともに出力される。
出力切替部15は、切替信号Usigに基づいて矩形波信号UP2をスイッチング信号UPとして出力する場合、矩形波信号UP2とともに矩形波信号UN2を出力する。同様に、矩形波信号VP2がスイッチング信号VPとして出力される場合、矩形波信号VN2が矩形波信号VP2をともに出力される。矩形波信号WP2がスイッチング信号WPとして出力される場合、矩形波信号WP2が、矩形波信号WN2とともに出力される。
以下の説明では、PWM信号UN1,VN1,WN1の出力と、矩形波信号UN2,VN2,WN2の出力とに関する説明を省略する。
時刻t1から時刻taにかけて、切替制御部14は、PWM信号UP1の出力を指示する切替信号Usig(Usig=1)を出力切替部15に出力する。この結果、時刻t1から時刻taにかけて、PWM信号UP1が、スイッチング信号UPとして出力切替部15からインバータ2に出力される。つまり、時刻t1から時刻taまでの期間において、インバータ2は、PWM制御に基づくU相50Uの電流を生成する。
時刻taにおいて、切替制御部14は、切替信号Usigの値を、矩形波信号UP2の出力を指示する0に変更する。出力切替部15は、切替信号Usigの変更に伴って、時刻taから矩形波信号UP2をスイッチング信号UPとしてインバータ2に出力する。値が0に設定された切替信号Usigの出力は、時刻tbまで継続される。従って、時刻taから時刻tbまでの期間において、インバータ2は、ワンパルス制御に基づくU相50Uの電流を生成する。時刻taから時刻tbまでの期間は、位相60度分である。
その後、切替制御部14は、時刻tbから時刻tdまでの期間において、値が1に設定された切替信号Usigを出力切替部15に出力する。時刻tbから時刻tdまでの期間において、PWM信号UP1が、スイッチング信号UPとしてインバータ2に出力され、インバータ2は、PWM制御に基づくU相50Uの電流を生成する。
切替制御部14は、時刻tdから時刻teまでの期間において、値が0に設定された切替信号Usigを出力切替部15に出力する。時刻tdから時刻teまでの期間において、矩形波信号UP2が、スイッチング信号UPとしてインバータ2に出力され、インバータ2は、ワンパルス制御に基づくU相50Uの電流を生成する。時刻tdから時刻teまでの期間は、位相60度分である。
切替制御部14は、時刻teから時刻t2までの期間において、値が1に設定された切替信号Usigを出力切替部15に出力する。時刻teから時刻t2までの期間において、PWM信号UP1が、スイッチング信号UPとしてインバータ2に出力され、インバータ2は、PWM制御に基づくU相50Uの電流を生成する。
このように、インバータ制御装置10は、切替期間の前半において、ワンパルス制御に基づいてU相50Uを連続して生成する期間が60度分の位相に相当するように、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。
次に、切替期間の前半におけるV相50Vの生成について説明する。
切替期間の前半におけるU相50Uの生成と同様に、切替制御部14は、V相50Vの電流を生成するために、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。具体的には、切替制御部14は、時刻tcから時刻tdまでの期間において、矩形波信号VP2をスイッチング信号VPとして出力切替部15に出力させ、それ以外の期間において、PWM信号VP1をスイッチング信号VPとして出力切替部15に出力させる。時刻tcから時刻tdまでの期間は、位相60度分である。
矩形波信号VP2の出力が開始される時刻tcは、矩形波信号UP2の出力が開始される時刻taよりも位相120度分だけ遅れている。つまり、切替制御部14は、切替信号Vsigを0に設定する期間を、切替信号Usigが0に設定される期間よりも位相120度分の時間だけ遅らせて設定する。この理由は、V相50Vの位相が、U相50Uの位相よりも120度遅れているためである。
次に、切替期間の前半におけるW相50Wの生成について説明する。
