以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の実施の形態では、操作検知装置が画像形成装置の操作パネルである場合について説明する。画像形成装置としては、たとえばMFP、プリンター、複写機、またはファクシミリなどが挙げられる。操作検知装置は、たとえば画像読取装置、携帯電話、スマートフォン、または自動販売機などの、画像形成装置以外の装置に搭載されたものであってもよい。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置100の外観を模式的に示す斜視図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置100は、MFPであり、操作パネル1(操作検知装置の一例)と、スキャナー部2と、ADF(Auto Document Feeder)4と、プリントエンジン部6(動作手段の一例、画像形成手段の一例)と、排紙トレイ8と、複数の給紙トレイ9とを主に備えている。
ADF4は、画像形成装置100の最上部に設けられている。ADF4は、読み取り対象となる原稿をスキャナー部2に送る。スキャナー部2は、ADF4の下に設けられている。スキャナー部2は、原稿を光学的に読取って画像データを得る。排紙トレイ8は、スキャナー部2の下部であって、プリントエンジン部6の上面に設けられている。排紙トレイ8には、画像を形成された用紙が排出される。プリントエンジン部6は、画像形成装置100の中央部に設けられている。プリントエンジン部6は、画像データに基づいて用紙上に画像を印刷する。複数の給紙トレイ9は、プリントエンジン部6の下部に設けられている。複数の給紙トレイ9の各々には、画像形成の対象となる用紙が収納されている。操作パネル1は、スキャナー部2の前面側(ユーザーが対向する側)に装着されている。操作パネル1は、各種情報を表示し、各種操作を受け付ける。
図2は、本発明の第1の実施の形態における操作パネル1の構成を模式的に示す図である。
図2を参照して、操作パネル1は、複数のキーKY1〜KY9と、各種情報を表示し、各種操作を受け付ける表示部1aとを含んでいる。
複数のキーKY1〜KY9はハードウェアキーであり、操作面CPに存在している。操作面CPはたとえば平面である。複数のキーKY1〜KY7は、表示部1aの下部に設けられている。複数のキーKY8およびKY9は、表示部1aの右側に設けられている。複数のキーKY1〜KY9は、静電容量型スイッチを用いて操作を検知するものであり、複数のキーKY1〜KY9自体は、操作面CPに描かれた記号または絵柄にすぎない。複数のキーKY1〜KY9の各々の下には電極が設けられている。
キーKY1は、電源キーであり、画像形成装置100の電源のオンオフの操作を受け付けるキーである。キーKY2、キーKY3、およびキーKY4の各々は、機能キーであり、コピーまたはファックスなどの予め設定された条件を呼び出すためのキーである。キーKY5は、スタートキーであり、各種ジョブの実行指示を受け付けるキーである。キーKY6は、クリアキーであり、操作パネル1でそれまでに行った設定をクリアする操作を受け付けるキーである。キーKY8は、メニューキーであり、画像形成装置100の各種メニューを呼び出す操作を受け付けるキーである。キーKY9は、ID(Identification)キーであり、ユーザーがIDを入力する際に操作されるキーである。
表示部1aは、表示部1aへの操作を検知するタッチパネルを含んでいる。表示部1aは、ユーザーからの各種操作を受け付ける画面であるメニュー画面などを表示し、受け付けた操作の位置を取得し、取得した位置に応じた入力情報を取得する。また表示部1aは、ユーザーから受け付けた操作に応じて各種情報を表示する。
なお、操作パネル1は、ユーザーが画像形成装置100の前に立った状態で操作しやすいように、操作面CPが水平面に対して傾斜するように取り付けられている。また操作パネル1は、車いすのユーザーが低い位置から操作する場合を配慮して、操作面CPの角度を調節することが可能である。
図3は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置100の制御構成を示すブロック図である。
図3を参照して、画像形成装置100は、システムコントローラー101と、メモリ102と、ネットワークインターフェース103と、出力画像処理部104と、記憶装置105と、入力画像処理部106とをさらに備えている。システムコントローラー101には、メモリ102、ネットワークインターフェース103、出力画像処理部104、記憶装置105、入力画像処理部106、操作パネル1、スキャナー部2、およびプリントエンジン部6の各々が接続されている。
システムコントローラー101は、スキャナジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、画像形成装置100全体の制御を行う。システムコントローラー101は、CPU(Central Processing Unit)121と、ROM(Read Only Memory)122などを含んでいる。CPU121は、ROM122に記憶された制御プログラムを実行する。ROM122は、画像形成装置100の動作を行うための各種プログラムと、各種固定データとを格納している。システムコントローラー101は、所定の処理を行うことにより、メモリ102からのデータの読み込みや、メモリ102へのデータの書き込みを行う。
メモリ102はRAM(Random Access Memory)よりなっている。メモリ102は、CPU121が制御プログラムを実行する際に必要なデータや画像データを一時的に記憶する。
ネットワークインターフェース103は、システムコントローラー101からの指示に従って、ネットワークを介して外部機器との通信を行う。
出力画像処理部104は、画像の印刷を行う場合などに、その画像データの形式を印刷データに変換する変換処理を行う。
