JP2017060346A - デュアルアクティブブリッジ回路 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、関連する技術として、フルブリッジインバータ回路のスナバコンデンサに接続され該コンデンサの充電電圧を電源に回生する回生回路を用いた双方向コンバータが記載されている。
以下、図面を参照しながら本発明の第一の実施形態について説明する。
まず、本発明の第一の実施形態による第1の補助回路を備えるデュアルアクティブブリッジ回路の構成について説明する。
本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、図1に示すように、1次側回路10と、2次側回路20と、を備える。なお、ここでは、1次側回路10がトランスTの1次側巻線w1を含み、2次側回路20がトランスTの2次側巻線w2を含むものとしている。
なお、キャパシタC11、C12、C13、C14のそれぞれは、スナバキャパシタである。
MOSトランジスタM11のドレインは、MOSトランジスタM13のドレインに接続される。
MOSトランジスタM12のソースは、MOSトランジスタM14のソースに接続される。
MOSトランジスタM13のソースは、MOSトランジスタM14のドレインに接続される。
MOSトランジスタM11、MOSトランジスタM12、MOSトランジスタM13、及び、MOSトランジスタM14が上述のように接続されることにより、MOSトランジスタM11のソースとMOSトランジスタM13のソースを出力とするフルブリッジ回路11が構成される。
なお、MOSトランジスタM11のソースとMOSトランジスタM13のソースのそれぞれは、フルブリッジ回路11の出力である。また、MOSトランジスタM12のソースは、フルブリッジ回路11の基準電位である。
1次側巻線w1が備えるコイルの巻き終わりとなる第2の端子は、MOSトランジスタM13のソースに接続される。
補助回路A1は、トランスTの1次側のフルブリッジ回路11に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、キャパシタC14)と補助リアクトルLrとにより共振周波数が定まり、当該キャパシタにソフトスイッチングに必要な電流を供給する。
なお、キャパシタC21、C22、C23、C24のそれぞれは、スナバキャパシタである。
MOSトランジスタM21のドレインは、MOSトランジスタM23のドレインに接続される。
MOSトランジスタM22のソースは、MOSトランジスタM24のソースに接続される。
MOSトランジスタM23のソースは、MOSトランジスタM24のドレインに接続される。
MOSトランジスタM21、MOSトランジスタM22、MOSトランジスタM23、及び、MOSトランジスタM24が上述のように接続されることにより、MOSトランジスタM21のソースとMOSトランジスタM23のソースを出力とするフルブリッジ回路21が構成される。
なお、MOSトランジスタM21のソースとMOSトランジスタM23のソースのそれぞれは、フルブリッジ回路21の出力である。また、MOSトランジスタM22のソースは、フルブリッジ回路21の基準電位である。
こうすることで、補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく(すなわち、高効率で)、トランスTの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
本実施形態による補助回路A1は、図2に示すように、スイッチ回路31(第1の補助スイッチ回路)と、補助リアクトルLrと、を備える。
キャパシタCr2は、ダイオードDr2の浮遊容量である。
補助リアクトルLrのインダクタンスは、フルブリッジ回路11のスイッチング周波数と、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、及び、キャパシタC14)により共振周波数との関係により、リアクトルLのインダクタンスよりも小さい。
ここでは、図3に示すモードMD1〜モードMD7のそれぞれの状態におけるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作を説明する。
なお、フルブリッジ回路11は、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)によりスイッチングしているものとする。
また、リアクトルLが備える第1の端子から第2の端子に向かってリアクトルL内を流れる電流をILとする。また、2次側巻線w2が備える第2の端子から第1の端子に2次側巻線w2を流れる電流をISとする。
また、MOSトランジスタM13のソースに対するMOSトランジスタM11のソースの電圧をVPとする。また、MOSトランジスタM23のソースに対するMOSトランジスタM21のソースの電圧をVSとする。
補助回路A1は、スイッチ回路31のMOSトランジスタMr1及びMOSトランジスタMr2の何れか一方が制御回路からの制御信号によりオン状態である場合、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタに補助リアクトルLrから電流を供給し、フルブリッジ回路11のソフトスイッチングを可能にする。
ここでは、常に電流IL>0、電圧VS>0であるものとして、本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作について以下でより詳しく説明する。
なお、スイッチSW11、SW12、SW13、SW14、SWr1、SWr2のそれぞれがオン状態である場合の抵抗は十分に小さく、ここではゼロであるものとする。また、ダイオードD11、D12、D13、D14、Dr1、Dr2、Dg1、Dg2のそれぞれは、理想ダイオードであるものとする。理想ダイオードは、印加される電圧がゼロのときに、電流が流れる状態(電流が正に流れる状態)と電流が流れない状態(電流が負に流れようとする状態)とをとり、印加される電圧が負であるときに、電流が流れない状態をとるダイオードである。
