JP2017039785A - 熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の製造方法、改質熱可塑性高分子フィルム及び改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の製造方法、改質熱可塑性高分子フィルム及び改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には流滴剤を塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ない熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法及びかかる製造方法によって得られる改質熱可塑性高分子フィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物として、無機カチオンコロイドゾルをシラノール形成性有機シラン化合物にて加水分解処理した改質無機カチオンコロイドゾルに、ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシアルキレン誘導体及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを特定割合で含有させたものを用いた。
【選択図】なし

Description

本発明は、工場での製膜時や農業用ハウスへの展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ない熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法に関する。
従来、熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物として、アルミナゾル、酸性シリカゾル、有機シラン誘導体及び非イオン界面活性剤を用いたもの(例えば、特許文献1参照)、コロイダルアルミナ、コロイダルシリカ及びポリエチレングリコールを用いたもの(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。しかし、これら従来の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物には、工場での製膜時や農業用ハウスへの展張時の摩擦によりフィルムの流滴性能が低下したり、更にはフィルムのコーティング面がべたつく等の問題がある。
特開昭62−241984号公報 特開2000−160146号公報
本発明が解決しようとする課題は、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には流滴剤を塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ない熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の無機カチオンコロイドゾルをシラノール化合物の縮合重合物で改質した改質無機カチオンコロイドゾルに対し、ポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシアルキレン誘導体及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを特定割合で含有して成る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で含有して成ることを特徴とする熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物に係る。また本発明は、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法に係る。
改質無機カチオンコロイドゾル:下記の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着している改質無機カチオンコロイドゾル。
無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル。
先ず、本発明に係る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物(以下、本発明の組成物という)について説明する。本発明の組成物は、前記した改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で含有して成るものであるが、改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを20〜40質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を5〜20質量部及びポリアルキレングリコールを50〜70質量部の割合で含有して成るものが好ましい。
本発明の組成物に供する改質無機カチオンコロイドゾルは、特定の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着しているものである。
前記の改質無機カチオンコロイドゾルの原料となる無機カチオンコロイドゾルは、カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成るものであるが、カチオンアルミナゾルを固形分換算で50〜80質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で20〜50質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有してなるものが好ましい。
カチオンアルミナゾルは、いわゆるコロイダルアルミナであり、水分散液として市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品として例えば、アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、いずれも日産化学社製の商品名)、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2(以上、いずれも日揮触媒化成社製の商品名)等が挙げられる。
カチオンシリカゾルも、水分散液として市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品としては例えば、スノーテックスAK、スノーテックスAK−L(以上、いずれも日産化学社製の商品名)、カタロイドSN(日揮触媒化成社製の商品名)、クォートロンPL−3−C(扶桑化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
かかる無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子(アルミナやシリカのコロイド粒子)の表面に付着しているシラノール化合物の縮合重合物は、シラノール形成性有機シラン化合物を加水分解し、生成したシラノール化合物を縮合重合することにより得ることができる。詳しくは後述するように、前記した無機カチオンコロイドゾルの存在下で、シラノール形成性有機シラン化合物を加水分解し、引き続き生成したシラノール化合物を縮合重合することにより、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が付着した改質無機カチオンコロイドゾルを得ることができる。
本発明の組成物に供する改質無機カチオンコロイドゾルは、シラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子の表面の全部又は一部を被覆したような形態で付着しており、その一部は無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子と化学的に結合しているものと推察される。かかる改質無機カチオンコロイドゾルは、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着しているものとするが、無機カチオンコロイゾゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/7〜100/12(質量比)の割合で付着しているものとするのが好ましい。
本発明の組成物に供するポリエーテル変性シリコーンとしては、市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品として例えば、TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(以上、いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の商品名)、X22−4952、X−22−4272、KF−6123、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−644、KF−6204、X−22−4515、KF−6004(以上、いずれも信越シリコーン社製の商品名)、SH8700、SH8410、SH8400、L−7002、FZ−2104、FZ−77、L−7604、FZ−2203、FZ−2208(以上、いずれも東レダウコーニング社製の商品名)などがあげられるが、なかでもTSF4440、KF−354L、KF−945、SH8400、KF−6004等、HLBが4〜16のものが好ましい。
本発明の組成物に供するポリオキシアルキレン誘導体としては、エチルアルコールエチレンオキサイド2モル付加体、カプリルアルコールエチレンオキサイド10モルプロプレンオキサイド10モルランダム付加体、2−エチルヘキシルアルコールエチレンオキサイド100モル付加体、ノナノールエチレンオキサイド200モル付加体、デカノールエチレンオキサイド1000モル付加体、ウンデシルアルコールエチレンオキサイド30モル付加体、炭素数9〜12の2級アルコールエチレンオキサイド9モル付加体、ラウリルアルコールエチレンオキサイド10モル付加体、トリデシルアルコールエチレンオキサイド10モルプロピレンオキサイド10モルランダム付加体、ミリスチルアルコールプロピレンオキサイド13モルエチレンオキサイド10モルブロック付加体、ペンタデシルアルコールプロピレンオキサイド13モルエチレンオキサイド10モルブロック付加体、パルミチルアルコールエチレンオキサイド500モルプロピレンオキサイド500モルランダム付加体、ステアリルアルコールエチレンオキサイド20モル付加体、イソステアリルアルコールエチレンオキサイド20モル付加体、オレイルアルコールエチレンオキサイド14モル付加体、ベヘニルアルコールエチレンオキサイド50モル付加体、ベンジルアルコールエチレンオキサイド10モルプロピレンオキサイド10モルランダム付加体、ノニルフェノールエチレンオキサイド10モル付加体、カプリル酸エチレンオキサイド10モル付加体、ラウリン酸エチレンオキサイド12モル付加体、ステアリン酸エチレンオキサイド13モル付加体、オレイン酸エチレンオキサイド13モル付加体、ベヘン酸エチレンオキサイド10プロピレンオキサイド10モルランダム付加体、ヘキサコサン酸エチレンオキサイド5モル付加体、ラウリルアミンエチレンオキサイド10モルプロピレンオキサイド10モルランダム付加体、ステアリルアミンエチレンオキサイド13モル付加体、オレイルアミンエチレンオキサイド20モル付加体等、アルコール、脂肪酸、アミンにアルキレンオキサイドが付加している化合物が挙げられるが、なかでも下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドが1〜200モルの割合で付加している化合物、下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でランダム状に付加している化合物及び下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でブロック状に付加している化合物から選ばれる少なくとも一つが好ましい。
