JP2017056811A - 車両走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、自車の乗員が違和感を覚えることがないように、自車の減速中の加速度の変化率の制限値である減速度勾配制限値を設けることが考えられる。
自車(10)の前方に位置する先行車(40)の加速度に関連する加速度情報を通信によって取得する先行車加速度取得手段(19、20)と、
前記自車と前記先行車との車間距離を測定する測距手段(17、18)と、
前記測定された車間距離を所定の目標車間距離に近づけるための前記自車の加速度であるフィードバック要求加速度を算出するFB要求G算出手段(16、ステップ313)と、
前記加速度情報に基づき前記自車を前記先行車に協調して追従走行させるためのフィードフォワード要求加速度を算出するFF要求G算出手段(16、ステップ304)と、
前記フィードバック要求加速度及び前記フィードフォワード要求加速度に基づいて前記自車の目標加速度を設定し、前記自車の加速度が前記目標加速度になるように同自車の加速度を制御する加速度制御手段(16、ステップ315、ステップ318)と、
前記フィードフォワード要求加速度が負の値である第1閾値以下であり且つ前記フィードフォワード要求加速度の単位時間あたりの変化量が負の値である第2閾値以下である先行車急減速判定条件を満たすか否かを判定する判定手段(16、ステップ308)と、
前記目標加速度が負であり且つその絶対値が時間の経過とともに増大していく場合に、前記目標加速度の単位時間あたりの変化量が負の値である減速度勾配制限値より小さいときに、前記変化量を前記減速度勾配制限値に補正する減速度勾配制限手段(16、ステップ318)を備え、
前記判定手段が前記先行車急減速判定条件を満たしていると判定したとき、前記先行車急減速判定条件を満たしていないときと比べて、前記減速度勾配制限手段が前記減速度勾配制限値の絶対値を大きくする(ステップ317)、減速度勾配制限手段を備える。
そのため、車間距離が長い場合に先行車が急激に減速した場合(即ち、上記判定がなされる場合)、減速度勾配制限値の絶対値を大きくすることにより、自車が比較的急激な減速を行うことができる。その結果、自車の乗員が先行車に対する接近感を強く感じる程度に自車が先行車に接近するおそれを小さくすることが可能である。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本実施形態の車両10(以下、自車10と称する)は図1に示した車両走行制御装置15を搭載している。車両走行制御装置15は、車両制御ECU16、センサECU17、前方レーダセンサ18、無線制御ECU19、無線アンテナ20、CAN21、エンジン制御ECU22及びブレーキ制御ECU23を備えている。さらに車両走行制御装置15は、図示を省略したGPS装置を備えている。
ブレーキ操作量センサ26は、ブレーキペダル(ブレーキ操作子)B/Pの操作量BPを検出し、その操作量BPを表す信号をブレーキ制御ECU23に出力する。
車輪速センサ27は、実際には各車輪毎に設けられていて、各車輪の回転速度を表す信号をブレーキ制御ECU23に出力する。この信号は、ブレーキ制御ECU23によって自車の速度に変換される。
続いて自車10が走行しているときの車両走行制御装置15による自車10の基本的な制御方法について説明する。
なお、自車10は先行車40から要求加速度uを受信せずに実加速度rのみを受信し、この実加速度rをFF要求Gとしてそのまま利用してもよい。
また、FF要求Gを、自車10と先行車40の車間時間Tjや自車10の車速に応じた補正ゲインを乗じて補正し、この補正値(FF要求G)にFB要求Gを付加して目標加速度(CACC要求)を算出してもよい。
そのため本実施形態では、自車10の減速中の加速度の変化率の制限値である減速度勾配制限値を設けている。この減速度勾配制限値は負の値である。なお、減速度勾配制限値の絶対値は後述するように変更される。
そこで本実施形態では図2の(a)及び(b)のグラフに表された技術思想に基づいて、自車10の減速中の加速度を制御する。
この1st減速度制限値LM1は、1st減速度勾配制限値を「−α1(但し、α>0)」と置くと、LM1=−α1・t+b1によって表される。なお、値「b1」は、1st減速度勾配制限値を用いて1st減速度制限値LM1の計算を開始する時点の減速度制限値である。さらに「t」は、1st減速度制限値LM1の計算開始時刻からの経過時間である。従って、図2(a)の例においては、FF要求Gの大きさがゼロになる時刻t1以降において1st減速度勾配制限値を用いた1st減速度制限値LM1の計算が開始されるから、値「b1」は0(ゼロ)である(図2(a)の実線参照)。
