JP2017043122A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性糸の断線を抑制しつつタイヤの電気抵抗を小さくし得る空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカスプライ6Aを含むカーカスを有する空気入りタイヤである。カーカスプライ6Aの少なくとも一方の面に、一方のビード部4から他方のビード部4まで途切れることなくのびる少なくとも1本の導電性糸10が配置されている。導電性糸10は、バットレス部20を直線状にのびる第1部分21と、第1部分21のタイヤ赤道側又はビード部4側で波状にのびる第2部分22とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気抵抗を小さくするための導電性糸が設けられた空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
近年、空気入りタイヤのトレッドゴムやサイドウォールゴムには、多くのシリカが配合される傾向がある。シリカは、タイヤの転がり抵抗を小さくし、かつ、グリップ性を高めることができる。一方、シリカは導電性に劣るため、タイヤの電気抵抗の増加を招く。電気抵抗が大きいタイヤは、静電気を車両に蓄積させ、ラジオノイズ等の電波障害を引き起こす傾向がある。
上述の不具合を解消するために、例えば、下記特許文献1には、カーカスプライの表面に導電性糸が配置された空気入りタイヤが提案されている。また、特許文献1は、前記導電性糸を波状に配置することを提案している。波状の導電性糸は、直線状に配置されたものと比較して、タイヤのゴム部材との接触面積を増加させ、ひいてはタイヤの電気抵抗をさらに低下させるのに役立つ。
特開2014−133467号公報
発明者らの種々の実験の結果、カーカスプライに波状に配置された導電性糸は、生タイヤ成形時のシェーピング工程時、バットレス部において、断線し易い傾向があることが見出された。これは、前記シェーピング工程において、バットレス部は大きく曲げられるため、波状に配された導電性糸の変曲点に応力が集中することが原因と推測される。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、導電性糸の配置を改善することを基本として、導電性糸の断線を抑制しつつタイヤの電気抵抗を小さくし得る空気入りタイヤ等を提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライを含むカーカスを有する空気入りタイヤであって、前記カーカスプライの少なくとも一方の面に、一方のビード部から他方のビード部まで途切れることなくのびる少なくとも1本の導電性糸が配置されており、前記導電性糸は、バットレス部を直線状にのびる第1部分と、前記第1部分のタイヤ赤道側又は前記ビード部側で波状にのびる第2部分とを含むことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記第2部分は、第1傾斜部と、前記第1傾斜部とは逆向きに傾斜する第2傾斜部とを含んで振幅し、前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部は、前記第2部分の振幅中心線に対して30°以下の角度を有するのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記導電性糸は、タイヤ周方向に距離を隔てて複数本配置されているのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記距離は1000mm以下であるのが望ましい。
本発明の第2の態様は、上記いずれかの空気入りタイヤの製造方法であって、並列されたカーカスコードがトッピングゴムで被覆されたシート状のカーカスプライ材料の少なくとも一方の面に、導電性糸を前記カーカスコードの長手方向に沿って連続的に付着させる導電性糸付着工程を含み、前記導電性糸付着工程は、前記導電性糸を直線状に付着させる第1付着工程と、前記導電性糸を波状に付着させる第2付着工程とを含むことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスプライの少なくとも一方の面に、一方のビード部から他方のビード部まで途切れることなくのびる少なくとも1本の導電性糸が配置されている。このような導電性糸は、タイヤの電気抵抗を小さくし、車両への静電気の蓄積を抑制することができる。
