JP2020117006A - 車両の加減速度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリップ減少制御実行時の運転者への不快感を低減する。【解決手段】本発明に係る車両の加減速度制御装置は、運転者による加減速操作に基づいて車両を加減速させる通常運転制御と、運転者による加減速操作とは無関係に車両を自動的に加減速させる運転支援制御とを選択的に行うと共に、車輪と路面との間に所定量以上のスリップが生じた場合、車輪に付加されている制動力を変化させることによりスリップの量を所定量よりも小さい量にするスリップ減少制御を行う。本装置は、運転支援制御の実行中に予め定められたスリップ予測加減速度以上の加減速度が車両の加減速度として要求された場合、加減速度がスリップ予測加減速度よりも小さい所定加減速度に達するまでは、加減速度を第1増大率で増大させ、加減速度が所定加減速度に達した後は、加減速度を第1増大率よりも小さい第2増大率で増大させる。【選択図】図11

Description

本発明は、車両の加減速度制御装置に関する。
車両が減速されているときに車両の車輪とその車輪が接地している道路の路面との間に一定量以上のスリップが生じた場合、車輪に付加される制動力を低減してスリップの量を一定量よりも小さくするアンチロック制御を実行する車両の加減速度制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2016−124310号公報
アンチロック制御が実行された場合、一定量以上のスリップが生じている車輪に付加される制動力が減少される。その結果、車両の減速度(以下、「車両減速度」と称呼する。)が減少する。この車両減速度の減少は、スリップの量が一定量よりも小さくなるまで続く。
車両減速度が大きな増大率で増大しているときにアンチロック制御が開始された場合、車両減速度が減少するが、車両減速度が減少し始める時点での車両減速度は、一定量以上のスリップが生じた時点の車両減速度から大きく増大している可能性がある。この場合、スリップの量を一定量よりも小さい量にするためには、車両減速度を大きく減少させる必要がある。このため、スリップの量を一定量よりも小さい量にするまでに要する時間が長くなってしまう。又、車両減速度の減少量が大きいため、車両の運転者に不快感を与えてしまう可能性もある。
このことは、車両が加速されているときに車両の車輪とその車輪が接地している道路の路面との間に一定量以上のスリップが生じた場合、車輪に制動力を付加してスリップの量を一定量よりも小さくするトラクション制御を実行する車両にも当てはまる。
従って、このことは、一般に、車両の車輪とその車輪が接地している道路の路面との間に一定量以上のスリップが生じた場合、車輪に付加される制動力を変化させてスリップの量を一定量よりも小さくするスリップ減少制御を実行する車両に当てはまる。
本発明は、上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の1つは、スリップ減少制御を実行する車両において、スリップ減少制御が実行されたときに短い時間でスリップの量を一定量よりも小さい量に減少させることができ且つ運転者に不快感を与える可能性を小さくすることができる車両の加減速度制御装置を提供することにある。
本発明に係る車両の加減速度制御装置(以下、「本発明装置」と称呼する。)は、車両(100)の加減速度(Gac、Gde)を制御するための制御手段(90)を備える。
前記制御手段(90)は、前記車両(100)の運転者による加減速操作に基づいて該車両を加減速させて該車両を走行させる通常運転制御(図8に示したルーチンを参照。)と、前記運転者による前記加減速操作とは無関係に前記車両を自動的に加減速させて前記車両を走行させる運転支援制御(図9乃至図11に示したルーチンを参照。)と、を選択的に行うように構成されている。
更に、前記制御手段(90)は、前記車輪(50)と該車輪が接地している路面との間で所定量以上のスリップが生じた場合(図7のステップ730及びステップ760にて「Yes」と判定される場合を参照。)、前記所定量以上のスリップが生じている前記車輪に付加されている制動力を変化させることにより前記スリップの量を前記所定量よりも小さい量にするスリップ減少制御(図7のステップ740及びステップ770の処理を参照。)を行うように構成されている。
加えて、前記制御手段(90)は、前記運転支援制御の実行中に予め定められたスリップ予測加減速度以上の加減速度が前記車両の加減速度として要求された場合(図10のステップ1010及び図11のステップ1110にて「Yes」と判定される場合を参照。)、前記加減速度が前記スリップ予測加減速度よりも小さい所定加減速度に達するまでは(図10のステップ1025及び図11のステップ1125にて「Yes」と判定される場合を参照。)、前記加減速度を第1増大率で増大させ(図10のステップ1030及び図11のステップ1130の処理を参照。)、前記加減速度が前記所定加減速度に達した後は(図10のステップ1025及び図11のステップ1125にて「No」と判定される場合を参照。)、前記加減速度を前記第1増大率よりも小さい第2増大率で増大させる(図10のステップ1045及び図11のステップ1145の処理を参照。)、多段加減速度制御を行うように構成されている。
本発明装置によれば、多段加減速度制御の実行中にスリップ減少制御が実行された場合、スリップの量が所定量に達する直前における加減速度の増大率は、比較的小さい第2増大率である。従って、スリップ減少制御の開始後、車両の加減速度が減少し始めた時点における車両の加減速度は、比較的小さい。
このため、スリップの量が所定量に達してから所定量よりも小さくなるまでに要する時間は、比較的短い。従って、短い時間でスリップの量を所定量よりも小さい量に減少させることができる。
加えて、スリップ減少制御により車両加減速度が減少し始めてからスリップの量が所定量よりも小さくなるまでの車両の加減速度の減少量は、比較的小さい。従って、スリップ減少制御の実行に伴う車両の加減速度の変化に起因して運転者に不快感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
更に、運転者がブレーキペダルを操作しているときに多段加減速度制御が行われると、車両の加減速度がブレーキペダルの操作に対応せずに変化するので、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。しかしながら、本発明装置によれば、多段加減速度制御は、運転者による加減速操作とは無関係に車両を自動的に加減速させて車両を走行させる運転支援制御の実行中に行われる。このため、多段加減速度制御の実行に伴う車両の加減速度の変化に起因して運転者に違和感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る加減速度制御装置及びその加減速度制御装置が適用される車両を示した図である。 図2は、本発明の実施形態に係る加減速度制御装置が適用される車両を示した図である。 図3は、本発明の実施形態に係る加減速度制御装置が行う多段減速度制御を説明するためのタイムチャートである。 図4は、本発明の実施形態に係る加減速度制御装置が行う多段加速度制御を説明するためのタイムチャートである。 図5は、本発明の実施形態に係る加減速度制御装置が行う多段加速度制御を説明するためのタイムチャートである。 図6は、本発明の実施形態に係る加減速度制御装置が行う多段加速度制御を説明するためのタイムチャートである。 図7は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図8は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図9は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図10は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図11は、図1に示したECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る車両の加減速度制御装置を含む車両制御装置(以下、「実施装置」と称呼する。)について説明する。実施装置は、図1に示した車両100に適用される。図2に示したように、車両100は、右前方の車輪51、左前方の車輪52、右後方の車輪53及び左後方の車輪54を備えている。以下の説明において、車輪50は、車輪51乃至54の全て或いは何れかを表している。
図1に示したように、実施装置は、ECU90を備えている。ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。
図1に示したように、車両100は、内燃機関10、ブレーキ装置20及びパワーステアリング装置30を備えている。
<内燃機関>
内燃機関10は、周知の圧縮着火式の多気筒内燃機関(所謂、ディーゼルエンジン)である。しかしながら、内燃機関10は、周知の火花点火式の多気筒内燃機関(所謂、ガソリンエンジン)であってもよい。
内燃機関10は、複数の燃焼室(図示略)、それら燃焼室それぞれに燃料を噴射する燃料噴射弁11、及び、燃料噴射弁11の作動を制御する燃料噴射弁アクチュエータ12等を備えている。
燃料噴射弁アクチュエータ12は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、燃料噴射弁アクチュエータ12を介して燃料噴射弁11の作動を制御することにより内燃機関10が発生するトルク(以下、「機関トルク」と称呼する。)を変更することができる。機関トルクは、トランスミッション(図示略)及びドライブシャフト100d(図2を参照。)を介して右前方の車輪51及び左前方の車輪52に伝達される。従って、ECU90は、燃料噴射弁アクチュエータ12を介して燃料噴射弁11の作動を制御することにより車両100の加速度を変更することができる。