記憶装置105は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)よりなっている。記憶装置105は、画像形成装置100の動作に関わる各種データを記憶する。さらに記憶装置105は、操作パネル1に表示する画面の画像データを記憶している。
入力画像処理部106は、スキャナー部2で画像を読み取った場合などに、その画像データの形式を変換する変換処理を行う。
プリントエンジン部6は、操作パネル1で受け付けた操作に基づいて、出力画像処理部104にて処理された印刷データを用いて、用紙などへ画像を形成する(プリントジョブを行う)。特に画像形成装置100がプリンターとして動作する場合、プリントエンジン部6は画像を印刷し、画像形成装置100が複写機として動作する場合、プリントエンジン部6はスキャナー部2で読み取った画像を印刷する。プリントエンジン部6は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。プリントエンジン部6は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙(記録媒体)にカラー画像を形成する。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを有する。定着装置は、加熱ローラーと加圧ローラーとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラー、搬送ローラー、およびそれらを駆動するモーターなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、画像形成装置100の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置100の筐体から排紙トレイ8などに排出する。
図4は、本発明の第1の実施の形態における操作パネル1の制御構成を示すブロック図である。
図4を参照して、操作パネル1は、静電スイッチ制御部10と、電極部20と、パネルユニット制御部60とを含んでいる。電極部20は、操作面CPの下に設けられた複数の電極(静電スイッチ)SWを含んでいる。
静電スイッチ制御部10は、複数の電極SWが対象物との間で構成する容量素子に基づいて、キーへの操作を検知し、操作を検知したキーをパネルユニット制御部60に出力する。静電スイッチ制御部10は、CV変換部30と、AD変換部40と、出力制御回路50とを含んでいる。CV変換部30は複数のCV変換回路31を含んでいる。変換部40は複数のAD変換回路41を含んでいる。出力制御回路50は複数の入力端INを含んでいる。
複数の入力端INのうち1つの入力端INaに着目すると、入力端INaには1つのAD変換回路41aが接続されており、AD変換回路41aには1つのCV変換回路31aが接続されており、CV変換回路31aには複数(個々では2つ)の電極SWaおよびSWbが並列に接続されている。電極SWaの面積は電極SWbよりも大きい。
CV変換回路31aは、電極SWaおよびSWbの各々が対象物との間で構成する容量素子の静電容量の合計値をアナログの電圧に変換し、アナログの電圧をAD変換回路41aに出力する。AD変換回路41aは、CV変換回路31aから入力したアナログの電圧をデジタルの電圧に変換し、デジタルの電圧を出力制御回路50の入力端INaに出力する。
以降、1つの入力端INに接続された1つの変換回路41と1つのCV変換回路31とを合わせて、チャンネルCHと記すことがある。本実施の形態では、1つのチャンネルCHには2つの電極SWが並列に接続されている。たとえば、チャンネルCHaは変換回路41aとCV変換回路31aとにより構成されており、チャンネルCHaには2つの電極SWaおよびSWbが並列に接続されている。チャンネルCHは、チャンネルCHに接続された複数の電極SWの各々が対象物との間で構成する容量素子の静電容量の合計値に相当する情報を出力制御回路50の入力端INに出力する。
以降、チャンネルが出力する静電容量の合計値に相当する情報を、チャンネルの検出レベルと記すことがある。また、チャンネルの検出レベルのうち、そのチャンネルに接続された1つの電極と対象物との間で構成される容量素子の静電容量が起因する部分を、その電極の検出レベルと記すことがある。
出力制御回路50は、CPUおよびROMなどを含んでおり、キーおよび電極の配列を予め記憶している。出力制御回路50は、複数の入力端INに入力した情報に基づいて、キーへの操作を検知し、操作を検知したキーをパネルユニット制御部60に出力する。パネルユニット制御部60は、操作パネル1全体の制御を行う部分である。パネルユニット制御部60は、出力制御回路50から入力した情報に基づいて、操作パネル1で行われた操作を判断し、判断結果をシステムコントローラー101に出力する。
図5は、本発明の第1の実施の形態における電極の構成を模式的に示す図である。
図5を参照して、キーKY2(第2のキーの一例)の下にはキーKY2に対応する電極SW2(第2の電極の一例)が設けられており、キーKY3(第4のキーの一例)の下にはキーKY3に対応する電極SW4(第4の電極の一例)が設けられており、キーKY5(第1のキーの一例)の下にはキーKY5に対応する電極SW1(第1の電極の一例)が設けられており、キーKY7(第3のキーの一例)の下にはキーKY7に対応する電極SW3(第3の電極の一例)が設けられている。電極SW1と電極SW3とは、他の電極を挟まずに隣接しており、電極SW2と電極SW4とは、他の電極を挟まずに隣接している。静電スイッチ制御部10は、チャンネルCH1(第1の出力手段の一例)およびCH2(第2の出力手段の一例)を含んでいる。チャンネルCH1には、電極SW1およびSW2が並列に接続されており、チャンネルCH2には、電極SW3およびSW4が並列に接続されている。
電極SW1に対応するキーKY5に対象物が接触した場合のチャンネルCH1の検出レベルは、電極SW2に対応するキーKY2に対象物が接触した場合のチャンネルCH1の検出レベルよりも大きい。また、電極SW3に対応するキーKY7に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルは、電極SW4に対応するキーKY3に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルよりも大きい。