この条件が成立した場合は、先行車40のブレーキペダル29の操作量が急激に大きくなったか、或いは、先行車40のCACC要求G又はFB要求Gが急激に小さくなったと判断できる。即ち、先行車40が急激に減速し始めると予測できる。従って車両制御ECU16は、例えば時刻t2においてこの条件が成立したと判定すると、時刻t2においてROMから2nd減速度勾配制限値−α2(但しα2>α1>0)を読み込む。さらに車両制御ECU16は、この2nd減速度勾配制限値−α2に基づいて2nd減速度制限値LM2を演算する。この2nd減速度制限値LM2はLM2=−α2・t+b2によって表される。値「b2」は、2nd減速度勾配制限値を用いて2nd減速度制限値LM2の計算を開始する時点の減速度制限値である。さらに「t」は、2nd減速度制限値LM2の計算開始時刻からの経過時間である。従って、図2(a)の例においては、時刻t2以降において2nd減速度勾配制限値を用いた2nd減速度制限値LM2の計算が開始されるから、値「b2」は値「−α1・(t2−t1)」である(図2(a)の実線参照)。この2nd減速度制限値LM2は、1st減速度制限値LM1に代わる新たな減速度制限値である。この結果、時刻t2以降においては、時刻t2以前よりも「大きな絶対値を有する負の値の加速度(即ち、急減速)」が許容されるようになる。
この場合、車両制御ECU16は減速度勾配制限値を2nd減速度勾配制限値(−α2)から1st減速度勾配制限値(−α1)へと戻し、1st減速度制限値LM1の演算を再開する。このときの値b1は、時刻t3における2nd減速度制限値LM2に設定される(図2(a)の実線参照)。
例えば、図2(b)に示した時刻t1と時刻t1aとの間においては、車両制御ECU16は、点Sと点LM1aとを結ぶ直線の傾き(即ち、1st減速度勾配制限値の大きさα1)と、点Sと点G1aとを結ぶ直線の傾きと、を比較する。この例では点Sと点G1aとを結ぶ直線の傾きの方が大きい。即ち、FF要求Gの変化率が1st減速度勾配制限値(−α1)より小さい。この場合は車両制御ECU16が、時刻t1と時刻t1aとの間におけるFF要求Gの値を1st減速度制限値LM1の値(点Sと点LM1aとを結ぶ直線の値)に補正する。
例えば、図2(b)に示した時刻t2と時刻t2aとの間においては、車両制御ECU16は、点LM1cと点LM2aとを結ぶ直線の変化率と、点LM1cと点G2aとを結ぶ直線の変化率と、が比較される。この例では点LM1cと点G2aとを結ぶ直線の変化率の方が小さい。従って、この場合は車両制御ECU16が時刻t2と時刻t2aとの間におけるFF要求Gの値を2nd減速度制限値LM2の値(点LM1cと点LM2aとを結ぶ直線の値)に補正する。
この場合、FF要求Gと1st減速度制限値LM1の値が同じになる時刻t4までは、補正されたFF要求Gの変化率は1st減速度勾配制限値(−α1)より小さくなる。従って、FF要求Gは1st減速度制限値LM1の値に補正される。
その一方で、時刻t4を経過するとFF要求Gの変化率は1st減速度勾配制限値(−α1)より大きくなる。従って、時刻t4を経過した後は、FF要求Gは1st減速度制限値LM1によって補正されない(制限を受けない)。
図2(a)に示した例では、CACC要求Gの変化率は、時刻t1から時刻t2までは1st減速度勾配制限値(−α1)よりも小さく、時刻t2から時刻t3までは2nd減速度勾配制限値(−α2)よりも小さく、時刻t3から時刻t4までは1st減速度勾配制限値(−α1)よりも小さい。従って、この場合は車両制御ECU16が、時刻t1から時刻t4の全範囲に渡ってCACC要求Gを図2(a)に示した「1st減速度制限値LM1及び2nd減速度制限値LM2」の値に補正する。一方、時刻t4が経過すると、CACC要求Gは1st減速度制限値LM1及び2nd減速度制限値LM2の値には補正されない。
そのため、自車10と先行車40との車間距離が長い場合に先行車40が急激に減速しようとしているときには、減速度勾配制限値を2nd減速度勾配制限値(−α2)に変更することにより、自車10を大きな(減速方向の)加速度によって減速させることができる。そのため、自車10の乗員が先行車40に対する接近感を強く感じる程度に自車10が先行車40に接近するおそれを小さくすることが可能である。
続いて車両走行制御装置15による自車10の具体的な制御方法を図3のフローチャートを参照しながら説明する。
車両制御ECU16のCPU(以下、単に「CPU」と表記する。)は、追従制御スイッチがオン位置にある場合、所定時間(例えば数msec)おきに図3のフローチャートに示したルーチンを繰り返し実行する。
なお、先行車40と通信車の類似度を演算するための手法は、例えば特許第5522193号公報等に記載されているように公知である。そのため、ここではその演算手法についての詳細な説明は省略する。
CPUはステップ303でYESと判定した場合、自車10をCACC制御すべくステップ304へ進んで、無線制御ECU19及び無線アンテナ20を用いて受信した「先行車40からの要求加速度u及び先行車40の実加速度r」に基づいて上述した要領にてFF要求Gを算出する。
なお、CPUはステップ303でNOと判定した場合は、自車10をACC制御すべくステップ305へ進む。
上述したように、この先行車急減速判定条件が成立する場合は、先行車40のブレーキペダル29の操作量が急激に大きくなったこと等により先行車40が急減速し始めていると判断できる。
