JP2017060346A - デュアルアクティブブリッジ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができるデュアルアクティブブリッジ回路を提供する。【解決手段】デュアルアクティブブリッジ回路は、トランスの1次側の1次側回路と、トランスの2次側の2次側回路とを備える回路であって、1次側回路に備えられ、PWM信号に基づいてスイッチング動作を行う4つのスイッチング素子を有する第1のフルブリッジ回路と、第1のフルブリッジ回路の4つのスイッチング素子のそれぞれに並列に設けられたキャパシタと、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルと、第1の補助スイッチ回路を有し、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子と前記第1のフルブリッジ回路の基準電位とに接続された第1の補助回路と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、デュアルアクティブブリッジ回路に関する。
双方向に直流電力伝送を選択的に可能にする双方向コンバータが開発されている。特にリアクトルを介して2つのフルブリッジインバータ回路を接続し、それらのインバータ回路間で双方向に直流電力伝送を選択的に可能にするデュアルアクティブブリッジ回路が盛んに研究されている。
特許文献1には、関連する技術として、フルブリッジインバータ回路のスナバコンデンサに接続され該コンデンサの充電電圧を電源に回生する回生回路を用いた双方向コンバータが記載されている。
特開2013−176174号公報
ところで、デュアルアクティブブリッジ回路において、1次側と2次側とで電源電圧の電圧比とトランスの変圧比とが異なる場合、リアクトルLに流れる電流のピーク値が増大し、導通損による電圧変換効率の低下が生じてしまう。そのため、1次側と2次側とで電源電圧の電圧比とトランスの変圧比とが異なる場合にも、導通損が生じず効率のよい電圧変換を行うことができるデュアルアクティブブリッジ回路が求められていた。
そこで、この発明は、上記の課題を解決することのできるデュアルアクティブブリッジ回路を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様によれば、デュアルアクティブブリッジ回路は、トランスの1次側に接続された1次側回路と、前記トランスの2次側に接続された2次側回路とを備えるデュアルアクティブブリッジ回路であって、前記1次側回路に備えられ、PWM信号に基づいてスイッチング動作を行う4つのスイッチング素子を有する第1のフルブリッジ回路と、前記第1のフルブリッジ回路の前記4つのスイッチング素子のそれぞれに並列に設けられたキャパシタと、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルと、第1の補助スイッチ回路を有し、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子と前記第1のフルブリッジ回路の基準電位とに接続された第1の補助回路と、を備える。
本発明の第2の態様によれば、上述のデュアルアクティブブリッジ回路において、前記第1の補助スイッチ回路は、前記基準電位に接続される2つのスイッチング素子と、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子のうちの一方に接続されるスイッチング素子と、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子のうちの他方に接続されるスイッチング素子とを有する第2のフルブリッジ回路であり、前記第1の補助回路は、当該第1の補助スイッチ回路と、前記第2のフルブリッジ回路の2つの出力端子間に設けられた補助リアクトルと、を備える。
本発明の第3の態様によれば、上述のデュアルアクティブブリッジ回路において、前記第1の補助スイッチ回路は、前記第2のフルブリッジ回路における前記基準電位に接続される2つのスイッチング素子の代わりに、アノードが前記基準電位に接続された2つのダイオードを有し、前記補助リアクトルの2端子のうちの一方は、前記2つのダイオードのうちの1つのカソードに接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの他方は、前記2つのダイオードのうちの別の1つのカソードに接続される。
本発明の第4の態様によれば、上述のデュアルアクティブブリッジ回路において、前記第1の補助スイッチ回路は、前記第2のフルブリッジ回路における前記基準電位に接続されるボディダイオード付きの2つのスイッチング素子を有し、当該ボディダイオードのアノードは前記基準電位に接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの一方は、前記ボディダイオード付きの2つのスイッチング素子のうちの1つの前記ボディダイオードのカソードに接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの他方は、前記ボディダイオード付きの2つのスイッチング素子のうちの別の1つの前記ボディダイオードのカソードに接続される。
本発明の第5の態様によれば、上述のデュアルアクティブブリッジ回路は、前記2次側回路に備えられ、PWM信号に基づいてスイッチング動作を行う4つのスイッチング素子を有する第3のフルブリッジ回路と、前記第3のフルブリッジ回路の前記4つのスイッチング素子のそれぞれに並列に設けられたキャパシタと、当該キャパシタと共振回路を構成する第2の補助リアクトルと、第2の補助スイッチ回路を有し、前記第3のフルブリッジ回路の基準電位とに接続された、第2の補助回路と、を備える。
本発明の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路によれば、エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
本発明の第一の実施形態によるデュアルアクティブブリッジの構成を示す図である。 本実施形態による第1の補助回路の構成を示す図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジの各モードにおける波形を示す図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD1を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD2を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD3を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD4を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD5を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD6を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD7を説明するための図である。 本発明の第二の実施形態による第1の補助回路の構成を示す図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジの各モードにおける波形を示す図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD11を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD12を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD13を説明するための図である。 本実施形態によるデュアルアクティブブリッジのモードMD14を説明するための図である。 本発明の実施形態によるデュアルアクティブブリッジにおける制御信号を示す図である。 本発明の実施形態によるデュアルアクティブブリッジのシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第三の実施形態によるデュアルアクティブブリッジの構成を示す図である。
<第一の実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第一の実施形態について説明する。
まず、本発明の第一の実施形態による第1の補助回路を備えるデュアルアクティブブリッジ回路の構成について説明する。
本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、図1に示すように、1次側回路10と、2次側回路20と、を備える。なお、ここでは、1次側回路10がトランスTの1次側巻線w1を含み、2次側回路20がトランスTの2次側巻線w2を含むものとしている。
1次側回路10は、フルブリッジ回路11(第1のフルブリッジ回路)、回路キャパシタC1、電圧源E1、リアクトルL、1次側巻線w1、及び、補助回路A1(第1の補助回路)を備える。
フルブリッジ回路11は、スイッチング素子M11、スイッチング素子M12、スイッチング素子M13、スイッチング素子M14、ダイオードD11、ダイオードD12、ダイオードD13、ダイオードD14、キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、及び、キャパシタC14を備える。