以降、電極と、その電極に対応するキーを操作する対象物とにより構成される静電容量を、その電極の静電容量と記すことがある。また、電極における操作面と対向する部分の面積を、その電極の面積と記すことがある。
電極SW1の面積は電極SW2の面積よりも大きく、電極SW3の面積は電極SW4の面積よりも大きい。電極SW1〜SW4の各々と操作面CPとの距離は同じであり、電極SW1〜SW4の各々と操作面CPとの間の誘電率も同じである。したがって、電極SW1の静電容量は電極SW2の静電容量よりも大きく、電極SW3の静電容量は電極SW4の静電容量よりも大きい。
なお、電極SW1と電極SW2との関係については、電極SW1に対応するキーKY5に対象物が接触した場合のチャンネルCH1の検出レベルと、電極SW2に対応するキーKY2に対象物が接触した場合のチャンネルCH1の検出レベルとが互いに異なっていればよい。また、電極SW3と電極SW4との関係については、電極SW3に対応するキーKY7に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルと、電極SW4に対応するキーKY3に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルとが互いに異なっていればよい。
図6は、本発明の第1の実施の形態における操作位置OP1〜OP4を示す図である。図7は、本発明の第1の実施の形態において、対象物が操作位置OP1〜OP4の各々にある場合のチャンネルの検出レベルを示すグラフである。なお、図7では、チャンネルCH2の検出レベルが電極SW3の検出レベルと電極SW4の検出レベルとに分けて表示されている。実際のチャンネルCH2の検出レベルは、電極SW3の検出レベルと電極SW4の検出レベルとを合わせたものとなる。
図6および図7(a)を参照して、対象物がキーKY5の位置である操作位置OP1に存在する場合には、電極SW1の検出レベルが増加するため、チャンネルCH1の検出レベルが増加し、閾値TH(CH1)1を超える。
図6および図7(b)を参照して、対象物が電極SW1およびSW2から十分に離れた操作位置OP2に存在する場合には、電極SW1およびSW2の検出レベルはいずれも低いため、チャンネルCH1の検出レベルは低いままであり、閾値TH(CH1)2(<TH(CH1)1)を下回る。
図6および図7(c)を参照して、対象物がキーKY2の位置である操作位置OP3に存在する場合には、電極SW2の検出レベルが増加するため、チャンネルCH1の検出レベルが増加し、閾値TH(CH1)2を超える。但し、電極SW2の静電容量は電極SW1の静電容量よりも小さいため、チャンネルCH1の検知レベルは閾値TH(CH1)1を下回る。
図6および図7(d)を参照して、対象物がキーKY5から少し離れた位置である操作位置OP4に存在する場合には、電極SW1の検出レベルが増加するため、チャンネルCH1の検出レベルが増加し、閾値TH(CH1)2を超える。但し、対象物は電極SW1から少し離れているため、チャンネルCH1の検知レベルは閾値TH(CH1)1を下回る。
このように、対象物が操作位置PO3に存在する場合と操作位置PO4に存在する場合との両方で、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1を下回り、かつ閾値TH(CH1)2を超えるため、静電スイッチ制御部10は、チャンネルCH1の検出レベルのみでは、キーKY2が操作されたのか否かを正確には判断することができない。
そこでこの場合、出力制御回路50は、チャンネルCH1の検出レベルに加えて他のチャンネルCH2の検出レベルに基づいて、キーKY2への操作の有無を検知する。
具体的には、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12を上回る場合、静電スイッチ制御部10は、キーKY2への操作を検知する。対象物が操作位置OP2に存在するときは、図7(c)に示すように、電極SW2に隣接する電極SW4の検出レベルが増加し、チャンネルCH2の検出レベルが高くなるためである。
一方、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12を下回る場合、静電スイッチ制御部10は、キーKY2への操作を検知しない。対象物が操作位置OP4に存在するときは、図7(d)に示すように、電極SW3およびSW4の検出レベルは小さいままであり、チャンネルCH2の検出レベルは低いままであるためである。
なお、電極SW1に対応するキーKY5が操作されたか否かを判断する際に、電極SW1に隣接する電極SW3が接続されたチャンネルCH2の検出レベルを参照してもよい。これにより、キーKY5への操作の有無をより正確に検知することができる。
図8は、本発明の第1の実施の形態において、出力制御回路50がチャンネルCH1またはCH2に接続された電極に対応するキーへの操作の有無を判断する際の判断基準を示すテーブルである。図8(a)は、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーへの操作の有無を判断する際の判断基準を示すテーブルである。図8(b)は、チャンネルCH2に接続された電極に対応するキーへの操作の有無を判断する際の判断基準を示すテーブルである。図8のテーブルは、たとえば出力制御回路50(記憶装置の一例)に記憶されている。
図8(a)を参照して、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2より小さい場合(ケースCS4)、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーへの操作は検出されない。
チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2より大きい場合(ケースCS1〜CS3)、チャンネルCH1に接続された複数の電極に対応するキーのいずれかが操作されているか、対象物がキーKY5から少し離れた位置に存在するかのいずれかである。ここで、閾値TH(CH1)1は、電極SW1に対応するキーが操作された場合以外にはチャンネルCH1の検出レベルがそれ以上の値とならないような値に設定される。したがって、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1より大きければ(ケースCS1)、電極SW1に対応するキーKY5への操作が一義的に検知される。
チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1より小さく閾値TH(CH1)2より大きい場合(ケースCS2およびCS3、第1の数値範囲の一例)、チャンネルCH2の検出レベルが参照される。この場合において、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12より大きく閾値TH(CH2)11より小さいとき(ケースCS2、第2の数値範囲)は、電極SW2に対応するキーKY2への操作が検知される。チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12より小さいとき(ケースCS3、第3の数値範囲)は、対象物がキーKY5から少し離れた位置に存在するに過ぎず、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーへの操作は検知されない。
なお、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)11を超える場合には、電極SW3またはSW4に対応するキーが操作された可能性がある。このため、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーの操作の有無を判断する際には、チャンネルCH2の検出レベルの上限値である閾値TH(CH2)11が設定されることが好ましい。
図8(b)を参照して、チャンネルCH2に接続された電極に対応するキーの操作の有無を判断する際の判断基準も、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーの操作の有無を判断する際の判断基準と同様のものである。
チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)2より小さい場合(ケースCS8)、チャンネルCH2に接続された電極に対応するキーへの操作は検知されない。
チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)1より大きい場合(ケースCS5)、電極SW4に対応するキーKY3への操作が検知される。
チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)1より小さく閾値TH(CH2)2より大きい場合(ケースCS6およびCS7)、チャンネルCH1の検出レベルが参照される。この場合において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)12より大きく閾値TH(CH2)11より小さいとき(ケースCS6)は、電極SW3に対応するキーKY7への操作が検知される。チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)12より小さいとき(ケースCS7)は、対象物がキーKY3から少し離れた位置に存在しているに過ぎず、チャンネルCH2に接続された電極に対応するキーへの操作は検知されない。
なお、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)11を超える場合には、電極SW1またはSW2に対応するキーが操作された可能性がある。このため、チャンネルCH2に接続された電極に対応するキーの操作の有無を判断する際には、チャンネルCH1の検出レベルの上限値である閾値TH(CH1)11が設定されることが好ましい。
なお、出力制御回路50は、キーのレイアウトなどに応じて、複数のチャンネルの検出レベルを参照することにより、キーへの操作を検知してもよい。
図9は、本発明の第1の実施の形態における、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーへの操作の有無を検知する際の操作パネル1の動作を示すフローチャートである。
図9を参照して、パネルユニット制御部60の制御中に、静電スイッチの検出処理を行う状態になると、このフローの処理で静電スイッチによる検知が行われる。出力制御回路50は、チャンネルCH1の判定タイミングであるか否かを判別する(S110)。ここでは、チャンネルCH1の判定そのものを行わない条件が設定されている場合や、各チャンネルを順次スキャンして判定する場合などを想定している。
ステップS110において、チャンネルCH1の判定タイミングであると判別した場合(S110でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH1の検出レベルを読み込み(S111)、チャンネルCH1の検出レベルが有効であるか否かを判別する(S112)。チャンネルCH1の検出レベルが有効であるか否かは、たとえば検出レベルが所定の時間の間安定しているか否かや、検出レベルの増加率が一定値以下であるかなどに基づいて判別される。この判別により、異物などを誤検出することを防ぐことができる。
ステップS110において、チャンネルCH1の判定タイミングでないと判別した場合(S110でNO)、またはステップS112において、チャンネルCH1の検出レベルが有効でないと判別した場合(S112でNO)、出力制御回路50は処理を終了する。
ステップS112において、チャンネルCH1の検出レベルが有効であると判別した場合(S112でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1よりも大きいか否かを判別する(S113)。
