しかしながら、特許文献1に記載された実装管理装置では、実装条件と検査結果との情報が得られ、不良要因について把握できるものとしても、その検査により、基板及びそれに装着された部品がその後どのように取り扱われたかについては不明であった。また、特許文献2に記載された実装管理装置では、生産情報として部品ごとに吸着回数、装着回数、使用部品数を集計するものであるが、実装検査により、基板及びそれに装着された部品がその後どのように取り扱われたかについては不明であった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる実装管理装置、実装システム、実装管理方法及びそのプログラム、ならびに検査管理方法及びそのプログラムを提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の実装管理装置は、
1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置と、前記実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置と、前記検査処理での情報を管理する検査管理装置と、を備える実装システムにおける前記実装した部品の情報を管理する実装管理装置であって、
前記実装処理装置で実装エラーとなった部品の種別及び部品数を含む実装廃棄情報を取得し、前記検査装置での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した前記実装廃棄情報に含まれる実装エラーとなった部品の種別及び部品数と、前記取得した前記検査廃棄情報に含まれる前記廃棄された部品の種別及び部品数とを含む生産結果情報を出力する情報出力手段と、
を備えたものである。
この実装管理装置では、実装処理装置で実装エラーとなった部品の種別及び部品数を含む実装廃棄情報を取得し、検査装置での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報を取得し、取得した実装廃棄情報に含まれる実装エラーとなった部品の種別及び部品数と、取得した検査廃棄情報に含まれる廃棄された部品の種別及び部品数とを含む生産結果情報を出力する。このように、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理し、その情報を提供することができるのである。したがって、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。なお、「実装」とは、部品を基板上に配置、装着、挿入、接合、接着することなどを含む。また、「実装エラーとなった部品数」は、実装時に廃棄された部品数としてもよい。このとき、本発明の実装管理装置は、前記取得した前記実装廃棄情報及び前記取得した前記検査廃棄情報を記憶する情報記憶手段、を備え、前記情報出力手段は、前記記憶された前記検査廃棄情報に含まれる前記廃棄された部品の種別及び部品数とを含む生産結果情報を出力するものとしてもよい。
本発明の実装管理装置において、前記情報取得手段は、前記検査管理装置から前記検査廃棄情報を取得するものとしてもよい。こうすれば、より確実に検査廃棄情報を取得することができ、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。あるいは、本発明の実装管理装置において、情報取得手段は、作業者の操作に基づいて情報を入力する入力手段、を備え、前記入力手段の入力により前記実装廃棄情報及び前記検査廃棄情報のうち少なくとも一方を取得するものとしてもよい。あるいは、本発明の実装管理装置は、前記取得した前記実装廃棄情報及び前記取得した前記検査廃棄情報を記憶する情報記憶手段、を備え、前記情報取得手段は、前記記憶された前記実装廃棄情報から前記実装エラーとなった部品の種別及び部品数を取得し、前記記憶された前記検査廃棄情報から前記検査装置での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を取得するものとしてもよい。
本発明の実装管理装置において、前記情報取得手段は、前記検査装置が異常有りと判定した前記基板に対して作業者の目視確認に基づき入力された、異常なしである情報、一部修復した情報、及び基板を廃棄処理した情報のうち少なくとも1つを含む検査結果情報を取得し、前記取得した検査結果情報に基づいて前記検査廃棄情報を取得するものとしてもよい。こうすれば、検査後の基板を目視確認した結果に基づいて検査廃棄情報を取得することができる。このとき、前記情報取得手段は、前記入力された情報が異常なしの情報であるときには前記廃棄された部品はないものと判定し、前記入力された情報が一部修復した情報であるときには前記検査装置の検査対象の部品が廃棄されたものと判定し、前記入力された情報が基板を廃棄処理した情報であるときには前記検査装置での検査時の基板に実装された部品が廃棄されたものと判定し、該判定結果に基づいて前記検査廃棄情報を取得するものとしてもよい。こうすれば、比較的簡単な処理で検査廃棄情報を取得することができ、ひいては廃棄された部品の管理をより適切に行いやすい。また、前記実装廃棄情報と前記検査廃棄情報とを含む生産管理情報と、前記検査結果情報とを記憶する情報記憶手段を備えるものとしてもよい。
本発明の実装管理装置は、画像を表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、情報出力手段が出力した前記生産結果情報に基づいて、前記実装エラーとなった部品の種別及び部品数を表示する実装廃棄数表示欄と、前記検査結果に基づいて前記廃棄された部品の種別及び部品数を表示する検査廃棄数表示欄と、を含む生産結果情報画面を前記表示手段に表示出力させるものとしてもよい。こうすれば、実装エラーの部品の情報と、検査で廃棄された部品の情報とを把握しやすい。
本発明の実装管理装置は、画像を表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、情報出力手段が出力した前記生産結果情報に基づいて、前記実装エラーとなった部品数と、前記検査結果に基づいて前記廃棄された部品数との和である総廃棄数を表示する総廃棄数表示欄を含む生産結果情報画面を前記表示手段に表示出力させるものとしてもよい。こうすれば、全体での廃棄数を把握しやすい。
本発明の検査管理装置は、
1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置と、前記実装した部品の情報を管理する実装管理装置と、前記実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置と、を備える実装システムにおける、前記検査処理での情報を管理する検査管理装置であって、
作業者の操作に基づいて情報を入力する入力手段と、
前記検査装置が異常有りと判定した前記基板に対して、作業者の目視確認に基づき前記入力手段の操作により入力された情報が、異常なしである情報、一部修復した情報、及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報であるかを判定し、前記判定結果に基づいて、前記検査装置での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報を取得する判定取得手段と、
前記取得した前記検査廃棄情報を前記実装管理装置へ送信する送信手段と、
を備えたものである。
この検査管理装置では、検査装置が異常有りと判定した基板に対して、作業者の目視確認に基づき入力された情報が、異常なしである情報、一部修復した情報、及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報であるかを判定し、判定結果に基づいて検査廃棄情報を取得し、取得した検査廃棄情報を実装管理装置へ送信する。このように、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数を検査廃棄情報として実装管理装置へ送信するから、実装管理装置で検査廃棄情報を取り扱うことができる。したがって、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。
判定取得手段を備える本発明の検査管理装置において、前記判定取得手段は、前記入力された情報が異常なしの情報であるときには前記廃棄された部品はないものと判定し、前記入力された情報が一部修復した情報であるときには前記検査装置の検査対象の部品が廃棄されたものと判定し、前記入力された情報が基板を廃棄処理した情報であるときには前記検査装置での検査時の基板に実装された部品が廃棄されたものと判定するものとしてもよい。こうすれば、比較的簡単な処理で検査廃棄情報を取得することができ、ひいては廃棄された部品の管理をより適切に行いやすい。
あるいは、本発明の検査管理装置は、
1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置と、前記実装した部品の情報を管理する実装管理装置と、前記実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置と、を備える実装システムにおける、前記検査処理での情報を管理する検査管理装置であって、
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御手段と、
前記検査装置の検査対象の部品に関する検査対象情報を記憶する検査記憶手段と、
情報を前記実装管理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記検査装置での前記検査処理の対象である部品に関連する部品に対して前記検査対象情報を用いた自動選択処理を伴った選択画面を前記表示手段に表示させ、
