JP2024012556A - 管接続部の離脱防止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】離脱力吸収能力の向上を図りながら、継ぎ輪に対する挿口及び受口の離脱移動を確実に阻止し、且つ、挿口と継ぎ輪の管支持部との屈曲状態を適正な範囲に維持する。【解決手段】挿口1Aと受口2Aとの嵌合接続部20を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪30が外装され、継ぎ輪30と他方の管部の受口側との管軸芯方向で相対向する部位には、受口2Aと挿口1Aとが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動を許容し、且つ、離脱状態での受口2Aと継ぎ輪30との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する第1離脱阻止部が設けられ、継ぎ輪30の一端側の管支持部30d側には、挿口1Aの離脱移動に連れて挿口1Aの外周面1aとの間での抜止め抵抗が増大する抜止部55を備えた第2離脱阻止部5が設けられ、継ぎ輪30内には、離脱状態において、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動を規制する傾動規制部9が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、一方の管部の挿口と他方の管部の受口との嵌合接続部を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪が、前記両管部に亘って外装されている管接続部の離脱防止構造に関する。
上述の管接続部の離脱防止構造として、特許文献1に示す管取付け構造が存在する。この管取付け構造では、一方の管部の挿口と他方の管部の受口との嵌合接続部がK形のメカニカル継手から構成されている。このメカニカル継手は、挿口の外周面と受口のテーパー状の内周面との間にゴム輪等のシール材を装着する。このシール材を管軸芯方向から押圧可能な押圧部を備えた押輪のフランジ部と受口のフランジ部とをボルト
・ナットで締め付け連結する。この締め付け連結により、受口のフランジ部に引き寄せ固定される押輪の押圧部でシール材が水密状態に圧縮され、その水密状態が維持される。
また、嵌合接続部であるメカニカル継手を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪は、受口よりも大径の円筒状の周壁部と、周壁部の管軸芯方向両端から径方向内方に一体的に延設される円環状の側壁部と、各側壁部の内径側端部から管軸芯方向に沿って外方に一体的に延設される管支持部と、を主要構成として備えている。
継ぎ輪の両管支持部の内周面には、両管部の外周面との間を密封するシール材が装着されたシール部が設けられている。
さらに、継ぎ輪と他方の管部の受口側との管軸芯方向で相対向する部位には、受口と継ぎ輪との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する離脱移動阻止手段が設けられている。離脱移動阻止手段は、受口側となる継ぎ輪の他端側の管支持部の内径を、受口のテーパー部の最大外径よりも小径に形成している。挿口と受口との離脱時に、継ぎ輪の他端側の管支持部が受口のテーパー部に管軸芯方向から当接して、それ以上の離脱移動を阻止するように構成されている。
また、継ぎ輪内に位置する挿口の外周面には、当該外周面に食い込む係止部材を備えた分割構造の離脱規制部が挟持固定され、この離脱規制部の外径を、挿口側となる継ぎ輪の一端側の管支持部の内径よりも大径に形成し、挿口と受口との離脱時に、挿口に挟持固定されている離脱規制部が継ぎ輪の一端側の管支持部に管軸芯方向から当接して、それ以上の離脱移動を阻止するように構成されている。
特開2016-138637号公報
特許文献1に示す管取付け構造では、挿口と受口との離脱時に、挿口に挟持固定されている離脱規制部が継ぎ輪の一端側の管支持部に管軸芯方向から当接するだけであり、挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部との屈曲を規制する機能は有しない。そのため、挿口と受口とが離脱したとき、挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部とが大きく屈曲し、継ぎ輪の一端側の管支持部の内周面に設けられているシール部の周方向での密封性が局部的に低下し、その密封性が低下した部位から流体の漏洩が発生する不都合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、離脱力に対する吸収能力の向上を図りながら、継ぎ輪に対する挿口及び受口の離脱移動を確実に阻止し、且つ、挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部との屈曲状態を適正な範囲に維持して、シール部の周方向での局部的な密封低下に起因する流体の漏洩を抑制することのできる管接続部の離脱防止構造を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、一方の管部の挿口と他方の管部の受口との嵌合接続部を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪が前記両管部に亘って外装され、前記継ぎ輪と他方の前記管部の受口側との管軸芯方向で相対向する部位には、前記受口と前記挿口とが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動を許容し、且つ、前記離脱状態での前記受口と前記継ぎ輪との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する第1離脱阻止部が設けられ、前記継ぎ輪の管軸芯方向の一端側の管支持部側には、前記挿口の離脱移動に連れて前記挿口の外周面との間での抜止め抵抗が増大する抜止部を備えた第2離脱阻止部が設けられ、前記継ぎ輪内には、前記離脱状態において、前記継ぎ輪の一端側の管支持部に対する前記挿口の傾動を規制する傾動規制部が設けられている点にある。