ステップS113において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1よりも大きいと判別した場合(S113でYES)、出力制御回路50は、電極SW1に対応するキーへの操作を検知し(S114)、処理を終了する。
ステップS113において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1よりも大きくないと判別した場合(S113でNO)、出力制御回路50は、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2よりも大きいか否かを判別する(S115)。
ステップS115において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2よりも大きくないと判別した場合(S115でNO)、出力制御回路50は、チャンネルCH1に接続された電極SW1およびSW2に対応するキーへの操作を検知せず(S119)、処理を終了する。
ステップS115において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2よりも大きいと判別した場合(S115でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12よりも大きいか否かを判別する(S116)。
ステップS116において、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH1)12よりも大きいと判別した場合(S116でYES)、出力制御回路50は、電極SW2に対応するキーへの操作を検知し(S117)、処理を終了する。
ステップS116において、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH1)12よりも大きくないと判別した場合(S116でNO)、出力制御回路50は、チャンネルCH1に接続された電極SW1およびSW2に対応するキーへの操作を検知せず(S118)、処理を終了する。
他のキーについても、関連するチャンネルの検出レベルに基づいて上述と同様な処理により操作の有無が検知される。
本実施の形態によれば、複数のチャンネルの各々に対して、異なる検出レベルを持つ複数の電極が設けられているので、キーの数に対してチャンネルの数を減らすことができる。また、キーの操作の有無を検知する際に、キーに対応する電極が接続されているチャンネルの検出レベルと、その電極に隣接する電極が接続されているチャンネルの検出レベルとを参照するので、キーへの操作を正確に検知することができ、キーの配列の自由度を維持しつつ、検出精度を高めることができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、電極SW3に対応するキーKY7に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルが、電極SW4に対応するキーKY3に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルよりも大きい場合について示した。
本実施の形態において、電極SW4に対応するキーKY3に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルは、電極SW3に対応するキーKY7に対象物が接触した場合のチャンネルCH2の検出レベルよりも大きい。言い換えれば、電極SW4の静電容量は、電極SW3の静電容量よりも大きい。
図10は、本発明の第2の実施の形態における電極の第1の構成を模式的に示す図である。
図10を参照して、本構成では、電極SW1の面積が電極SW2の面積よりも大きくされており、電極SW4の面積が電極SW3の面積よりも大きくされている。言い換えれば、チャンネルCH1に接続された2つの電極のうち相対的に面積が小さい電極SW2に隣接する電極が、チャンネルCH2に接続された2つの電極のうち相対的に面積が大きい電極SW4とされている。電極SW1〜SW4の各々と操作面CPとの距離は同じであり、電極SW1〜SW4の各々と操作面CPとの間の誘電率も同じである。
図11は、本発明の第2の実施の形態における電極の第2の構成を模式的に示す図である。
図11を参照して、本構成では、電極SW4と操作面CPとの距離Δd2が電極SW3と操作面CPとの距離Δd3よりも短くされている。同様に、電極SW1と操作面CPとの距離Δd1が電極SW2と操作面CPとの距離Δd2よりも短くされている。電極SW1〜SW4の各々の面積は同じであり、電極SW1〜SW4の各々と操作面CPとの間の誘電率も同じである。
なお、電極SW4は、隣接する電極SW2と相対的に近い位置に配置され、電極SW3は、隣接する電極SW1と相対的に遠い位置に配置されてもよい。これにより、キーKY2が操作された場合の電極SW4の検出レベルが一層高くなる。
図12は、本発明の第2の実施の形態における電極の第3の構成を模式的に示す図である。
図12を参照して、本構成では、電極SW4と操作面CPとの間、および電極SW1と操作面CPとの間に誘電体DCが設けられている。誘電体DCは誘電率ε1を有している。キーKY2が操作された場合の電極SW4の検出レベルを高くするために、電極SW4と操作面CPとの間に設けられた誘電体DCの幅(図12中横方向の長さ)は、電極SW4およびSW1の各々の幅よりも大きくなっている。
一方、電極SW2と操作面CPとの間、および電極SW3と操作面CPとの間には何も設けられておらず、電極SW2と操作面CPとの間、および電極SW3と操作面CPとの間の誘電率は、誘電率ε0となっている。誘電率ε1は誘電率ε0よりも高い。
上述の第1〜第3の構成は、互いに組み合わせることが可能である。
なお、上述以外の画像形成装置100の構成および動作は、第1の実施の形態における画像形成装置の構成および動作と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図13は、本発明の第2の実施の形態において、対象物が操作位置OP3およびOP4の各々にある場合のチャンネルの検出レベルを示すグラフである。