前記送信手段は、前記選択画面に入力された部品の種別及び部品数を、廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報として前記実装管理装置に送信するものである。
この検査管理装置では、検査装置での検査処理の対象である部品に関連する部品に対して自動選択処理により部品が自動選択された選択画面を表示し、その後、選択画面に入力された部品の種別及び部品数を、廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報として実装管理装置に送信する。このように、自動選択処理を伴った選択画面が表示されるから、廃棄された部品の管理をより行いやすい。このとき、本発明の検査管理装置は、作業者の操作に基づいて情報を入力する入力手段、を備え、前記送信手段は、前記入力手段の操作により前記選択画面に入力された部品の種別及び部品数を、前記検査廃棄情報として前記実装管理装置に送信するものとしてもよい。こうすれば、作業者は、自動選択処理を伴った選択画面により、廃棄された部品の選択がしやすく、廃棄された部品の管理をより行いやすい。ここで、検査対象情報には、検査装置の検査対象である部品及びそれに関連する部品の種別、基板上の位置(座標)、個数などの情報が含まれるものとしてもよい。ここで、「関連する部品」とは、その部品の近傍に配置される部品や、その部品に密接する部品を含むものとしてもよい。また、この検査対象情報には、検査対象以外の情報、例えば、基板の大きさ及び形状、基板上に実装される部品の種別、位置(座標)、個数などの情報を含むものとしてもよい。
本発明の検査管理装置は、作業者の操作に基づいて情報を入力する入力手段、を備え、前記表示制御手段は、前記自動選択処理を伴った選択画面を前記表示手段に表示させるに際して、部品を選択する第1画面を前記表示手段に表示させたのち、前記入力手段の前記作業者の操作により前記第1画面で部品が入力されると、該入力された部品から前記基板において所定のマージン領域内にある部品を前記検査対象情報を用いて選択し、該選択した状態で前記選択画面を表示させるものとしてもよい。こうすれば、いずれかの部品を選択すれば他の部品が候補として選択されるから、廃棄された部品の選択がしやすく、廃棄された部品の管理をより行いやすい。
本発明の検査管理装置において、前記表示制御手段は、前記自動選択処理を伴った選択画面を前記表示手段に表示させるに際して、前記検査装置での前記検査処理の対象である部品を前記検査対象情報を用いて選択し、該選択した状態で前記選択画面を前記表示手段に表示させるものとしてもよい。こうすれば、検査処理の対象である部品が候補として選択されるから、廃棄された部品の選択がしやすく、廃棄された部品の管理をより行いやすい。
本発明の検査管理装置は、作業者の操作に基づいて情報を入力する入力手段、を備え、前記表示制御手段は、前記選択画面上で前記入力手段の操作により前記基板上でエリア指定された領域に含まれる前記部品を前記検査対象情報を用いて選択し、該選択した状態で前記選択画面を前記表示手段に表示させるものとしてもよい。こうすれば、エリア指定することにより廃棄された部品の選択がしやすく廃棄された部品の管理をより行いやすい。
本発明の検査管理装置において、作業者の操作に基づいて情報を入力する入力手段、を備え、前記検査記憶手段は、前記検査装置が異常有りと判定した前記基板に対して、作業者の目視確認に基づき前記入力手段の操作により入力された情報が、異常なしである情報、一部修復した情報、及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報であるかを判定し、該判定した結果を検査結果情報として記憶するものとしてもよい。こうすれば、検査結果の情報についても管理することができる。このとき、前記送信手段は、前記記憶した検査結果情報を前記実装管理装置に送信するものとしてもよい。こうすれば、検査結果情報を実装管理装置で用いることができる。
本発明の実装システムは、
1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置と、
前記実装する部品の情報を管理する上述したいずれかに記載の実装管理装置と、
前記実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置と、
前記検査処理での情報を管理する上述したいずれかに記載の検査管理装置と、
を備えたものである。
この実装システムでは、上述したいずれかの実装管理装置と、上述したいずれかの検査管理装置とを備えているから、採用した態様に応じた効果を得ることができる。
本発明の実装管理方法は、
1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置と、前記実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置と、前記検査処理での情報を管理する検査管理装置と、を備える実装システムにおける前記実装した部品の情報を管理する実装管理装置で実行される実装管理方法であって、
(a)前記実装処理装置で実装エラーとなった部品の種別及び部品数を含む実装廃棄情報を取得するステップと、
(b)前記検査装置での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報を取得するステップと、
(c)前記取得した前記実装廃棄情報に含まれる実装エラーとなった部品の種別及び部品数と、前記取得した前記検査廃棄情報に含まれる前記廃棄された部品の種別及び部品数とを含む生産結果情報を出力するステップと、
を含むものである。
この実装管理方法では、上述した実装管理装置と同様に、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理し、その情報を提供することができるため、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。なお、この実装管理方法において、上述した実装管理装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した実装管理装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明の検査管理方法は、
1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置と、前記実装した部品の情報を管理する実装管理装置と、前記実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置と、を備える実装システムにおける、前記検査処理での情報を管理する検査管理装置で実行される検査管理方法であって、
(a)作業者の操作に基づいて情報を入力するステップと、
(b)前記検査装置が異常有りと判定した前記基板に対して、作業者の目視確認に基づき前記入力された情報が、異常なしである情報、一部修復した情報、及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報であるかを判定するステップと、
(c)前記判定結果に基づいて、前記検査装置での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報を取得するステップと、
(d)前記取得した前記検査廃棄情報を前記実装管理装置へ送信するステップと、
を含むものである。
この検査管理方法では、上述した判定取得手段を備える検査管理装置と同様に、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数を検査廃棄情報として実装管理装置へ送信するから、実装管理装置で検査廃棄情報を取り扱うことができる。したがって、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。なお、この検査管理方法において、上述した検査管理装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した検査管理装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
あるいは、本発明の検査管理方法は、
1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置と、前記実装した部品の情報を管理する実装管理装置と、前記実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置と、を備える実装システムにおける、前記検査処理での情報を管理する検査管理装置で実行される検査管理方法であって、
(e)前記検査装置での前記検査処理の対象である部品に関連する部品に対して自動選択処理を伴った選択画面を表示するステップと、
(f)前記選択画面に入力された部品の種別及び部品数を、廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報として前記実装管理装置に送信するステップと、
を含むものである。
