JP2017037523A - 操作パネル、およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

操作パネル、およびそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】搭載先の装置の動作に伴う背景振動にかかわらず、検知した接触に対する応答振動をユーザーに確実に感知させることが可能な操作パネルを提供する。【解決手段】タッチパネル(170)は操作画面の表示領域(172)を含み、外部の物体によるその表示領域への接触を検知する。振動生成部(51)はその表示領域に対して振動を加える。振動記憶部(52)は、MFP(100)の動作に伴う背景振動のスペクトル(BVS)を記憶している。応答制御部(532)はタッチパネルによる接触の検知に応じ、MFPが待機中と動作中とのいずれであるかを確認して振動生成部に、その装置が待機中である場合には第1スペクトルを示す応答振動を、MFPが動作中である場合には第2スペクトルを示す応答振動を表示領域に対して加えさせる。それら2種類のスペクトル間での振幅の差が背景振動のスペクトルに基づいて表示領域の固有振動数ごとに設定される。【選択図】図4

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に、この装置の操作パネルに組み込まれたタッチパネルに、検知した接触に対して振動で応答させる技術に関する。
タッチパネルは今や、電気機器の操作には不可欠の入力装置として定着しつつある。実際、いずれの銀行の現金自動預払機(ATM)にも、いずれの駅の自動券売機にも、タッチパネルは標準装備されている。爆発的な普及を遂げたスマートフォンとタブレット端末とのいずれにおいても、タッチパネルは標準の入力装置である。近年では更に家電製品の中にも、操作パネルにタッチパネルが組み込まれた機種が多く登場している。
このようにタッチパネルが普及したのは、それがユーザーに与える操作感の良さに因るところが大きい。タッチパネルを使えばユーザーは、操作画面に表示されたアイコン、仮想ボタン等のグラフィックユーザーインターフェース(GUI)部品(以下、「ガジェット」という。)に直接触れて、それらを操作することができる。すなわち、ユーザーはキーボードもマウスも扱う必要がない。したがって、これらの扱いには不慣れなユーザーもガジェットの操作に戸惑う事態には陥りにくい。このような操作のわかりやすさから、タッチパネルがユーザーに与える操作感は良い。
この操作感を更に向上させる工夫としては、たとえばタッチパネルに、検知した接触に対して光または音で応答させる技術が知られている。具体的には、タッチパネルがユーザーの指等の接触を検知したことに応じて、ディスプレイにガジェットの色、形、輝度等の形態を変化させ、またはスピーカーに電子音を発生させる。このような視覚的または聴覚的な応答からユーザーはタッチパネルへの接触に対する「手応え」(「クリック感」、「フィードバック」ともいう。)を感じる。すなわち、その接触による操作が装置に受け付けられたことをユーザーに納得させることができる。
近年、このフィードバックの効果を更に高める技術として、フォースフィードバック(FFB)機能を実装したタッチパネルが開発されている(たとえば、特許文献1−5参照)。「FFB機能」とは、タッチパネルによる接触の検知に応じてタッチパネル(特にユーザーが接触可能なその表面)を振動させる機能をいう。この振動(以下、「応答振動」と呼ぶ。)によりユーザーに、仮想ボタン等に触れたときの手応えを、あたかも機械的ボタンを押下したときの手応えのように錯覚させることが可能である。応答振動は触覚的な応答であるので、子供、高齢者等、ガジェットの形態変化または電子音の感知を比較的不得手とするユーザーにも十分に感知させることができる。
特開2012−176640号公報 特開2012−038289号公報 特開2011−113461号公報 特開2008−217237号公報 特開2006−040005号公報
タッチパネルの利用は、カーオーディオ、カーナビゲーションシステム等の車載用電子機器、プリンター、コピー機等の画像形成装置、産業用ロボット等の工作機械にも及んでいる。これらの装置を操作する際にユーザーは通常、タッチパネルだけを見続けるわけにはいかない。また、これらの装置の動作音または環境雑音は一般に大きいので、電子音はユーザーには聞き取りにくい。したがって、これらの装置に搭載されたタッチパネルがユーザーに与える操作感を向上させるには、FFB機能をこれらのタッチパネルへ実装することが望ましい。
しかし、車載用電子機器、画像形成装置、工作機械等は自身の動作、または自動車等、自身が組み込まれたシステムの動作が大きな振動を伴う。したがって、この振動(以下、「背景振動」という。)が存在する状況下においてFFB機能によるタッチパネルの応答振動をユーザーに確実に感知させる技術が必要である。
従来の技術としてはたとえば、特許文献1に開示された車載用タッチパネルにおけるものが知られている。この技術はタッチパネルに、車の走行に伴う車体の振動を検出させ、この振動の振幅の増大に合わせて応答振動を増幅させる。
しかし、この技術では応答振動を生成する際に背景振動の検出動作が不可欠である。したがって、タッチパネルによる接触の検知とそれに対する応答振動の出力との間に遅れが生じることは避けられず、かつその遅れのばらつきを抑えることが難しい。この遅れとそのばらつきとにかかわらず、応答振動をユーザーに確実に感知させるには、背景振動に応じて応答振動をどのように増幅すればよいか。それは、当業者にとっても決して自明ではない。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に搭載先の装置の動作に伴う背景振動にかかわらず、検知した接触に対する応答振動をユーザーに確実に感知させることが可能な操作パネルを提供することにある。
本発明の1つの観点における操作パネルは、動作に振動を伴う装置に搭載され、その装置の操作画面を表示してその操作画面に対するユーザーの操作を受け付ける操作パネルであり、その操作画面の表示領域を含み、外部の物体によるその表示領域への接触を検知するタッチパネルと、その表示領域に対して振動を加える振動生成部と、搭載先の装置の動作に伴う振動のスペクトルを背景振動のスペクトルとして記憶している振動記憶部と、タッチパネルが接触を検知したことに応じて搭載先の装置が待機中と動作中とのいずれであるかを確認して振動生成部に、その装置が待機中である場合には第1スペクトルを示す振動を、その装置が動作中である場合には第2スペクトルを示す振動を、それぞれその接触への応答として表示領域に対して加えさせる応答制御部とを備えている。この応答制御部は、第1スペクトルと第2スペクトルとの間での振動レベルの差または比を、背景振動のスペクトルに基づいて表示領域の固有振動数ごとに設定する。
応答制御部は、背景振動のスペクトルが含む振動数成分のうち少なくともいずれかの振動レベルを、第1スペクトルが含む同じ振動数成分の振動レベルに加算し、得られた和を第2スペクトルが含む同じ振動数成分の振動レベルに設定してもよい。
応答制御部は、背景振動のスペクトルが含まない振動数成分を第1スペクトルに追加したスペクトルを第2スペクトルとして設定してもよい。
振動記憶部は更に、搭載先の装置が一連の動作を開始した時点から終了した時点までの間に背景振動のスペクトルに生じる経時的変化を記憶していてもよい。応答制御部は、搭載先の装置が一連の動作を開始した時点からの経過時間を計測し、タッチパネルが接触を検知した時点におけるその経過時間の計測値から、第2スペクトルの設定に利用すべき背景振動のスペクトルを決定してもよい。具体的には、搭載先の装置が画像形成装置であってもよい。この場合、振動記憶部が記憶している背景振動のスペクトルの経時的変化は、その画像形成装置がシートを1枚印刷する間の経時的変化を示してもよい。
振動記憶部は背景振動のスペクトルを搭載先の装置の動作モードごとに記憶していてもよい。応答制御部は、タッチパネルが接触を検知したときにその装置が動作中である場合にはその装置の動作モードを識別し、その動作モードに応じて、第2スペクトルの設定に利用すべき背景振動のスペクトルを決定してもよい。具体的には、搭載先の装置が複合機であってもよい。この場合、振動記憶部は背景振動のスペクトルを、スキャンモード、コピーモード、およびプリントモードのそれぞれに対して別々に記憶していてもよい。
操作画面は、振動生成部に生成させるべき振動に関する設定画面を含んでいてもよい。応答制御部は、その設定画面に対するユーザーの操作に従って第2スペクトルを補正してもよい。具体的には、応答制御部による第2スペクトルの補正は、振動レベルの増加もしくは減少、または振動レベルに対する上限もしくは下限の設定を含んでいてもよい。
上記の操作パネルは、搭載先の装置の通算の動作時間を監視する監視部を更に備えていてもよい。応答制御部は、監視部の示す通算の動作時間に応じて背景振動のスペクトルを補正してもよい。具体的には、搭載先の装置が画像形成装置であってもよい。この場合、監視部は通算の動作時間を、その画像形成装置が処理したシートの通算の枚数またはその画像形成装置が消費したトナーもしくはインクの通算の量から見積もってもよい。
本発明の1つの観点による画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、その画像形成部に対する操作画面を表示してその操作画面に対するユーザーの操作を受け付ける上記の操作パネルとを備えている。
本発明による上記の操作パネルでは、応答制御部が背景振動のスペクトルに基づいて第1スペクトルと第2スペクトルとの間での応答振動のレベルの差または比を操作画面の表示領域の固有振動数ごとに設定する。これにより、背景振動に応答振動を重畳する前と重畳した後とでの振動の違いをユーザーが確実に感知することができるように、第2スペクトルを設定することができる。こうしてこの操作パネルは、搭載先の装置の動作に伴う背景振動にかかわらず、検知した接触に対する応答振動をユーザーに確実に感知させることができる。
