JP2017043248A - 作業車両 - Google Patents

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Hidetsugu Tomioka
英嗣 富岡
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】 従来の作業車両においては、車両内部スペースの有効な利用が十分には実現されていない。
【解決手段】 HSTトラニオン軸12を有するHST11と、HSTペダル60をHSTトラニオン軸12に連結するHSTリンク機構70と、HSTトラニオン軸12に固定されたHST中立復帰カム110と、HST中立復帰カム110と連動し、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121の回りに回動するHST中立復帰アーム部材120と、HSTトラニオン軸12が中立位置に復帰するように、HST中立復帰アーム部材120を付勢するHST中立復帰スプリング130と、を備え、HSTトラニオン軸12、およびHST中立復帰アーム部材回動支点軸121は、HSTペダル60の下方に配置されているトラクターである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、トラクターなどの作業車両に関する。
HST(Hydro Static Transmission)トラニオン軸を有するHSTと、HSTペダルをHSTトラニオン軸に連結するHSTリンク機構と、HSTトラニオン軸に固定されたHST中立復帰カムと、HST中立復帰カムと連動し、HST中立復帰アーム部材回動支点軸の回りに回動するHST中立復帰アーム部材と、HSTトラニオン軸が中立位置に復帰するように、HST中立復帰アーム部材を付勢するHST中立復帰スプリングと、を備える作業車両が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このような作業車両においては、HSTペダルの踏込み操作が行われないと、HST中立復帰スプリングのスプリング復帰力が作用し、HSTトラニオン軸の中立姿勢が自動的に復元される。
特開2005−233260号公報
しかしながら、前述された従来の作業車両においては、車両内部スペースの有効な利用が十分には実現されていない。
そして、本発明者は、車両内部スペースのより有効な利用を実現することが重要であると考えている。
本発明は、前述された従来の課題を考慮し、車両内部スペースのより有効な利用を実現することが可能な作業車両を提供することを目的とする。
第1の本発明は、HSTトラニオン軸を有するHSTと、
HSTペダルを前記HSTトラニオン軸に連結するHSTリンク機構と、
前記HSTトラニオン軸に固定されたHST中立復帰カムと、
前記HST中立復帰カムと連動し、HST中立復帰アーム部材回動支点軸の回りに回動するHST中立復帰アーム部材と、
前記HSTトラニオン軸が中立位置に復帰するように、前記HST中立復帰アーム部材を付勢するHST中立復帰スプリングと、
を備え、
前記HSTトラニオン軸、および前記HST中立復帰アーム部材回動支点軸は、前記HSTペダルの下方に配置されていることを特徴とする作業車両である。
これにより、HSTトラニオン軸、およびHST中立復帰アーム部材回動支点軸は、HSTペダルの下方に配置されているので、車両内部スペースのより有効な利用を実現することができる。
第2の本発明は、前記HSTトラニオン軸、および前記HST中立復帰アーム部材回動支点軸を共通に支持する支持部を備えることを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
これにより、HSTトラニオン軸、およびHST中立復帰アーム部材回動支点軸を共通に支持する支持部を備えるので、コスト低減を実現することができる。
第3の本発明は、前記HST中立復帰アーム部材は、前記HST中立復帰スプリングが接続されるスプリング接続アームを有し、
前記スプリング接続アームは、前記HST中立復帰アーム部材回動支点軸から上方に向かって延出されており、
前記HST中立復帰スプリングは、運転部のフロアの上方に配置されていることを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
これにより、HST中立復帰スプリングは、運転部のフロアの上方に配置されているので、HST中立復帰スプリングの容易な調整操作を実現することができる。
第4の本発明は、前記HST中立復帰アーム部材に固定され、前記HST中立復帰カムに当接されるカム当接ベアリングを備え、