この検査管理方法では、上述した表示制御手段を備える検査管理装置と同様に、自動選択処理を伴った選択画面が表示されるから、廃棄された部品の管理をより行いやすい。なお、この検査管理方法において、上述した検査管理装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した検査管理装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述した実装管理方法のステップを1以上のコンピューターが実行するものである。あるいは、本発明のプログラムは、上述した検査管理方法のステップを1以上のコンピューターが実行するものである。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを1つのコンピューターに実行させるか又は複数のコンピューターに各ステップを分担して実行させれば、上述した実装管理方法又は検査管理方法の各ステップが実行されるため、この方法と同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である部品実装システム10の構成の概略を示す構成図である。図2は、本発明の一実施形態である実装検査処理装置20の構成の概略を示す構成図である。図3は、本発明の一実施形態である実装管理サーバ60の構成の概略を示す構成図である。図4は、記憶部70に記憶される情報の一例の説明図である。図5は、本発明の一実施形態である検査管理サーバ80の構成の概略を示す構成図である。図6は、記憶部90に記憶される情報の一例の説明図である。部品実装システム10は、ネットワークとしてのLAN11に接続され1以上の部品(電子部品など)を基板上に実装する複数の実装機21と、実装状態を検査する1以上の検査装置40とを備える複数の実装検査処理装置20と、LAN11に接続され各実装検査処理装置20の実装に関する情報を管理する実装管理サーバ60と、LAN11に接続され各実装検査処理装置20の検査に関する情報を管理する検査管理サーバ80と、を備えている。なお、「実装」とは、部品を基板上に配置、装着、挿入、接合、接着することなどを含む。
実装検査処理装置20は、1以上の部品を基板上に実装する実装処理を実行する実装処理装置としての実装機21と、実装処理された部品の実装状態を検査する検査処理を実行する検査装置40とを備える。実装検査処理装置20は、図2に示すように、様々な部品を収容したリールなどを装着した複数の実装機21が接続されており、基板を搬送すると共に部品を実装する実装ラインとして構成されている。
実装機21は、装置全体の制御を司る実装機コントローラー22と、各種のデータを記憶する記憶部23と、表示画面が表示され作業者による各種入力操作が可能な操作パネル26と、LAN11に接続された機器と通信を行う通信部29と、を備えている。また、実装機21は、実装処理を実行するユニットとして、基板の搬送及び固定を実行する基板処理ユニット30と、部品を基板に配置する処理を実行する吸着処理ユニット33と、リールやトレイに収容された部品を所定の吸着位置へ供給する供給ユニット37と、吸着した部品を撮像する撮像部38とを備えている。
実装機コントローラー22は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムなどを記憶したフラッシュメモリーと、一時的にデータを記憶するRAMと、を備えている。この実装機コントローラー22は、記憶部23や操作パネル26、基板処理ユニット30、吸着処理ユニット33、供給ユニット37、撮像部38などに図示しないバスによって電気的に接続されている。この実装機コントローラー22は、基板処理ユニット30や吸着処理ユニット33、供給ユニット37、撮像部38を制御する信号を出力したり、操作パネル26に表示データを出力したり、通信部29を介して実装管理サーバ60などの外部機器へ情報を送信したりする。また、この実装機コントローラー22は、操作パネル26に入力されたデータなどを入力したり、撮像部38で撮像した画像データを取得したり、通信部29を介して実装管理サーバ60などの外部機器から情報を受信したりする。
記憶部23は、HDDやフラッシュメモリーなど、データを書き換え可能に記憶する記憶装置として構成されている。この記憶部23には、部品を基板上に実装する実装処理の実行時に用いられる実装処理条件情報24や、実装機21において実装エラーで廃棄された部品の種別及び部品数などの情報を含む実装廃棄情報25などが記憶されている。この実装処理条件情報24には、各実装機21での実装条件として、部品の種別、部品のサイズ、部品の取出位置(装置上のXY座標)、部品の配置位置(装置上のXY座標)、部品を運ぶ際の移動速度などを含む移動条件などの情報が格納されている。この実装処理条件情報24は、これを用いる実装機21に記憶されているほか、実装管理サーバ60にも同様に記憶され、管理されている。実装廃棄情報25は、実装機21での実装処理で廃棄された部品の情報を含み、例えば、部品種別と廃棄された部品数(実装廃棄部品数)とが対応付けられている。実装廃棄部品数には、更に、部品の吸着エラーにより廃棄された吸着エラー部品数や、吸着時に不良部品と判定されて廃棄された不良部品数などが含まれる(後述図4の実装廃棄情報73参照)。実装廃棄情報25は、実装処理時に実装機コントローラー22により更新される。この実装廃棄情報25により、作業者は、実装機21の実装処理で、どのような部品がどれくらい廃棄されたかを把握することができる。
操作パネル26は、画面を表示する表示部27と、作業者からの入力操作を受け付ける操作部28とを備えている。表示部27は、液晶ディスプレイとして構成されており、実装機21の作動状態や設定状態を画面表示する。操作部28は、カーソルを上下左右に移動させるカーソルキー、入力をキャンセルするキャンセルキー,選択内容を決定する決定キーなどを備えており、作業者の指示をキー入力できるように構成されている。
通信部29は、ネットワークなどに接続された外部機器との情報のやりとりを行うインターフェイスとして構成されており、LAN11へ情報を送信すると共に、LAN11から情報を受信する。
基板処理ユニット30は、部品を配置する所定の実装位置まで基板を搬送する基板搬送部31と、搬送された基板を実装位置で固定する基板保持部32とを備えている。基板搬送部31は、例えば、ベルトコンベアにより基板を搬送する装置として構成されており、1対のサイドフレームの各々に設けられたガイド部材と、1対のサイドフレームの各々に設けられたコンベヤベルトと、コンベヤベルトを周回駆動させるベルト周回装置とを備えている。基板保持部32は、所定の実装位置ごとに配設されており、例えば、基板を下方から支持する支持装置と、基板の縁部をクランプするクランプ装置とを備えている。
吸着処理ユニット33は、ヘッド移動部34と、ヘッド移動部34に搭載されヘッド移動部34により移動するノズルヘッド35と、ノズルヘッド35に搭載されZ軸方向に移動可能な吸着ノズルと、を備えている。ヘッド移動部34は、図示しないX方向スライダによってX方向に移動可能であると共に、図示しないY方向スライダによってY方向に移動可能となっている。このヘッド移動部34にはノズルヘッド35が搭載されており、ヘッド移動部34がXY方向に移動するのに伴ってノズルヘッド35もXY方向に移動する。ノズルヘッド35は、Z軸モータ(図示せず)を内蔵し、Z軸方向のボールネジ(図示せず)に取り付けられた吸着ノズル36の高さをZ軸モータによって調整するものである。なお、XY方向は、水平面内で直交する2軸の方向をいい、Z軸は、垂直方向の軸をいう。吸着ノズル36は、圧力を利用して、ノズル先端に部品を吸着したり、ノズル先端に吸着している部品を離したりするものである。この吸着ノズル36には、図示しない配管が接続されており、ノズル先端に部品を吸着する際には配管を介してノズル先端に負圧を供給し、ノズル先端に吸着している部品を離す際には配管を介してノズル先端に正圧を供給する。なお、吸着ノズル36は、部品の大きさや形状に合ったものに交換することができる。
供給ユニット37は、リールから部品を供給するリール供給部を備えている。リール供給部は、リールを装着する装着部と、巻回されたリールからテープを吸着位置まで送り出すテープフィーダー部と、部品が取り出されたテープを切断除去する切断部とを備えている。このリール供給部により、リールに収容された部品が、吸着ノズル36により吸着される所定の吸着位置まで送り出される。なお、実装機21には、リール供給部のほか、複数の部品を載置したトレイを複数収容したトレイ供給部に交換することができる。このトレイ供給部は、トレイを複数収容したマガジンカセットを装着する装着部と、装着部に装着されたマガジンカセットから所望のトレイを送り出すトレイ移動部とを備えている。
検査装置40は、実装機21の後段側に接続され、実装された部品の実装状態を検査する装置である。この検査装置40は、装置全体の制御を司る検査機コントローラー41と、各種のデータを記憶する記憶部42と、表示画面が表示され作業者による各種入力操作が可能な操作パネル46と、LAN11に接続された機器と通信を行う通信部49と、を備えている。また、検査装置40は、検査処理を実行するユニットとして、基板上の部品を撮像し、その実装状態を検出、判定する検査ユニット50を備えている。
検査機コントローラー41は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムなどを記憶したフラッシュメモリーと、一時的にデータを記憶するRAMと、を備えている。この検査機コントローラー41は、記憶部42や操作パネル46、検査ユニット50などに図示しないバスによって電気的に接続されている。この検査機コントローラー41は、検査ユニット50を制御する信号を出力したり、操作パネル46に表示データを出力したり、通信部49を介して検査管理サーバ80などの外部機器へ情報を送信したりする。また、この検査機コントローラー41は、操作パネル46に入力されたデータなどを入力したり、通信部49を介して検査管理サーバ80などの外部機器から情報を受信したりする。
