JP7444114B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関する。
従来から、1次側巻線及び2次側巻線を有するトランスを備えた電力変換装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の電力変換装置は、複数の1次側スイッチング素子を有する1次側フルブリッジ回路と、複数の2次側スイッチング素子を有する2次側フルブリッジ回路と、1次側スイッチング素子及び2次側スイッチング素子を制御する制御回路と、を備えている。
特許文献1に記載の電力変換装置は、1次側巻線に入力される1次側電圧と2次側巻線に入力される2次側電圧の極性が反転する反転期間を含むように、1次側スイッチング素子及び2次側スイッチング素子を周期的に制御する制御モードを含む。当該電力変換装置は、当該制御モードにおいて、当該反転期間の長さを調整することで、2次側フルブリッジ回路から出力される出力電流を調整する。具体的には、当該電力変換装置は、反転期間を長くすることでより大きな出力電流を出力する。
特許第2018-26961号公報
しかし、反転期間が長くなると、2次側フルブリッジ回路から出力電流を出力することができる期間が短くなる。そのため、反転期間がある値より長くなると、1周期内での出力電流の平均が減少することがある。結果として、出力電流を大きくするために反転期間を長くすることで、かえって出力電流が減少しまうおそれがある。
上記課題を解決する電力変換装置は、1次側巻線及び2次側巻線を有するトランスと、前記1次側巻線に接続された回路であって、複数の1次側スイッチング素子を有する1次側フルブリッジ回路と、前記2次側巻線に接続された回路であって、複数の2次側スイッチング素子を有する2次側フルブリッジ回路と、前記複数の1次側スイッチング素子及び前記複数の2次側スイッチング素子を制御することにより、前記1次側フルブリッジ回路に入力される入力電圧を前記2次側フルブリッジ回路から出力される出力電圧に変換する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記複数の1次側スイッチング素子及び前記複数の2次側スイッチング素子を周期的に制御する制御モードとして、前記1次側巻線に入力される1次側電圧又は前記2次側巻線に入力される2次側電圧の少なくとも一方が正、負又はゼロに切り替わるPWM制御モードを備え、前記PWM制御モードの半周期は、前記1次側電圧と前記2次側電圧との極性が反転している反転期間と、伝送期間とにより構成され、前記伝送期間は、前記2次側電圧が正又は負である出力期間を含み、前記制御回路は、前記PWM制御モードである場合、前記反転期間が予め定められた上限反転期間以下となるように前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御するものであり、前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御する周期をTとした場合に、前記上限反転期間はT/4より小さい。
これによれば、PWM制御モードでは、反転期間がT/4となるときに出力電流が最大となるのではなく、T/4よりも小さい最大出力期間で最大となる。そのため、反転期間が最大出力期間よりも大きくなると、却って出力電流が減少する。そこで、反転期間がT/4より小さい上限反転期間以下となるように各スイッチング素子が制御される。これにより、出力電流が減少することを抑制することができる。
上記電力変換装置について、前記PWM制御モードは、前記1次側電圧が正、負又はゼロに切り替わり、且つ、前記2次側電圧が正、負又はゼロに切り替わる両側PWM制御モードでもよい。
例えば電力変換装置が適用される対象や状況に応じて、1次側フルブリッジ回路に入力される入力電圧と、2次側フルブリッジ回路から出力される出力電圧との大小関係が変化する場合がある。この場合、上記大小関係に応じて、各スイッチング素子を制御する制御モードを変更すると、制御が複雑になるおそれがある。そこで、1次側電圧及び2次側電圧がともに正、負又はゼロに切り替わる両側PWM制御モードは、入力電圧と出力電圧との大小関係が変化しても同様に適用することができる制御モードである。これにより、入力電圧と出力電圧との大小関係の変化に伴う制御の複雑さを低減することができる。
ここで、両側PWM制御モードでは、出力電流がゼロとなる期間が生じうるため、出力電流が最大となる最大出力期間がT/4よりも小さくなる場合がある。このため、反転期間をT/4に近づけると却って出力電流が減少するという不都合が生じうる。この点、本構成によれば、制御回路は、反転期間が上限反転期間以下となるように制御を行うため、上記不都合を抑制できる。
上記電力変換装置について、前記上限反転期間は、前記2次側フルブリッジ回路から出力される出力電流が最大となる最大出力期間以下でもよい。
これによれば、上限反転期間が最大出力期間以下であるため、導出された反転期間が最大出力期間まで増加する間は、出力電流が増加する。一方、導出された反転期間が最大出力期間より大きくなると、出力電流が一定となる。したがって、反転期間の増加によって最大出力期間の状態から出力電流が減少することを抑制することができる。
上記電力変換装置について、前記複数の1次側スイッチング素子及び前記複数の2次側スイッチング素子に対して並列に接続された複数のコンデンサを備えている、ものであってもよい。
これによれば、スイッチングパターンの切り替わりに伴ってコンデンサの充放電が行われることにより、各スイッチング素子がソフトスイッチングを行う際のスイッチング損失を低減することができる。
この発明によれば、出力電流の減少を抑制することができる。