上記構成によれば、継ぎ輪と他方の管部の受口側との管軸芯方向で相対向する部位に設けた第1離脱阻止部により、挿口と受口との嵌合接続部に地震や不同沈下等に起因する離脱力が作用したとき、受口と挿口とが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動を許容する。これにより、挿口と受口との嵌合接続部に作用する大きな離脱力を吸収することができる。それでいて、離脱状態での受口と継ぎ輪との一定以上の相対離脱移動に対しては確実に当接阻止することができるので、継ぎ輪の他端側の管支持部に対して受口が抜け出すことはない。
また、前記継ぎ輪の管軸芯方向の一端側の管支持部側に設けた第2離脱阻止部の抜止部は、継ぎ輪の一端側の管支持部に対する挿口の離脱移動に連れて当該挿口の外周面との間での抜止め抵抗が増大するので、全体として、一方の管部の挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部とが第2離脱阻止部を介して一体的に強固に固定連結される。
これにより、挿口と受口とが離脱しても、継ぎ輪の他端側の管支持部に対する受口の抜け出し移動、及び、継ぎ輪の一端側の管支持部に対する挿口の抜け出し移動をそれぞれ強固に阻止することができる。
さらに、挿口と受口とが離脱状態にあるとき、地震や、流体圧による不平均力等に起因する屈曲力が作用しても、継ぎ輪内に設けた傾動規制部によって、継ぎ輪の一端側の管支持部に対する挿口の傾動を規制することができる。これにより、離脱状態での挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部との屈曲状態を適正な範囲に維持して、シール部の周方向での局部的な密封低下に起因する流体の漏洩を抑制することができる。
したがって、受口と挿口とが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動によって、嵌合接続部に作用する離脱力の吸収能力を向上する。それでいて、挿口と受口とが離脱状態まで離脱移動したときには、それ以上の離脱移動を第1離脱阻止部及び第2離脱阻止部との協働で確実に阻止して、流体の漏洩を防止することができる。しかも、離脱状態での挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部との屈曲状態を適正な範囲に維持して、シール部の周方向での局部的な密封低下に起因する流体の漏洩を抑制することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記傾動規制部には、前記受口と前記挿口とが嵌合接続されている状態及び離脱状態において前記挿口に外装され、且つ、前記離脱状態で傾動する前記挿口の外面に当接可能な傾動規制面を備えた分割構造の傾動規制体と、前記傾動規制体を前記受口に固定連結する固定連結部と、が備えられている点にある。
上記構成によれば、受口と挿口とが嵌合接続されている状態で、傾動規制部の分割構造の傾動規制体を挿口に外装し、固定連結部で傾動規制体を受口に固定連結する。地震や不同沈下等に起因して受口と挿口とが離脱状態にまで相対離脱移動したときにも、傾動規制体は挿口に外装された状態が維持される。そのため、離脱状態において、地震や、流体圧による不平均力等に起因する屈曲力が作用したとき、受口に固定連結されている傾動規制体の傾動規制面と挿口の外面とが当接する。これにより、離脱状態での挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部との屈曲状態が適正な範囲に確実に維持され、シール部の周方向での局部的な密封低下に起因する流体の漏洩を抑制することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記傾動規制体には、前記離脱状態での前記挿口の傾動に伴って前記継ぎ輪の内面に当接する傾動規制突起部が設けられている点にある。
上記構成によれば、離脱状態において、地震や、流体圧による不平均力等に起因する屈曲力が作用したとき、受口に固定連結されている傾動規制体の傾動規制面と挿口の外面とが当接し、且つ、傾動規制体の傾動規制突起部が継ぎ輪の内面に当接する。この管径方向内方側と外方側での当接により、離脱状態での挿口と継ぎ輪の一端側の管支持部との屈曲状態が適正な範囲に確実に維持することができ、シール部の周方向での局部的な密封低下に起因する流体の漏洩を抑制することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記傾動規制突起部は、前記継ぎ輪の内面に対する当接位置を管径方向に変更可能に構成されている点にある。
上記構成によれば、傾動規制部の分割構造の傾動規制体を挿口に外装するとき、受口と挿口とが嵌合接続部で屈曲している現場が存在する。この場合でも、傾動規制体の突起形成部位と継ぎ輪の内周面における突起当接部位との間の実測距離に応じて、傾動規制突起部の当接位置を管径方向に変更することができる。これにより、受口と挿口とが嵌合接続部で屈曲している現場であっても、挿口に対する傾動規制部の外装組付け作業を能率良く確実に行うことができる。しかも、離脱状態において、地震や、流体圧による不平均力等に起因する屈曲力が作用したときには、傾動規制体の傾動規制突起部を継ぎ輪の内面に的確に当接させることができる。
本発明の第5特徴構成は、前記嵌合接続部は、前記挿口の外周面と前記受口のテーパー状の内周面との間に装着されるシール材と、前記挿口に移動自在に外装され、且つ、前記シール部材を管軸芯方向から押圧可能な押圧部を備えた押輪と、前記受口と前記押輪とを管軸芯方向から締め付け固定する締結具と、を備え、前記傾動規制部の前記固定連結部は、前記嵌合接続部の前記締結具で構成されている点にある。
上記構成によれば、受口と押輪とを締結具で管軸芯方向から締め付け固定すると、挿口の外周面と受口のテーパー状の内周面との間に装着されているシール材が、押輪の押圧部で密封状態に圧縮される。この嵌合接続部を密封するための押輪用の締結具を用いて、受口に対して傾動規制部の固定連結部を確実、強固に固定連結することができる。
本発明の第6特徴構成は、前記嵌合接続部は、前記受口の内周面に形成した径方向内方に開口するシール保持溝に、前記受口に嵌合接続された前記挿口の外周面との間で水密状態に圧縮されるシール部材を装着して構成され、前記傾動規制部の前記固定連結部は、前記受口の外周面の端部に形成された環状突起に対して管径方向外方から係合可能な状態で前記傾動規制体に設けた係合突起と、前記傾動規制体の係合突起を前記受口の前記環状突起に係合させた状態で、前記傾動規制体の分割傾動規制部材同士を前記挿口に挾持状態で締め付け固定する締結具とから構成されている点にある。