記憶部42は、HDDやフラッシュメモリーなど、データを書き換え可能に記憶する記憶装置として構成されている。この記憶部42には、基板上に実装された部品の検査処理の実行時に用いられる検査条件情報43や、検査装置40の検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報44、検査装置40の検査結果を含む検査結果情報45などが記憶されている。検査条件情報43には、各検査装置40での検査条件として、例えば、検査ユニット50の撮像条件や、撮像部51を移動させる移動部52の移動条件などが格納されている。また、検査条件情報43には、その検査装置40が担当する検査領域(XY座標)や、部品の種別、部品の配置位置(XY座標)、部品の個数、部品の形状データ、部品のサイズなどの情報が検査対象情報(後述図6の検査対象情報92参照)として格納されている。この検査条件情報43は、これを用いる検査装置40に記憶されているほか、検査管理サーバ80にも同様に記憶され、管理されている。検査廃棄情報44は、検査装置40での検査処理で廃棄された部品の情報を含み、例えば、部品種別と廃棄された部品数(検査廃棄部品数)とが対応付けられている。検査廃棄部品数には、更に、基板に実装された部品のうち一部を修復することにより廃棄された一部修復廃棄部品数や、基板自体を廃棄することにより廃棄された基板廃棄部品数などが含まれる(後述図4の実装廃棄情報73参照)。検査廃棄情報44は、検査処理後に作業者の基板の目視確認がなされて入力された内容に基づいて検査機コントローラー41により、更新される。この検査廃棄情報44により、作業者は、検査装置40での検査結果に応じて、どのような部品がどれだけ廃棄されたのかを把握することができる。検査結果情報45は、検査実施日時の情報や、この検査装置40により異常有りと判定された検査不合格基板数、作業者の目視確認に基づく、該当する基板が異常なかった基板数である異常無基板数、該当する基板を一部修復した一部修復基板数、該当する基板を廃棄処理した廃棄基板数などを含む(後述図4の検査結果情報75参照)。この検査結果情報45には、廃棄された部品の情報は含まれず、検査結果だけが格納されている。
操作パネル46は、画面を表示する表示部47と、作業者からの入力操作を受け付ける操作部48とを備えている。表示部47は、液晶ディスプレイとして構成されており、検査装置40の作動状態や設定状態を画面表示する。操作部48は、カーソルを上下左右に移動させるカーソルキー、入力をキャンセルするキャンセルキー,選択内容を決定する決定キーなどを備えており、作業者の指示をキー入力できるように構成されている。
通信部49は、ネットワークなどに接続された外部機器との情報のやりとりを行うインターフェイスとして構成されており、LAN11へ情報を送信すると共に、LAN11から情報を受信する。
検査ユニット50は、基板上に実装された部品の画像を撮像するデジタルカメラを含む撮像部51と、撮像部51を検査対象である基板上の部品が撮像できる位置へ撮像部51を移動する移動部52と、撮像した部品の画像と、正常に配置された部品の判定用画像とを比較することによりこの部品が正常に実装されているか否かを判定する検査判定部53とを含む。この検査ユニット50では、検査対象である基板の検査範囲に含まれる部品のいずれかに異常を検出する処理を行う。
実装管理サーバ60は、複数の実装検査処理装置20を管理するサーバとして構成されており、図3に示すように、装置全体の制御を司る実装管理装置コントローラー62と、本発明の実装管理装置の機能を有する機能ブロック63と、実装検査処理装置20や検査管理サーバ80など外部機器と通信を行う通信部68と、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する記憶部70と、各種情報を表示するディスプレイ77と、作業者が各種指令を入力するキーボード及びマウス等の入力装置78とを備えている。
実装管理装置コントローラー62は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムなどを記憶したフラッシュメモリーと、一時的にデータを記憶するRAMと、を備えている。この実装管理サーバ60は、ディスプレイ77に表示されたカーソル等をユーザーが入力装置78を介して入力操作するとその入力操作に応じた動作を実行する機能を有する。この実装管理装置コントローラー62は、記憶部70やディスプレイ77、入力装置78、通信部68などにバス69によって電気的に接続されている。この実装管理サーバ60は、インストールされたプログラムにより実装検査処理装置20に対して実装処理を指令したり実装検査処理装置20の情報を表示したりする。実装管理装置コントローラー62は、通信部68を介して実装検査処理装置20や検査管理サーバ80などの外部機器へ情報を出力したり、ディスプレイ77に表示データを出力したりする。また、この実装管理装置コントローラー62は、実装検査処理装置20や検査管理サーバ80などの外部機器から通信部68を介して情報を受信したり、入力装置78から信号を入力したりする。
また、実装管理サーバ60は、実装管理装置コントローラー62の機能ブロック63として、情報取得部64や、情報出力部65、表示制御部部66を備える。情報取得部64は、実装機21で実装エラーで廃棄された部品の種別及び部品数を含む実装廃棄情報73を取得し、検査装置40での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報74を取得する処理を行う機能を有している。情報出力部65は、実装廃棄情報73に含まれる実装エラーで廃棄された部品の種別及び部品数と、検査廃棄情報74に含まれる廃棄された部品の種別及び部品数とを含む生産結果情報72を出力する処理を実行する機能を有している。表示制御部部66は、ディスプレイ77に表示画面を表示出力する機能を有しており、例えば、生産結果情報72に基づいて、実装エラーで廃棄された部品の種別及び部品数を表示する実装廃棄数表示欄と、検査結果に基づいて廃棄された部品の種別及び部品数を表示する検査廃棄数表示欄と、を含む生産結果情報画面をディスプレイ77に表示出力する。
通信部68は、ネットワークなどに接続された外部機器との情報のやりとりを行うインターフェイスとして構成されており、LAN11へ情報を送信すると共に、LAN11から情報を受信する。
記憶部70は、例えばHDDなど大容量のメモリーであり、各実装検査処理装置20の実装機21ごとに設定されている実装処理条件情報71や、生産により廃棄された部品の情報である実装廃棄情報73、検査廃棄情報74を含む生産結果情報72、各検査装置40での検査結果の情報を含む検査結果情報75などが記憶されている。実装処理条件情報71は、複数の実装検査処理装置20の各々の実装機21に用いられる各々の実装処理条件情報24を格納したデータベースである。この実装処理条件情報71は、実装処理条件情報24と同様に、各実装機21での実装条件として、部品の種別、部品のサイズ、部品の取出位置(装置上のXY座標)、部品の配置位置(装置上のXY座標)、部品を運ぶ際の移動速度などを含む移動条件などの情報が各実装機21に対応付けられて格納されている。
生産結果情報72は、図4に示すように、実装エラーで廃棄された部品の種別及び部品数を含む実装廃棄情報73と、検査処理後に廃棄された部品の種別及び部品数とを含む検査廃棄情報74とを含む。実装廃棄情報73は、各々の実装検査処理装置20の各々の実装機21ごとの実装処理で廃棄された部品の種別と、部品数とを対応付けた情報である。この実装廃棄情報73には、実装廃棄情報25と同様に、部品の吸着エラーにより廃棄された吸着エラー部品数や、吸着時に不良部品と判定されて廃棄された不良部品数、吸着エラー部品数と不良部品数との和である実装廃棄部品数などの情報が格納されている。検査廃棄情報74は、各々の実装検査処理装置20の各々の検査装置40ごとでの検査処理後に廃棄された部品の種別と、部品数とを対応付けた情報である。この検査廃棄情報74には、検査廃棄情報44と同様に、基板に実装された部品のうち一部を修復することにより廃棄された一部修復廃棄部品数や、基板自体を廃棄することにより廃棄された基板廃棄部品数、一部修復廃棄部品数と基板廃棄部品数との和である検査廃棄部品数などの情報が格納されている。また、検査廃棄情報74には、配置されているはずの部品が配置されていないことが検査処理後の目視確認により確認された欠品部品数なども格納されている。
検査結果情報75は、各々の実装検査処理装置20の各々の検査装置40ごとでの検査処理の結果を格納したデータベースである。この検査結果情報75は、検査結果情報45と同様に、検査実施日時の情報や、検査処理で異常有りと判定された検査不合格基板数、作業者の目視確認に基づく、該当する基板が異常なかった基板数である異常無基板数、該当する基板を一部修復した一部修復基板数、該当する基板を廃棄処理した廃棄基板数などの情報が各検査装置40に対応付けられて格納されている。
検査管理サーバ80は、複数の検査装置40を管理するサーバとして構成されており、図5に示すように、装置全体の制御を司る検査管理装置コントローラー82と、本発明の検査管理装置の機能を有する機能ブロック83と、実装検査処理装置20や実装管理サーバ60など外部機器と通信を行う通信部88と、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する記憶部90と、各種情報を表示するディスプレイ97と、作業者が各種指令を入力するキーボード及びマウス等の入力装置98とを備えている。
検査管理装置コントローラー82は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムなどを記憶したフラッシュメモリーと、一時的にデータを記憶するRAMと、を備えている。この検査管理サーバ80は、ディスプレイ97に表示されたカーソル等をユーザーが入力装置98を介して入力操作するとその入力操作に応じた動作を実行する機能を有する。この検査管理装置コントローラー82は、記憶部90やディスプレイ97、入力装置98、通信部88などにバス89によって電気的に接続されている。この検査管理サーバ80は、インストールされたプログラムにより検査装置40に対して検査処理を指令したり検査装置40の情報を表示したりする。検査管理装置コントローラー82は、通信部88を介して検査装置40や実装管理サーバ60などの外部機器へ情報を出力したり、ディスプレイ97に表示データを出力したりする。また、この検査管理装置コントローラー82は、検査装置40や実装管理サーバ60などの外部機器から通信部88を介して情報を受信したり、入力装置98から信号を入力したりする。