図4に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD1の状態に対応する回路を示している。なお、図4に示すデュアルアクティブブリッジ回路1では、2次側回路20を省略している。図4に示すデュアルアクティブブリッジ回路1には、1次側回路10における主な電流が示されている。
モードMD1は、MOSトランジスタM11、M13、Mr1、Mr2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M14のそれぞれがオンの状態を示すモードである。モードMD1は、補助回路A1が動作する前の状態を示すモードである。
また、常に電流IL>0であるため、モードMD1では、電流IL(>0)がスイッチSW12、リアクトルL、1次側巻線w1、スイッチSW14の順に流れる。なお、図4における電流IPは、スイッチSW11及びスイッチSW12からリアクトルL及びスイッチSWr1に流れる電流を示しており、モードMD1では、電流IPはILである。
図5に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD2の状態に対応する回路を示している。
モードMD2は、MOSトランジスタM11、M12、M13、M14、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタMr2がオンの状態を示すモードであり、モードMD2の開始時であるスイッチSW14及びスイッチSW12がターンオフする時のスイッチSW14及びスイッチSW12のそれぞれの両端の電圧は0ボルトなので、ZVS(Zero Voltage Switching)を実現している。
デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD1からモードMD2に切り替わると、電流ILはキャパシタC14を充電し、スイッチSW14の両端の電圧VSW14が上昇し、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧はE1まで上昇する。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧の上昇に伴って、キャパシタC13は放電し、キャパシタC13に印加される電圧はE1からゼロに変化する。
また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧がE1まで上昇するとき、電圧VPはゼロから−E1に変化する。モードMD2では、ダイオードDr1がオン状態となるため、電流Ir2(>0)がスイッチSWr2のMOSトランジスタMr2、補助リアクトルLr、スイッチSWr1のダイオードDr1の順に流れる。なお、図5において電流ILrは、補助リアクトルLrが備える第1の端子から第2の端子に向かって補助リアクトルLr内を流れる電流である。デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD2の状態である場合、電流ILr=Ir1=−Ir2<0である。また、デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD2の状態である場合、電流IL=IP+ILr2(=IP−ILr)であり、補助リアクトルLrを流れる電流(−ILr)がリアクトルLに供給される。なお、電流Ir2>0であるため、電流IP<ILである。
ここで、電流ILは殆ど変化しないため、デュアルアクティブブリッジ回路1がモードMD2の状態である場合、電流IPはILから減少を始める。
キャパシタC13に印加される電圧がゼロとなり、キャパシタC14に印加される電圧がE1になると、スイッチSW14がターンオフで始まったモードMD2は完了する。
このとき、電圧VPは(−E1)となり、補助リアクトルLrは、電圧VP(=−E1)が印加された状態となる。そのため、電流ILrは、ILr<0の状態を保ったまま減少する(電流ILrの流れる向きは負の方向であり、電流ILrの絶対値は増大する)。
なお、このとき、電流IPがIP<0の状態(電流の流れる向きが逆向きの状態)になると、補助回路A1がうまく動作せず、後述するスイッチSW13がターンオンする時のZVSを行うことのできる条件を満足することができない。そのため、電流IPが負の状態とならず、モードMD2において電流IP≧0の状態が保たれるように、デュアルアクティブブリッジ回路1の動作を開始する段階での1次側回路10の負荷電流値に応じて、キャパシタC14の定数と補助リアクトルLrの定数と入力電圧E1の値を最適値に設定する必要がある。
図6に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD3の状態における回路を示している。
モードMD3は、モードMD2のMOSトランジスタM11、M12、M13、M14、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタMr2がオンの状態を継続し、電流ILrがILr<0の状態を保ったまま更に減少する状態を示すモードである。
図7に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD4の状態における回路を示している。
モードMD4は、モードMD3のMOSトランジスタM11、M12、M13、M14、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタMr2がオンの状態を継続し、電流IPがIP<0の状態を示すモードである。