スイッチング素子M11、スイッチング素子M12、スイッチング素子M13、及び、スイッチング素子M14は、例えば、パワーMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)(以下、「MOSトランジスタ」と記載)、SiC(Silicon Carbide)パワーデバイス、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワー半導体である。
ダイオードD11は、スイッチング素子M11に並列に設けられる。ダイオードD11は、スイッチング素子M11がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM11のボディダイオードである。ダイオードD11のアノードは、MOSトランジスタM11のソースに接続される。また、ダイオードD11のカソードは、MOSトランジスタM11のドレインに接続される。
ダイオードD12は、スイッチング素子M12に並列に設けられる。ダイオードD12は、スイッチング素子M12がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM12のボディダイオードである。ダイオードD12のアノードは、MOSトランジスタM12のソースに接続される。また、ダイオードD12のカソードは、MOSトランジスタM12のドレインに接続される。
ダイオードD13は、スイッチング素子M13に並列に設けられる。ダイオードD13は、スイッチング素子M13がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM13のボディダイオードである。ダイオードD13のアノードは、MOSトランジスタM13のソースに接続される。また、ダイオードD13のカソードは、MOSトランジスタM13のドレインに接続される。
ダイオードD14は、スイッチング素子M14に並列に設けられる。ダイオードD14は、スイッチング素子M14がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM14のボディダイオードである。ダイオードD14のアノードは、MOSトランジスタM14のソースに接続される。また、ダイオードD14のカソードは、MOSトランジスタM14のドレインに接続される。
キャパシタC11は、スイッチング素子M11に並列に設けられる。スイッチング素子M11がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC11が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM11のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM11のドレインに接続される。
キャパシタC12は、スイッチング素子M12に並列に設けられる。スイッチング素子M12がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC12が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM12のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM12のドレインに接続される。
キャパシタC13は、スイッチング素子M13に並列に設けられる。スイッチング素子M13がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC13が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM13のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM13のドレインに接続される。
キャパシタC14は、スイッチング素子M14に並列に設けられる。スイッチング素子M14がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC14が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM14のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM14のドレインに接続される。
なお、キャパシタC11、C12、C13、C14のそれぞれは、スナバキャパシタである。
以下の説明では、スイッチング素子M11、スイッチング素子M12、スイッチング素子M13、及び、スイッチング素子M14は、MOSトランジスタであるものとして説明する。
MOSトランジスタM11のソースは、MOSトランジスタM12のドレインに接続される。
MOSトランジスタM11のドレインは、MOSトランジスタM13のドレインに接続される。
MOSトランジスタM12のソースは、MOSトランジスタM14のソースに接続される。
MOSトランジスタM13のソースは、MOSトランジスタM14のドレインに接続される。
MOSトランジスタM11、MOSトランジスタM12、MOSトランジスタM13、及び、MOSトランジスタM14が上述のように接続されることにより、MOSトランジスタM11のソースとMOSトランジスタM13のソースを出力とするフルブリッジ回路11が構成される。
なお、MOSトランジスタM11のソースとMOSトランジスタM13のソースのそれぞれは、フルブリッジ回路11の出力である。また、MOSトランジスタM12のソースは、フルブリッジ回路11の基準電位である。
キャパシタC1は、フルブリッジ回路11に並列に設けられる。キャパシタC1が備える第1の端子はMOSトランジスタM12のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM11のドレインに接続される。
電圧源E1が備える低電位側となる第1の端子は、MOSトランジスタM12のソースに接続される。また、電圧源E1が備える高電位側となる第2の端子は、MOSトランジスタM11のドレインに接続される。
リアクトルLが備えるコイルの巻き始めとなる第1の端子は、MOSトランジスタM11のソースに接続される。また、リアクトルLが備えるコイルの巻き終わりとなる第2の端子は、1次側巻線w1が備えるコイルの巻き始めとなる第1の端子に接続される。なお、図1で示したリアクトルLと1次側巻線w1のそれぞれにおける丸印は、同極性点を示している。ここでは、丸印は、コイルの巻き始めとなる第1の端子を示しているものとする。
1次側巻線w1が備えるコイルの巻き終わりとなる第2の端子は、MOSトランジスタM13のソースに接続される。
補助回路A1は、3つの端子を備える。補助回路A1が備える3つの端子のうちの第1の端子は、MOSトランジスタM12のソースに接続される。補助回路A1が備える3つの端子のうちの第2の端子は、MOSトランジスタM11のソースに接続される。補助回路A1が備える3つの端子のうちの第3の端子は、MOSトランジスタM13のソースに接続される。
補助回路A1は、トランスTの1次側のフルブリッジ回路11に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14)と補助リアクトルLrとにより共振周波数が定まり、当該キャパシタにソフトスイッチングに必要な電流を供給する。
なお、スイッチング素子M11及びダイオードD11をまとめてスイッチSW11と呼ぶ。また、スイッチング素子M12及びダイオードD12をまとめてスイッチSW12と呼ぶ。また、スイッチング素子M13及びダイオードD13をまとめてスイッチSW13と呼ぶ。また、スイッチング素子M14及びダイオードD14をまとめてスイッチSW14と呼ぶ。
2次側回路20は、フルブリッジ回路21(第3のフルブリッジ回路)、回路キャパシタC2、電圧源E2、及び、2次側巻線w2を備える。
フルブリッジ回路21は、スイッチング素子M21、スイッチング素子M22、スイッチング素子M23、スイッチング素子M24、ダイオードD21、ダイオードD22、ダイオードD23、ダイオードD24、キャパシタC21、キャパシタC22、キャパシタC23、及び、キャパシタC24を備える。
スイッチング素子M21、スイッチング素子M22、スイッチング素子M23、及び、スイッチング素子M24は、例えば、MOSトランジスタ、SiCパワーデバイス、IGBTなどのパワー半導体である。
ダイオードD21は、スイッチング素子M21に並列に設けられる。ダイオードD21は、スイッチング素子M21がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM21のボディダイオードである。ダイオードD21のアノードは、MOSトランジスタM21のソースに接続される。また、ダイオードD21のカソードは、MOSトランジスタM21のドレインに接続される。
ダイオードD22は、スイッチング素子M22に並列に設けられる。ダイオードD22は、スイッチング素子M22がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM22のボディダイオードである。ダイオードD22のアノードは、MOSトランジスタM22のソースに接続される。また、ダイオードD22のカソードは、MOSトランジスタM22のドレインに接続される。
