JP2017047212A - 吸収体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、薄型の吸収性物品において、薄型化による付け心地の向上とともに、混合層を含む吸収体が、表面材側で液を広げさせないピンポイント高速吸収を実現する。これは、混合層を肌面側に、合成繊維を含まないパルプ繊維層を非肌面側に配した場合に、混合層が、長繊維である合成繊維の弾力性によりパルプ繊維層よりも低密度な層となり、両層間に繊維の粗密勾配が生じることによる。ピンポイント高速吸収された液は、パルプ繊維層の毛管力で拡散され、吸収体の非肌面側の広い範囲で吸収保持される。これにより、薄型化による付け心地の向上とともに、肌のドライ感、液漏れしないしっかり吸収を、使用者が実感することができる。また、粗な構造における合成繊維の弾力性で、薄くても吸収体の肌側が柔軟でクンション性を有し肌に優しい感触を与える。このような作用は、合成繊維の特性により、液が入っても混合層の粗な構造が維持さることで持続する。
例えば、特許文献1には、合成繊維のシートから得た解繊糸を用い、該合成繊維の解繊糸とシートパルプとをコーミングロールで短繊維化して混合する方法が記載されている。特許文献2には、第1の解繊機で解繊した合成繊維を一時貯留した後、これとは別に第2の解繊機で解繊したパルプ繊維とを混合することが記載されている。この混合物を積繊機に送る供給ケーシングにおいて、ケーシング形状を所定のものとしたり、大気導入用ダンバーを全開に設定したりすることが記載されている。特許文献3には、パルプ繊維原反シートと合成繊維原反シートとを重ねて解繊装置に導入する方法、予め合成繊維とパルプ繊維とを所定割合で混入した混合原反シートを作製し解繊機に導入する方法が記載されている。特許文献4にも、所定割合で混合したウェブシートを解繊することが記載されている。
一方、特許文献5には、同種の繊維シートを複数積層した積層体の解繊方法において、積層体の最下方のシートを他の積層シートよりも遅い速度で繊維化装置に送ることで、解繊時の塊の発生を抑えることが記載されている。
しかし、一般的に、合成繊維シートの坪量がパルプ繊維シートの坪量よりも圧倒的に小さいため(例えば10倍程度の坪量差)、特許文献3のように同時解繊をしても、合成繊維の比率を高めて両種の繊維の所望の混合比での均一混合が難しい。所望の混合比とするために、特許文献3及び4のように専用の原反材料を用いることは、原材料コストやオペレーティング、管理等の点で生産性を大きく阻害する可能性があり好ましくない。また、合成繊維シート1枚当たりの坪量を高めることは、不織布製造設備能力(カード機処理能力、熱処理能力等)の点で難しい。加えて、坪量を高めると合成繊維シート厚みが非常に厚くなるために、原反(ロール状の巻物)にした際の巻長さが短くなってしまい、原反の掛け替え(いわゆる、紙継ぎ)が増え、生産性を大きく阻害する可能性がある。
このような合成繊維シートとパルプ繊維シートとのシート坪量の違いによる混合比率の問題は、前記特許文献1〜5に示すような従来の解繊技術においては着目されていない。
また、本実施形態では、合成繊維やパルプ繊維のシート状物を原料として用いる。該シート状物は製造工程における原料の取り扱い性(作業性)に優れ、製造工程への導入までの繊維の飛散防止等の管理の煩雑さを回避できる。加えて、シート状物の解繊時には、解繊により得られた合成繊維1Aとパルプ繊維2Aはダクト内で飛散状態になりやすく、そのまま混合積繊工程C2に移行するので混合性が高い。また、前述のとおり一時貯留部からの空気搬送が無いので、繊維の凝集がないまま上記の飛散混合がなされ、この点からも、本実施形態の製造方法は均一な混合に貢献する。