前記HST中立復帰カム、および前記カム当接ベアリングは、前記HST中立復帰アーム部材より、左右方向に関して車体の中央側に配置されていることを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
これにより、HST中立復帰カム、およびカム当接ベアリングは、HST中立復帰アーム部材より、左右方向に関して車体の中央側に配置されているので、HST中立復帰カム、およびカム当接ベアリングの長寿命化を実現することができる。
第5の本発明は、前記HSTリンク機構は、複数のリンクアーム、前記複数のリンクアームを接続するリンクアームピン、および前記リンクアームピンの抜けを防止する止めヘアピンを有し、
前記止めヘアピンは、前記複数のリンクアームより、左右方向に関して車体の中央側に配置されていることを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
これにより、止めヘアピンは、複数のリンクアームより、左右方向に関して車体の中央側に配置されているので、止めヘアピンの長寿命化を実現することができる。
本発明によって、車両内部スペースのより有効な利用を実現することが可能な作業車両を提供することができる。
本発明における実施の形態のトラクターの上面図 本発明における実施の形態のトラクターのトランスミッションケ−ス近傍の部分右側面図(その一) 本発明における実施の形態のトラクターのHSTペダル近傍の部分上面図 本発明における実施の形態のトラクターのHSTリンク機構近傍の拡大部分上面図 本発明における実施の形態のトラクターのトランスミッションケ−ス近傍の部分右側面図(その二) 本発明における実施の形態のトラクターのHST中立復帰機構近傍の拡大部分右側面図 本発明における実施の形態のトラクターのトランスミッションケ−ス近傍の部分斜視図
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
はじめに、図1〜3を参照しながら、作業車両の一例である本実施の形態のトラクターの構成および動作について具体的に説明する。
ここに、図1は、本発明における実施の形態のトラクターの上面図であり、図2は、本発明における実施の形態のトラクターのトランスミッションケ−ス20近傍の部分右側面図(その一)であり、図3は、本発明における実施の形態のトラクターのHSTペダル60近傍の部分上面図である。
図2および3においては、たとえば、以下の説明がより理解しやすくなるように、フロア40などは図示されていない。
車体5の前部のボンネット1の内部には、エンジン2が設けられている。
トランスミッションケ−ス20は、運転部30のフロア40の下方に設けられている。
エンジン2の回転動力は、HST11を介してトランスミッションケ−ス20の内部の変速装置に伝えられる。そして、同変速装置で減速された回転動力は、左右の前輪3Lおよび3R、ならびに左右の後輪4Lおよび4Rに伝えられる。
エンジン2の後方には、前輪3Lおよび3Rを操舵するためのステアリングハンドル32が設けられている。
ステアリングハンドル32の後方には、運転席31が設けられている。
車体5の後部には、ロータリ耕耘装置などの作業機(図示省略)が3点リンク機構などの機構を利用して装着される。
ホースカバーは、ステアリングハンドル32に接続されているホースを覆っている。
操作コラムカバーの右側のフロア40には、作業者の踏み込み操作に応じて後輪4Lおよび4Rの制動を行うためのブレーキペダル50が配置されている。
操作コラムカバーの右側のフロア40には、HSTペダル60が配置されている。
HSTペダル60は、トランスミッションケ−ス20の内部に配置されたHST11を操作するペダルである。
後に詳述されるように、HST11のHSTトラニオン開度の調節がシーソー式のHSTペダル60の踏込み操作に応じて行われ、前進増速、中立および後進増速に対応する無段変速が実現される。
もちろん、HSTペダル60の踏込み操作が行われないと、HST中立復帰スプリング130のスプリング復帰力が作用し、HSTトラニオン軸12の中立姿勢が自動的に復元される。
つぎに、図1〜3を主として参照しながら、本実施の形態のトラクターの構成および動作についてより具体的に説明する。
(A)図2および3を主として参照しながら、HSTリンク機構70およびHST中立復帰機構100に関連する構成および動作について詳細に説明する。
(A1)まず、HSTリンク機構70について詳細に説明するが、併せてHST11およびHSTペダル60についても詳細に説明する。
HST11は、HSTトラニオン軸12を有する。
後に詳述されるように、HSTトラニオン軸12は、HSTペダル60の下方に配置されており、支持部21によって支持される。
HSTリンク機構70は、HSTペダル60をHSTトラニオン軸12に連結する機構である。