さらに、振動記憶部が背景振動のスペクトルを記憶しているので、それに基づく第2スペクトルの設定に必要な処理時間が、背景振動のスペクトルを実測する場合よりも短縮する。その結果、タッチパネルによる接触の検知とそれに対する応答振動の出力との間の遅れが減少し、かつその遅れのばらつきが抑えられるので、上記の振動の違いをユーザーに更に確実に感知させることができる。
(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置の外観を示す斜視図であり、(b)は、この画像形成装置に実装されたタッチパネルの分解斜視図である。 (a)は、図1の(a)が示す自動原稿送り装置とスキャナーとの、直線II−IIに沿った断面図であり、(b)は、図1の(a)が示すプリンターの内部構造を模式的に示す正面図である。 図1の(a)が示す画像形成装置の電子制御系統の構成を示すブロック図である。 図1が示す操作パネルの機能ブロック図である。 (a)は、図1の(b)が示すタッチパネルの固有振動モード(m=1−3,n=1−3)の節曲線の一覧表であり、(b)は、固有振動モード(m,n)=(1,1)、(1,2)、(2,1)の振動形を表す模式図であり、(c)は、(b)が示す各固有振動モードでの振動波形のグラフであり、(d)は、タッチパネルに実際に生じる振動波形のグラフであり、(e)は、図4が示す振動記憶部に記憶された背景振動のスペクトルを表すテーブルである。 背景振動のスペクトルに基づいて応答振動のスペクトルを変形する第1の方法を示すグラフである。 背景振動のスペクトルに基づいて応答振動のスペクトルを変形する第2の方法を示すグラフである。 タッチパネルによるFFB処理のフローチャートである。 図8の示すステップS107において応答振動のスペクトルを、図6が示す第1の方法で変形するサブルーチンのフローチャートである。 図8の示すステップS107において応答振動のスペクトルを、図7が示す第2の方法で変形するサブルーチンのフローチャートである。 (a)は、画像形成装置がシートを1枚コピーする間に背景振動の振動数成分の1つに生じる経時的変化を表すグラフであり、(b)は、振動記憶部に記憶された背景振動のスペクトルの経時的変化を表す固有振動モードと振幅別の持続時間との対応表である。 図9の示す処理に対し、ユーザーの嗜好に合わせて応答振動の振幅を増減する処理を追加したサブルーチンのフローチャートである。 図9の示す処理に対し、第2スペクトルの振動レベルをリミットする処理を追加したサブルーチンのフローチャートである。 (a)は、画像形成装置が処理したシートの通算の枚数と経年係数との間の相関関係を表すグラフであり、(b)は、その経年係数を用いた背景振動のスペクトルの補正のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置の外観]
図1の(a)は、本発明の実施形態による画像形成装置の外観を示す斜視図である。この画像形成装置100は胴内排紙型の複合機(multi-function peripheral:MFP)であり、スキャナー、カラーコピー機、およびカラーレーザープリンターの機能を併せ持つ。図1の(a)を参照するに、このMFP100の筐体の上面には自動原稿送り装置(auto document feeder:ADF)110が開閉可能に装着されている。ADF110の直下に位置する筐体の上部にはスキャナー120が内蔵され、下部にはプリンター130が内蔵され、更にその底部には複数段の給紙カセット140が引き出し可能に取り付けられている。スキャナー120とプリンター130との間には隙間GAPが開けられ、その中に排紙トレイ150が配置されている。この隙間GAPの奥には排紙口131が設置され、そこから排紙トレイ150へシートが排紙される。隙間GAPの横に位置する筐体の前面部分には操作パネル160が取り付けられている。操作パネル160の前面にはタッチパネル170が埋め込まれ、その周囲に各種の機械的な押しボタン161が配置されている。タッチパネル170は、操作画面、各種情報の入力画面等のGUI画面を表示し、そのGUI画面が含むアイコン、仮想ボタン、メニュー、ツールバー等のガジェットを通してユーザーの入力操作を受け付ける。
[タッチパネルの構造]
図1の(b)は、図1の(a)が示すタッチパネル170の分解斜視図である。図1の(b)を参照するに、タッチパネル170は、液晶ディスプレイ(LCD)171、タッチパッド172、カバー173、および圧電アクチュエーター174が積層された構造を含む。
LCD171は、制御回路基板175からフレキシブル印刷回路基板(FPC)176を通して印加される電圧に応じ、バックライトの一様な光を画素単位で変調する。これにより画面の輝度が画素単位で変化して、その画面に画像が表示される。
タッチパッド172はLCD171の画面上に積層され、たとえば抵抗膜方式の構造を含む。具体的には、透明なガラス等から成る基板の上面を酸化インジウムスズ(ITO)等から成る透明な導電膜が覆い、更にその上にスペーサーを間に挟んで別の透明な導電膜が拡がっている。2枚の導電膜はケーブル177を通して外部の電子回路に接続され、その回路から交互に電流の供給を受ける。このとき、ユーザーの指がタッチパネル170に接触すると、その接触部分では上側の導電膜が凹んで下側の導電膜と短絡するので、電流の供給を受けていない方の導電膜の電位が変化する。この電位の変化からその指の接触が検出され、さらにその変化量から接触点の座標が算定される。
カバー173はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂から成る透明なフィルムであり、タッチパッド172の上面を覆って外部の塵埃および水分から保護する。
圧電アクチュエーター174はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電体から成る帯状の薄膜部材であり、たとえばタッチパッド172の周縁部にタッチパッド172の周に沿って複数枚(図1の(b)では2枚)接着されている。圧電アクチュエーター174は外部から電圧が印加されると変形し(たとえば長手方向に伸び)、その電圧が除去されると元の形(たとえば元の長さ)へ戻る。したがって、その電圧の印加が周期的に繰り返されれば、その周波数に等しい振動数で圧電アクチュエーター174は振動する。
[ADFの構造]
図2の(a)は、図1の(a)が示すADF110の、直線II−IIに沿った断面図である。図2の(a)を参照するに、ADF110は、給紙トレイ111の上から原稿DC0を1枚ずつ給紙ローラー11Aで給紙口113の中へ取り込み、搬送ローラー群11B−11Gで給紙口113から搬送経路に沿って排紙口115まで送り、排紙ローラー11Hで排紙口115から排出する。排紙口115から排出された原稿DC2は排紙トレイ112に収容される。原稿はこの搬送経路を通過する間に、ADF110の底面ではスキャナー120からの照射光によって表面を走査され、ADF110の内部では裏面スキャナー116からの照射光によって裏面を走査される。
[スキャナーの構造]
図2の(a)はまた、図1の(a)が示すスキャナー120の、直線II−IIに沿った断面図を含む。図2の(a)を参照するに、スキャナー120の上面に開けられたスリットを塞ぐコンタクトガラス121が、ADF110の底面に露出した原稿の搬送経路の一部に面している。スキャナー120はこのコンタクトガラス121を通して、この搬送経路の一部を通過する原稿の表面に光を照射し、その反射光を検出する。スキャナー120の上面ではまたプラテンガラス122が、コンタクトガラス121の塞ぐスリットとは別の開口部を塞いでいる。スキャナー120はこのプラテンガラス122を通して、その上に載せられた原稿の表面に光を照射し、その反射光を検出する。
スキャナー120の内部にはスライダー123が、コンタクトガラス121の直下からプラテンガラス122の端までの間を往復運動可能に設置されている。スライダー123はその上面からコンタクトガラス121またはプラテンガラス122を通して線光源128の光を原稿の表面へ照射する。スライダー123は更に、その原稿の表面で反射されて上面から入射した光をミラー129で1対のミラー124とレンズ125とへ向けて反射する。この反射光をこれらの光学素子124、125は集束させて、その光量をラインセンサー126に検出させる。この光量は原稿の表面の色(正確には光反射率)に応じて変化するので、この光量の検出に応じてラインセンサー126から出力される電気信号は、原稿の表面に表示された画像を表す。同様に、裏面スキャナー116から出力される電気信号は原稿の裏面に表示された画像を表す。これらの電気信号は画像処理部127によって画像データに変換され、プリンター130または外部の電子機器へ出力される。
[プリンターの構造]
図2の(b)は、プリンター130の構造を模式的に示す正面図である。図2の(b)にはプリンター130の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。図2の(b)を参照するに、プリンター130は電子写真式のカラープリンターすなわちカラーレザープリンターであり、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。これらは協働してMFP100の画像形成部として機能し、画像データに基づいてシートに画像を形成する。
給送部10は搬送ローラー群12P、12F、12R、13、14、15を利用して給紙カセット11または手差しトレイ16からシートSHTを1枚ずつ作像部20へ給送する。シートSHTの材質はたとえば紙または樹脂であり、紙種はたとえば、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズはたとえば、A3、A4、A5、またはB4である。