出発化合物:炭素数1〜26の脂肪族アルコール又は炭素数1〜26の脂肪酸
具体的に出発化合物として用いる脂肪族アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、カプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、炭素数9〜11の2級アルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、ベヘニルアルコール、セリルアルコール等が挙げられ、好ましくはカプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、炭素数9〜11の2級アルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数8〜22のものが挙げられる。また出発化合物として用いる脂肪酸としては、酢酸、酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エイコサン酸、ベヘン酸、ヘキサコサン酸等が挙げられ、好ましくはカプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の炭素数8〜22のものが挙げられる。
本発明の組成物に供する数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールとしては、数平均分子量10000〜20000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム重合ポリマー、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック重合ポリマー等が挙げられるが、なかでも数平均分子量10000〜20000のポリエチレングリコールが好ましい。数平均分子量はGPC法のプルラン換算により求めることができる。
次に、本発明に係る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の製造方法(以下、本発明の組成物の製造方法という)について説明する。本発明の組成物の製造方法は、下記の第1工程及び第2工程を経る製造方法である。
第1工程:下記の無機カチオンコロイドゾルの存在下に、該無機カチオンコロイドゾルの固形分100質量部当たり5〜15質量部の割合となる量のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解処理し、更に生成したシラノール化合物を縮合重合させて改質無機カチオンコロイドゾルを得る工程
無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル
第2工程:工程1で得た改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で配合して熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得る工程
本発明の組成物の製造方法において、第1工程で用いる無機カチオンコロイドゾルについては前記した通りである。第1工程で用いるシラノール形成性有機シラン化合物としては、1)メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類やシリルハライド類、2)ジメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類やシリルハライド類、3)トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等のモノアルコキシシラン類やシリルハライド類等が挙げられる。なかでもシラノール形成性有機シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましい。
本発明の組成物の製造方法において、第1工程で用いる無機カチオンコロイドゾルの固形分とシラノール形成性有機シラン化合物との質量比は、無機カチオンコロイドゾルの固形分とシラノール化合物の縮合重合物との質量比について前記したことと同様であり、また第2工程で用いるポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシアルキレン誘導体及びポリアルキレングリコールについては、これらの割合も含めて、前記した通りである。
次に、本発明に係る改質熱可塑性高分子フィルム(以下、本発明のフィルムという)について説明する。本発明のフィルムは、熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に、前記した本発明の組成物が固形分として0.1〜2.0g/m付着しているものである。
熱可塑性高分子フィルムとしては、1)ポリオレフィン系樹脂、2)ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−メチルメタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、3)ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート等のポリエステル系樹脂等、農業用フィルムとして用いられている熱可塑性樹脂全般が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、通常使用される酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防霧剤、保温剤、顔料等を必要に応じて含有することができる。これらの樹脂をフィルムに成形する方法としては、特に制限はなく、例えば、インフレーション成形法、Tダイ成形法等が挙げられる。成形に際して用いる樹脂は複数種類の樹脂をブレンドしてもよい。またフィルムは単層でも多層でもよく、目的に応じ、組み合わせて成形したフィルムを用いることができる。
本発明のフィルムの用途に特に制限はないが、農業用被覆フィルムに用いる場合に、効果の発現が著しい。
最後に、本発明に係る改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法(以下、本発明のフィルムの製造方法という)について説明する。本発明のフィルムの製造方法は、下記の第1工程及び下記の第2工程を経る製造方法である。
第1工程:熱可塑性高分子フィルムにコロナ放電処理をして、コロナ放電処理面のぬれ張力を35mN/m以上にする工程
第2工程:第1工程で得た熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に対し、前記した本発明の組成物を固形分として0.1〜2.0g/mとなるよう塗布する工程
本発明のフィルムの製造方法において、熱可塑性高分子フィルムについては前記した通りである。第1工程は、熱可塑性高分子フィルムにコロナ放電処理をして、コロナ放電処理面のぬれ張力を35mN/m以上にする工程であるが、ぬれ張力を35〜70mN/mの範囲内にすることが効果が発現しやすく好ましい。本発明において、ぬれ張力は、JIS−K6768の記載に準じて測定される値である。
また第2工程は、第1工程で得た熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に対し、前記した本発明の組成物を固形分として0.1〜2.0g/mとなるよう塗布する工程である。本発明の組成物を熱可塑性高分子フィルムに塗布するには、公知の塗布法を用いることができる。これには例えば、スプレーコート法、浸漬コート法、ロールコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、エアナイフコート法等が挙げられる。
以上説明した本発明によると、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には流滴剤を塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ないという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の調製)
・実施例1
水68.1部、カチオンアルミナゾル(X1−1)341.5部(固形分70%)及びカチオンシリカゾル(X2−1)130.4部(固形分30%)を混合して無機カチオンコロイドゾルを調製した。この無機カチオンコロイドゾルにシラノール形成性有機シラン化合物(Y−1)1702部(固形分10%)を混合して固形分濃度20%の混合液を調製し、50℃で5時間撹拌してシラノール形成性有機シラン化合物(Y−1)を加水分解処理し、更に生成したシラノール化合物を縮合重合させて改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)を得た。この改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)は、前記の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が付着しているものであった。次いで、この改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)の固形分換算で100部に、水9400部、ポリエーテル変性シリコーン(B−1)30部、ポリオキシアルキレン誘導体(C−1)10部及びポリアルキレングリコール(D−1)60部を加えて撹拌し、固形分濃度2%の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得た。
・実施例2〜25及び比較例1〜15
実施例1の場合と同様にして、改質無機カチオンコロイドゾル(A−2)〜(A−10)及び(AR−1)〜(AR−3)を調製し、更に実施例2〜25及び比較例1〜15の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得た。以上の各例で調製した改質無機カチオンコロイドゾルの内容を表1にまとめて示し、また以上の各例で得た熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の内容を表2及び表3にまとめて示した。







Figure 2017039785
表1において、
X1−1:日産化学工業社製の商品名アルミナゾル520
X1−2:日産化学工業社製の商品名アルミナゾル200
X1−3:日揮触媒化成社製の商品名カタロイドAS−1
X2−1:日産化学工業社製の商品名スノーテックスAK
X2−2:日揮触媒化成社製の商品名カタロイドSN
X2−3:扶桑化学工業社製の商品名クォートロンPL−3−C
Y−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Y−2:γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン
Y−3:エチルトリエトキシシラン


















Figure 2017039785
表2において、
B−1:ポリエーテル変性シリコーン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の商品名TSF4440、HLB=14)
B−2:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−354L、HLB=16)