本発明における実施の形態のトラクターのHSTリンク機構70近傍の拡大部分上面図である図4に示されているように、HSTリンク機構70は、リンクアーム71a、71bおよび71c、リンクアーム71a、71bおよび71cを接続するリンクアームピン72aおよび72b、ならびにリンクアームピン72aおよび72bの抜けを防止する止めヘアピン73aおよび73bを有する。
止めヘアピン73aおよび73bは、リンクアーム71a、71bおよび71cより、左右方向に関して車体5の中央側に配置されている。
したがって、接触損傷および泥付着などのリスクがリンクアーム71a、71bおよび71cによるガード機能のために低減されるので、精密性が要求される止めヘアピン73aおよび73bの長寿命化が実現される。
つぎに、HSTリンク機構70についてより詳細に説明する。
リンクアーム71aの一端部は、HSTトラニオン軸12の右側の端部12aに接続されている。リンクアーム71aと、端部12aと、の接続は、固定的に行われている。
リンクアーム71cの一端部は、HSTペダル回動軸80の右側の端部80aに接続されている。リンクアーム71cと、端部80aと、の接続は、固定的に行われている。
リンクアーム71bは、リンクアーム71aの中央部と、リンクアーム71cの他端部と、を接続している。リンクアーム71bと、リンクアーム71aと、の接続はリンクアームピン72aおよび止めヘアピン73aを利用して回動可能に行われており、リンクアーム71bと、リンクアーム71cと、の接続はリンクアームピン72bおよび止めヘアピン73bを利用して回動可能に行われている。このような接続においては、リンクアームピン72aおよび72bの、左右方向に関して車体5の外側の端部はリンクアーム71aおよび71cにそれぞれ溶接され、左右方向に関して車体5の中央側に嵌められたワッシャー74aおよび74bがそれぞれ利用されている。
HSTペダル回動軸80は、HSTペダル60の揺動に応じて回動する、トランスミッションケ−ス20の左右方向に設けられている軸である。
HSTペダル回動軸80の右側の端部80aと、ペダル基部61と、の接続は、固定的に行われている。
作業者の右足による踏み込み操作が行われる、HSTペダル60のペダル踏込部62は、ペダル基部61に接続されている。ペダル基部61と、ペダル踏込部62と、の接続は、ボルト60aおよび60bを利用して固定的に行われている。
ただし、ペダル踏込部62には、ボルト60aが貫通する丸孔と、ボルト60bが貫通する長孔と、が設けられており、ペダル基部61へのペダル踏込部62の取付け角度は調整可能である。
HSTトラニオン軸12の周りに回動可能なHST11の可変ポンプ斜板(図示省略)の姿勢は、ペダル踏込部62の姿勢が水平姿勢であるときに、HSTトラニオン開度がゼロである中立姿勢に一致していることが望ましい。
そこで、上述された構成要素の接続状態は、ペダル踏込部62の水平姿勢が、HST11の可変ポンプ斜板の中立姿勢つまりHSTトラニオン軸12の中立姿勢と両立するように調整されている。
HSTペダル60のペダル操作が矢印Bで示された向きである前向きに行われると、HSTトラニオン軸12の回動は矢印Aで示された向きに行われ、前進増速が行われる。
上述とは対照的に、HSTペダル60のペダル操作が矢印Bで示された向きと逆の向きである後向きに行われると、HSTトラニオン軸12の回動は矢印Aで示された向きと逆の向きに行われ、後進増速が行われる。
かくして、シーソー式のHSTペダル60の踏込み操作に応じた、前進増速、中立および後進増速に対応する無段変速が、実現される。
(A2)ついで、HST中立復帰機構100について詳細に説明する。
HST中立復帰機構100は、HST中立復帰カム110、HST中立復帰アーム部材120、HST中立復帰スプリング130、およびカム当接ベアリング140を有する。
HST中立復帰カム110は、HSTトラニオン軸12に固定されたカムである。
HST中立復帰アーム部材120は、HST中立復帰カム110と連動し、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121の回りに回動する部材である。
グリスニップル121bは、上方に向かって開口するように、HST中立復帰アーム部材120に設けられている。
同構成においては、HST中立復帰アーム部材120がHST中立復帰アーム部材回動支点軸121の回りにスムーズに回動するように注入されるグリースの補充交換作業であるグリースアップは、容易である。
後に詳述されるように、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121は、HSTペダル60の下方に配置されており、支持部21によって支持される。
