以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の実施の形態では、操作検知装置が画像形成装置の操作パネルである場合について説明する。画像形成装置としては、たとえばMFP、プリンター、複写機、またはファクシミリなどが挙げられる。操作検知装置は、たとえば画像読取装置、携帯電話、スマートフォン、または自動販売機などの、画像形成装置以外の装置に搭載されたものであってもよい。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置100の外観を模式的に示す斜視図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置100は、MFPであり、操作パネル1と、スキャナー部2と、ADF(Auto Document Feeder)4と、プリントエンジン部6(画像形成手段の一例)と、排紙トレイ8と、複数の給紙トレイ9とを主に備えている。
ADF4は、画像形成装置100の最上部に設けられている。ADF4は、読み取り対象となる原稿をスキャナー部2に送る。スキャナー部2は、ADF4の下に設けられている。スキャナー部2は、原稿を光学的に読取って画像データを得る。排紙トレイ8は、スキャナー部2の下部であって、プリントエンジン部6の上面に設けられている。排紙トレイ8には、画像を形成された用紙が排出される。プリントエンジン部6は、画像形成装置100の中央部に設けられている。プリントエンジン部6は、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷する。複数の給紙トレイ9は、プリントエンジン部6の下部に設けられている。複数の給紙トレイ9の各々には、画像形成の対象となる用紙が収納されている。操作パネル1は、スキャナー部2の前面側(ユーザーが対向する側)に装着されている。操作パネル1は、各種情報を表示し、各種操作を受け付ける。
図2は、本発明の第1の実施の形態における操作パネル1の構成を模式的に示す図である。
図2を参照して、操作パネル1は、ハードウェアキーである複数のキーKY1〜KY9と、各種情報を表示し、各種操作を受け付ける表示部1aと、外装ケース1cとを含んでいる。外装ケース1cの表面には操作面CPが設けられている。
複数のキーKY1〜KY9は、操作部(ユーザーの指など)による各種の指示、数字、文字、または記号などの入力操作を受け付けるキーであり、操作面CPに存在している。操作面CPはたとえば平面である。複数のキーKY1〜KY7は、表示部1aの下部に設けられている。複数のキーKY8およびKY9は、表示部1aの右側に設けられている。複数のキーKY1〜KY9は、静電容量型スイッチを用いて操作を検知するものであり、複数のキーKY1〜KY9自体は、操作面CPに描かれた記号または絵柄にすぎない。複数のキーKY1〜KY9の各々の下には電極が設けられている。
キーKY1は、電源キーであり、画像形成装置100の電源のオンオフの操作を受け付けるキーである。キーKY2、キーKY3、およびキーKY4の各々は、機能キーであり、コピーまたはファックスなどの予め設定された条件を呼び出すためのキーである。キーKY5は、スタートキーであり、各種ジョブの実行指示を受け付けるキーである。キーKY6は、クリアキーであり、操作パネル1でそれまでに行った設定をクリアする操作を受け付けるキーである。キーKY8は、ヘルプキーであり、画像形成装置100の操作方法の説明を要求する操作を受け付けるキーである。キーKY9は、ID(Identification)キーであり、ユーザーがIDを入力する際に操作されるキーである。
表示部1aは操作面CPの上部に設けられている。表示部1aは、表示部1aへの操作を検知するタッチパネルを含んでいる。表示部1aは、ユーザーからの各種操作(タッチ操作)を受け付ける画面であるメニュー画面(操作画面)などを表示し、受け付けた操作の位置を取得し、取得した位置に応じた入力情報を取得する。また表示部1aは、ユーザーから受け付けた操作に応じて各種情報を表示する。
なお、操作パネル1は、ユーザーが画像形成装置100の前に立った状態で操作しやすいように、操作面CPが水平面に対して傾斜するように取り付けられている。また操作パネル1は、車いすのユーザーが低い位置から操作する場合を配慮して、操作面CPの角度を調節することが可能である。
図3は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置100の制御構成を示すブロック図である。
図3を参照して、画像形成装置100は、システムコントローラー101と、メモリ102と、ネットワークインターフェース103と、出力画像処理部104と、記憶装置105と、入力画像処理部106とをさらに備えている。システムコントローラー101には、メモリ102、ネットワークインターフェース103、出力画像処理部104、記憶装置105、入力画像処理部106、操作パネル1、スキャナー部2、およびプリントエンジン部6の各々が接続されている。
システムコントローラー101は、スキャナジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、画像形成装置100全体の制御を行う。システムコントローラー101は、CPU121と、ROM(Read Only Memory)122などを含んでいる。CPU121は、ROM122に記憶された制御プログラムを実行する。ROM122は、画像形成装置100の動作を行うための各種プログラムと、各種固定データとを格納している。システムコントローラー101は、所定の処理を行うことにより、メモリ102からのデータの読み込みや、メモリ102へのデータの書き込みを行う。
メモリ102は、たとえばRAM(Random Access Memory)よりなっている。メモリ102は、CPU121が制御プログラムを実行する際に必要なデータや画像データを一時的に記憶する。
ネットワークインターフェース103は、システムコントローラー101からの指示に従って、ネットワークを介して外部機器との通信を行う。
出力画像処理部104は、画像の印刷を行う場合などに、その画像データの形式を印刷データに変換する変換処理を行う。