ダイオードD23は、スイッチング素子M23に並列に設けられる。ダイオードD23は、スイッチング素子M23がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM23のボディダイオードである。ダイオードD23のアノードは、MOSトランジスタM23のソースに接続される。また、ダイオードD23のカソードは、MOSトランジスタM23のドレインに接続される。
ダイオードD24は、スイッチング素子M24に並列に設けられる。ダイオードD24は、スイッチング素子M24がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM24のボディダイオードである。ダイオードD24のアノードは、MOSトランジスタM24のソースに接続される。また、ダイオードD24のカソードは、MOSトランジスタM24のドレインに接続される。
キャパシタC21は、スイッチング素子M21に並列に設けられる。スイッチング素子M21がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC21が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM21のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM21のドレインに接続される。
キャパシタC22は、スイッチング素子M22に並列に設けられる。スイッチング素子M22がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC22が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM22のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM22のドレインに接続される。
キャパシタC23は、スイッチング素子M23に並列に設けられる。スイッチング素子M23がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC23が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM23のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM23のドレインに接続される。
キャパシタC24は、スイッチング素子M24に並列に設けられる。スイッチング素子M24がMOSトランジスタである場合には、キャパシタC24が備える2つの端子のうちの第1の端子はMOSトランジスタM24のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM24のドレインに接続される。
なお、キャパシタC21、C22、C23、C24のそれぞれは、スナバキャパシタである。
以下の説明では、スイッチング素子M21、スイッチング素子M22、スイッチング素子M23、及び、スイッチング素子M24は、MOSトランジスタであるものとして説明する。
MOSトランジスタM21のソースは、MOSトランジスタM22のドレインに接続される。
MOSトランジスタM21のドレインは、MOSトランジスタM23のドレインに接続される。
MOSトランジスタM22のソースは、MOSトランジスタM24のソースに接続される。
MOSトランジスタM23のソースは、MOSトランジスタM24のドレインに接続される。
MOSトランジスタM21、MOSトランジスタM22、MOSトランジスタM23、及び、MOSトランジスタM24が上述のように接続されることにより、MOSトランジスタM21のソースとMOSトランジスタM23のソースを出力とするフルブリッジ回路21が構成される。
なお、MOSトランジスタM21のソースとMOSトランジスタM23のソースのそれぞれは、フルブリッジ回路21の出力である。また、MOSトランジスタM22のソースは、フルブリッジ回路21の基準電位である。
キャパシタC2は、フルブリッジ回路21に並列に設けられる。キャパシタC2が備える第1の端子はMOSトランジスタM22のソースに接続され、第2の端子はMOSトランジスタM21のドレインに接続される。
電圧源E2が備える低電位側となる第1の端子は、MOSトランジスタM22のソースに接続される。また、電圧源E2が備える高電位側となる第2の端子は、MOSトランジスタM21のドレインに接続される。
2次側巻線w2が備えるコイルの巻き始めとなる第1の端子は、MOSトランジスタM21のソースに接続される。また、2次側巻線w2が備えるコイルの巻き終わりとなる第2の端子は、MOSトランジスタM23のソースに接続される。なお、図1で示した2次側巻線w2における丸印は、コイルの巻き始めとなる第1の端子を示している。
なお、スイッチング素子M21及びダイオードD21をまとめてスイッチSW21と呼ぶ。また、スイッチング素子M22及びダイオードD22をまとめてスイッチSW22と呼ぶ。また、スイッチング素子M23及びダイオードD23をまとめてスイッチSW23と呼ぶ。また、スイッチング素子M24及びダイオードD24をまとめてスイッチSW24と呼ぶ。
フルブリッジ回路11が備えるMOSトランジスタM11、MOSトランジスタM12、MOSトランジスタM13、MOSトランジスタM14のそれぞれのゲートは、トランスTの1次側と2次側の変圧比に応じたPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力する制御回路(図示せず)に接続される。フルブリッジ回路11は、制御回路が出力するPWM信号に基づいてスイッチング動作を行う。具体的には、補助回路A1は、キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14と補助リアクトルLrとにより定まる共振周波数の共振タイミングで、ソフトスイッチングに必要な電流をキャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14のそれぞれに供給する。そして、フルブリッジ回路11は、PWM信号の立ち上がりまたは立ち下がりにおけるMOSトランジスタM11、MOSトランジスタM12、MOSトランジスタM13、MOSトランジスタM14のそれぞれのソース・ドレイン間電圧がゼロ、または、ドレイン電流がゼロとなる共振タイミングでスイッチング動作を行う。
こうすることで、補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく(すなわち、高効率で)、トランスTの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
次に、本実施形態による補助回路A1の構成について説明する。
本実施形態による補助回路A1は、図2に示すように、スイッチ回路31(第1の補助スイッチ回路)と、補助リアクトルLrと、を備える。
スイッチ回路31は、スイッチング素子Mr1、Mr2、ダイオードDr1、Dr2、Dg1、Dg2、及び、キャパシタCr1、Cr2を備える。
スイッチング素子Mr1及びスイッチング素子Mr2は、例えば、MOSトランジスタ、SiCパワーデバイス、IGBTなどのパワー半導体である。
ダイオードDr1は、スイッチング素子Mr1に並列に設けられる。ダイオードDr1は、スイッチング素子がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr1のボディダイオードである。ダイオードDr1のアノードは、MOSトランジスタMr1のソースに接続される。また、ダイオードDr1のカソードは、MOSトランジスタMr1のドレインに接続される。
ダイオードDr2は、スイッチング素子Mr2に並列に設けられる。ダイオードDr2は、スイッチング素子がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr2のボディダイオードである。ダイオードDr2のアノードは、MOSトランジスタMr2のソースに接続される。また、ダイオードDr2のカソードは、MOSトランジスタMr2のドレインに接続される。
ダイオードDg1のアノードは、スイッチング素子M12がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM12のソースに接続される。また、ダイオードDg1のカソードは、スイッチング素子Mr1がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr1のソースに接続される。ダイオードDg1は、自素子がオン状態である場合に、自素子のカソードが接続されるノードを基準電位に接続する。ダイオードDg1のカソードが接続されるノードの電位は、ダイオードDg1によりクランプされ、スイッチング素子Mr1における過電圧を防止することができる。
ダイオードDg2のアノードは、スイッチング素子M12がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタM12のソースに接続される。また、ダイオードDg2のカソードは、スイッチング素子Mr2がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr2のソースに接続される。ダイオードDg2は、自素子がオン状態である場合に、自素子のカソードが接続されるノードを基準電位に接続する。ダイオードDg2のカソードが接続されるノードの電位は、ダイオードDg2によりクランプされ、スイッチング素子Mr2における過電圧を防止することができる。