B−3:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−945、HLB=4)
B−4:ポリエーテル変性シリコーン(東レダウコーニング社製の商品名SH8400、HLB=8)
B−5:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−6004、HLB=9)
BR−1:ポリジメチルシリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−96)
BR−2:長鎖アルキル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−412)
C−1:炭素数12〜13の脂肪族混合アルコールのEO(エチレンオキサイド、以下同じ)10モルPO(プロピレンオキサイド、以下同じ)10モルランダム付加体
C−2:ラウリルアルコールのEO10モル付加体
C−3:炭素数9〜11の脂肪族混合2級アルコールのEO9モル付加体
C−4:オレイルアルコールのEO14モル付加体
C−5:ステアリルアルコールのEO20モル付加体
C−6:炭素数14〜15の脂肪族混合アルコールのPO13モルEO11モルブロック付加体
C−7:カプリル酸のEO10モル付加体
C−8:ラウリン酸のEO12モル付加体
C−9:ステアリン酸のEO13モル付加体
C−10:オレイン酸のEO13モル付加体
CR−1:メタノール
CR−2:エチレングリコール
D−1:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−20000、数平均分子量20000)
D−2:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−10000、数平均分子量11000)
D−3:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−13000、数平均分子量13000)
DR−1:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−400、数平均分子量400)
DR−2:ポリエチレングリコール(明成化学工業社製の商品名アルコックスR−150、数平均分子量150000)
試験区分2(改質熱可塑性高分子フィルムの製造)
エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン共重合比率96%、密度0.930g/cm、MFR1.0g/10分)を、直径75mmでリップ間隙3mmのダイを取り付けたインフレーション成形機に供し、樹脂押し出し温度200℃及びBUR=1.8の条件下でインフレーション成形を行ない、厚さ150μmのオレフィン重合体フィルムを作製した。次いで、このオレフィン重合体フィルムにコロナ処理放電を施し、コロナ放電処理面のぬれ張力を42mN/mとした後、かかるコロナ放電処理面に試験区分1で調製した熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を固形分として0.3g/mとなるようグラビアコート法により塗布し、70℃に温調した温風乾燥炉に1分間滞留させて、各例の改質熱可塑性高分子フィルムを得た。
試験区分3(改質熱可塑性高分子フィルムの評価)
・流滴性の評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムを、ハウスの内温30℃でハウスの外温10℃に調節した15度の傾斜面を有するテストハウスに1m張り、初期(1日後)及び長期(30日後)に水滴付着状況を観察し、水滴防止効果すなわち流滴性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
流滴性の評価基準
5:水滴の付着無し
4:水滴の付着面積が10%未満
3:水滴の付着面積が10%以上〜50%未満
2:水滴の付着面積が50%以上〜80%未満
1:水滴の付着面積が80%以上
・耐擦傷性の評価
摩擦試験機(大栄科学精機製作所社製の学振型染色堅牢度試験機)のアームの摩擦面にビニールテープを貼って300gの荷重をかけ、試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムの塗布面100cmに10往復摩擦させた後、摩擦させた部分に湯気を当て、水滴が付着して生じる曇部分により、塗膜の剥離程度を観察し、塗膜の耐剥離強度すなわち耐擦傷性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
耐擦傷性の評価基準
5:塗膜の剥がれ無し
4:塗膜の剥がれ面積が10%未満
3:塗膜の剥がれ面積が10%以上〜50%未満
2:塗膜の剥がれ面積が50%以上〜80%未満
1:塗膜の剥がれ面積が80%以上
・べたつきの評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムから20cm×20cmの正方形の試料片を2枚切り出し、この試料片の塗布面同士を重ね、荷重1kg/mを均等にかけて、50℃にて24時間保持した後、重ねた状態のフィルムを10mm×10mmの正方形に切断して試験片とし、この試験片について双方のフィルム間の剥離力すなわちべたつきを以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
べたつき評価基準
5:剥離力が50mN/10mm未満
4:剥離力が50mN/10mm以上〜100mN/10mm未満
3:剥離力が100mN/10mm以上〜150cmN/10mm未満
2:剥離力が150mN/10mm以上〜200mN/10mm未満
1:剥離力が200mN/10mm以上
・液安定性の評価
試験区分1で調製した各例の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を、密閉容器中にて、室温20℃で静置保管した際の分離の状況を観察し、分離するまでの時間により液安定性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
液安定性の評価基準
5:24時間以上分離無し
4:12時間以上〜24時間未満分離無し
3:6時間以上〜12時間未満分離無し
2:2時間以上〜6時間未満分離無し
1:2時間未満に分離
・塗布性の評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムの塗布面の状態を観察し、以下の基準で塗布性を評価した。結果を表3にまとめて示した。
塗布性の評価基準
5:むら、はじきが発生していない
4:一部にむらが発生している
3:全体にむらが発生している
2:一部にはじきが発生している
1:全体にはじきが発生している
Figure 2017039785
表2に対応する表3の結果からも明らかなように、本発明の組成物を塗布すると、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には塗布面にべたつきが極めて少ないことが解る。
本発明は、工場での製膜時や農業用ハウスへの展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ない熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法に関する。
従来、熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物として、アルミナゾル、酸性シリカゾル、有機シラン誘導体及び非イオン界面活性剤を用いたもの(例えば、特許文献1参照)、コロイダルアルミナ、コロイダルシリカ及びポリエチレングリコールを用いたもの(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。しかし、これら従来の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物には、工場での製膜時や農業用ハウスへの展張時の摩擦によりフィルムの流滴性能が低下したり、更にはフィルムのコーティング面がべたつく等の問題がある。
特開昭62−241984号公報 特開2000−160146号公報
本発明が解決しようとする課題は、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には流滴剤を塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ない熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の無機カチオンコロイドゾルを特定のシラノール化合物の縮合重合物で改質した特定の改質無機カチオンコロイドゾルに対し、ポリエーテル変性シリコーン、特定のポリオキシアルキレン誘導体及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを特定割合で含有して成る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、下記のポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で含有して成ることを特徴とする熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物に係る。また本発明は、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法に係る。
改質無機カチオンコロイドゾル:下記の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子に下記のシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着している改質無機カチオンコロイドゾル。
無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル。
シラノール化合物:トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類及びモノアルコキシシラン類から選ばれる少なくとも一つのシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解処理したもの
ポリオキシアルキレン誘導体:下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドが1〜200モルの割合で付加している化合物、下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でランダム状に付加している化合物及び下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でブロック状に付加している化合物から選ばれる少なくとも一つ
出発化合物:炭素数1〜26の脂肪族アルコール又は炭素数1〜26の脂肪酸
先ず、本発明に係る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物(以下、本発明の組成物という)について説明する。本発明の組成物は、前記した改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で含有して成るものであるが、改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを20〜40質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を5〜20質量部及びポリアルキレングリコールを50〜70質量部の割合で含有して成るものが好ましい。
本発明の組成物に供する改質無機カチオンコロイドゾルは、特定の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着しているものである。