記憶装置105は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)よりなっている。記憶装置105は、画像形成装置100の動作に関わる各種データを記憶する。さらに記憶装置105は、操作パネル1に表示する画面の画像データを記憶している。
入力画像処理部106は、スキャナー部2で画像を読み取った場合などに、その画像データの形式を変換する変換処理を行う。
プリントエンジン部6は、操作パネル1で受け付けた操作に基づいて、出力画像処理部104にて処理された印刷データを用いて、用紙などへ画像を形成する(プリントジョブを行う)。特に画像形成装置100がプリンターとして動作する場合、プリントエンジン部6は画像を印刷し、画像形成装置100が複写機として動作する場合、プリントエンジン部6はスキャナー部2で読み取った画像を印刷する。プリントエンジン部6は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。プリントエンジン部6は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙(記録媒体)にカラー画像を形成する。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを有する。定着装置は、加熱ローラーと加圧ローラーとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラー、搬送ローラー、およびそれらを駆動するモーターなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、画像形成装置100の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置100の筐体から排紙トレイ8などに排出する。
図4は、本発明の第1の実施の形態における操作パネル1の制御構成を示すブロック図である。
図2および図4を参照して、操作パネル1は、静電スイッチ制御部10と、キー基板20と、タッチパネル部30と、LCD部40とを含んでいる。キー基板20は、4つの検出線LN1〜LN4を含んでいる。検出線LN1〜LN4の各々には、少なくとも1つの電極SWが接続されている。キーKY1〜KY9の各々には、検出線LN1〜LN4の各々に接続された電極SWのうち少なくとも1つの電極が対応して設けられている。検出線LN1〜LN4の各々に接続された電極SWの数(合計数)は、検出線LN1〜LN4の数(ここでは4つ)よりも多い。
静電スイッチ制御部10は、操作パネル1全体を制御する。特に静電スイッチ制御部10は、検出線LN1〜LN4の各々が対象物との間で構成する容量素子の静電容量に相当する情報に基づいて、操作部による操作を受け付けたキーを判断する。
以降、検出線が対象物との間で構成する容量素子の静電容量を、その検出線の静電容量と記すことがある。また、電極が対象物との間で構成する容量素子の静電容量を、その電極の静電容量と記すことがある。検出線の静電容量は、その検出線に接続された電極の静電容量の合計値にほぼ等しくなる。
静電スイッチ制御部10は、CPU11(判断手段の一例)と、ROM12(記憶装置の一例)と、メモリ13と、静電スイッチドライバー14(容量出力手段の一例)とを含んでいる。CPU11は、ROM12、メモリ13、静電スイッチドライバー14、タッチパネル部30、およびLCD部40の各々と接続されている。CPU11は、ROM12、メモリ13、静電スイッチドライバー14、タッチパネル部30、およびLCD部40の各々と通信を行うことで、操作パネル1全体を制御する。ROM12は、CPU11が実行する制御プログラムを記憶する。メモリ13は、ROM12と、CPU11が制御プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶するメモリ13と、静電スイッチドライバー14とを含んでいる。
静電スイッチドライバー14のポートPT1〜PT4の各々には、検出線LN1〜LN4の各々が接続されている。静電スイッチドライバー14は、検出線LN1〜LN4の各々に対応するポート情報の各々をポートPT1〜PT4の各々からCPU11に出力する。ポート情報とは、対応する検出線の静電容量に相当する情報である。
具体的には、静電スイッチドライバー14は、ポートPT1〜PT4の各々を通じて検出線LN1〜LN4の各々の静電容量を計測し、計測した静電容量を電圧値に変換し、変換後の電圧値に対してAD変換(アナログ−デジタル変換)を行う。さらに静電スイッチドライバー14は、AD変換後の電圧値を「0」または「1」というポート情報に変換してCPU11に出力する。
CPU11は、静電スイッチドライバー14から出力された検出線LN1〜LN4のポート情報に基づいて、キーKY1〜KY9の中から操作部による操作を受け付けたキーを判断する。
タッチパネル部30は、タッチパネル(TP)ドライバー31と、タッチパネル32とを含んでいる。タッチパネル32は表示部1aに対して行われた操作を検知する。タッチパネルドライバー31は、タッチパネル32での検知結果に基づいて、表示部1aに対して行われた操作を判断する。
LCD部40は、LCDドライバー41と、LCD42とを含んでいる。LCD42は表示部1aに設けられている。LCDドライバー41は、LCD42に表示する画像を制御する。
図5は、本発明の第1の実施の形態において、キー基板20の表面の構成を模式的に示す図である。図6は、本発明の第1の実施の形態において、キー基板20の裏面の構成を模式的に示す図である。
図5および図6を参照して、キー基板20は、操作面CPの下部に設けられており、キー基板20の表面から見た場合に、左上角部20a、右上角部20b、左下角部20c、および右下角部20dを含んでいる。キーKY1〜KY9の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーが設けられている部分のやや下部に、左上、右上、左下、右下の4カ所の電極を配置可能な領域(電極配置領域)を有している。キーKY1〜KY9の各々の電極配置領域には、キーKY1〜KY9の各々に対応して少なくとも1つの電極が配置されている。本実施の形態において、キーKY1〜KY9の各々に対応して設けられた電極は、いずれも同一の面積を有している。