図13を参照して、本実施の形態によれば、対象物が操作位置OP3に存在する場合のチャンネルCH2の検出レベルと、操作位置OP4に存在する場合のチャンネルCH2の検出レベルとの高低差を大きくすることができる。その結果、出力制御回路50は、対象物が操作面CPにおけるキーKY2の位置である操作位置OP2に存在するのか、あるいは操作面CPにおけるキーKY5から少し離れた位置である操作位置OP4に存在するのかをより正確に判断することができる。
具体的には、対象物が操作位置OP3に存在するときは、図13(a)に示すように、電極SW2に隣接する電極SW4の検出レベルが図7(c)に示す場合よりも増加し、チャンネルCH2の検出レベルが一層高くなる。
一方、対象物が操作位置OP4に存在するときは、図13(b)に示すように、電極SW3およびSW4の検出レベルは小さいままであり、チャンネルCH2の検出レベルは低いままである。
[第3の実施の形態]
図14は、本発明の第3の実施の形態における電極の構成を示す図である。図15は、本発明の第3の実施の形態において、各キーに割り当てられた電極の検出レベルを示すテーブルである。
図14および図15を参照して、本実施の形態では、各キーの使用頻度に応じて電極の配置および接続が決定されている。具体的には、使用頻度の高いキーに対応する電極として面積の大きい電極(検出レベルの高い電極)が設けられており、使用頻度の低いキーに対応する電極として面積の小さい電極(検出レベルの低い電極)が設けられており、面積の大きい電極と面積の小さい電極とが1つのチャンネルに対して並列に接続されている。
具体的には、電源キーであるキーKY1は、画像形成装置100の電源のオンオフを行うキーであるため、最も使用頻度が高い。また、キーKY5〜KY8なども使用頻度が高い。一方、機能キーであるキーKY2〜KY4は、特定の機能を設定するキーであるため、比較的使用頻度が低い。またキーKY9も使用頻度が低い。
そこで、使用頻度の高いキーKY1(電源キー)、キーKY5(スタートキー)、キーKY6(クリアキー)、キーKY7(リセットキー)、およびキーKY8(メニューキー)に対応する電極として、面積の大きい電極SWaが設けられており、使用頻度の低いキーKY2〜KY4(機能キー)およびキーKY9(IDキー)に対応する電極として、面積の小さい電極SWbが設けられている。キーKY1に対応する電極SWaとキーKY4に対応する電極SWbとがチャンネルCH1に対して並列に接続されている。キーKY2に対応する電極SWaとキーKY5に対応する電極SWbとがチャンネルCH2に対して並列に接続されている。キーKY3に対応する電極SWbとキーKY7に対応する電極SWaとがチャンネルCH3に対して並列に接続されている。キーKY6に対応する電極SWaとキーKY9に対応する電極SWbとがチャンネルCH4に対して並列に接続されている。キーKY8はチャンネルCH5に接続されている。
なお、面積を変える方法の他、操作面CPから電極までの距離を変える方法や誘電率を変える方法などを用いて各電極の検出レベルが変更されてもよい。
本実施の形態によれば、使用頻度の高いキーに対応する電極として検出レベルの高い電極を設け、使用頻度の低いキーに対応する電極として検出レベルの低い電極を設け、検出レベルの高い電極と検出レベルの低い電極とが1つのチャンネルに対して並列に接続されるので、使用頻度の高いキーが操作された場合には、隣接する電極のチャンネルの検出レベルを参照することなく、キーが操作されたことを一義的に決定することができる。その結果、隣接する電極のチャンネルの検出レベルを参照する機会を減らすことができ、誤検出のリスクを低減することができる。
[第4の実施の形態]
近年、NFC(Near Field Communication)などの規格に従って外部機器と近距離無線通信を行うための構成を、操作パネル内に搭載する技術が提案されている。この技術では、近距離無線通信を行うためのアンテナを設置するスペースが操作パネル内に必要である。本実施の形態では、アンテナを設置するスペースを省略するために、操作パネルのキーの付近にアンテナが設置される。
図16は、本発明の第4の実施の形態における電極の構成を模式的に示す図である。
図16を参照して、本実施の形態における操作パネル1は、アンテナAN(近距離無線通信用アンテナの一例)と、NFC制御部70(近距離無線通信手段の一例)とをさらに含んでいる。アンテナANは、電極SW1を取り囲むように電極SW1の付近に設置されている。NFC制御部70は、外部機器(NFCリーダー/ライター)RWがアンテナANに接近した場合に、アンテナANを通じて画像形成装置100は外部機器RWとの間で近距離無線通信を行い、必要な処理を実施する。アンテナANは電極SW2の付近に設置されていてもよいが、1つのチャンネルCH1に接続された2つの電極のうち相対的に静電容量の大きい電極SW1の付近に設置されることが好ましい。
図16に示す構成では、アンテナANが電極SW1の付近に設置されている場合には、チャンネルCH1の検知レベルが上昇した場合に、その上昇が、キーKY5が操作されていることに起因するものなのか、対象物が電極SW1から少し離れた位置に存在していることに起因するものなのか、あるいは外部機器RWがアンテナANに接近していることに起因するものかを正確に判断することが難しい。
また、画像形成装置100と外部機器RWとの間で近距離無線通信が確立されるまでにはある程度の時間を要する。このため、外部機器RWとの間での近距離無線通信の確立によってキーKY2への操作の有無を検知しようとすると、キーKY5への操作に対する応答性が損なわれる。特に、画像形成装置100と外部機器RWとの間で近距離無線通信を確立する際には、通信に異常が発生することがある。このような事態が発生すると、近距離無線通信の確立に長い時間を要し、キーKY2への操作に対する応答性が一層損なわれる。
そこで、本実施の形態における操作パネル1は、以下に説明する方法で、チャンネルCH1およびCH2の各々の検出レベルに基づいて、アンテナANへの外部機器RWの接近を検知する。これにより、キーKY2への操作の応答性が改善されている。