また、キャパシタC13は充電される。キャパシタC13が充電されると、キャパシタC13に印加される電圧はゼロからE1に変化する。このとき、ダイオードD13はオフ状態になる。また、キャパシタC13に印加される電圧はゼロからE1に変化すると同時に、キャパシタC14は放電し、キャパシタC14に印加される電圧は、E1からゼロに変化する。すなわち、図3で示すように、スイッチSW14の両端の電圧VSW14は電圧E1から減少して0ボルトになる。キャパシタC13の充電電流、キャパシタC14の放電電流、及び、電流ILは、MOSトランジスタMr2を介して補助リアクトルLrに流れ込む。
このとき、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr1のソースの電圧は、ゼロからE1に変化する。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr2のソースの電圧は、E1からゼロに変化する。これらのMOSトランジスタMr1のソースとMOSトランジスタMr2のソースの電圧変化により、モードMD4において、電圧VPは−E1からE1に変化し、補助リアクトルLrの両端に印加される電圧の極性が途中で反転する。そのため、電流ILrは、モードMD4において、ILr<0の状態を保ったまま減少する。この状態は、電流IPがIP=0になるまで続く。
図8に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD5の状態における回路を示している。
モードMD5は、MOSトランジスタM12、M13、Mr1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM11、M14、Mr2のそれぞれがオンの状態を示すモードである。モードMD5の開始時のスイッチSW11の両端の電圧VSW11とスイッチSW14の両端の電圧VSW14は、図3に示すように、共に0ボルトである。よって、スイッチSW11、14がターンオンする時はZVSである。
図9に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD6の状態における回路を示している。
モードMD6は、MOSトランジスタM12、M13、Mr1、Mr2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM11、M14のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
MOSトランジスタMr2がオン状態からオフ状態になると、MOSトランジスタM11を流れる電流IPは、リアクトルLと、キャパシタCr1とを流れる。リアクトルLを流れる電流ILは、MOSトランジスタM14に流れ込む。また、キャパシタCr1を流れる電流Ir1は、補助リアクトルLrを流れ、ゼロからわずかに増加する。電流Ir1は、ダイオードDr2を介してMOSトランジスタM14に流れ込む。
このとき、キャパシタCr1は充電され、キャパシタCr1に印加される電圧は、ゼロからE1に変化する。フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタMr1のソースの電圧はE1からゼロに変化するため、補助リアクトルLrに印加される電圧はE1からゼロに変化する(図3の電圧VSWr1参照)。
図10に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図3で示したモードMD7の状態における回路を示している。
モードMD7は、モードMD6のMOSトランジスタM12、M13、Mr1、Mr2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM11、M14のそれぞれがオンの状態を継続している。
MOSトランジスタM11を流れる電流IPは、リアクトルLを流れる。リアクトルLを流れる電流ILは、MOSトランジスタM14に流れ込む。MOSトランジスタM14に流れ込んだ電流は、ダイオードDg1を介して補助リアクトルLrに流れ込む。補助リアクトルLrを流れる電流ILrは、ダイオードDr2を介してMOSトランジスタM14に流れ込む。
このとき、ILr>0である電流ILrは、スイッチSWr1を流れずにダイオードDg1を流れる。
また、本発明の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、共振周波数が高ければ高い程、共振周波数に影響するキャパシタのキャパシタンスが小さいことを示すため充放電電流が小さく、また、スイッチング時の電圧の立ち上がり及び立ち下がりが急峻となりスイッチング時間が短くなるため、スイッチング時の損失が低減され、電圧変換効率は向上する。ただし、実際のデュアルアクティブブリッジ回路1では、共振周波数が高くなるにつれて寄生素子などの影響が無視できなくなるため、デュアルアクティブブリッジ回路1の実装は難しくなり、電圧変換効率と実装とはトレードオフの関係にある。寄生素子などの影響により、最適な電圧変換効率を実現する共振周波数が存在する。実際のデュアルアクティブブリッジ回路1の設計では、シミュレーションや実装による実験などを行い回路定数を決定すればよい。
こうすることで、デュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
本発明の第二の実施形態について説明する。
まず、本発明の第二の実施形態による補助回路を備えるデュアルアクティブブリッジ回路の構成について説明する。
本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、図1で示した、本発明の第一の実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1と同様の構成である。
ただし、本実施形態による補助回路A1は、第一の実施形態による補助回路A1と異なる。
キャパシタCr2は、ダイオードDr2の浮遊容量である。
補助リアクトルLrのインダクタンスは、フルブリッジ回路11のスイッチング周波数と、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタ(キャパシタC11、キャパシタC12、キャパシタC13、及び、キャパシタC14)により共振周波数との関係により、リアクトルLのインダクタンスよりも小さい。
