以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.構成概要>
図1は、MFP(画像処理装置)1の外観を示す図であり、図2は、MFP1の機能ブロックを示す図である。ここでは、画像処理装置として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。
MFP1は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP1は、図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6およびコントローラ(制御部)9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP1は、画像処理装置、画像形成装置あるいは画像読取装置などとも称される。
画像読取部2は、MFP1の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像あるいはスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャナ部であるとも称される。画像読取部2は、後述するように、プラテンガラス244に載置された原稿を読み取ることが可能であるとともに、ADF26(原稿自動送り装置)に載置された原稿を読み取ることも可能である。
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。また、通信部4は、各種のネットワーク通信(有線通信および無線通信)を行うことも可能である。
格納部5は、各種の半導体メモリ(ROM、RAM等)、ならびにハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。格納部5内には、各種のプログラムおよびデータ(電子文書データ、画像データ、振動データテーブル(後述)等)が格納される。また、格納部5内の振動データテーブル550,560には、操作パネル部150(後述)の振動に関する情報(「装置振動情報」)(後述)が予め格納される。
操作部6は、MFP1に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。
このMFP1においては、操作部6の1つとして、略板状の操作パネル部150(図1参照)が設けられている。また、操作パネル部150は、その正面側にタッチパネル151(図1参照)を有している。タッチパネル151は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。タッチパネル151は、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作者からの各種の操作入力を受け付けることが可能である。
コントローラ(制御部)9は、MFP1に内蔵され、MFP1を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM(登録商標))内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体を介してMFP1にインストールされてもよい。あるいは、当該プログラムは、通信ネットワークを経由してダウンロードされ、MFP1にインストールされるようにしてもよい。
具体的には、図2に示すように、コントローラ9は、当該プログラムの実行により、通信制御部91と入力制御部92と表示制御部93と動作制御部94と取得部95と補正制御部96とを含む各種の処理部を実現する。
通信制御部91は、他の装置との間の通信動作を通信部4等と協働して制御する処理部である。通信制御部91は、各種データの送信動作を制御する送信制御部と各種データの受信動作を制御する受信制御部とを有する。
入力制御部92は、操作入力部6a(タッチパネル151等)に対する操作入力動作を制御する制御部である。たとえば、入力制御部92は、タッチパネル151に表示された操作画面に対する操作入力を受け付ける動作を制御する。
表示制御部93は、表示部6b(タッチパネル151等)についての表示制御を行う処理部である。たとえば、表示制御部93は、MFP1を操作するための操作画面等をタッチパネル151に表示させる。また、表示制御部93は、補正制御部96と協働して、操作部の振動による影響(タッチパネル151に表示されている操作パーツに対する操作への影響)を軽減する補正動作を実行する。
動作制御部94は、各種の動作(画像読取動作(スキャン動作)、印刷出力動作(プリント動作)等)に関する動作を制御する処理部である。