また、検査管理サーバ80は、検査管理装置コントローラー82の機能ブロック83として、判定取得部84や、送信部85、表示制御部86を備える。判定取得部84は、検査装置40が異常有りと判定した基板に対して、検査結果に応じて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報93を取得する処理を実行する機能を有している。この判定取得部84は、作業者の目視確認に基づき入力された情報が、異常なしである情報、一部修復した情報、及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報であるかを判定し、この判定結果に基づいて、検査廃棄情報93を取得する処理を実行する。送信部85は、検査廃棄情報93を実装管理サーバ60へ送信する処理を実行する機能を有している。表示制御部86は、ディスプレイ97に表示画面を表示出力する機能を有しており、例えば、検査装置40での検査処理の対象である部品に関連する部品に対して検査対象情報92を用いた自動選択処理を伴った選択画面をディスプレイ97に表示出力する。
通信部88は、ネットワークなどに接続された外部機器との情報のやりとりを行うインターフェイスとして構成されており、LAN11へ情報を送信すると共に、LAN11から情報を受信する。
記憶部90は、例えばHDDなど大容量のメモリーであり、図6に示すように、基板上に実装された部品の検査処理の実行時に用いられ各検査装置40ごとに設定された検査条件情報91や、各検査装置40ごとの検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報93、各々の検査装置40の検査結果を含む検査結果情報94などが記憶されている。検査条件情報91には、各検査装置40での検査条件として、例えば、検査ユニット50の撮像条件や、撮像部51を移動させる移動部52の移動条件などが格納されている。また、検査条件情報91には、各検査装置40が担当する検査領域(XY座標)や、部品の種別、部品の配置位置(XY座標)、部品の個数、部品の形状データ、部品のサイズなどの情報が検査対象情報92として格納されている。検査廃棄情報93は、検査廃棄情報74と同じであり、検査結果情報94は、検査結果情報75の内容と同じであるから、その説明を省略する。
なお、上述した機能ブロックはソフトウエアをコントローラーが実行することにより実現するものとしてもよいし回路などによりハードウエア的に実現するものとしてもよい。
ここで、実装検査処理装置20により部品が実装される基板について説明する。図7は、実装されるボード13の一例を表す説明図である。このパネル12は、複数のボード13を含んでいる。ボード13には、例えば、所定の検査装置40が実装検査を行う検査範囲14に実装される部品15や、この部品15の上部を覆うように実装されるカバー部品16、カバー部品16に密接接して実装される部品17などが含まれる。例えば、部品15や部品17は、カバー部品16の実装処理によりその実装状態が影響を受けることがあることから、部品15や部品17は、カバー部品16に関連する部品であるといえる。また、検査範囲14に部品15及びカバー部品16が含まれ、部品17が含まれない場合、部品17は、検査装置40の検査対象である部品に関連する部品とすることができる。
次に、こうして構成された本実施形態の部品実装システム10の動作、まず、実装検査処理装置20の実装機21が基板に部品を実装する実装処理について説明する。図8は、実装機21の実装機コントローラー22が実行する実装処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、実装機21の記憶部23に記憶され、作業者の開始指示により実行される。このルーチンが開始されると、実装機21の実装機コントローラー22は、まず、実装処理条件情報24を読み出して実装条件を取得し(ステップS100)、基板の搬送及び固定処理を実行する(ステップS110)。次に、実装処理条件情報24に格納された部品の取出位置、配置位置、移動条件などの実装条件に基づき、基板上に配置する部品の取出位置にノズルヘッド35を移動させ、吸着ノズル36に負圧を供給して部品を吸着する(ステップS120)。次に、吸着異常による部品の廃棄があるか否かを判定し(ステップS130)、吸着異常により部品を廃棄したときには、廃棄した部品の種別及び部品数を吸着エラー部品数として実装廃棄情報25に記憶させ、実装管理サーバ60へこの実装廃棄情報25を送信し(ステップS210)、ステップS120以降の処理を実行する。なお、部品の吸着異常があるときには、数回リトライし、それでも吸着できない場合にはその部品を廃棄して次の部品に移るものとする。また、実装廃棄情報25を受けた実装管理サーバ60は、実装廃棄情報25の内容により実装廃棄情報73を更新する。一方、ステップS130で、吸着異常による部品の廃棄がないとき、即ち部品を吸着できたときには、吸着した部品の画像を撮像部38から取得し(ステップS140)、画像に基づいて部品に異常があるか否かを判定する(ステップS150)。部品の異常は、例えば、予め用意したその部品の判定用画像と撮像画像とのマッチングにより判定することができる。部品に異常があるときには、吸着した部品を廃棄し(ステップS220)、廃棄した部品の種別及び部品数を不良部品数として実装廃棄情報25に記憶させ、実装管理サーバ60へこの実装廃棄情報25を送信し(ステップS230)、ステップS120以降の処理を実行する。この実装廃棄情報25を受けた実装管理サーバ60は、実装廃棄情報25の内容により実装廃棄情報73を更新する。一方、ステップS150で部品に異常がないときには、吸着した部品を基板に配置し(ステップS160)、消費部品数を記憶し、この消費部品数を実装管理サーバ60へ送信する(ステップS170)。これを受けた実装管理サーバ60は、受信した消費部品数により生産結果情報72を更新する。続いて、実装機コントローラー22は、現基板の実装処理が完了したか否かを判定し(ステップS180)、現基板の実装処理が完了していないときには、ステップS120以降の処理を繰り返し実行する。一方、現基板の実装処理が完了したときには、生産完了したか否かを判定し(ステップS190)、生産完了していないときには、ステップS110以降の処理を繰り返し実行する。一方、生産完了したときには、現在の実装完了した基板を排出し(ステップS200)、このルーチンを終了する。このように、吸着エラー部品数や不良部品数などの実装廃棄情報25及び生産結果情報72(実装廃棄情報73、図4参照)を更新しながら実装処理を繰り返し実行する。
次に、実装検査処理装置20の検査装置40で一部の部品が実装された基板を検査する検査処理について説明する。図9は、検査装置40の検査機コントローラー41により実行される検査処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、検査装置40の記憶部42に記憶され、前段の実装処理が終了した基板が搬送されると実行される。このルーチンが開始されると、検査装置40の検査機コントローラー41は、まず、検査条件情報43を読み出して検査条件(検査範囲など)を取得し(ステップS300)、基板の搬送及び固定処理を実行する(ステップS310)。次に、検査条件情報43に格納された部品の実装位置、撮像条件などの検査条件に基づき、基板上に配置する部品を撮影可能な位置に撮像部51を移動させ、検査範囲にある基板上に実装された部品の画像を取得する(ステップS320)。次に、実装された部品の実装状態に異常があるか否かを判定する(ステップS330)。実装状態の異常の判定は、正常な実装状態の画像データである判定用画像と、撮影した該当部品の画像とのマッチングにより行うことができる。ステップS330で実装状態に異常がないときには、検査処理が完了したか否かを判定し(ステップS360)、検査処理が完了していないときには、ステップS310以降の処理を繰り返し実行する。即ち、基板を搬送し、検査範囲に含まれる部品を撮像し、実装状態の検査を繰り返し行う。一方、ステップS330で、実装された部品の実装状態に異常があるときには、基板に実装された部品に異常がある旨の異常表示画面を表示部47に表示し(ステップS340)、検査不合格基板数を1つ加算して検査結果情報45に記憶し、検査管理サーバ80へこの検査結果情報45を送信する(ステップS350)。この検査結果情報45を受けた検査管理サーバ80は、検査結果情報45の内容によって、該当する検査装置40の検査結果情報94を更新する。このとき、検査機コントローラー41は、例えば、作業者から異常表示画面上に配置された確認キーの入力があるまで待機する。また、作業者は、検査処理で異常と判定された基板を実装検査処理装置20の実装ラインから取り出し、この確認キーの入力を行うと共に、この基板の目視確認内容を入力する作業などを行う。本実施形態では、基板の目視確認内容の入力は、検査装置40や検査管理サーバ80で行うことができるものとするが、検査管理サーバ80で行う場合について以下説明する。さて、異常表示画面で確認の入力がなされると、検査機コントローラー41は、ステップS360以降の処理を実行し、ステップS360ですべての基板の検査が完了したときには、検査した基板を排出し(ステップS370)、このルーチンを終了する。このように、検査結果情報45(検査結果情報94、図6参照)を更新しながら、検査処理を行う。
次に、基板の目視確認内容を入力する処理について説明する。ここでは、検査管理サーバ80で目視確認内容を入力する場合について説明する。図10は、検査管理サーバ80の検査管理装置コントローラー82により実行される検査廃棄数管理処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、検査管理サーバ80の記憶部90に記憶され、作業者により目視確認内容の入力処理開始が指示されたあと実行される。このルーチンが開始されると、検査管理装置コントローラー82は、廃棄部品表示選択画面をディスプレイ97に表示させる(ステップS400)。