上記構成によれば、受口と挿口とを嵌合接続すると、受口の内周面のシール保持溝に装着されているシール部材が、挿口の外周面で密封状態に圧縮される。この嵌合接続部を構成する受口の外周面の端部に形成されている環状突起を用いて、傾動規制体に設けた係合突起を、受口の環状突起に対して管径方向外方から係合させる。この係合状態で、傾動規制体の分割傾動規制部材同士を締結具で締め付け固定することにより、受口に対して傾動規制部の固定連結部を確実、強固に固定連結することができる。
管接続部の離脱防止構造の第1実施形態を示す斜視図 組付け時の全体断面図 離脱時の全体断面図 離脱状態での屈曲規制動作を示す全体断面図 継ぎ輪の分割継ぎ輪ケースの内面図 第1実施例の傾動規制部の正面図 第1実施例の傾動規制部の別の連結構造を示す要部の正面図 第2実施例の傾動規制部の正面図 管接続部の離脱防止構造の第2実施形態を示す組付け時の全体断面図 離脱時の全体の縦断面図 管接続部の離脱防止構造の第3実施形態を示す組付け時の全体断面図 離脱時の全体断面図 第3実施例の傾動規制部の正面図
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1~図4は、流体の輸送配管系統に用いられる管接続部の離脱防止構造を示す。この管接続部の離脱防止構造では、一方の管部の一例である流体管1の挿口1Aと他方の管部の一例である流体管2の受口2Aとが嵌合接続部20で接続されている。この嵌合接続部20を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪30は、両流体管1,2に亘って外装されている。
継ぎ輪30と他方の流体管2の受口2A側との管軸芯方向で相対向する部位には、図2、図3に示すように、受口2Aと挿口1Aとが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動を許容し、且つ、離脱状態での受口2Aと継ぎ輪30との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する第1離脱阻止部4が設けられている。
一方の流体管1の挿口1Aには、図2、図3に示すように、分割構造の第2離脱阻止部5が設けられている。この第2離脱阻止部5は、継ぎ輪30の管軸芯方向の一端側の管支持部30dに固定連結される連結部52と、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの離脱移動に伴って、当該挿口1Aの外周面1aとの間での抜止め抵抗が増大する抜止部55と、を備える。
継ぎ輪30内には、受口2Aと挿口1Aとが接続解除された離脱状態において、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動を規制する傾動規制部9が設けられている。
上述の管接続部の離脱防止構造では、管部として流体管1,2を例に挙げたが、管部としては従来から種々の形態のものが存在する。例えば、図示はしないが、流体管に密封状態で外装固定される分割構造の割T字管の分岐管部や流体管に一体的に突出形成された分岐管部、流体機材の一部を構成する管部等を挙げることができる。
さらに、本実施形態の流体管1,2は、流体の一例である上水を輸送するための水道管を構成するダクタイル鋳鉄管であるが、その他の鋳鉄管や鋼管等を使用することができ、
流体としても、上水以外に工業用水やガス等を挙げることができる。
一方の流体管1の挿口1Aと他方の流体管2の受口2Aとの嵌合接続部20は、図1~図3に示すように、K形のメカニカル継手から構成されている。このK形のメカニカル継手では、挿口1Aの外周面1aと受口2Aのテーパー状の内周面2aとの間に、ゴム輪等の第1シール部材21が装着されている。この第1シール部材21を管軸芯方向から押圧可能な押圧部22aを備えた押輪22が挿口1Aに外装されている。押輪22のフランジ部22bと受口2Aのフランジ部2bとは、管周方向に所定間隔を置いて配置される複数の金属製のT頭ボルト23
・ナット24等の第1締結具25によって管軸芯方向から締め付け連結されている。この第1締結具25による締め付け連結により、受口2Aのフランジ部2bに引き寄せ固定される押輪22の押圧部22aで第1シール部材21が密封状態
(水密状態)に圧縮され、その密封状態が維持される。
継ぎ輪30は、図1~図5に示すように、両流体管1,2の嵌合接続部20を囲繞する状態で両流体管1,2に亘って外装自在な二分割構造の鋳鉄製の両分割継ぎ輪ケース30A,30Bから構成されている。両分割継ぎ輪ケース30A,30Bは、図2、図5に示すように、同一形状に構成されている。
継ぎ輪30には、受口2Aよりも大径の円筒状の周壁部30aと、周壁部30aの管軸芯方向両端から径方向内方側に一体的に延設される円環状の側壁部30b,30cと、各側壁部30b,30cの内径側端部から管軸芯方向に沿って外方に一体的に延設される筒状の管支持部30d,30eと、が主要構成として備えられている。挿口1A側となる一端側の側壁部30bは、管軸芯に対して直交又は略直交する垂直状側壁部に構成されている。受口2A側となる他端側の側壁部30cは、それに連続する管支持部30e側ほど小径となるテーパー状側壁部に構成されている。
図1、図5に示すように、継ぎ輪30の両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの管周方向両端部には、外方側に水平方向に沿って突出する連結フランジ部30Cが一体形成されている。両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの連結フランジ部30Cは、ボルト31
・ナット32等の第2締結具34の締付け操作によって密封状態(水密状態)に固定連結されている。両分割継ぎ輪ケース30A,30Bには、図2に示すように、継ぎ輪30の内周面30f(図2参照)と嵌合接続部20を含む両流体管1,2の外周面1a,2cとの間に形成される囲繞空間33を外部に対して密封するシール部35(図2参照)が設けられている。