取得部95は、現在の実行対象の特定動作(現在の実行対象動作とも称する)に関する振動情報を格納部5(詳細には振動データテーブル550,560)から抽出して取得する処理部である。たとえば、取得部95は、実行対象ジョブ(実行対象のジョブ)に対応する振動情報を格納部5から取得する処理等を実行する。
補正制御部96は、表示制御部93と協働して当該補正動作を実行する処理部である。補正制御部96は、現在の実行対象の特定動作(現在の実行対象動作)に関する振動情報に基づき操作パネル部150の振動発生タイミングを推定(特定)する。補正制御部96は、たとえば、実行対象ジョブに対応する振動情報に基づき、操作部の振動発生タイミングを推定する。そして、補正制御部96は、操作パネル部150の振動による影響(記操作パーツへの影響)を軽減する補正動作を当該振動発生タイミングにて実行する。
<2.スキャナ部の詳細構成>
図3は、画像読取部(スキャナ部)2の概略構成を示す図である。また、図4は、画像読取部2の読取ユニット210の構成等を中心に示す図である。図4においては、ADF26に関する構成は示されていない。なお、図3および図4等においては、XYZ直交座標系を用いて方向等が適宜示されている。
図4に示されるように、スキャナ部2は、読取ユニット210を有している。
読取ユニット210は、ここでは縮小光学系型の読取部として構成される。読取ユニット210は、光源211とミラー212(212a,212b,212c)とレンズ(結像光学系)214と撮像部(イメージセンサ(撮像素子))215とを有している。読取ユニット210の各要素は、いずれも、透明なプラテンガラス244(原稿の載置面)の下側(内部側)に設けられている。光源211から上方の原稿900に向けて照射(出射)された光がプラテンガラス244(あるいはガラス243(後述))を透過して当該原稿900で反射され、反射された光がイメージセンサ215に到達することによって、原稿900の画像が取得される。
また、光源211は、複数の発光素子211E(不図示)を有しており、当該複数の発光素子(複数の部分光源)211Eは、主走査方向(X方向)に一次元状(直線状)に配列される発光素子列である。換言すれば、光源211は、主走査方向に伸延される直線状の光源である。複数の発光素子211Eは、たとえば数十個のLED(発光ダイオード)で構成される。また、複数の発光素子211Eは、互いに独立して点灯可能である。
また、イメージセンサ215としては、複数の受光素子(画素)が主走査方向(X方向)に一次元状(直線状)に配列されたリニアイメージセンサ(ここでは、CCDラインセンサ)が用いられる。換言すれば、イメージセンサ215は、主走査方向に配列された複数の画素を有する光電変換素子である。当該光電変換素子によって、光源211から原稿900に向かって出射され原稿900で反射された反射光を画像信号に変換することによって、原稿900の主走査方向における直線状の画像である「ライン画像」が取得される。
<プラテンガラス上の原稿に関するスキャン動作>
このMFP1は、原稿台(詳細にはプラテンガラス244)上に原稿を載置した状態において、片面コピーを実行することなどが可能である。具体的には、一旦、操作者が原稿カバー231(図1も参照)をMFP1の本体のプラテンガラス244から上方側に退避させた状態で原稿をプラテンガラス244上に載置する。そして、操作者が再び原稿カバー231を元の位置に戻すことによって、原稿カバー231とプラテンガラス244との間に原稿が挟持される。その後、スタートボタン(不図示)の押下等に応じてスキャン動作が実行される。スキャン動作においては、読取ユニット210の可動部220a(後述)が、副走査方向(Y方向)において原稿の一方端から他方端へと移動しつつ各副走査位置でのライン画像(X方向ライン画像)をそれぞれ取得することによって、プラテンガラス244上に載置された原稿の2次元画像が読み取られる。
読取ユニット210の光源211は、プラテンガラス244の下側に配置され、上方に向けて照明光を出射し、プラテンガラス244(原稿台)に載置された原稿のスキャン対象面(下側の面)を下方より照射する。光源211からの光は、プラテンガラス244を透過し、原稿900のスキャン対象面で反射される。そして、当該反射光に係る光像は、ミラー212a,212b,212cでさらに反射され、レンズ214を通過して縮小された後に、イメージセンサ215で受光される。イメージセンサ215は、用紙の幅方向(主走査方向)におけるライン画像を一度に取得する。これにより、原稿900の或る副走査方向位置(Y)での直線状の画像(ライン画像)が取得される。