導電性糸は、バットレス部を直線状にのびる第1部分と、第1部分のタイヤ赤道側又はビード部側で波状にのびる第2部分とを含む。これにより、波状にのびる第2部分が、導電性糸とタイヤのゴム部材との接触面積を増加させ、タイヤの電気抵抗をさらに小さくすることができる。また、バットレス部には、直線状にのびる第1部分が配置されているため、シェーピング工程時、バットレス部において導電性糸への応力集中を防止し、ひいては導電性糸の断線が効果的に抑制される。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤを示す断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のカーカスプライの本体部の展開図である。 導電性糸の第2部分の拡大図である。 図1の空気入りタイヤの側面透視図である。 本発明の一実施形態のカーカスプライ材料の製造ラインの側面図である。 図6の製造ライン中の導電性糸付着工程を説明する斜視図である。 (a)は、カーカスプライ材料の平面図、(b)は、複数のカーカスプライ片が接続されたカーカスプライの平面図である。 (a)は、円筒状のカーカスプライの斜視図であり、(b)は、(a)のカーカスプライから得られたカーカス基体の斜視図である。 タイヤの電気抵抗測定装置を概念的に示す略断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1(以下、単に「タイヤ」ということがある)の正規状態におけるタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面図である。ここで、正規状態とは、タイヤ1を正規リム(図示省略)にリム組みし、かつ、正規内圧を充填した無負荷の状態である。以下、特に言及しない場合、タイヤ1の各部の寸法等はこの正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6を有する。本実施形態のタイヤ1は、例えば、乗用車用として好適に用いられる。
本実施形態のカーカス6は、例えば、並列されたカーカスコードがトッピングゴムで被覆されたカーカスプライ6Aで構成されている。本実施形態のカーカス6は、1枚のカーカスプライ6Aで構成されているが、複数枚のカーカスプライ6Aで構成されても良い。
カーカスプライ6Aは、例えば、本体部6aと折返し部6bとを含んでいる。本体部6aは、例えば、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る。折返し部6bは、例えば、本体部6aに連なりビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されている。本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびる硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4が適宜補強される。
カーカスコードは、例えば、アラミド、レーヨンなどの有機繊維コードが採用される。カーカスコードは、例えば、タイヤ赤道Cに対して70〜90°の角度で配列されるのが望ましい。
カーカスプライ6Aのトッピングゴムは、従来の一般的なタイヤと同様、ゴム補強剤としてカーボンブラックを含む。カーカスプライ6Aの体積固有電気抵抗値は、好ましくは10Ω・cm以下、より好ましくは10Ω・cm以下である。
望ましい態様として、本実施形態のカーカス6のタイヤ半径方向外側には、ベルト層7が設けられている。ベルト層7は、例えば、タイヤ半径方向に重ねられた2枚のベルトプライ7A、7Bで構成されている。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードがトッピングゴムで被覆されており、互いのベルトコードが交差する向きにタイヤ半径方向内外に重ねられている。トッピングゴムには、カーカスプライ6Aと同様のゴムが好適に採用される。本実施形態のベルトコードには、スチールコードが採用されるが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いられる。このようなベルト層7は、トレッド部2の剛性を効果的に高めるのに役立つ。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、例えば、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に設けられたトレッドゴム11、サイドウォール部3でカーカス6のタイヤ外面側に設けられたサイドウォールゴム12、ビード部4のタイヤ外面側に設けられるリムずれ防止用のクリンチゴム13、及び、タイヤ内腔面15を形成する空気非透過性に優れたインナーライナゴム14を含む。
トレッドゴム11及びサイドウォールゴム12は、従来の一般的なタイヤと同様、ゴム補強剤としてシリカを多く含んだゴム部材が採用され得る。これらのゴム部材の体積固有抵抗値は、例えば、10〜10Ω・cmの範囲である。
クリンチゴム13及びインナーライナゴム14には、ゴム補強剤としてカーボンブラックを多く含んだゴム部材が採用され得る。これらのゴム部材の体積固有抵抗値は、例えば、10〜10Ω・cmの範囲である。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、カーカスプライ6Aの少なくとも一方の面に、少なくとも1本の導電性糸10が配置されている。導電性糸10は、一方のビード部4から他方のビード部(図示省略)まで途切れることなくのびている。このような導電性糸10は、タイヤ1の電気抵抗を小さくし、車両への静電気の蓄積を抑制することができる。導電性糸10は、一対のビードコア5間を途切れることなくのびているので、トレッド部2と、両側のサイドウォール部3とに連続した広い範囲の導電路を形成することができる。従って、例えば、ビード部4及びトレッド部2に導電性のゴムを配置することにより、簡単な構造で車両の静電気をリムから路面へとより積極的に逃がすことができる。