図11は、ディスプレイ97に表示される廃棄部品表示選択画面100の一例を示す説明図である。廃棄部品表示選択画面100は、検査処理の結果に基づいて廃棄した部品の種別及び部品数を入力する画面であり、その画面データは、記憶部90に記憶されている。廃棄部品表示選択画面100には、入力位置の指定や入力内容の確定に用いられるカーソル101が表示されている。廃棄部品表示選択画面100には、目視確認した結果を入力する目視確認結果選択欄102や、廃棄した部品の指定方法を選択したり、廃棄した部品を選択する選択画面108、選択した廃棄対象の部品を確定する確定入力キー113、指定した内容をキャンセルするキャンセルキー114などが配置されている。目視確認結果選択欄102には、異常無入力キー103や、基板廃棄入力キー104、一部廃棄入力キー105、欠品入力キー106、手動入力キー107などが配置されている。異常無入力キー103は、例えば、基板の実装状態が許容範囲である際に押下(クリック)されるキーであり、これが押下されると廃棄部品はない旨の入力となる。基板廃棄入力キー104は、基板全体を廃棄した際に押下されるキーであり、これが押下されると、この検査装置40までに実装されたすべての部品が廃棄された旨の入力となる。一部廃棄入力キー105は、一部の部品(ここでは検査対象の部品)を修正のため廃棄し、その他の部品は廃棄しないときに押下されるキーであり、これが押下されるとこの検査装置40の検査対象の部品が廃棄された旨の入力となる。欠品入力キー106は、実装されたはずであるが欠品になっている部品がある際に押下されるキーであり、これが押下されると、基板表示部109に表示された部品を個別に指定することができるように設定されている。手動入力キー107は、手動で作業者が廃棄する部品を指定する際に押下されるキーであり、これが押下されると、基板表示部109に表示された部品を個別に指定することができるように設定されている。
選択画面108には、マージン内部品選択キー110や、検査対象部品選択キー111、エリア指定キー112などのキーや、基板と部品との関係を模式的に表す基板表示部109などが配置されている。マージン内部品選択キー110は、手動入力キー107が押下された状態で押下可能になるキーであり、これが押下されると、第1画面としての基板表示部109で1つの部品が押下(入力)されると所定のマージン領域内に含まれる部品が自動選択される処理(以下マージン選択とも称する)が実行される。検査対象部品選択キー111は、手動入力キー107が押下された状態で押下可能になるキーであり、これが押下されると、検査対象の部品が自動選択される処理(以下検査対象選択とも称する)が実行される。エリア指定キー112は、手動入力キー107が押下された状態で押下可能になるキーであり、これが押下されると、入力装置98の操作により基板表示部109の基板上でエリア指定された領域に含まれる部品が自動選択される処理(以下、エリア指定とも称する)が実行される。基板表示部109は、実装している基板に部品が実装された状態を表示する画面であり、検査対象情報92に格納された各部品の配置位置、配置される部品種別、その部品の画像データなどに基づいて作成される。基板表示部109では、基板表示部109に表示されている部品を個別に押下すると、押下された部品が廃棄対象として指定されると共に、この部品の表示態様が変化するよう設定されている。なお、廃棄部品表示選択画面100に配置された各キーは、押下されると押下状態が維持され、且つ表示態様(例えば色など)が変化し、更に押下されると、押下状態が解除され表示態様が元に戻るように設定されている。
さて、ステップS400で廃棄部品表示選択画面100を表示したあと、検査管理装置コントローラー82は、目視確認結果を目視確認結果選択欄102への入力内容に基づいて取得し(ステップS410)、手動入力が選択されたか否かを判定する(ステップS420)。この判定は、手動入力キー107が押下されたか否かに基づいて行うものとする。手動入力が入力されたときには、詳しくは後述する手動入力処理を実行し(ステップS430)、更新した検査廃棄情報93及び検査結果情報94を実装管理サーバ60へ送信し(ステップS510)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS420で手動入力が入力されていないときには、目視確認結果はいずれであるかを判定する(ステップS440)。ここでは、異常無入力キー103が押下されると異常なしの情報が入力されたと判定し、基板廃棄入力キー104が押下されると基板を廃棄した情報が入力されたと判定し、一部廃棄入力キー105が押下されると一部部品を廃棄した情報が入力されたと判定するものとする。また、それぞれの廃棄した情報が検査結果情報94に格納されるものとする。また、欠品入力キー106が押下されると欠品が生じている情報が入力されたと判定するものとする。なお、作業者は、目視確認の内容が、例えば、部品の実装状態が許容できるものであり実装状態に異常がないと判断できるときには、異常無入力キー103を押下し、基板自体を廃棄したときには、基板廃棄入力キー104を押下し、基板に実装されている部品の一部(この検査装置40の検査対象の部品)のみを修復したときには、一部廃棄入力キー105を押下する。また、作業者は、欠品を確認したときには、欠品入力キー106を押下し、上記いずれでもなく廃棄した部品を個別に選択するときには、手動入力キー107を押下する。ステップS440で異常なしの情報が入力されたと判定したときには、廃棄された部品はないものとして検査結果情報94の異常無基板数を更新すると共に、検査廃棄情報93及び検査結果情報94を実装管理サーバ60へ送信し(ステップS510)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS440で基板廃棄の情報が入力されたと判定したときには、検査対象情報92に基づいて、検査時の基板に実装されたすべての部品を廃棄対象に選択し(ステップS450)、廃棄対象を基板廃棄部品として記憶する(ステップS460)。即ち、検査時の基板に実装されたすべての部品の種別及び個数などを検査装置40に対応づけて検査廃棄情報93に格納する(図6参照)。このとき、一部修復廃棄部品数と基板廃棄部品数との和により検査廃棄部品数も更新する。また、検査結果情報94の廃棄基板数についても更新する。図12は、基板廃棄時の廃棄部品表示選択画面100の説明図である。図12に示すように、基板廃棄入力キー104が押下されると、検査時の基板に実装されたすべての部品が選択された基板表示部109が表示され、部品を個別指定することなく自動で、検査時の基板に実装されたすべての部品を廃棄したものとして検査廃棄情報93に記憶される。そして、検査廃棄情報93及び検査結果情報94を実装管理サーバ60へ送信し(ステップS510)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS440で一部廃棄の情報が入力されたと判定したときには、検査対象情報92に基づいて、検査対象のすべての部品を廃棄対象に選択し(ステップS470)、廃棄対象を一部修復廃棄部品として記憶する(ステップS480)。即ち、検査対象のすべての部品の種別及び個数などを検査装置40に対応づけて一部修復廃棄部品として検査廃棄情報93に格納する(図6参照)。このとき、一部修復廃棄部品数と基板廃棄部品数との和により検査廃棄部品数も更新する。また、検査結果情報94の一部修復基板数についても更新する。図13は、一部廃棄時の廃棄部品表示選択画面100の説明図である。図13に示すように、一部廃棄入力キー105が押下されると、検査対象のすべての部品が選択された基板表示部109が表示され、部品を個別指定することなく自動で、検査対象のすべての部品を廃棄したものとして検査廃棄情報93に記憶される。そして、検査廃棄情報93及び検査結果情報94を実装管理サーバ60へ送信し(ステップS510)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS440で欠品の情報が入力されたと判定したときには、基板表示部109上に表示されている部品を押下することにより手動入力された部品を廃棄対象に選択し(ステップS490)、廃棄対象を欠品部品として記憶する(ステップS500)。そして、検査廃棄情報93及び検査結果情報94を実装管理サーバ60へ送信し(ステップS510)、このルーチンを終了する。このように、基板に異常が検出されたあと、作業者の目視確認を行い、基板廃棄したときや、一部廃棄したときなどに、廃棄された部品の種別及び部品数を管理することができる。
続いて、廃棄した部品を手動入力するステップS430の処理について説明する。図14は、検査管理装置コントローラー82により実行される手動入力処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンが開始されると、検査管理装置コントローラー82は、入力方法を取得し(ステップS600)、取得した入力方法を判定する(ステップS610)。入力方法の取得は、例えば、廃棄部品表示選択画面100の選択画面108のうち、マージン内部品選択キー110、検査対象部品選択キー111及びエリア指定キー112のいずれが押下されたかに基づいて行うことができる。また、マージン内部品選択キー110が押下されるとマージン選択が入力されたと判定し、検査対象部品選択キー111が押下されると検査対象選択が入力されたと判定し、エリア指定キー112が押下されるとエリア指定が入力されたと判定し、いずれもが押下されていないときには個別選択が入力されたものとする。