また、読取ユニット210は、副走査方向(Y方向)に移動可能な2つの可動部220a,220b(可動部220と総称する)を有して構成されている。可動部220aには、光源211およびミラー212aが設けられており、可動部220bには、ミラー212b,212cが設けられている。可動部(スライド部あるいはスライダとも称する)220a,220bが副走査方向(Y方向)に移動することに伴って、プラテンガラス244上に載置された原稿900の各副走査方向位置(Y)での直線状の画像(ライン画像)がそれぞれ取得される。可動部220a,220bは、スライダ駆動部223(モータおよびギアなどを有する駆動機構)により駆動される。なお、可動部220a,220bの移動の際には、可動部220bが可動部220aの移動量の半分の距離を移動することによって、原稿からの反射光の各反射位置からイメージセンサ215までの光路長が一定に維持される。
このように、読取ユニット210の移動に伴って、副走査方向における各走査位置(各Y位置)を変更しつつ、各Y位置でのライン画像(直線状の画像)の取得動作が繰り返されることによって、原稿のスキャン対象面に関する2次元の画像が取得される。換言すれば、原稿全体の画像(原稿の情報)が取得される。このようなスキャン動作は、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン動作であるとともに、スキャナスライダ(可動部220a,220b)の移動動作を伴うスキャン動作であるとも表現される。
ここにおいて、読取ユニット210の可動部(移動機構)220a,220bの移動に伴ってMFP1の本体部および操作パネル部150では(特にY方向における)振動が発生する。より具体的には、読取ユニット210による読み取りが開始される際(具体的には、可動部(移動機構)220a,220bが(+Y方向に)所定程度以上の加速度で加速する際)に、振動が発生する。また、読取ユニット210による読み取りが終了する際(具体的には、可動部(移動機構)220a,220bが所定程度以上の減速加速度で減速する際)にも、振動が発生する。さらに、読取ユニット210の可動部が高速でホームポジションに向けて復帰する(−Y方向に移動する)際にも振動が発生する。より詳細には、−Y方向に所定程度以上の加速度で加速する際、所定程度以上の速度で−Y方向に移動(高速移動)する際、さらに所定程度以上の減速加速度で減速する際にも振動が発生する。
<ADFを利用したスキャン動作>
また、図3に示すように、MFP1は、ADF(原稿自動送り装置)26をも備えている。MFP1では、ADF(原稿自動送り装置)を利用したスキャン動作もが行われ得る。
ADF26は、原稿を原稿搬送経路(搬送路)278に沿って上流側から下流側へと搬送する。ADF26は、給紙ローラ271と分離ローラ272とタイミングローラ273と読取前ローラ274と読取後ローラ275,276とを含む複数の搬送ローラ(詳細には、複数の搬送ローラ対など)を有している。原稿載置トレイ251(原稿載置部)に載置された原稿(読込対象の原稿)は、給紙ローラ271によって分離ローラ272側へと送り出された後、順次、各ローラ272,273,274によって搬送方向下流側へと進行する。当該原稿は、各ローラ272,273,274,275,276およびガイド部材277等によって形成される搬送路278に沿って、原稿排出トレイ252へ向けて進行する。なお、原稿は、分離ローラ272によって分離され、1枚ずつ搬送される。また、当該原稿は、ガラス243の直上位置(原稿読取位置P21)で上述の読取ユニット210によって読み取られつつ、上流側から下流側へと搬送される。
このように、原稿載置トレイ251に載置された原稿は、ローラ271,272,273,274等によって原稿読取位置P21へ向けて搬送される。そして、当該原稿読取位置P21を通過して読み取られた原稿は、ローラ275,276等によって原稿排出トレイ252へ向けて搬送される。
また、スキャナ部2は、原稿の1回の通過動作において、原稿を(表裏)反転させることなく当該原稿の両面の画像を読み取り、各面の画像データを生成することが可能である。
具体的には、スキャナ部2は、裏面読取ユニット260(図3)をも有している。裏面読取ユニット260は、光源とイメージセンサ(受光センサ)とを有している。当該イメージセンサとしては、複数の受光素子(画素)が主走査方向(X方向)に一次元状(直線状)に配列されたリニアイメージセンサが用いられる。裏面読取ユニット260のイメージセンサは、たとえば、CIS(Contact Image Sensor)などで構成される。
裏面読取ユニット260は、原稿読取位置P22近傍に配置されており、原稿の幅方向(主走査方向)におけるライン画像(原稿読取位置P22におけるライン画像)を一度に取得する。そして、原稿がその搬送方向(副走査方向)に徐々に移動する際に同様のライン画像の取得動作が繰り返されることによって、原稿の裏面に関する2次元の画像が取得される。
特に、上述のようにして原稿が1回搬送される期間において、上述の読取ユニット210を表面読取ユニットとして用いて原稿の表(おもて)面の画像を生成するとともに、裏面読取ユニット260によって原稿の裏面の画像を生成することによって、各面の画像データを並行して生成することができる。