作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上にトナー像を形成する。具体的には、4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21Kのそれぞれがまず、露光部26からのレーザー光を利用して感光体ドラム25Y、25M、25C、25Kの表面を画像データに基づいたパターンで露光し、その表面に静電潜像を作成する。各作像ユニット21Y、…は次にその静電潜像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色のトナーで現像する。得られた4色のトナー像は1次転写ローラー22Y、22M、22C、22Kと感光体ドラム25Y、…との間の電界によって感光体ドラム25Y、…の表面から順番に中間転写ベルト23の表面上の同じ位置へ転写される。こうしてその位置に1つのカラートナー像が構成される。このカラートナー像は更に中間転写ベルト23と2次転写ローラー24との間の電界により、両者23、24の間のニップへ通紙されたシートSH2の表面へ転写される。その後、シートSH2に分離電圧が印加されることによってそのシートSH2が2次転写ローラー24から剥がされ、定着部30へ送り出される。
定着部30は、作像部20から送り出されたシートSH2の上にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着ローラー31と加圧ローラー32との間のニップへそのシートSH2が通紙されるとき、定着ローラー31はそのシートSH2の表面へ内蔵のヒーターの熱を加え、加圧ローラー32はそのシートSH2の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナー像がそのシートSH2の表面上に定着する。その後、定着部30はこのシートSH2を上部からガイド板41に沿って排紙口42へ送り出す。
排紙部40は、定着部30から送り出されたシートSH2を、排紙ローラー43によって排紙口42から排出し、排紙トレイ46に収容する。
[画像形成装置の電子制御系統]
図3は、MFP100の電子制御系統の構成を示すブロック図である。図3を参照するにこの系統では、画像形成部すなわちプリンター130、操作部50、画像入力部60、および主制御部70がバス80を通して互いに通信可能に接続されている。
−操作部−
操作部50は、操作パネル160等、MFP100に実装された入力装置(UI)の全体であり、ユーザーの操作を受け付けて解釈し、主制御部70へ通知する。特に操作パネル160はタッチパネル170に加え、振動生成部51、振動記憶部52、制御部53、および表示部54を含む。振動生成部51は、図1の(b)が示す圧電アクチュエーター174とその駆動回路との組み合わせであり、圧電アクチュエーター174を駆動してタッチパネル170、特にそれが含む操作画面の表示領域に対して振動を加える。振動記憶部52は、EEPROM、フラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性半導体メモリー装置、ハードディスクドライブ(HDD)、またはソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶装置であり、ADF110、スキャナー120、およびプリンター130の動作に伴う振動のスペクトルを背景振動のスペクトルとして記憶している。制御部53は、マイクロプロセッサ(MPU/CPU)、ASIC、FPGA等の集積回路で構成されている。制御部53は、図1の(b)が示すタッチパッド172、または図1の(a)が示す押しボタン161を通してユーザーの入力操作を受け付けて解釈し、その解釈に基づいてその入力操作に関する情報(以下、「操作情報」という。)を生成して主制御部70へ送信する。表示部54は、図1の(b)が示すLCD171、制御回路基板175、およびFPC176と、それらに画像データを適切な態様で提供する信号処理回路(DSP)との組み合わせである。表示部54は主制御部70からの指示に応じて操作画面等のGUI画面の画像データを処理することにより、そのGUI画面をタッチパネル170の表示領域に再現する。
−画像入力部−
画像入力部60は、図2の(a)が示すADF110とスキャナー120とに加えて、メモリーインタフェース(I/F)61とネットワーク(LAN)I/F62とを含む。メモリーI/F61は、USBポート、メモリーカードスロット等の映像入力端子を通して、USBメモリー、SSD、HDD等の外付けの記憶装置から印刷対象の画像データを読み込み、またはそれらの記憶装置へスキャナー120で取り込んだ画像データを書き出す。LANI/F62は外部のLANに有線または無線で接続され、そのLAN上の電子機器から印刷対象の画像データを取得し、またはその電子機器へスキャナー120で取り込んだ画像データを送出する。
−主制御部−
主制御部70は、MFP100の内部に設置された1枚の印刷回路基板に実装された集積回路である。図3を参照するに主制御部70は、CPU71、RAM72、およびROM73を含む。CPU71は1つのMPUで構成され、各種ファームウェアを実行することにより、他の要素10、20、…、50、60に対する制御主体としての多様な機能を実現する。たとえばCPU71は操作部50に操作画面等のGUI画面を表示させてユーザーの入力操作を受け付けさせる。この入力操作に応じてCPU71は、稼動モード、待機モード、スリープモード等、MFP100の動作モードを決定し、その動作モードに応じた処理を各要素10−60に指示する。RAM72は、DRAM、SRAM等の揮発性半導体メモリー装置であり、CPU71がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU71に提供すると共に、操作部50が受け付けた印刷対象の画像データを保存する。ROM73は書き込み不可の不揮発性記憶装置と書き換え可能な不揮発性記憶装置との組み合わせで構成されている。前者はファームウェアを格納し、後者は、EEPROM、フラッシュメモリー、SSD等の半導体メモリー装置、またはHDDを含み、CPU71に環境変数等の保存領域を提供する。
[操作パネルの機能]
図4は操作パネル160の機能ブロック図である。図4を参照するにタッチパネル170はマルチタッチ対応の4線抵抗膜方式である。具体的には、このタッチパネル170は図1の(b)が示す要素、すなわちLCD171、タッチパッド172等に加えて、タイミング制御部431、電圧/電流監視部432、アナログ−デジタル(AD)変換部433、マルチタッチ判定部434、測距部435、および座標算定部436を更に含む。これらの要素431−436は電子回路のモジュール群であり、たとえば操作パネル160に内蔵の印刷回路基板に実装され、または単一の集積回路に組み込まれている。これらの要素431−436を利用してタッチパネル170はユーザーの指によるタッチパッド172への接触を検出し、その接触点の座標を算定する。
制御部53は、振動記憶部52またはそれとは別の不揮発性メモリー装置に格納されたファームウェアを実行することにより、ユーザー操作解釈部531、応答制御部532、および表示制御部533として機能する。ユーザー操作解釈部531は、タッチパッド172または押しボタン161が示すユーザーの入力操作を解釈して操作情報を生成する。応答制御部532はタッチパネル170にFFB機能を実現させる。具体的には、応答制御部532はタッチパネル170による接触の検知に応じて、振動生成部51に応答振動のスペクトルを指示する。この指示に従って振動生成部51が圧電アクチュエーター174を駆動することにより、タッチパッド172から応答振動が生成される。表示制御部533は、LCD171、制御回路基板175、およびFPC176に対するDSPとして機能する。すなわち、表示制御部533は主制御部70からの指示に従い、GUI画面の画像データを処理して制御回路基板175へ送出し、FPC176にその画像データでLCD171の各画素の輝度を変調させる。これにより、タッチパネル170の表示領域にはGUI画面が再現される。
通信部440は制御部53をバス80へ通信可能に接続し、このバス80を通して主制御部70から指示、画像データ等を受け取って制御部53へ渡すと共に、制御部53の生成した操作情報等を主制御部70へ伝達する。
−タッチパネルによる接触の検知−
タッチパッド172は2枚の透明な矩形状の導電膜(たとえばITOの薄膜)401、402を含む。これらの導電膜401、402は一定の間隔を空けて平行に重ねられている。上側の導電膜401は各短辺に沿って第1電極421と第2電極422とを含み、かつ長辺方向(図4ではX軸方向)の電気抵抗率が一定である。下側の導電膜402は各長辺に沿って第3電極423と第4電極424とを含み、かつ短辺方向(図4ではY軸方向)の電気抵抗率が一定である。いずれの電極421−424もケーブル177によって電圧/電流監視部432に接続されている。
タイミング制御部431は内蔵のクロックを利用して一定の周波数(たとえば数十kHz)のタイミング信号TSを生成して電圧/電流監視部432へ供給する。電圧/電流監視部432はこのタイミング信号TSに同期して次の動作(1)、(2)を交互に繰り返す。(1)第1電極421と第2電極422との間にバイアス電圧を印加してそれらの間の電流量を監視すると共に、第3電極423と第4電極424とをハイインピーダンス(すなわち、各導電膜401、402の全体での抵抗値よりも十分に高い抵抗値)に保ってそれらの電位を監視する。(2)第3電極423と第4電極424との間にバイアス電圧を印加してそれらの間の電流量を監視すると共に、第1電極421と第2電極422とをハイインピーダンスに保ってそれらの電位を監視する。AD変換部433は電圧/電流監視部432によって測定された電位と電流量とのアナログ値をデジタル値に変換する。