<ブレーキ装置>
図2に示したように、ブレーキ装置20は、周知の装置であり、車両100の各車輪51乃至54にそれぞれ対応して設けられた摩擦ブレーキ機構211乃至214、各摩擦ブレーキ機構211乃至214にそれぞれ対応して設けられたブレーキアクチュエータ221乃至224、及び、各ブレーキアクチュエータ221乃至224にそれぞれ対応して設けられた作動油通路231乃至234等を備えている。
以下の説明において、摩擦ブレーキ機構21は、摩擦ブレーキ機構211乃至214の全て或いは何れかを表しており、ブレーキアクチュエータ22は、ブレーキアクチュエータ221乃至224の全て或いは何れかを表している。
各摩擦ブレーキ機構211乃至214は、それぞれ、ブレーキディスク211a乃至214a及びブレーキキャリパ211b乃至214bを備える。各ブレーキディスク211a乃至214aは、それぞれ対応する車輪51乃至54に固定される。各ブレーキキャリパ211b乃至214bは、車両100の車体に固定される。
各ブレーキアクチュエータ221乃至224は、それぞれ対応する摩擦ブレーキ機構211乃至214のブレーキキャリパ211b乃至214bにそれぞれ対応する作動油通路231乃至234を介して接続されている。各ブレーキアクチュエータ221乃至224は、マスタシリンダ(図示略)によって加圧された作動油を、それぞれ対応する作動油通路231乃至234を介してそれぞれ対応する摩擦ブレーキ機構211乃至214(本例においては、特に、それぞれ対応する摩擦ブレーキ機構211乃至214のブレーキキャリパ211b乃至214b)に供給できるように構成されている。
各ブレーキアクチュエータ22は、ECU90に電気的に接続されている。各ブレーキアクチュエータ22は、ECU90からの指示に応じてそれぞれ対応する摩擦ブレーキ機構21のブレーキキャリパ211b乃至214bに供給する作動油の圧力(以下、「ブレーキ油圧」と称呼する。)を調整し、そのブレーキ油圧によりブレーキキャリパ211b乃至214bのブレーキパッドをブレーキディスク211a乃至214aに押し付けて摩擦力を発生させる。各車輪50は、その摩擦力によって制動され、その結果、車両100が制動される。各車輪50に付加される制動力は、それぞれ対応するブレーキアクチュエータ22からそれぞれ対応する摩擦ブレーキ機構21に供給されるブレーキ油圧が大きいほど大きくなる。
<パワーステアリング装置>
図1に示したように、パワーステアリング装置30は、周知の装置であり、モータドライバ31及び転舵モータ32等を備えている。モータドライバ31は、転舵モータ32に接続されている。転舵モータ32は、車両100の「操舵ハンドル43、操舵ハンドル43に連結されたステアリングシャフト44及び操舵ギア機構等を含むステアリング機構」に組み込まれている。転舵モータ32は、モータドライバ31から供給される電力によってトルクを発生し、このトルクによってステアリングシャフト44に操舵アシストトルクを加えたり、右前方の車輪51及び左前方の車輪52を転舵したりすることができる。
モータドライバ31は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、モータドライバ31の作動を制御する。ECU90は、モータドライバ31の作動を制御することにより転舵モータ32の作動を制御することができる。
<センサ等>
更に、車両100は、アクセルペダル操作量センサ71、ブレーキペダル操作量センサ72、操舵角センサ73、操舵トルクセンサ74、車輪速センサ751乃至754、ヨーレートセンサ76、前後加速度センサ77、横加速度センサ78、レーダセンサ79、カメラ装置80及び運転支援スイッチ81を備えている。
アクセルペダル操作量センサ71は、ECU90に電気的に接続されている。アクセルペダル操作量センサ71は、アクセルペダル41の操作量を検出し、検出した操作量を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてアクセルペダル41の操作量を「アクセルペダル操作量AP」として取得する。
ブレーキペダル操作量センサ72は、ECU90に電気的に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ72は、ブレーキペダル42の操作量を検出し、検出した操作量を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてブレーキペダル42の操作量を「ブレーキペダル操作量BP」として取得する。
操舵角センサ73は、ECU90に接続されている。操舵角センサ73は、車両100の操舵輪である右前方の車輪51及び左前方の車輪52の操舵角を検出し、検出した操舵角を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて車両100の右前方の車輪51及び左前方の車輪52の操舵角を「操舵角θ」として取得する。
操舵トルクセンサ74は、ECU90に電気的に接続されている。操舵トルクセンサ74は、操舵ハンドル43の操作により車両100のステアリングシャフト44に加わるトルクを検出し、検出したトルクを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてステアリングシャフト44に加わるトルクを「操舵トルクTra」として取得する。
車輪速センサ751乃至754は、ECU90に電気的に接続されている。車輪速センサ751乃至754は、車両100の各車輪50の車輪速を検出し、検出した車輪速を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、それら信号に基づいて各車輪50の車輪速を「車輪速V1乃至V4」として取得する。
更に、ECU90は、取得した車輪速V1乃至V4の平均値(以下、「平均車輪速」と称呼する。)Vave(=(V1+V2+V3+V4)/4)を「車両100の速度(以下、「車速SPD」と称呼する。)」として取得する。
更に、ECU90は、平均車輪速Vaveと各車輪50の車輪速V1乃至V4とを用いて下式(1)乃至(4)に従って各車輪50のスリップ率Sde1乃至Sde4を取得する。以下の説明においては、これらスリップ率Sde1乃至Sde4をそれぞれ「減速時スリップ率Sde1乃至Sde4」と称呼する。又、以下の説明において、減速時スリップ率Sdeは、減速時スリップ率Sde1乃至Sde4の全て或いは何れかを表している。
Sde1=(Vave−V1)/Vave …(1)
Sde2=(Vave−V2)/Vave …(2)
Sde3=(Vave−V3)/Vave …(3)
Sde4=(Vave−V4)/Vave …(4)
更に、ECU90は、平均車輪速Vaveと各車輪50の車輪速V1乃至V4とを用いて下式(5)乃至(6)に従って駆動輪である右前方の車輪51及び左前方の車輪52のスリップ率Sac1及びSac2を取得する。以下の説明においては、これらスリップ率Sac1及びSac2をそれぞれ「加速時スリップ率Sac1及びSac2」と称呼する。又、以下の説明において、加速時スリップ率Sacは、加速時スリップ率Sac1及びRec2の両方或いは何れかを表している。
Sac1=(V1−Vave)/V1 …(5)
Sac2=(V2−Vave)/V2 …(6)
ヨーレートセンサ76は、ECU90に電気的に接続されている。ヨーレートセンサ76は、車両100のヨーレートを検出し、検出したヨーレートを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて車両100のヨーレートを「ヨーレートδ」として取得する。
前後加速度センサ77は、ECU90に電気的に接続されている。前後加速度センサ77は、車両100の前後方向の加速度を検出し、検出した前後方向の加速度を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて車両100の前後方向の加速度を「前後加速度Gx」として取得する。
横加速度センサ78は、ECU90に電気的に接続されている。横加速度センサ78は、車両100の横方向(即ち、幅方向)の加速度を検出し、検出した横方向の加速度を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて車両100の横方向の加速度を「横加速度Gy」として取得する。
レーダセンサ79は、ECU90に電気的に接続されている。レーダセンサ79は、ミリ波帯の電波(以下、「ミリ波」と称呼する。)を車両100の前方に放射し、先行車200によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。レーダセンサ79は、「送信したミリ波と受信した反射波との位相差」、「反射波の減衰レベル」及び「ミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間」等を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて先行車200と車両100との間の距離を「車間距離D」として取得する。更に、ECU90は、後述する車間距離制御において目標とすべき車間距離D(以下、「目標車間距離Dtgt」と称呼する。)に対する車間距離Dの差を「車間距離差ΔD(=Dtgt−D)」として取得する。
カメラ装置80は、ECU90に電気的に接続されている。カメラ装置80は、ステレオカメラを備えている。カメラ装置80は、ステレオカメラにより車両100の左前方領域及び右前方領域の風景を撮影して左右一対の画像データを取得し、それら画像データをECU90に送信する。ECU90は、その画像データに基づいて物標(例えば、先行車200及び歩行者)の有無及び車両100と物標との相対関係等を取得することができる。