なお、原稿載置トレイ251に載置されていた原稿が搬送路278を下流側へと進行するにつれて当該原稿の進行角度が徐々に変更され、原稿がガラス243付近を通過するときには面の上下が逆転している。すなわち、原稿が原稿載置トレイ251に載置されているときには原稿の表(おもて)面は上側の面であるのに対して、原稿がガラス243付近を通過するときには原稿の表面は下側の面である。ガラス243付近の裏面読取ユニット260(密着型の読取部)の各要素は、いずれも、原稿の搬送路278の上側(原稿裏面側)に設けられている。
ここにおいて、ADF26による原稿搬送に伴って、MFP1の本体部および操作パネル部150では(特にY方向における)振動が発生する。具体的には、原稿載置トレイ251に載置された原稿がADF26の搬送ローラ271,272,273,274等の駆動によって原稿読取位置P21,P22へ向けて搬送される際(特にモータによる搬送ローラ271,272,273,274等の駆動が開始される際)に振動が発生する。また、当該原稿読取位置P21,P22を通過して読み取られた原稿が搬送ローラ275,276等によって原稿排出トレイ252へ向けて搬送される際(特にモータによる搬送ローラ275,276等の駆動が停止される際)にも振動が発生する。
<3.印刷出力部の詳細構成>
MFP1の印刷出力部3は、電子写真方式の印刷出力部、より詳細にはタンデム方式のフルカラー印刷出力部である。図5は、印刷出力部3の構成等を示す図である。
図5に示すように、MFP1は、複数(具体的には4つ)のイメージングユニット10(詳細には、10Y,10M,10C,10K)を備えている。MFP1は、具体的には、イエローのイメージングユニット10Yと、マゼンタのイメージングユニット10Mと、シアンのイメージングユニット10Cと、ブラックのイメージングユニット10Kとを備えている。各イメージングユニット10は、それぞれ、最終出力画像のうちの各色成分(具体的には、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各成分)の画像を電子写真方式によって形成し、中間転写ベルト(中間転写体とも称される)41に転写する。そして、中間転写ベルト41上に重畳された各色成分の画像が、駆動ローラ43と二次転写ローラ46との間を通過するシート状の印刷用紙(転写材とも称する)にさらに転写されることによって、当該印刷用紙にフルカラー画像が形成される。なお、中間転写ベルト41は、各感光体11(後述)から転写されたトナー画像を一時的に担持する像担持体であるとも表現される。
4つのイメージングユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、駆動ローラ43と巻き掛けローラ44とに巻き掛けられた中間転写ベルト41の下側直線部分の主に下部において、当該下側直線部分に沿って直列に配置されている。各イメージングユニット10は、それぞれ、感光体11と帯電器と露光器と現像器と第1転写器(1次転写器)15とイレーサ(除電器)とクリーナとを有している。詳細には、各イメージングユニット10において、略円柱状の感光体11の外周を囲むように、帯電器と露光器と現像器と第1転写器15とイレーサとクリーナとがこの順序で時計回りに配置されている。このうち、第1転写器(詳細には転写ローラ(1次転写ローラ))15は、中間転写ベルト41を隔てて、感光体11と対向する位置に配置されている。
中間転写ベルト41は、駆動ローラ43の駆動によって移動する。また、駆動ローラ43に対向する位置には、中間転写ベルト41を隔てて、第2転写器(転写ローラ(二次転写ローラ))46が設けられている。転写ローラ46による電圧印加に応じて、中間転写ベルト41上のトナー画像(フルカラートナー画像等)が印刷用紙に転写される。
また、駆動ローラ43および転写ローラ46の位置を通過した印刷用紙の搬送方向下流側には定着部(定着器)67が設けられている。定着部67は、印刷用紙に熱を加えることによって、印刷用紙上に形成されたトナー像を印刷用紙に定着する。
さらに、定着部67の搬送方向下流側には排紙トレイ75が設けられている。
また、各イメージングユニット10および転写ローラ46の下側(搬送経路上において上流側)には複数の給紙部51a,51b,51cが設けられている。各給紙部51a,51b,51cは、それぞれ、給紙トレイ331(331a,331b,331c)とピックアップローラ332(332a,332b,332c)と給紙ローラ333(333a,333b,333c)とサバキローラ334(334a,334b,334c)とを備えている。各給紙部51c,51b,51cは、それぞれ、これらの搬送ローラ332,333,334を用いて、別の搬送ローラ65,66(あるいは335,336)等に向けて、印刷用紙を供給することが可能である。