マルチタッチ判定部434は、AD変換部433から出力されるデジタルの電流量を監視し、その電流量が基準値を超えていればマルチタッチの検出を座標算定部436へ通知する。この基準値は、電圧/電流監視部432が動作(1)を行う期間では、2枚の導電膜401、402が高々1点でしか短絡していない場合における第1電極421と第2電極422との間の電流量を表し、動作(2)を行う期間では、同じ場合における第3電極423と第4電極424との間の電流量を表す。2枚の導電膜401、402が2点以上で短絡した場合、それらの短絡点間では電流が両方の導電膜401、402を並列に流れる。したがって、導電膜401、402間の短絡が高々1点である場合よりも、動作(1)の期間では第1電極421と第2電極422との間の抵抗値が降下し、動作(2)の期間では第3電極423と第4電極424との間の抵抗値が降下する。その結果、各電極対421−422、423−424間の電流量が基準値を超える。それ故、この超過は、導電膜401、402間の短絡が2点以上であること、すなわちマルチタッチを意味する。
測距部435は、AD変換部433から出力されるデジタルの電流量を監視し、その電流量から、2枚の導電膜401、402間の短絡が2点であるとした場合におけるそれら2点間の距離を見積もる。上記のとおり、2枚の導電膜401、402間の短絡が2点以上である場合は高々1点である場合よりも、動作(1)の期間では第1電極421と第2電極422との間の抵抗値が降下し、動作(2)の期間では第3電極423と第4電極424との間の抵抗値が降下する。このとき、各抵抗値の降下量は実質上、2枚の導電膜401、402間の短絡が2点であるとした場合におけるそれら2点間の距離で決まる。この関係を利用して測距部435はこの距離を、各電極対421−422、423−424間の電流量と基準値との間の差から推定する。
座標算定部436は、AD変換部433から出力される各電極421、…、424の電位のデジタル値を監視し、それらの電位から、ユーザーの指がタッチパネル170に接触した位置の座標を次のように算定する。
電圧/電流監視部432が動作(1)を行う期間では第1電極421と第2電極422との間のバイアス電圧と一定の電気抵抗率とにより、上側の導電膜401の長辺方向(X軸方向)に一定の電位勾配が生じる。この状態で上側の導電膜401が下側の導電膜402とある範囲内で短絡した場合、第3電極423と第4電極424とがハイインピーダンスに保たれているので、いずれの電極423、424も短絡範囲の中心点と電位が実質的に一致する。この中心点の電位は、第1電極421からこの中心点までの間の抵抗とこの中心点から第2電極422までの間の抵抗とによる分圧比で決まる。第1電極421と第2電極422との間(X軸方向)の電位勾配は一定であるので、この分圧比はこの中心点による第1電極421から第2電極422までの距離の内分比、すなわち第1電極421からこの中心点までの距離とこの中心点から第2電極422までの距離との比に等しい。
したがって、座標算定部436はまず、第3電極423または第4電極424における電位の変化を検出し、この変化後の電位、第1電極421または第2電極422の電位、およびそれらの間のバイアス電圧から短絡範囲の中心点による分圧比を求める。座標算定部436は次に、この分圧比からこの中心点と第1電極421または第2電極422との間の距離を導電膜401、402の長辺方向におけるこの中心点の座標(図4ではX座標)として算定する。マルチタッチ判定部434の出力がマルチタッチの検出を示していない場合、座標算定部436はこの中心点の座標を導電膜401、402の長辺方向における接触点の座標(X座標)として出力する。一方、マルチタッチ判定部434の出力がマルチタッチの検出を示している場合、座標算定部436はこの中心点の座標に、測距部435から出力される距離の半値を加えた値と、その座標からその半値を除いた値とを、導電膜401、402の長辺方向における2つの接触点の座標(X座標)として出力する。
電圧/電流監視部432が動作(2)を行う期間では第3電極423と第4電極424との間のバイアス電圧と一定の電気抵抗率とにより、下側の導電膜402の短辺方向(Y軸方向)に一定の電位勾配が生じる。一方、第1電極421と第2電極422とがハイインピーダンスに保たれているので、いずれの電極421、422も短絡範囲の中心点と電位が実質的に一致する。この中心点の電位は、第3電極423からこの中心点までの間の抵抗とこの中心点から第4電極424までの間の抵抗とによる分圧比で決まり、この分圧比はこの中心点による第3電極423と第4電極424との間の距離の内分比に等しい。
したがって、座標算定部436はまず、第1電極421または第2電極422における電位の変化を検出し、この変化後の電位、第3電極423または第4電極424の電位、およびそれらの間のバイアス電圧から短絡範囲の中心点による分圧比を求める。座標算定部436は次に、この分圧比からこの中心点と第3電極423または第4電極424との間の距離を求める。座標算定部436は更に、マルチタッチ判定部434の出力がマルチタッチの検出を示しているか否かに応じて、この距離そのもの、またはこの距離と測距部435から出力される距離の半値との和および差を、導電膜401、402の短辺方向における接触点の座標(Y座標)として出力する。
−ユーザー操作の解釈−
ユーザー操作解釈部531は、座標算定部436から受信した接触点の座標をGUI画面が含む、仮想ボタン、メニューの項目等のガジェットの座標と照合して、それらの中からユーザーの操作対象を推定する。ユーザー操作解釈部531は更に接触点の座標の継時的変化から、タップ、フリック、スライド、ローテーション等のジェスチャーの種類を識別し、この種類と操作対象のガジェットとに基づいて、ユーザーのジェスチャーが指標する入力操作を解釈する。ユーザー操作解釈部531はまた、操作パネル160上の各種の押しボタン161が押下されたか否かを監視し、いずれかの押しボタン161が押下された場合にそのボタンを識別し、印刷の開始、停止等、そのボタンに対応付けられた処理を解釈する。こうして得られた解釈に基づき、ユーザー操作解釈部531は操作情報を生成して主制御部70へ通知する。
−背景振動のスペクトルの記憶−
振動記憶部52に記憶された背景振動のスペクトルBVSは、ADF110、スキャナー120、またはプリンター130の動作中、それに伴う背景振動のスペクトルを表す。背景振動はMFP100の筐体等を通して操作パネル160に伝わり、タッチパネル170、より正確にはタッチパッド172に対して加えられる。このとき、タッチパッド172は背景振動の含む振動数成分のうち、自身の固有振動数と一致する成分に共振する。したがって、背景振動のスペクトルBVSは、タッチパッド172の固有振動数別の振動レベル、たとえば振動強度(媒質の加速度)の組み合わせで表現される。
図5の(a)はタッチパッド172の固有振動モード(m=1−3,n=1−3)の節曲線の一覧表である。図5の(a)では、各矩形がタッチパッド172の輪郭を表し、白地の領域と斜線の領域との間の境界線が固有振動の節、すなわち振動レベルが定常的に“0”である箇所を表す。タッチパッド172はすべての辺がLCD171に固定されているので、図5の(a)が示すとおり、タッチパッド172の内側には節がその長辺または短辺に平行な直線として現れる。固有振動モードはそれらの節のうち、長辺に平行な本数に“1”を加えた値mと、短辺に平行な本数に“1”を加えた値nとの対(m,n)で識別され、一般にそれらの節の総数m+n−2が大きいほど固有振動数が高い。
図5の(b)は固有振動モード(m,n)=(1,1)、(1,2)、(2,1)の振動形を表す模式図であり、(c)は、各固有振動モードでの振動波形のグラフである。図5の(b)が示す曲線はタッチパッド172の表面の等高線を表す。この表面の高さの経時的変化に伴ってその表面内の1点が示す加速度αの経時的変化を、図5の(c)のグラフは表す。図5の(b)を参照するに、最低次の固有振動モード(m,n)=(1,1)ではタッチパッド172の内側に節が現れないので、その表面全体が同位相でその法線方向に振動し、その表面内の各点の高さが正弦波状に変化する。固有振動数が次に高い固有振動モード(m,n)=(1,2)、(2,1)ではタッチパッド172の内側に節が1本だけ現れ、この節を間に挟んで両側の表面部分が逆位相でその法線方向に振動する。すなわち、片側の表面部分が“山”状に膨らむときには逆側の表面部分が“谷”状に凹む。各表面部分内では各点の高さが同じ正弦波状に変化する。
図5の(d)は、タッチパッド172に実際に生じる振動波形のグラフである。図5の(d)を参照するに、実際の振動の波形はかなり複雑である。しかし、この振動は、図5の(a)の示す多様な固有振動モードの間で、図5の(c)の示す正弦波を様々な振幅Δαで重ね合わせたものである。したがって、タッチパッド172に実際に生じるどのような振動も固有振動モード(m,n)間での振幅Δαの組み合わせで表現される。
図5の(e)は、振動記憶部52に記憶された背景振動のスペクトルBVSを表すテーブルである。図5の(e)を参照するに背景振動のスペクトルBVSは、コピー、プリント、スキャン等、MFP100の動作モードごとにタッチパッド172の固有振動モード(m,n)間での振幅Δαbの組み合わせで表現されている。
MFP100の動作に伴う背景振動は、その動作モードごとに典型的なスペクトルを持つ。実際、プリントモードにおける背景振動は、1枚のシートを給紙カセット11から排紙トレイ150まで搬送する動作に伴う一連の決まった振動パターンが、シートの搬送間隔ずつ遅れて重なり合ったものである。スキャンモードにおける背景振動は、スキャナー120の含むスライダー123の往復運動に伴う一定の振動パターンに、それと同期してADF110が原稿を給紙トレイ111から排紙トレイ112まで搬送する動作に伴う別の決まった振動パターンが重なったものである。コピーモードにおける背景振動は、プリントモードにおける背景振動とスキャンモードにおける背景振動とが一定のタイミングで重なり合ったものである。このように、いずれの動作モードにおける背景振動も典型的なパターンが決まっているので、その典型的なスペクトルを予め製造段階において実験またはシミュレーションに基づいて決定することができる。この典型的なスペクトルが各動作モードにおける背景振動のスペクトルBVSとして振動記憶部52に格納されている。