運転支援スイッチ81は、ECU90に電気的に接続されている。運転支援スイッチ81は、車両100の運転者により操作されるスイッチである。運転支援スイッチ81が運転者によりオン位置に設定された場合、運転支援スイッチ81は、ハイ信号をECU90に送信する。ECU90は、ハイ信号を受信した場合、後述する運転支援制御である車間距離制御の実行が要求されたと判断する。一方、運転支援スイッチ81が運転者によりオフ位置に設定された場合、運転支援スイッチ81は、ロー信号をECU90に送信する。ECU90は、ロー信号を受信した場合、後述する運転支援制御である車間距離制御の実行が要求されていないと判断する。
更に、ECU90は、カメラ装置80から受信した画像データ、ヨーレートδ、前後加速度Gx、横加速度Gy及び後述する地図データベース83に記憶されている地図情報等のパラメータのうち、所定の1つ以上のパラメータを用いて車両100が走行している道路の路面(以下、「走行路面」と称呼する。)の摩擦係数を基本路面摩擦係数μbaseとして取得する。加えて、ECU90は、基本路面摩擦係数μbaseを1つのパラメータを用いて取得するようになっている場合には、そのパラメータとは異なる1つ以上のパラメータを用いて走行路面の摩擦係数を参照路面摩擦係数μrefとして取得する。一方、ECU90は、基本路面摩擦係数μbaseを2つ以上のパラメータを用いて取得するようになっている場合には、それらパラメータの組み合わせとは異なる組み合わせの2つ以上のパラメータを用いて或いは1つのパラメータのみを用いて走行路面の摩擦係数を参照路面摩擦係数μrefとして取得する。
ECU90は、基本路面摩擦係数μbaseと参照路面摩擦係数μrefとを比較し、その比較した結果に基づいて基本路面摩擦係数μbaseが真の路面摩擦係数に近い程度を示す信頼度Drelを取得する。
<GPS受信機等>
更に、車両100は、GPS受信機82、地図データベース83及びディスプレイ84を備えている。
GPS受信機82は、ECU90に電気的に接続されている。GPS受信機82は、人工衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号をECU90に送信する。ECU90は、そのGPS信号に基づいて車両100の現在位置を特定する。
地図データベース83は、ECU90に電気的に接続されている。地図データベース83は、地図情報等を記憶している。
ディスプレイ84は、ECU90に電気的に接続されている。ディスプレイ84は、ヒューマンマシンインターフェースであるタッチパネル式のディスプレイ等である。ECU90は、車両100の位置及び地図データベース83に記憶されている地図情報等に基づいて各種の演算処理を行い、ディスプレイ84を用いて経路案内を行う。
<実施装置の作動の概要>
次に、実施装置の作動の概要について説明する。実施装置は、以下に述べる各種の制御を行うように構成されている。
<車間距離制御(運転支援制御)>
実施装置は、運転支援スイッチ81がオン位置に設定されている場合、車間距離Dが所定距離Dthに維持されるように運転者によるアクセルペダル41又はブレーキペダル42の操作とは無関係に車両100を加減速する車間距離制御を運転支援制御として行う。
実施装置は、車間距離制御の実行中、以下に述べる処理を繰り返し行う。即ち、実施装置は、車間距離差ΔDに基づいて目標とすべき車両100の加減速度を目標加減速度Gtgtとして設定する。
より具体的には、車間距離差ΔDがゼロよりも大きい場合、実施装置は、以下に述べる通常加速度制御を行う。即ち、実施装置は、ゼロよりも大きい加減速度を目標加減速度Gtgtとして設定する。この場合、目標加減速度Gtgtは、車両100の目標とすべき加速度(以下、「目標加速度Gac_tgt」と称呼する。)である。
目標加減速度Gtgtがゼロよりも大きい場合、実施装置は、現在の目標燃料噴射量Qtgtよりも大きい燃料噴射量を新たな目標燃料噴射量Qtgtとして設定すると共に、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定する。このとき、実施装置は、目標加減速度Gtgtが大きいほど目標燃料噴射量Qtgtを大きい値に設定する。
尚、目標燃料噴射量Qtgtは、燃料噴射弁11から噴射させる燃料の量として目標とすべき量であり、目標ブレーキ油圧Ptgtは、ブレーキアクチュエータ22から摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧として目標とすべきブレーキ油圧である。
そして、実施装置は、目標燃料噴射量Qtgtの燃料が燃料噴射弁11から噴射されるように燃料噴射弁アクチュエータ12の作動を制御すると共に、各摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧がゼロになるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。これにより、車両100は、加速され、その結果、車間距離Dが短くなる。
一方、車間距離差ΔDがゼロよりも小さい場合、実施装置は、以下に述べる通常減速度制御を行う。即ち、実施装置は、ゼロよりも小さい加減速度を目標加減速度Gtgtとして取得する。この場合、目標加減速度Gtgtは、車両100の目標とすべき減速度(以下、「目標減速度Gde_tgt」と称呼する。)である。
目標加減速度Gtgtがゼロよりも小さい場合、実施装置は、目標燃料噴射量Qtgtをゼロに設定すると共に、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定するか或いはゼロよりも大きいブレーキ油圧を目標ブレーキ油圧Ptgtとして設定する。このとき、実施装置は、目標加減速度Gtgtの絶対値が比較的小さい場合、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定し、目標加減速度Gtgtの絶対値が比較的大きい場合、ゼロよりも大きいブレーキ油圧を目標ブレーキ油圧Ptgtとして設定する。
そして、実施装置は、燃料噴射弁11から噴射される燃料の量がゼロになるように燃料噴射弁アクチュエータ12の作動を制御すると共に、各摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧が目標ブレーキ油圧Ptgtになるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。これにより、車両100は、減速され、その結果、車間距離Dが長くなる。
尚、車間距離差ΔDがゼロである場合、実施装置は、目標加減速度Gtgtをゼロに設定する。この場合、実施装置は、現在の目標燃料噴射量Qtgtと等しい燃料噴射量Qを新たな目標燃料噴射量Qtgtとして設定すると共に、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定する。
そして、実施装置は、目標燃料噴射量Qtgtの燃料が燃料噴射弁11から燃焼室に噴射されるように燃料噴射弁アクチュエータ12の作動を制御すると共に、各摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧がゼロになるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。これにより、車両100は、現在の車速SPDを維持しつつ走行し、その結果、車間距離Dが目標車間距離Dtgtに維持される。
<通常運転制御>
尚、運転支援スイッチ81がオフ位置に設定されている場合、実施装置は、アクセルペダル操作量AP及びブレーキペダル操作量BPに基づいて車両100を加減速する通常運転制御を行う。
実施装置は、通常運転制御の実行中、アクセルペダル操作量APがゼロよりも大きい場合、アクセルペダル操作量APが大きいほど目標燃料噴射量Qtgtを大きい値に設定すると共に、車速SPDが大きいほど目標燃料噴射量Qtgtを大きい値に設定する。一方、通常運転制御の実行中、アクセルペダル操作量APがゼロである場合、車速SPDとは無関係に目標燃料噴射量Qtgtをゼロに設定する。そして、実施装置は、目標燃料噴射量Qtgtの燃料が燃料噴射弁11から噴射されるように燃料噴射弁アクチュエータ12の作動を制御する。
一方、実施装置は、通常運転制御の実行中、ブレーキペダル操作量BPがゼロよりも大きい場合、ブレーキペダル操作量BPが大きいほど目標ブレーキ油圧Ptgtを大きい値に設定する。一方、通常運転制御の実行中、ブレーキペダル操作量BPがゼロである場合、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定する。そして、実施装置は、目標ブレーキ油圧Ptgtのブレーキ油圧が摩擦ブレーキ機構21に付加されるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。
<アンチロック制御>
更に、実施装置は、車両100を制動しているときに減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となった車輪50(以下、「対象車輪50」と称呼する。)が生じた場合、減速時スリップ率Sdeを減少させるためのスリップ減少制御としてアンチロック制御を行うように構成されている。
実施装置は、アンチロック制御を行う場合、以下に述べる処理を行う。即ち、実施装置は、対象車輪50に対応する摩擦ブレーキ機構21(以下、「対象摩擦ブレーキ機構21」と称呼する。)に付加されるブレーキ油圧が減少するように対象摩擦ブレーキ機構21に対応するブレーキアクチュエータ22(以下、「対象ブレーキアクチュエータ22」と称呼する。)の作動を制御する。