図17は、本発明の第4の実施の形態における対象物の位置または外部機器の接近に応じたチャンネルの検出レベルを示すグラフである。
図16および図17(a)を参照して、対象物が操作面CPにおけるキーKY5の位置に存在する場合には、チャンネルCH1の検出レベルが増加し、閾値TH(CH1)1を超える。この場合、出力制御回路50は、キーKY5への操作を検知する。
図16および図17(b)を参照して、外部機器RWが接近している場合には、チャンネルCH1の検出レベルが図17(a)の場合よりも減少し、閾値TH(CH1)2を下回り、閾値TH(CH1)1を上回る。また、チャンネルCH2の検出レベルは、閾値TH(CH2)11を上回る。この場合、出力制御回路50は、外部機器RWの接近を検知する。
図16および図17(c)を参照して、対象物が操作面CPにおけるキーKY2の位置に存在する場合には、チャンネルCH1の検出レベルが図17(a)の場合よりも減少し、閾値TH(CH1)1を下回り、閾値TH(CH1)2を上回る。また、チャンネルCH2の検出レベルは、閾値TH(CH2)11を下回り、閾値TH(CH2)12を上回る。この場合、出力制御回路50は、キーKY2への操作を検知する。
図16および図17(d)を参照して、対象物がキーKY5から少し離れた位置に存在する場合には、チャンネルCH1の検出レベルが図17(a)の場合よりも減少し、閾値TH(CH1)1を下回り、閾値TH(CH1)2を上回る。また、チャンネルCH2の検出レベルは、閾値TH(CH2)12を下回る。
外部機器RWは、通常、対象物よりも比較的広い範囲に存在する。このため、外部機器RWと、チャンネルCH2の電極SW3およびSW4の各々との間で構成される容量素子の静電容量は、ユーザーの指と、チャンネルCH2の電極SW3およびSW4の各々との間で構成される容量素子の静電容量よりも大きくなる。したがって、本実施の形態では、外部機器RWが接近している場合のチャンネルCH2の検出レベルが、対象物が操作面CPにおけるキーKY2の位置に存在する場合のチャンネルCH2の検出レベルや、対象物がキーKY5から少し離れた位置に存在する場合のチャンネルCH2の検出レベルよりも高く設定されている。
図18は、本発明の第4の実施の形態において、出力制御回路50がチャンネルCH1に接続された電極SW1およびSW2に対応するキーへの操作の有無、ならびに外部機器の接近の有無を判断する際の判断基準を示すテーブルである。図18のテーブルは、たとえば出力制御回路50に記憶されている。
図18を参照して、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2より小さい場合(ケースCS13)、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーへの操作は検知されない。
チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1より大きければ(ケースCS9)、電極SW1に対応するキーKY5への操作が一義的に検知される。NFC制御部70と外部機器RWとの近距離無線通信が確立する前に、キーKY5への操作を検知した場合には、画像形成装置100は、近距離無線通信を確立する動作よりもキーKY5への操作を優先し、キーKY5への操作に基づく動作(たとえばプリントジョブの実行)を行う。
チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1より小さく閾値TH(CH1)2より大きい場合(ケースCS10〜CS12、第1の数値範囲の一例)、チャンネルCH2の検出レベルが参照される。チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)11より大きく閾値TH(CH2)10より小さい場合(ケースCS10、第4の数値範囲の一例)には、外部機器RWの接近が検知される。チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12より大きく閾値TH(CH2)11より小さい場合(ケースCS11、第2の数値範囲の一例)には、電極SW2に対応するキーKY2への操作が検知される。チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12より小さい場合(ケースCS12、第3の数値範囲の一例)には、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーへの操作は検知されず、外部機器RWの接近も検知されない。
閾値TH(CH2)11は、外部機器RWの最低限の大きさや近距離無線通信に必要な検出距離などに基づいて設定される。
図19は、本発明の第4の実施の形態における、チャンネルCH1に接続された電極に対応するキーへの操作の有無、およびの外部機器の接近(NFC制御部70の入力)の有無を検知する際の操作パネル1の動作を示すフローチャートである。
図19を参照して、パネルユニット制御部60の制御中に、静電スイッチの検出処理を行う状態になると、このフローの処理で静電スイッチによる検知が行われる。出力制御回路50は、画像形成装置100が、NFCを利用した外部機器との通信が可能であるか否かを判別する(S170)。NFCを用いた通信が画像形成装置100の機能のオプションである場合には、NFC制御部70が設けられていない場合や、NFC制御部70が動作しないように設定されている場合もある。そのような場合には、NFCを利用した外部機器の通信が不可能であると判別される。
ステップS170において、NFCを利用した外部機器との通信が可能であると判別した場合(S170でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH1の判定タイミングであるか否かを判別する(S171)。ここでは、チャンネルCH1の判定そのものを行わない条件が設定されている場合や、各チャンネルを順次スキャンして判定する場合などを想定している。