電力変換装置及び電源システムの電気的構成を示す回路図。 (a)1次側電圧を示す波形図、(b)2次側電圧を示す波形図。 両側PWM制御モードにおける各スイッチング素子のスイッチングパターンを示す図。 (a)1次側電圧を示すグラフ、(b)2次側電圧を示すグラフ、(c)1次側電流及び2次側電流を示すグラフ、(d)出力電流を示すグラフ。 両側PWM制御モード処理を示すフローチャート。 (a)出力電流の反転期間依存性を示すグラフ、(b)伝送期間、入力期間、出力期間、及び重複期間の反転期間依存性を示すグラフ。
<構成>
以下、電力変換装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、電源システム100は、直流電源110と、負荷120と、電力変換装置10と、を備える。直流電源110は、直流電圧を出力する電圧源である。負荷120は、例えば、直流電力を充放電可能な蓄電装置であり、一例としては二次電池である。二次電池とは、例えば、リチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池である。
電力変換装置10は、いわゆるデュアルアクティブブリッジ方式のDC/DCコンバータである。電力変換装置10は、直流電源110と負荷120との間に設けられている。電力変換装置10は、直流電源110の電力を変換して負荷120に出力可能である。また、電力変換装置10は、負荷120の電力を変換して直流電源110に出力可能である。以下の説明では、1次側を入力、2次側を出力として取り扱う。すなわち、電力変換装置10は、直流電源110から入力された直流電圧を変換して負荷120に出力するものとする。電力変換装置10は、トランス20と、1次側フルブリッジ回路30と、2次側フルブリッジ回路40と、制御回路50と、を備える。
トランス20は、磁性体のコア21と、コア21に巻きつけられた1次側巻線22及び2次側巻線23と、を有する。すなわち、トランス20は、所謂絶縁型である。トランス20は、リアクトルLを有する。リアクトルLは、チョークコイルなどの素子であってもよいし、1次側巻線22及び2次側巻線23の漏れインダクタンスであってもよい。
1次側フルブリッジ回路30は、複数の1次側スイッチング素子として、第1スイッチング素子Q1と、第2スイッチング素子Q2と、第3スイッチング素子Q3と、第4スイッチング素子Q4と、を有する。また、1次側フルブリッジ回路30は、複数の1次側ダイオードD1~D4と、複数の1次側コンデンサC1~C4と、を有する。
本実施形態では、1次側スイッチング素子Q1~Q4としてn型のMOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorが用いられているが、p型のMOSFETやIGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor等の他のスイッチング素子を用いてもよい。4つの1次側スイッチング素子Q1~Q4は、第1レグ31と、第2レグ32とを構成する。第1レグ31は、第1スイッチング素子Q1のソースと第2スイッチング素子Q2のドレインとを第1接続線33で接続した直列接続体である。第2レグ32は、第3スイッチング素子Q3のソースと第4スイッチング素子Q4のドレインとを第2接続線34で接続した直列接続体である。第1レグ31及び第2レグ32は、互いに並列に接続されるように1次側端子35,36に接続されている。このとき、第1スイッチング素子Q1及び第3スイッチング素子Q3が上アームを構成し、第2スイッチング素子Q2及び第4スイッチング素子Q4が下アームを構成する。すなわち、1次側フルブリッジ回路30は、1次側端子35,36に接続されているといえる。
1次側ダイオードD1~D4及び1次側コンデンサC1~C4は、それぞれ1次側スイッチング素子Q1~Q4に並列接続されている。1次側ダイオードD1~D4は、寄生ダイオードであってもよいし、素子であってもよい。1次側ダイオードD1~D4は、1次側スイッチング素子Q1~Q4に対して逆接続されている。1次側コンデンサC1~C4は、寄生容量、素子、あるいは寄生容量と素子の組み合わせであってもよい。
1次側フルブリッジ回路30の第1接続線33及び第2接続線34は、それぞれ1次側巻線22に接続されている。そのため、1次側巻線22には、第2接続線34と第1接続線33との電位差と等しい電圧V1が印加される。以下の説明では、1次側巻線22に印加される電圧V1を「1次側電圧V1」と称することがある。なお、1次側電圧V1は、第1接続線33の電位が第2接続線34の電位より高い場合を正とする。
なお、直流電源110は、1次側端子35,36に接続されている。したがって、1次側フルブリッジ回路30は、1次側端子35,36を介して直流電源110に接続される。
1次側電圧センサ37は、1次側フルブリッジ回路30に入力される入力電圧Vinを測定するための電圧計である。1次側電圧センサ37は、1次側フルブリッジ回路30に対して並列となるように1次側端子35,36に接続されている。入力電圧Vinの値は任意であるが、例えば、250~450[V]である。
1次側電流センサ38は、直流電源110から1次側フルブリッジ回路30への入力電流Iinを測定するための電流計である。1次側電流センサ38としては、シャント抵抗、ホール素子など任意の形態を採用することができる。
2次側フルブリッジ回路40は、複数の2次側スイッチング素子として、第5スイッチング素子Q5と、第6スイッチング素子Q6と、第7スイッチング素子Q7と、第8スイッチング素子Q8と、を有する。また、2次側フルブリッジ回路40は、複数の2次側ダイオードD5~D8と、複数の2次側コンデンサC5~C8と、を有する。