切替期間の前半におけるU相50Uの電流の生成と同様に、切替制御部14は、W相50Wの電流を生成するために、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。具体的には、切替制御部14は、時刻teから時刻t2までの期間において、矩形波信号WP2をスイッチング信号VPとして出力切替部15に出力させ、それ以外の期間において、PWM信号WP1をスイッチング信号WPとして出力切替部15に出力させる。時刻teから時刻t2までの期間は、位相60度分である。
矩形波信号WP2の出力が開始される時刻teは、矩形波信号VP2の出力が開始される時刻tcよりも位相120度分だけ遅れている。つまり、切替制御部14は、切替信号Wsigを0に設定する期間を、切替信号Vsigが0に設定される期間よりも、位相120度分の時間だけ遅らせて設定する。この理由は、W相50Wの位相が、V相50Vの位相よりも120度遅れているためである。
このように、切替制御部14は、U相、V相、W相の順序で、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。なお、切り替えの順序は、上記の順序でなくてもよく、V相、W相、U相の順序であってもよく、W相、V相、U相の順序であってもよい。
・切替期間の後半
切替期間の後半(時刻t2から時刻t3までの期間)においても、切替制御部14は、切替期間の前半と同様に、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。従って、矩形波信号VP2の出力が開始される期間は、矩形波信号UP2の出力が開始される期間よりも位相120度分の時間だけ遅れる。矩形波信号WP2の出力が開始される期間は、矩形波信号VP2の出力が開始される期間よりも位相120度分の時間だけ遅れる。
ただし、切替期間の後半において、ワンパルス制御が実行される期間は、各相において位相120度分の時間であり、切替期間の前半においてワンパルス制御が実行される期間よりも長く設定される。
切替期間の後半において、時刻tfからtkまでの各時刻の間隔は、位相60度分の時間である。時刻t2から時刻tfまでの期間、時刻tkから時刻t3までの期間は、位相30度分の時間である。
最初に、切替期間の後半におけるU相50Uの生成について説明する。
切替制御部14は、ワンパルス制御を実行するために、時刻tfから時刻thまでの期間、時刻tiから時刻tkまでの期間において、切替信号Usigを0に設定して、矩形波信号UP2の出力を出力切替部15に指示する。時刻tfから時刻thまでの期間、及び時刻tiから時刻tkまでの期間は、それぞれ、位相120度分の時間に相当する。時刻tfから時刻thまでの期間、時刻tiから時刻tkまでの期間において、インバータ2は、ワンパルス制御に基づくU相50Uの電流を生成する。
一方、切替制御部14は、時刻tfから時刻thまでの期間、時刻tiから時刻tkまでの期間以外の期間において、切替信号Usigを、PWM信号UP1の出力を指示する1に設定する。この結果、時刻t2から時刻tfの期間、時刻thから時刻tiまでの期間、時刻tkから時刻t3までの期間において、インバータ2は、PWM制御に基づくU相50Uの電流を生成する。
次に、切替期間の後半におけるV相50Vの生成について説明する。
切替制御部14は、時刻t2から時刻tgまでの期間、時刻thから時刻tjまでの期間、時刻tkから時刻t3までの期間において、切替信号Vsigを矩形波信号VP2の出力を指示する0に設定する。これらの期間において、インバータ2は、ワンパルス制御に基づくV相50Vの電流を生成する。
時刻thから時刻tjまでの期間は、位相120度分の時間である。時刻t2から時刻tgまでの期間と時刻tkから時刻t3までの期間とを合計した期間は、位相120度分の時間である。切替期間の後半において、矩形波信号VP2を出力する期間が分割されている。この理由は、矩形波信号VP2の出力期間が、矩形波信号UP2の出力期間よりも120度遅れて設定されるためである。
一方、切替制御部14は、時刻tgから時刻thまでの期間、時刻tjから時刻tkまでの期間において、切替信号VsigをPWM信号VP1の出力を指示する1に設定する。時刻tgから時刻thの期間、時刻tjから時刻tkまでの期間において、インバータ2は、PWM制御に基づくV相50Vの電流を生成する。