特にキーKY1およびKY4〜KY8の各々には、複数の電極が対応して設けられている。キーKY1およびKY4〜KY8の各々において、対応して設けられた複数の電極の各々は、互いに異なる検出線に接続されている。
キー基板20は両面基板であり、キー基板20の表面には検出線LN2およびLN4が配置されており、裏面には検出線LN1およびLN3が配置されている。検出線LN1〜LN4の各々は互いに絶縁されている。
キーKY1の下部のキー基板20には、キーKY1に対応する電極SW11〜SW13が設けられている。電極SW11〜SW13の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY1の右上、左下、および右下の位置に設けられている。電極SW11は検出線LN2に接続されており、電極SW12は検出線LN3に接続されており、電極SW13は検出線LN4に接続されている。
キーKY2の下部のキー基板20には、キーKY2に対応する電極SW21が設けられている。電極SW21は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーKY2の左上の位置に設けられている。電極SW21は検出線LN1に接続されている。
キーKY3の下部のキー基板20には、キーKY3に対応する電極SW31が設けられている。電極SW31は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーKY3の右下の位置に設けられている。電極SW31は検出線LN4に接続されている。
キーKY4の下部のキー基板20には、キーKY4に対応する電極SW41およびSW42が設けられている。電極SW41およびSW42の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY4の左上および右上の位置に設けられている。電極SW41は検出線LN1に接続されており、電極SW42は検出線LN2に接続されている。
キーKY5の下部のキー基板20には、キーKY5に対応する電極SW51〜SW54が設けられている。電極SW51〜SW54の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY5の左上、右上、左下、および右下の位置に設けられている。電極SW51は検出線LN1に接続されており、電極SW52は検出線LN2に接続されており、電極SW53は検出線LN3に接続されており、電極SW54は検出線LN4に接続されている。
キーKY6の下部のキー基板20には、キーKY6に対応する電極SW61およびSW62が設けられている。電極SW61およびSW62の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY6の左上および左下の位置に設けられている。電極SW61は検出線LN1に接続されており、電極SW62は検出線LN3に接続されている。
キーKY7の下部のキー基板20には、キーKY7に対応する電極SW71〜SW73が設けられている。電極SW71〜SW73の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY7の左上、右上、および左下の位置に設けられている。電極SW71は検出線LN1に接続されており、電極SW72は検出線LN2に接続されており、電極SW73は検出線LN3に接続されている。
キーKY8の下部のキー基板20には、キーKY8に対応する電極SW81およびSW82が設けられている。電極SW81およびSW82の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY8の左下および右下の位置に設けられている。電極SW81は検出線LN3に接続されており、電極SW82は検出線LN4に接続されている。
キーKY9の下部のキー基板20には、キーKY9に対応する電極SW91が設けられている。電極SW91は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーKY9の右上の位置に設けられている。電極SW91は検出線LN2に接続されている。
言い換えれば、各キーに対応する電極のうち左上に設けられた電極SW21、SW41、SW51、SW61、およびSW71の各々は、検出線LN1に対して直列に接続されている。各キーに対応する電極のうち右上に設けられた電極SW11、SW42、SW52、SW72、およびSW91の各々は、検出線LN2に対して直列に接続されている。各キーに対応する電極のうち左下に設けられた電極SW12、SW53、SW62、SW73、およびSW81の各々は、検出線LN3に対して直列に接続されている。各キーに対応する電極のうち右下に設けられた電極SW13、SW31、SW54、およびSW82の各々は、検出線LN4に対して直列に接続されている。
ところで、キーKY5の面積は、他のキーKY1〜KY4およびKY6〜KY9の各々の面積よりも大きい。キーKY5に対応して設けられた電極の数(4個)は、他のキーKY2〜KY4、KY6、KY8、およびKY9の各々に対応して設けられた電極の数(1個〜3個)よりも多い。これにより、大きなキーへの操作を確実に検知することができる。
相対的に面積の大きいキーは、ジョブの実行指示を受け付けるスタートキー、電源のオンまたはオフを受け付ける電源キー、および実行中のジョブの中止を受け付けるストップキーのうち少なくともいずれか1つのキーであることが好ましい。
続いて、本実施の形態において、操作パネル1がキーへの操作を検知する動作について説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態において、操作部HPがキーKY6を操作する様子を模式的に示す平面図である。
図7を参照して、ユーザーがクリアキーであるキーKY6を操作する場合、操作部HPは操作面CP上のキーKY6の位置に存在するため、電極SW61およびSW62の各々の静電容量が増加する。電極SW61は検出線LN1に接続されており、電極SW62は検出線LN3に接続されているので、検出線LN1およびLN3の各々の静電容量が増加する。
一方、キーKY6の付近には、検出線LN2およびLN4の各々に接続された電極も存在する(たとえば電極SW52や電極SW54)。このため、操作部HPがキーKY6の位置に存在する場合には、検出線LN2およびLN4の各々の静電容量もまた、わずかに増加する。