本実施形態では、2次側スイッチング素子Q5~Q8としてn型のMOSFETが用いられているが、p型のMOSFETやIGBT等の他のスイッチング素子を用いてもよい。4つの2次側スイッチング素子Q5~Q8は、第3レグ41と、第4レグ42とを構成する。第3レグ41は、第5スイッチング素子Q5のソースと第6スイッチング素子Q6のドレインとを第3接続線43で接続した直列接続体である。第4レグ42は、第7スイッチング素子Q7のソースと第8スイッチング素子Q8のドレインとを第4接続線44で接続した直列接続体である。第3レグ41及び第4レグ42は、互いに並列に接続されるように2次側端子45,46に接続されている。このとき、第5スイッチング素子Q5及び第7スイッチング素子Q7が上アームを構成し、第6スイッチング素子Q6及び第8スイッチング素子Q8が下アームを構成する。すなわち、2次側フルブリッジ回路40は、2次側端子45,46に接続されているといえる。
2次側ダイオードD5~D8及び2次側コンデンサC5~C8は、それぞれ2次側スイッチング素子Q5~Q8に並列接続されている。2次側ダイオードD5~D8は、寄生ダイオードであってもよいし、素子であってもよい。2次側ダイオードD5~D8は、2次側スイッチング素子Q5~Q8に対して逆接続されている。2次側コンデンサC5~C8は、寄生容量、素子、あるいは寄生容量と素子の組み合わせであってもよい。したがって、複数のコンデンサC1~C8は、それぞれ、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q4及び複数の2次側スイッチング素子Q5~Q8に対して並列に接続されている。
2次側フルブリッジ回路40の第3接続線43及び第4接続線44は、それぞれ2次側巻線23に接続されている。そのため、2次側巻線23には、第3接続線43と第4接続線44との電位差と等しい電圧V2が印加される。以下の説明では、2次側巻線23に印加される電圧V2を「2次側電圧V2」と称することがある。なお、2次側電圧V2は、第3接続線43の電位が第4接続線44の電位より高い場合を正とする。なお、負荷120は、2次側端子45,46に接続されている。したがって、2次側フルブリッジ回路40は、2次側端子45,46を介して負荷120に接続される。
2次側電圧センサ47は、2次側フルブリッジ回路40から出力される出力電圧Voutを測定するための電圧計である。2次側電圧センサ47は、2次側フルブリッジ回路40に対して並列となるように2次側端子45,46に接続されている。出力電圧Voutの値は任意であるが、例えば、250~450[V]である。
なお、負荷120が蓄電装置である場合、負荷120が2次側端子45,46に接続されると、2次側電圧センサ47によって、出力電圧Voutとしての負荷120の電圧が検出される。
2次側電流センサ48は、2次側フルブリッジ回路40から出力される出力電流Ioutを測定するための電流計である。2次側電流センサ48としては、シャント抵抗、ホール素子など任意の形態を採用することができる。
制御回路50は、両電圧センサ37,47と接続されているとともに、両電流センサ38,48と接続されている。制御回路50は、1次側電圧センサ37から入力電圧Vinを、2次側電圧センサ47から出力電圧Voutを、それぞれ取得する。制御回路50は、1次側電流センサ38から入力電流Iinを、2次側電流センサ48から出力電流Ioutを、それぞれ取得する。
制御回路50は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q4及び複数の2次側スイッチング素子Q5~Q8を周期的に制御することにより、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換するものである。本実施形態では、1次側スイッチング素子Q1~Q4及び2次側スイッチング素子Q5~Q8は、ともに所定の周期Tでスイッチング制御される。
なお、制御回路50の具体的なハードウェア構成は任意である。例えば、制御回路50は、電圧の取得及びスイッチング制御を行うための専用のハードェア回路を有する構成でもよいし、電圧の取得及びスイッチング制御を行うための制御プログラムや必要な情報が記憶されたメモリと、制御プログラムに基づいて電圧の取得及びスイッチング制御を行うCPUとを有する構成でもよい。
<制御モードについて>
次に、1次側スイッチング素子Q1~Q4及び2次側スイッチング素子Q5~Q8を制御する制御モードについて説明する。以下の説明では、各ダイオードD1~D8をそれぞれ「第nダイオードDn」と、各コンデンサC1~C8をそれぞれ「第nコンデンサCn」と称することがある。なお、nは1~8の自然数である。
制御回路50は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q4及び複数の2次側スイッチング素子Q5~Q8を周期的に制御する制御モードとして、PWM制御モードを備える。
PWM制御モードは、1次側電圧V1又は2次側電圧V2の少なくとも一方が正、負、又はゼロに切り替わる制御モードである。本実施形態のPWM制御モードは、両側PWM制御モードである。
図2(a)及び図2(b)に示すように、両側PWM制御モードは、1次側電圧V1が正、負又はゼロに切り替わり、且つ、2次側電圧V2が正、負、又はゼロに切り替わる制御モードである。なお、2次側電圧V2がゼロである場合、出力電流Ioutがゼロとなる。したがって、両側PWM制御モードは、1周期内において出力電流Ioutがゼロとなる期間を有する制御モードの一種であるともいえる。