キャパシタCr1は、ダイオードDr1の浮遊容量である。
キャパシタCr2は、ダイオードDr2の浮遊容量である。
補助リアクトルLrが備えるコイルの巻き始めとなる第1の端子は、ダイオードDg1のカソードに接続される。また、補助リアクトルLrが備えるコイルの巻き終わりとなる第2の端子は、ダイオードDg2のカソードに接続される。なお、図2で示した補助リアクトルLrにおける丸印は、コイルの巻き始めとなる第1の端子を示している。
補助リアクトルLrのインダクタンスは、フルブリッジ回路11のスイッチング周波数と、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、及び、キャパシタC14)により共振周波数との関係により、リアクトルLのインダクタンスよりも小さい。
なお、スイッチング素子Mr1、ダイオードDr1、及び、キャパシタCr1をまとめてスイッチSWr1と呼ぶ。また、スイッチング素子Mr2、ダイオードDr2、及び、キャパシタCr2をまとめてスイッチSWr2と呼ぶ。
本実施形態による補助回路A1は、補助リアクトルLrからキャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、及び、キャパシタC14に電流を供給することで、スイッチSW11、スイッチSW12、スイッチSW13、及び、スイッチSW14のそれぞれのソフトスイッチングを可能にする。
次に、本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作について説明する。
ここでは、図3に示すモードMD1〜モードMD7のそれぞれの状態におけるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作を説明する。
なお、フルブリッジ回路11は、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)によりスイッチングしているものとする。
また、リアクトルLが備える第1の端子から第2の端子に向かってリアクトルL内を流れる電流をILとする。また、2次側巻線w2が備える第2の端子から第1の端子に2次側巻線w2を流れる電流をISとする。
また、MOSトランジスタM13のソースに対するMOSトランジスタM11のソースの電圧をVPとする。また、MOSトランジスタM23のソースに対するMOSトランジスタM21のソースの電圧をVSとする。
フルブリッジ回路11及びスイッチ回路31のそれぞれが備えるMOSトランジスタのゲートは、モードMD1〜モードMD7のそれぞれの状態において、図3に示すような制御信号が制御回路(図示せず)から入力されている。これにより、フルブリッジ回路11及びスイッチ回路31のそれぞれのスイッチングが制御されている。
補助回路A1は、スイッチ回路31のMOSトランジスタMr1とMOSトランジスタMr2が共にオフ状態である場合、機能しない。
補助回路A1は、スイッチ回路31のMOSトランジスタMr1及びMOSトランジスタMr2の何れか一方が制御回路からの制御信号によりオン状態である場合、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタに補助リアクトルLrから電流を供給し、フルブリッジ回路11のソフトスイッチングを可能にする。
1次側回路10において、電流IL>0のときに、スイッチSW11、SW13のそれぞれがオフ、スイッチSW12、SW14のそれぞれがオンの状態から、スイッチSW11、SW14のそれぞれがオン、スイッチSW12、SW13のそれぞれがオフの状態に変化すると、電圧VPがゼロボルトから電圧E1に遷移し、補助回路A1が動作する。
ここでは、常に電流IL>0、電圧VS>0であるものとして、本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作について以下でより詳しく説明する。
なお、スイッチSW11、SW12、SW13、SW14、SWr1、SWr2のそれぞれがオン状態である場合の抵抗は十分に小さく、ここではゼロであるものとする。また、ダイオードD11、D12、D13、D14、Dr1、Dr2、Dg1、Dg2のそれぞれは、理想ダイオードであるものとする。理想ダイオードは、印加される電圧がゼロのときに、電流が流れる状態(電流が正に流れる状態)と電流が流れない状態(電流が負に流れようとする状態)とをとり、印加される電圧が負であるときに、電流が流れない状態をとるダイオードである。
A1.モードMD1
図4に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD1の状態に対応する回路を示している。なお、図4に示すデュアルアクティブブリッジ回路1では、2次側回路20を省略している。図4に示すデュアルアクティブブリッジ回路1には、1次側回路10における主な電流が示されている。
モードMD1は、MOSトランジスタM11、M13、Mr1、Mr2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M14のそれぞれがオンの状態を示すモードである。モードMD1は、補助回路A1が動作する前の状態を示すモードである。
MOSトランジスタMr1がオフであるため、スイッチSWr1を流れる電流Ir1はゼロである。また、MOSトランジスタMr2がオフであるため、スイッチSWr2を流れる電流Ir2はゼロである。電流Ir1、Ir2のそれぞれがゼロである場合、ダイオードDg1に流れる電流IDg1はゼロであるため、ダイオードDg1に印加される電圧はゼロである。また、電流Ir1、Ir2のそれぞれがゼロである場合、ダイオードDg2に流れる電流IDg2はゼロであるため、ダイオードDg2に印加される電圧はゼロである。その結果、補助リアクトルLrに流れる電流ILrはゼロとなる。
また、常に電流IL>0であるため、モードMD1では、電流IL(>0)がスイッチSW12、リアクトルL、1次側巻線w1、スイッチSW14の順に流れる。なお、図4における電流IPは、スイッチSW11及びスイッチSW12からリアクトルL及びスイッチSWr1に流れる電流を示しており、モードMD1では、電流IPはILである。
A2.モードMD2
図5に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD2の状態に対応する回路を示している。
モードMD2は、MOSトランジスタM11、M12、M13、M14、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタMr2がオンの状態を示すモードであり、モードMD2の開始時であるスイッチSW14及びスイッチSW12がターンオフする時のスイッチSW14及びスイッチSW12のそれぞれの両端の電圧は0ボルトなので、ZVS(Zero Voltage Switching)を実現している。
モードMD1では、スイッチSW11の両端の電圧VSW11が電圧E1でありスイッチSW14の両端の電圧VSW14が0ボルトなので、電圧VPはゼロであり、かつ、補助回路A1には電流が流れていないため、デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD1からモードMD2に切り替わるとき、スイッチSWr2は、ZVS及びZCS(Zero Current Switching)動作を行う。したがって、補助回路A1において、スイッチSWr2がオン状態になっても損失は生じない。
デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD1からモードMD2に切り替わると、電流ILはキャパシタC14を充電し、スイッチSW14の両端の電圧VSW14が上昇し、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧はE1まで上昇する。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧の上昇に伴って、キャパシタC13は放電し、キャパシタC13に印加される電圧はE1からゼロに変化する。
また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧がE1まで上昇するとき、電圧VPはゼロから−E1に変化する。モードMD2では、ダイオードDr1がオン状態となるため、電流Ir2(>0)がスイッチSWr2のMOSトランジスタMr2、補助リアクトルLr、スイッチSWr1のダイオードDr1の順に流れる。なお、図5において電流ILrは、補助リアクトルLrが備える第1の端子から第2の端子に向かって補助リアクトルLr内を流れる電流である。デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD2の状態である場合、電流ILr=Ir1=−Ir2<0である。また、デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD2の状態である場合、電流IL=IP+ILr2(=IP−ILr)であり、補助リアクトルLrを流れる電流(−ILr)がリアクトルLに供給される。なお、電流Ir2>0であるため、電流IP<ILである。
ここで、電流ILは殆ど変化しないため、デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD2の状態である場合、電流IPはILから減少を始める。