前記の改質無機カチオンコロイドゾルの原料となる無機カチオンコロイドゾルは、カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成るものであるが、カチオンアルミナゾルを固形分換算で50〜80質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で20〜50質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有してなるものが好ましい。
カチオンアルミナゾルは、いわゆるコロイダルアルミナであり、水分散液として市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品として例えば、アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、いずれも日産化学社製の商品名)、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2(以上、いずれも日揮触媒化成社製の商品名)等が挙げられる。
カチオンシリカゾルも、水分散液として市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品としては例えば、スノーテックスAK、スノーテックスAK−L(以上、いずれも日産化学社製の商品名)、カタロイドSN(日揮触媒化成社製の商品名)、クォートロンPL−3−C(扶桑化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
かかる無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子(アルミナやシリカのコロイド粒子)の表面に付着しているシラノール化合物の縮合重合物は、特定のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解し、生成したシラノール化合物を縮合重合することにより得ることができる。詳しくは後述するように、前記した無機カチオンコロイドゾルの存在下で、特定のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解し、引き続き生成したシラノール化合物を縮合重合することにより、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が付着した改質無機カチオンコロイドゾルを得ることができる。
本発明の組成物に供する改質無機カチオンコロイドゾルは、シラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子の表面の全部又は一部を被覆したような形態で付着しており、その一部は無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子と化学的に結合しているものと推察される。かかる改質無機カチオンコロイドゾルは、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着しているものとするが、無機カチオンコロイゾゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/7〜100/12(質量比)の割合で付着しているものとするのが好ましい。
本発明の組成物に供するポリエーテル変性シリコーンとしては、市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品として例えば、TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(以上、いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の商品名)、X22−4952、X−22−4272、KF−6123、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−644、KF−6204、X−22−4515、KF−6004(以上、いずれも信越シリコーン社製の商品名)、SH8700、SH8410、SH8400、L−7002、FZ−2104、FZ−77、L−7604、FZ−2203、FZ−2208(以上、いずれも東レダウコーニング社製の商品名)などがあげられるが、なかでもTSF4440、KF−354L、KF−945、SH8400、KF−6004等、HLBが4〜16のものが好ましい。
本発明の組成物に供するポリオキシアルキレン誘導体は、エチルアルコールエチレンオキシド2モル付加体、カプリルアルコールエチレンオキシド10モルプロピレンオキシド10モルランダム付加体、2−エチルヘキシルアルコールエチレンオキシド100モル付加体、ノナノールエチレンオキシド200モル付加体、ウンデシルアルコールエチレンオキシド30モル付加体、炭素数9〜12の2級アルコールエチレンオキシド9モル付加体、ラウリルアルコールエチレンオキシド10モル付加体、トリデシルアルコールエチレンオキシド10モルプロピレンオキシド10モルランダム付加体、ミリスチルアルコールプロピレンオキシド13モルエチレンオキシド10モルブロック付加体、ペンタデシルアルコールプロピレンオキシド13モルエチレンオキシド10モルブロック付加体、ステアリルアルコールエチレンオキシド20モル付加体、イソステアリルアルコールエチレンオキシド20モル付加体、オレイルアルコールエチレンオキシド14モル付加体、ベヘニルアルコールエチレンオキシド50モル付加体、カプリル酸エチレンオキシド10モル付加体、ラウリン酸エチレンオキシド12モル付加体、ステアリン酸エチレンオキシド13モル付加体、オレイン酸エチレンオキシド13モル付加体、ベヘン酸エチレンオキシド10プロピレンオキサイド10モルランダム付加体、ヘキサコサン酸エチレンオキシド5モル付加体等、前記の出発化合物1モル当たり、エチレンオキシドが1〜200モルの割合で付加している化合物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でランダム状に付加している化合物及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でブロック状に付加している化合物から選ばれる少なくとも一つである。
具体的に出発化合物として用いる脂肪族アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、カプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、炭素数9〜11の2級アルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、ベヘニルアルコール、セリルアルコール等が挙げられ、好ましくはカプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、炭素数9〜11の2級アルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数8〜22のものが挙げられる。また出発化合物として用いる脂肪酸としては、酢酸、酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エイコサン酸、ベヘン酸、ヘキサコサン酸等が挙げられ、好ましくはカプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の炭素数8〜22のものが挙げられる。
本発明の組成物に供する数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールとしては、数平均分子量10000〜20000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム重合ポリマー、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック重合ポリマー等が挙げられるが、なかでも数平均分子量10000〜20000のポリエチレングリコールが好ましい。数平均分子量はGPC法のプルラン換算により求めることができる。
次に、本発明に係る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の製造方法(以下、本発明の組成物の製造方法という)について説明する。本発明の組成物の製造方法は、下記の第1工程及び第2工程を経る製造方法である。
第1工程:下記の無機カチオンコロイドゾルの存在下に、該無機カチオンコロイドゾルの固形分100質量部当たり5〜15質量部の割合となる量のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解処理し、更に生成したシラノール化合物を縮合重合させて改質無機カチオンコロイドゾルを得る工程
無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル
第2工程:工程1で得た改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で配合して熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得る工程
本発明の組成物の製造方法において、第1工程で用いる無機カチオンコロイドゾルについては前記した通りである。第1工程で用いるシラノール形成性有機シラン化合物は、1)メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、2)ジメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類、3)トリメチルメトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等である。なかでもシラノール形成性有機シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシランが好ましい。
本発明の組成物の製造方法において、第1工程で用いる無機カチオンコロイドゾルの固形分とシラノール形成性有機シラン化合物との質量比は、無機カチオンコロイドゾルの固形分とシラノール化合物の縮合重合物との質量比について前記したことと同様であり、また第2工程で用いるポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシアルキレン誘導体及びポリアルキレングリコールについては、これらの割合も含めて、前記した通りである。
次に、本発明に係る改質熱可塑性高分子フィルム(以下、本発明のフィルムという)について説明する。本発明のフィルムは、熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に、前記した本発明の組成物が固形分として0.1〜2.0g/m付着しているものである。
熱可塑性高分子フィルムとしては、1)ポリオレフィン系樹脂、2)ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−メチルメタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、3)ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート等のポリエステル系樹脂等、農業用フィルムとして用いられている熱可塑性樹脂全般が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、通常使用される酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防霧剤、保温剤、顔料等を必要に応じて含有することができる。これらの樹脂をフィルムに成形する方法としては、特に制限はなく、例えば、インフレーション成形法、Tダイ成形法等が挙げられる。成形に際して用いる樹脂は複数種類の樹脂をブレンドしてもよい。またフィルムは単層でも多層でもよく、目的に応じ、組み合わせて成形したフィルムを用いることができる。