図3に示すように、両側PWM制御モードでは、各スイッチング素子Q1~Q8のスイッチングパターンとして、例えば、第1パターンP1、第2パターンP2、第3パターンP3、第4パターンP4、第5パターンP5、第6パターンP6、第7パターンP7、第8パターンP8が設定されている。なお、以下の説明では、各スイッチング素子Q1~Q8のスイッチングパターンを単に「スイッチングパターン」と称することがある。
図3に示すように、第1パターンP1は、スイッチング素子Q1,Q4,Q6,Q7がON状態であり、スイッチング素子Q2,Q3,Q5,Q8がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1が正となり、2次側電圧V2が負となる。
図3に示すように、第2パターンP2は、スイッチング素子Q1,Q4,Q6,Q8がON状態であり、スイッチング素子Q2,Q3,Q5,Q7がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1が正となり、2次側電圧V2がゼロとなる。
図3に示すように、第3パターンP3は、スイッチング素子Q1,Q4,Q5,Q8がON状態であり、スイッチング素子Q2,Q3,Q6,Q7がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1が正となり、2次側電圧V2が正となる。
図3に示すように、第4パターンP4は、スイッチング素子Q1,Q3,Q5,Q8がON状態であり、スイッチング素子Q2,Q4,Q6,Q7がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1がゼロとなり、2次側電圧V2が負となる。
図3に示すように、第5パターンP5は、スイッチング素子Q2,Q3,Q5,Q8がON状態であり、スイッチング素子Q1,Q4,Q6,Q7がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1が負となり、2次側電圧V2が正となる。
図3に示すように、第6パターンP6は、スイッチング素子Q2,Q3,Q5,Q7がON状態であり、スイッチング素子Q1,Q4,Q5,Q7がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1が負となり、2次側電圧V2がゼロとなる。
図3に示すように、第7パターンP7は、スイッチング素子Q2,Q3,Q6,Q7がON状態であり、スイッチング素子Q1,Q4,Q5,Q8がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1が負となり、2次側電圧V2が負となる。
図3に示すように、第8パターンP8は、スイッチング素子Q2,Q4,Q6,Q7がON状態であり、スイッチング素子Q1,Q3,Q5,Q8がOFF状態のスイッチングパターンである。この場合、図2に示すように、1次側電圧V1がゼロとなり、2次側電圧V2が負となる。
本実施形態では、1次側電圧V1が正又は負の場合、1次側電圧V1の大きさは入力電圧Vinの大きさと等しいものとする。同様に、2次側電圧V2が正又は負の場合、2次側電圧V2の大きさは出力電圧Voutの大きさと等しいものとする。
制御回路50は、両側PWM制御モードにおいて、スイッチングパターンを、P1→P2→P3→P4→P5→P6→P7→P8の順に順次切り替える動作を1単位として、その単位動作を周期Tで繰り返し実行する。これにより、1次側電圧V1と2次側電圧V2とが所定の位相差で順次変化し、電圧変換(換言すれば電力変換)が行われる。この場合、制御回路50は、位相差を設けた状態で1次側フルブリッジ回路30と2次側フルブリッジ回路40とを制御するものといえる。
特に、両側PWM制御モードでは、各スイッチング素子Q1~Q8を制御することにより、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの大小関係に関わらず、電圧変換を行うことができる。すなわち、両側PWM制御モードは、昇降圧が可能な制御モードである。
ここで、両側PWM制御モードでは、パターンP1~P4までが半周期(T/2)であり、第5パターンP5~P8までが半周期(T/2)である。そして、パターンP1~P4とパターンP5~P8とは、極性が反転している点を除いて同一態様となっている。このため、以下では、パターンP1~P4について詳細に説明し、パターンP5~P8の具体的な制御態様については説明を省略する。
図2に示すように、両側PWM制御モードは、反転期間Φと、伝送期間Wとにより構成されている。
反転期間Φは、半周期における1次側電圧V1と2次側電圧V2との極性が反転している期間である。伝送期間Wは、半周期における反転期間Φ以外の期間である。本実施形態では、反転期間Φは、第1パターンP1が設定されている期間であり、伝送期間Wは、パターンP2~P4が設定されている期間である。
伝送期間Wは、入力期間T1と、出力期間T2と、を含む。
入力期間T1は、1次側電圧V1が正となっている期間である。本実施形態では、入力期間T1は、パターンP2,P3が設定されている期間である。
出力期間T2は、2次側電圧V2が正となっている期間である。本実施形態では、出力期間T2は、パターンP3,P4が設定されている期間である。つまり、第3パターンP3が設定されている期間は、入力期間T1及び出力期間T2の双方に含まれる。すなわち、第3パターンP3が設定されている期間は、1次側電圧V1及び2次側電圧V2がともに正となっている期間である。以下の説明では、第3パターンP3が設定されている期間を、「重複期間X」と称することがある。