実施装置は、対象車輪50の減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_thよりも小さくなるまで対象摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧を減少させ続ける。そして、対象車輪50の減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_thよりも小さくなった場合、実施装置は、対象摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧の減少を停止する。これにより、実施装置は、アンチロック制御の実行を終了する。その後、実施装置は、対象摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧が目標ブレーキ油圧Ptgtに向かって増大するように対象ブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。
アンチロック制御が行われることにより、所定閾値Sde_th以上の減速時スリップ率Sdeが生じた車輪50について、減速時スリップ率Sdeを所定閾値Sde_thよりも小さくすることができる。
<トラクション制御>
更に、実施装置は、車両100を加速しているときに加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となった車輪50(以下、「対象車輪50」と称呼する。)が生じた場合、加速時スリップ率Sacを減少させるためのスリップ減少制御としてトラクション制御を行うように構成されている。
実施装置は、トラクション制御を行う場合、以下に述べる処理を行う。即ち、実施装置は、対象車輪50に対応する摩擦ブレーキ機構21(以下、「対象摩擦ブレーキ機構21」と称呼する。)にブレーキ油圧が付加されるように対象摩擦ブレーキ機構21に対応するブレーキアクチュエータ22(以下、「対象ブレーキアクチュエータ22」と称呼する。)の作動を制御する。
実施装置は、対象車輪50の加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなるまで対象摩擦ブレーキ機構21にブレーキ油圧を付加し続ける。そして、対象車輪50の加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなった場合、実施装置は、対象摩擦ブレーキ機構21へのブレーキ油圧の付加を停止する。これにより、実施装置は、トラクション制御の実行を終了する。
トラクション制御が行われることにより、所定閾値Sac_th以上の加速時スリップ率Sacが生じた車輪50について、加速時スリップ率Sacを所定閾値Sac_thよりも小さくすることができる。
<多段減速度制御>
更に、実施装置は、所定閾値Sde_th以上の減速時スリップ率Sdeが生じると予測される車両100の減速度(以下、「車両減速度」と称呼する。)を、基本路面摩擦係数μbaseに基づいて基本スリップ予測減速度Gde_slip_baseとして取得する。基本スリップ予測減速度Gde_slip_baseは、基本路面摩擦係数μbaseが大きいほど大きい値として取得される。
更に、実施装置は、上記信頼度Drelに基づいて基本スリップ予測減速度Gde_slip_baseを補正することにより、スリップ予測減速度Gde_slipを取得する。本例においては、実施装置は、上記信頼度Drelが小さいほど、基本スリップ予測減速度Gde_slip_baseが大きくなるように補正し、その補正後の基本スリップ予測減速度Gde_slip_baseをスリップ予測減速度Gde_slipとして取得する。これによれば、信頼度Drelが大きいほど、スリップ予測減速度Gde_slipは、基本スリップ予測減速度Gde_slip_baseに近い値となる。
実施装置は、車間距離制御の実行中にスリップ予測減速度Gde_slip以上の目標減速度Gde_tgtを取得した場合、以下に述べる第1減速度制御及び第2減速度制御を含む多段減速度制御を実行する。
即ち、実施装置は、多段減速度制御を開始した場合、車両減速度がスリップ予測減速度Gde_slipよりも小さい所定減速度Gde_thに達するまでは、車両減速度が予め定められた一定の増大率(以下、「第1増大率Rde1」と称呼する。)で増大するように各摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧を各ブレーキアクチュエータ22により制御する第1減速度制御を実行する。
そして、車両減速度が所定減速度Gde_thに達した後は、車両減速度が第1増大率Rde1よりも小さい予め定められた一定の増大率(以下、「第2増大率Rde2」と称呼する。)で増大するように各摩擦ブレーキ機構21に付加されるブレーキ油圧を各ブレーキアクチュエータ22により制御する第2減速度制御を実行する。
上述した多段減速度制御が実行され、その多段減速度制御の実行中にアンチロック制御が実行された場合、車両減速度は、図3に示したように変化する。図3に示した例においては、時刻t30以前における目標減速度Gde_tgtがゼロであり、時刻t30においてスリップ予測減速度Gde_slip以上の目標減速度Gde_tgtが設定される。従って、時刻t30から車両減速度が所定減速度Gde_thに達する時刻t31までは、第1減速度制御が実行されるので、車両減速度が第1増大率Rde1で増大する。そして、車両減速度が所定減速度Gde_thに達した時刻t31以降は、第2減速度制御が実行されるので、車両減速度が第2増大率Rde2で増大する。
図3は、第2減速度制御の実行中の時刻t34において車両減速度がスリップ予測減速度Gde_slipに達し、少なくとも1つの車輪50について減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となった例を示している。従って、時刻t34において、減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となった車輪50(即ち、対象車輪50)についてアンチロック制御が開始される。これにより、対象車輪50に対応する摩擦ブレーキ機構21(即ち、対象摩擦ブレーキ機構21)に付加されるブレーキ油圧が減少される。その後、時刻t36において、車両減速度が減少し始める。その後、時刻t37において、対象車輪50の減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_thよりも小さくなる。
一方、図3には、時刻t31以降も第1増大率Rde1で車両減速度が増大された場合における車両減速度の変化が破線で示されている。この場合、時刻t32において、車両減速度がスリップ予測減速度Gde_slipに達し、少なくとも1つの車輪50について減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となる。従って、時刻t32において、減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となった車輪50(即ち、対象車輪50)に対応する摩擦ブレーキ機構21(即ち、対象摩擦ブレーキ機構21)に付加されるブレーキ油圧が減少される。その後、時刻t33において、車両減速度が減少し始める。その後、時刻t35において、対象車輪50の減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_thよりも小さくなる。
図3に示した例から判るように、多段減速度制御が実行された場合において1つの車輪50について減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となってからの車両減速度の増大量d1は、車両減速度が第1増大率Rde1で増大され続けた場合において1つの車輪50について減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となってからの車両減速度の増大量d3よりも小さい。
従って、多段減速度制御が実行された場合において1つの車輪50について減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となってから所定閾値Sde_thよりも小さくなるまでに要する時間T1は、車両減速度が第1増大率Rde1で増大され続けた場合において1つの車輪50について減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となってから所定閾値Sde_thよりも小さくなるまでに要する時間T2よりも短い。従って、実施装置によれば、より短い時間で減速時スリップ率Sdeを所定閾値Sde_thよりも小さくすることができる。
加えて、多段減速度制御が実行された場合においてアンチロック制御により車両減速度が減少し始めてから減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_thよりも小さくなるまでの車両減速度の減少量d2は、車両減速度が第1増大率Rde1で増大され続けた場合においてアンチロック制御により車両減速度が減少し始めてから減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_thよりも小さくなるまでの車両減速度の減少量d4よりも小さい。従って、実施装置によれば、アンチロック制御の実行に伴う車両減速度の変化に起因して運転者に不快感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