次に、切替期間の後半におけるW相50Wの生成について説明する。
切替制御部14は、時刻t2から時刻tfまでの期間、時刻tgから時刻tiまでの期間、時刻tjから時刻t3までの期間において、切替信号Wsigを、矩形波信号WP2の出力を指示する0に設定する。これらの期間において、インバータ2は、ワンパルス制御に基づくW相50Wの電流を生成する。
時刻tgから時刻tiまでの期間は、位相120度分の時間である。時刻t2から時刻tfまでの期間と時刻tjから時刻t3までの期間とを合計した期間は、位相120度分の時間である。このように、切替期間の後半において、矩形波信号WP2を出力する期間が分割されている。この理由は、矩形波信号WP2の出力期間が矩形波信号VP2の出力期間よりも120度遅れて設定されるためである。
一方、切替制御部14は、時刻tfから時刻tgまでの期間、時刻tiから時刻tjまでの期間において、切替信号Wsigを、PWM信号WP1の出力を指示する1に設定する。この結果、時刻tfから時刻tgの期間、時刻tiから時刻tjまでの期間において、インバータ2は、PWM制御に基づくW相50Wの電流を生成する。
(3)時刻t3より後の期間(ワンパルス制御期間)
時刻t3において、切替期間が終了する。切替制御部14は、時刻t3を経過した場合、ワンパルス制御の実行を指示する制御ステータス信号St(St=2)をPWM制御部12、ワンパルス制御部13、及びトルク推定部16に出力する。PWM制御部12は、値が2に設定された制御ステータス信号Stが入力された場合、PWM信号300の生成を停止する。トルク推定部16は、トルク推定値TrqFBの算出を開始する。ワンパルス制御部13は、トルク推定値TrqFBを用いたフィードバック制御を実行して、矩形波信号400を生成する。
また、切替制御部14は、時刻t3を経過した場合、各々の値が0に設定された切替信号Usig,Vsig,Wsigを出力する。出力切替部15は、各々の値が0に設定された切替信号Usig,Vsig,Wsigに基づいて、ワンパルス制御部13から入力される矩形波信号400をスイッチング信号Swとしてインバータ2により出力する。つまり、時刻t3よりも後の期間において、インバータ制御装置10は、ワンパルス制御を実行してインバータ2を制御する。
以下、切替期間において、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える理由を説明する。
交流モータ1の駆動中に、インバータ制御装置10が、PWM制御の実行からワンパルス制御の実行に即座に切り替えた場合、トルクショックが発生する。
インバータ2がPWM制御により三相交流200を生成している場合に、U相50U、V相50V、及びW相50Wの電流は、平衡を保っている。しかし、PWM制御からワンパルス制御への切り替えが即座に行われた場合、U相50U、V相50V、及びW相50Wの電流が不平衡となる。
図3を参照して、時刻t1において、PWM制御からワンパルス制御に即座に切り替えた場合を例にして考える。この場合、時刻t1より前において、U相50U、V相50V及びW相50Wは、PWM制御により生成される。この場合、インバータ2におけるスイッチング素子のオンオフは、ワンパルス制御に比べて非常に短い間隔で実行されている。このため、PWM制御期間では、インバータ2において、U相50U、V相50V及びW相50Wの電流は、平衡を保つことができる。
しかし、時刻t1においてPWM制御からワンパルス制御に即座に切り替えられた場合、矩形波信号400が、時刻t1からインバータ2に出力される。時刻t1から時刻taにかけて、矩形波信号400のうち、矩形波信号UP2,WP2はオフであり、矩形波信号VP2がオンであるため、V相50Vのみに電流が発生する。この結果、V相50Vの電流が、時刻t1から過大となるため、U相50U、V相50V、及びW相50Wの電流が不平衡となる。この結果、交流モータ1のトルクが急変し、トルクショックが発生する。