そして、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121は、ブレーキペダル50のペダルアームの直後に配置されている。
同構成においては、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121はペダルアーム干渉を回避しながらブレーキペダル50により接近して配置されるので、車両内部スペースのより有効な利用およびコスト低減が実現される。
HST中立復帰スプリング130は、HSTトラニオン軸12が中立位置に復帰するように、HST中立復帰アーム部材120を付勢するスプリングである。
カム当接ベアリング140は、HST中立復帰アーム部材120に固定され、HST中立復帰カム110に当接されるベアリングである。
HST中立復帰カム110、およびカム当接ベアリング140は、HST中立復帰アーム部材120より、左右方向に関して車体5の中央側に配置されている。
したがって、接触損傷および泥付着などのリスクがHST中立復帰アーム部材120によるガード機能のために低減されるので、精密性が要求されるHST中立復帰カム110、およびカム当接ベアリング140の長寿命化が実現される。
つぎに、HST中立復帰機構100についてより詳細に説明する。
HST中立復帰アーム部材120は、スプリング接続アーム122、およびベアリング接続アーム123を有する。
スプリング接続アーム122は、HST中立復帰スプリング130が接続されるアームである。
スプリング接続アーム122は、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121から上方に向かって延出されている。
HST中立復帰スプリング130の前端部は車体5に取付けられているステーに接続されており、HST中立復帰スプリング130の後端部はスプリング接続アーム122に接続されている。
本発明における実施の形態のトラクターのトランスミッションケ−ス20近傍の部分右側面図(その二)である図5に示されているように、HST中立復帰スプリング130は、運転部30のフロア40の上方に配置されている。
そして、HST中立復帰スプリング130は、フロア40の前側にほぼフロアステップ高さで設けられている。
したがって、十分な空きスペースがフロア40の上方には確保されているので、スプリング復帰力を印加するためのHST中立復帰スプリング130の容易な調整操作が実現される。
HSTトラニオン軸12の右側の端部12aと、HST中立復帰カム110と、の接続は、固定的に行われている。
HST中立復帰アーム部材回動支点軸121の前側の部分には、HST中立復帰スプリング130が接続されるスプリング接続アーム122が突設され、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121の後側の部分には、HST中立復帰カム110に当接されるカム当接ベアリング140が固定されているベアリング接続アーム123が突設される。そして、スプリング接続アーム122およびベアリング接続アーム123は、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121の回りに連立って回動させられる。
HST中立復帰アーム部材回動支点軸121は、スプリング接続アーム122およびベアリング接続アーム123の回動にともなって回動する。なお、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121が、スプリング接続アーム122およびベアリング接続アーム123の回動にともなって回動しない変形例も、考えられる。
HST中立復帰機構100は、HST中立復帰スプリング130が静止してスプリング復帰力が作用しない位置に対応するカム当接ベアリング140の中立位置を、偏心支点軸121cを利用して調整するためのつぎのような機能をも有する。
作業者によるスパナー係止部121aの調整回動操作が矢印Cで示された向きに行われると、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121は偏心支点軸121cの回りに回動し、カム当接ベアリング140の移動は矢印Dで示された向きに行われ、HSTトラニオン軸12の回動は矢印Aで示された向きに行われる。
このような調整回動操作は、HSTトラニオン軸12の中立姿勢が後進増速側にずれてしまった場合に有効である。
上述とは対照的に、作業者によるスパナー係止部121aの調整回動操作が矢印Cで示された向きと逆の向きに行われると、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121は偏心支点軸121cの回りに回動し、カム当接ベアリング140の移動は矢印Dで示された向きと逆の向きに行われ、HSTトラニオン軸12の回動は矢印Aで示された向きと逆の向きに行われる。