図8は、操作部と電極との距離と、電極が接続されている検出線の静電容量との関係を模式的に示すグラフである。
図8を参照して、操作部がキーに接近すると、そのキーに対応する電極が接続されている検出線の静電容量は増加する。一方、操作部がキーから離れると、そのキーに対応する電極が接続されている検出線の静電容量は減少する。
静電スイッチドライバー14は、検出線の静電容量が、CPU11によって設定された閾値を基準として、検出線の静電容量を「0」または「1」というポート情報に変換してCPU11に出力する。具体的には、検出線の静電容量が、CPU11によって設定された閾値を超えない場合、静電スイッチドライバー14は、その検出線に対応するポート情報として「0」を出力する。一方、検出線の静電容量が、CPU11によって設定された閾値を超えた場合、静電スイッチドライバー14は、その検出線に対応するポート情報として「1」を出力する。
CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1〜TH4のいずれかを設定することが可能である。閾値TH1は、操作部が接近した場合に閾値TH1を超えた時点でキーの操作を検知するものである。閾値TH2は、ユーザーが押したキーを確定するためのものである。閾値TH3は、誤検知を防止するために用いられるものである。閾値TH4は、相対的に面積の大きい電極を設ける際に用いられるものである。
閾値TH1は、検出線に接続された電極のうち1つの電極に対応するキーが操作された場合に、その検出線の静電容量が閾値TH1を確実に超えるような値に設定される。また閾値TH1は、検出線に接続された電極に対応するキーが操作されない場合に、その検出線の静電容量が閾値TH1を超えないような値に設定される。閾値TH2は閾値TH1よりも小さく、閾値TH3は閾値TH2よりも小さい。閾値TH4は閾値TH1よりも大きい。閾値TH2〜TH4については後述する。
なお、閾値TH1〜TH4の各々は、検出線LN1〜LN4の各々に対して(ポート毎に)互いに異なる値で設定されることが好ましい。検出線LN1〜LNの各々は、操作パネル1における位置、長さ、または接続されている電極の数などが互いに異なっているため、いずれのキーも操作されない状態(デフォルトの状態)での検出線LN1〜LN4の各々の静電容量は互いに異なるためである。
本実施の形態では、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して常に閾値TH1を設定するものとする。つまり、閾値は、静電スイッチドライバー14にて出力した複数のポート情報のうち少なくとも1つのポート情報が閾値TH1を超えたか否かにかかわらず一定値である。この場合、CPU11が静電スイッチドライバー14に対して閾値を設定する代わりに、ROM12などに閾値TH1を予め記憶させておいてもよい。
したがって、図7に示すようにユーザーがキーKY6を操作した場合、静電スイッチドライバー14は、ポートPT1およびPT3の各々から「1」というポート情報を出力し、ポートPT2およびPT4の各々から「0」というポート情報を出力する。
図9は、本発明の第1の実施の形態において、ROM12に記憶されている組合せテーブルを示す図である。
図9を参照して、組合せテーブルには、キーKY1〜KY9の各々のポート情報の組合せが記載されている。キーのポート情報の組合せとは、そのキーが操作された場合に複数のポートの各々から出力されるポート情報の「0」または「1」の組合せを意味している。CPU11は、ポートPT1〜PT4の各々から出力されるポート情報が、組合せテーブルにおけるいずれのキーのポート情報の組合せと一致するかによって、操作されたキーを判断する。
キーKY1〜KY9の各々は、互いに異なるポート情報の組合せを有している。たとえば、キーKY5(スタートキー)は、ポートPT1〜PT4のポート情報が全て「1」であるポート情報の組合せを有している。また、キーKY8(ヘルプキー)は、ポートPT1およびPT2のポート情報が「0」であり、ポートPT3およびPT4のポート情報が「1」であるポート情報の組合せを有している。
図10は、本発明の第1の実施の形態において、操作パネル1がキーへの操作を検知する動作を示すフローチャートである。
図10を参照して、CPU11は、ポートPT1〜PT4の各々から「1」または「0」のポート情報を取得する(S1)。取得するポート情報は、検出線の静電容量が閾値TH1を下回る場合には「0」であり、検出線の静電容量が閾値TH1を上回る場合には「1」である。次にCPU11は、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」であるか否かを判別する(S3)。
ステップS3において、取得したポート情報のうちいずれのポート情報も「1」でないと判別した場合(S3でNO)、CPU11は、ステップS1の処理へ進む。
ステップS3において、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」であると判別した場合(S3でYES)、CPU11は、ポートPT1〜PT4の各々から取得したポート情報とテーブルとを比較し(S9)、操作されたキーを確定し(S11)、処理を終了する。
なお、以下に説明する変形例のように、静電スイッチ制御部10にタイマー機能を持たせてもよい。具体的には、CPU11は、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」である場合に、同一のポート情報の組合せを取得した回数をCPU11がカウントし、カウントした回数が所定の回数(たとえば10回)に達した場合に、キーへの操作を検知し、操作されたキーを判断してもよい。これにより、異物の付着などによる一時的なポート情報の変動に起因する、キー操作の誤検知を回避することができる。
図11は、本発明の第1の実施の形態の変形例において、操作パネル1がキーへの操作を検知する動作を示すフローチャートである。