キャパシタC13に印加される電圧がゼロとなり、キャパシタC14に印加される電圧がE1になると、スイッチSW14がターンオフで始まったモードMD2は完了する。
このとき、電圧VPは(−E1)となり、補助リアクトルLrは、電圧VP(=−E1)が印加された状態となる。そのため、電流ILrは、ILr<0の状態を保ったまま減少する(電流ILrの流れる向きは負の方向であり、電流ILrの絶対値は増大する)。
なお、このとき、電流IPがIP<0の状態(電流の流れる向きが逆向きの状態)になると、補助回路A1がうまく動作せず、後述するスイッチSW13がターンオンする時のZVSを行うことのできる条件を満足することができない。そのため、電流IPが負の状態とならず、モードMD2において電流IP≧0の状態が保たれるように、デュアルアクティブブリッジ回路1の動作を開始する段階での1次側回路10の負荷電流値に応じて、キャパシタC14の定数と補助リアクトルLrの定数と入力電圧E1の値を最適値に設定する必要がある。
A3.モードMD3
図6に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD3の状態における回路を示している。
モードMD3は、モードMD2のMOSトランジスタM11、M12、M13、M14、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタMr2がオンの状態を継続し、電流ILrがILr<0の状態を保ったまま更に減少する状態を示すモードである。
フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧がE1を超えると、ダイオードD13は電流を流し始める。ダイオードD13を流れる電流は、電圧源E1、ダイオードD12、リアクトルL、1次側巻線w1を介して補助リアクトルLrに流れ、電流ILrは、ILr<0の状態を保ったまま増大する。この状態は、電流IPがIP=0になるまで続く。
A4.モードMD4
図7に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD4の状態における回路を示している。
モードMD4は、モードMD3のMOSトランジスタM11、M12、M13、M14、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタMr2がオンの状態を継続し、電流IPがIP<0の状態を示すモードである。
電流IPがIP<0の状態では、電流ILrは、リアクトルL、キャパシタC12を流れる。キャパシタC12が充電されると、キャパシタC12に印加される電圧はゼロからE1に変化する。また、キャパシタC12に印加される電圧はゼロからE1に変化すると同時に、キャパシタC11は放電し、キャパシタC11に印加される電圧は、E1からゼロに変化する。すなわち、図3に示すように、スイッチSW11の両端の電圧VSW11は電圧E1から減少して0ボルトになる。
また、キャパシタC13は充電される。キャパシタC13が充電されると、キャパシタC13に印加される電圧はゼロからE1に変化する。このとき、ダイオードD13はオフ状態になる。また、キャパシタC13に印加される電圧はゼロからE1に変化すると同時に、キャパシタC14は放電し、キャパシタC14に印加される電圧は、E1からゼロに変化する。すなわち、図3で示すように、スイッチSW14の両端の電圧VSW14は電圧E1から減少して0ボルトになる。キャパシタC13の充電電流、キャパシタC14の放電電流、及び、電流ILは、MOSトランジスタMr2を介して補助リアクトルLrに流れ込む。
このとき、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr1のソースの電圧は、ゼロからE1に変化する。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr2のソースの電圧は、E1からゼロに変化する。これらのMOSトランジスタMr1のソースとMOSトランジスタMr2のソースの電圧変化により、モードMD4において、電圧VPは−E1からE1に変化し、補助リアクトルLrの両端に印加される電圧の極性が途中で反転する。そのため、電流ILrは、モードMD4において、ILr<0の状態を保ったまま減少する。この状態は、電流IPがIP=0になるまで続く。
A5.モードMD5
図8に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD5の状態における回路を示している。
モードMD5は、MOSトランジスタM12、M13、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM11、M14、Mr2のそれぞれがオンの状態を示すモードである。モードMD5の開始時のスイッチSW11の両端の電圧VSW11とスイッチSW14の両端の電圧VSW14は、図3に示すように、共に0ボルトである。よって、スイッチSW11、14がターンオンする時はZVSである。
電流IPがIP<0となりMOSトランジスタM11、M14のそれぞれがオフ状態からオン状態になると、電流IPがMOSトランジスタM11からリアクトルLに流れ込む。リアクトルLに流れる電流ILは、MOSトランジスタM14とMOSトランジスタMr2とを流れる。MOSトランジスタMr2を流れる電流Ir2は、補助リアクトルLrを流れ、ダイオードDr1を介してリアクトルLに流れ込む。電圧VPはVP=E1のままであるため、電流ILrは、モードMD5において、ILr<0の状態を保ったまま減少する。この状態は、電流ILrがILr=0になり、電流IPと電流ILが等しくなるまで続く。
A6.モードMD6
図9に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD6の状態における回路を示している。
モードMD6は、MOSトランジスタM12、M13、Mr1、Mr2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM11、M14のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
電流ILrがILr>0になると、ダイオードDr1はオフ状態になる。
MOSトランジスタMr2がオン状態からオフ状態になると、MOSトランジスタM11を流れる電流IPは、リアクトルLと、キャパシタCr1とを流れる。リアクトルLを流れる電流ILは、MOSトランジスタM14に流れ込む。また、キャパシタCr1を流れる電流Ir1は、補助リアクトルLrを流れ、ゼロからわずかに増加する。電流Ir1は、ダイオードDr2を介してMOSトランジスタM14に流れ込む。
このとき、キャパシタCr1は充電され、キャパシタCr1に印加される電圧は、ゼロからE1に変化する。フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr1のソースの電圧はE1からゼロに変化するため、補助リアクトルLrに印加される電圧はE1からゼロに変化する(図3の電圧VSWr1参照)。
A7.モードMD7
図10に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD7の状態における回路を示している。
モードMD7は、モードMD6のMOSトランジスタM12、M13、Mr1、Mr2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM11、M14のそれぞれがオンの状態を継続している。
フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr1のソースの電圧はE1からゼロに変化すると、ダイオードDg1は、オン状態になる。
MOSトランジスタM11を流れる電流IPは、リアクトルLを流れる。リアクトルLを流れる電流ILは、MOSトランジスタM14に流れ込む。MOSトランジスタM14に流れ込んだ電流は、ダイオードDg1を介して補助リアクトルLrに流れ込む。補助リアクトルLrを流れる電流ILrは、ダイオードDr2を介してMOSトランジスタM14に流れ込む。
このとき、ILr>0である電流ILrは、スイッチSWr1を流れずにダイオードDg1を流れる。
なお、本発明の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、トランスの変圧比に応じたデューティ比のPWM信号を制御信号として用いることにより1次側と2次側とで電源電圧の電圧比とトランスの変圧比とのバランスのとれた電圧変換を行うことができる。
また、本発明の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、共振周波数が高ければ高い程、共振周波数に影響するキャパシタのキャパシタンスが小さいことを示すため充放電電流が小さく、また、スイッチング時の電圧の立ち上がり及び立ち下がりが急峻となりスイッチング時間が短くなるため、スイッチング時の損失が低減され、電圧変換効率は向上する。ただし、実際のデュアルアクティブブリッジ回路1では、共振周波数が高くなるにつれて寄生素子などの影響が無視できなくなるため、デュアルアクティブブリッジ回路1の実装は難しくなり、電圧変換効率と実装とはトレードオフの関係にある。寄生素子などの影響により、最適な電圧変換効率を実現する共振周波数が存在する。実際のデュアルアクティブブリッジ回路1の設計では、シミュレーションや実装による実験などを行い回路定数を決定すればよい。