−応答振動の生成(FFB)−
図4を参照するに、振動生成部51は駆動部410を含む。駆動部410は圧電アクチュエーター174の駆動回路であり、圧電アクチュエーター174に対して電圧を周期的に印加する。駆動部410は特にその電圧の波形のスペクトルを、応答制御部532から指示された応答振動のスペクトルに合わせる。これにより、圧電アクチュエーター174からタッチパッド172へ加えられる振動のスペクトルがその応答振動のスペクトルに実質的に一致する。
応答制御部532はこの応答振動のスペクトルを次のように設定する。応答制御部532はまずタッチパネル170による接触の検知を、ユーザー操作解釈部531が座標算定部436から接触点の座標を受信したことから察知する。この受信に応じてユーザー操作解釈部531が操作対象のガジェットを推定したとき、そのガジェットが振動での応答対象であるか否かを応答制御部532は判別する。振動での応答対象としては、仮想ボタン等、ガジェットに触れたときの手応えをユーザーに感じさせるべきものが選択される。操作対象のガジェットが振動での応答対象である場合、応答制御部532は主制御部70にアクセスして、MFP100が待機中と動作中とのいずれであるかを確認する。MFP100が待機中であれば応答制御部532は第1スペクトルを応答振動のスペクトルに設定する。第1スペクトルはたとえば、仮想ボタン、メニュー、ツールバー等、振動での応答対象のガジェットの種類ごとに、または、タップ、フリック、スライド等、ジェスチャーの種類ごとに異なるパターンを示す。一方、MFP100が動作中であれば、応答制御部532は主制御部70にアクセスしてMFP100の現時点での動作モードを確認し、その動作モードに基づいて、対応する背景振動のスペクトルBVSを振動記憶部52から検索する。この背景振動のスペクトルBVSに基づいて応答制御部532は、第1スペクトルを第2スペクトルに変形して応答振動のスペクトルに設定する。
応答制御部532はこのとき特に、第1スペクトルと第2スペクトルとの間での振動レベルの差または比をタッチパッド172の固有振動数ごとに設定する。この設定にはたとえば次の2つの方法(A)、(B)のいずれかが採用される。(A)背景振動のスペクトルBVSが含む振動数成分のうち少なくともいずれかの振動レベルを、第1スペクトルが含む同じ振動数成分の振動レベルに加算し、得られた和を第2スペクトルが含む同じ振動数成分の振動レベルに設定する。(B)背景振動のスペクトルBVSが含まない振動数成分を第1スペクトルに追加したスペクトルを第2スペクトルとして設定する。
<第1の方法(A)>
図6は第1の方法(A)を示すグラフである。図6を参照するに、応答振動の第1スペクトルにはタッチパッド172の固有振動モード(m,n)=(1,1)、(1,2)、(2,1)、…の別に振動強度αの振幅Δαr1が設定されている。これらの固有振動モード(m,n)間での振幅Δαr1の組み合わせが、振動での応答対象のガジェットの種類ごとに、またはジェスチャーの種類ごとに異なる。一方、背景振動のスペクトルBVSは、図5の(e)が示すとおり、それらの固有振動モード(m,n)の別に振動強度αの振幅Δαbを規定する。応答制御部532はこれらの振幅Δαr1、Δαbの和を固有振動モード別に求め、その和Δαr1+Δαbを第2スペクトルが含む、その固有振動モードと同じ振動数成分の振幅Δαr2に設定する:Δαr2=Δαr1+Δαb。
このように、第1の方法(A)は第1スペクトルと第2スペクトルとの間での振幅の差Δαr2−Δαr1を背景振動の振幅Δαbに等しく設定する。この場合、応答振動が背景振動に対して偶然に逆位相であったとしても、背景振動による相殺を受けた後の振幅が第1スペクトルの示す振幅Δαr1と同程度に留まる。
また、振動生成部51が応答振動を持続させる時間は数十ミリ秒−数百ミリ秒程度であり、いずれの動作モードにおける背景振動の典型的な持続時間、すなわち数秒−数十秒程度よりも短い。実際、プリントモードにおける背景振動の持続時間は短くとも、1枚のシートを給紙カセット11から排紙トレイ150まで搬送するのに要する時間に等しい。スキャンモードにおける背景振動の持続時間は短くとも、スキャナー120の含むスライダー123が1往復運動するのに要する時間に等しい。コピーモードにおける背景振動の持続時間はプリントモードにおける背景振動とスキャンモードにおける背景振動との持続時間の和に実質的に等しい。
したがって、操作画面に接触したユーザーの指には、接触直後の応答振動と背景振動との合成の振幅そのものよりも、その合成の振幅から応答振動の持続時間が経過した後の背景振動のみの振幅への変化が、応答振動の振幅として感じられる。すなわち、第2スペクトルの振幅Δαr2そのものではなく、それと背景振動のスペクトルのみの振幅Δαbとの差=第1スペクトルの振幅Δαr1がユーザーの指には感知される。
こうして、第1の方法(A)は応答振動をユーザーの指に、MFP100が動作中であってもその背景振動にかかわらず、待機中と変わらないように感じさせることができる。
<第2の方法(B)>
図7は第2の方法(B)を示すグラフである。図7を参照するに、背景振動のスペクトルBVSが規定する振動強度αの振幅Δαbは、タッチパッド172の固有振動モード(m,n)の少なくとも1つ(k,l)については閾値Δαth以下である。この閾値Δαthは、その背景振動のスペクトルBVSが規定する振幅Δαbの全体の中での最大値、平均値等、統計学的な代表値に対して十分に小さい値に設定されている。この場合、この背景振動のスペクトルBVSは、振幅Δαbが閾値Δαth以下である振動数成分を実質的に含まないと見なせる。このような閾値Δαthの設定は、MFP100のいずれの動作モードにおける背景振動のスペクトルについても可能である。
応答制御部532は、MFP100の動作モードの確認後にその動作モードにおける背景振動のスペクトルBVSを振動記憶部52から検索したとき、まず、この背景振動のスペクトルBVSが規定する振幅Δαbの中から閾値Δαth以下である固有振動モードを探し出す。応答制御部532は次に、探し出した固有振動モードのうち、同じ振動数成分を第1スペクトルが含むものの中から少なくとも1つ(k,l)を選択し、選択した固有振動モード(k,l)と同じ振動数成分を第1スペクトルに追加したスペクトルを第2スペクトルとして設定する。具体的には、応答制御部532はまず、第1スペクトルが含むその固有振動モード(k,l)と同じ振動数成分の振幅Δαr1を閾値Δαthよりも大きく増幅する:K×Δαr1>Δαth、増幅率K>1。応答制御部532は続いて増幅後の値を第2スペクトルが含む、その固有振動モードと同じ振動数成分の振幅Δαr2に設定する:Δαr2=K×Δαr1>Δαr1
このように、第2の方法(B)は、背景振動のスペクトルBVSが実質的に含まない振動数成分を第2スペクトルに持たせて、その振幅Δαr2を十分に大きく設定する。上記のとおり、応答振動の持続時間はいずれの動作モードにおける背景振動の典型的な持続時間よりも短い。したがって、操作画面に接触したユーザーの指には、接触直後の応答振動と背景振動との合成が含む振動数成分のうち、応答振動の持続時間が経過した後に除去された振動数成分が応答振動の振動数成分として感じられる。すなわち、第2の方法(B)が第2スペクトルに持たせた振動数成分は、応答振動としてユーザーの指に確実に伝わる。こうして、第2の方法(B)は応答振動をユーザーの指に、MFP100が動作中であってもその背景振動にかかわらず、明確に感知させることができる。
[タッチパネルによるFFB処理の流れ]
図8は、タッチパネル170によるFFB処理のフローチャートである。この処理は、表示部54が主制御部70からの指示に応じて操作画面等のGUI画面をタッチパネル170の表示領域に再現したときに開始され、そのGUI画面が表示されている期間中定期的に、たとえばLCD171の水平走査周期ごとに、すなわち数十kHzの周波数で繰り返される。
ステップS101では、応答制御部532はタッチパネル170がユーザーの指等の接触を検出したか否か、具体的にはユーザー操作解釈部531が座標算定部436から接触点の座標を受信したか否かを確認する。受信していれば処理がステップS102へ進み、受信していなければ処理が終了する。
ステップS102では、ユーザー操作解釈部531が座標算定部436から接触点の座標を受信している。したがって、応答制御部532は、この座標に基づいてユーザー操作解釈部531によって推定されたユーザーの操作対象のガジェットが振動での応答対象であるか否かを確認する。応答対象であれば処理がステップS103へ進み、応答対象でなければ処理が終了する。
ステップS103では、ユーザーの操作対象のガジェットが振動での応答対象であるので、応答制御部532はMFP100が動作中であるか否かを確認する。動作中でなければ処理がステップS104へ進み、動作中であれば処理がステップS105へ進む。
ステップS104では、MFP100が動作中ではないので待機中である。したがって応答制御部532は第1スペクトルを応答振動のスペクトルに設定する。その後、処理はステップS108へ進む。
ステップS105では、MFP100が動作中であるので、応答制御部532は主制御部70にアクセスしてMFP100の現時点での動作モードを確認する。その後、処理はステップS106へ進む。
ステップS106では、応答制御部532はステップS105で確認した動作モードに対応する背景振動のスペクトルBVSを振動記憶部52から検索する。その後、処理はステップS107へ進む。
ステップS107では、応答制御部532はステップS106で検索した背景振動のスペクトルBVSに基づいて第1スペクトルを第2スペクトルに変形し、応答振動のスペクトルに設定する。その後、処理はステップS108へ進む。
ステップS108では、応答制御部532はステップS104またはステップS107で設定した応答振動のスペクトルを振動生成部51の駆動部410に指示する。その後、処理は終了する。
−第1の方法(A)によるスペクトルの変形処理の流れ−