更に、運転者がブレーキペダル42を操作しているときに上記多段減速度制御が行われると、車両減速度がブレーキペダル42の操作に対応せずに変化するので、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。しかしながら、実施装置によれば、多段減速度制御は、運転者がブレーキペダル42を操作していない車間距離制御が実行されているときに行われる。このため、多段減速度制御の実行に伴う車両減速度の変化に起因して運転者に違和感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
尚、対象車輪50が生じないまま、車両減速度が目標減速度Gde_tgtに達した場合、実施装置は、車両減速度が目標減速度Gde_tgtに維持されるように各ブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。
又、上述した多段減速度制御においては、第1増大率Rde1及び第2増大率Rde2は、一定の値であるが、図4に示したように、第1増大率Rde1を時間の経過と共に徐々に小さくなる値に設定し、第2増大率Rde2を第1増大率Rde1よりも大きい値であって時間の経過と共に徐々に小さくなる値に設定してもよい。
<多段加速度制御>
更に、実施装置は、所定閾値Sac_th以上の加速時スリップ率Sacが生じると予測される車両100の加速度(以下、「車両加速度」と称呼する。)を、基本路面摩擦係数μbaseに基づいて基本スリップ予測加速度Gac_slip_baseとして取得する。基本スリップ予測加速度Gac_slip_baseは、基本路面摩擦係数μbaseが大きいほど大きい値として取得される。
更に、実施装置は、上記信頼度Drelに基づいて基本スリップ予測加速度Gac_slip_baseを補正することにより、スリップ予測加速度Gac_slipを取得する。本例においては、実施装置は、上記信頼度Drelが小さいほど、基本スリップ予測加速度Gac_slip_baseが大きくなるように補正し、その補正後の基本スリップ予測加速度Gac_slip_baseをスリップ予測加速度Gac_slipとして取得する。これによれば、信頼度Drelが大きいほど、スリップ予測加速度Gac_slipは、基本スリップ予測加速度Gac_slip_baseに近い値となる。
実施装置は、車間距離制御の実行中にスリップ予測加速度Gac_slip以上の目標加速度Gac_tgtを取得した場合、以下に述べる第1加速度制御及び第2加速度制御を含む多段加速度制御を実行する。
即ち、実施装置は、多段加速度制御を開始した場合、車両加速度がスリップ予測加速度Gac_slipよりも小さい所定加速度Gac_thに達するまでは、車両加速度が予め定められた一定の増大率(以下、「第1増大率Rac1」と称呼する。)で増大するように燃料噴射弁11から噴射される燃料の量(以下、「燃料噴射量」と称呼する。)を燃料噴射弁アクチュエータ12により制御する第1加速度制御を実行する。
そして、車両加速度が所定加速度Gac_thに達した後は、車両加速度が第1増大率Rac1よりも小さい予め定められた一定の増大率(以下、「第2増大率Rac2」と称呼する。)で増大するように燃料噴射量を燃料噴射弁アクチュエータ12により制御する第2加速度制御を実行する。
上述した多段加速度制御が実行され、その多段加速度制御の実行中にトラクション制御が実行された場合、車両加速度は、図5に示したように変化する。図5に示した例においては、時刻t50以前における目標加速度Gac_tgtがゼロであり、時刻t50においてスリップ予測加速度Gac_slip以上の目標加速度Gac_tgtが設定される。従って、時刻t50から車両加速度が所定加速度Gac_thに達する時刻t51までは、第1加速度制御が実行されるので、車両加速度が第1増大率Rac1で増大する。そして、車両加速度が所定加速度Gac_thに達した時刻t51以降は、第2加速度制御が実行されるので、車両加速度が第2増大率Rac2で増大する。
図5は、第2加速度制御の実行中の時刻t54において車両加速度がスリップ予測加速度Gac_slipに達し、少なくとも1つの車輪50について加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となった例を示している。従って、時刻t54において、加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となった車輪50(即ち、対象車輪50)についてトラクション制御が開始される。これにより、対象車輪50に対応する摩擦ブレーキ機構21(即ち、対象摩擦ブレーキ機構21)にブレーキ油圧が付加される。その後、時刻t56において、車両加速度が減少し始める。その後、時刻t57において、対象車輪50の加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなる。
一方、図5には、時刻t51以降も第1増大率Rac1で車両加速度が増大された場合における車両加速度の変化が破線で示されている。この場合、時刻t52において、車両加速度がスリップ予測加速度Gac_slipに達し、少なくとも1つの車輪50について加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となる。従って、時刻t52において、加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となった車輪50(即ち、対象車輪50)に対応する摩擦ブレーキ機構21(即ち、対象摩擦ブレーキ機構21)にブレーキ油圧が付加される。その後、時刻t53において、車両加速度が減少し始める。その後、時刻t55において、対象車輪50の加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなる。
図5に示した例から判るように、多段加速度制御が実行された場合において1つの車輪50について加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となってからの車両加速度の増大量d5は、車両加速度が第1増大率Rac1で増大され続けた場合において1つの車輪50について加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となってからの車両加速度の増大量d7よりも小さい。
従って、多段加速度制御が実行された場合において1つの車輪50について加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となってから所定閾値Sac_thよりも小さくなるまでに要する時間T3は、車両加速度が第1増大率Rac1で増大され続けた場合において1つの車輪50について加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となってから加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなるまでに要する時間T4よりも短い。従って、実施装置によれば、より短い時間で加速時スリップ率Sacを所定閾値Sac_thよりも小さくすることができる。
加えて、多段加速度制御が実行された場合においてトラクション制御により車両加速度が減少し始めてから加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなるまでの車両加速度の減少量d6は、車両加速度が第1増大率Rac1で増大され続けた場合においてトラクション制御により車両加速度が減少し始めてから加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなるまでの車両加速度の減少量d8よりも小さい。従って、実施装置によれば、トラクション制御の実行に伴う車両加速度の変化に起因して運転者に不快感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
更に、運転者がアクセルペダル41を操作しているときに上記多段加速度制御が行われると、車両加速度がアクセルペダル41の操作に対応せずに変化するので、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。しかしながら、実施装置によれば、多段加速度制御は、運転者がアクセルペダル41を操作していない車間距離制御が実行されているときに行われる。このため、多段加速度制御の実行に伴う車両加速度の変化に起因して運転者に違和感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
尚、対象車輪50が生じないまま、車両加速度が目標加速度Gac_tgtに達した場合、実施装置は、車両加速度が目標加速度Gac_tgtに維持されるように燃料噴射弁アクチュエータ12の作動を制御する。
又、上述した多段加速度制御においては、第1増大率Rac1及び第2増大率Rac2は、一定の値であるが、図6に示したように、第1増大率Rac1を時間の経過と共に徐々に小さくなる値に設定し、第2増大率Rac2を第1増大率Rac1よりも大きい値であって時間の経過と共に徐々に小さくなる値に設定してもよい。
<実施装置の具体的な作動>
次に、実施装置の具体的な作動について説明する。
実施装置のECU90のCPU(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、図7にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、ステップ700から処理を開始し、以下に述べるステップ710の処理を行う。その後、CPUは、ステップ720に進む。