ステップS610でマージン選択が入力されたときには、第1画面としての基板表示部109に表示されているいずれかの部品が選択されたか否かを判定する(ステップS620)。部品が選択されていないときには、そのまま待機し、部品が選択されたときには、検査対象情報92及び、予め設定されたマージン領域を用い、選択された部品に対して所定のマージン領域に含まれる部品を廃棄対象に自動選択する処理を実行する(ステップS630)。ここでは、マージン領域は、検査範囲よりも小さい所定の矩形領域に設定されている。続いて、選択した部品を廃棄対象として表示させる(ステップS680)。図15は、マージン選択時の廃棄部品表示選択画面100の説明図である。図15に示すように、手動入力キー107を押下した状態でマージン内部品選択キー110を押下したのち、基板表示部109に表示されているいずれかの部品が押下されると、その部品を中心として、予め定められたマージン領域115に含まれる部品を自動選択し、表示態様(例えば色)を変化した部品画像を表示する(図15下段参照)。なお、このマージン選択が繰り返し行われた場合は、現在表示されている画面が第1画面に相当し、部品を選択してマージン選択されたものが選択画面に相当する。
一方、ステップS610で検査対象選択が入力されたときには、検査対象情報92を用い、検査対象の部品の種別及び配置位置を取得し、検査対象部品を廃棄対象に自動選択する処理を実行する(ステップS640)。図16は、検査対象選択時の廃棄部品表示選択画面100の説明図である。図15に示すように、手動入力キー107を押下した状態で検査対象部品選択キー111が押下されると、検査対象部品を自動選択し、表示態様(例えば色)を変化した部品画像を表示する(図16下段参照)。なお、一部廃棄入力キー105が押下されたときには、検査対象部品が廃棄部品に確定され、他の部品を個別選択することはできないが、検査対象部品選択キー111の押下では、その後、他の部品を作業者の操作により個別選択することができる(ステップS670参照)。
一方、ステップS610でエリア指定が入力されたときには、基板表示部109に表示されているいずれかのエリアが指定されたか否かを判定する(ステップS650)。エリアの指定は、例えば、基板表示部109上の異なる2点を押下により指定すると、その指定点に対角マーカが表示され、その2点を対角とする矩形領域が指定されるものとする。エリア指定されていないときには、そのまま待機し、エリア指定されたときには、検査対象情報92を用い、指定されたエリアに含まれる部品を検索し、検索した部品を廃棄対象に自動選択する処理を実行する(ステップS660)。続いて、選択した部品を廃棄対象として表示させる(ステップS680)。図17は、エリア指定時の廃棄部品表示選択画面100の説明図である。図17に示すように、手動入力キー107を押下した状態でエリア指定キー112を押下したのち、基板表示部109上の任意の点が指定されると対角マーカ116を表示し、2点指定した時点で、その2点を対角とする矩形領域を指定エリア117として指定する。そして、指定エリア117に含まれる部品を自動選択し、表示態様(例えば色)を変化した部品画像を表示する(図17下段参照)。
一方、ステップS610で個別選択が入力されているときには、基板表示部109に表示した部品のいずれかが押下されると、その押下された部品を個別入力した廃棄対象に選択する(ステップS670)。続いて、選択した部品を廃棄対象として表示させる(ステップS680)。
ステップS680のあと、廃棄対象が確定したか否かを確定入力キー113が押下されたか否かに基づいて判定し(ステップS690)、廃棄対象が確定していないときには、ステップS600以降の処理を繰り返し実行する。即ち、入力方法を判定し、それに応じた自動選択又は個別選択処理を繰り返す。ここでは、選択画面108の各キーを切り替えることにより、マージン選択を行ったのちにエリア指定を行うこともできるし、検査対象選択を行ったのちに個別選択を行うこともできる。なお、廃棄対象は選択処理の繰り返しによって増加していくが、キャンセルキー114が押下されるとすべてクリアされるものとする。一方、ステップS690で廃棄対象が確定したときには、選択された廃棄対象の部品を一部修復廃棄部品として検査廃棄情報93に記憶し(ステップS700)、更に、検査結果情報94の一部修復基板数を更新し、このルーチンを終了する。即ち、自動選択を伴う手動入力処理で廃棄対象として確定した部品の種別及び部品数を検査廃棄情報93へ記憶させるのである。例えば、作業者が個別の部品の実装状態に応じて基板を一部修復したときなどに手動入力処理が実行され、自動選択処理によって廃棄部品の選択がより容易になるのである。そして、上述した検査廃棄数管理処理ルーチンのステップS510で、上記更新された検査廃棄情報93及び検査結果情報94が実装管理サーバ60へ送信され、これを受信した実装管理サーバ60が検査廃棄情報74及び検査結果情報75を更新する。
最後に、作業者により確認される生産結果情報の表示画面を表示出力する処理について説明する。ここでは、生産結果情報72に格納された情報を実装管理サーバ60で画面表示する処理について説明する。図18は、実装管理サーバ60の実装管理装置コントローラー62により実行される生産結果情報表示処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、実装管理サーバ60の記憶部70に記憶され、作業者により特定の実装検査処理装置20の生産結果情報を表示処理する指示がなされたあと実行される。このルーチンが開始されると、実装管理装置コントローラー62は、生産結果情報72を読み出し、指定された実装検査処理装置20の実装廃棄情報73を生産結果情報72から取得し(ステップS800)、指定された実装検査処理装置20の検査廃棄情報74を生産結果情報72から取得し(ステップS810)、総廃棄数を計算する(ステップS820)。総廃棄数は、例えば、各部品種別ごとに、実装廃棄部品数と検査廃棄部品数との和を計算することにより求めることができる。続いて、生産結果情報表示画面を作成し(ステップS830)、作成した生産結果情報表示画面を表示出力し(ステップS840)、このルーチンを終了する。
図19は、ディスプレイ77に表示される生産結果情報表示画面120の一例を示す説明図である。生産結果情報表示画面120は、実装機21で廃棄された部品の実装廃棄情報73、及び検査装置40での検査処理のあと廃棄された部品の情報である検査廃棄情報74に含まれる廃棄部品の種別と部品数とを対応づけて表示する画面である。この生産結果情報表示画面120には、実装エラーで廃棄された部品数の情報を含む実装廃棄情報表示欄122と、検査結果に基づいて廃棄された部品の情報を含む検査廃棄情報表示欄126とを含む。また、生産結果情報表示画面120には、欠品である部品の情報を含む欠品情報表示欄130と、各部品ごとにおいて実装エラーで廃棄された部品数と検査結果に基づいて廃棄された部品数との和である総廃棄数を表示する総廃棄情報表示欄132と、消費した部品数を表示する消費部品数表示欄133と、次ページが存在する際に表示される次ページ入力キー134と、を含む。実装廃棄情報表示欄122には、吸着エラー部品数を表示する吸着エラー部品数表示欄123や、不良部品数を表示する不良部品数表示欄124、これらの合計である実装廃棄部品数を表示する実装廃棄数表示欄125などが含まれている。また、検査廃棄情報表示欄126には、一部修復廃棄部品数を表示する一部修復廃棄部品数表示欄127や、基板廃棄部品数を表示する基板廃棄部品数表示欄128、これらの合計である検査廃棄数を表示する検査廃棄数表示欄129などが含まれている。
作業者は、この生産結果情報表示画面120の内容を確認することにより、実装処理で廃棄された部品や、実装処理では実装状態がよかったものが検査処理後に実装状態に異常が発生するものなどを把握することができ、部品の廃棄状況をより具体的に把握することができる。特に、検査装置40による検査結果のみを管理する場合、検査装置40による検査処理によりエラー検出された基板に実装された部品が、その後どのように廃棄されているかまでは把握することができない。この電子部品実装システム10では、実装廃棄情報のほか、検査処理及び目視確認のあと廃棄された部品の種別や部品数を検査廃棄情報として管理するため、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の実装機21が本発明の実装処理装置に相当し、検査装置40が検査装置に相当し、実装管理サーバ60が実装管理装置に相当し、検査管理サーバ80が検査管理装置に相当し、電子部品実装システム10が実装システムに相当する。また、本実施形態の情報取得部64が本発明の情報取得手段に相当し、情報出力部65が情報出力手段に相当し、表示制御部部66が表示制御手段に相当し、ディスプレイ77が表示手段に相当する。また、本実施形態の実装廃棄情報73が実装廃棄情報に相当し、検査廃棄情報74が検査廃棄情報に相当し、検査結果情報75が検査結果情報に相当し、生産結果情報72が生産結果情報に相当する。また、実装廃棄数表示欄125が実装廃棄数表示欄に相当し、検査廃棄数表示欄129が検査廃棄数表示欄に相当し、総廃棄情報表示欄132が総廃棄数表示欄に相当し、生産結果情報表示画面120が生産結果情報画面に相当する。更に、本実施形態の入力装置98が本発明の入力手段に相当し、判定取得部84が判定取得手段に相当し、送信部85が送信手段に相当し、表示制御部86が表示制御手段に相当し、ディスプレイ97が表示手段に相当し、記憶部90が検査記憶手段に相当する。また、検査対象情報92が検査対象情報に相当し、廃棄部品表示選択画面100が選択画面に相当する。なお、本実施形態では、実装管理サーバ60、検査管理サーバ80の動作を説明することにより、本発明の実装管理方法、検査管理方法の一例も明らかにしている。