具体的には、供給手段50は、合成繊維シート原反11から合成繊維被解繊シート12を形成する積層手段51と、合成繊維被解繊シート12の解繊手段70への送給速度を制御する送給手段58とを有する。積層手段51の上流側では、合成繊維シート原反11はロール状に巻かれた状態で原反巻出機(図示せず)に設置されており、送給手段58によるシート搬送速度に合わせて巻き出される。なお、図示しないが、合成繊維シート原反11が終端を迎えるときに次の新たな別の合成繊維シート原反11を続けて供給可能にする紙継ぎ機構を備えることが好ましい。例えば、別の原反巻出機を配置し、前記終端を検知できるセンサーや、現在稼働中の原反巻出機の合成繊維シート原反11のロール径を検知するセンサーにより、タイミングよく新たな別の合成繊維シート原反11を繰り出せるようにすることや、溶断シール装置により旧合成繊維シート原反の終端部と新合成繊維シート原反の先端部を接合させることなどが挙げられる。
このスリットロール53とアンビルロール54との間に合成繊維シート原反11が供給されると、スリット刃53Aにより、該合成繊維シート原反11に搬送方向(長手方向)に沿った切込みが幅方向に複数条形成される。すなわち、複数条の合成繊維シート帯13が形成される。
拡幅ロール55は、スリットして形成された複数条の合成繊維シート帯13を、互いに上下に離間するように拡幅する。次いで、シート搬送方向に対して略45度に傾けたターンバー等の手段を用いて搬送路の幅方向の軌道変更を行って、複数条の合成繊維シート帯13を積層する。最後に、フィードニップロール56、56によって、積層した状態の合成繊維シート帯13を加圧してその積層状態を安定化させ、解繊手段70へ送給される合成繊維被解繊シート12を形成する。
この積層手段52による積層方法によれば、積層枚数に制限なく、スリットロール53のスリット刃53Aの数を変更して、任意に設定することができる。
この形態においては、合成繊維シート原反11は、まず、傾斜ガイド571の傾斜面572に沿って搬送されつつ、傾斜ガイド571の両側縁部573、573に沿って折り曲げられる。さらに、合成繊維シート原反11は、垂直ガイド574〜577により搬送方向に沿った山折り、谷折りが幅方向に交互に施されていく。これにより、折り重ねられた合成繊維シート原反11のシート面は、傾斜ガイド571へ向けて搬送されるシート面に対して垂直な配置となる(図5(B)(i)の部分拡大図)。さらに、図示しない駆動原(モータ)に直結したフィードニップロール56、56の回転作動により、シートを加圧し、折り重ねによる積層状態を安定化させて、合成繊維被解繊シート12を形成する。この積層は、上記のように2回以上の折り重ねに限らず、1回の折り返しでもよい。1回の折り返しは、合成繊維シート原反11の幅方向の中央を軸にして折り返される。この折り返し数は、前述の垂直ガイドの配置数により適宜設定することができる。
次いで、合成繊維被解繊シート12を、フィードニップロール56と後述の送給手段58との間で、パルプ繊維シート2と平行になるように捻り(図5(B)(ii)の部分拡大図)、解繊手段70へ送給する。
この積層手段57による積層方法によれば、一度に複数の積層状態を作り出すことができ好ましい。また、スリット装置等が不要で、ガイドを設置するだけで積層化が可能なため、前述の積層手段52よりも省スペース化が可能となる。
具体的には、送給手段58は、対向する1対のロール58A、58Bを有し、少なくとも一方のロール、例えばロール58Aは図示しない駆動装置により回転される構成を有する。ロール58A、ロール58Bはニップ式のロールである。上記駆動装置としては、例えばサーボモータが挙げられる。合成繊維被解繊シート12とのスリップを防止する観点から、ロール58A、ロール58Bの両方が駆動装置により回転されていることが好ましい。この場合、ロール58A、ロール58Bを直接駆動装置により駆動してもよいし、一方のロールを駆動装置で駆動し他方のロールにはギヤ等の伝道手段で駆動を伝達してもよい。また、ロール58A、ロール58Bは、合成繊維被解繊シート12とのスリップを一層防止する観点から、その表面に軸方向の溝が全周にわたり形成され、滑りにくくしてもよい。なお、送給手段58は、ロール58A、ロール58Bの他、合成繊維被解繊シート12の搬送を補助するロールを有していてもよい。