図9は、ステップS107において応答振動のスペクトルを第1の方法(A)で変形するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS111では、応答制御部532はタッチパッド172の固有振動モード(m,n)を固有振動数が低いものから順番に1つずつ選択する。その後、処理はステップS112へ進む。
ステップS112では、応答制御部532はまず、応答振動の第1スペクトルと、ステップS106で振動記憶部52から検索した背景振動のスペクトルBVSとから、ステップS111で選択した固有振動モード(m,n)と同じ振動数成分の振幅Δαr1、Δαbを抽出する。応答制御部532は次に、これらの振幅Δαr1、Δαbの和を求めて、その和Δαr1+Δαbを第2スペクトルが含む、その固有振動モードと同じ振動数成分の振幅Δαr2に設定する:Δαr2=Δαr1+Δαb。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS113では、応答制御部532は、ステップS111で選択した固有振動モード(m,n)の固有振動数が上限に達したか否かを確認する。この上限は、ユーザーの指が感知可能な範囲に設定されている。固有振動数が上限に達していなければ処理がステップS111から繰り返され、達していれば処理が図8の示すステップS108へ戻る。
−第2の方法(B)によるスペクトルの変形処理の流れ−
図10は、ステップS107において応答振動のスペクトルを第2の方法(B)で変形するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS121では、応答制御部532はタッチパッド172の固有振動モード(m,n)を固有振動数が低いものから順番に1つずつ選択する。その後、処理はステップS122へ進む。
ステップS122では、応答制御部532はまず、ステップS106で振動記憶部52から検索した背景振動のスペクトルBVSから、ステップS121で選択した固有振動モード(m,n)と同じ振動数成分の振幅Δαbを抽出し、それが閾値Δαth以下であるか否か確認する。閾値以下であれば処理がステップS123へ進み、閾値を超えていれば処理がステップS127へ進む。
ステップS123では、背景振動のスペクトルBVSから抽出された振幅Δαbが閾値Δαth以下であるので、ステップS121で選択した固有振動モード(m,n)と同じ振動数成分を第1スペクトルが含むか否かを応答制御部532は確認する。含んでいれば処理がステップS124へ進み、含んでいなければ処理がステップS127へ進む。
ステップS124では、ステップS121で選択した固有振動モード(m,n)と同じ振動数成分を第1スペクトルが含むので、応答制御部532は第1スペクトルからその振動数成分の振幅Δαr1を抽出し、それを増幅したときの値が閾値Δαthを超えるようにその増幅率K>1を設定する:K×Δαr1>Δαth。その後、処理はステップS125へ進む。
ステップS125では、応答制御部532は、ステップS124で増幅した後の値K×Δαr1を第2スペクトルが含む、ステップS121で選択した固有振動モード(m,n)と同じ振動数成分の振幅Δαr2に設定する:Δαr2=K×Δαr1。その後、処理はステップS126へ進む。
ステップS126では、ステップS125で設定した振幅Δαr2の数が上限に達したか否かを確認する。この上限は、第1スペクトルが含む振動数成分の総数以下に設定されている。振幅Δαr2の数が上限に達していなければ処理がステップS127へ進み、達していれば処理が図8の示すステップS108へ戻る。
ステップS127では、応答制御部532は、ステップS121で選択した固有振動モード(m,n)の固有振動数が上限に達したか否かを確認する。この上限は、ユーザーの指が感知可能な範囲に設定されている。固有振動数が上限に達していなければ処理がステップS121から繰り返され、達していれば処理が図8の示すステップS108へ戻る。
[実施形態の利点]
本発明の実施形態によるMFP100では上記のとおり、操作パネル160の応答制御部532が、振動記憶部52に記憶された背景振動のスペクトルBVSに基づき、第1スペクトルが示す応答振動の振幅Δαr1と第2スペクトルが示す応答振動の振幅Δαr2との差または比を操作画面の表示領域、すなわちタッチパッド172の固有振動モード(m,n)ごとに設定する。これにより、背景振動に応答振動を重畳する前と重畳した後とでの振動の違いをユーザーが確実に感知することができるように、第2スペクトルを設定することができる。こうして操作パネル160は、MFP100の動作に伴う背景振動にかかわらず、応答振動をユーザーに確実に感知させることができる。
さらに、振動記憶部52が背景振動のスペクトルBVSを記憶しているので、それに基づく第2スペクトルの設定に必要な処理時間が、背景振動のスペクトルを実測する場合よりも短縮する。その結果、タッチパネル170による接触の検知とそれに対する応答振動の出力との間の遅れが減少し、かつその遅れのばらつきが抑えられるので、上記の振動の違いをユーザーに更に確実に感知させることができる。
[変形例]
(A)図1の(a)が示す画像形成装置100はMFPである。本発明の実施形態による画像形成装置はその他に、レーザープリンター、インクジェット等の他方式のプリンター、コピー機、スキャナー、FAX等のいずれの単機能機であってもよい。
(B)図4の示すタッチパネル170は、2枚の抵抗膜を利用したマルチタッチ対応の4線抵抗膜方式である。タッチパネルはその他に、5線抵抗膜方式、複数の抵抗膜のマトリクスを利用したマルチタッチ対応の抵抗膜方式、静電容量方式、または光学式等、周知のいずれの方式であってもよい。いずれの方式による構造においても振動生成部は、ユーザーに指を接触させるべきタッチパッド、またはそれを覆うシート、フィルム、パネル等の保護部材に対して振動を加えることは可能である。
(C)振動生成部51はタッチパッド172への加振に、図1の(b)、図4の示す1対の圧電アクチュエーター174を利用する。圧電アクチュエーターはこれらの図面が示す配置に限られず、たとえばタッチパッド172のすべての辺に配置されてもよい。振動生成部は圧電アクチュエーターの他に、偏心モーター、ボイスコイルモーター等をタッチパッド172への加振に利用してもよい。
(D)図5−7が示す背景振動と応答振動との各スペクトルは振動強度αすなわち媒質の加速度で振動レベルを表現している。各スペクトルはその他に、媒質の速度または変位で振動レベルを表現してもよい。
(E)図6が示す第1の方法(A)では応答制御部532が第1スペクトルの振幅Δαr1そのものに背景振動の振幅Δαbを加算して第2スペクトルの振幅Δαr2に設定する。応答制御部532はその他に、第1スペクトルの振幅Δαr1を増幅した上で背景振動の振幅Δαbに加算してもよい:Δαr2=K1×Δαr1+Δαb、K1>1。この場合、応答振動の振幅は、背景振動による相殺を受けた後でも、第1スペクトルの示す振幅Δαr1よりも増幅率K1だけ大きい。また、操作画面に接触したユーザーの指には、接触直後の応答振動と背景振動との合成の振幅から応答振動の持続時間が経過した後の背景振動のみの振幅への変化が、第1スペクトルの示す振幅Δαr1よりも増幅率K1だけ大きい振幅K1×Δαr1として感知される。それらの結果、ユーザーの指には応答振動がMFP100の動作中では待機中よりも強く感じられる。こうして、操作パネルはMFP100の動作中、その背景振動にかかわらず、応答振動をユーザーの指に確実に感知させることができる。
(F)図6が示す第1の方法(A)では応答制御部532は、背景振動のスペクトルBVSが含む振動数成分のすべての振幅Δαbを、第1スペクトルが含む同じ振動数成分の振幅Δαr1に加算する。応答制御部はその他に、背景振動のスペクトルBVSが含む振動数成分の中からいずれかを選択し、それらの振幅のみを、第1スペクトルが含む同じ振動数成分の振幅に加算してもよい。
(G)図7が示す第2方法(B)では応答制御部532は、背景振動のスペクトルBVSが規定する振幅Δαbの中から閾値Δαth以下である固有振動モードを探し出し、それらのうち、同じ振動数成分を第1スペクトルが含むものの中から少なくとも1つ(k,l)を選択する。このとき、もしそれらの固有振動モードのいずれかと同じ振動数成分を第1スペクトルが含まなければ、応答制御部532はそれらの固有振動モードの中から少なくとも1つ(k,l)を選択し、それと同じ振動数成分を第2スペクトルに新たに持たせ、その振幅Δαr2を閾値Δαthよりも大きい値に設定してもよい。
(H)第2方法(B)では応答制御部532は、第1スペクトルの振動数成分のうち、図7の示す固有振動モード(m,n)=(1,1)、(1,2)のように、背景振動のスペクトルBVSが規定する振幅Δαbが閾値Δαthを超えている固有振動モードと同じ振動数成分をそのまま、第2スペクトルの同じ振動数成分に設定する。応答制御部はその他にそれらの振動数成分を第2スペクトルから除外してもよい。
(I)応答制御部532はMFP100の待機中と動作中とで、さらにその異なる動作モードの間で、応答振動の各振動数成分の振幅を変化させる(振動数成分の追加/除去を含む。)ことによりそのスペクトルを変形する。応答制御部はそれに加えて、応答振動の持続時間を変化させてもよい。
たとえば、プラテンガラス122の上に載せられた原稿をスキャナー120に走査させる場合、背景振動の持続時間は、スライダー123が1往復運動するのに要する時間に等しい。この時間は比較的短いので、応答制御部はこの時間よりも応答振動の持続時間を長く延ばしてもよい。この場合、スライダー123が往復運動を終えた後もユーザーの指がタッチパッド172に接触したままであれば、その指には応答振動そのものが伝わる。
また、プリントモードにおけるシートの搬送間隔が極端に長く設定された場合等、図5の(d)が示すような背景振動全体の波形に、振動強度αが十分に低く保たれる区間が十分に長く現れる場合、その区間が応答振動の持続時間と重なりやすいようにその持続時間を延長してもよい。