図11を参照して、CPU11は、図10に示すフローチャートにおけるステップS1およびS3と同様の処理を行う。ステップS3において、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」であると判別した場合(S3でYES)、CPU11は、ポートPT1〜PT4の各々から取得したポート情報をメモリ13の第1のアドレスに保存する(S5)。続いてCPU11は、10回連続で同じポート情報を第1のアドレスに保存したか否かを判別する(S7)。
ステップS7において、10回連続で同じポート情報を第1のアドレスに保存していないと判別した場合(S7でNO)、CPU11は、ステップS1の処理へ進む。
ステップS7において、10回連続で同じポート情報を第1のアドレスに保存したと判別した場合(S7でYES)、CPU11は、キーへの操作を検知し、図10に示すフローチャートにおけるステップS9以降の処理を行う。
本実施の形態では、検出線LN1〜LN4の各々に対応するポートPT1〜PT4の各々から取得したポート情報に基づいて、操作されたキーが判断される。検出線LN1〜LN4の数は、検出線LN1〜LN4の各々に接続された電極の数よりも少ない。これにより、静電スイッチの検出用回路を簡素化することができ、検出用回路の部品点数の増加を抑止することができる。
[第2の実施の形態]
図12は、本発明の第2の実施の形態において、操作部HPがキーKY6を操作する様子を模式的に示す断面図である。
図12を参照して、操作部HPはキーKY6を操作しようとしている。操作部HPは操作面CPに対して傾斜している。キーKY6には電極SW61およびSW62が対応して設けられている。電極SW62は電極SW61よりも手前側(図12中右側)に設けられているため、操作部HPと電極SW62との距離は、操作部HPと電極SW61との距離よりも大きい。したがって、操作部HPの接近により電極SW62の静電容量(検出線LN3の静電容量)が増加するタイミングは、電極SW61の静電容量(検出線LN1の静電容量)が増加するタイミングよりも遅れる。
このように、操作部HPがキーを操作する場合、操作部HPは、通常、操作面CPに対して傾斜している。このため、操作されるキーに対応して複数の電極が設けられている場合、操作部HPの接近により複数の電極の各々の静電容量が増加するタイミングは互いに異なる。
1つのキーに対応して設けられた複数の電極の各々の静電容量の増加のタイミングのずれによる応答性の低下やキーの誤検出を抑止するために、本実施の形態では、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1またはTH2を設定する。
具体的には、いずれのキーも操作されない状態(デフォルトの状態)では、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1を設定する。静電スイッチドライバー14は、閾値TH1を基準としたポート情報をCPU11に出力する。
CPU11は、閾値TH1を設定した場合において、ポートPT1〜PT4の各々から取得したポート情報のうち少なくとも1つのポート情報が「1」となったときは、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH2を設定する。静電スイッチドライバー14は、閾値TH2を基準としたポート情報をCPU11に出力する。
CPU11は、閾値TH2を設定した場合に、ポートPT1〜PT4の各々から出力されるポート情報に基づいて、図9に示す組合せテーブルを用いて操作されたキーを判断する。
たとえば、操作部HPがキーKY6を操作しようとしている場合には、検出線LN1の静電容量が閾値TH1を超えたタイミングでは、操作部は電極SW62にもある程度接近するため、検出線LN3の静電容量もある程度増加し、ポートPT1から出力されるポート情報が「1」となったタイミング(検出線LN1の静電容量が閾値TH1を超えたタイミング)では、検出線LN3の静電容量は閾値TH1を下回るものの、閾値TH2を超える。したがって、閾値TH2が設定された場合、ポートPT3からは「1」というポート情報が出力される。したがって、CPU11は、キーKY6が操作されたと判断する。
図13は、本発明の第2の実施の形態において、操作パネル1がキーへの操作を検知する動作を示すフローチャートである。
図13を参照して、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1を設定し(S21)、ポートPT1〜PT4の各々から「1」または「0」のポート情報を取得する(S23)。取得するポート情報は、検出線の静電容量が閾値TH1を下回る場合には「0」であり、検出線の静電容量が閾値TH1を上回る場合には「1」である。次にCPU11は、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」であるか否かを判別する(S25)。
ステップS25において、取得したポート情報のうちいずれのポート情報も「1」でないと判別した場合(S25でNO)、CPU11は、ステップS23の処理へ進む。
ステップS25において、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」であると判別した場合(S25でYES)、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH2を設定し(S27)、ポートPT1〜PT4の各々から「1」または「0」のポート情報を取得する(S29)。取得するポート情報は、検出線の静電容量が閾値TH2を下回る場合には「0」であり、検出線の静電容量が閾値TH2を上回る場合には「1」である。
次にCPU11は、ポートPT1〜PT4の各々から取得したポート情報をメモリ13の第1のアドレスに保存する(S31)。続いてCPU11は、10回連続で同じポート情報を第1のアドレスに保存したか否かを判別する(S33)。
ステップS33において、10回連続で同じポート情報を第1のアドレスに保存していないと判別した場合(S33でNO)、CPU11は、ステップS21の処理へ進む。
ステップS33において、10回連続で同じポート情報を第1のアドレスに保存したと判別した場合(S33でYES)、CPU11は、キーへの操作を検知する。CPU11は、ポートPT1〜PT4の各々から取得したポート情報と組合せテーブルとを比較し(S35)、操作されたキーを確定し(S37)、処理を終了する。