通常、合成繊維シート原反11の坪量は、パルプ繊維シート2の坪量の約10分の1以下であることが多い。このような原材料を用いるとき、積層化せずに合成繊維シート1枚で供給速度を上げて所望の混合比率へと調整しようとすると、合成繊維の比率が高い場合、供給速度が過大となり、解繊手段による合成繊維シートの解繊状態が悪化することが懸念される。これに対し、積層により形成された合成繊維被解繊シート12を用いることで、送給速度を少し上げるだけで、解繊手段70の解繊による合成繊維1Aの供給量を、パルプ繊維2Aの供給量に近づけて所望の混合比率へと調整することができ、且つ解繊不良の発生を防止できる点で好ましい。つまり、合成繊維1Aとパルプ繊維2Aとの供給量の差を、合成繊維シート原反11の積層(高坪量化)だけで賄うのではなく、該積層と送給速度の上昇との組み合わせで達成することができる。
具体的には、例えば、フィードニップロール56、56の少なくとも一方の表面を凹凸にしたエンボスロールとする。すなわち、図7に示すように、エンボスロールはその周面に複数の凸部56Aを有し、該エンボスロールを用いて、複数の凸部56Aにより、合成繊維シート原反11を基に積層状態にしたもの(例えば、スリットして積層したものや折り重ねにより積層したもの、又は複数の合成繊維シート原反11を積層させたもの。すなわち合成繊維被解繊シート12である。)を点状に熱圧着してエンボス部(圧着された部分)を複数形成する。複数のエンボス部において、合成繊維シート原反11を積層したものをシール一体化する。あるいは、フィードニップロール56、56をフラットロール(図示せず)とし、一対のフラットロール間で、合成繊維シート原反11を積層したもの全体を熱圧着してシール一体化する。
上記の問題とは、通常、合成繊維被シート1が伸びやすく破断しやすい性質を有するため、解繊時に、繊維単位ではなく、シートの一部分がちぎれたような小片が発生することである。この小片が解繊不良片である。この解繊不良片が、解繊により得られた合成繊維1Aの供給ムラを発生させる原因となり、結果、パルプ繊維2Aとの混合ムラとなり均一混合を阻害する要因となる。この場合、得られた吸収体における混合層による所望の吸収性能が発現しない可能性がある。
これに対し、合成繊維被解繊シート12のシール一体化による伸度低下が、解繊時のシート伸びを抑えて、解繊不良片の発生を抑制する。したがって、上記のシール一体化が、積層により形成された合成繊維被解繊シート12の解繊ムラを抑制し、均一混合に貢献する。このことが送給手段58による高速送給を可能にする。すなわち、シール一体化が、合成繊維被解繊シート12を用いた合成繊維の供給増量等の任意制御を、より良好な解繊状態で可能にする。
また、前述のとおり繊維状態は維持されているので、解繊により得られた合成繊維1Aの本来の弾性は残ったままとなる。そのため、解繊で得られた合成繊維1Aの弾性による、パルプ繊維2Aとの低密度な混合層の形成や、該混合層のクッション性の付与が可能となる。すなわち、解繊不良片の発生の抑制のために伸度低下しても、得られる吸収体の品質を低下させずに維持することができる。
前記2組の送給手段は、紙継ぎ時を除いては、それぞれ交互に稼働するようにされている。すなわち、2つパルプ繊維シート21、22のロール状原反(図示せず)を製造ラインに配置して、交互に解繊手段70へと送給できるようにしている。例えば送給手段61、61により一方のパルプ繊維シート21を解繊手段70へと送給し、その終端を迎えるときに、送給手段62、62により他方のパルプ繊維シート22を前記終端に追従させて紙継ぎする。このような紙継ぎは、通常用いられる方法により実施することができる。例えば、図1に示すような形態において、一方のパルプ繊維シート21の終端をセンサー(図示せず)で検知し、その検知に基づいて送給手段61、61が停止し、次いで送給手段62,62が作動してもう一方のパルプ繊維シート22を解繊手段70へと送給する方法が挙げられる。なお、使用済みの旧パルプ繊維シート21を回収する為、送給手段61,61によるニップを開放した際、パルプ繊維シート21が解繊手段70に引き込まれるのを防止する為、紙継完了後に送給手段61,61が逆回転し、パルプ繊維シート21の先端を解繊手段70から遠ざけておくことが好ましい。また、別の形態としては、前記終端を検知できるセンサー(図示せず)や、現在稼働中の原反巻出機のパルプ繊維シート21の原反のロール径を検知するセンサー(図示せず)により、タイミングよく新たな別のパルプ繊維シート22の原反を繰り出せるようにすることが挙げられる。この紙継ぎの間のみ、前記2組の送給手段は同時に稼働される。
