JP2017047699A - エンジンフード - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の正突時のエンジンフードの車体側からの離脱を確実に防止する。【解決手段】フードパネルアウタ2の裏面にはフードパネルインナ3が対向配置され、エンジンフード1の後端部はヒンジを介して車体側に回転自在に連結される。フードパネルインナ3には、第1ビード5と第2ビード6とが一体形成されている。第1ビード5は、車幅方向に沿って直線状に延びる凸形状であり、第2ビード6は、第1ビード5の後方で車幅方向に沿って直線状に延びる凹形状である。【選択図】図3
Description
本発明は、車両のエンジンフードに関する。
特許文献1には、フードアウタパネルとフードインナパネルとを備えたフードが記載されている。フードインナパネルの中央領域には、車体上方に膨らむ凸部が車体前後方向に沿って複数本形成され、フードインナパネルにおける車体前後方向略中央部には、車体上方に向かって凸形状となるビードが車幅方向に沿って形成されている。正突時には、フードインナパネルがビードを起点にフードアウタパネルに接近する方向に変形し、フードが側面視く字状に折れ易くなる。
フード(エンジンフード)の後端部がヒンジを介して回転自在に車体側に連結されている場合、ヒンジに作用する荷重の増大は、ヒンジの破損によるフードの離脱を招くおそれがある。
特許文献1の構造では、車両の正突時(正面衝突時)にフードがく字状(逆V状)に曲折するので、フードが曲折しない場合に比べてヒンジの負担は軽減される。しかし、正突時のフードへの入力荷重が過大になると、ヒンジの負担が増大し、ヒンジが破損してフードが車体側から離脱する可能性が生じる。
そこで、本発明は、車両の正突時のエンジンフードの車体側からの離脱を確実に防止することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様は、フードパネルアウタの裏面にフードパネルインナが対向配置され、後端部がヒンジを介して車体側に回転自在に連結されるエンジンフードであって、フードパネルインナには、第1ビードと第2ビードとが一体形成されている。第1ビードは、車幅方向に沿って直線状に延びる凹形状又は凸形状であり、第2ビードは、第1ビードの後方で車幅方向に沿って直線状に延びる凹形状又は凸形状である。
上記構成では、フードパネルインナに、何れも車幅方向に沿って延びる前側の第1ビードと後側の第2ビードとを一体形成したので、エンジンフードは、前後方向からの圧縮荷重を受けた際に前後2箇所(第1ビードと第2ビード)で折れ曲がり易くなり、車両の正突時(正面衝突時)にエンジンフードを逆U状に曲折させることができる。このため、エンジンフードが逆V状に曲折する場合に比べてヒンジの負担(ヒンジに作用する荷重)を軽減することができ、ヒンジの破損によるエンジンフードの離脱を確実に防止することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様のエンジンフードであって、フードパネルインナには、さらに第3ビードが一体形成されている。第3ビードは、第1ビードと第2ビードとの間で車幅方向と交叉する方向に沿って延びる凹形状又は凸形状である。
上記構成では、前後方向からの圧縮荷重に対するフードパネルインナの剛性が第3ビードによって増大し、フードパネルインナが第1ビードと第2ビードとの間で折れ曲がり難くなる。従って、車両の正突時のフードパネルインナの変形モード(逆U状の曲折)の安定化を図ることができ、ヒンジの破損によるエンジンフードの離脱をさらに確実に防止することができる。
本発明によれば、車両の正突時のエンジンフードの車体側からの離脱を確実に防止することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るエンジンフードについて図面を参照して詳細に説明する。図中の矢印FRは車両の前方を、矢印UPは上方をそれぞれ示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両の前方を向いた状態での左右方向を意味し、上下方向はエンジンフード1を閉止位置に設定した状態での上下方向を意味する。
エンジンフード1は、車両の前部に設けられ、車室前方のエンジンルームの上方を開閉自在に閉止する。図3及び図4に示すように、エンジンフード1は、表面がエンジンフード1の外面(上面)を形成するフードパネルアウタ2と、フードパネルアウタ2の裏面(下面)に対向配置されるフードパネルインナ3とから構成される。フードパネルアウタ2とフードパネルインナ3とは、互いの周縁同士が接合(溶接等)されて一体化し、両者の間には空間が形成されている。フードパネルアウタ2の広範囲が平板状であるのに対し、フードパネルインナ3は広範囲に後述するような凹凸形状を有する。
図1〜図4に示すように、フードパネルインナ3の形状は、車幅方向の中心に対して左右対称であり、フードパネルインナ3には、複数の凹部11,12と第1ビード5と第2ビード6と複数の第3ビード7とが一体形成されている。なお、本実施形態では、フードパネルインナ3の軽重化のため凹部11,12に囲まれた領域は切除されている。
各凹部11,12は、下方へ凹むU状断面であり、複数の凹部11,12には、フードパネルインナ3の全周縁に沿って配置される外周凹部11と、外周凹部11に囲まれた中央領域に配置される複数の中央凹部12とが含まれる。
