JP2017049152A - クラック幅計測システム - Google Patents
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Description
従来、このクラックの測定は、クラックスケールによる目視計測や、クラック状況のスケッチ等によりおこなわれていたが、測定精度や客観性に問題があり、デジタルカメラとPC(personal computer)を使用し、デジタル画像処理技術によりクラック幅を測定するシステムが考案されている(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に開示されるコンクリート表面検査用撮影装置は、コンクリート柱の撮影に限定され、コンクリート構造物の表面のクラック測定にそのまま適用できない。
また、高所点検を行う際、ポールが風等の外的要因で揺れているとき、ポールの先に取り付けられたカメラが揺れることが想定されていない。そのため、ポールが揺れる場合には、正確なクラック幅を計測できない問題がある。
図1は、実施形態のクラック幅計測システムの概略構成を示す図である。
実施形態のクラック幅計測システムは、コンクリート構造物等の検査対象面を撮影する点検装置部100と、撮影画像の表示や計測指示をおこなうタブレット部200から構成される。
点検装置部100は、カメラ103と、カメラ103と検査対象面との距離を測定する距離センサ104と、カメラ103と距離センサ104の設置方向を水平方向や垂直方向に回動して固定する雲台102と、一端に雲台102が設置され、三脚等の架台に固定された伸縮自在なポール101から構成されている。
これにより、検査対象面の所定位置のクラック幅の計測をおこなうことができ、また、雲台102の回動とポール101の伸縮を繰り返しおこなうことで、検査対象面のクラックの面分布と幅を計測することができる。
タブレット部200は、検査対象面の撮影画像を表示するとともに、クラック幅を測定する制御部であり、詳細を後述する。
つぎに、第1のクラック幅計測の計測方法について説明する。
実施形態のクラック幅計測システムは、まず、カメラ103で撮影した検査対象面のデジタル画像を画像処理してクラック像を検出する。詳しくは、RGB色変換(モノクロ変換)・細線化(エッジ検出)・2値化等の画像処理をおこないクラック像をもとめる。つぎに、クラック幅に対応するクラック像の画像ピクセル数を求める。この画像ピクセル数から実寸法を算出することにより、クラック幅を検出することができる。
なお、クラック幅に対応するクラック像の画像ピクセル数を求める方法は、特に限定されないので、ここでは説明しない。
ここで、カメラ103のレンズと検査対象面の間の距離は、カメラ103とともに雲台102に設置されている距離センサ104により測定する。
ところで、カメラ103で検査対象面を撮影する際に、正対方向から角度をもって撮影(斜めから撮影)すると、検査対象面の撮影画像に歪が生じる。例えば、検査対象面の矩形の図形は、図2に示すように撮影した画像は台形に歪む。詳しくは、図2は、図1のカメラ103を上方から視た図であり、図2のカメラ103B、カメラ103A、カメラ103Cは、カメラ103が視準方向の正対状態から、3つの傾き(θc、θa、θb)になった様子を示している。カメラ103の傾きθc>θa>θbの順に、カメラ103の撮影画像を示す撮影画像c、撮影画像a、撮影画像bの台形変形量が大きくなる。図2では、水平方向に視準方向が傾く例を示しているが、垂直方向や斜め方向に傾くこともある。以下の説明では、カメラ103の視準方向の正対方向からの傾き量を視準角度と記す。
このカメラ103の視準方向の傾きによる画像歪は、射影変換等の幾何学変換により、補償することができる。このため、クラック幅の計測において、カメラ103で撮影した検査対象面のデジタル画像を画像処理するにあたり、まず、カメラ103で撮影した撮影画像を、検査対象面の撮影画像の視準角補償をおこなって、検査対象面を正対して撮影した撮影画像に変換する。
図3は、実施形態のクラック幅計測システムの制御部の構成を示す図である。
点検装置制御部110は、カメラ103(図1参照)の動作を制御するカメラ制御部111と、カメラ103と検査対象面との間の距離測定を制御する距離センサ制御部112と、雲台102(図1参照)の回動とポール101(図1参照)の伸縮を制御する雲台・ポール制御部113とを備え、通信部114を介して、タブレット部200からの指示に基づいて制御をおこなう。
そして、カメラ103の撮影画像は、カメラ制御部111と通信部114を介して、タブレット部200に通知され、距離センサ104(図1参照)で測定したカメラ103と検査対象面との間の距離は、距離センサ制御部112と通信部114を介して、タブレット部200に通知される。