また、用紙搬送経路上における搬送ローラ335,336の直前位置P1に用紙検出センサ337が設けられており、用紙搬送経路上の当該直前位置P1における用紙の存否が用紙検出センサ337によって検出される。さらに、タイミングローラ65,66の直前位置P2に用紙検出センサ338が設けられており、当該直前位置P2における用紙の存否が用紙検出センサによって検出される。なお、この実施形態では、後述するように、各用紙検出センサ337,338による用紙検出結果に基づいて、補正動作が実行される。また、用紙検出センサ337,338としては、用紙ジャム検出用の既存のセンサが用いられることが好ましい。
このように、MFP1は、印刷用紙を載置する給紙トレイ331と、当該給紙トレイ331から搬出された印刷用紙に対する印刷出力動作を実行する印刷出力部3(特にイメージングユニット10および二次転写ローラ46等)と、給紙トレイ331に載置されている印刷用紙を印刷出力部3(特に二次転写ローラ46等)へ向けて搬送する搬送ローラ332,333,334とを備えている。
ここにおいて、上述のような給紙機構(332,333,334)を用いて印刷用紙の給紙が開始される際には、振動が発生する。
たとえば、各給紙部51(51a,51b,51c)内の印刷用紙が各給紙トレイ331(331a,331b,331c)から用紙搬送経路に供給される場合、搬送ローラ332,333,334の駆動期間中において、当該搬送ローラ332,333,334の駆動機構等の動作に起因して振動が発生する。
また、各給紙部51から用紙搬送経路へと供給された印刷用紙は、その搬送方向を水平方向から鉛直方向(上向き)へと徐々に変更しつつ、搬送される。この際、用紙搬送経路の途中の搬送ローラ対の一方に対して用紙端が一旦衝突する。このような衝突(用紙端が当該搬送ローラ対の一方に対して衝突すること)に起因して振動が発生する。なお、当該衝突後、当該用紙端は、当該搬送ローラ対のニップ部(挟持部)へと移動し、さらに当該搬送ローラ対のニップ部を通過して当該搬送ローラ対の更に下流側に移動していく。
より詳細には、給紙部51aの給紙トレイ331から供給された印刷用紙は、その搬送方向を水平方向から鉛直方向(上向き)へと徐々に変更しつつ、搬送ローラ対(詳細にはタイミングローラ対)(65,66)へ向かって搬送される。この際、印刷用紙の下流側端部は、比較的下側の用紙ガイド(ガイド板)342および右側の用紙ガイド348に案内されつつ、その進行方向を徐々に上向きに変更していく。そして、タイミングローラ対(65,66)の一方(たとえばローラ66)に対して印刷用紙の下流側端部が衝突する。その後、印刷用紙は、当該ローラ対(65,66)のニップ部を通過して当該ローラ対(65,66)の更に下流側に移動していく。この衝突(ローラ対(65,66)に対する衝突)は、用紙検出センサ338によって印刷用紙の通過開始が検出されたタイミングで(詳細には当該検出の直後に)発生する。なお、ローラ332a,333a,334a,65,66およびガイド板341,342,348は、給紙部51aから供給された印刷用紙の搬送角度を(略水平方向から略鉛直方向へと)変更する搬送角度変更部として機能する。
同様に、給紙部51c(手差しトレイ331c)から供給された印刷用紙に関しても、同様の衝突(ローラ対(65,66)近傍での衝突(ただし、ローラ65に対する衝突))が発生する。当該衝突も、用紙検出センサ338によって印刷用紙の通過開始が検出されたタイミングで(詳細には当該検出の直後に)発生する。なお、ローラ332c,333c,334c,65,66およびガイド板347,348,341は、給紙部51cから供給された印刷用紙の搬送角度を変更する搬送角度変更部として機能する。
また、給紙部51bから供給された印刷用紙は、その搬送方向を水平方向から鉛直方向(上向き)へと徐々に変更しつつ、搬送ローラ対(335,336)へ向かって搬送される。この際、印刷用紙の下流側端部は、比較的下側の用紙ガイド346に案内されつつ、その進行方向を徐々に上向きに変更していく。そして、当該ローラ対(335,336)の一方(たとえばローラ336)に対して印刷用紙の下流側端部が衝突する。その後、印刷用紙は、当該ローラ対(335,336)のニップ部を通過して当該ローラ対(335,336)の更に下流側に移動していく。この衝突(ローラ対(335,336)近傍での衝突)は、用紙検出センサ337によって印刷用紙の通過開始が検出されたタイミングで(詳細には当該検出の直後に)発生する。なお、ローラ332b,333b,334b,335,336およびガイド板344,346は、給紙部51bから供給された印刷用紙の搬送角度を(略水平方向から略鉛直方向へと)変更する搬送角度変更部として機能する。
