JP2017040374A5 - - Google Patents
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Description
そこで、本発明者は、離脱防止機能を確保しながらコストを低減するべく、幾つかの係止部材で押圧部材を省略しつつ、それらが挿口の外周面に係止できるよう、その先端を収容溝から突出させた状態で係止部材を保持する構造を想到した。
特許文献5には、複数の係止部材のうち幾つかで押圧部材を省略した押輪が記載されているが、上述した点に関して、その解決手段を示唆するものではない。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、離脱防止機能を確保しながらコスト低減ができ、それでいて離脱防止機能を良好に確保できる、流体管の離脱防止装置の装着方法と、その流体管の離脱防止装置を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る流体管の離脱防止装置の装着方法は、一方の管の受口に他方の管の挿口を挿入し、前記受口とは別個にまたは一体的に形成された非分割の環状体からなるハウジングを前記挿口に外嵌する外嵌工程と、前記挿口の外周面に向けて開口する収容溝に収容された複数の係止部材を前記挿口の外周面に係止させる係止工程と、を備える流体管の離脱防止装置の装着方法において、前記複数の係止部材は、前記ハウジングの取付孔に挿通された押圧部材が設けられている第一係止部材と、前記押圧部材が設けられていない第二係止部材とからなり、前記収容溝内で前記第二係止部材が管軸方向に移動可能な移動代が設けられており、前記収容溝内での前記第二係止部材の位置に関係なく、前記第二係止部材の先端が常に前記収容溝から突出するように構成されていて、前記第二係止部材の側面と前記収容溝の壁面との間に、前記第二係止部材の脱落を防止する弾性材が介在しているものである。
この方法では、第二係止部材に押圧部材を設けていない離脱防止装置が用いられる。それ故、従来よりも押圧部材の個数が少なくて済み、ハウジングに取付孔を形成するための加工を削減できるので、コスト低減に資する。また、収容溝内での第二係止部材の位置に関係なく、第二係止部材の先端が常に収容溝から突出するように構成されていることにより、挿口の外周面に第二係止部材を適切に係止させて、離脱防止機能を良好に確保できる。第二係止部材の側面と収容溝の壁面との間には弾性材が介在しているが、その圧縮変形によって第二係止部材は管軸方向に移動できる。
また、本発明に係る流体管の離脱防止装置は、一方の管の受口に他方の管の挿口を挿入してなる管継手に用いられる流体管の離脱防止装置において、前記受口とは別個にまたは一体的に形成された非分割の環状体からなり、前記挿口に外嵌されるハウジングと、前記挿口の外周面に係止する複数の係止部材と、前記挿口の外周面に向けて開口し、前記複数の係止部材を収容する収容溝と、前記ハウジングの取付孔に挿通された押圧部材と、を備え、前記複数の係止部材は、前記押圧部材が設けられている第一係止部材と、前記押圧部材が設けられていない第二係止部材とからなり、前記押圧部材の操作により前記第一係止部材を管径方向に移動可能であり、前記収容溝内で前記第二係止部材が管軸方向に移動可能な移動代が設けられており、前記収容溝内での前記第二係止部材の位置に関係なく、前記第二係止部材の先端が常に前記収容溝から突出するように構成されていて、前記第二係止部材の側面と前記収容溝の壁面との間に、前記第二係止部材の脱落を防止する弾性材が介在していることを特徴とする流体管の離脱防止装置。
この装置では、第二係止部材に押圧部材が設けられていない。それ故、従来よりも押圧部材の個数が少なくて済み、ハウジングに取付孔を形成するための加工を削減できるので、コスト低減に資する。また、押圧部材の操作によって第一係止部材が管径方向に移動し、収容溝から先端を突出させた状態で第二係止部材が保持されているため、各係止部材を挿口の外周面に係止できる。また、収容溝内での第二係止部材の位置に関係なく、第二係止部材の先端が常に収容溝から突出するように構成されていることにより、挿口の外周面に第二係止部材を適切に係止させて、離脱防止機能を良好に確保できる。第二係止部材の側面と収容溝の壁面との間には弾性材が介在しているが、その圧縮変形によって第二係止部材は管軸方向に移動できる。
まずは、押輪(流体管の離脱防止装置の一例)の構造とその装着方法に関する「第1実施形態」について、図1〜8を参照して説明する。次に、図9〜11を参照して「第2実施形態」を説明する。「第2実施形態」は、後述するように、「第1実施形態」において、第二係止部材が均等姿勢と傾斜姿勢との間で姿勢を変えうる構成を適用したものである。