(J)図5の(e)のテーブルが示す背景振動のスペクトルはMFP100の動作モードごとに、タッチパッド172の各固有振動モード(m,n)に対して同じ振動数成分の振幅Δαを1つずつ規定する。振動記憶部52には更に、プリントモードにおいて1枚のシートが給紙カセット11から排紙トレイ150まで搬送される期間等、MFP100が一連の動作を開始した時点から終了した時点までの間に背景振動のスペクトルに生じる経時的変化が記憶されていてもよい。この場合、背景振動のスペクトルは一般にタッチパッド172の各固有振動モード(m,n)に対し、同じ振動数成分の振幅が一連の動作期間中に取り得る複数の値を規定する。
図11の(a)は、MFP100がシートを1枚コピーする間に背景振動の振動数成分の1つに生じる経時的変化を表すグラフである。図11の(a)を参照するに、この振動数成分の振幅は、MFP100がシートを1枚コピーする期間中、4段階に変化する。そのコピーの開始時点から第1持続時間Δt1が経過するまでの第1期間では振幅が第1段階Δα1に保たれる。第1期間の直後から第2持続時間Δt2が経過するまでの第2期間では振幅が第2段階Δα2に保たれる。第2期間の直後から第3持続時間Δt3が経過するまでの第3期間では振幅が第3段階Δα3に保たれる。第3期間の直後から第4持続時間Δt4が経過して1枚のコピーが終了する時点までの第4期間では振幅が第4段階Δα4に保たれる。
図11の(b)は、この背景振動のスペクトルの経時的変化を表す固有振動モード(m,n)と振幅Δαk別の持続時間Δtk(k=1、2、3、…)との対応表である。この表の示すスペクトルは、MFP100がシートを1枚コピーする間に生じる背景振動の典型的なスペクトルを予め実験またはシミュレーションに基づいて決定したものを示す。このような表の形式で背景振動のスペクトルの経時的変化は振動記憶部52に記憶される。
応答制御部532は、MFP100が1枚のシートのコピーを開始した時点からの経過時間を計測する。タッチパネル170が接触を検知した場合、応答制御部532は、ユーザー操作解釈部531が座標算定部436から接触点の座標を受信したことに応じて、まず経過時間の計測値を取得する。応答制御部532は次に、この計測値と図5の(e)の対応表とを照合して、第2スペクトルの設定に利用すべき背景振動のスペクトルを決定する。具体的には、経過時間の計測値が示す時点における背景振動の各振動数成分の振幅を図5の(e)の対応表から検索する。
たとえば、背景振動が含む1次の固有振動モード(1,1)と同じ振動数成分(以下、「1次の振動数成分」と略す。)については、コピーの開始時点から第1期間(k=1)の終了時点までの時間が第1期間の持続時間Δt1=250ミリ秒であり、第2期間(k=2)の終了時点までの時間が第1期間と第2期間との持続時間の和Δt1+Δt2=250+300=550ミリ秒である。したがって、計測値が500ミリ秒であれば、この計測値の示す時点は第2期間に属するので、応答制御部532は背景振動の1次の振動数成分については第2段階Δα2の振幅を対応表から検索する。他の振動数成分の振幅も同様に検索される。
(K)操作部50はユーザーに応答振動をカスタマイズさせてもよい。具体的には、操作部50は表示部54に、振動生成部51に生成させるべき応答振動に関する設定画面を操作画面の一部として表示させてもよい。この設定画面を通して操作部50はユーザーから、応答振動の振幅の増減量、その振幅に設定すべき上下限のレベル等、応答振動に関するユーザーの嗜好を表す指標(以下、「嗜好指標」と呼ぶ。)の入力を受け付ける。操作部50はまた、受け付けた嗜好指標を主制御部70に環境変数の1つとしてROM73に保存させる。これらの嗜好指標に従って応答制御部532は第2スペクトルを補正する。
たとえば、操作部50はユーザーに、応答振動の強度に対する3段階の指標、「強」、「中」、「弱」のいずれかを選択させる。応答制御部532はこれらの指標に合わせて、応答振動の第2スペクトルが規定する各振動数成分の振幅Δαr2を、+5dB、0dB、または−5dBずつ補正する。
その他に、操作部50はユーザーに、応答振動の振幅に対する上限Δαmaxと下限Δαminとを設定させる。応答制御部532は、応答振動の第2スペクトルが規定する振動数成分の振幅Δαr2のうち、上限Δαmaxを超えたものは上限Δαmaxに置き換え、下限Δαminを下回ったものは下限Δαminに置き換える。
図12は、図8の示すステップS107において応答振動のスペクトルを第1の方法(A)で変形する処理(図9参照。)に対し、ユーザーの嗜好に合わせて応答振動の振幅を増減する処理を追加したサブルーチンのフローチャートである。図12を参照するに、この処理は図9の示す処理とは、ステップS112、S113の間にステップS131−S133が追加されている点でのみ異なり、その他のステップは同様である。これら同様なステップには、図9の示す符号と同じ符号が付されている。
ステップS111では、応答制御部532はタッチパッド172の固有振動モード(m,n)を固有振動数が低いものから順番に1つずつ選択する。その後、処理はステップS112へ進む。
ステップS112では、応答制御部532は応答振動の第1スペクトルと背景振動のスペクトルBVSとの間で各振動数成分の振幅Δαr1、Δαbの和を求め、その和Δαr1+Δαbを第2スペクトルの同じ振動数成分の振幅Δαr2に設定する:Δαr2=Δαr1+Δαb。その後、処理はステップS131へ進む。
ステップS131では、応答制御部532は主制御部70にアクセスし、ROM73に格納されている環境変数の中からユーザーの嗜好指標を読み出す。この嗜好指標が示す応答振動の強度が「強」であれば処理はステップS132へ進み、「中」であれば処理はステップS113へ進み、「弱」であれば処理はステップS133へ進む。
ステップS132では、嗜好指標が示す応答振動の強度が「強」であるので、応答制御部532は、応答振動の第2スペクトルが規定する各振動数成分の振幅Δαr2を+5dBずつ補正する。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS133では、嗜好指標が示す応答振動の強度が「弱」であるので、応答制御部532は、応答振動の第2スペクトルが規定する各振動数成分の振幅Δαr2を−5dBずつ補正する。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS113では、嗜好指標が示す応答振動の強度が「中」であり、または、応答制御部532がその嗜好指標に応じて応答振動の第2スペクトルを補正済みである。したがって、応答制御部532は、ステップS111で選択した固有振動モード(m,n)の固有振動数が上限に達したか否かを確認する。固有振動数が上限に達していなければ処理がステップS111から繰り返され、達していれば処理が図8の示すステップS108へ戻る。
図13は、図8の示すステップS107において応答振動のスペクトルを第1の方法(A)で変形する処理(図9参照。)に対し、ユーザーの嗜好に合わせて応答振動の振幅をリミットする処理を追加したサブルーチンのフローチャートである。図13を参照するにこの処理は図9の示す処理とは、ステップS112、S113の間にステップS141−S144が追加されている点でのみ異なり、その他のステップは同様である。これら同様なステップには、図9の示す符号と同じ符号が付されている。
ステップS111では、応答制御部532はタッチパッド172の固有振動モード(m,n)を固有振動数が低いものから順番に1つずつ選択する。その後、処理はステップS112へ進む。
ステップS112では、応答制御部532は応答振動の第1スペクトルと背景振動のスペクトルBVSとの間で各振動数成分の振幅Δαr1、Δαbの和を求め、その和Δαr1+Δαbを第2スペクトルの同じ振動数成分の振幅Δαr2に設定する:Δαr2=Δαr1+Δαb。その後、処理はステップS141へ進む。
ステップS141では、応答制御部532はまず主制御部70にアクセスし、ROM73に格納されている環境変数の中からユーザーの嗜好指標を読み出す。応答制御部532は次に、この嗜好指標が示す応答振動の振幅の上限Δαmaxと、応答振動の第2スペクトルが規定する、ステップS111で選択した固有振動モード(m,n)と同じ振動数成分の振幅Δαr2とを比較し、この振幅Δαr2が上限Δαmax以下であるか否かを確認する。上限Δαmax以下であれば処理はステップS143へ進み、上限Δαmaxを超えていれば処理はステップS142へ進む。
ステップS142では、応答振動の第2スペクトルが規定する振幅Δαr2が上限Δαmaxを超えているので、応答制御部532はこの振幅Δαr2を上限Δαmaxに置き換える。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS143では、応答振動の第2スペクトルが規定する振幅Δαr2が上限Δαmax以下であるので、応答制御部532は続いて、この振幅Δαr2が嗜好指標の示す応答振動の振幅の下限Δαmin以上であるか否かを確認する。下限Δαmin以上であれば処理はステップS113へ進み、下限Δαminを下回っていれば処理はステップS144へ進む。
ステップS144では、応答振動の第2スペクトルが規定する振幅Δαr2が下限Δαminを下回っているので、応答制御部532はこの振幅Δαr2を下限Δαminに置き換える。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS113では、応答制御部532は、ステップS111で選択した固有振動モード(m,n)の固有振動数が上限に達したか否かを確認する。固有振動数が上限に達していなければ処理がステップS111から繰り返され、達していれば処理が図8の示すステップS108へ戻る。
(L)MFP100の動作中、応答制御部532は、MFP100の現時点での動作モードにおける背景振動のスペクトルBVSを振動記憶部52から検索し、それに基づいて応答振動のスペクトルを設定する。このとき、応答制御部532は背景振動のスペクトルBVSをMFP100の通算の動作時間に応じて補正してもよい。