また、MFP1は、スリープ状態から通常状態へと遷移した直後(および電源オフ状態から電源オン状態に遷移した直後等)において、印刷出力を行うための準備動作(ウォームアップ動作とも称される)を実行する。当該準備動作においては、定着部67を昇温させる予備加熱動作、および定着部67内の定着ローラ68の予備回転動作等が行われる。この準備動作(定着ローラ68の予備回転動作等を含む)も、操作パネル部150における振動の発生要因の一つである。
このウォームアップ動作は、たとえば、スリープ復帰したMFP1において、コピージョブあるいはボックスプリントジョブの設定操作が開始された直後に行われる。また、ウォームアップ動作は、スリープ中のMFP1にて他のコンピュータ(PC)からのPCプリントジョブが受信されたことに応じて当該MFP1が通常状態に復帰(スリープ復帰)する場合等においても行われる。あるいは、スリープ中のMFP1にて他のファクシミリ装置からのファクシミリデータが受信されたことに応じて当該MFP1が通常状態に復帰(スリープ復帰)する場合等においても行われる。換言すれば、スリープ復帰等の直後に実行対象ジョブのジョブ種類が判定され、当該実行対象ジョブがプリント関連ジョブであることを条件として、ウォームアップ動作が行われる。ウォームアップ動作が行われる場合には、後述するように、当該ウォームアップ動作に起因する振動の影響が軽減されることが好ましい。
<4.動作概要>
MFP1においては、MFP1内の各種の機械的駆動動作に応じて振動(主にY方向における振動)が発生する。MFP1に設けられた操作パネル部150(図1)においては、上述のように、当該振動の影響が軽減されることが好ましい。
そこで、この実施形態では、各種の動作における機械的駆動動作に起因する振動を予め測定しておき、当該各種の動作に関する当該振動に関する情報(装置振動情報とも称する)を予め格納部5に格納しておく。具体的には、当該装置振動情報は、格納部5内の振動データテーブル550,560に予め格納される。たとえば、或るMFPに対して施された実験結果(振動情報)が、同型の各MFP1内の振動データテーブル550,560に予め格納される。
その後、MFP1(取得部95)は、現在の実行対象の特定動作(実行対象ジョブ等)に関する振動情報を格納部5(振動データテーブル550,560)から抽出して取得する。そして、MFP1(補正制御部96等)は、当該特定動作に関する振動情報に基づき操作部の振動発生タイミングを推定(特定)し、補正動作(操作パネル部150の振動による影響(操作パーツへの影響)を軽減する補正動作)を当該振動発生タイミングにて実行する。たとえば、操作パネル部150に表示中の操作パーツ(操作ボタン511およびスクロールバー(操作スライダ)等)が振動発生タイミングにて拡大表示されることによって、操作パネル部150の振動による影響が軽減される。
図9の上側においては拡大前の操作ボタン511(511aとも称する)が示されており、図9の下側においては拡大後の操作ボタン511(511bとも称する)が示されている。なお、仮に補正処理を全く行わない場合、図9の上段に示されるように、振動発生中においてユーザが操作パネル部150内の操作パーツ(操作ボタン等)を押下しようとするときに、振動の影響でユーザの指先が操作パーツから外れてしまうことがある。
ここでは、操作パネル部150の振動方向が、操作パネル部150の横方向に相当するY方向であるものとする。そして、振動の影響を軽減する補正動作は、当該Y方向に操作ボタン511を拡大することによって実行される。より詳細には、−Y方向(図の左向き)と+Y方向(図の右向き)とにおいてそれぞれ数mm(ミリメートル)ずつ操作ボタン511の表示領域が拡大される。
このような補正動作によれば、振動発生中においてユーザが操作パネル部150内の操作パーツ(操作ボタン等)を押下しようとする場合、ユーザの指先が操作パネルの所望の位置から若干ずれたとしても、その押下位置を拡大後の操作ボタン511の表示領域内に収めることが可能である(図9の下段参照)。したがって、振動による影響を抑制(あるいは回避)することが可能である。また、特に、各MFP1の格納部5に予め格納された装置振動情報が利用されて振動発生タイミングが特定されるので、各MFP1において振動検出用の高価なセンサを別途設けることを要しない。それ故、コストを抑制することが可能である。
<5.振動データテーブル>
図6および図7は、振動データテーブル560,550の構成例を示す図である。図7は、メインデータテーブル550を示す図であり、図6は、振動発生タイミングの詳細内容を規定するサブデータテーブル560を示す図である。