シール部35は、図2、図3に示すように、両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの各々に形成された環状のシール保持溝36に、環状のガスケット等の第2シール部材37を装着して構成されている。
シール保持溝36は、図5に示すように、挿口1Aの半外周面に対面する管支持部30dの内面に形成された管周方向に沿う第1周方向溝部36aと、受口2Aの半外周面に対面する管支持部30eの内面に管軸芯方向に間隔をあけて形成された管周方向に沿う二条の第2周方向溝部36bと、第1・第2周方向溝部36a,36bの周方向端部に連通する状態で両連結フランジ部30Cの分割面に沿って形成される管軸方向溝部36cと、を備える。
第2シール部材37は、図2、図3に示すように、第1周方向溝部36aに装着される第1周方向シール部分37aと、二条の第2周方向溝部36bに装着される第2周方向シール部分37bと、管軸方向溝部36cに装着される管軸方向シール部分(図示省略)と、
を一体成形して構成されている。
そして、両第2シール部材37の管軸方向シール部分は、両連結フランジ部30Cの分割面間において管径方向から互いに密封状態(水密状態)で接触する。両第2シール部材37の第1周方向シール部分37a及び第2周方向シール部分37bは、継ぎ輪30の両管支持部30d,30eにおいて、両流体管1,2の外周面1a,2cに管周方向に沿って密封状態で接触する。
第1離脱阻止部4は、図2、図5に示すように、両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの両管支持部30d,30e間の内周面30fで、且つ、管軸芯方向の他端側に偏位した部位に、第1締結具25の複数のT頭ボルト23の頭部23Aと管軸芯方向から当接可能な位置にまで管径方向内方側に突出する半円環状の離脱阻止壁部41が一体形成されている。本実施形態では、離脱阻止壁部41は、両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの内周面30fにおける周壁部30aとテーパー状の側壁部30cとの境界部位に形成されている。
離脱阻止壁部41の両側面のうち、複数のT頭ボルト23の頭部23Aと管軸芯方向で相対向する側面が、T頭ボルト23の頭部23Aとの当接によって、離脱状態での受口2Aと継ぎ輪30との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する当接面41aに構成されている。
管周方向に所定間隔を置いて配置される複数の金属製のT頭ボルト23が、受口2A側に固定される当接部材45に兼用構成され、各T頭ボルト23の頭部23Aの偏平な頂面である当接面23aは、当接部材45の当接面45aに構成されている。
離脱阻止壁部41の当接面41aと、各T頭ボルト23の頭部23Aの当接面23aをもって構成される当接部材45の当接面45aの各々は、管軸芯に対して直交する直交面に形成されている。
そして、一方の流体管1の挿口1Aと他方の流体管2の受口2Aとの嵌合接続部20に地震や不動沈下等に起因する離脱力が作用した時、図3に示すように、継ぎ輪30内の離脱阻止壁部41の当接面41aと、受口2A側に固定された各T頭ボルト23の頭部23Aの当接面23aをもって構成される当接部材45の当接面45aとが管軸芯方向から面当たりで当接し、それ以上の流体管2の受口2Aと継ぎ輪30との離脱移動が阻止される。このとき、継ぎ輪30内の離脱阻止壁部41の当接面41aと当接部材45の当接面45aは、管軸芯に対して直交する直交面に形成されているため、離脱阻止壁部41の当接面41aと当接部材45の当接面45aとが直交方向に沿った面当たり状態となる。これにより、離脱力を確実に受け止めて離脱阻止効果を向上することができる。さらに、当接時に継ぎ輪30の両分割継ぎ輪ケース30A,30Bに作用する分割接合部の押し開き力が発生しない為、両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの分割接合部での密封性低下を抑制することができる。
本実施形態においては、図2に示すように、嵌合接続部20のT頭ボルト23の先端が、継ぎ輪30の一端側の側壁部30bの内面に当接した状態が初期組付け状態となる。また、図3に示すように、T頭ボルト23の頭部23Aの当接面23aが、継ぎ輪30内の離脱阻止壁部41の当接面41aに当接した状態が最大離脱移動状態となる。
これにより、図2に示すように、初期組付け状態でのT頭ボルト23の頭部23Aの当接面23aから離脱阻止壁部41の当接面41aまでの間隔が最大離脱移動距離Lとなり、最大離脱移動状態では、図3に示すように、一方の流体管1の挿口1Aと他方の流体管2の受口2Aとの接続が解除された離脱状態にある。
第2離脱阻止部5は、図1、図2に示すように、分割構造の耐震補強金具50から構成されている。この耐震補強金具50には、管周方向で二分割され、且つ、一方の流体管1の挿口1Aに対して管径方向から脱着自在に挟持固定される一対の金属製の分割挟持部材51が備えられている。この一対の分割挟持部材51は、それの管周方向の両端部に設けられたフランジ部51A同士をボルト48・ナット49等の第3締結具47で締め付け連結することにより、流体管1の挿口1Aに強固に挟持固定される。
耐震補強金具50の連結部52は、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dの外周面に突出形成された円環状の係合突起53と、当該係合突起53に対して管径方向外方側から係脱自在に係合される係合凹部54と、を備える。そのうち、係合凹部54は、各分割挟持部材51の管周方向中間部位から管軸芯方向に沿って一体的に突出する部位において、管径方向内方に向かって開口形成されている。
耐震補強金具50を流体管1の挿口1Aに取付ける場合には、図1、図2に示すように、両分割挟持部材51に一体形成されている係合凹部54を、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dの係合突起53に対して管径方向外方側から係合し、この状態で両分割挟持部材51のフランジ部51A同士を第3締結具47のボルト48・ナット49で締め付け連結する。