実際、MFP100の通算の動作時間が嵩むにつれてその背景振動には変化が生じ、特に各振動数成分の振幅が増大する。これは主に、搬送ローラー等の摩耗、シャーシ等の塑性変形、またはネジ等の緩みの増大に伴ってMFP100の部材間の“がたつき”が増大することに因る。一方、振動記憶部52に格納された背景振動のスペクトルBVSは、MFP100の製造段階において実験またはシミュレーションに基づいて決定されたものである。したがって、MFP100の通算の動作時間が長いほど、背景振動のスペクトルBVSが含む実際のスペクトルに対する誤差は大きい。
この誤差はたとえば次のようにすれば補正可能である。まず、操作パネル160は、MFP100の通算の動作時間を監視する監視部を更に備える。監視部はたとえば、ユーザー操作解釈部531、応答制御部532、および表示制御部533と同様に、制御部53がファームウェアを実行することによって実現する機能部である。監視部は主制御部70に定期的にアクセスして、プリンター130が処理したシートの通算の枚数またはトナーの通算の消費量を取得する。この枚数または消費量とMFP100の通算の動作時間とが相関し、その動作時間と応答振動の振幅の増加率とが相関するので、これらの相関関係を予め実験またはシミュレーションから決定して振動記憶部52に記憶させておく。応答制御部532はこの相関関係に基づいて、背景振動のスペクトルBVSが規定する各振動数成分の振幅を、シートの通算の枚数またはトナーの通算の消費量に応じた割合(以下、「経年係数」という。)で増大させる。これにより、そのスペクトルBVSと実際のスペクトルとの間の経年変化に起因する誤差が補正される。
図14の(a)は、プリンター130が処理したシートの通算の枚数と経年係数βとの間の相関関係を表すグラフである。「経年係数」は、背景振動の各振動数成分の振幅が製造時に示していた値に対する経年変化後の値の比で定義される。図14の(a)を参照するに、経年係数βの増分はシートの通算の処理枚数の増分と実質的に比例する。このグラフを表す数式または数表が、背景振動のスペクトルBVSと共に、振動記憶部52に記憶されている。応答制御部532は背景振動のスペクトルBVSを振動記憶部52から読み出す際に、この数式または数表を併せて参照し、スペクトルBVSの補正に利用する。
図14の(b)は、経年係数βを用いた背景振動のスペクトルの補正のフローチャートである。この処理はたとえば、図8の示すステップS106の直後に実行される。
ステップS701では、監視部が主制御部70から、プリンター130が処理したシートの通算の枚数を取得する。その後、処理はステップS702へ進む。
ステップS702では、応答制御部532は振動記憶部52にアクセスし、経年係数βとシートの通算の処理枚数との間の相関関係を表す数式または数表を参照し、ステップS701で取得された処理枚数に対応する経年係数βの値を選択する。その後、処理はステップS703へ進む。
ステップS703では、応答制御部532は、タッチパッド172の固有振動モード(m,n)を固有振動数が低いものから順番に1つずつ選択する。その後、処理はステップS704へ進む。
ステップS704では、応答制御部532は背景振動のスペクトルBVSから、ステップS703で選択した固有振動モード(m,n)と同じ振動数成分の振幅Δαbを抽出して、ステップS702で選択した経年係数βとの積を求め、その積β×Δαbでその振幅の値を置き換える:Δαb=β×Δαb。その後、処理はステップS705へ進む。
ステップS705では、応答制御部532は、ステップS111で選択した固有振動モード(m,n)の固有振動数が上限に達したか否かを確認する。固有振動数が上限に達していなければ処理がステップS703から繰り返され、達していれば処理が図8の示すステップS107へ戻る。
本発明は操作パネルに関し、上記のとおり、操作パネルを搭載する装置の動作中における応答振動のスペクトルを、その操作パネルに記憶された背景振動のスペクトルに基づいて待機中における応答振動のスペクトルから変形する。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
100 MFP
160 操作パネル
161 押しボタン
170 タッチパネル
171 LCD
172 タッチパッド
173 カバー
174 圧電アクチュエーター
175 制御回路基板
176 FPC
177 ケーブル
50 操作部
51 振動生成部
52 振動記憶部
53 操作部の制御部
54 表示部
401 タッチパッドの上側の導電膜
402 タッチパッドの下側の導電膜
421 タッチパッドの第1電極
422 タッチパッドの第2電極
423 タッチパッドの第3電極
424 タッチパッドの第4電極
410 圧電アクチュエーターの駆動部
431 タイミング制御部
432 電圧/電流監視部
433 AD変換部
434 マルチタッチ判定部
435 測距部
436 座標算定部
531 ユーザー操作解釈部
532 応答制御部
533 表示制御部

Claims (12)

  1. 動作に振動を伴う装置に搭載され、前記装置の操作画面を表示して前記操作画面に対するユーザーの操作を受け付ける操作パネルであり、
    前記操作画面の表示領域を含み、外部の物体による前記表示領域への接触を検知するタッチパネルと、
    前記表示領域に対して振動を加える振動生成部と、
    前記装置の動作に伴う振動のスペクトルを背景振動のスペクトルとして記憶している振動記憶部と、
    前記タッチパネルが前記接触を検知したことに応じて前記装置が待機中と動作中とのいずれであるかを確認して前記振動生成部に、前記装置が待機中である場合には第1スペクトルを示す振動を、前記装置が動作中である場合には第2スペクトルを示す振動を、それぞれ前記接触への応答として前記表示領域に対して加えさせる応答制御部と、
    を備え、
    前記応答制御部は、前記第1スペクトルと前記第2スペクトルとの間での振動レベルの差または比を、前記背景振動のスペクトルに基づいて前記表示領域の固有振動数ごとに設定する
    ことを特徴とする操作パネル。
  2. 前記応答制御部は、前記背景振動のスペクトルが含む振動数成分のうち少なくともいずれかの振動レベルを、前記第1スペクトルが含む同じ振動数成分の振動レベルに加算し、得られた和を前記第2スペクトルが含む同じ振動数成分の振動レベルに設定することを特徴とする請求項1に記載の操作パネル。
  3. 前記応答制御部は、前記背景振動のスペクトルが含まない振動数成分を前記第1スペクトルに追加したスペクトルを前記第2スペクトルとして設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操作パネル。
  4. 前記振動記憶部は更に、前記装置が一連の動作を開始した時点から終了した時点までの間に前記背景振動のスペクトルに生じる経時的変化を記憶しており、
    前記応答制御部は、前記装置が一連の動作を開始した時点からの経過時間を計測し、前記タッチパネルが前記接触を検知した時点における当該経過時間の計測値から、前記第2スペクトルの設定に利用すべき前記背景振動のスペクトルを決定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の操作パネル。
  5. 前記装置が画像形成装置であり、
    前記振動記憶部が記憶している前記背景振動のスペクトルの経時的変化は、前記画像形成装置がシートを1枚印刷する間の経時的変化を示す
    ことを特徴とする請求項4に記載の操作パネル。
  6. 前記振動記憶部は前記背景振動のスペクトルを前記装置の動作モードごとに記憶しており、
    前記応答制御部は、前記タッチパネルが前記接触を検知したときに前記装置が動作中である場合には前記装置の動作モードを識別し、当該動作モードに応じて、前記第2スペクトルの設定に利用すべき前記背景振動のスペクトルを決定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の操作パネル。
  7. 前記装置が複合機であり、
    前記振動記憶部は前記背景振動のスペクトルを、スキャンモード、コピーモード、およびプリントモードのそれぞれに対して別々に記憶している
    ことを特徴とする請求項6に記載の操作パネル。
  8. 前記操作画面は、前記振動生成部に生成させるべき振動に関する設定画面を含み、
    前記応答制御部は、前記設定画面に対するユーザーの操作に従って前記第2スペクトルを補正する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の操作パネル。
  9. 前記応答制御部による前記第2スペクトルの補正は、振動レベルの増加もしくは減少、または振動レベルに対する上限もしくは下限の設定を含む請求項8に記載の操作パネル。
  10. 前記装置の通算の動作時間を監視する監視部
    を更に備え、
    前記応答制御部は、前記監視部の示す前記通算の動作時間に応じて前記背景振動のスペクトルを補正する
    ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の操作パネル。
  11. 前記装置が画像形成装置であり、
    前記監視部は前記通算の動作時間を、前記画像形成装置が処理したシートの通算の枚数または前記画像形成装置が消費したトナーもしくはインクの通算の量から見積もる
    ことを特徴とする請求項10に記載の操作パネル。
  12. シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部に対する操作画面を表示して前記操作画面に対するユーザーの操作を受け付ける請求項1から請求項11までのいずれかに記載の操作パネルと、
    を備える画像形成装置。
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