図6のデータテーブル560においては、振動発生源(振動を発生する機械的構成(あるいは機械的動作))と振動発生タイミングとの関係が規定されている。また、図7のデータテーブル550(550aとも称する)においては、ジョブ種類と振動発生源との関係が規定されている。このように、図6および図7では、振動発生源を介してジョブ種類と振動発生タイミングとの関係が規定されている。換言すれば、振動データテーブル550,560には、操作パネル部150の振動の発生タイミングに関する情報がジョブの種類ごとに予め格納されている。
図6においては、スキャナ部2に関する詳細動作種類(プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン動作、およびADFを利用したスキャン動作)と振動発生タイミングとの関係が規定されている。
まず、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン動作(スキャナスライダ(可動部)220a,220bの移動を伴うスキャン動作)においては、複数の振動発生タイミング(「読取開始」、「読取完了」、「スライダ復帰中および復帰完了」)が存在することが規定されている。
「読取開始」は、可動部220a,220bの+Y方向における(図4の右向きの)移動の開始タイミング(読取開始タイミング)である。コントローラ9のCPUは、当該CPUによって移動開始指示を付与したタイミングを「読取開始」タイミングとして判別する。
「読取完了」は、可動部220a,220bの+Y方向における(図4の右向きの)移動の完了タイミング(読取完了タイミング)である。コントローラ9のCPUは、当該CPUによって移動終了指示を付与したタイミングを「読取完了」タイミングとして判別する。たとえば、Y方向においてプラテンガラス244の全範囲のうち原稿のサイズに応じた範囲のみを可動部(スライダ)220aが移動する場合、コントローラ9のCPUは、原稿のサイズに応じた範囲内での一方端から他方端への移動が完了したタイミングを「読取完了」タイミングとして判別すればよい。たとえば、A3サイズ(A3横サイズ)のプラテンガラス244の中央位置(A4サイズ(A4縦サイズ)の原稿に対応する位置)にまで可動部220aが到達したタイミングが、「読取完了」タイミングとして判別されればよい。
「スライダ復帰中および復帰完了」は、読取完了後の復帰タイミングであり、具体的には、読取完了後における可動部(スライダ)220a,220bの復帰動作の期間中、および当該復帰動作の完了タイミングである。なお、当該復帰動作は、−Y方向における(図4の左向きの)移動動作であり、読取時とは逆向きの移動動作であることから、反転移動動作あるいは切り返し動作などとも称される。コントローラ9のCPUは、読取時における+Y方向における移動の終了(「読取完了」タイミング)の直後に、ホームポジションへの復帰指示を付与する。CPUは、当該復帰指示の付与後において、可動部(スライダ)220a,220b(特に220b)がホームポジションに復帰した旨がホームポジションセンサ225によって検出されたタイミングを、当該復帰動作の完了タイミングとして判別する。また、当該CPUは、「読取完了」から「復帰動作の完了」までを「復帰動作の期間中」であると判別する。
また、ADF26を利用したスキャン動作においても、複数の振動発生タイミング(「読取開始」、「排紙完了」)が存在することが規定されている。
「読取開始」は、搬送ローラ271〜274の駆動開始タイミング(読取開始タイミング)である。コントローラ9のCPUは、当該CPUによって原稿搬送開始指示(搬送ローラ271〜274の駆動開始指示)を付与したタイミングを「読取開始」タイミングとして判別する。
「排紙完了」は、ADF26による「読取開始」後において、搬送ローラ275,276等の駆動(原稿排出のための駆動)が完了したタイミング(原稿排出トレイ252への原稿の排出が完了したタイミング)である。コントローラ9のCPUは、当該CPUによって原稿排出完了が判定されたタイミング(搬送ローラ275,276の駆動停止指示を付与したタイミング)を「排紙完了」タイミングとして判別する。
さらに、図6においては、印刷出力部3に関する詳細動作種類と振動発生タイミングとの関係も規定されている。
まず、ウォームアップ動作に関する振動発生タイミング(「ウォームアップ開始」および「ウォームアップ期間中」)が存在することが規定されている。なお、これに限定されず、「ウォームアップ終了」もがウォームアップ動作に関する振動発生タイミングとして規定されてもよい。あるいは、(逆に、)「ウォームアップ開始」のみが、ウォームアップ動作に関する振動発生タイミングとして規定されてもよい。
また、給紙機構による給紙動作に関する振動発生タイミング(「給紙開始」および「給紙完了」)が存在することが規定されている。