本実施形態の導電性糸10は、例えば、カーカスプライ6Aの本体部6aのタイヤ外面側に配置され、ビード部4までのびている。また、導電性糸10は、例えば、ビードコア5のタイヤ半径方向内側を通り、折返し部6bに沿って折返し部6bの外端16までのびているのが望ましい。このような導電性糸10は、ビード部4で折返されているため、ビード部4の電気抵抗が効果的に小さくなる。
図2には、図1のA−A線断面図が示されている。図2に示されるように、本実施形態の導電性糸10は、例えば、カーカスプライ6Aのトッピングゴムのタイヤ外面側(図2では上側)に配置され、サイドウォールゴム12等に覆われている。これにより、導電性糸10がサイドウォール部の外面に現れず、サイドウォール部の外観の低下を防ぐことができる。但し、このような態様に限定されるものではなく、導電性糸10は、前記トッピングゴムのタイヤ内面側、又は、前記トッピングゴムの両面に配置されても良い。
図3には、カーカスプライ6Aの本体部6aの展開図が示されている。図3は、一対のビードコア5、5の間における本体部6aを平面に展開し、これをタイヤ外面側から観た図である。図3では、一対のビードコア5、5、及び、タイヤ最大幅位置19、19が、2点鎖線で示され、その他のタイヤ部材は省略されている。図3に示されるように、導電性糸10は、バットレス部20を直線状にのびる第1部分21と、第1部分21のタイヤ赤道C側又はビード部4側で波状にのびる第2部分22とを含んでいる。
これにより、波状にのびる第2部分22が、導電性糸10とタイヤ1のゴム部材との接触面積を増加させ、タイヤ1の電気抵抗をさらに小さくすることができる。また、バットレス部20には、直線状にのびる第1部分21が配置されているため、シェーピング工程時、バットレス部20において導電性糸10への応力集中を防止し、ひいては導電性糸10の断線が効果的に抑制される。
第1部分21は、例えば、カーカスコードに沿って設けられているのが望ましい。さらに望ましい態様として、本実施形態の第1部分21は、タイヤ周方向に対して直角に配置されている。これにより、シェーピング工程において、生タイヤが膨張するときの応力は、主にカーカスコードに作用する。従って、導電性糸10の断線が効果的に抑制される。
第1部分21は、例えば、一部がトレッド部2又はサイドウォール部3までのびていても良い。これにより、導電性糸10の断線がさらに効果的に抑制される。
図4には、第2部分22の拡大図が示されている。本実施形態の第2部分22は、第1傾斜部23と、第1傾斜部23とは逆向きに傾斜する第2傾斜部24とを含んで振幅する正弦波状である。但し、第2部分22は、このような態様に限定されるものではなく、ジグザグ状や台形波状等でも良い。
第1傾斜部23及び前記第2傾斜部24は、例えば、第2部分22の振幅中心線25に対して30°以下の角度θ1を有するのが望ましい。これにより、第2部分22の耐久性を維持することができる。また、前記角度θ1は、10°以上であるのが望ましい。これにより、導電性糸10とタイヤのゴム部材との接触面積を確保でき、タイヤの電気抵抗を小さくすることができる。
図5には、図1のタイヤ1の側面透視図が示されている。図5において、タイヤの輪郭26が2点鎖線で示されている。図5に示されるように、導電性糸10は、例えば、タイヤ周方向に距離を隔てて複数本設けられるのが望ましい。本実施形態の各導電性糸10は、タイヤ放射方向に沿ってのびている。望ましい態様として、各導電性糸10は、それぞれ、タイヤ周方向に等しい距離を隔てて配置されている。このような導電性糸10は、タイヤ1全体の電気抵抗を均一に小さくすることができる。
タイヤ赤道C上における各導電性糸10の前記距離L1は、好ましくは1000mm以下、より好ましくは500mm以下、さらに好ましくは300mm以下である。このような導電性糸10の配置は、導電性糸10の本数を増加させることができ、ひいてはタイヤの電気抵抗を確実に小さくすることができる。また、前記距離L1が過度に小さい場合、タイヤの生産性が低下するおそれがある。このため、前記距離L1は、好ましくは50mm以上、より好ましくは100mm以上である。
本明細書において、導電性糸10とは、体積固有電気抵抗値が10Ω・cm以下の糸を意味する。導電性糸10の体積固有電気抵抗値は、好ましくは10Ω・cm以下、より好ましくは5×10Ω・cm以下である。このような導電性糸10は、効果的にタイヤの電気抵抗を小さくするのに役立つ。
導電性糸10には、例えば、カーボンファイバーが好適に採用される。カーボンファイバーは、優れた導電性を有し、かつ、タイヤの繰り返し変形に対しても高い耐久性を持つ。但し、導電性糸10は、これに限定されるものではなく、他の有機繊維や、銅やスチール等の金属が用いられても良い。
導電性及び耐久性を確保するために、導電性糸10の太さは、好ましくは100dtex以上、より好ましくは130dtex以上である。導電性糸10の太さが大きくなると、サイドウォール部3の外面に導電性糸10に起因する凹凸部が生じ、外観を悪化させるおそれがある。このため、導電性糸10の太さは、好ましくは200dtex以下、より好ましくは170dtex以下である。