ケーシング71には、合成繊維被解繊シート12及びパルプ繊維シート2の取り込み開口部73と、解繊した合成繊維1A及びパルプ繊維2Aの混合体の排出開口部74とが配されている。ケーシング71内には、回転刃72の上方に空間75を有する。空間75では、回転刃72の回転方向F1に伴って、解繊により得られた合成繊維1Aとパルプ繊維2Aとが、取り込み開口部73から排出開口部74へ向かって移動するようにされている。その移動過程において、合成繊維1Aとパルプ繊維2Aが混合されて排出開口部74から後述する混合積繊手段80による混合積繊工程C2へと移行する。なお、図1に示す矢印P1は、空気流の流れ方向を示し、解繊により得られた合成繊維A1及びパルプ繊維2Aの主な飛散方向を示すものであり、便宜上、繊維そのものは省略している。
あるいは、取り込み開口部73を1つ設け、該取り込み開口部73から、合成繊維被解繊シート12及びパルプ繊維シート2を一緒にケーシング71内に取り込むようにしてもよい。その場合、合成繊維被解繊シート12及びパルプ繊維シート2は、図6に示すように、ロール91A、91B間で積層させてからケーシング71内に取り込み、積層状態のまま解繊を行ってもよい。また、積層させずに、取り込み開口部73に挿入できる程度に、合成繊維被解繊シート12及びパルプ繊維シート2を接近させてケーシング71内に取り込み、その状態で解繊を行ってもよい。
これにより、合成繊維シート1とパルプ繊維シート2との坪量差を埋めて、合成繊維1Aとパルプ繊維2Aとの所望の比率での供給が可能となる。また、同時解繊により、一時貯留することなく、直ちに合成繊維1Aとパルプ繊維2Aとの混合が開始され、次の工程である混合積繊工程C2へと連続的に移行される。このことが、合成繊維1Aとパルプ繊維2Aの所望の比率での均一混合を可能にする。
例えば、外周面に堆積部としての複数の積繊用凹部81が所定の間隔で形成された回転ドラム82と、回転ドラム82の外周面に向けて、合成繊維1A及びパルプ繊維2Aを飛散状態にて供給するダクト83およびフード84とを備え、解繊により得た合成繊維1A及びパルプ繊維2Aを積繊用凹部81に堆積して積繊体3を形成する。また、混合積繊手段80は、積繊用凹部81から離型した積繊体3の上下面を被覆シート92で被覆する被覆機構(図示せず)を備えている。なお、合成繊維1A及びパルプ繊維2Aとともに高吸水性ポリマーの粒子等の吸収体に用いられる他の材料をダクト83内に供給し、積繊用凹部81に堆積させて積繊体3を形成してもよい。
以下に詳細を説明する。
また、前述の回転ドラム82で複数層の積繊を行うようにしてもよい。具体的には次のような工程により行う。図8に示すように、まずパルプ繊維シート2のCD中心線M1を解繊手段70のCD中心線M2と一致させるように投入するのに対し、合成繊維被解繊シート12はCD方向のどちらか一方(OP(オペレータ)側もしくはDR(ドライブ)側)に偏らせて投入する。これにより、ダクト83及びフード84のCD方向には、パルプ繊維のみが流れる領域T1と、パルプ繊維及び合成繊維の混合繊維が流れる領域T2が形成される。ダクト83及びフード84内に形成された2つの領域の境界部に相当する位置に仕切り板85Aを設け、さらにこの仕切板85Aが積繊用凹部81へ向かうにつれて略90度捻られた形状になっていることで、回転ドラム82の回転方向における混合積繊工程C2の上流側にはパルプ繊維のみが、下流側にはパルプ繊維と合成繊維の混合繊維が飛散して積繊用凹部81に順に堆積してそれぞれ層をなし、厚み方向に複数層を有する積繊体を形成する。これにより、積繊用凹部81に堆積した積繊体の厚み方向に複数層を形成できる。この積繊体を用いて、パルプの層と、合成繊維及びパルプ繊維の混合繊維層とが積層された吸収体が形成される。このとき、図示しないが、積繊用凹部81の底部側(回転ドラム82の内方側)にパルプ繊維の層が形成され、その上に合成繊維とパルプ繊維との混合層が形成される。なお、上記のCDとは、「Cross Direction」の略であり、シートの搬送方向であるMD(Machine Direction)と直交する方向である。