しかし、インバータ制御装置10は、PWM制御からワンパルス制御に切り替える場合、切替期間において、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える。その際に、ワンパルス制御に切り替えるタイミングを、矩形波信号400の相ごとにずらして実行する。これにより、トルクショックを低減することができる。例えば、図3に示すように、時刻taから時刻tbまでの期間において、スイッチング信号UPとして、矩形波信号UP2がインバータ制御装置10から出力され、スイッチング信号VP,WPとして、PWM信号VP1,WP1がインバータ制御装置10から出力される。
この結果、U相50U、V相50V、W相50Wのうち2つの相が、PWM制御により生成される。PWM制御からワンパルス制御に即座に切り替える場合よりも、U相50U、V相50V、及びW相50Wの電流の不平衡を緩和することができるため、トルクショックを低減することができる。
また、切替期間の後半では、矩形波信号400を出力する期間の比率が、切替期間の前半に比べて増加する。インバータ制御装置10では、ワンパルス制御の割合を段階的に増やしていくことにより、PWM制御からワンパルス制御への切り替えの際に発生する三相交流の電流の不平衡を緩和しながら、ワンパルス制御へ移行させることが可能となる。これにより、トルクショックを更に低減することができる。
{2.2.3.切替期間におけるPWM制御部12の動作}
PWM制御部12は、切替期間において、電圧目標値Vd,Vqを、PWM制御に対応する値からワンパルス制御に対応する値へと徐々に変化させる。以下、PWM制御部12が電圧目標値Vd,Vqを徐々に変化させる理由を説明する。
図4は、PWM制御を実行する際に、トルク指令値TrqRefに基づいて算出される電流ベクトルI_pwmを、dq座標空間上に表した図である。図4を参照して、電流ベクトルI_pwmのd軸成分を電流目標値Id_pwmとし、q軸成分をIq_pwmとする。電流目標値Id_pwm,Iq_pwmは、電流指令生成部11により生成される電流目標値Id_r,Iq_rにそれぞれに対応する。電流ベクトルI_pwmは、q軸を基準として反時計回り(CCW)方向に位置する。電流ベクトルI_pwmがq軸となす角度は、βである。
図5は、ワンパルス制御を実行する際に、トルク指令値TrqRefに基づいて算出される電圧ベクトルV_oneをdq座標空間上に表した図である。図5を参照して、電圧ベクトルV_oneのd軸成分を電圧目標値Vd_oneとし、q軸成分をVq_oneとする。電圧ベクトルV_oneは、q軸を基準として反時計回り(CCW)方向に位置する。電圧ベクトルV_oneがq軸となす角度は、γである。なお、電圧目標値Vd_one,Vq_oneは、実際には、ワンパルス制御部13では使用されない。
PWM制御では、角度βが、交流モータ1における効率が最大となるように設定される。一方、ワンパルス制御は、矩形波の位相を調整することにより、交流モータ1のトルクを制御する。従って、角度γは、トルク指令値TrqRefに応じて変化するため、PWM制御で用いられる角度βは、ワンパルス制御で用いられる角度γに一致しない。
この結果、PWM制御をワンパルス制御に切り替える際に、PWM制御によりインバータ2で生成される三相交流200の位相は、ワンパルス制御によりインバータ2で生成される三相交流200の位相と一致しない。この2つの位相のずれは、トルクショックの発生の原因の1つである。
インバータ制御装置10が、切替期間においてPWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替える場合においても、位相のずれによるトルクショックが発生する。そこで、インバータ制御装置10は、切替期間において電圧目標値Vd,Vqを、ワンパルス制御で用いられる電圧目標値Vd_one,Vq_oneに徐々に近づける。これにより、2つの位相のずれが緩和されるため、切替期間に発生するトルクショックを低減することができる。
図2を参照して、PI制御部122Aは、切替制御の実行を通知する制御ステータス信号St(St=1)が入力された場合、切替期間における電圧目標値Vqを以下の処理によって決定する。
PI制御部122Aは、電流差分値Iq_sに基づいて、電圧目標値Vq_pwmと、電圧目標値Vq_oneとを算出する。電圧目標値Vq_pwmは、PWM制御の実行時における電圧目標値Vqに相当する。