本発明のフィルムの用途に特に制限はないが、農業用被覆フィルムに用いる場合に、効果の発現が著しい。
最後に、本発明に係る改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法(以下、本発明のフィルムの製造方法という)について説明する。本発明のフィルムの製造方法は、下記の第1工程及び下記の第2工程を経る製造方法である。
第1工程:熱可塑性高分子フィルムにコロナ放電処理をして、コロナ放電処理面のぬれ張力を35mN/m以上にする工程
第2工程:第1工程で得た熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に対し、前記した本発明の組成物を固形分として0.1〜2.0g/mとなるよう塗布する工程
本発明のフィルムの製造方法において、熱可塑性高分子フィルムについては前記した通りである。第1工程は、熱可塑性高分子フィルムにコロナ放電処理をして、コロナ放電処理面のぬれ張力を35mN/m以上にする工程であるが、ぬれ張力を35〜70mN/mの範囲内にすることが効果が発現しやすく好ましい。本発明において、ぬれ張力は、JIS−K6768の記載に準じて測定される値である。
また第2工程は、第1工程で得た熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に対し、前記した本発明の組成物を固形分として0.1〜2.0g/mとなるよう塗布する工程である。本発明の組成物を熱可塑性高分子フィルムに塗布するには、公知の塗布法を用いることができる。これには例えば、スプレーコート法、浸漬コート法、ロールコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、エアナイフコート法等が挙げられる。
以上説明した本発明によると、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には流滴剤を塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ないという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の調製)
・実施例1
水68.1部、カチオンアルミナゾル(X1−1)341.5部(固形分70%)及びカチオンシリカゾル(X2−1)130.4部(固形分30%)を混合して無機カチオンコロイドゾルを調製した。この無機カチオンコロイドゾルにシラノール形成性有機シラン化合物(Y−1)1702部(固形分10%)を混合して固形分濃度20%の混合液を調製し、50℃で5時間撹拌してシラノール形成性有機シラン化合物(Y−1)を加水分解処理し、更に生成したシラノール化合物を縮合重合させて改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)を得た。この改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)は、前記の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が付着しているものであった。次いで、この改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)の固形分換算で100部に、水9400部、ポリエーテル変性シリコーン(B−1)30部、ポリオキシアルキレン誘導体(C−1)10部及びポリアルキレングリコール(D−1)60部を加えて撹拌し、固形分濃度2%の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得た。
・実施例2〜25及び比較例1〜15
実施例1の場合と同様にして、改質無機カチオンコロイドゾル(A−2)〜(A−10)及び(AR−1)〜(AR−3)を調製し、更に実施例2〜25及び比較例1〜15の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得た。以上の各例で調製した改質無機カチオンコロイドゾルの内容を表1にまとめて示し、また以上の各例で得た熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の内容を表2及び表3にまとめて示した。
Figure 2017039785
表1において、
X1−1:日産化学工業社製の商品名アルミナゾル520
X1−2:日産化学工業社製の商品名アルミナゾル200
X1−3:日揮触媒化成社製の商品名カタロイドAS−1
X2−1:日産化学工業社製の商品名スノーテックスAK
X2−2:日揮触媒化成社製の商品名カタロイドSN
X2−3:扶桑化学工業社製の商品名クォートロンPL−3−C
Y−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Y−2:γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン
Y−3:エチルトリエトキシシラン



Figure 2017039785
表2において、
B−1:ポリエーテル変性シリコーン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の商品名TSF4440、HLB=14)
B−2:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−354L、HLB=16)
B−3:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−945、HLB=4)
B−4:ポリエーテル変性シリコーン(東レダウコーニング社製の商品名SH8400、HLB=8)
B−5:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−6004、HLB=9)
BR−1:ポリジメチルシリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−96)
BR−2:長鎖アルキル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−412)
C−1:炭素数12〜13の脂肪族混合アルコールのEO(エチレンオキサイド、以下同じ)10モルPO(プロピレンオキサイド、以下同じ)10モルランダム付加体
C−2:ラウリルアルコールのEO10モル付加体
C−3:炭素数9〜11の脂肪族混合2級アルコールのEO9モル付加体
C−4:オレイルアルコールのEO14モル付加体
C−5:ステアリルアルコールのEO20モル付加体
C−6:炭素数14〜15の脂肪族混合アルコールのPO13モルEO11モルブロック付加体
C−7:カプリル酸のEO10モル付加体
C−8:ラウリン酸のEO12モル付加体
C−9:ステアリン酸のEO13モル付加体
C−10:オレイン酸のEO13モル付加体
CR−1:メタノール
CR−2:エチレングリコール
D−1:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−20000、数平均分子量20000)
D−2:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−10000、数平均分子量11000)
D−3:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−13000、数平均分子量13000)
DR−1:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−400、数平均分子量400)
DR−2:ポリエチレングリコール(明成化学工業社製の商品名アルコックスR−150、数平均分子量150000)
試験区分2(改質熱可塑性高分子フィルムの製造)
エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン共重合比率96%、密度0.930g/cm、MFR1.0g/10分)を、直径75mmでリップ間隙3mmのダイを取り付けたインフレーション成形機に供し、樹脂押し出し温度200℃及びBUR=1.8の条件下でインフレーション成形を行ない、厚さ150μmのオレフィン重合体フィルムを作製した。次いで、このオレフィン重合体フィルムにコロナ処理放電を施し、コロナ放電処理面のぬれ張力を42mN/mとした後、かかるコロナ放電処理面に試験区分1で調製した熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を固形分として0.3g/mとなるようグラビアコート法により塗布し、70℃に温調した温風乾燥炉に1分間滞留させて、各例の改質熱可塑性高分子フィルムを得た。
試験区分3(改質熱可塑性高分子フィルムの評価)
・流滴性の評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムを、ハウスの内温30℃でハウスの外温10℃に調節した15度の傾斜面を有するテストハウスに1m張り、初期(1日後)及び長期(30日後)に水滴付着状況を観察し、水滴防止効果すなわち流滴性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
流滴性の評価基準
5:水滴の付着無し
4:水滴の付着面積が10%未満
3:水滴の付着面積が10%以上〜50%未満
2:水滴の付着面積が50%以上〜80%未満
1:水滴の付着面積が80%以上
・耐擦傷性の評価
摩擦試験機(大栄科学精機製作所社製の学振型染色堅牢度試験機)のアームの摩擦面にビニールテープを貼って300gの荷重をかけ、試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムの塗布面100cmに10往復摩擦させた後、摩擦させた部分に湯気を当て、水滴が付着して生じる曇部分により、塗膜の剥離程度を観察し、塗膜の耐剥離強度すなわち耐擦傷性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
耐擦傷性の評価基準
5:塗膜の剥がれ無し
4:塗膜の剥がれ面積が10%未満
3:塗膜の剥がれ面積が10%以上〜50%未満
2:塗膜の剥がれ面積が50%以上〜80%未満
1:塗膜の剥がれ面積が80%以上
・べたつきの評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムから20cm×20cmの正方形の試料片を2枚切り出し、この試料片の塗布面同士を重ね、荷重1kg/mを均等にかけて、50℃にて24時間保持した後、重ねた状態のフィルムを10mm×10mmの正方形に切断して試験片とし、この試験片について双方のフィルム間の剥離力すなわちべたつきを以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
べたつき評価基準
5:剥離力が50mN/10mm未満
4:剥離力が50mN/10mm以上〜100mN/10mm未満
3:剥離力が100mN/10mm以上〜150cmN/10mm未満
2:剥離力が150mN/10mm以上〜200mN/10mm未満
1:剥離力が200mN/10mm以上
・液安定性の評価
試験区分1で調製した各例の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を、密閉容器中にて、室温20℃で静置保管した際の分離の状況を観察し、分離するまでの時間により液安定性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