[第1実施形態]
図1〜3に、一方の管P1の受口1に他方の管P2の挿口2を挿入してなる管継手に用いられた押輪3を示す。管P1,P2は、それぞれ、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄管である。但し、これに限られるものではなく、例えば鋼管や塩化ビニール管、ポリエチレン管、ポリオレフィン管、その他の流体管であってもよい。また、管P1,P2の内部を流れる流体は上水に限らず、例えば工業用水や下水、ガス、ガスと液体との気液混合体などであっても構わない。
図1〜3に、一方の管P1の受口1に他方の管P2の挿口2を挿入してなる管継手に用いられた押輪3を示す。管P1,P2は、それぞれ、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄管である。但し、これに限られるものではなく、例えば鋼管や塩化ビニール管、ポリエチレン管、ポリオレフィン管、その他の流体管であってもよい。また、管P1,P2の内部を流れる流体は上水に限らず、例えば工業用水や下水、ガス、ガスと液体との気液混合体などであっても構わない。
押輪3は、第一係止部材31と第二係止部材32とからなる複数の(図1の例では4つの)係止部材を備え、それらが管周方向に沿って配列された状態で収容溝33に収容されている。この第1実施形態では、複数の係止部材の総数が4であり、そのうち2つが第一係止部材31であり、残りの2つが第二係止部材32である。第一係止部材31は上方に配置され、第二係止部材32は下方に配置されている。これら係止部材の各々が挿口2の外周面に係止することにより、受口1から挿口2が離脱するのを防止することができる。
第一係止部材31及び第二係止部材32は、それぞれ管周方向に沿って湾曲した弓形の部材で構成され、それらの内周側の先端が爪状に突設されている。第一係止部材31と第二係止部材32のうち、第一係止部材31にのみ押ボルト34が設けられ、その押ボルト34の操作により第一係止部材31を管径方向に移動可能である。また、第二係止部材32は、収容溝33から先端を突出させた状態で収容溝33内に保持されている。この第1実施形態では、第一係止部材31と第二係止部材32とが同一の部材で構成され、それらはハウジング30に組み合わせる態様が異なるに過ぎない。
この第1実施形態では、図3に示すように、第一係止部材31または第二係止部材32の先端と、それに隣接する別の第一係止部材31または第二係止部材32の先端とが、管軸方向に互いに重なり、係止部材の先端が挿口2の外周面に接触する領域が管周方向に連続するように構成されている。このような係止部材の構成は、例えば本出願人による前記特許文献3に開示されている。但し、本発明は、これに限られるものではない。
この第1実施形態では、第二係止部材32の配設箇所における収容溝33の深さが、第一係止部材31の配設箇所における収容溝33の深さよりも小さく、それを利用して第二係止部材32の先端を収容溝33から突出させた状態にしている。この収容溝33の深さは、例えば収容溝33の溝幅方向の中央で測定される。第一係止部材31の配設箇所では、管径方向の移動代が必要であるため、収容溝33の深さが比較的大きい。管径方向における第二係止部材32の位置は、収容溝33の深さによって定まり、挿口2に対して押輪3を芯出し(センタリング)した際に、第二係止部材32の先端が挿口2の外周面に係止しうるように設定されている。
この第1実施形態では、収容溝33内で各係止部材が管軸方向に移動可能な移動代が設けられている。かかる移動代は、上述した楔効果を奏するのに用いられる。また、収容溝33内での第二係止部材32の位置に関係なく、第二係止部材32の先端が常に収容溝33から突出するように構成されている。これにより挿口2の外周面に第二係止部材32を適切に係止させて、離脱防止機能を良好に確保できる。各係止部材の側面と収容溝33の壁面との間には、係止部材の脱落を防止する弾性材(図9の弾性材6)が介在し、それらは圧縮変形するので各係止部材は管軸方向に移動できる。
この第1実施形態では、次のような方法で押輪3を装着する。まず、押輪3を用意し、図5のようにハウジング30を挿口2に外嵌する(外嵌工程)。次に、図6のように、受口1とそれに挿入した挿口2との隙間に介在するシール材4を押圧して密封状態とし、押輪3を受口1に固定する(密封工程)。そして、図2,3のように、押ボルト34を操作して第一係止部材31を挿口2に向けて移動させ、第一係止部材31の先端と第二係止部材32の先端を、それぞれ挿口2の外周面に係止させる(係止工程)。