図6は、切替期間における電圧目標値Vqの変化を示す図である。図6を参照して、PI制御部122Aは、切替制御が開始される時刻t1において、電圧目標値Vqを電圧目標値Vq_pwmに設定する。そして、PI制御部122Aは、切替期間の終了する時刻t3において、電圧目標値Vqが電圧目標値Vq_oneとなるように、電圧目標値Vqを徐々に変化させる。切替期間が終了した後にPWM制御が実行されないため、PI制御部122Aは、時刻t3の経過後に電圧目標値Vqを0に設定する。
PI制御部122Bは、PI制御部122Aと同様の処理を実行して、電圧目標値Vdを変化させる。PI制御部122Bは、電流差分値Id_sに基づいて、電圧目標値Vd_pwmと、電圧目標値Vd_oneを算出する。電圧目標値Vd_pwmは、PWM制御の実行時における電圧目標値Vdに相当する。
図7は、切替期間における電圧目標値Vdの変化を示す図である。図7を参照して、PI制御部122Bは、切替制御が開始される時刻t1において電圧目標値Vdを電圧目標値Vd_pwmに設定する。そして、PI制御部122Bは、切替期間の終了する時刻t3において、電圧目標値Vdが電圧目標値Vd_oneとなるように、電圧目標値Vdを徐々に変化させる。切替期間が終了した後にPWM制御が実行されないため、PI制御部122Bは、時刻t3の経過後に電圧目標値Vdを0に設定する。
図6では、電圧目標値Vq_pwmが電圧目標値Vq_oneよりも小さくなっているが、電圧目標値Vq_pwmが電圧目標値Vq_oneよりも大きくてもよい。また、PI制御部122Aは、線形的に電圧目標値Vqを変化させるのではなく、2次関数あるいは指数関数的に変化させてもよい。図7に示す電圧目標値Vd_pwm及び電圧目標値Vd_oneについても同様である。
このように、切替期間において、PI制御部122A,122Bが、電圧目標値Vq,Vdを変化させることにより、切替期間内におけるPWM制御とワンパルス制御の切り替え時に発生するトルクショックを低減することができる。
{2.2.4.切替期間におけるワンパルス制御部13の動作}
ワンパルス制御部13は、切替期間において、トルク指令値TrqRef及びトルク推定値TrqFBを用いたフィードバック制御を行なわず、切替期間の終了するタイミングで、フィードバック制御を開始する。以下、詳しく説明する。
(切替期間における動作)
ワンパルス制御部13は、切替期間においては、トルク指令値TrqRefに関係なく、位相がゼロに設定された矩形波信号400を出力する。具体的には、トルク推定部16は、切替制御の実行を示す制御ステータス信号St(St=1)を切替制御部14から受信した場合、トルク推定値TrqFBを算出しない。この結果、減算器131において減算処理が実行されない。減算器131は、トルク指令値TrqRefをトルク差分値Trq_sとしてそのまま出力する。なお、後述するように、PI制御部132は、切替期間において、トルク差分値Trq_sを使用して位相目標値γ1を計算しない。従って、ワンパルス制御部13は、減算器131を停止させてもよい。
PI制御部132は、切替制御の実行を示す制御ステータス信号St(St=1)を切替制御部14から受信した場合、トルク差分値Trq_sに関係なく、値がゼロに設定された位相目標値γ1を生成して出力する。
初期位相テーブル133は、切替制御を指示する制御ステータス信号St(St=1)が入力されている間、トルク指令値TrqRefに基づく初期位相値γ2を出力する。加算器134には、値がゼロに設定された位相目標値γ1及びトルク指令値TrqRefに基づく初期位相値γ2が入力されるため、加算器134は、初期位相値γ2を電圧位相値γ3として出力する。矩形波生成回路135は、電圧位相値γ3に基づいて矩形波信号400を生成する。つまり、切替期間において、電圧位相値γ3は、初期位相値γ2に固定される。
(切替期間の終了時における動作)