カメラ103の撮影画像は、通信部114、201を介して、計測画像作成部204と画像取得部206に通知され、距離センサ104で測定したカメラ103と検査対象面との間の距離情報が、計測画像作成部204に通知されて、クラック幅が求められる。
計測画像合成部205は、計測画像作成部204のクラック幅の測定結果を、カメラ103の撮影画像のクラック像に対応して表示するように画像メモリ上で合成する。
このガイド表示により補償条件を手動設定する方法は、図4により詳細を後述する。
入力部202の自動計測・マニュアル設定部2021は、距離測定値に基づいて視準角度を算出し補償条件を自動で設定するか、マニュアルで補償条件の設定をおこなうかを判定・設定する。このマニュアル時には補償条件設定部207と連携してガイド表示の制御をおこなう。
以下に、図4により、ガイド表示による補償条件の設定方法について説明する。この方法は、カメラ103の視準方向を検査対象面の正対状態から傾けて撮影した際に、検査対象面の矩形の形状をもつ窓枠等の付帯構造物が台形に歪んで撮影されることを利用している。詳しくは、撮影画像の窓枠等の付帯構造物の形状を参照して、視準角補償のための射影変換行列を求めている。
図4の枠表示420は、検査対象面の矩形の形状をもつ窓枠の撮影画像を表わしている。
求めた射影変換行列により、カメラ103で撮影した検査対象面の撮影画像を射影変換すれば、検査対象面を正対して撮影した撮影画像に変換でき、クラック幅を高精度に測定できる。
また、水平方向と垂直方向の視準角補償を組み合わせて、斜め方向の視準角補償をおこなうこともできる。水平方向のドラッグと垂直方向のドラッグにより視準角度を順に求めることで、容易に斜め方向の視準角補償を容易に求めることができる。
ステップS501で、カメラ103から検査対象面までの距離を距離センサ104により計測する。そして、後述するガイド表示による視準角設定をおこなうか否かを判定する際の、距離の平均と変動を算出するために計測結果を保存する(S502)。その後、計測回数を1増やし(S503)、計測回数と規定値を比較する(S504)。
ステップS504で、計測回数が規定値に達した場合(S504のNo)には、ステップ505に進む。この距離計測は、一定時間連続(500msec間隔に5回)におこなう。
つぎに、距離計測の変動値と所定の閾値を比較する(S506)。これにより、風などの影響でカメラ103が揺動していないかを判定し、カメラ103と一体の距離センサによる視準角度の検出を自動的におこうか否かを決める。
ステップS506で、距離計測の変動値が所定の閾値以上であれば(S506のNo)、視準角度を自動検出できないため図4で説明したガイド表示による射影変換行列の取得処理(S513〜S516)をおこなう。
視準角度が0度でなければ、カメラ103が検査対象面に正対していないので(S508のNo)、射影変換行列を算出して撮影画像の射影変換をおこない視準角補償をおこなう(S509、S510)。
視準角度が0度であれば、カメラ103が検査対象面に正対しているので(S508のYes)、撮影画像の視準角補償の必要はなく、クラック像の抽出処理(S511)にすすむ。
ステップS510では、ステップS509で算出した射影変換行列により検査対象面の撮影画像の座標変換をおこなって視準角補償をおこなう。これにより、正対状態で撮影した場合に相当する検査対象面の撮影画像を得ることができる。
つぎに、ステップS512で、クラック幅に対応するクラック像の画像ピクセル数を求め、画像ピクセルの大きさ(カメラ103の撮像素子の素子サイズ)を乗じて、クラック像の寸法を求める。そして、カメラ103のレンズと撮像素子の間の距離と、カメラ103のレンズと検査対象面の間の距離から決まる撮像倍率により、クラック幅の実寸法を算出する。
つぎに、スタイラスペン400の操作に連動して、視準角度の変化に対応した台形歪みに変形したガイド(ガイド411、412、413のいずれか)を表示する(S514)。そして、検査対象面の矩形の形状をもつ窓枠の撮影画像(以下、枠と記す)とガイドの、台形の斜辺が平行になるまで、ステップS514をくりかえす(S515の非平行)。ガイドと枠の辺が平行状態になったときに(S515の平行)、ステップS516に進む。
そして、ステップS510に進み、クラック幅の実寸法を算出する。
まず、図6と図7により、本実施例の計測方法の概要を説明する。
クラックスケール画像600の一辺には、クラックスケールのクラックにあてる線に相当する太さが異なる複数本の線画601が設けられている。また、反対側の辺には、クラック長さが測定できるように、「物差し」602が設けられている。
図7は、カメラ103により撮像した検査対象面の撮影画像を表示するタブレット部200の画面を示している。画面には、測定するクラック像が多値表示されているものとする。そして、クラック幅を測定するために、検査対象面の物の大きさに合わせて描画生成されたクラックスケール画像600が重ね合わせて表示されている。