なお、念のために説明すると、上述した通り、パターンP1~P4とパターンP5~P8とは、極性が反転している。このため、パターンP5~P8の期間における入力期間T1は、1次側電圧V1が負となっている期間であり、出力期間T2は、2次側電圧V2が負となっている期間であり、重複期間Xは、1次側電圧V1及び2次側電圧V2がともに負となっている期間である。
両側PWM制御モードにおいて、出力電流Ioutは、反転期間Φと両期間T1,T2とに依存する。詳細には、出力電流Ioutは、以下の式(1)で表される。
なお、LはリアクトルLのインダクタンス値である。また、重複期間Xは、T1+T2+Φ-T/2と表すことができる。重複期間Xはゼロ以上である。したがって、制御回路50は、反転期間Φ及び両期間T1,T2を制御することにより、出力電流Ioutを制御することができる。
特に、伝送期間Wの開始タイミングの2次側電流ISと終了タイミングの2次側電流ISとが一致する場合、入力期間T1及び出力期間T2は、以下の式(2)を満たす。
したがって、制御回路50は、反転期間Φ及び出力期間T2を制御することにより、出力電流Ioutを制御することができる。
制御回路50は、両側PWM制御モードである場合、反転期間Φを出力期間T2の1次関数とみなすことで、反転期間Φと出力期間T2との対応関係をとる。本実施形態の1次関数は、例えば、1次係数Kを用いて以下の式(3)で表される。
なお、1次係数Kは、少なくとも入力電圧Vin及び出力電圧Voutに依存する。
入力期間T1及び出力期間T2は、反転期間Φを決定することにより式(2)及び式(3)から一意に決まる。反転期間Φ及び両期間T1,T2は、例えば、1次側フルブリッジ回路30及び2次側フルブリッジ回路40の位相差(換言すれば、1次側電圧V1と2次側電圧V2との位相差)、1次側スイッチング素子Q1~Q4のデューティ比、又は2次側スイッチング素子Q5~Q8のデューティ比に依存する。したがって、制御回路50は、例えば、上記パラメータに基づいて反転期間Φ及び両期間T1,T2を制御することによって、出力電流Ioutを制御してもよい。なお、反転期間Φ及び両期間T1,T2を制御するパラメータは、上記に限られず、例えば、第1レグ31及び第2レグ32間の位相差、又は第3レグ41及び第4レグ42間の位相差でもよい。
なお、パターンP5~P8における反転期間Φは、第5パターンP5が設定されている期間であり、伝送期間Wは、パターンP6~P8が設定されている期間である。そして、パターンP1~P4とパターンP5~P8とは極性が反転しているため、パターンP5~P8において、入力期間T1は、1次側電圧V1が負となっている期間であり、出力期間T2は、2次側電圧V2が負となっている期間である。制御回路50は、ソフトスイッチング条件を満たす反転期間Φ及び両期間T1,T2となるように、パターンP1~P8を順次切り替える。
ここで、図4を用いてソフトスイッチング条件について説明する。図4(a)は1次側電圧V1の波形を示し、図4(b)は2次側電圧V2の波形を示し、図4(c)は1次側電流IL及び2次側電流ISの波形を示し、図4(d)は出力電流Ioutの波形を示す。1次側電流ILは1次側巻線22に流れる電流であり、2次側電流ISは2次側巻線23に流れる電流である。本実施形態では、説明の便宜上、1次側電流ILと2次側電流ISが同一であるとする。
図4に示すように、両側PWM制御モードにおけるソフトスイッチング条件は、(A)反転期間Φの開始タイミングにおいて1次側電流ILの大きさが1次側閾値ILmin以上となることを含む。換言すれば、ソフトスイッチング条件は、1次側電流ILの大きさが1次側閾値ILmin以上となっている状態で、スイッチングパターンが第8パターンP8から第1パターンP1に切り替わることを含む。1次側閾値ILminは、例えば、1次側電流ILを用いて1次側コンデンサC1~C4の充放電を行うために必要な電流の大きさである。1次側閾値ILminは、例えば、1次側コンデンサC1~C4の容量に基づいて設定される。なお、反転期間Φの開始タイミングにおいて1次側電流ILは負であるため、(A)の条件は、1次側電流ILが-ILmin以下となることである。
両側PWM制御モードにおけるソフトスイッチング条件は、(B)反転期間Φの終了タイミングにおいて2次側電流ISの大きさが2次側閾値ISmin以上となることを含む。換言すれば、ソフトスイッチング条件は、2次側電流ISの大きさが2次側閾値ISmin以上となっている状態で、スイッチングパターンが第1パターンP1から第2パターンP2に切り替わることを含む。2次側閾値ISminは、例えば、2次側電流ISを用いて2次側コンデンサC5~C8の充放電を行うために必要な電流の大きさである。2次側閾値ISminは、例えば、2次側コンデンサC5~C8の容量に基づいて設定される。なお、反転期間Φの開始タイミングにおいて2次側電流ISは正であるため、(B)の条件は、2次側電流ISが2次側閾値ISmin以上となることである。以下の説明では、1次側閾値ILminと2次側閾値ISminとは等しいものとする。1次側閾値ILminと2次側閾値ISminが等しい場合とは、例えば、1次側コンデンサC1~C4の容量と2次側コンデンサC5~C8の容量とが等しい場合である。
図4(d)に示すように、出力電流Ioutは、出力期間T2の終了タイミングにおいて所定のオフセット電流Ioffとなる。オフセット電流Ioffが大きいほど、出力電流Ioutのリップル電流が大きくなる。オフセット電流Ioffは、反転期間Φが長くなるほど大きくなる。
制御回路50は、負荷120を制御する負荷制御装置121と通信可能に構成されている。制御回路50は、負荷制御装置121から要求電力Prを受信した場合に、両側PWM制御モードにおいて要求電力Prを負荷120に供給できるように両側PWM制御モード処理を実行する。
<両側PWM制御モード処理について>