図1に示すように、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dの管周方向複数個所には、挿口1Aの外周面1aに管径方向から当接する隙間規制ボルト58が螺合されている。この複数の隙間規制ボルト58の螺合操作により、一端側の管支持部30dの内周面と挿口1Aの外周面1aとの間の環状隙間を一定に規制する。
そして、地震や不同沈下等に起因する強い離脱力が作用したとき、耐震補強金具50の係合凹部54と継ぎ輪30の一端側の管支持部30dの係合突起53とが管軸芯方向から係合する。この係合状態で離脱方向にさらに強い力が作用したとき、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dが管軸芯側に変形して、耐震補強金具50の係合凹部54と継ぎ輪30の係合突起53との係合が外れる可能性がある。しかし、本実施形態では、複数の隙間規制ボルト58によって、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dが管軸芯側に変形することを抑制することができ、耐震補強金具50の係合凹部54と継ぎ輪30の係合突起53との係合状態を強力に維持することができる。
耐震補強金具50の抜止部55は、図2、図5に示すように、両分割挟持部材51の内周面に形成された径方向内方に向かって開口する爪収納部56と、当該爪収納部56内に管径方向内方に移動自在に収容される爪部材57と、を備えている。爪部材57の内面には、挿口1Aの外周面1aに食い込み可能な管周方向に沿う複数列の先鋭なテーパー状の刃部が形成されている。
爪部材57の外面及び爪収納部56の天井面は、両分割挟持部材51の爪収納部56と挿口1Aの外周面1aに食い込む状態で爪収納部56内に収納されている爪部材57との管軸芯方向での相対離脱移動に伴って、爪部材57を径方向内方側に食い込み移動させる傾斜面に形成されている。
そして、一方の流体管1の挿口1Aと他方の流体管2の受口2Aとの嵌合接続部20に地震や不同沈下等に起因する離脱力が作用したとき、一方の流体管1の挿口1Aと継ぎ輪30との間においては、挿口1Aに設けた分割構造の耐震補強金具50の連結部52が継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに固定連結されているので、継ぎ輪30と耐震補強金具50との連結が強固に維持される。さらに、耐震補強金具50の抜止部55の爪部材57は、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの離脱移動に伴って当該挿口1Aの外周面1aに食い込むことにより抜止め抵抗が増大する。そのため、全体として、一方の流体管1の挿口1Aと継ぎ輪30の一端側の管支持部30dとが耐震補強金具50を介して一体的に強固に固定連結される。
これにより、図3に示すように、挿口1Aと受口2Aとが離脱しても、継ぎ輪30の他端側の管支持部30eに対する受口2Aの抜け出し移動、及び、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの抜け出し移動をそれぞれ強固に阻止することができる。
しかも、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dと耐震補強金具50の抜止部55とにより、流体管1の挿口1Aにおける管軸芯方向に間隔をおいた二箇所を支持するので、図3に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態において、挿口1Aと継ぎ輪30の一端側の管支持部30dとの屈曲を抑制することができる。
傾動規制部9は、図2、図3に示すように、一方の流体管1の挿口1Aと他方の流体管2の受口2Aとが嵌合接続されている状態及び離脱状態において挿口1Aに外装される傾動規制体90と、この傾動規制体90を受口2Aに固定連結する固定連結部91と、を備える。傾動規制体90は、挿口1Aの外径よりも僅かに大きな内径の傾動規制面90aを形成してある傾動規制筒部90bと、傾動規制筒部90bの外周面から径方向外方に一体的に突出する連結フランジ部90cと、を有する。
傾動規制体90の傾動規制面90aは、図3に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態において、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動時に、挿口1Aの端部の外面に当接してそれ以上の傾動を規制する。
傾動規制体90は、図6に示すように、管周方向で二分割され、且つ、挿口1Aに対して管径方向から脱着自在に外装される半円環状の一対の金属製の分割傾動規制部材90A、90Bから構成されている。この一対の分割傾動規制部材90A、90Bは、それの管周方向の両端部に設けられた連結片90d同士をボルト93・ナット94等の第4締結具92で締め付け連結することにより、挿口1Aの外周面1aに沿った円環状に構成される。
両分割傾動規制部材90A、90Bの連結フランジ部90cには、図2、図6に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態において、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動に伴って継ぎ輪30の内面に当接することにより、それ以上の挿口1Aの傾動を規制する傾動規制突起部95が設けられている。この傾動規制突起部95は、各連結フランジ部90cの一箇所又は複数個所に設けられる。本実施形態では、傾動規制突起部95は、各連結フランジ部90cの円周方向の二箇所から管径方向外方側に突出形成されている。
両分割傾動規制部材90A、90Bの傾動規制筒部90bには、図2に示すように、押輪22のテーパー状の内周面22cと挿口1Aの外周面1aとの間に形成されるテーパー状間隙に管軸芯方向から係合する係合突起90eが突出形成されている。両分割傾動規制部材90A、90Bの係合突起90eは、図3に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態においても、押輪22のテーパー状の内周面22cとの係合が維持される。この離脱状態での両分割傾動規制部材90A、90Bの係合突起90eと押輪22のテーパー状の内周面22cとの係合により、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動が規制される。