切替制御部14は、切替期間が終了するタイミングで、ワンパルス制御の実行を指示する制御ステータス信号St(St=2)をワンパルス制御部13に出力する。初期位相テーブル133は、ワンパルス制御の実行を指示する制御ステータス信号St(St=2)が入力された場合、トルク指令値TrqRefに対応する初期位相値γ2を加算器134に出力する。この時点で、加算器134には、値がゼロに設定された位相目標値γ1が入力されている。従って、加算器134は、切替期間が終了するタイミングで、初期位相値γ2をそのまま電圧位相値γ3として矩形波生成回路135に出力する。矩形波生成回路135は、初期位相値γ2に基づいて位相が調整された矩形波信号400を出力する。
初期位相値γ2は、トルク指令値TrqRefに対応するトルクを交流モータ1が出力できるように予め計算された値である。ワンパルス制御期間が開始される時刻t3において、ワンパルス制御部13は、トルク指令値TrqRefに応じた矩形波信号400を生成することができるため、トルクショックを低減することができる。
トルク推定部16は、ワンパルス制御の実行を指示する制御ステータス信号St(St=2)が入力された場合、トルク推定値TrqFBの出力を開始する。PI制御部132は、ワンパルス制御の実行を指示する制御ステータス信号St(St=2)が入力された場合、トルク指令値TrqRefからトルク推定値TrqFBを減算したトルク差分値Trq_sを用いて、位相目標値γ1を計算する。これにより、ワンパルス制御部13において、クローズドループ制御が開始される。具体的には、PI制御部132は、トルク指令値TrqRefからトルク推定値TrqFBを減算したトルク差分値Trq_sに基づいて、位相目標値γ1を計算する。
また、初期位相テーブル133は、ワンパルス制御の実行を指示する制御ステータス信号St(St=2)が入力されている間、トルク指令値TrqRefに対応する初期位相値γ2を継続して出力する。加算器134は、位相目標値γ1に初期位相値γ2を加算することにより、電圧位相値γ3を出力する。矩形波生成回路135は、電圧位相値γ3に基づいて矩形波信号400を生成する。これにより、ワンパルス制御の開始時に、初期位相値γ2のみが反映された矩形波信号400が生成され、その後、フィードバック制御に基づいて位相が調整された矩形波信号400が生成される。
{変形例}
上記実施の形態において、切替期間が矩形波信号400の2周期分に設定される例を説明したが、これに限られない。切替期間は、矩形波信号400の1周期分であってもよいし、3周期以上の長さであってもよい。
切替期間が3周期以上である場合、インバータ制御装置10は、各周期において実行されるワンパルス制御の期間を徐々に長くしていけばよい。例えば、切替期間が4周期である場合、1周期目のワンパルス制御の実行期間を30度、2周期目のワンパルス制御の実行期間を60度、3周期目のワンパルス制御の実行期間を90度、4周期目のワンパルス制御の実行期間を120度とすることができる。
また、切替期間は、矩形波信号400の周期に依存して決定しなくてもよい。切替制御部14は、切替期間を任意に設定してもよい。
また、上記実施の形態において、インバータ制御装置10が、切替期間において、ワンパルス制御を実行する期間を、U相、V相、W相の各々に対して2回以上設定する例を説明したが、これに限られない。インバータ制御装置10は、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替えることにより、ワンパルス制御が少なくとも1回実行されるようにすればよい。この場合であっても、切替期間において、三相交流200の不平衡が緩和されるため、トルクショックを低減することができる。なお、切替期間においてワンパルス制御が実行された場合、ワンパルス制御の後にPWM制御が少なくとも1回実行される。
また、上記実施の形態において、切替制御部14が、切替期間の前半において、矩形波信号UP2を出力する期間を2回設定し、矩形波信号UP2を出力する期間がともに位相60度分の時間とする例を説明したが、これに限られない。2回目の矩形波信号UP2を出力する期間を、1回目の矩形波信号UP2を出力する期間よりも長くしてもよい。矩形波信号VP2,WP2についても同様である。これにより、切替期間において、矩形波信号UP2が出力される期間の割合を徐々に増やしていくことができるため、トルクショックをさらに低減させることができる。つまり、切替制御部14は、切替期間におけるワンパルス制御への切替がN(Nは2以上の自然数)回目である場合、N回目の切替後におけるワンパルス制御の実行期間が、(N−1)回目の切り替え後におけるワンパルス制御の実行期間よりも長くなるように、PWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替えればよい。