このような調整回動操作は、HSTトラニオン軸12の中立姿勢が前進増速側にずれてしまった場合に有効である。
本発明における実施の形態のトラクターのHST中立復帰機構100近傍の拡大部分右側面図である図6に示されているように、スパナーが係止されるスパナー係止部121aの長手方向と、カム当接ベアリング140に向かうベアリング接続アーム123の長手方向と、の間の角度θは、前述された調整回動操作にともなって変化する。
角度θの基本的な大きさは、作業者がカム当接ベアリング140の基本的な中立位置を直感的に理解して調整回動操作を行うことができるように、90度に設定されている。
同構成においては、カム当接ベアリング140の左右および上下方向をスパナーで調整するための調整回動操作は、経験の少ない作業者にとっても容易である。
HSTトラニオン軸12の中立姿勢のずれは頻繁には発生しないので、このような機能は、通常、工場における組立時、または出荷後のメンテナンスにおける分解後の組付時などに使用される。
作業者によるスパナー係止部121aの調整回動操作が完了した後に、ペダル基部61へのペダル踏込部62の取付け角度が、ペダル踏込部62の水平姿勢がHSTトラニオン軸12の中立姿勢と両立するように調整されることが望ましい。
(A3)前述されたように、HSTトラニオン軸12、およびHST中立復帰アーム部材回動支点軸121は、HSTペダル60の下方に配置されている。
そして、HSTトラニオン軸12の高さはHST中立復帰アーム部材回動支点軸121の高さより大きく、HSTトラニオン軸12はHST中立復帰アーム部材回動支点軸121の斜め上方に配置されている。
同構成においては、たとえば、HSTトラニオン軸12の高さがHST中立復帰アーム部材回動支点軸121の高さと同じである構成と比較して、必要とされるスペースがしばしばより小さい。
さらに、HST中立復帰カム110は、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121から離反するように、HSTトラニオン軸12の斜め下方に傾けられて配置されている。
同構成においては、HSTトラニオン軸12とHST中立復帰アーム部材回動支点軸121とをより接近させて配置するための余剰スペースが生じるので、たとえば、HST中立復帰カム110がHSTトラニオン軸12の直下にまっすぐ配置される構成と比較して、必要とされるスペースがしばしばより小さい。
したがって、HSTリンク機構70およびHST中立復帰機構100に関連するリンク縮小化は構成のコンパクト化をともなうので、車両内部スペースのより有効な利用およびコスト低減が実現される。
(A4)前述されたように、支持部21は、HSTトラニオン軸12、およびHST中立復帰アーム部材回動支点軸121を共通に支持する。
そして、支持部21は、プレート状の取付けメタル部材として、トランスミッションケ−ス20の右外壁に接続されている。
同構成においては、たとえば、HSTトラニオン軸12が専用メタル部材によって支持され、HST中立復帰アーム部材回動支点軸121がトランスミッションケ−ス20によって支持される構成と比較して、必要とされるスペースがしばしばより小さく、必要とされる部品点数もしばしばより小さい。
したがって、HSTリンク機構70およびHST中立復帰機構100に関連する支持部共通化は構成のコンパクト化をともなうので、車両内部スペースのより有効な利用およびコスト低減が実現される。
(B)図5および7を主として参照しながら、フロア40に関連する構成および動作について詳細に説明する。
ここに、図7は、本発明における実施の形態のトラクターのトランスミッションケ−ス20近傍の部分斜視図である。
フロア補強部40aは、プレート状の部材として、トランスミッションケ−ス20に取付けられているフロアブラケット41に緩衝材42を介して接続されている。
ペダルストッパーボルト63aおよび63bは、フロア40の上面に突設されている。
前進増速に対応するHSTペダル60の踏込み操作が強く行われても、HSTペダル60の下面はペダルストッパーボルト63aの頭部に当接するので、HSTペダル60がフロア40の上面に衝突しない。
後進増速に対応するHSTペダル60の踏込み操作が強く行われても、HSTペダル60の下面はペダルストッパーボルト63bの頭部に当接するので、HSTペダル60がフロア40の上面に衝突しない。
ペダルストッパーボルト63bの取付けナットは、フロア補強部40aに近接して設けられている。
同構成においては、ペダルストッパーボルト63bのストッパー強度が、向上されている。