傾動規制部9の固定連結部91は、図2、図6に示すように、嵌合接続部20の第1締結具25で構成されている。具体的には、両分割傾動規制部材90A、90Bの連結フランジ部90cにおける第1締結具25の各T頭ボルト23に対応する部位に、T頭ボルト23の先端部を挿通可能なボルト挿通孔91aを形成する。両分割傾動規制部材90A、
90Bの各ボルト挿通孔91aの挿通されたT頭ボルト23の先端部に固定連結用ナット91bを螺合する。この固定連結用ナット91bを締め付け操作して、傾動規制体90を受口2Aに固定連結する。
そして、図3に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態において、地震や、流体圧による不平均力等に起因する屈曲力が作用し、図4に示すように、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対して挿口1Aが傾動することがある。このとき、挿口1Aの端部の外面が傾動規制体90の傾動規制面90aに当接し、且つ、傾動規制体90の一部の傾動規制突起部95が継ぎ輪30の内面に当接する。これにより、離脱状態での挿口1Aと継ぎ輪30の一端側の管支持部30dとの屈曲状態を適正な範囲に維持して、シール部35の周方向での局部的な密封性低下に起因する流体の漏洩を抑制することができる。
尚、上述の第1実施形態の第1離脱阻止部4では、継ぎ輪30内に設けた離脱阻止壁部41の当接面41aと、受口2A側に固定された各T頭ボルト23の頭部23Aとの接当によって、受口2Aと継ぎ輪30との離脱移動を阻止するように構成した。しかし、この構成に限定されるものではない。例えば、離脱阻止壁部41が設けられていない継ぎ輪30の場合では、第1離脱阻止部4は、図2、図3を参酌して説明すると、継ぎ輪30の両管支持部30d,30e間の内面における管軸芯方向の他端側、換言すれば、継ぎ輪30の他端側の側壁部30cに、受口2Aの外周面2cにおけるテーパー状外周面部分2eと管軸芯方向から当接可能な厚肉の離脱阻止部42を形成する。この離脱阻止部42の当接面42aを、受口2Aの外周面2cにおけるテーパー状外周面部分2eと同一勾配のテーパー状に形成する。
上述の第1離脱阻止部4においては、挿口1Aと受口2Aとの嵌合接続部20に地震や不同沈下等に起因する離脱力が作用したとき、継ぎ輪30の他端側の側壁部30cに形成した離脱阻止部42の当接面42aと、受口2Aの外周面2cにおけるテーパー状外周面部分2eとが当接して、それ以上の両者の離脱移動を阻止することができる。このとき、
離脱阻止部42の当接面42aは、受口2Aの外周面2cにおけるテーパー状外周面部分2eと同一勾配のテーパー状に形成されているので、離脱阻止部42の当接面42aと受口2Aのテーパー状外周面部分2eとが面当たり状態で当接し、受口2Aと継ぎ輪30との離脱移動を強力に阻止することができる。
しかも、離脱阻止部42の当接面42aが受口2Aのテーパー状外周面部分2eに当接すると、分割構造の継ぎ輪30の分割面を押し開く力が発生する。しかし、本発明では、
離脱阻止部42の当接面42aは、継ぎ輪30の両管支持部30d,30e間における管軸芯方向の他端側に形成されているので、両管支持部30d,30eから離脱阻止部42の当接面42aが偏位する偏位代だけ押し開き力が小さくなり、継ぎ輪30の分割面の押し開きに伴うシール部35の密封性低下による流体の漏洩発生を抑制することができる。
〔第1実施形態の傾動規制体90の別の連結構造〕
上述の第1実施形態では、図6に示すように、傾動規制体90の第1実施例として、両分割傾動規制部材90A、90Bの管周方向両端部に設けられた連結片90d同士をボルト93・ナット94等の第4締結具92で連結した。この傾動規制体90の連結構造に代えて、図7に示す別の連結構造を採用してもよい。この別の連結構造では、両分割傾動規制部材90A、90Bの管周方向両端部の各々に、管径方向から重合配置可能な第2連結片90fを一体形成する。重合配置される各組の第2連結片90fに、T頭ボルト23の先端部が挿通可能な第2ボルト挿通孔91cを形成する。これにより、傾動規制部9の固定連結部91を構成するT頭ボルト23及び固定連結用ナット91bを利用して、両分割傾動規制部材90A、90Bを円環状に連結することができる。
[傾動規制体90の第2実施例]
図8に示す傾動規制体90の第2実施例では、傾動規制突起部95を、継ぎ輪30の内面に対する当接位置を管径方向に変更可能に構成してある。具体的には、傾動規制突起部95は、各分割傾動規制部材90A、90Bの円周方向の二箇所に形成した雌ネジ部95Aと、この雌ネジ部95Aに管径方向から螺合される傾動規制ボルト95Bと、管径方向での当接位置が調節された傾動規制ボルト95Bを固定するロックナット95Cと、を備える。この傾動規制ボルト95Bの螺合操作によって継ぎ輪30の内面に対する当接位置を管径方向に変更する。
そして、傾動規制部9の分割構造の傾動規制体90を挿口1Aに外装するとき、受口2Aと挿口1Aとが嵌合接続部20で屈曲している現場が存在する。この場合でも、傾動規制体90の傾動規制ボルト95Bの先端と継ぎ輪30の内周面30fにおける突起当接部位との間の実測距離に応じて、傾動規制ボルト95Bの当接位置を管径方向に変更することができる。これにより、受口2Aと挿口1Aとが嵌合接続部20で屈曲している現場であっても、挿口1Aに対する傾動規制部9の外装組付け作業を能率良く確実に行うことができる。しかも、離脱状態において、地震や、流体圧による不平均力等に起因する屈曲力が作用したときには、傾動規制体90の傾動規制ボルト95Bを継ぎ輪30の内面に的確に当接させることができる。
〔第2実施形態〕
図9、図10に示す管接続部の離脱防止構造の第2実施形態では、上述の第1実施形態で説明した傾動規制体90の傾動規制突起部95を省略してある。そのため、図10に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態において、地震や、流体圧による不平均力等に起因する屈曲力が作用し、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対して挿口1Aが傾動する。このとき、挿口1Aの端部の外面が傾動規制体90の傾動規制面90aに当接する。これにより、離脱状態での挿口1Aと継ぎ輪30の一端側の管支持部30dとの屈曲状態を適正な範囲に維持し、シール部35の周方向での局部的な密封性低下に起因する流体の漏洩を抑制することができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第3実施形態〕