以上、本発明の第一の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1の処理について説明した。上述のデュアルアクティブブリッジ回路1において、フルブリッジ回路11(第1のフルブリッジ回路)は、トランスTの1次側に備えられ、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)に基づいてスイッチング動作を行う。補助回路A1は、フルブリッジ回路11の4つのMOSトランジスタM11、M12、M13、M14(スイッチング素子)のそれぞれに並列に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14)と、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルLrと、MOSトランジスタMr1、Mr2、ダイオードDg1、Dg2(第1の補助スイッチ回路)とを有し、フルブリッジ回路11の2つの出力端子とフルブリッジ回路11の基準電位とに接続される。キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14と補助リアクトルLrとにより定まる共振周波数の共振タイミングで、ソフトスイッチングに必要な電流をキャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14のそれぞれに供給する。
こうすることで、デュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態について説明する。
まず、本発明の第二の実施形態による補助回路を備えるデュアルアクティブブリッジ回路の構成について説明する。
本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、図1で示した、本発明の第一の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1と同様の構成である。
ただし、本実施形態による補助回路A1は、第一の実施形態による補助回路A1と異なる。
本実施形態による補助回路A1は、図11に示すように、スイッチ回路31と、補助リアクトルLrと、を備える。
スイッチ回路31は、スイッチング素子Mr1、Mr2、Mg1、Mg2、ダイオードDr1、Dr2、Dg1、Dg2、及び、キャパシタCr1、Cr2を備える。
スイッチング素子Mr1、Mr2、Mg1、Mg2のそれぞれは、例えば、MOSトランジスタ、SiCパワーデバイス、IGBTなどのパワー半導体である。
ダイオードDr1は、スイッチング素子Mr1に並列に設けられる。ダイオードDr1は、スイッチング素子Mr1を過電圧から保護する保護素子である。ダイオードDr1は、スイッチング素子がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr1のボディダイオードである。ダイオードDr1のアノードは、MOSトランジスタMr1のソースに接続される。また、ダイオードDr1のカソードは、MOSトランジスタMr1のドレインに接続される。
ダイオードDr2は、スイッチング素子Mr2に並列に設けられる。ダイオードDr2は、スイッチング素子Mr2を過電圧から保護する保護素子である。ダイオードDr2は、スイッチング素子がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr2のボディダイオードである。ダイオードDr2のアノードは、MOSトランジスタMr2のソースに接続される。また、ダイオードDr2のカソードは、MOSトランジスタMr2のドレインに接続される。
ダイオードDg1は、スイッチング素子Mg1に並列に設けられる。ダイオードDg1は、スイッチング素子Mg1を過電圧から保護する保護素子である。ダイオードDg1は、スイッチング素子がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMg1のボディダイオードである。ダイオードDg1のアノードは、MOSトランジスタMg1のソースに接続される。また、ダイオードDg1のカソードは、MOSトランジスタMg1のドレインに接続される。
ダイオードDg2は、スイッチング素子Mg2に並列に設けられる。ダイオードDg2は、スイッチング素子Mg2を過電圧から保護する保護素子である。ダイオードDg2は、スイッチング素子がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMg2のボディダイオードである。ダイオードDg2のアノードは、MOSトランジスタMg2のソースに接続される。また、ダイオードDg2のカソードは、MOSトランジスタMg2のドレインに接続される。
スイッチング素子Mg1、M12がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMg1のソースは、MOSトランジスタM12のソースに接続される。また、MOSトランジスタMg1のドレインは、スイッチング素子Mr1がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr1のソースに接続される。ダイオードDg1は、自素子がオン状態である場合に、自素子のカソードが接続されるノードを基準電位に接続する。ダイオードDg1のカソードが接続されるノードの電位は、ダイオードDg1によりクランプされ、スイッチング素子Mr1における過電圧を防止することができる。
スイッチング素子Mg2、M12がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMg2のソースは、MOSトランジスタM12のソースに接続される。また、MOSトランジスタMg2のドレインは、スイッチング素子Mr2がMOSトランジスタである場合には、MOSトランジスタMr2のソースに接続される。ダイオードDg2は、自素子がオン状態である場合に、自素子のカソードが接続されるノードを基準電位に接続する。ダイオードDg2のカソードが接続されるノードの電位は、ダイオードDg2によりクランプされ、スイッチング素子Mr2における過電圧を防止することができる。
キャパシタCr1は、ダイオードDr1の浮遊容量である。
キャパシタCr2は、ダイオードDr2の浮遊容量である。
スイッチSWr1、SWr2、SWg1、SWg2は、フルブリッジ回路(第2のフルブリッジ回路)を構成している。
補助リアクトルLrが備えるコイルの巻き始めとなる第1の端子は、ダイオードDg1のカソードに接続される。また、補助リアクトルLrが備えるコイルの巻き終わりとなる第2の端子は、ダイオードDg2のカソードに接続される。
補助リアクトルLrのインダクタンスは、フルブリッジ回路11のスイッチング周波数と、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、及び、キャパシタC14)により共振周波数との関係により、リアクトルLのインダクタンスよりも小さい。
次に、本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作について説明する。
ここでは、図12に示すモードMD11〜モードMD14のそれぞれの状態におけるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作を説明する。
なお、フルブリッジ回路11は、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)によりスイッチングしているものとする。
また、リアクトルLが備える第1の端子から第2の端子に向かってリアクトルL内を流れる電流をILとする。また、2次側巻線w2が備える第2の端子から第1の端子に2次側巻線w2を流れる電流をISとする。
また、MOSトランジスタM13のソースに対するMOSトランジスタM11のソースの電圧をVPとする。また、MOSトランジスタM23のソースに対するMOSトランジスタM21のソースの電圧をVSとする。
フルブリッジ回路11及びスイッチ回路31のそれぞれが備えるMOSトランジスタのゲートは、モードMD11〜モードMD14のそれぞれの状態において、図12に示すような制御信号が制御回路(図示せず)から入力されている。これにより、フルブリッジ回路11及びスイッチ回路31のそれぞれのスイッチングが制御されている。
補助回路A1は、スイッチ回路31のMOSトランジスタMr1とMOSトランジスタMr2が共にオフ状態である場合、機能しない。
補助回路A1は、スイッチ回路31のMOSトランジスタMr1及びMOSトランジスタMr2の何れか一方が制御回路からの制御信号によりオン状態である場合、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタに補助リアクトルLrから電流を供給し、フルブリッジ回路11のソフトスイッチングを可能にする。
なお、スイッチング素子Mg1、及び、ダイオードDg1をまとめてスイッチSWg1と呼ぶ。また、スイッチング素子Mg2、及び、ダイオードDg2をまとめてスイッチSWg2と呼ぶ。