次に、上述した空気入りタイヤの製造方法の例が図面に基づき説明される。なお、詳細な説明が省略されている箇所については、公知の技術が適用される。図6は、上述した空気入りタイヤのカーカスプライ材料30の製造ラインの一部を概念的に示す側面図である。図6に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、カーカスプライ材料成形工程S1、導電性糸付着工程S2、及び、巻取工程S3を順番に含んでいる。
カーカスプライ材料成形工程S1では、コード供給装置31からトッピング装置32にカーカスコードの配列体が供給される。トッピング装置32は、カーカスコードの配列体の両側の面をトッピングゴムで被覆してカーカスプライ材料30を成形する。成形されたカーカスプライ材料30は、導電性糸付着工程S2に案内される。
カーカスプライ材料成形工程S1と導電性糸付着工程S2との間には、トッピングゴムを半加硫させるための電子線照射工程等、公知の別工程が配されても良い。但し、図6では省略されている。
図7には、導電性糸付着工程S2の拡大斜視図が示されている。図7に示されるように、導電性糸付着工程S2では、導電性糸付着装置33が用いられている。
導電性糸付着装置33は、例えば、リール34、ガイド部材35、及び、支持具36を有する。
リール34には、予め導電性糸10が巻き取られている。本実施形態では、複数のリール34が、カーカスプライ材料30の幅方向に間隔をあけて配置されている。
ガイド部材35は、例えば、リール34から連続的に供給される導電性糸10をガイドしながら、カーカスプライ材料30に付着させる。ガイド部材35は、例えば、その外周面で導電性糸10をカーカスプライ材料30に押し付けるローラー状に形成されているのが望ましい。導電性糸10は、カーカスプライ材料30の表面の粘着性によって、その表面に付着される。ガイド部材35の外周面(円周面)には、例えば、導電性糸10のプライ幅方向の位置を安定させるための浅い溝が設けられていることが望ましい。
支持具36は、例えば、ガイド部材35をカーカスプライ材料30の幅方向に移動可能に保持する。支持具36は、例えば、ロッド36a及びアクチュエータ36bを含んでいる。ロッド36aは、プライ幅方向に沿ってのびガイド部材35を回転自在に支持する。アクチュエータ36bは、ロッド36aをプライ幅方向に移動させることができる。これにより、ガイド部材35は、カーカスプライ材料30の幅方向に自在に動くことができる。本実施形態では、一つの支持具36に、複数のガイド部材35が設けられている。これにより、複数のガイド部材35を一括して、プライ幅方向に移動させることができる。
以上のような導電性糸付着装置33は、図7において上から下へ移動するカーカスプライ材料30に、ガイド部材35を用いて、カーカスプライ材料30の長手方向に沿って導電性糸10を連続的に付着させることができる。
導電性糸付着工程S2は、導電性糸10を直線状に付着させる第1付着工程と、導電性糸10を波状に付着させる第2付着工程とを含み、これらの工程が交互に繰り返し行われる。第1付着工程では、アクチュエータ36bが固定された状態で導電性糸10が供給される。これにより、上述した導電性糸10の第1部分21(図3に示す)がカーカスプライ材料30に付着される。第2付着工程では、アクチュエータ36bによってガイド部材35がカーカスプライ材料30の幅方向に往復を繰り返す状態で、導電性糸10が供給される。これにより、上述した導電性糸10の第2部分22(図3に示す)がカーカスプライ材料30に付着される。第2付着工程では、導電性糸10が所望の波状に付着されるように、アクチュエータ36bが制御される。
図6に示されるように、導電性糸付着工程S2で導電性糸10が付着されたカーカスプライ材料30は、巻取工程S3へと送られる。巻取工程S3では、カーカスプライ材料30が導電性糸10とともに、巻取リール37に巻き取られる。カーカスプライ材料30の巻取り時には、例えば、未加硫のトッピングゴム同士の付着を防止するためのシート38が、カーカスプライ材料30のいずれか一方の面に貼り付けられるのが望ましい。
巻き取られたカーカスプライ材料30は、必要に応じて、巻取リール37から引き出され、タイヤ寸法に応じた長さを有するカーカスプライに成形される。図8(a)には、巻取リールから引き出されたカーカスプライ材料30の平面図が示されている。図8(a)に示されるように、このカーカスプライ材料30は、所定の長さL2のカーカスプライ片40に切断される。このとき、各カーカスプライ片40に配置された導電性糸10は、タイヤのトレッド部に配置される第2部分22aと、バットレス部20に配置される第1部分21、21と、サイドウォール部3及びビード部4に配置される第2部分22b、22bとを含んでいる。
切断された各カーカスプライ片40は、非切断縁同士が互いにジョイントされ、図8(b)に示されるように、幅がL2、長さがW1×n(ただし、nは、プライ片の数)のラジアル構造のカーカスプライ6Aへと製造される。
カーカスプライ6Aは、例えば、円筒状の成形ドラムに巻き付けられ、かつ、その両側の端縁29、29がジョイントされる。図9(a)には、このようにして形成された円筒状のカーカスプライ6Aの斜視図が示されている。カーカスプライ6Aには、ビードコア5が装着され、カーカスプライ6Aの両端部28、28がその周りで折り返される。図9(b)には、このようにして形成されたカーカス基体39の斜視図が示されている。このカーカス基体39は、公知の製造方法によって空気入りタイヤに成形され、上述した導電性糸10を有する空気入りタイヤが得られる。