以下、図5を用いて両側PWM制御モード処理について説明する。
図5に示すように、制御回路50は、ステップS100にて、1次側電圧センサ37から入力電圧Vinを、2次側電圧センサ47から出力電圧Voutを、負荷制御装置121から要求電力Prをそれぞれ取得する。
その後、制御回路50は、ステップS101に進み、出力電圧Vout及び要求電力Prから目標電流Itを導出する。
その後、制御回路50は、ステップS102に進み、出力電流Ioutが目標電流Itとなる反転期間Φ、入力期間T1及び出力期間T2を導出する。導出方法の一例として、式(1)の左辺(出力電流Iout)を目標電流Itに置き換えた上で、式(1)の右辺に式(2)及び式(3)を適用することが挙げられる。これにより、目標電流Itが反転期間Φで表される。これを用いて、目標電流Itから反転期間Φを導出すればよい。また、入力期間T1及び出力期間T2は、それぞれ式(2)及び式(3)に当該反転期間Φを代入することで導出すればよい。
ここで、図6を用いてステップS102の処理で導出される反転期間Φと出力電流Ioutとの関係について説明する。
図6(a)は、出力電流Ioutの反転期間Φ依存性を示したものである。図6(b)は、式(1)、式(2)、及び式(3)に基づく伝送期間W、入力期間T1、出力期間T2、及び重複期間Xの反転期間Φ依存性を示したものである。
図6(b)に示すように、伝送期間Wは、定義よりT-Φと表されるため、反転期間Φの増加に伴い減少する。入力期間T1は、式(2)の関係から、出力期間T2の増加に伴い線形に増加する。出力期間T2は、式(3)の関係から、反転期間Φの増加に伴い線形に増加する。
しかし、出力期間T2は伝送期間Wに含まれる期間であるため、出力期間T2の上限は伝送期間Wである。したがって、反転期間Φが一定以上大きくなると、出力期間T2は、伝送期間Wと一致した状態で伝送期間Wとともに減少する。反転期間Φの増加によってオフセット電流Ioffが大きくなるため、瞬間的に出力される出力電流Ioutは大きくなる。しかし、出力期間T2の減少に伴い、当該出力電流Ioutを出力できる期間が短くなるため、周期Tにおける出力電流Ioutの平均は減少する。そのため、図6(a)に示すように、反転期間Φが最大出力期間Φsを超えた後は、出力電流Ioutが減少する傾向にある。この場合、式(1)から導出される出力電流Ioutと、実際に出力される出力電流Ioutとの間に乖離が生じる。すなわち、反転期間Φが最大出力期間Φsよりも大きくなった場合には、ステップS102にて導出される反転期間Φに対応する出力電流Ioutは、予め定められた上限反転期間Φ1に対応する出力電流Ioutよりも小さくなる。
換言すれば、目標電流Itから導出された反転期間Φに基づいて出力期間T2を導出した場合、導出された出力期間T2が伝送期間Wを超える場合がある。そのため、式(3)に基づく反転期間Φと出力期間T2との関係性が満たされなくなる場合があり得る。
最大出力期間Φsとは、出力電流Ioutが最大となる反転期間Φである。詳細には、最大出力期間Φsは、式(1)で表される出力電流Ioutが極大となる反転期間Φである。具体的には、最大出力期間Φsは、以下の式(4)で表される。
入力電圧Vin及び出力電圧Voutは正であるため、最大出力期間Φsは、T/4より小さい。したがって、反転期間Φが最大出力期間Φsより大きくなると、出力電流Ioutが減少する。
本実施形態における上限反転期間Φ1は、最大出力期間Φsと等しい。そのため、上限反転期間Φ1は、T/4より小さい。
そこで、図5に示すように、本実施形態の制御回路50は、ステップS102の処理の実行後、ステップS103にて、反転期間Φが上限反転期間Φ1未満か否かを判定する。ステップS103の判定結果が否定の場合、制御回路50は、ステップS104に進む。ステップS104において、制御回路50は、反転期間Φを上限反転期間Φ1に変更し、ステップS107に進む。
一方、ステップS103の判定結果が肯定の場合、制御回路50は、ステップS105に進む。制御回路50は、ステップS105において、ステップS102で導出された反転期間Φが所定の閾値Φ0より大きいか否かを判定する。判定結果が肯定の場合、制御回路50は、ステップS107に進む。一方、判定結果が否定の場合、制御回路50は、ステップS106に進む。
ステップS106において、制御回路50は、ステップS102で導出された反転期間Φを、閾値Φ0に変更し、ステップS107に進む。閾値Φ0は、上限反転期間Φ1より小さければ任意に定めることができるが、例えば、上記ソフトスイッチング条件(A)及び(B)を満たす最小の反転期間Φである。
なお、制御回路50は、ステップS104又はステップS106にて反転期間Φの変更が行われた場合、ステップS102で導出された入力期間T1及び出力期間T2を変更後の反転期間Φに対応するものに変更する。
制御回路50は、ステップS107において、ステップS102、ステップS104、又はステップS106にて導出された反転期間Φ及び両期間T1,T2に基づいて、各スイッチング素子Q1~Q8のスイッチング態様を決定する。詳細には、制御回路50は、導出された反転期間Φ及び両期間T1,T2となるように、両フルブリッジ回路30,40間の位相差と、両スイッチング素子Q1~Q4,Q5~Q8のデューティ比とを決定する。制御回路50は、ステップS102にて導出された反転期間Φ及び両期間T1,T2となるように各スイッチングパターンP1~P8の設定期間を決定しているとも言える。なお、ステップS104又はステップS106において反転期間Φが変更された場合には、導出された反転期間Φ及び両期間T1,T2として、当該変更後の反転期間Φ及び両期間T1,T2が用いられる。