ステップ710:CPUは、目標燃料噴射量Qtgtの燃料が燃焼室に供給されるように燃料噴射弁アクチュエータの作動を制御する。後述するように、目標燃料噴射量Qtgtは、図8、図10及び図11に示したルーチンの何れかにおいて設定される。
CPUは、ステップ720に進むと、目標ブレーキ油圧Ptgtがゼロよりも大きいか否かを判定する。後述するように、目標ブレーキ油圧Ptgtは、図8、図10及び図11に示したルーチンの何れかにおいて設定される。
目標ブレーキ油圧Ptgtがゼロよりも大きい場合、CPUは、ステップ720にて「Yes」と判定してステップ730に進み、減速時スリップ率Sde1乃至Sde4の何れかが所定閾値Sde_th以上であるか否かを判定する。
減速時スリップ率Sde1乃至Sde4の何れかが所定閾値Sde_th以上である場合、CPUは、ステップ730にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ740の処理を行う。その後、CPUは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ740:CPUは、減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上である車輪50(即ち、対象車輪50)に対応するブレーキアクチュエータ22(即ち、対象ブレーキアクチュエータ22)については、ブレーキ油圧が減少するように対象ブレーキアクチュエータ22の作動を制御し、その他の車輪50に対応するブレーキアクチュエータ22については、ブレーキ油圧が目標ブレーキ油圧Ptgtとなるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。これにより、対象車輪50について、アンチロック制御が実行される。
CPUがステップ730の処理を実行する時点において減速時スリップ率Sde1乃至Sde4の何れも所定閾値Sde_thよりも小さい場合、CPUは、ステップ730にて「No」と判定し、以下に述べるステップ750の処理を行う。その後、CPUは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ750:CPUは、全ての車輪50に対応するブレーキアクチュエータ22それぞれについて、ブレーキ油圧が目標ブレーキ油圧Ptgtとなるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。これにより、通常ブレーキ油圧制御が実行される。
CPUがステップ720の処理を実行する時点において目標ブレーキ油圧Ptgtがゼロである場合、CPUは、ステップ720にて「No」と判定してステップ760に進み、加速時スリップ率Sac1及びSac2の何れかが所定閾値Sac_th以上であるか否かを判定する。
加速時スリップ率Sac1及びSac2の何れかが所定閾値Sac_th以上である場合、CPUは、ステップ760にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ770の処理を行う。その後、CPUは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ770:CPUは、加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上である車輪50(即ち、対象車輪50)に対応するブレーキアクチュエータ22(即ち、対象ブレーキアクチュエータ22)については、ブレーキ油圧が増大するように対象ブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。これにより、対象車輪50について、トラクション制御が実行される。更に、加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さい車輪50が存在する場合には、CPUは、加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さい車輪50に対応するブレーキアクチュエータ22については、ブレーキ油圧がゼロとなるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。加えて、右後方の車輪53及び左後方の車輪54に対応するブレーキアクチュエータ22については、ブレーキ油圧がゼロとなるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。
一方、加速時スリップ率Sac1及びSac2の何れも所定閾値Sac_thよりも小さい場合、CPUは、ステップ760にて「No」と判定し、以下に述べるステップ780の処理を行う。その後、CPUは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ770:CPUは、全ての車輪50に対応するブレーキアクチュエータ22それぞれについて、ブレーキ油圧がゼロとなるようにブレーキアクチュエータ22の作動を制御する。これにより、通常ブレーキ油圧制御が実行される。
更に、CPUは、図8にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、ステップ800から処理を開始してステップ810に進み、運転支援フラグXautoの値が「1」であるか否かを判定する。
運転支援フラグXautoは、車間距離制御の実行中であるか否かを表すフラグである。運転支援フラグXautoは、その値が「1」である場合、車間距離制御の実行中であることを表し、その値が「0」である場合、車間距離制御の実行中ではないことを表している。
運転支援フラグXautoの値が「1」である場合、CPUは、ステップ810にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ820及びステップ830の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ895に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ820:CPUは、アクセルペダル操作量AP及び車速SPDをルックアップテーブルMapQtgt(AP,SPD)に適用することにより、目標燃料噴射量Qtgtを取得する。ルックアップテーブルMapQtgt(AP,SPD)によれば、取得される目標燃料噴射量Qtgtは、アクセルペダル操作量APがゼロである場合、ゼロであり、アクセルペダル操作量APが大きいほど大きい値であり、車速SPDが大きいほど大きい値である。
ステップ830:CPUは、ブレーキペダル操作量BPをルックアップテーブルMapPtgt(BP)に適用することにより、目標ブレーキ油圧Ptgtを取得する。ルックアップテーブルMapPtgt(BP)によれば、取得される目標ブレーキ油圧Ptgtは、ブレーキペダル操作量BPがゼロである場合、ゼロであり、ブレーキペダル操作量BPが大きいほど大きい値である。
更に、CPUは、図9にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、ステップ900から処理を開始してステップ910に進み、運転支援フラグXautoの値が「1」であるか否かを判定する。
運転支援フラグXautoの値が「1」である場合、CPUは、ステップ910にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ920の処理を行う。その後、CPUは、ステップ930に進む。
ステップ920:CPUは、車間距離差ΔDをルックアップテーブルMapGtgt(ΔD)に適用することにより、目標加減速度Gtgtを取得する。
ルックアップテーブルMapGtgt(ΔD)によれば、車間距離差ΔDがゼロである場合、取得される目標加減速度Gtgtは、ゼロである。一方、車間距離差ΔDがゼロよりも大きい場合、取得される目標加減速度Gtgtは、ゼロよりも大きい値であって、車間距離差ΔDが大きいほど大きくなる値である。一方、車間距離差ΔDがゼロよりも小さい場合、取得される目標加減速度Gtgtは、ゼロよりも小さい値であって、車間距離差ΔDの絶対値が大きいほど絶対値が大きくなる値である。
CPUは、ステップ930に進むと、目標加減速度Gtgtがゼロ以上であるか否かを判定する。目標加減速度Gtgtがゼロ以上である場合、CPUは、ステップ930にて「Yes」と判定してステップ940に進み、図10にフローチャートにより示したルーチンを実行する。
従って、CPUは、ステップ940に進むと、図10のステップ1000から処理を開始し、以下に述べるステップ1005の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1010に進む。
ステップ1005:CPUは、多段減速フラグXdeの値を「0」に設定する。
多段減速フラグXdeは、第1減速度制御及び第2減速度制御が完了しているか否かを表すフラグである。多段減速フラグXdeは、その値が「0」である場合、第1減速度制御及び第2減速度制御が完了していないことを表し、その値が「1」である場合、第1減速度制御及び第2減速度制御が完了していることを表している。
CPUは、ステップ1010に進むと、目標加減速度Gtgtがスリップ予測加速度Gac_slipよりも大きいか否かを判定する。尚、CPUが図10に示したルーチンを実行する場合、目標加減速度Gtgtは、正の値であるので目標加速度Gac_tgtに対応し、目標加減速度Gtgt自体が目標加速度Gac_tgtと等しい。
目標加減速度Gtgt(即ち、目標加速度Gac_tgt)がスリップ予測加速度Gac_slipよりも大きい場合、CPUは、ステップ1010にて「Yes」と判定してステップ1015に進み、車両100の加速度Gac(以下、「車両加速度Gac」と称呼する。)が目標加減速度Gtgtよりも小さいか否かを判定する。