第二の実施形態による補助回路A1は、スイッチSWr1、SWr2の浮遊容量の充電時に生じる電流が補助リアクトルLrに流れるのを防ぐスイッチSWg1、SWg2を備える。補助リアクトルLrへ電流が流れようとしたときにスイッチSWg1またはスイッチSWg2を適切にオン状態にすることで、スイッチSWr1、SWr2の浮遊容量の充電電流は、スイッチSWg1またはスイッチSWg2を流れるため、補助リアクトルLrにおける導通損を低減することができる。具体的には、電流ILがIL<0であり電圧VPが−E1からE1に遷移する場合、または、電流ILがIL<0であり電圧VPがゼロからE1に遷移する場合には、スイッチSWg1をオン状態にする。また、電流ILがIL>0であり電圧VPがE1から−E1に遷移する場合、または、電流ILがIL>0であり電圧VPがゼロから−E1に遷移する場合には、スイッチSWg2をオン状態にする。
ここでは、電流ILがIL>0であり電圧VPがゼロから−E1に遷移する場合の補助回路A1の動作について説明する。
B1.モードMD11
図13に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD11の状態に対応する回路を示している。なお、図13に示すデュアルアクティブブリッジ回路1では、2次側回路20を省略している。図13に示すデュアルアクティブブリッジ回路1には、1次側回路10における主な電流が示されている。
モードMD11は、MOSトランジスタM11、M13、Mr1、Mr2、Mg1、Mg2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M14のそれぞれがオンの状態を示すモードである。モードMD11は、補助回路A1が動作する前の状態を示すモードである。
MOSトランジスタMr1がオフであるため、スイッチSWr1を流れる電流Ir1はゼロである。また、MOSトランジスタMr2がオフであるため、スイッチSWr2を流れる電流Ir2はゼロである。電流Ir1、Ir2のそれぞれがゼロである場合、ダイオードDg1に流れる電流IDg1はゼロであるため、ダイオードDg1に印加される電圧はゼロである。また、電流Ir1、Ir2のそれぞれがゼロである場合、ダイオードDg2に流れる電流IDg2はゼロであるため、ダイオードDg2に印加される電圧はゼロである。その結果、補助リアクトルLrに流れる電流ILrはゼロとなる。
また、電流IL>0であるため、モードMD11では、電流IL(>0)がスイッチSW12、リアクトルL、1次側巻線w1、スイッチSW14の順に流れる。なお、図13における電流IPは、スイッチSW11及びスイッチSW12からリアクトルL及びスイッチSWr1に流れる電流を示しており、モードMD11では、電流IPはILである。
B2.モードMD12
図14に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD12の状態に対応する回路を示している。
モードMD12は、MOSトランジスタM11、M13、Mr1、Mr2、Mg1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M14、Mg2のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
モードMD12では、電圧VPはゼロであり、かつ、補助回路A1には電流が流れていないときに、MOSトランジスタMg2をオン状態にする。デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD11からモードMD12に切り替わるとき、スイッチSWg2は、電流を流しておらず、ZCS動作を行う。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr1のソースの電圧はゼロである。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr2のソースの電圧はゼロである。したがって、補助回路A1において、スイッチSWg2がオン状態になっても損失は生じない。
B3.モードMD13
図15に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD13の状態に対応する回路を示している。
モードMD13は、MOSトランジスタM11、M13、M14、Mr1、Mr2、Mg1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、Mg2のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD12からモードMD13に切り替わると、MOSトランジスタM14がオン状態からオフ状態になり、MOSトランジスタM14には電流が流れなくなる。
MOSトランジスタM12を流れる電流は、リアクトルLに流れ込む。電流ILは、キャパシタC14を充電し、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧はE1まで上昇する。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧の上昇に伴って、キャパシタC13は放電し、キャパシタC13に印加される電圧はE1からゼロに変化する。
また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧がE1まで上昇するとき、電圧VPはゼロから−E1に変化する。また、電流ILは、キャパシタCr2を充電し、キャパシタCr2に印加される電圧はゼロからE1に変化する。キャパシタCr2を充電した電流Ir2は、MOSトランジスタMg2を流れる。
したがって、スイッチSW14がターンオフする時に、ダイオードDr2の浮遊容量であるキャパシタCr2を充電する電流は、MOSトランジスタMg2に流れ、補助リアクトルLrには流れない。そのため、デュアルアクティブブリッジ回路1において、スイッチSW14がターンオフする時のZVSにより、損失は低減する。
B4.モードMD14
図16に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD14の状態に対応する回路を示している。
モードMD14は、MOSトランジスタM11、M14、Mr1、Mr2、Mg1、Mg2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M13のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
キャパシタC13に印加される電圧がゼロになるとドMD14に切り替わると、MOSトランジスタM13をオフ状態からオン状態にする。
MOSトランジスタM12を流れる電流は、リアクトルLに流れ込む。電流ILは、MOSトランジスタM13を流れる。
したがって、スイッチSW13がターンオンする時に、MOSトランジスタM13に印加される電圧はゼロである。そのため、デュアルアクティブブリッジ回路1において、スイッチSW13がターンオンする時のZVSにより、損失は低減する。
以上、本発明の第二の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1の処理について説明した。上述のデュアルアクティブブリッジ回路1において、フルブリッジ回路11(第1のフルブリッジ回路)は、トランスTの1次側に備えられ、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)に基づいてスイッチング動作を行う。フルブリッジ回路11の4つのMOSトランジスタM11、M12、M13、M14(スイッチング素子)のそれぞれに並列に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14)と、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルLrと、MOSトランジスタMr1、Mr2、ダイオードDg1、Dg2(第1の補助スイッチ回路)とを有し、フルブリッジ回路11の2つの出力端子とフルブリッジ回路11の基準電位とに接続される。トランスTの1次側のフルブリッジ回路11に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14)キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14と補助リアクトルLrとにより定まる共振周波数の共振タイミングで、ソフトスイッチングに必要な電流をキャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14のそれぞれに供給する。
こうすることで、デュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
なお、本発明の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1では、周期Tにおいて、図17に示すようなタイミングのPWM信号により各スイッチング素子がスイッチングしている。
本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1と、従来のデュアルアクティブブリッジ回路のそれぞれにおけるシミュレーション結果は、図18に示すような波形である。
補助回路を備えない従来のデュアルアクティブブリッジ回路における電圧VPでは、図18(b)の破線の丸印で示されるように、瞬間的に発生する過電圧が見られる。それに対して、本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1における電圧VPでは、図18(a)に示すように、従来のデュアルアクティブブリッジ回路における電圧VPのような瞬間的に発生する過電圧は見られない。