[第2実施形態]
第2実施形態は、以下に説明する構成の他は、上述した第1実施形態と同様に構成できるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。即ち、第2実施形態は、上述した第1実施形態において、第二係止部材が均等姿勢と傾斜姿勢との間で姿勢を変えうる構成を適用したものであり、第1実施形態で説明した構成や方法は、いずれも第2実施形態が備えうる。なお、第1実施形態で説明した部材と同一の部材には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
第2実施形態は、以下に説明する構成の他は、上述した第1実施形態と同様に構成できるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。即ち、第2実施形態は、上述した第1実施形態において、第二係止部材が均等姿勢と傾斜姿勢との間で姿勢を変えうる構成を適用したものであり、第1実施形態で説明した構成や方法は、いずれも第2実施形態が備えうる。なお、第1実施形態で説明した部材と同一の部材には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
第1実施形態は、図4のように第二係止部材32の先端の突出が周方向に沿って均等な状態で外嵌工程を行うものであった。このような第二係止部材32の先端の突出は、唯でさえ小さいハウジング30と挿口2との隙間を更に小さくし、第二係止部材32の先端が挿口2の外周面と干渉しやすくなる。このため、第二係止部材32が挿口2の外周面を傷付ける恐れがあり、装着時の作業性を悪化させる場合があった。図4の例では、ハウジング30の内部空間の上下には余裕があるものの、その左右には余裕が無く、左右に位置する第二係止部材32の先端で挿口2の外周面を傷付けることが懸念される。
そこで、第2実施形態では、第二係止部材32が、収容溝33から先端を突出させた状態で、その先端の突出が周方向に沿って均等になる均等姿勢と、その先端の突出が周方向に沿って小さくなる傾斜姿勢との間で姿勢を変えうるように、収容溝33内に保持されるようにしている。図9は、ハウジング30の縦断面を示しており、(a)の第二係止部材32は均等姿勢、(b)の第二係止部材32は傾斜姿勢である。均等姿勢については図1も参照され、傾斜姿勢については図10も参照される。
Claims (2)
- 一方の管の受口に他方の管の挿口を挿入し、前記受口とは別個にまたは一体的に形成された非分割の環状体からなるハウジングを前記挿口に外嵌する外嵌工程と、
前記挿口の外周面に向けて開口する収容溝に収容された複数の係止部材を前記挿口の外周面に係止させる係止工程と、を備える流体管の離脱防止装置の装着方法において、
前記複数の係止部材は、前記ハウジングの取付孔に挿通された押圧部材が設けられている第一係止部材と、前記押圧部材が設けられていない第二係止部材とからなり、
前記収容溝内で前記第二係止部材が管軸方向に移動可能な移動代が設けられており、前記収容溝内での前記第二係止部材の位置に関係なく、前記第二係止部材の先端が常に前記収容溝から突出するように構成されていて、
前記第二係止部材の側面と前記収容溝の壁面との間に、前記第二係止部材の脱落を防止する弾性材が介在していることを特徴とする流体管の離脱防止装置の装着方法。 - 一方の管の受口に他方の管の挿口を挿入してなる管継手に用いられる流体管の離脱防止装置において、
前記受口とは別個にまたは一体的に形成された非分割の環状体からなり、前記挿口に外嵌されるハウジングと、
前記挿口の外周面に係止する複数の係止部材と、
前記挿口の外周面に向けて開口し、前記複数の係止部材を収容する収容溝と、
前記ハウジングの取付孔に挿通された押圧部材と、を備え、
前記複数の係止部材は、前記押圧部材が設けられている第一係止部材と、前記押圧部材が設けられていない第二係止部材とからなり、前記押圧部材の操作により前記第一係止部材を管径方向に移動可能であり、
前記収容溝内で前記第二係止部材が管軸方向に移動可能な移動代が設けられており、前記収容溝内での前記第二係止部材の位置に関係なく、前記第二係止部材の先端が常に前記収容溝から突出するように構成されていて、
前記第二係止部材の側面と前記収容溝の壁面との間に、前記第二係止部材の脱落を防止する弾性材が介在していることを特徴とする流体管の離脱防止装置。
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