ピッチイン操作やピッチアウト操作により撮影画像のズーム操作をおこなう場合には、ズーム操作に合わせて、クラックスケール画像600の拡大・縮小を行う。
ステップS801で、カメラ103のレンズと撮像素子の間の距離とカメラ103のレンズと検査対象面の間の距離から決まる撮像倍率に基づき、クラックスケール画像600の拡大・縮小率を算出する。
そして、ステップS802で、カメラ103が検査対象面に正対していない場合には、ステップS509またはステップS615で求めた射影変換行列によりクラックスケール画像600の射影変換を行う。
そして、上記の変換がおこなわれたクラックスケール画像600を、タブレット部200の画面の撮影画像に重ね合わせ表示する(S804)。
そして、タップされた数値ボタンをクラック幅として処理を終了する(S806)。
補償条件設定部207により、ステップS801のスケール画像の拡大・縮小率が算出されるとともに、ステップS802の射影変換が行われる。この後、計測画像作成部204で、入力部202からの操作情報に応じて、ドラッグ・回転移動に連動してスケール画像600を生成し、計測画像合成部205で撮影画像に重ね合わせられ、表示部203でタブレット部200の画面に表示される。
111 カメラ制御部
112 距離センサ制御部
113 雲台・ポール制御部
114 通信部
200 タブレット部
201 通信部
202 入力部
2021 自動計測・マニュアル設定部
203 表示部
2031 ガイド表示制御部
204 計測画像作成部
205 計測画像合成部
206 画像取得部
207 補償条件設定部
Claims (7)
- 検査対象面のクラックの幅を測定するクラック幅計測システムであって、
矩形の枠形状を有する構造物を含む検査対象面を正対方向から傾いて撮影する撮像部と、
前記撮像部で撮影した検査対象面の撮影画像に、矩形形状のガイドを所定量台形歪みしたガイドを重ねて表示する表示部と、
前記撮像部と前記撮像部が撮影する検査対象面の間の距離を測定する距離センサと、
前記表示部に表示されている前記検査対象面の撮影画像中の枠形状と前記所定量台形歪みしたガイドの辺が平行状態にあるときに、前記検査対象面を正対方向からの傾き角度である視準角度による画像の歪みを補償する視準角補償のための画像変換をおこなう計測画像作成部と、を備え、
前記表示部に表示される検査対象面のクラックのクラック幅を計測する
ことを特徴とするクラック幅計測システム。 - 請求項1に記載のクラック幅計測システムにおいて、
前記計測画像作成部は、前記表示部に表示されている前記構造物の撮影画像の枠形状と、前記所定量台形歪みしたガイドの辺が平行状態にあるときの、前記矩形形状のガイドの頂点座標と前記所定量台形歪みしたガイドの頂点座標とに基づいて射影変換行列を求め、前記射影変換行列により画像変換して視準角補償をおこなう
ことを特徴とするクラック幅計測システム。 - 請求項1または2に記載のクラック幅計測システムにおいて、
前記表示部は、検査対象面の正対方向からの傾きを表わす視準角度による台形歪みに対応するように、操作指示に応じて前記矩形形状のガイドの台形歪み量を変える
ことを特徴とするクラック幅計測システム。 - 請求項1〜3のいずれかの一項に記載のクラック幅計測システムにおいて、
前記計測画像作成部は、
前記撮像部と検査対象面の間の距離の変動が所定の閾値以上のときに、前記表示部により表示されたガイドにより射影変換行列を求めて画像の視準角補償をおこない、
前記撮像部と検査対象面の間の距離の変動が所定の閾値未満のときには、少なくとも3方向の前記撮像部と検査対象面の間の距離の値から視準角度を求めて射影変換行列を算出して視準角補償をおこなう
ことを特徴とするクラック幅計測システム。 - 請求項1〜4のいずれかの一項に記載のクラック幅計測システムにおいて、
前記計測画像作成部は、前記撮影画像を視準角補償して、前記撮像部が正対方向から検査対象面を撮像した撮影画像に相当する変換画像を取得し、
前記表示部は、前記変換画像を表示し、
前記変換画像のクラックに対応する画素数を求めて、クラック幅を計測する
ことを特徴とするクラック幅計測システム。 - 請求項1〜4のいずれかの一項に記載のクラック幅計測システムにおいて、
前記表示部は、前記撮像部で撮影した検査対象面の撮影画像と、ベクタ形式で記録されたクラックスケール情報を基に射影変換されたクラックスケール画像を重ねて合わせて表示する
ことを特徴とするクラック幅計測システム。 - 請求項6に記載のクラック幅計測システムにおいて、
前記計測画像作成部が、前記クラックスケール情報を基に、前記撮像部の撮像倍率により拡大・縮小の画像変換をおこない、前記視準角補償のための射影変換をおこない、当該クラックスケール画像の移動または回転の操作情報により画像変換をおこない、前記クラックスケール画像を生成する
ことを特徴とするクラック幅計測システム。
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