そして、ダンパー90の前側は、一端部がHSTトラニオン軸12の右側の端部12aに接続されており、中央部がリンクアーム71bに接続されているリンクアーム71aの他端部に接続されている。ダンパー90と、リンクアーム71aと、の接続は、ピンを利用して回動可能に行われている。
同構成においては、ダンパー90の前側がHSTリンク機構70のリンクアーム71aに接続されており、専用取付け部材がHST中立復帰カム110に関連した溶接部品への部品集約共通化のために使用されないので、必要とされる部品点数がより小さく、車両内部スペースのより有効な利用およびコスト低減が実現される。
さらに、ダンパー90の後側は、フロアブラケット41に穿孔されたダンパー取付け孔40bを利用して、フロアブラケット41に接続されている。ダンパー90と、フロアブラケット41と、の接続は、ボルトを利用して固定的に行われている。
同構成においては、ダンパー90の後側がフロアブラケット41に接続されており、専用取付け部材が使用されないので、必要とされる部品点数がより小さく、車両内部スペースのより有効な利用およびコスト低減が実現される。
本発明における作業車両は、車両内部スペースのより有効な利用を実現することが可能であり、トラクターなどの作業車両に利用する目的に有用である。
1 ボンネット
2 エンジン
3L、3R 前輪
4L、4R 後輪
5 車体
11 HST
12 HSTトラニオン軸
12a 端部
20 トランスミッションケ−ス
21 支持部
30 運転部
31 運転席
32 ステアリングハンドル
40 フロア
40a フロア補強部
40b ダンパー取付け孔
41 フロアブラケット
42 緩衝材
50 ブレーキペダル
60 HSTペダル
60a、60b ボルト
61 ペダル基部
62 ペダル踏込部
63a、63b ペダルストッパーボルト
70 HSTリンク機構
71a、71b、71c リンクアーム
72a、72b リンクアームピン
73a、73b 止めヘアピン
74a、74b ワッシャー
80 HSTペダル回動軸
80a 端部
90 ダンパー
100 HST中立復帰機構
110 HST中立復帰カム
120 HST中立復帰アーム部材
121 HST中立復帰アーム部材回動支点軸
121a スパナー係止部
121b グリスニップル
121c 偏心支点軸
122 スプリング接続アーム
123 ベアリング接続アーム
130 HST中立復帰スプリング
140 カム当接ベアリング

Claims (5)

  1. HSTトラニオン軸を有するHSTと、
    HSTペダルを前記HSTトラニオン軸に連結するHSTリンク機構と、
    前記HSTトラニオン軸に固定されたHST中立復帰カムと、
    前記HST中立復帰カムと連動し、HST中立復帰アーム部材回動支点軸の回りに回動するHST中立復帰アーム部材と、
    前記HSTトラニオン軸が中立位置に復帰するように、前記HST中立復帰アーム部材を付勢するHST中立復帰スプリングと、
    を備え、
    前記HSTトラニオン軸、および前記HST中立復帰アーム部材回動支点軸は、前記HSTペダルの下方に配置されていることを特徴とする作業車両。
  2. 前記HSTトラニオン軸、および前記HST中立復帰アーム部材回動支点軸を共通に支持する支持部を備えることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記HST中立復帰アーム部材は、前記HST中立復帰スプリングが接続されるスプリング接続アームを有し、
    前記スプリング接続アームは、前記HST中立復帰アーム部材回動支点軸から上方に向かって延出されており、
    前記HST中立復帰スプリングは、運転部のフロアの上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  4. 前記HST中立復帰アーム部材に固定され、前記HST中立復帰カムに当接されるカム当接ベアリングを備え、
    前記HST中立復帰カム、および前記カム当接ベアリングは、前記HST中立復帰アーム部材より、左右方向に関して車体の中央側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  5. 前記HSTリンク機構は、複数のリンクアーム、前記複数のリンクアームを接続するリンクアームピン、および前記リンクアームピンの抜けを防止する止めヘアピンを有し、
    前記止めヘアピンは、前記複数のリンクアームより、左右方向に関して車体の中央側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
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