液安定性の評価基準
5:24時間以上分離無し
4:12時間以上〜24時間未満分離無し
3:6時間以上〜12時間未満分離無し
2:2時間以上〜6時間未満分離無し
1:2時間未満に分離
・塗布性の評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムの塗布面の状態を観察し、以下の基準で塗布性を評価した。結果を表3にまとめて示した。
塗布性の評価基準
5:むら、はじきが発生していない
4:一部にむらが発生している
3:全体にむらが発生している
2:一部にはじきが発生している
1:全体にはじきが発生している
Figure 2017039785
表2に対応する表3の結果からも明らかなように、本発明の組成物を塗布すると、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には塗布面にべたつきが極めて少ないことが解る。
本発明は、工場での製膜時や農業用ハウスへの展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ない熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法に関する。
従来、熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物として、アルミナゾル、酸性シリカゾル、有機シラン誘導体及び非イオン界面活性剤を用いたもの(例えば、特許文献1参照)、コロイダルアルミナ、コロイダルシリカ及びポリエチレングリコールを用いたもの(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。しかし、これら従来の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物には、工場での製膜時や農業用ハウスへの展張時の摩擦によりフィルムの流滴性能が低下したり、更にはフィルムのコーティング面がべたつく等の問題がある。
特開昭62−241984号公報 特開2000−160146号公報
本発明が解決しようとする課題は、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には流滴剤を塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ない熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の無機カチオンコロイドゾルを特定のシラノール化合物の縮合重合物で改質した特定の改質無機カチオンコロイドゾルに対し、ポリエーテル変性シリコーン、特定のポリオキシアルキレン誘導体及び特定のポリアルキレングリコールを特定割合で含有して成る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、下記のポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び下記のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で含有して成ることを特徴とする熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物に係る。また本発明は、かかる組成物の製造方法、かかる組成物を用いた改質熱可塑性高分子フィルム及びかかる改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法に係る。
改質無機カチオンコロイドゾル:下記の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子に下記のシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着している改質無機カチオンコロイドゾル。
無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル。
シラノール化合物:トリアルコキシシラン類から選ばれる少なくとも一つのシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解処理したもの
ポリオキシアルキレン誘導体:下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドが9〜24モルの割合で付加している化合物、下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で9〜24モルの割合でランダム状に付加している化合物及び下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で9〜24モルの割合でブロック状に付加している化合物から選ばれる少なくとも一つ
出発化合物:炭素数8〜22の脂肪族アルコール又は炭素数8〜22の脂肪酸
ポリアルキレングリコール:いずれも数平均分子量が10000〜20000であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム重合ポリマー及びエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック重合ポリマーから選ばれる少なくとも一つ
先ず、本発明に係る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物(以下、本発明の組成物という)について説明する。本発明の組成物は、前記の改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、前記のポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び前記のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で含有して成るものであるが、改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを20〜40質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を5〜20質量部及びポリアルキレングリコールを50〜70質量部の割合で含有して成るものが好ましい。
本発明の組成物に供する改質無機カチオンコロイドゾルは、特定の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着しているものである。
前記の改質無機カチオンコロイドゾルの原料となる無機カチオンコロイドゾルは、カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成るものであるが、カチオンアルミナゾルを固形分換算で50〜80質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で20〜50質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有してなるものが好ましい。
カチオンアルミナゾルは、いわゆるコロイダルアルミナであり、水分散液として市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品として例えば、アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、いずれも日産化学社製の商品名)、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2(以上、いずれも日揮触媒化成社製の商品名)等が挙げられる。
カチオンシリカゾルも、水分散液として市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品としては例えば、スノーテックスAK、スノーテックスAK−L(以上、いずれも日産化学社製の商品名)、カタロイドSN(日揮触媒化成社製の商品名)、クォートロンPL−3−C(扶桑化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
かかる無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子(アルミナやシリカのコロイド粒子)の表面に付着しているシラノール化合物の縮合重合物は、特定のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解し、生成したシラノール化合物を縮合重合することにより得ることができる。詳しくは後述するように、前記した無機カチオンコロイドゾルの存在下で、特定のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解し、引き続き生成したシラノール化合物を縮合重合することにより、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が付着した改質無機カチオンコロイドゾルを得ることができる。
本発明の組成物に供する改質無機カチオンコロイドゾルは、シラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子の表面の全部又は一部を被覆したような形態で付着しており、その一部は無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子と化学的に結合しているものと推察される。かかる改質無機カチオンコロイドゾルは、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着しているものとするが、無機カチオンコロイゾゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/7〜100/12(質量比)の割合で付着しているものとするのが好ましい。
本発明の組成物に供するポリエーテル変性シリコーンとしては、市販されているものをそのまま使用することができる。そのような市販品として例えば、TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(以上、いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の商品名)、X22−4952、X−22−4272、KF−6123、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−644、KF−6204、X−22−4515、KF−6004(以上、いずれも信越シリコーン社製の商品名)、SH8700、SH8410、SH8400、L−7002、FZ−2104、FZ−77、L−7604、FZ−2203、FZ−2208(以上、いずれも東レダウコーニング社製の商品名)などがあげられるが、なかでもTSF4440、KF−354L、KF−945、SH8400、KF−6004等、HLBが4〜16のものが好ましい。