なお、上述以外の画像形成装置の構成および動作は、第1の実施の形態における画像形成装置の構成および動作と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態では、検出線LN1〜LN4のうちいずれかの検出線の静電容量が閾値TH1を超えた場合に、閾値が閾値TH2に設定され、検出線LN1〜LN4の各々に対応するポートPT1〜PT4の各々から取得したポート情報の組合せに基づいて、操作されたキーが判断される。これにより、操作パネル1の応答性の低下やキーの誤検出を抑止することができる。
[第3の実施の形態]
図14は、本発明の第3の実施の形態において、操作部HPがキーKY3を操作する様子を模式的に示す平面図である。
図14を参照して、本実施の形態では、キーへの操作の検知精度を向上するために、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1、TH2、およびTH3を順に設定する。
CPU11は、第2の実施の形態の場合と同様の方法で、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1およびTH2を順に設定することにより、キーKY3が操作されたと判断する。但し、本実施の形態では、この判断は、操作されたキーがキーKY3であることを仮決定するものにすぎない。
次にCPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH3を設定する。静電スイッチドライバー14は、閾値TH3を基準としたポート情報をCPU11に出力する。
CPU11は、閾値TH3を設定した場合に、ポートPT1〜PT4の各々から出力されるポート情報に基づいて、キーKY3の確認テーブルを用いて、操作部による操作を受け付けたキーとしてキーKY3を確定する。
図15は、本発明の第3の実施の形態において、ROM12に記憶されているキーKY3の確認テーブルを示す図である。
図14および図15を参照して、キーの確認テーブルとは、そのキーに隣接するキーの電極を考慮した場合の、そのキーについてのポート情報の組合せを記載したものである。キーKY2には電極SW21が対応して設けられており、電極SW21は検出線LN1に接続されている。キーKY4には、電極SW41およびSW42が対応して設けられており、電極SW41およびSW42の各々は検出線LN1およびLN2の各々に接続されている。
操作部HPがキーKY3を操作した場合には、操作部HPは電極SW21、SW41、およびSW42にもある程度接近するため、検出線LN1およびLN2の静電容量もある程度増加する。したがって、検出線LN1およびLN2の各々の静電容量は閾値TH1を下回るものの、閾値TH3を超える。
上記の現象を考慮して、確認テーブルにおける隣接するキーの電極を考慮したポート情報の組合せでは、ポートPT1およびPT2の各々から出力されるポート情報が「1」とされている。また、電極SW31に接続された検出線LN4のポートPT4から出力されるポート情報も「1」とされている。一方、キーKY2〜KY4には検出線LN3に接続された電極が設けられていないので、検出線LN3のポートPT3から出力されるポート情報は「0」とされている。
なお、キーKY1〜KY9の各々についての確認テーブルが予め作成されて、ROM12などに予め記憶されていてもよい。また、CPU11が必要なタイミングで、図9に示す組合せテーブルに基づいて、仮決定したキーに関する確認テーブルを作成してもよい。
CPU11は、閾値TH3を設定した場合において、ポートPT1〜PT4の各々から出力されるポート情報が、確認テーブルにおける隣接するキーの電極を考慮したポート情報の組合せと一致するときは、仮決定したキーKY3が操作されたと判断する。一方、CPU11は、閾値TH3を設定した場合において、ポートPT1〜PT4の各々から出力されるポート情報が、確認テーブルにおける隣接するキーの電極を考慮したポート情報の組合せと一致しないときは、誤操作と判断する。
なお、本実施の形態のように閾値TH1、TH2、およびTH3の各々が設定される場合には、操作パネル1の一部のキーは、以下に説明するように同一のポート情報の組合せを有していてもよい。
図16は、本発明の第3の実施の形態の変形例において、ROM12に記憶されているキーKY10の確認テーブルを示す図である。
図16を参照して、本変形例では、操作パネル1がさらにキーKY10と、キーKY10に隣接するキーKY11とをさらに含んでいるものとする。キーKY10は、キーKY3と同じポート情報の組合せを有している。すなわち、キーKY10のポート情報の組合せは、ポートPT1〜PT3のポート情報が「0」であり、ポートPT4のポート情報が「1」である。また、キーKY11は、ポートPT1、PT2、およびPT4のポート情報が「0」であり、ポートPT3のポート情報が「1」であるポート情報の組合せを有している。
図15および図16を参照して、ポートPT1〜PT3の各々から取得したポート情報が「0」であり、ポートPT4から取得したポート情報が「1」である場合、CPU11は、操作されたキーとして、キーKY3およびKY10を仮決定する。
ここで、キーKY3についての隣接するキーの電極を考慮したポート情報の組合せ(図15)と、キーKY10についての隣接するキーの電極を考慮したポート情報の組合せ(図16)とは互いに異なっている。したがって、CPU11は、閾値TH3を設定した場合において、ポートPT1〜PT4の各々から出力されるポート情報が、キーKY3についての隣接するキーの電極を考慮したポート情報の組合せ(図15)と、キーKY10についての隣接するキーの電極を考慮したポート情報の組合せ(図16)とのうちいずれと一致するか基づいて、キーKY3およびKY10のうちいずれのキーが操作されたのかを判断することができる。
図17は、本発明の第3の実施の形態において、操作パネル1がキーへの操作を検知する動作を示すフローチャートである。
図17を参照して、CPU11は、図13に示すフローチャートにおけるステップS21〜S35の処理を、処理Aというサブルーチンとして実行し(S51)、操作されたキーを仮決定する(S53)。
続いてCPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH3を設定し(S55)、ポートPT1〜PT4の各々から「1」または「0」のポート情報を取得する(S57)。取得するポート情報は、検出線の静電容量が閾値TH3を下回る場合には「0」であり、検出線の静電容量が閾値TH3を上回る場合には「1」である。次にCPU11は、取得したポート情報をメモリ13の第2のアドレスに保存する(S59)。
次にCPU11は、ポートPT1〜PT4の各々から出力されるポート情報と、仮決定したキーについてのキーの電極を考慮したポート情報の組合せとを比較し(S61)、両者が一致するか否かを判別する(S63)。
ステップS63において、両者が一致すると判別した場合(S63でYES)、CPU11は、仮決定したキーが操作されたことを確定し(S65)、処理を終了する。
ステップS63において、両者が一致しないと判別した場合(S63でNO)、CPU11は、仮決定したキーは操作されていないと判断し、ステップS51の処理へ進む。
なお、上述以外の画像形成装置の構成および動作は、第1の実施の形態における画像形成装置の構成および動作と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、仮決定したキーに隣接したキーに対応して設けられた電極の静電容量に基づいて、仮決定したキーが操作されたことが確認される。これにより、キーへの操作の検知精度を向上することができる。
[第4の実施の形態]
図18は、本発明の第4の実施の形態におけるキー基板20の表面の構成を模式的に示す図である。図19は、本発明の第4の実施の形態におけるキー基板20の裏面の構成を模式的に示す図である。
図18および図19を参照して、本実施の形態において、キー基板20には検出線LN4が設けられていない。キーKY1〜KY9の各々に対応して設けられた電極のうち、電極SW12、電極SW53、電極SW62、および電極SW81の各々は、他の電極よりも大きい面積を有している。
キー基板20は両面基板であり、キー基板20の表面には検出線LN2が配置されており、裏面には検出線LN1およびLN3が配置されている。検出線LN1〜LN3の各々は互いに絶縁されている。
キーKY1の下部のキー基板20には、キーKY1に対応する電極SW11およびSW12が設けられている。電極SW11およびSW12の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY1の右上および左下の位置に設けられている。電極SW11は検出線LN2に接続されており、電極SW12は検出線LN3に接続されている。
キーKY2の下部のキー基板20には、キーKY2に対応する電極SW21が設けられている。電極SW21は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーKY2の左上の位置に設けられている。電極SW21は検出線LN1に接続されている。
キーKY3の下部のキー基板20には、キーKY3に対応する電極SW31が設けられている。電極SW31は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーKY3の右上の位置に設けられている。電極SW31は検出線LN2に接続されている。
キーKY4の下部のキー基板20には、キーKY4に対応する電極SW41およびSW42が設けられている。電極SW41およびSW42の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY4の左上および右上の位置に設けられている。電極SW41は検出線LN1に接続されており、電極SW42は検出線LN2に接続されている。
キーKY5の下部のキー基板20には、キーKY5に対応する電極SW51〜SW53が設けられている。電極SW51〜SW53の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY5の左上、右上、および左下の位置に設けられている。電極SW51は検出線LN1に接続されており、電極SW52は検出線LN2に接続されており、電極SW53は検出線LN3に接続されている。
キーKY6の下部のキー基板20には、キーKY6に対応する電極SW61およびSW62が設けられている。電極SW61およびSW62の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY6の左上および左下の位置に設けられている。電極SW61は検出線LN1に接続されており、電極SW62は検出線LN3に接続されている。
キーKY7の下部のキー基板20には、キーKY7に対応する電極SW71およびSW72が設けられている。電極SW71およびSW72の各々は、キー基板20の表面側から見た場合に、それぞれキーKY7の左上および左下の位置に設けられている。電極SW71は検出線LN1に接続されており、電極SW72は検出線LN3に接続されている。
キーKY8の下部のキー基板20には、キーKY8に対応する電極SW81が設けられている。電極SW81は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーKY8の左下の位置に設けられている。電極SW81は検出線LN3に接続されている。
キーKY9の下部のキー基板20には、キーKY9に対応する電極SW91が設けられている。電極SW91は、キー基板20の表面側から見た場合に、キーKY9の右上の位置に設けられている。電極SW91は検出線LN2に接続されている。
言い換えれば、各キーに対応する電極のうち左上に設けられた電極SW21、SW41、SW51、SW61、およびSW71の各々は、検出線LN1に対して直列に接続されている。各キーに対応する電極のうち右上に設けられた電極SW11、SW31、SW42、SW52、およびSW91の各々は、検出線LN2に対して直列に接続されている。各キーに対応する電極のうち左下に設けられた電極SW12、SW53、SW62、SW72、およびSW81の各々は、検出線LN3に対して直列に接続されている。検出線LN3に接続された電極は、相対的に面積の大きい電極SW12、SW53、SW62、およびSW81と、相対的に面積の小さい電極SW72とに分けられる。