これは、本実施形態による補助回路A1における電流ILrが、スイッチング素子に並列に接続されるスナバキャパシタを充電し、スナバキャパシタの急激な充放電を防止しているためである。
なお、従来のデュアルアクティブブリッジ回路におけるリアクトルLに流れる電流ILと、本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1におけるリアクトルLに流れる電流ILは、ほぼ同一である。また、従来のデュアルアクティブブリッジ回路における電圧VSと本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1における電圧VSは、ほぼ同一である。
<第三の実施形態>
本発明の第三の実施形態について説明する。
本発明の第三の実施形態による補助回路を備えるデュアルアクティブブリッジ回路の構成について説明する。
本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、図19に示すように、1次側回路10が補助回路A1を備え、2次側回路20が補助回路A2(第2の補助回路)を備える。
なお、補助回路A2は、例えば、図2で示した第一の実施形態による補助回路A1、図11で示した第二の実施形態による補助回路A1などと同様の構成である。
以上、本発明の第三の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1の処理について説明した。上述のデュアルアクティブブリッジ回路1の1次側回路10において、フルブリッジ回路11(第1のフルブリッジ回路)は、トランスTの1次側に備えられ、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)に基づいてスイッチング動作を行う。フルブリッジ回路11の4つのMOSトランジスタM11、M12、M13、M14(スイッチング素子)のそれぞれに並列に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14)と、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルLrと、MOSトランジスタMr1、Mr2、ダイオードDg1、Dg2(第1の補助スイッチ回路)とを有し、フルブリッジ回路11の2つの出力端子とフルブリッジ回路11の基準電位とに接続される。キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14と補助リアクトルLrとにより定まる共振周波数の共振タイミングで、ソフトスイッチングに必要な電流をキャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14のそれぞれに供給する。また、上述のデュアルアクティブブリッジ回路1の2次側回路20において、フルブリッジ回路21(第3のフルブリッジ回路)は、トランスTの2次側に備えられ、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)に基づいてスイッチング動作を行う。フルブリッジ回路21の4つのMOSトランジスタM21、M22、M23、M24(スイッチング素子)のそれぞれに並列に設けられたキャパシタ(キャパシタC21、キャパシタC22、キャパシタC23、キャパシタC24)と、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルと、2つのMOSトランジスタ、2つのダイオード(第2の補助スイッチ回路)とを有し、フルブリッジ回路21の2つの出力端子とフルブリッジ回路21の基準電位とに接続される。キャパシタC21、キャパシタC22、キャパシタC23、キャパシタC24と補助リアクトルとにより定まる共振周波数の共振タイミングで、ソフトスイッチングに必要な電流をキャパシタC21、キャパシタC22、キャパシタC23、キャパシタC24のそれぞれに供給する。
こうすることで、デュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を双方向に行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
なお、本発明の実施形態について説明したが、上述のデュアルアクティブブリッジ回路1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。
1・・・デュアルアクティブブリッジ回路
10・・・1次側回路
11、21・・・フルブリッジ回路
20・・・2次側回路
31・・・スイッチ回路(第1の補助スイッチ回路)
A1・・・第1の補助回路
A2・・・第2の補助回路
C1、C2、C11、C12、C13、C14、C21、C22、C23、C24・・・キャパシタ
D11、D12、D13、D14、D21、D22、D23、D24、Dr1、Dr2、Dg1、Dg2・・・ダイオード
E1、E2・・・電圧源
L・・・リアクトル
w1・・・1次側巻線
w2・・・2次側巻線
Lr・・・補助リアクトル
M11、M12、M13、M14、M21、M22、M23、M24、Mr1、Mr2、Mr1、Mr2、Mg1、Mg2・・・スイッチング素子
SW11、SW12、SW13、SW14、SW21、SW22、SW23、SW24、SWr1、SWr2・・・スイッチ
T・・・トランス

Claims (5)

  1. トランスの1次側に接続された1次側回路と、前記トランスの2次側に接続された2次側回路とを備えるデュアルアクティブブリッジ回路であって、
    前記1次側回路に備えられ、PWM信号に基づいてスイッチング動作を行う4つのスイッチング素子を有する第1のフルブリッジ回路と、
    前記第1のフルブリッジ回路の前記4つのスイッチング素子のそれぞれに並列に設けられたキャパシタと、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルと、第1の補助スイッチ回路を有し、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子と前記第1のフルブリッジ回路の基準電位とに接続された第1の補助回路と、
    を備えるデュアルアクティブブリッジ回路。
  2. 前記第1の補助スイッチ回路は、
    前記基準電位に接続される2つのスイッチング素子と、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子のうちの一方に接続されるスイッチング素子と、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子のうちの他方に接続されるスイッチング素子とを有する第2のフルブリッジ回路であり、
    前記第1の補助回路は、
    当該第1の補助スイッチ回路と、
    前記第2のフルブリッジ回路の2つの出力端子間に設けられた補助リアクトルと、
    を備える請求項1に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。
  3. 前記第1の補助スイッチ回路は、前記第2のフルブリッジ回路における前記基準電位に接続される2つのスイッチング素子の代わりに、アノードが前記基準電位に接続された2つのダイオードを有し、
    前記補助リアクトルの2端子のうちの一方は、前記2つのダイオードのうちの1つのカソードに接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの他方は、前記2つのダイオードのうちの別の1つのカソードに接続される、
    請求項2に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。
  4. 前記第1の補助スイッチ回路は、前記第2のフルブリッジ回路における前記基準電位に接続されるボディダイオード付きの2つのスイッチング素子を有し、
    当該ボディダイオードのアノードは前記基準電位に接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの一方は、前記ボディダイオード付きの2つのスイッチング素子のうちの1つの前記ボディダイオードのカソードに接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの他方は、前記ボディダイオード付きの2つのスイッチング素子のうちの別の1つの前記ボディダイオードのカソードに接続される、
    請求項2に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。
  5. 前記2次側回路に備えられ、PWM信号に基づいてスイッチング動作を行う4つのスイッチング素子を有する第3のフルブリッジ回路と、
    前記第3のフルブリッジ回路の前記4つのスイッチング素子のそれぞれに並列に設けられたキャパシタと、当該キャパシタと共振回路を構成する第2の補助リアクトルと、第2の補助スイッチ回路を有し、前記第3のフルブリッジ回路の基準電位とに接続された第2の補助回路と、
    を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。
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