ここでは、図12に示すモードMD11〜モードMD14のそれぞれの状態におけるデュアルアクティブブリッジ回路1の動作を説明する。
なお、フルブリッジ回路11は、電圧源E1と電圧源E2の比と1次側巻線w1と2次側巻線w2の比のずれを補正するデューティ比の制御信号(PWM信号)によりスイッチングしているものとする。
また、リアクトルLが備える第1の端子から第2の端子に向かってリアクトルL内を流れる電流をILとする。また、2次側巻線w2が備える第2の端子から第1の端子に2次側巻線w2を流れる電流をISとする。
また、MOSトランジスタM13のソースに対するMOSトランジスタM11のソースの電圧をVPとする。また、MOSトランジスタM23のソースに対するMOSトランジスタM21のソースの電圧をVSとする。
補助回路A1は、スイッチ回路31のMOSトランジスタMr1及びMOSトランジスタMr2の何れか一方が制御回路からの制御信号によりオン状態である場合、フルブリッジ回路11に設けられたキャパシタに補助リアクトルLrから電流を供給し、フルブリッジ回路11のソフトスイッチングを可能にする。
ここでは、電流ILがIL>0であり電圧VPがゼロから−E1に遷移する場合の補助回路A1の動作について説明する。
図13に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD11の状態に対応する回路を示している。なお、図13に示すデュアルアクティブブリッジ回路1では、2次側回路20を省略している。図13に示すデュアルアクティブブリッジ回路1には、1次側回路10における主な電流が示されている。
モードMD11は、MOSトランジスタM11、M13、Mr1、Mr2、Mg1、Mg2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M14のそれぞれがオンの状態を示すモードである。モードMD11は、補助回路A1が動作する前の状態を示すモードである。
また、電流IL>0であるため、モードMD11では、電流IL(>0)がスイッチSW12、リアクトルL、1次側巻線w1、スイッチSW14の順に流れる。なお、図13における電流IPは、スイッチSW11及びスイッチSW12からリアクトルL及びスイッチSWr1に流れる電流を示しており、モードMD11では、電流IPはILである。
図14に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD12の状態に対応する回路を示している。
モードMD12は、MOSトランジスタM11、M13、Mr1、Mr2、Mg1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M14、Mg2のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
図15に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD13の状態に対応する回路を示している。
モードMD13は、MOSトランジスタM11、M13、M14、Mr1、Mr2、Mg1のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、Mg2のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
MOSトランジスタM12を流れる電流は、リアクトルLに流れ込む。電流ILは、キャパシタC14を充電し、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧はE1まで上昇する。また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧の上昇に伴って、キャパシタC13は放電し、キャパシタC13に印加される電圧はE1からゼロに変化する。
また、フルブリッジ回路11の基準電位に対するMOSトランジスタM13のソースの電圧がE1まで上昇するとき、電圧VPはゼロから−E1に変化する。また、電流ILは、キャパシタCr2を充電し、キャパシタCr2に印加される電圧はゼロからE1に変化する。キャパシタCr2を充電した電流Ir2は、MOSトランジスタMg2を流れる。
したがって、スイッチSW14がターンオフする時に、ダイオードDr2の浮遊容量であるキャパシタCr2を充電する電流は、MOSトランジスタMg2に流れ、補助リアクトルLrには流れない。そのため、デュアルアクティブブリッジ回路1において、スイッチSW14がターンオフする時のZVSにより、損失は低減する。
図16に示すデュアルアクティブブリッジ回路1は、図12で示したモードMD14の状態に対応する回路を示している。
モードMD14は、MOSトランジスタM11、M14、Mr1、Mr2、Mg1、Mg2のそれぞれがオフ、MOSトランジスタM12、M13のそれぞれがオンの状態を示すモードである。
MOSトランジスタM12を流れる電流は、リアクトルLに流れ込む。電流ILは、MOSトランジスタM13を流れる。
したがって、スイッチSW13がターンオンする時に、MOSトランジスタM13に印加される電圧はゼロである。そのため、デュアルアクティブブリッジ回路1において、スイッチSW13がターンオンする時のZVSにより、損失は低減する。
こうすることで、デュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
補助回路を備えない従来のデュアルアクティブブリッジ回路における電圧VPでは、図18(b)の破線の丸印で示されるように、瞬間的に発生する過電圧が見られる。それに対して、本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1における電圧VPでは、図18(a)に示すように、従来のデュアルアクティブブリッジ回路における電圧VPのような瞬間的に発生する過電圧は見られない。