あるいは、前述の回転ドラム82で、折り重ね方式により複数層を形成する工程であってもよい。具体的には、図9に示すように、図8に示した仕切り板85Aを捻らない仕切り板85Bに代えて設置することで、積繊用凹部81には、CD方向にパルプ繊維のみが堆積する部分とパルプ繊維と合成繊維の混合繊維が堆積する部分が明瞭に形成される。すなわち、仕切り板85Aが、捻りのない形状で、ダクト83及びフード84内のCD方向に、パルプ繊維のみが流れる領域T1と、パルプ繊維及び合成繊維の流れる領域T2を区分したまま回転ドラム82まで配されており、該2つの領域に対応して、積繊用凹部81にパルプ繊維の層3Aとパルプ繊維及び合成繊維の混合繊維層3Bが形成される。これにより、CD方向に前記2層が並んだ積繊体3が形成される。このようにして得られた積繊体3を被覆シート92へ離型した後、被覆機構で被覆シートを積繊体3の片側半分ごと折り返すことで、パルプ繊維の層3Aと混合繊維層3Bとを厚み方向に積層して積繊体を形成し、厚み方向に複数層を有する積繊体を形成することができる。この積繊体を用いて、パルプの層と、合成繊維及びパルプ繊維の混合繊維層とが積層された吸収体が形成される。
パンツおむつについては、分断前の吸収体を液透過性の表面シート用連続シートと液不透過性又は撥水性の裏面シート用連続シートの間に介在させて、1つの吸収性物品に用いられる長さに分断して吸収性本体を形成する。次に、吸収性本体をパンツおむつの腹側部および背側部を構成する外装シート用連続シートに固定し、外装シートを幅方向に折り畳むと共に接合して、個別のパンツおむつを形成する。外装シートには糸状弾性部材を伸長状態で固定することでウエストギャザーを形成する。また、必要に応じて、脚周りや胴回りギャザー用の弾性部材を固定したり、表面シートの肌側に立体ギャザーを形成してもよい。
帯状の合成繊維シートと帯状のパルプ繊維シートとを解繊手段により解繊する解繊工程と、該解繊により得られた合成繊維及びパルプ繊維を混合積繊する混合積繊工程とを含む吸収体の製造方法であって、
前記解繊工程が、前記合成繊維シートを複数層に積層した状態で前記パルプ繊維シートととともに解繊して行われる、吸収体の製造方法。
前記解繊工程が、積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートの前記解繊手段への送給をそれぞれ独立に制御して行われる、前記<1>に記載の吸収体の製造方法。
<3>
前記合成繊維シートの積層は、合成繊維シート原反を幅方向に折り重ねてなされる前記<1>又は<2>に記載の吸収体の製造方法。
<4>
前記合成繊維シートの積層は、合成繊維シート原反を搬送方向にスリットして複数条の合成繊維シート帯を形成し、該複数条の合成繊維シート帯を重ね合わせてなされる前記<1>又は<2>に記載の吸収体の製造方法。
前記解繊工程の前工程に、積層状態にされた前記合成繊維シートの各層間をシール一体化する工程を具備する前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
<6>
合成繊維の融点未満の温度で前記シール一体化を行う、前記<5>に記載の吸収体の製造方法。
<7>
周面に複数の凸部を有するエンボスロールを用い、前記複数の凸部により複数の点状のエンボス部を形成することで、前記シール一体化を行う、前記<5>又は<6>に記載の吸収体の製造方法。
<8>
前記エンボス部のピッチは、1mm以上が好ましく、また上限は、20mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、5mm以下が更に好ましい、前記<7>に記載の吸収体の製造方法。
<9>
前記エンボス部のピッチは、1mm以上20mm以下が好ましく、1mm以上10mm以下がより好ましく、1mm以上5mm以下が更に好ましい、前記<7>に記載の吸収体の製造方法。
<10>