ステップS171において、チャンネルCH1の判定タイミングであると判別した場合(S171でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH1の検出レベルを読み込み(S172)、チャンネルCH1の検出レベルが有効であるか否かを判別する(S173)。チャンネルCH1の検出レベルが有効であるか否かは、たとえば検出レベルが所定の時間の間安定しているか否かや、検出レベルの増加率が一定値以下であるかなどに基づいて判別される。この判別により、異物などを誤検出することを防ぐことができる。
ステップS170において、NFCを利用した外部機器との通信が不可能であると判別した場合(S170でNO)、ステップS171において、チャンネルCH1の判定タイミングでないと判別した場合(S171でNO)、またはステップS173において、チャンネルCH1の検出レベルが有効でないと判別した場合(S173でNO)、出力制御回路50は処理を終了する。
ステップS173において、チャンネルCH1の検出レベルが有効であると判別した場合(S173でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1よりも大きいか否かを判別する(S174)。
ステップS174において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1よりも大きいと判別した場合(S174でYES)、出力制御回路50は、電極SW1に対応するキーが操作されたと判断し(S175)、処理を終了する。
ステップS174において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)1よりも大きくないと判別した場合(S174でNO)、出力制御回路50は、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2よりも大きいか否かを判別する(S176)。
ステップS176において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2よりも大きいと判別した場合(S176でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)11よりも大きいか否かを判別する(S177)。
ステップS177において、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH1)11よりも大きいと判別した場合(S177でYES)、出力制御回路50は、チャンネルCH1に接続された電極SW1およびSW2に対応するキーへの操作を検知せず、外部機器の接近を検知する(S178)。続いて出力制御回路50は、外部機器の接近を検知してから所定時間内に、NFC制御部70が外部機器との近距離無線通信を確立したか否かを判別する(S179)。
ステップS179において、所定時間内にNFC制御部70が外部機器との近距離無線通信を確立したと判別した場合(S179でYES)、出力制御回路50は、外部機器を認証する動作を行い(S180)、処理を終了する。
ステップS179において、所定時間内にNFC制御部70が外部機器との近距離無線通信を確立しないと判別した場合(S179でNO)、出力制御回路50は、外部機器との通信エラーを検出し(S181)、通信エラーを画像形成装置100の本体側に通知し、処理を終了する。
ステップS177において、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH1)11よりも大きくないと判別した場合(S177でNO)、出力制御回路50は、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12よりも大きいか否かを判別する(S182)。
ステップS182において、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12よりも大きいと判別した場合(S182でYES)、出力制御回路50は、電極SW2に対応するキーへの操作を検知し、外部機器の接近を検知せず(S183)、処理を終了する。
ステップS176において、チャンネルCH1の検出レベルが閾値TH(CH1)2よりも大きくないと判別した場合(S176でNO)、またはステップS182において、チャンネルCH2の検出レベルが閾値TH(CH2)12よりも大きくないと判別した場合(S182でNO)、出力制御回路50は、チャンネルCH1に接続された電極SW1およびSW2に対応するキーへの操作、および外部機器の接近を検知せず(S184)、処理を終了する。
図20は、本発明の第4の実施の形態における電極の構成の変形例を模式的に示す図である。
図20を参照して、本変形例において、キーKY1の下にはキーKY1に対応する電極SW5が設けられており、アンテナANの付近には電極SW6(NFC用電極、第5の電極の一例)が設けられている。静電スイッチ制御部10は、チャンネルCH3(第3の出力手段の一例)をさらに含んでいる。チャンネルCH3には、電極SW5およびSW6が並列に接続されているチャンネルCH3は、電極SW5およびSW6が対象物との間で構成する容量素子の静電容量に相当する情報を出力する。なお、チャンネルCH3には電極SW6が単独で接続されていてもよい。
出力制御回路50は、基本的に、チャンネルCH1およびCH2の検出レベルに基づいてアンテナANへの外部機器RWの接近を検知するが、必要に応じてチャンネルCH3の検出レベルを参照することにより、アンテナANへの外部機器RWの接近を検知する。これにより、外部機器RWの接近をより正確に検知することができる。
なお、電極SW6の形状や位置は、アンテナANの構成に基づいて決定されることが好ましい。
[その他]
上述の実施の形態では、1つのチャンネルに2つの電極が接続されている場合について示したが、1つのチャンネルには3つ以上の電極が接続されていてもよい。
上述の実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。