これは、本実施形態による補助回路A1における電流ILrが、スイッチング素子に並列に接続されるスナバキャパシタを充電し、スナバキャパシタの急激な充放電を防止しているためである。
なお、従来のデュアルアクティブブリッジ回路におけるリアクトルLに流れる電流ILと、本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1におけるリアクトルLに流れる電流ILは、ほぼ同一である。また、従来のデュアルアクティブブリッジ回路における電圧VSと本実施形態による補助回路A1を備えるデュアルアクティブブリッジ回路1における電圧VSは、ほぼ同一である。
本発明の第三の実施形態について説明する。
本発明の第三の実施形態による補助回路を備えるデュアルアクティブブリッジ回路の構成について説明する。
本実施形態によるデュアルアクティブブリッジ回路1は、図19に示すように、1次側回路10が補助回路A1を備え、2次側回路20が補助回路A2(第2の補助回路)を備える。
なお、補助回路A2は、例えば、図2で示した第一の実施形態による補助回路A1、図11で示した第二の実施形態による補助回路A1などと同様の構成である。
こうすることで、デュアルアクティブブリッジ回路1は、エネルギー損失が少なく、トランスの変圧比に応じた電圧変換を双方向に行い、電圧変換後のピーク電圧を抑制することができる。
10・・・1次側回路
11、21・・・フルブリッジ回路
20・・・2次側回路
31・・・スイッチ回路(第1の補助スイッチ回路)
A1・・・第1の補助回路
A2・・・第2の補助回路
C1、C2、C11、C12、C13、C14、C21、C22、C23、C24・・・キャパシタ
D11、D12、D13、D14、D21、D22、D23、D24、Dr1、Dr2、Dg1、Dg2・・・ダイオード
E1、E2・・・電圧源
L・・・リアクトル
w1・・・1次側巻線
w2・・・2次側巻線
Lr・・・補助リアクトル
M11、M12、M13、M14、M21、M22、M23、M24、Mr1、Mr2、Mr1、Mr2、Mg1、Mg2・・・スイッチング素子
SW11、SW12、SW13、SW14、SW21、SW22、SW23、SW24、SWr1、SWr2・・・スイッチ
T・・・トランス
Claims (5)
- トランスの1次側に接続された1次側回路と、前記トランスの2次側に接続された2次側回路とを備えるデュアルアクティブブリッジ回路であって、
前記1次側回路に備えられ、PWM信号に基づいてスイッチング動作を行う4つのスイッチング素子を有する第1のフルブリッジ回路と、
前記第1のフルブリッジ回路の前記4つのスイッチング素子のそれぞれに並列に設けられたキャパシタと、当該キャパシタと共振回路を構成する補助リアクトルと、第1の補助スイッチ回路を有し、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子と前記第1のフルブリッジ回路の基準電位とに接続された第1の補助回路と、
を備えるデュアルアクティブブリッジ回路。 - 前記第1の補助スイッチ回路は、
前記基準電位に接続される2つのスイッチング素子と、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子のうちの一方に接続されるスイッチング素子と、前記第1のフルブリッジ回路の2つの出力端子のうちの他方に接続されるスイッチング素子とを有する第2のフルブリッジ回路であり、
前記第1の補助回路は、
当該第1の補助スイッチ回路と、
前記第2のフルブリッジ回路の2つの出力端子間に設けられた補助リアクトルと、
を備える請求項1に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。 - 前記第1の補助スイッチ回路は、前記第2のフルブリッジ回路における前記基準電位に接続される2つのスイッチング素子の代わりに、アノードが前記基準電位に接続された2つのダイオードを有し、
前記補助リアクトルの2端子のうちの一方は、前記2つのダイオードのうちの1つのカソードに接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの他方は、前記2つのダイオードのうちの別の1つのカソードに接続される、
請求項2に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。 - 前記第1の補助スイッチ回路は、前記第2のフルブリッジ回路における前記基準電位に接続されるボディダイオード付きの2つのスイッチング素子を有し、
当該ボディダイオードのアノードは前記基準電位に接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの一方は、前記ボディダイオード付きの2つのスイッチング素子のうちの1つの前記ボディダイオードのカソードに接続され、前記補助リアクトルの2端子のうちの他方は、前記ボディダイオード付きの2つのスイッチング素子のうちの別の1つの前記ボディダイオードのカソードに接続される、
請求項2に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。 - 前記2次側回路に備えられ、PWM信号に基づいてスイッチング動作を行う4つのスイッチング素子を有する第3のフルブリッジ回路と、
前記第3のフルブリッジ回路の前記4つのスイッチング素子のそれぞれに並列に設けられたキャパシタと、当該キャパシタと共振回路を構成する第2の補助リアクトルと、第2の補助スイッチ回路を有し、前記第3のフルブリッジ回路の基準電位とに接続された第2の補助回路と、
を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載のデュアルアクティブブリッジ回路。
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