外周凹部11は、フードパネルインナ3の前縁部及び後縁部に沿って車幅方向に延びる前凹部13及び後凹部14と、フードパネルインナ3の左縁部及び右縁部に沿って前後方向に延びる左凹部15及び右凹部16とから構成される。外周凹部11の左後隅部と右後隅部とには、ヒンジ8(図4参照)が取付けられるヒンジ取付孔17が形成され、フードパネルインナ3(エンジンフード1)の後端部は、ヒンジ8を介して車体側9に回転自在に連結される。
各中央凹部12は、車幅方向と交叉する方向に沿って延びる。各中央凹部12の幅は、外周凹部11の幅よりも狭く、各中央凹部12は、他の中央凹部12や外周凹部11との間で三角形状の内側領域を形成するように配置される。フードパネルインナ3の中央領域には複数の内側領域が形成され、この内側領域が切除されている。
第1ビード5は、前凹部13の後方で且つエンジンフード3の前後方向の中央よりも前方の中央領域で、車幅方向に沿って直線状に延びる。第1ビード5は、左凹部15と右凹部16と複数の中央凹部12の各底面部から上方へ突出する逆U状断面の凸形状であり、左凹部15と右凹部16と複数の中央凹部12とに断続的に形成される。
第2ビード6は、後凹部14の前面部から前斜め下方へ凹むU状断面の凹形状であり、ヒンジ8(ヒンジ取付孔17)よりも前方で且つ第1ビード5及びエンジンフード3の前後方向の中央よりも後方で、車幅方向に沿って直線状に連続して延びる。後凹部14の前面部とは、後凹部14の底面部の前端縁から曲折して前斜め上方へ延びて、後凹部14の前方を区画する領域である(図3参照)。
第3ビード7は、第1ビード5よりも後方の中央領域の左領域で所定の1つの内側領域を囲む3つの中央凹部12と、第1ビード5よりも後方の中央領域の右領域で所定の1つの内側領域(車幅方向の中心に対して上記左領域の内側領域と左右対称となる内側領域)を囲む3つの中央凹部12とにそれぞれ形成される。各第3ビード7は、中央凹部12の底面部から上方へ突出する逆U状断面の凸形状であり(図5参照)、中央凹部12に沿って直線状に連続して延びる。すなわち、各第3ビード7は、第1ビード5と第2ビード6との間で車幅方向と交叉する方向に沿って延びる。また、4本の第3ビード7(6本のうちの4本)は、第1ビード5を有する4箇所の中央凹部12にそれぞれ形成され、これら4本の第3ビード7は、第1ビード5から後方へ延びる。なお、第3ビード7の数は、上記6本に限定されず任意である。
本実施形態のエンジンフード1によれば、フードパネルインナ3に、何れも車幅方向に沿って延びる前側の第1ビード5と後側の第2ビード6とを一体形成したので、エンジンフード1は、前後方向からの圧縮荷重を受けた際に前後2箇所(第1ビード5と第2ビード6)で折れ曲がり易くなり、図3に二点鎖線で示すように、車両の正突時(正面衝突時)にエンジンフード1を逆U状(台形状)に曲折させることができる。このため、エンジンフード1が逆V状(三角状)に曲折する場合に比べてヒンジ8の負担(ヒンジ8に作用する後方への荷重)を軽減することができ、ヒンジ8の破損によるエンジンフード1の離脱を確実に防止することができる。
また、フードパネルインナ3の第1ビード5と第2ビード6との間に、車幅方向と交叉する方向に沿って延びる第3ビード7を一体形成したので、前後方向からの圧縮荷重に対するフードパネルインナ3の剛性が第3ビード7によって増大し、フードパネルインナ3が第1ビード5と第2ビード6との間で折れ曲がり難くなる。従って、車両の正突時のフードパネルインナ3の変形モード(逆U状の曲折)の安定化を図ることができ、ヒンジ8の破損によるエンジンフード1の離脱をさらに確実に防止することができる。
なお、上記実施形態では、第1ビード5を凸形状とし、第2ビード6を凹形状とし、第3ビード7を凸形状としたが、第1ビード5を凹形状としてもよく、第2ビード6を凸形状としてもよく、第3ビード7を凹形状としてもよい。
また、第1ビード5を断続して形成し、第2ビード6を連続して形成したが、第1ビード5を連続して形成(例えば前凹部13に形成)してもよく、第2ビード6を断続して形成(例えば中央領域に形成)してもよい。
さらに、フードパネルインナ3の凹部11,12に囲まれた領域を切除せずに残存させてもよく、残存させた領域に第1ビード5や第2ビード6や第3ビード7を形成してもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明のエンジンフードは、様々な車両に適用することができる。
1:エンジンフード
2:フードパネルアウタ
3:フードパネルインナ
5:第1ビード
6:第2ビード
7:第3ビード
8:ヒンジ
9:車体側
11:外周凹部
12:中央凹部
13:前凹部
14:後凹部
15:左凹部
16:右凹部
2:フードパネルアウタ
3:フードパネルインナ
5:第1ビード
6:第2ビード
7:第3ビード
8:ヒンジ
9:車体側
11:外周凹部
12:中央凹部
13:前凹部
14:後凹部
15:左凹部
16:右凹部
Claims (2)
- フードパネルアウタの裏面にフードパネルインナが対向配置され、後端部がヒンジを介して車体側に回転自在に連結されるエンジンフードであって、
前記フードパネルインナには、車幅方向に沿って直線状に延びる凹形状又は凸形状の第1ビードと、前記第1ビードの後方で車幅方向に沿って直線状に延びる凹形状又は凸形状の第2ビードとが一体形成されている
ことを特徴とするエンジンフード。 - 請求項1に記載のエンジンフードであって、
前記フードパネルインナには、前記第1ビードと前記第2ビードとの間で車幅方向と交叉する方向に沿って延びる凹形状又は凸形状の第3ビードが一体形成されている
ことを特徴とするエンジンフード。
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