以上説明した実装管理サーバ60によれば、実装機21で実装エラーとなった部品の種別及び部品数を含む実装廃棄情報73を取得し、検査装置40での検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報74を取得し、取得した実装廃棄情報73に含まれる実装エラーとなった部品の種別及び部品数と、取得した検査廃棄情報74に含まれる廃棄された部品の種別及び部品数とを含む生産結果情報72を生産結果情報表示画面120として表示出力する。このように、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理し、その情報を提供することができるため、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。また、検査管理サーバ80から検査廃棄情報93を取得するため、より確実に検査廃棄情報を取得することができ、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。更に、実装廃棄数表示欄125と検査廃棄数表示欄129とを含む生産結果情報表示画面120を表示出力するため、実装エラーの部品の情報と、検査で廃棄された部品の情報とを把握しやすい。更にまた、総廃棄情報表示欄132を含む生産結果情報表示画面120を表示出力するため、全体での廃棄数を把握しやすい。
また、以上説明した検査管理サーバ80によれば、検査装置40が異常有りと判定した基板に対して、作業者の目視確認に基づき入力された情報が、異常なしである情報、一部修復した情報、及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報であるかを判定し、判定結果に基づいて検査廃棄情報93を更新し、更新した検査廃棄情報93を実装管理サーバ60へ送信するため、実装管理サーバ60で検査廃棄情報を取り扱うことができ、廃棄された部品の管理をより適切に行うことができる。また、入力された情報が異常なしの情報であるときには廃棄された部品はないものと判定し、入力された情報が一部修復した情報であるときには検査装置40の検査対象の部品が廃棄されたものと判定し、入力された情報が基板を廃棄処理した情報であるときには検査装置40での検査時の基板に実装された部品が廃棄されたものと判定するため、比較的簡単な処理で検査廃棄情報を取得することができ、ひいては廃棄された部品の管理をより適切に行いやすい。更に、検査装置40での検査処理の対象部品に対して自動選択処理を伴った廃棄部品表示選択画面100を表示し、入力された部品の種別及び部品数を廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報93として実装管理サーバ60に送信するため、自動選択処理を伴った選択画面により、廃棄された部品の管理をより行いやすい。更にまた、自動選択処理としてマージン選択が実行されるため、いずれかの部品を選択すれば他の部品が候補として選択されるから、廃棄された部品の選択がしやすく、廃棄された部品の管理をより行いやすい。そして、自動選択処理として検査対象選択が実行されるため、検査処理の対象である部品が候補として選択されるから、廃棄された部品の選択がしやすく廃棄された部品の管理をより行いやすい。そしてまた、自動選択処理としてエリア指定が実行されるからエリア指定することにより廃棄された部品の選択がしやすく廃棄された部品の管理をより行いやすい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、検査管理サーバ80から検査廃棄情報を受信して取得するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、実装管理サーバ60の入力装置78を作業者が操作して検査廃棄情報を入力して取得するものとしてもよい。こうしても、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理することができる。
上述した実施形態では、検査管理サーバ80で、作業者の目視確認に基づき入力された情報が異常なしである情報、一部修復した情報及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報であるかを判定するものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、検査装置40が異常有りと判定した基板に対して、作業者の目視確認に基づき入力された、異常なしである情報、一部修復した情報及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれか1つを含む検査結果情報94を実装管理サーバ60へ送信し、これを受信した実装管理サーバ60が、検査結果情報94に含まれる情報に基づいて検査廃棄情報74を更新するものとしてもよい。このとき、実装管理サーバ60は、受信した検査結果情報94に含まれる情報が、異常なしの情報であるときには廃棄された部品はないものと判定し、一部修復した情報であるときには検査装置40の検査対象の部品が廃棄されたものと判定し、基板を廃棄処理した情報であるときには検査装置40での検査時の基板に実装された部品が廃棄されたものと判定し、判定結果に基づいて検査廃棄情報74を更新するものとしてもよい。こうしても、検査廃棄情報74を取得することができ、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理することができる。
上述した実施形態では、検査結果情報94の一部修復した情報に基づき、検査装置40が担当する検査対象の部品が廃棄されたと判定するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、検査対象に関連する部品まで含めて廃棄されたと判定するものとしてもよい。例えば、カバー部品16を廃棄する場合、密接する部品17も影響されて外れることがあるから、検査対象ではない部品17も廃棄部品に含めるものとしてもよい。こうしても、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理することができる。なお、「関連する部品」としては、その部品の近傍に配置される部品や、その部品に密接する部品を含むものとしてもよい。
上述した実施形態では、実装廃棄数表示欄125と検査廃棄数表示欄129と総廃棄情報表示欄132とを含む生産結果情報表示画面120を表示するものとしたが、実装処理で廃棄された部品の情報と検査処理で廃棄された部品の情報とを提示することができれば、特にこれに限定されず、総廃棄情報表示欄132を省略してもよいし、これらのうち1以上を省略してもよい。
上述した実施形態では、検査対象情報を用いた自動選択処理を伴った廃棄部品表示選択画面100を表示するものとしたが、特にこれに限定されず、自動選択処理を伴った選択画面を表示することを省略してもよい。例えば、マージン選択、検査対象選択及びエリア指定のうち1以上を省略してもよいし、すべてを省略してもよい。この場合であっても、検査廃棄情報74を有するものとすれば、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理することができる。
あるいは、上述した実施形態では、検査結果情報94に含まれる、作業者の目視確認に基づき入力された情報が異常なしである情報、一部修復した情報及び基板を廃棄処理した情報のうちいずれかの情報に基づいて、検査処理後に廃棄した部品の種別及び部品数を判定するものとしたが、これを省略してもよい。例えば、異常なしである情報、一部修復した情報及び基板を廃棄処理した情報のうち1以上を省略してもよいし、すべてを省略してもよい。この場合であっても、検査廃棄情報74を有するものとすれば、実装処理で廃棄された部品の種類及び数と、検査処理後に廃棄された部品の種類及び数とを集計して管理することができる。
上述した実施形態では、検査管理サーバ80で検査処理後に廃棄された部品の情報(検査廃棄情報93)を入力するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、検査装置40で検査廃棄情報を入力するものとしてもよいし、実装管理サーバ60で検査廃棄情報を入力するものとしてもよいし、その他の情報端末(PC)でで検査廃棄情報を入力するものとしてもよい。最終的に、実装エラーで廃棄された部品の種別及び部品数を含む実装廃棄情報を取得し、検査結果に基づいて実際に廃棄された部品の種別及び部品数を含む検査廃棄情報を取得することができれば、特に入力する装置は限定されない。
上述した実施形態では、LAN11で実装検査処理装置20と接続されたサーバーとして構成された実装管理サーバ60や検査管理サーバ80としたが、特にこれに限定されず、検査管理サーバ80の機能を、実装管理サーバ60に内蔵するものとしてもよいし、実装検査処理装置20に内蔵するものとしてもよい。また、実装管理サーバ60の機能を、検査管理サーバ80に内蔵するものとしてもよいし、実装検査処理装置20に内蔵するものとしてもよい。
上述した実施形態では、目視確認結果選択欄102や選択画面108を有する廃棄部品表示選択画面100により、目視結果を入力するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、目視確認結果選択欄102を省略してもよいし、選択画面108を省略してもよい。また、基板表示部109に配置された部品を押下することにより、廃棄対象として選択できるものとしたが、特にこれに限定されず、基板表示部109を省略してもよい。また、手動入力キー107を押下したのち、マージン内部品選択キー110や検査対象部品選択キー111、エリア指定キー112を押下して部品の選択を行うものとしたが、廃棄された部品を指定することができれば、特にこれに限定されない。
上述した実施形態では、本発明の実装管理装置としての実装管理サーバ60や、本発明の検査管理装置としての検査管理サーバ80として説明したが、特にこれに限定されず、実装管理方法やそのプログラムの形態や、検査管理方法やそのプログラムの形態としてもよい。