以上、本発明の一実施形態の空気入りタイヤ及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
図1の基本構造を有するサイズ195/65R15の乗用車用の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。比較例として、導電性糸が全て波状に配置されている空気入りタイヤが試作された。各テストタイヤについて、使用前及び一定距離走行後のタイヤの電気抵抗が測定された。テスト方法は以下の通りである。
<タイヤの電気抵抗値>
図10に示されるように、絶縁板41(電気抵抗値が1012Ω以上)の上に設置された表面が研磨された金属板42(電気抵抗値は10Ω以下)と、タイヤ・リム組立体を保持する導電性のタイヤ取付軸43と、電気抵抗測定器44とを含む測定装置が使用され、JATMA規定に準拠してテストタイヤTとリムRとの組立体の電気抵抗値が測定された。なお各テストタイヤTは、予め表面の離型剤や汚れが十分に除去され、かつ、十分に乾燥した状態のものが用いられた。その他の条件は、次の通りである。
リム材料:アルミニウム合金製
リムサイズ:17×7J
内圧:200kPa
荷重:5.3kN
試験環境温度(試験室温度):25℃
湿度:50%
電気抵抗測定器の測定範囲:1.0×10 〜1.6×1016Ω
試験電圧(印可電圧):1000V
試験の要領は、次の通りである。
(1)テストタイヤTをリムに装着しタイヤ・リム組立体を準備する。この際、両者の接触部に潤滑剤として石けん水が用いられる。
(2)タイヤ・リム組立体を試験室内で2時間放置させた後、タイヤ取付軸43に取り付ける。
(3)タイヤ・リム組立体に前記荷重を0.5分間負荷し、解放後にさらに0.5分間、解放後にさらに2分間負荷する。
(4)試験電圧が印可され、5分経過した時点で、タイヤ取付軸43と金属板42との間の電気抵抗値を電気抵抗測定器44によって測定する。前記測定は、タイヤ周方向に90°間隔で4カ所で行われ、そのうちの最大値を当該タイヤTの電気抵抗値(測定値)とする。
なお、上述したタイヤの電気抵抗の測定は、タイヤが未使用の状態及び一定距離(1000km)走行後の両方で実施された。
テスト結果を表1に示す。
Figure 2017043122
表1で示されるように、比較例のタイヤは、未使用の状態で既に導電性糸の断線が発生しており、各実施例よりも高い電気抵抗を有している。また、比較例のタイヤは、走行中にも断線が発生しており、一定距離走行後において、さらに電気抵抗が増加している。これに対し、各実施例のタイヤは、未使用の状態において比較例よりも電気抵抗が小さく、導電性糸の断線が抑制されていることが確認できた。しかも、少なくとも実施例1、2、4及び5は、一定距離走行後においても電気抵抗が変化しておらず、走行中の導電性糸の断線が抑制されていることが確認できた。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6A カーカスプライ
6 カーカス
10 導電性糸
20 バットレス部
21 第1部分
22 第2部分

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライを含むカーカスを有する空気入りタイヤであって、
    前記カーカスプライの少なくとも一方の面に、一方のビード部から他方のビード部まで途切れることなくのびる少なくとも1本の導電性糸が配置されており、
    前記導電性糸は、バットレス部を直線状にのびる第1部分と、前記第1部分のタイヤ赤道側又は前記ビード部側で波状にのびる第2部分とを含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第2部分は、第1傾斜部と、前記第1傾斜部とは逆向きに傾斜する第2傾斜部とを含んで振幅し、
    前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部は、前記第2部分の振幅中心線に対して30°以下の角度を有する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記導電性糸は、タイヤ周方向に距離を隔てて複数本配置されている請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記距離は1000mm以下である請求項3記載の空気入りタイヤ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された空気入りタイヤの製造方法であって、
    並列されたカーカスコードがトッピングゴムで被覆されたシート状のカーカスプライ材料の少なくとも一方の面に、導電性糸を前記カーカスコードの長手方向に沿って連続的に付着させる導電性糸付着工程を含み、
    前記導電性糸付着工程は、前記導電性糸を直線状に付着させる第1付着工程と、前記導電性糸を波状に付着させる第2付着工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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