その後、制御回路50は、ステップS108に進み、ステップS107で決定されたスイッチング態様で各スイッチング素子Q1~Q8のスイッチング制御を行う。このとき、反転期間Φは上限反転期間Φ1に制限されることとなるため、制御回路50は、反転期間Φが予め定められた上限反転期間Φ1以下となるように1次側スイッチング素子Q1~Q4及び2次側スイッチング素子Q5~Q8を制御するものである。
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
図6に示すように、反転期間Φが上限反転期間Φ1に制限される。上限反転期間Φ1は、T/4未満である。これにより、出力電流Ioutを大きくしようとして反転期間Φが上限反転期間Φ1よりも大きくなることによって、却って出力電流Ioutが小さくなる事態が回避される。
<効果>
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)電力変換装置10は、1次側巻線22及び2次側巻線23を有するトランス20と、1次側フルブリッジ回路30と、2次側フルブリッジ回路40と、制御回路50と、を備えている。
1次側フルブリッジ回路30は、1次側巻線22に接続されている。1次側フルブリッジ回路30は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q4を備えている。
2次側フルブリッジ回路40は、2次側巻線23に接続されている。2次側フルブリッジ回路40は、複数の2次側スイッチング素子Q5~Q8を備えている。
制御回路50は、各スイッチング素子Q1~Q8を周期的に制御する制御モードとしてPWM制御モードを備えている。PWM制御モードは、1次側巻線22に入力される1次側電圧V1又は2次側巻線23に入力される2次側電圧V2の少なくとも一方が正、負、又はゼロに切り替わる制御モードである。PWM制御モードは、1次側電圧V1と2次側電圧V2との極性が反転している反転期間Φと、伝送期間Wとにより構成されている。
伝送期間Wは、2次側電圧V2が正又は負である出力期間T2を含む。
制御回路50は、PWM制御モードである場合、反転期間Φが予め定められた上限反転期間Φ1以下となるように1次側スイッチング素子Q1~Q4及び2次側スイッチング素子Q5~Q8を制御する。
かかる構成において、1次側スイッチング素子Q1~Q4及び2次側スイッチング素子Q5~Q8を制御する周期をTとした場合に、上限反転期間Φ1はT/4より小さい。
かかる構成によれば、PWM制御モードでは、反転期間ΦがT/4となるときに出力電流Ioutが最大となるのではなく、T/4よりも小さい最大出力期間Φsで最大となる。そのため、反転期間Φが最大出力期間Φsよりも大きくなると却って出力電流Ioutが減少する。
この点、本実施形態では、反転期間ΦがT/4よりも小さい上限反転期間Φ1以下となるように各スイッチング素子Q1~Q8が制御される。これにより、出力電流Ioutを大きくするために反転期間Φを長くすることによって却って出力電流Ioutが減少することを抑制できる。
(2)PWM制御モードは、1次側電圧V1が正、負、又はゼロに切り替わり、且つ、2次側電圧V2が正、負、又はゼロに切り替わる両側PWM制御モードである。
かかる構成によれば、制御モードとして両側PWM制御モードを採用することにより、入力電圧Vinと出力電圧Voutとが大小関係に関わらず、電圧変換を行うことができる。これにより、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの大小関係に応じて異なる制御モードを切り替える必要がないため、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの大小関係の変化に伴う制御の複雑さを低減できる。
(3)上限反転期間Φ1は、2次側フルブリッジ回路40から出力される出力電流Ioutが最大となる最大出力期間Φs以下である。
かかる構成によれば、上限反転期間Φ1が最大出力期間Φs以下であるため、導出された反転期間Φが上限反転期間Φ1まで増加する間は、出力電流Ioutが増加する。一方、導出された反転期間Φが上限反転期間Φ1より大きくなると、反転期間Φが最大出力期間Φs以下である上限反転期間Φ1に制限される。したがって、反転期間Φが最大出力期間Φsより増加することによって出力電流Ioutが減少することを抑制することができる。
特に、本実施形態では、上限反転期間Φ1は最大出力期間Φsであるため、出力電流Ioutを目標電流Itになるべく近づけることができる。
(4)電力変換装置10は、複数の1次側スイッチング素子Q1~Q4及び複数の2次側スイッチング素子Q5~Q8に対して並列に接続された複数のコンデンサC1~C8を備える。
かかる構成によれば、スイッチングパターンの切り替わりに伴ってコンデンサC1~C8の充放電が行われることにより、各スイッチング素子Q1~Q8がソフトスイッチングを行う際のスイッチング損失を低減することができる。
<変形例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○制御回路50は、目標電流Itと反転期間Φとが対応付けられた対応テーブルを備えていてもよい。この場合、制御回路50は、上記対応テーブルを参照することで、目標電流Itに対応する反転期間Φを導出してもよい。
なお、対応テーブルにおいて、反転期間Φは、ゼロから上限反転期間Φ1以下の範囲で定められており、目標電流Itは、ゼロから出力電流Ioutの最大値以下の範囲で定められている。