フラットロールにより、積層状態にされた前記合成繊維シート全面で前記シール一体化を行う、前記<5>に記載の吸収体の製造方法。
<11>
前記シールされた部分において、前記合成繊維シートの合成繊維の繊維状態がフィルム化されずに維持されている前記<5>〜<10>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
前記解繊工程において、積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートの2種類のシートの解繊を1つの解繊手段で行う前記<1>〜<11>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
前記解繊工程と前記混合積繊工程との間に、解繊した繊維の一時貯留部からの空気搬送の工程は介在しない、前記<1>〜<12>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
<14>
前記解繊工程において、積層状態にされた前記合成繊維シートと前記パルプ繊維シートとが同時解繊される、前記<1>〜<13>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
<15>
積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートを前記解繊手段へ一緒に送給制御する、前記<1>〜<14>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
前記解繊手段は、ケーシングと、該ケーシング内に配される、積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートの端部を引っ掻く回転刃とを有する、前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
<17>
前記ケーシングには、積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートの取り込み開口部と、前記解繊により得られた前記合成繊維及び前記パルプ繊維の混合体の排出開口部とが配されている、前記<16>に記載の吸収体の製造方法。
<18>
前記取り込み開口部は、積層状態にされた前記合成繊維シートの取り込み開口部と、前記パルプ繊維シートの取り込み開口部とから構成されている、前記<17>に記載の吸収体の製造方法。
<19>
積層状態にされた前記合成繊維シートの取り込み開口部と、前記パルプ繊維シートの取り込み開口部との離間距離は、前記ケーシングの外表面において、300mm以内が好ましく、200mm以内がより好ましく、100mm以内が更に好ましい、前記<18>に記載の吸収体の製造方法。
<20>
前記取り込み開口部から、積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートを一緒に前記ケーシングに取り込む、前記<17>に記載の吸収体の製造方法。
前記混合積繊工程において、外周面に複数の積繊用凹部が所定の間隔で形成された回転ドラムと、該回転ドラムの外周面に向けて、前記解繊により得られた前記合成繊維及び前記パルプ繊維を飛散状態にて供給するダクトとを備える混合積繊手段を用い、前記解繊により得られた前記合成繊維及び前記パルプ繊維を前記積繊用凹部に堆積して積繊体を形成する工程を有する、前記<1>〜<20>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法。
<22>
前記合成繊維及び前記パルプ繊維とともに高吸水性ポリマーの粒子を前記ダクト内に供給し、前記積繊用凹部に堆積させて積繊体を形成する工程を有する、前記<21>に記載の吸収体の製造方法。
前記パルプ繊維シートのCD中心線を前記解繊手段のCD中心線と一致させるように投入し、積層状態にされた前記合成繊維シートをCD方向のどちらか一方に偏らせて投入し、前記ダクト及び前記フードのCD方向には、仕切り板を境界部として、パルプ繊維のみが流れる領域と、パルプ繊維及び合成繊維の混合繊維が流れる領域が形成され、