また、上記実施の形態において、交流モータ1がIPMモータである場合を例に説明したが、これに限られない。交流モータ1は、SPM(Surface Permanent Magnet)モータであってもよい。すなわち、永久磁石を用いたモータを駆動させる際に、インバータ制御装置10を使用することが可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
100 モータ制御システム
1 交流モータ
2 インバータ
3,4 電流センサ
5 回転角センサ
10 インバータ制御装置
11 電流指令生成部
12 PWM制御部
13 ワンパルス制御部
14 切替制御部
15 出力切替部
16 トルク推定部
121A,121B,131 減算器
122A,122B,132 PI制御部
123,124 ベクトル変換部
125 PWM比較回路
133 初期位相テーブル
134 加算器
135 矩形波生成回路

Claims (5)

  1. モータを駆動させるための三相交流を生成するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
    前記モータのトルク指令値に基づいて、PWM制御を実行して前記インバータに前記三相交流を生成させるPWM制御部と、
    前記トルク指令値に基づいて、ワンパルス制御を実行して前記インバータに前記三相交流を生成させるワンパルス制御部と、
    前記インバータの制御をPWM制御からワンパルス制御に切り替えるための切替期間においてPWM制御とワンパルス制御とを交互に切り替え、切替期間の経過後にワンパルス制御が実行されるように、前記PWM制御部と前記ワンパルス制御部とを制御する切替制御部とを備えるインバータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のインバータ制御装置であって、
    前記切替制御部による指示は、前記三相交流に含まれる相ごとに所定の順序で行われるインバータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のインバータ制御装置において、
    前記切替制御部は、前記切替期間におけるワンパルス制御への切り替えがN(Nは2以上の自然数)回目である場合、N回目の切り替え後におけるワンパルス制御の実行期間が、(N−1)回目の切り替え後におけるワンパルス制御の実行期間よりも長くなるように、前記PWM制御部と前記ワンパルス制御部とを制御するインバータ制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインバータ制御装置であって、
    前記PWM制御部は、前記トルク指令値に基づいて、PWM制御に用いられる第1電圧目標値とワンパルス制御に用いられる第2電圧目標値とを生成し、前記切替期間において前記第1電圧目標値から前記第2電圧目標値まで徐々に変化させるインバータ制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインバータ制御装置であって、さらに、
    前記トルク指令値と、ワンパルス制御を開始する際における矩形波信号の初期位相値とを対応付けて記録する初期位相テーブルを備え、
    前記ワンパルス制御部は、前記切替期間を終了するタイミングにおいて、前記終了するタイミングにおけるトルク指令値に対応する初期位相値に基づいて前記矩形波信号の位相を決定し、前記切替期間の経過後において、前記トルク指令値と、前記モータのトルクの検出値と、前記トルク指令値に対応する初期位相値とに基づいて、前記矩形波信号の位相を決定するインバータ制御装置。
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