目標電流Itが対応テーブルの目標電流Itの最大値より大きい場合、制御回路50は、反転期間Φとして、対応テーブルにて設定されている反転期間Φの最大値である上限反転期間Φ1(例えば最大出力期間Φs)を設定し、スイッチング制御を行ってもよい。この場合であっても、反転期間Φが上限反転期間Φ1以下となるように制御されているといえる。要は、導出される反転期間Φが予め上限反転期間Φ1以下となるように設定されていれば、制御回路50は、反転期間Φを上限反転期間Φ1に変更しなくてもよい。
○制御回路50の実行する処理はあくまで例示であり、実施形態中のものに限られない。例えば、制御回路50は、目標電流Itを要求電力Prから導出せず、負荷制御装置121から直接目標電流Itを取得してもよい。また、例えば、制御回路50は、ステップS105の判定を行った後にステップS103の判定を行ってもよい。
○1次側フルブリッジ回路30及び2次側フルブリッジ回路40は、それぞれコンデンサC1~C8を有していなくてもよい。また、各コンデンサC1~C8の容量は、異なっていてもよい。
○上限反転期間Φ1は、最大出力期間Φsよりも小さい値でもよい。例えば、上限反転期間Φ1は、最大出力期間Φsよりも閾値Φ0だけ小さい値でもよい。換言すれば、上限反転期間Φ1は、最大出力期間Φsに対応する値であればよい。
○制御回路50の動作モードは、両側PWM制御モードに限られない。例えば、制御回路50の動作モードは、1次側電圧V1又は2次側電圧V2のいずれか一方が正又は負に切り替わり、且つ、1次側電圧V1又は2次側電圧V2の他方が正、負又はゼロに切り替わるものでもよい。例えば、1次側電圧V1が正又は負に切り替わるPWM制御モードの場合、第4パターンP4及び第8パターンP8の期間がゼロとなる。また、2次側電圧V2が正又は負に切り替わるPWM制御モードの場合、第2パターンP2及び第6パターンP6の期間がゼロとなる。要は、制御回路50の動作モードは、1次側電圧V1又は2次側電圧V2の少なくとも一方が正、負又はゼロに切り替わるPWM制御モードであればよい。
○電力変換装置10は、双方向の電圧変換を行ってもよい。この場合、2次側フルブリッジ回路40に入力される電圧を入力電圧Vin、1次側フルブリッジ回路30から出力される電圧を出力電圧Voutとしてもよい。このとき、例えば、スイッチングパターンP1~P8として、1次側スイッチング素子Q1~Q4と2次側スイッチング素子Q5~Q8とを入れ替えたものを用いればよい。
○負荷120は、蓄電装置に限られず任意であり、例えば目標電圧で駆動する駆動装置でもよい。この場合、負荷制御装置121は、要求電流と要求電圧とを制御回路50に送信する。制御回路50は、出力電圧Voutが要求電圧となり且つ出力電流Ioutが要求電流となる範囲内でソフトスイッチング条件を満たすように各スイッチング素子Q1~Q8を制御するとよい。
10…電力変換装置、20…トランス、22…1次側巻線、23…2次側巻線、30…1次側フルブリッジ回路、40…2次側フルブリッジ回路、50…制御回路、C1~C8…コンデンサ、Iout…出力電流、Q1~Q4…1次側スイッチング素子、Q5~Q8…2次側スイッチング素子、T…周期、T2…出力期間、V1…1次側電圧、V2…2次側電圧、Vin…入力電圧、Vout…出力電圧、W…伝送期間、Φ…反転期間、Φ1…上限反転期間、Φs…最大出力期間。

Claims (4)

  1. 1次側巻線及び2次側巻線を有するトランスと、
    前記1次側巻線に接続された回路であって、複数の1次側スイッチング素子を有する1次側フルブリッジ回路と、
    前記2次側巻線に接続された回路であって、複数の2次側スイッチング素子を有する2次側フルブリッジ回路と、
    前記複数の1次側スイッチング素子及び前記複数の2次側スイッチング素子を制御することにより、前記1次側フルブリッジ回路に入力される入力電圧を前記2次側フルブリッジ回路から出力される出力電圧に変換する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記複数の1次側スイッチング素子及び前記複数の2次側スイッチング素子を周期的に制御する制御モードとして、前記1次側巻線に入力される1次側電圧又は前記2次側巻線に入力される2次側電圧の少なくとも一方が正、負又はゼロに切り替わるPWM制御モードを備え、
    前記PWM制御モードの半周期は、前記1次側電圧と前記2次側電圧との極性が反転している反転期間と、伝送期間とにより構成され、
    前記伝送期間は、前記2次側電圧が正又は負である出力期間を含み、
    前記制御回路は、前記PWM制御モードである場合、前記反転期間が予め定められた上限反転期間以下となるように前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御するものであり、
    前記1次側スイッチング素子及び前記2次側スイッチング素子を制御する周期をTとした場合に、前記上限反転期間はT/4より小さい、電力変換装置。
  2. 前記PWM制御モードは、前記1次側電圧が正、負又はゼロに切り替わり、且つ、前記2次側電圧が正、負又はゼロに切り替わる両側PWM制御モードである、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記上限反転期間は、前記2次側フルブリッジ回路から出力される出力電流が最大となる最大出力期間以下である、請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記複数の1次側スイッチング素子及び前記複数の2次側スイッチング素子に対して並列に接続された複数のコンデンサを備えている、請求項1~3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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