本発明の組成物に供するポリオキシアルキレン誘導体は、炭素数9〜12の2級アルコールエチレンオキシド9モル付加体、ラウリルアルコールエチレンオキシド10モル付加体、トリデシルアルコールエチレンオキシド10モルプロピレンオキシド10モルランダム付加体、ペンタデシルアルコールプロピレンオキシド13モルエチレンオキシド10モルブロック付加体、ステアリルアルコールエチレンオキシド20モル付加体、イソステアリルアルコールエチレンオキシド20モル付加体、オレイルアルコールエチレンオキシド14モル付加体、ラウリン酸エチレンオキシド12モル付加体、ステアリン酸エチレンオキシド13モル付加体、オレイン酸エチレンオキシド13モル付加体、ベヘン酸エチレンオキシド10プロピレンオキサイド10モルランダム付加体等、前記の出発化合物1モル当たり、エチレンオキシドが9〜24モルの割合で付加している化合物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で9〜24モルの割合でランダム状に付加している化合物及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で9〜24モルの割合でブロック状に付加している化合物から選ばれる少なくとも一つである。
具体的に出発化合物として用いる脂肪族アルコールとしては、カプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、炭素数9〜11の2級アルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数8〜22のものが挙げられる。また出発化合物として用いる脂肪酸としては、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の炭素数8〜22のものが挙げられる。
本発明の組成物に供するポリアルキレングリコールとしては、数平均分子量10000〜20000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシドランダム重合ポリマー、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック重合ポリマーが挙げられるが、なかでも数平均分子量10000〜20000のポリエチレングリコールが好ましい。数平均分子量はGPC法のプルラン換算により求めることができる。
次に、本発明に係る熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の製造方法(以下、本発明の組成物の製造方法という)について説明する。本発明の組成物の製造方法は、下記の第1工程及び第2工程を経る製造方法である。
第1工程:下記の無機カチオンコロイドゾルの存在下に、該無機カチオンコロイドゾルの固形分100質量部当たり5〜15質量部の割合となる量のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解処理し、更に生成したシラノール化合物を縮合重合させて改質無機カチオンコロイドゾルを得る工程
無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル
第2工程:工程1で得た改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及びポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で配合して熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得る工程
本発明の組成物の製造方法において、第1工程で用いる無機カチオンコロイドゾルについては前記した通りである。第1工程で用いるシラノール形成性有機シラン化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類等である。なかでもシラノール形成性有機シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシランが好ましい。
本発明の組成物の製造方法において、第1工程で用いる無機カチオンコロイドゾルの固形分とシラノール形成性有機シラン化合物との質量比は、無機カチオンコロイドゾルの固形分とシラノール化合物の縮合重合物との質量比について前記したことと同様であり、また第2工程で用いるポリエーテル変性シリコーン、ポリオキシアルキレン誘導体及びポリアルキレングリコールについては、これらの割合も含めて、前記した通りである。
次に、本発明に係る改質熱可塑性高分子フィルム(以下、本発明のフィルムという)について説明する。本発明のフィルムは、熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に、前記した本発明の組成物が固形分として0.1〜2.0g/m付着しているものである。
熱可塑性高分子フィルムとしては、1)ポリオレフィン系樹脂、2)ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−メチルメタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、3)ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート等のポリエステル系樹脂等、農業用フィルムとして用いられている熱可塑性樹脂全般が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体が挙げられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、通常使用される酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防霧剤、保温剤、顔料等を必要に応じて含有することができる。これらの樹脂をフィルムに成形する方法としては、特に制限はなく、例えば、インフレーション成形法、Tダイ成形法等が挙げられる。成形に際して用いる樹脂は複数種類の樹脂をブレンドしてもよい。またフィルムは単層でも多層でもよく、目的に応じ、組み合わせて成形したフィルムを用いることができる。
本発明のフィルムの用途に特に制限はないが、農業用被覆フィルムに用いる場合に、効果の発現が著しい。
最後に、本発明に係る改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法(以下、本発明のフィルムの製造方法という)について説明する。本発明のフィルムの製造方法は、下記の第1工程及び下記の第2工程を経る製造方法である。
第1工程:熱可塑性高分子フィルムにコロナ放電処理をして、コロナ放電処理面のぬれ張力を35mN/m以上にする工程
第2工程:第1工程で得た熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に対し、前記した本発明の組成物を固形分として0.1〜2.0g/mとなるよう塗布する工程
本発明のフィルムの製造方法において、熱可塑性高分子フィルムについては前記した通りである。第1工程は、熱可塑性高分子フィルムにコロナ放電処理をして、コロナ放電処理面のぬれ張力を35mN/m以上にする工程であるが、ぬれ張力を35〜70mN/mの範囲内にすることが効果が発現しやすく好ましい。本発明において、ぬれ張力は、JIS−K6768の記載に準じて測定される値である。
また第2工程は、第1工程で得た熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に対し、前記した本発明の組成物を固形分として0.1〜2.0g/mとなるよう塗布する工程である。本発明の組成物を熱可塑性高分子フィルムに塗布するには、公知の塗布法を用いることができる。これには例えば、スプレーコート法、浸漬コート法、ロールコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、エアナイフコート法等が挙げられる。
以上説明した本発明によると、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には流滴剤を塗布したフィルム面にべたつきが極めて少ないという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の調製)
・実施例1
水68.1部、カチオンアルミナゾル(X1−1)341.5部(固形分70%)及びカチオンシリカゾル(X2−1)130.4部(固形分30%)を混合して無機カチオンコロイドゾルを調製した。この無機カチオンコロイドゾルにシラノール形成性有機シラン化合物(Y−1)1702部(固形分10%)を混合して固形分濃度20%の混合液を調製し、50℃で5時間撹拌してシラノール形成性有機シラン化合物(Y−1)を加水分解処理し、更に生成したシラノール化合物を縮合重合させて改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)を得た。この改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)は、前記の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が付着しているものであった。次いで、この改質無機カチオンコロイドゾル(A−1)の固形分換算で100部に、水9400部、ポリエーテル変性シリコーン(B−1)30部、ポリオキシアルキレン誘導体(C−1)10部及びポリアルキレングリコール(D−1)60部を加えて撹拌し、固形分濃度2%の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得た。
・実施例2〜25及び比較例1〜15
実施例1の場合と同様にして、改質無機カチオンコロイドゾル(A−2)〜(A−10)及び(AR−1)〜(AR−3)を調製し、更に実施例2〜25及び比較例1〜15の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得た。以上の各例で調製した改質無機カチオンコロイドゾルの内容を表1にまとめて示し、また以上の各例で得た熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の内容を表2及び表3にまとめて示した。

Figure 2017039785
表1において、
X1−1:日産化学工業社製の商品名アルミナゾル520
X1−2:日産化学工業社製の商品名アルミナゾル200
X1−3:日揮触媒化成社製の商品名カタロイドAS−1
X2−1:日産化学工業社製の商品名スノーテックスAK
X2−2:日揮触媒化成社製の商品名カタロイドSN
X2−3:扶桑化学工業社製の商品名クォートロンPL−3−C
Y−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Y−2:γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン
Y−3:エチルトリエトキシシラン


















Figure 2017039785
表2において、
B−1:ポリエーテル変性シリコーン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の商品名TSF4440、HLB=14)
B−2:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−354L、HLB=16)
B−3:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−945、HLB=4)
B−4:ポリエーテル変性シリコーン(東レダウコーニング社製の商品名SH8400、HLB=8)
B−5:ポリエーテル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−6004、HLB=9)
BR−1:ポリジメチルシリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−96)
BR−2:長鎖アルキル変性シリコーン(信越シリコーン社製の商品名KF−412)
C−1:炭素数12〜13の脂肪族混合アルコールのEO(エチレンオキサイド、以下同じ)10モルPO(プロピレンオキサイド、以下同じ)10モルランダム付加体