この類似判定閾値2は、類似判定閾値1より大きい値である。そのため、CPUがステップ309でYESと判定した場合は、通信車が先行車40である可能性が高いと判定できる。
先行車40を通信車と認識できる状態が短時間しか続かない場合は、先行車40ではない通信車を先行車40であると誤認識する可能性がそれなりにある。しかし、継続時間Tが閾値3以上の長さである場合は、通信車が先行車40であると誤判定する可能性は大幅に低くなる。
この場合は、先行車40が通信車である可能性が高いため勾配制限緩和要求フラグを「1」に設定する。即ち、先行車40の急激な減速に対応するために、減速度勾配制限値を初期値である1st減速度勾配制限値(−α1)から2nd減速度勾配制限値(−α2)へ変更する。
なお、CPUがステップ309、310の何れかでNOと判定した場合、先行車40が通信車でない可能性がそれなりにある。そのため、この場合もCPUはステップ312へ進む。
次に、CPUはステップ314へ進み、ステップ311とステップ312でそれぞれ設定された減速度勾配制限値を利用して、FF要求Gの勾配制限処理を行う。
上述したように、FF要求Gの変化率が減速度勾配制限値より小さい場合は、CPUはFF要求Gの値を減速度制限値の値に補正する。その一方で、FF要求Gの変化率が減速度勾配制限値より大きい場合は、CPUはFF要求Gを補正しない。
CPUはステップ316でYESと判定した場合はステップ317へ進んで、先行車40の急激な減速に対応するために、CACC要求Gの減速度勾配制限値を初期値である1st減速度勾配制限値(−α1)から2nd減速度勾配制限値(−α2)へ変更する。
この変形例は、先行車40及び自車10が減速中に、先行車40が車線変更したり、自車10の前方レーダセンサ18がセンサロスト(即ち、一時的な受信不良)を起こしたりした場合の自車10の加速度制御に特徴がある。
しかし、例えば時刻t1において先行車40が車線変更した場合は、自車10はCACC制御を続行できなくなる。
しかし図4に示したような状況になった場合、CPUは時刻t1において減速度勾配制限値を「緩和後の減速度勾配制限値α4(但し、α4>α3>0)」に変更し、仮想FF要求Gをこの減速度勾配制限値α4に従って変化する減速度制限値LM4の大きさとなるように演算する。即ちCPUは、減速度制限値LM3に基づいて自車10を制御する場合と比べて、自車10の減速動作を素早く中止する。
なお時刻t2以降においては、CPUは自車10をACC制御する。
この変形例は、先行車40及び自車10が加速中に、自車10と先行車40との間に別の車両が割り込んだ場合の自車10の加速度制御に特徴がある。
しかし、例えば時刻t1において自車10と先行車40との間に別の車両が割り込んだ場合は、自車10はCACC制御を続行できなくなる場合が生じる。
しかし図5に示したような状況になった場合、CPUは時刻t1において加速度勾配制限値を「緩和後の加速度勾配制限値α6(但しα6<α5<0)」に変更し、仮想FF要求Gを「加速度勾配制限値α6に従って変化する加速度制限値LM6」となるように演算する。即ち車両制御ECU16は、加速度制限値LM5に基づいて自車10を制御する場合と比べて、自車10の加速動作を素早く中止する。
なお時刻t2以降においては、車両制御ECU16は自車10をACC制御する。
Claims (1)
- 自車の前方に位置する先行車の加速度に関連する加速度情報を通信によって取得する先行車加速度取得手段と、
前記自車と前記先行車との車間距離を測定する測距手段と、
前記測定された車間距離を所定の目標車間距離に近づけるための前記自車の加速度であるフィードバック要求加速度を算出するFB要求G算出手段と、
前記加速度情報に基づき前記自車を前記先行車に協調して追従走行させるためのフィードフォワード要求加速度を算出するFF要求G算出手段と、
前記フィードバック要求加速度及び前記フィードフォワード要求加速度に基づいて前記自車の目標加速度を設定し、前記自車の加速度が前記目標加速度になるように同自車の加速度を制御する加速度制御手段と、
前記フィードフォワード要求加速度が負の値である第1閾値以下であり且つ前記フィードフォワード要求加速度の単位時間あたりの変化量が負の値である第2閾値以下である先行車急減速判定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記目標加速度が負であり且つその絶対値が時間の経過とともに増大していく場合に、前記目標加速度の単位時間あたりの変化量が負の値である減速度勾配制限値より小さいときに、前記変化量を前記減速度勾配制限値に補正する減速度勾配制限手段を備え、
前記判定手段が前記先行車急減速判定条件を満たしていると判定したとき、前記先行車急減速判定条件を満たしていないときと比べて、前記減速度勾配制限手段が前記減速度勾配制限値の絶対値を大きくする、減速度勾配制限手段を備える、
車両走行制御装置。
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