図11~図13に示す管接続部の離脱防止構造の第3実施形態では、一方の流体管1の挿口1Aと他方の流体管2の受口2Aとの嵌合接続部20がT形のメカニカル継手から構成されている。このT形のメカニカル継手は、受口2Aの内周面に形成した径方向内方に開口する円環状のシール保持溝60に、受口2Aに嵌合接続された挿口1Aの外周面1aとの間で密封状態(水密状態)に圧縮されるゴム輪等の第3シール部材61を装着して構成されている。
嵌合接続部20を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪30内には、受口2Aと挿口1Aとが接続解除された離脱状態において、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動を規制する傾動規制部9が設けられている。
傾動規制部9は、図11、図12に示すように、一方の流体管1の挿口1Aと他方の流体管2の受口2Aとが嵌合接続されている状態及び離脱状態において挿口1Aに外装される傾動規制体90と、この傾動規制体90を受口2Aに固定連結する固定連結部91と、
を備える。傾動規制体90は、挿口1Aの外径よりも僅かに大きな内径の傾動規制面90aを有する。この傾動規制面90aは、図12に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態において、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動時に、挿口1Aの端部の外面に当接してそれ以上の傾動を規制する。
傾動規制体90は、図13に示すように、管周方向で二分割され、且つ、挿口1Aに対して管径方向から脱着自在に外装される半円環状の一対の金属製の第2分割傾動規制部材90C、90Dを備える。この一対の第2分割傾動規制部材90C、90Dは、それの管周方向の両端部に設けられた第3連結片90g同士をT頭ボルト93A・ナット94等の第4締結具92で締め付け連結することにより、挿口1Aの外周面1aに沿った円環状に構成される。
両第2分割傾動規制部材90C、90Dには、図11、図13に示すように、挿口1Aと受口2Aとが接続解除された離脱状態において、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動に伴って継ぎ輪30の内面に当接することにより、それ以上の挿口1Aの傾動を規制する傾動規制突起部95が設けられている。この傾動規制突起部95は、各分割傾動規制部材90A、90Bの一箇所又は複数個所に設けられる。本実施形態では、傾動規制突起部95は、各分割傾動規制部材90A、90Bの円周方向の二箇所から管径方向に沿って外方側に突出形成されている。
傾動規制突起部95は、継ぎ輪30の内面に対する当接位置を管径方向に変更可能に構成されている。具体的には、傾動規制突起部95は、各分割傾動規制部材90A、90Bの円周方向の二箇所に形成した雌ネジ部95Aと、この雌ネジ部95Aに管径方向から螺合される傾動規制ボルト95Bと、管径方向での当接位置が調節された傾動規制ボルト95Bを固定するロックナット95Cと、を備える。この傾動規制ボルト95Bの螺合操作によって継ぎ輪30の内面に対する当接位置を管径方向に変更する。
固定連結部91は、受口2Aの外周面2cの端部に形成された環状突起2gに対して管径方向外方から係脱可能な状態で傾動規制体90に設けた第2係合突起91dと、傾動規制体90の第2係合突起91dを受口2Aの環状突起2gに係合させた状態で、第2分割傾動規制部材90C、90Dの第3連結片90g同士を挿口1Aに挾持状態で締め付け固定する第4締結具92とから構成されている。
継ぎ輪30と他方の流体管2の受口2A側との管軸芯方向で相対向する部位には、図11、図12に示すように、受口2Aと挿口1Aとが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動を許容し、且つ、離脱状態での受口2Aと継ぎ輪30との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する第1離脱阻止部4が設けられている。
第1離脱阻止部4は、図11、図12に示すように、両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの両管支持部30d,30e間の内周面30fで、且つ、管軸芯方向の他端側に偏位した部位に、両第2分割傾動規制部材90C、90Dの他端側に形成した当接部90hと管軸芯方向から当接可能な位置にまで管径方向内方側に突出する半円環状の離脱阻止壁部41が一体形成されている。本実施形態では、離脱阻止壁部41は、両分割継ぎ輪ケース30A,30Bの内周面30fにおける周壁部30aとテーパー状の側壁部30cとの境界部位に形成されている。
離脱阻止壁部41の両側面のうち、両第2分割傾動規制部材90C、90Dの当接部90hと管軸芯方向で相対向する側面が、両第2分割傾動規制部材90C、90Dの当接部90hとの当接によって、離脱状態での受口2Aと継ぎ輪30との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する当接面41aに構成されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態では、傾動規制体90に、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対して傾動する挿口1Aの外面に当接することにより、当該挿口1Aの傾動を規制する傾動規制面90aと、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの傾動に伴って継ぎ輪30の内面に当接することにより、それ以上の挿口1Aの傾動を規制する傾動規制突起部95と、を設けた。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、