車両加速度Gacが目標加減速度Gtgtよりも小さい場合、CPUは、ステップ1015にて「Yes」と判定してステップ1020に進み、多段加速フラグXacの値が「0」であるか否かを判定する。
多段加速フラグXacは、第1加速度制御及び第2加速度制御が完了しているか否かを表すフラグである。多段加速フラグXacは、その値が「0」である場合、第1加速度制御及び第2加速度制御が完了していないことを表し、その値が「1」である場合、第1加速度制御及び第2加速度制御が完了していることを表している。
多段加速フラグXacの値が「0」である場合、CPUは、ステップ1020にて「Yes」と判定してステップ1025に進み、車両加速度Gacが所定加速度Gac_thよりも小さいか否かを判定する。
車両加速度Gacが所定加速度Gac_thよりも小さい場合、CPUは、ステップ1025にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1030及びステップ1035の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1095を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1030:CPUは、上記第1加速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapQtgt(Gtgt)_1に適用することにより、目標燃料噴射量Qtgtを取得する。これにより、CPUが図7に示したルーチンを実行したときに、トラクション制御が実行されない限り、車両100の加速度が第1増大率Rac1で増大される。
ステップ1035:CPUは、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定する。
一方、車両加速度Gacが所定加速度Gac_th以上である場合(即ち、車両加速度Gacが所定加速度Gac_thに達している場合)、CPUは、ステップ1025にて「No」と判定してステップ1040に進み、車両加速度Gacが目標加減速度Gtgtよりも小さいか否かを判定する。
車両加速度Gacが目標加減速度Gtgtよりも小さい場合、CPUは、ステップ1040にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1045及びステップ1050の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1095を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1045:CPUは、上記第2加速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapQtgt(Gtgt)_2に適用することにより、目標燃料噴射量Qtgtを取得する。これにより、CPUが図5に示したルーチンを実行したときに、トラクション制御が実行されない限り、車両100の加速度が第2増大率Rac2で増大される。
ステップ1050:CPUは、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定する。
一方、車両加速度Gacが目標加速度Gac_tgt以上である場合、CPUは、ステップ1040にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1055乃至ステップ1065の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1095を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1055:CPUは、上記通常加速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapQtgt(Gtgt)_0に適用することにより、目標燃料噴射量Qtgtを取得する。これにより、CPUが図5に示したルーチンを実行したときに、トラクション制御が実行されない限り、車両100の加速度が通常増大率Rac0で増大される。
ステップ1060:CPUは、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定する。
ステップ1065:CPUは、多段加速フラグXacの値を「1」に設定する。これにより、CPUは、ステップ1020に進んだときに「No」と判定し、通常加速度制御を実行するようになる。
CPUがステップ1015の処理を実行する時点において車両加速度Gacが目標加減速度Gtgt以上である場合、CPUは、ステップ1015にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1075及びステップ1080の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1095を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1075:CPUは、上記通常加速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapQtgt(Gtgt)_0に適用することにより、目標燃料噴射量Qtgtを取得する。これにより、CPUが図5に示したルーチンを実行したときに、トラクション制御が実行されない限り、車両100の加速度が通常増大率Rac0で増大される。
ステップ1080:CPUは、目標ブレーキ油圧Ptgtをゼロに設定する。
更に、CPUがステップ1020の処理を実行する時点において多段加速フラグXacの値が「1」である場合、CPUは、ステップ1020にて「No」と判定し、上述したステップ1075及びステップ1080の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1095を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
CPUがステップ1010の処理を実行する時点において目標加減速度Gtgtがスリップ予測加速度Gac_slip以下である場合、CPUは、ステップ1010にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1070並びに上述したステップ1075及びステップ1080の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1095を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1070:CPUは、多段加速フラグXacの値を「0」に設定する。
CPUが図9のステップ930の処理を実行する時点において目標加減速度Gtgtがゼロよりも小さい場合、CPUは、ステップ930にて「No」と判定してステップ950に進み、図11にフローチャートにより示したルーチンを実行する。
従って、CPUは、ステップ950に進むと、図11のステップ1100から処理を開始し、以下に述べるステップ1105の処理を行う。その後、CPUは、ステップ1110に進む。
ステップ1105:CPUは、多段加速フラグXacの値を「0」に設定する。
CPUは、ステップ1110に進むと、目標加減速度Gtgtの絶対値がスリップ予測減速度Gde_slipよりも大きいか否かを判定する。尚、CPUが図11に示したルーチンを実行する場合、目標加減速度Gtgtは、負の値であるので目標減速度Gde_tgtに対応し、目標加減速度Gtgtの絶対値が目標減速度Gde_tgtと等しい。
目標加減速度Gtgtの絶対値(即ち、目標減速度Gde_tgt)がスリップ予測減速度Gde_slipよりも大きい場合、CPUは、ステップ1110にて「Yes」と判定してステップ1115に進み、車両100の減速度Gde(以下、「車両減速度Gde」と称呼する。)が目標加減速度Gtgtの絶対値よりも小さいか否かを判定する。
車両減速度Gdeが目標加減速度Gtgtの絶対値(即ち、目標減速度Gde_tgt)よりも小さい場合、CPUは、ステップ1115にて「Yes」と判定してステップ1120に進み、多段減速フラグXdeの値が「0」であるか否かを判定する。
多段減速フラグXdeの値が「0」である場合、CPUは、ステップ1120にて「Yes」と判定してステップ1125に進み、車両減速度Gdeが所定減速度Gde_thよりも小さいか否かを判定する。
車両減速度Gdeが所定減速度Gde_thよりも小さい場合、CPUは、ステップ1125にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1130及びステップ1135の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1195を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1130:CPUは、上記第1減速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapPtgt(Gtgt)_1に適用することにより、目標ブレーキ油圧Ptgtを取得する。これにより、CPUが図5に示したルーチンを実行したときに、アンチロック制御が実行されない限り、車両100の減速度が第1増大率Rde1で増大される。
ステップ1135:CPUは、目標燃料噴射量Qtgtをゼロに設定する。
一方、車両減速度Gdeが所定減速度Gde_th以上である場合(即ち、車両減速度Gdeが所定減速度Gde_thに達している場合)、CPUは、ステップ1125にて「No」と判定してステップ1140に進み、車両減速度Gdeが目標加減速度Gtgtの絶対値よりも小さいか否かを判定する。