C−2:ラウリルアルコールのEO10モル付加体
C−3:炭素数9〜11の脂肪族混合2級アルコールのEO9モル付加体
C−4:オレイルアルコールのEO14モル付加体
C−5:ステアリルアルコールのEO20モル付加体
C−6:炭素数14〜15の脂肪族混合アルコールのPO13モルEO11モルブロック付加体
C−7:カプリル酸のEO10モル付加体
C−8:ラウリン酸のEO12モル付加体
C−9:ステアリン酸のEO13モル付加体
C−10:オレイン酸のEO13モル付加体
CR−1:メタノール
CR−2:エチレングリコール
D−1:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−20000、数平均分子量20000)
D−2:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−10000、数平均分子量11000)
D−3:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−13000、数平均分子量13000)
DR−1:ポリエチレングリコール(三洋化成工業社製の商品名PEG−400、数平均分子量400)
DR−2:ポリエチレングリコール(明成化学工業社製の商品名アルコックスR−150、数平均分子量150000)
試験区分2(改質熱可塑性高分子フィルムの製造)
エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン共重合比率96%、密度0.930g/cm、MFR1.0g/10分)を、直径75mmでリップ間隙3mmのダイを取り付けたインフレーション成形機に供し、樹脂押し出し温度200℃及びBUR=1.8の条件下でインフレーション成形を行ない、厚さ150μmのオレフィン重合体フィルムを作製した。次いで、このオレフィン重合体フィルムにコロナ処理放電を施し、コロナ放電処理面のぬれ張力を42mN/mとした後、かかるコロナ放電処理面に試験区分1で調製した熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を固形分として0.3g/mとなるようグラビアコート法により塗布し、70℃に温調した温風乾燥炉に1分間滞留させて、各例の改質熱可塑性高分子フィルムを得た。
試験区分3(改質熱可塑性高分子フィルムの評価)
・流滴性の評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムを、ハウスの内温30℃でハウスの外温10℃に調節した15度の傾斜面を有するテストハウスに1m張り、初期(1日後)及び長期(30日後)に水滴付着状況を観察し、水滴防止効果すなわち流滴性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
流滴性の評価基準
5:水滴の付着無し
4:水滴の付着面積が10%未満
3:水滴の付着面積が10%以上〜50%未満
2:水滴の付着面積が50%以上〜80%未満
1:水滴の付着面積が80%以上
・耐擦傷性の評価
摩擦試験機(大栄科学精機製作所社製の学振型染色堅牢度試験機)のアームの摩擦面にビニールテープを貼って300gの荷重をかけ、試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムの塗布面100cmに10往復摩擦させた後、摩擦させた部分に湯気を当て、水滴が付着して生じる曇部分により、塗膜の剥離程度を観察し、塗膜の耐剥離強度すなわち耐擦傷性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
耐擦傷性の評価基準
5:塗膜の剥がれ無し
4:塗膜の剥がれ面積が10%未満
3:塗膜の剥がれ面積が10%以上〜50%未満
2:塗膜の剥がれ面積が50%以上〜80%未満
1:塗膜の剥がれ面積が80%以上
・べたつきの評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムから20cm×20cmの正方形の試料片を2枚切り出し、この試料片の塗布面同士を重ね、荷重1kg/mを均等にかけて、50℃にて24時間保持した後、重ねた状態のフィルムを10mm×10mmの正方形に切断して試験片とし、この試験片について双方のフィルム間の剥離力すなわちべたつきを以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
べたつき評価基準
5:剥離力が50mN/10mm未満
4:剥離力が50mN/10mm以上〜100mN/10mm未満
3:剥離力が100mN/10mm以上〜150cmN/10mm未満
2:剥離力が150mN/10mm以上〜200mN/10mm未満
1:剥離力が200mN/10mm以上
・液安定性の評価
試験区分1で調製した各例の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を、密閉容器中にて、室温20℃で静置保管した際の分離の状況を観察し、分離するまでの時間により液安定性を以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
液安定性の評価基準
5:24時間以上分離無し
4:12時間以上〜24時間未満分離無し
3:6時間以上〜12時間未満分離無し
2:2時間以上〜6時間未満分離無し
1:2時間未満に分離
・塗布性の評価
試験区分2で製造した各例の改質熱可塑性高分子フィルムの塗布面の状態を観察し、以下の基準で塗布性を評価した。結果を表3にまとめて示した。
塗布性の評価基準
5:むら、はじきが発生していない
4:一部にむらが発生している
3:全体にむらが発生している
2:一部にはじきが発生している
1:全体にはじきが発生している
Figure 2017039785
表2に対応する表3の結果からも明らかなように、本発明の組成物を塗布すると、製膜時や展張時の摩擦による流滴性能の低下が少なく、展張した初期から優れた流滴性を発揮し、展張後も長期にわたり優れた流滴性を維持し、更には塗布面にべたつきが極めて少ないことが解る。

Claims (11)

  1. 下記の改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で含有して成ることを特徴とする熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物。
    改質無機カチオンコロイドゾル:下記の無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/5〜100/15(質量比)の割合で付着している改質無機カチオンコロイドゾル
    無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル
  2. ポリエーテル変性シリコーンが、HLBが4〜16のものである請求項1記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物。
  3. ポリオキシアルキレン誘導体が、下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドが1〜200モルの割合で付加している化合物、下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でランダム状に付加している化合物及び下記の出発化合物1モル当たりエチレンオキシドとプロピレンオキシドが合計で1〜200モルの割合でブロック状に付加している化合物から選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物。
    出発化合物:炭素数1〜26の脂肪族アルコール又は炭素数1〜26の脂肪酸
  4. ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコールである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物。
  5. 無機カチオンコロイドゾルが、カチオンアルミナゾルを固形分換算で50〜80質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で20〜50質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有するものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物。
  6. 改質無機カチオンコロイドゾルが、無機カチオンコロイドゾルの固形分粒子にシラノール化合物の縮合重合物が、無機カチオンコロイドゾルの固形分/シラノール化合物の縮合重合物=100/7〜100/12(質量比)の割合で付着しているものである請求項1〜5のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物。
  7. 改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを20〜40質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を5〜20質量部及びポリアルキレングリコールを50〜70質量部の割合で含有して成る請求項1〜6のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物。
  8. 下記の第1工程及び下記の第2工程を経ることを特徴とする熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物の製造方法。
    第1工程:下記の無機カチオンコロイドゾルの存在下に、該無機カチオンコロイドゾルの固形分100質量部当たり5〜15質量部の割合となる量のシラノール形成性有機シラン化合物を加水分解処理し、更に生成したシラノール化合物を縮合重合させて改質無機カチオンコロイドゾルを得る工程
    無機カチオンコロイドゾル:カチオンアルミナゾルを固形分換算で20〜90質量%及びカチオンシリカゾルを固形分換算で10〜80質量%(固形分換算で合計100質量%)の割合で含有して成る無機カチオンコロイドゾル
    第2工程:工程1で得た改質無機カチオンコロイドゾルを固形分換算で100質量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを10〜50質量部、ポリオキシアルキレン誘導体を2〜30質量部及び数平均分子量10000〜20000のポリアルキレングリコールを45〜75質量部の割合で配合して熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を得る工程
  9. 熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に、請求項1〜7のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物が固形分として0.1〜2.0g/m付着していることを特徴とする改質熱可塑性高分子フィルム。
  10. 農業用被覆フィルムである請求項9記載の改質熱可塑性高分子フィルム。
  11. 下記の第1工程及び下記の第2工程を経ることを特徴とする改質熱可塑性高分子フィルムの製造方法。
    第1工程:熱可塑性高分子フィルムにコロナ放電処理をして、コロナ放電処理面のぬれ張力を35mN/m以上にする工程
    第2工程:第1工程で得た熱可塑性高分子フィルムのコロナ放電処理面に対し、請求項1〜7のいずれか一つの項記載の熱可塑性高分子フィルムコーティング用組成物を固形分として0.1〜2.0g/mとなるよう塗布する工程
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