例えば、一方の傾動規制面90a又は傾動規制突起部95のみで実施してもよい。
(2)上述の傾動規制体90の第2実施例では、傾動規制ボルト95Bの螺合操作によって継ぎ輪30の内面に対する当接位置を管径方向に変更するように構成した。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、例えば、管径方向での長さが異なる複数の傾動規制突起部95を、傾動規制体90に対して選択的に付け替え自在に構成して、傾動規制突起部95の付け替えにより、継ぎ輪30の内面に対する当接位置を管径方向に変更してもよい。
(3)上述の第1実施形態では、第2離脱阻止部5を、継ぎ輪30とは別体の分割構造の耐震補強金具50から構成したが、この第2離脱阻止部5を、継ぎ輪30に組付けて構成してもよい。この場合、継ぎ輪30の管軸芯方向の一端側の管支持部30dに、継ぎ輪30の一端側の管支持部30dに対する挿口1Aの離脱移動に伴って、当該挿口1Aの外周面との間での抜止め抵抗が増大する抜止部55を設ける。
1 管部(流体管)
1A 挿口
1a 外周面
2 第2離脱阻止部
2A 受口
2a 内周面
2c 外周面
2e テーパー状外周面部分
2g 環状突起
4 第1離脱阻止部
5 第2離脱阻止部
9 傾動規制部
20 嵌合接続部
21 シール部材(第1シール部)
22 押輪
22a 押圧部
25 締結具(第1締結具)
30 継ぎ輪
30d 管支持部
60 シール保持溝
61 シール部材(第3シール部材)
90 傾動規制体
90A 分割傾動規制部材
90B 分割傾動規制部材
90C 第2分割傾動規制部材
90D 第2分割傾動規制部材
90a 傾動規制面
91 固定連結部
91d 係合突起(第2係合突起)
92 締結具(第4締結具)
95 傾動規制突起部

Claims (5)

  1. 一方の管部の挿口と他方の管部の受口との嵌合接続部を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪が前記両管部に亘って外装され、前記継ぎ輪と他方の前記管部の受口側との管軸芯方向で相対向する部位には、前記受口と前記挿口とが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動を許容し、且つ、前記離脱状態での前記受口と前記継ぎ輪との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する第1離脱阻止部が設けられ、前記継ぎ輪の管軸芯方向の一端側の管支持部側には、前記挿口の離脱移動に連れて前記挿口の外周面との間での抜止め抵抗が増大する抜止部を備えた第2離脱阻止部が設けられ、前記継ぎ輪内には、前記離脱状態において、前記継ぎ輪の一端側の管支持部に対する前記挿口の傾動を規制する傾動規制部が設けられ、前記傾動規制部には、前記受口と前記挿口とが嵌合接続されている状態及び離脱状態において前記挿口に外装され、且つ、前記離脱状態で傾動する前記挿口の外面に当接可能な傾動規制面を備えた分割構造の傾動規制体と、前記傾動規制体を前記受口に固定連結する固定連結部と、が備えられ、前記傾動規制体には、前記離脱状態での前記挿口の傾動に伴って前記継ぎ輪の内面に当接する傾動規制突起部が設けられている管接続部の離脱防止構造。
  2. 前記傾動規制突起部は、前記継ぎ輪の内面に対する当接位置を管径方向に変更可能に構成されている請求項1記載の管接続部の離脱防止構造。
  3. 前記嵌合接続部は、前記挿口の外周面と前記受口のテーパー状の内周面との間に装着されるシール部材と、前記挿口に移動自在に外装され、且つ、前記シール部材を管軸芯方向から押圧可能な押圧部を備えた押輪と、前記受口と前記押輪とを管軸芯方向から締め付け固定する締結具と、を備え、前記傾動規制部の前記固定連結部は、前記嵌合接続部の前記締結具で構成されている請求項1又は2記載の管接続部の離脱防止構造。
  4. 前記嵌合接続部は、前記受口の内周面に形成した径方向内方に開口するシール保持溝に、前記受口に嵌合接続された前記挿口の外周面との間で水密状態に圧縮されるシール部材を装着して構成され、前記傾動規制部の前記固定連結部は、前記受口の外周面の端部に形成された環状突起に対して管径方向外方から係合可能な状態で前記傾動規制体に設けた係合突起と、前記傾動規制体の係合突起を前記受口の前記環状突起に係合させた状態で、前記傾動規制体の分割傾動規制部材同士を前記挿口に挾持状態で締め付け固定する締結具とから構成されている請求項1又は2記載の管接続部の離脱防止構造。
  5. 一方の管部の挿口と他方の管部の受口との嵌合接続部を密封状態で囲繞する分割構造の継ぎ輪が前記両管部に亘って外装され、前記継ぎ輪の管軸芯方向の一端側の管支持部の内周面と一方の前記管部の外周面との間、及び、前記継ぎ輪の管軸芯方向の他端側の管支持部の内周面と他方の前記管部の外周面との間を密封するシール部が設けられ、前記継ぎ輪と他方の前記管部の受口側との管軸芯方向で相対向する部位には、前記受口と前記挿口とが接続解除される離脱状態までの相対離脱移動を許容し、且つ、前記離脱状態での前記受口と前記継ぎ輪との一定以上の相対離脱移動を当接阻止する第1離脱阻止部が設けられ、
    前記継ぎ輪の管軸芯方向の一端側の管支持部側には、前記挿口の離脱移動に連れて前記挿口の外周面との間での抜止め抵抗が増大する抜止部を備えた第2離脱阻止部が設けられ、
    前記継ぎ輪内には、前記離脱状態において、前記継ぎ輪の一端側の管支持部に対する前記挿口の傾動を規制する傾動規制部が設けられ、前記シール部は、前記継ぎ輪の分割継ぎ輪ケースの各々に形成された環状のシール保持溝に第2シール部材を装着して構成され、前記シール保持溝は、一端側の管支持部の内周面に形成される第1周方向溝部と、他端側の管支持部の内周面に管軸芯方向に間隔を空けて形成される二箇所の第2周方向溝部と、前記第1周方向溝部の周方向端部と二箇所の前記第2周方向溝部の周方向端部とを連通する管軸方向溝部と、を備え、前記第2シール部材は、前記第1周方向溝部に装着される第1周方向シール部分と、二箇所の前記第2周方向溝部の各々に装着される第2周方向シール部分と、前記管軸方向溝部に装着される管軸方向シール部分と、を一体形成して構成されている管接続部の離脱防止構造。

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