前記仕切り板が積繊用凹部へ向かうにつれて略90度捻られた形状になっていることで、前記回転ドラムの回転方向における混合積繊工程の上流側にはパルプ繊維のみが、下流側にはパルプ繊維と合成繊維の混合繊維が飛散して前記積繊用凹部に順に堆積してそれぞれ層をなし、厚み方向に複数層を有する積繊体を形成する工程を有する、前記<21>又は<22>に記載の吸収体の製造方法。
<24>
前記仕切り板が、捻りのない形状で、前記ダクト及び前記フードのCD方向に、パルプ繊維のみが流れる領域と、パルプ繊維及び合成繊維の混合繊維が流れる領域を区分したまま前記回転ドラムまで配されており、該2つの領域に対応して、前記積繊用凹部にパルプ繊維の層とパルプ繊維及び合成繊維の混合繊維層とが形成され、CD方向に前記2層が並んだ積繊体が形成され、
前記積繊体を被覆シートへ離型した後、被覆機構で被覆シートを積繊体の片側半分ごと折り返すことで、パルプ繊維の層と混合繊維層とを厚み方向に積層して積繊体を形成し、厚み方向に複数層を有する積繊体を形成する工程を有する、前記<23>に記載の吸収体の製造方法。
前記<23>又は<24>に記載の吸収体の製造方法で製造された吸収体であって、パルプ繊維の層と、合成繊維及びパルプ繊維との混合繊維層とが積層された吸収体。
<26>
液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備した吸収性物品で、前記吸収体が前記<1>〜<24>のいずれか1に記載の吸収体の製造方法で製造された吸収体である、吸収性物品。
<27>
前記<26>に記載の吸収性物品が、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー及び失禁パッドのいずれかである吸収性物品。
11 合成繊維シート原反
12 合成繊維被解繊シート
1A 合成繊維
2 パルプ繊維シート
2A パルプ繊維
3 積繊体
50 合成繊維シート1の供給手段
51、52、57 積層手段
58 送給手段
60 パルプ繊維シートの供給手段
70 解繊手段
80 混合積繊手段
100 吸収体の製造装置
Claims (7)
- 帯状の合成繊維シートと帯状のパルプ繊維シートとを解繊手段により解繊する解繊工程と、該解繊により得られた合成繊維及びパルプ繊維を混合積繊する混合積繊工程とを含む吸収体の製造方法であって、
前記解繊工程が、前記合成繊維シートを複数層に積層した状態で前記パルプ繊維シートととともに解繊して行われる、吸収体の製造方法。 - 前記解繊工程が、積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートの前記解繊手段への送給をそれぞれ独立に制御して行われる、請求項1に記載の吸収体の製造方法。
- 前記合成繊維シートの積層は、合成繊維シート原反を幅方向に折り重ねてなされる請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
- 前記合成繊維シートの積層は、合成繊維シート原反を搬送方向にスリットして複数条の合成繊維シート帯を形成し、該複数条の合成繊維シート帯を重ね合わせてなされる請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
- 前記解繊工程の前工程に、積層状態にされた前記合成繊維シートの各層間をシール一体化する工程を具備する請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収体の製造方法。
- 前記シールされた部分において、前記合成繊維シートの合成繊維の繊維状態がフィルム化されずに維持されている請求項5記載の吸収体の製造方法。
- 前記解繊工程において、積層状態にされた前記合成繊維シート及び前記パルプ繊維シートの2種類のシートの解繊を1つの解繊手段で行う請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収体の製造方法。
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