特に、キーKY1〜KY9の中で相対的に面積の大きいキーであるキーKY5には、キーKY1〜KY9の各々に対応して設けられた電極の中で相対的に面積の大きい電極SW53が設けられている。これにより、大きなキーへの操作を確実に検知することができる。
続いて、本実施の形態において、操作パネル1がキーへの操作を検知する動作について説明する。
図20は、本発明の第4の実施の形態において、操作部HPがキーKY6またはキーKY7を操作する様子を模式的に示す平面図である。
図20を参照して、ここでは検出線LN3に接続された電極SW62およびSW72に注目する。ユーザーがキーKY6を操作した場合、操作部HPは操作面CP上のキーKY6の位置に存在するため、キーKY6に対応して設置されている電極SW62の静電容量は増加する。また、ユーザーがキーKY7を操作した場合、操作部HPは操作面CP上のキーKY7の位置に存在するため、キーKY7に対応して設置されている電極SW72の静電容量は増加する。電極SW62の面積は電極SW72の面積よりも大きいため、キーKY6が操作された場合の検出線LN3の静電容量の増加量は、キーKY7が操作された場合の検出線LN3の静電容量の増加量よりも大きい。
そこで本実施の形態では、CPU11は、所定の場合に、静電スイッチドライバー14に対して検出線LN3の閾値として閾値TH4を設定することにより、検出線LN3に接続された電極のうち面積の大きい電極の静電容量が増加した状態と、検出線LN3に接続された電極のうち面積の小さい電極の静電容量が増加した状態とを区別する。
具体的には、いずれのキーも操作されない状態(デフォルトの状態)では、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1を設定する。静電スイッチドライバー14は、閾値TH1を基準としたポート情報をCPU11に出力する。
CPU11は、閾値TH1を設定した場合において、ポートPT1〜PT3の各々から取得したポート情報のうち少なくとも1つのポート情報が「1」となったときは、静電スイッチドライバー14に対して検出線LN3の閾値として閾値TH4を設定する。静電スイッチドライバー14は、閾値TH4を基準とした検出線LN3のポート情報をポートPT3からCPU11に出力する。
閾値TH4は、検出線LN3に接続された電極のうち相対的に面積の大きい電極に対応するキーが操作された場合に、その検出線の静電容量が閾値TH4を確実に超えるような値に設定される。また閾値TH4は、検出線LN3に接続された電極のうち相対的に面積の小さい電極に対応するキーが操作された場合に、その検出線の静電容量が閾値TH4を超えないような値に設定される。
CPU11は、閾値TH1を設定した場合にポートPT1〜PT3の各々から出力されるポート情報と、閾値TH4を設定した場合にポートPT3から出力されたポート情報とに基づいて、図21に示す組合せテーブルを用いて操作されたキーを判断する。
図21は、本発明の第4の実施の形態において、ROM12に記憶されている組合せテーブルを示す図である。
図21を参照して、組合せテーブルには、キーKY1〜KY9の各々のポート情報の組合せが記載されている。キーKY1〜KY9の各々のポート情報の組合せは、ポートPT1およびPT2の各々から出力されるポート情報と、閾値TH1が設定された場合にポートPT3から出力されるポート情報と、閾値TH4が設定された場合にポートPT3から出力されるポート情報とを含んでいる。
たとえば、キーKY5(スタートキー)は、閾値TH1が設定された場合および閾値TH4が設定された場合の両方において、ポートPT3から出力されるポート情報が「1」であるポート情報の組合せを有している。また、キーKY7(リセットキー)は、閾値TH1が設定された場合にポートPT3から出力されるポート情報が「1」であり、閾値TH4が設定された場合にポートPT3から出力されるポート情報が「0」であるポート情報の組合せを有している。
図22は、本発明の第4の実施の形態において、操作パネル1がキーへの操作を検知する動作を示すフローチャートである。
図22を参照して、CPU11は、静電スイッチドライバー14に対して閾値TH1を設定し(S81)、ポートPT1〜PT3の各々から「1」または「0」のポート情報を取得する(S83)。取得するポート情報は、検出線の静電容量が閾値TH1を下回る場合には「0」であり、検出線の静電容量が閾値TH1を上回る場合には「1」である。次にCPU11は、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」であるか否かを判別する(S85)。
ステップS85において、取得したポート情報のうちいずれのポート情報も「1」でないと判別した場合(S85でNO)、CPU11は、ステップS83の処理へ進む。
ステップS85において、取得したポート情報のうちいずれかのポート情報が「1」であると判別した場合(S85でYES)、CPU11は、ポートPT1〜PT3の各々から取得したポート情報をメモリ13の第1のアドレスに保存する(S87)。次にCPU11は、静電スイッチドライバー14に対して検出線LN3の閾値として閾値TH4を設定し(S89)、ポートPT3から「1」または「0」のポート情報を取得する(S91)。取得するポート情報は、検出線LN3の静電容量が閾値TH4を下回る場合には「0」であり、検出線LN3の静電容量が閾値TH4を上回る場合には「1」である。
続いてCPU11は、ポートPT3から取得したポート情報をメモリ13の第2のアドレスに保存する(S93)。続いてCPU11は、閾値TH1を設定した場合にポートPT1〜PT3の各々から取得したポート情報、および閾値TH4を設定した場合にポートPT3から取得したポート情報と、組合せテーブルとを比較し(S95)、操作されたキーを確定し(S97)、処理を終了する。
本実施の形態によれば、検出線LN3に相対的に面積の大きい電極SW62と、相対的に面積の小さい電極SW72とが接続されており、相対的に面積の大きい電極SW62は、相対的に面積の大きいキーKY6に対応して設けられている。これにより、検出線の数を一層削減することができ、部品点数の増加を一層抑止することができる。
[その他]
上述の実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。