車両減速度Gdeが目標加減速度Gtgtの絶対値よりも小さい場合、CPUは、ステップ1140にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ1145及びステップ1150の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1195を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1145:CPUは、上記第2減速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapPtgt(Gtgt)_2に適用することにより、目標ブレーキ油圧Ptgtを取得する。これにより、CPUが図5に示したルーチンを実行したときに、アンチロック制御が実行されない限り、車両100の減速度が第2増大率Rde2で増大される。
ステップ1150:CPUは、目標燃料噴射量Qtgtをゼロに設定する。
一方、車両減速度Gdeが目標減速度Gde_tgtの絶対値以上である場合、CPUは、ステップ1140にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1155乃至ステップ1165の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1195を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1155:CPUは、上記通常減速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapPtgt(Gtgt)_0に適用することにより、目標ブレーキ油圧Ptgtを取得する。これにより、CPUが図5に示したルーチンを実行したときに、アンチロック制御が実行されない限り、車両100の減速度が通常増大率Rde0で増大される。
ステップ1160:CPUは、目標燃料噴射量Qtgtをゼロに設定する。
ステップ1165:CPUは、多段減速フラグXdeの値を「1」に設定する。これにより、CPUは、ステップ1120に進んだときに「No」と判定し、通常減速度制御を実行するようになる。
CPUがステップ1115の処理を実行する時点において車両減速度Gdeが目標加減速度Gtgtの絶対値以上である場合、CPUは、ステップ1115にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1175及びステップ1180の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1195を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1175:CPUは、上記通常減速度制御を行う。即ち、CPUは、目標加減速度GtgtをルックアップテーブルMapPtgt(Gtgt)_0に適用することにより、目標ブレーキ油圧Ptgtを取得する。これにより、CPUが図5に示したルーチンを実行したときに、アンチロック制御が実行されない限り、車両100の減速度が通常増大率Rde0で増大される。
ステップ1180:CPUは、目標燃料噴射量Qtgtをゼロに設定する。
更に、CPUがステップ1120の処理を実行する時点において多段減速フラグXdeの値が「1」である場合、CPUは、ステップ1120にて「No」と判定し、上述したステップ1175及びステップ1180の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1195を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
CPUがステップ1110の処理を実行する時点において目標加減速度Gtgtの絶対値がスリップ予測減速度Gde_slip以下である場合、CPUは、ステップ1110にて「No」と判定し、以下に述べるステップ1170並びに上述したステップ1175及びステップ1180の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ1195を経由して図9のステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1170:CPUは、多段減速フラグXdeの値を「0」に設定する。
CPUが図9のステップ910の処理を実行する時点において運転支援フラグXautoの値が「0」である場合、CPUは、ステップ910にて「No」と判定してステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上が実施装置の具体的な作動である。これによれば、多段減速度制御が実行された場合において減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となってからの車両減速度の増大量は、比較的小さい。このため、減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_th以上となってから所定閾値Sde_thよりも小さくなるまでに要する時間は、比較的短い。従って、短い時間で減速時スリップ率Sdeを所定閾値Sde_thよりも小さくすることができる。
加えて、多段減速度制御の実行中にアンチロック制御により車両減速度が減少し始めてから減速時スリップ率Sdeが所定閾値Sde_thよりも小さくなるまでの車両減速度の減少量は、比較的小さい。従って、アンチロック制御の実行に伴う車両減速度の変化に起因して運転者に不快感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
更に、多段減速度制御は、車間距離制御の実行中に行われる。従って、多段減速度制御の実行に伴う車両減速度の変化に起因して運転者に違和感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
又、多段加速度制御が実行された場合において加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となってからの車両加速度の増大量は、比較的小さい。このため、加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_th以上となってから所定閾値Sac_thよりも小さくなるまでに要する時間は、比較的短い。従って、短い時間で加速時スリップ率Sacを所定閾値Sac_thよりも小さくすることができる。
加えて、多段加速度制御の実行中にトラクション制御により車両加速度が減少し始めてから加速時スリップ率Sacが所定閾値Sac_thよりも小さくなるまでの車両加速度の減少量は、比較的小さい。従って、トラクション制御の実行に伴う車両加速度の変化に起因して運転者に不快感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
更に、多段加速度制御は、車間距離制御の実行中に行われる。従って、多段加速度制御の実行に伴う車両加速度の変化に起因して運転者に違和感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上述した例においては、運転支援制御として車間距離制御が採用されているが、実施装置が実行する運転支援制御は、運転者によるアクセルペダル41又はブレーキペダル42の操作(即ち、運転者による加減速操作)とは無関係に車両100を自動的に加減速して車両100を走行させる制御であればよく、例えば、「車速SPDが運転者により設定された速度SPDsetに維持されるように車両100を加減速する制御」及び「車両100が歩行者等に接触しないように車両100を減速させて停止させる制御」等であってもよい。
更に、実施装置は、車両100の旋回走行時に車両100の横滑りが生じたときにその横滑りの量が所定量以上となった場合にその横滑りの量が所定量よりも小さくなるように何れかの車輪50に制動力を付加する制御を実行するように構成されていてもよい。
10…内燃機関、20…ブレーキ装置、21…摩擦ブレーキ機構、22…ブレーキアクチュエータ、41…アクセルペダル、42…ブレーキペダル、50…車輪、90…ECU、100…車両

Claims (1)

  1. 車両の加減速度を制御するための制御手段を備えた車両の加減速度制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記車両の運転者による加減速操作に基づいて該車両を加減速させて該車両を走行させる通常運転制御と、前記運転者による前記加減速操作とは無関係に前記車両を自動的に加減速させて前記車両を走行させる運転支援制御と、を選択的に行い、
    前記車輪と該車輪が接地している路面との間で所定量以上のスリップが生じた場合、前記所定量以上のスリップが生じている前記車輪に付加されている制動力を変化させることにより前記スリップの量を前記所定量よりも小さい量にするスリップ減少制御を行う、
    ように構成されている、
    車両の加減速度制御装置において、
    前記制御手段は、前記運転支援制御の実行中に予め定められたスリップ予測加減速度以上の加減速度が前記車両の加減速度として要求された場合、前記加減速度が前記スリップ予測加減速度よりも小さい所定加減速度に達するまでは、前記加減速度を第1増大率で増大させ、前記加減速度が前記所定加減速度に達した後は、前記加減速度を前記第1増大率よりも小さい第2増大率で増大させる多段加減速度制御を行うように構成された、
    車両の加減速度制御装置。
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