「給紙開始」は、給紙トレイ331に載置されている印刷用紙を印刷出力部3(特に二次転写ローラ46)へ向けて搬送する搬送ローラ(給紙ローラとも称する)332,333,334の駆動開始タイミング(給紙開始タイミング)である。コントローラ9のCPUは、当該CPUによって給紙開始指示(搬送ローラ332,333,334の駆動開始)を付与したタイミングを「給紙開始」タイミングとして判別する。
「給紙完了」は、「給紙開始」後における搬送ローラ332,333,334の駆動完了タイミング(給紙完了タイミング)である。コントローラ9のCPUは、センサ338(あるいは337)による用紙検出に応じて給紙完了が判定されて搬送ローラ332,333,334の駆動停止を(当該CPUが)指示したタイミングを「給紙完了」タイミング(給紙完了が検出されたタイミング)として判別する。
なお、上述のように、印刷用紙は、給紙部51a,51b(給紙トレイ331a,331b)から供給されてもよく、あるいは、給紙部51c(手差しトレイ331c)から供給されてもよい。給紙部51aから印刷用紙が供給される場合、搬送ローラ332a,333a,334aの駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングが、給紙開始タイミングおよび給紙完了タイミングとしてそれぞれ判定される。また、給紙部51bから印刷用紙が供給される場合、搬送ローラ332b,333b,334bの駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングが、給紙開始タイミングおよび給紙完了タイミングとしてそれぞれ判定される。また、給紙部51cから印刷用紙が供給される場合、搬送ローラ332c,333c,334cの駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングが、給紙開始タイミングおよび給紙完了タイミングとしてそれぞれ判定される。
さらに、搬送角度変更部における突当動作に関する振動発生タイミング(所定の搬送ローラへの「突当」(衝突箇所への用紙到達))も存在することが、図6のデータテーブル560において規定されている。たとえば、搬送ローラ332,333,334によって給紙トレイ(51a,51b,51cのいずれか)から印刷出力部3(特に二次転写ローラ46)へ向けて送り出された印刷用紙がその搬送方向の変更後に別の搬送ローラ(65,66)あるいは(335,336)に突き当たるタイミング(突当タイミング)が、振動発生タイミングとして規定されている。コントローラ9のCPUは、給紙トレイ331から給紙された印刷用紙が所定の位置(所定の搬送ローラに突き当てられる直前の位置)に到達したタイミングを、「突当」タイミングとして判別する。当該所定の位置への印刷用紙の到達は、対応センサ337(あるいは338)によって検出される。
また、図7のデータテーブル550(550aとも称する)においては、ジョブ種類と振動発生源との関係が規定されている。図7では、互いに異なる種類の複数のジョブとして、「ScanToBOX」、「ScanToEmail」、「ScanToUSB」、「ファクシミリ送信」、「ファクシミリ受信」、「PCプリント」、「BOX(ボックス)プリント」、「コピー」の各ジョブが例示されている。
ここで、「ScanToBOX」ジョブは、原稿の画像読取動作(スキャン動作)を実行するとともに、画像読取動作で生成された画像(スキャン画像)をボックス(MFP1のHDD内の格納領域)に格納するジョブである。また、「ScanToEmail」ジョブは、原稿のスキャン動作を実行するとともに、スキャン動作で生成されたスキャン画像を電子メールに添付して所望の送信先に送信するジョブである。また、「ScanToUSB」ジョブは、原稿のスキャン動作を実行するとともに、スキャン動作で生成されたスキャン画像をUSBメモリに格納するジョブである。さらに、「ファクシミリ送信」ジョブは、原稿のスキャン動作を実行するとともに、スキャン動作で生成されたスキャン画像をファクシミリ送信するジョブである。
また、「ファクシミリ受信」ジョブは、ファクシミリ通信を介して受信したデータ(画像データ)に基づく印刷出力を実行するジョブである。「PCプリント」ジョブは、他のパーソナルコンピュータ(PC)等から受信したデータに基づく印刷出力を実行するジョブである。「BOX(ボックス)プリント」ジョブは、MFP1内のボックス(格納部5(HDD等)に設けられたファイル保存領域)内に格納されているデータ(電子文書データ等)に基づく印刷出力を実行するジョブである。
さらに、「コピー」ジョブは、原稿の画像読取動作(スキャン動作)を実行するとともに、当該画像読取動作(スキャン動作)によって生成された画像データに基づく印刷出力を実行するジョブである。
このうち、「ScanToBOX」、「ScanToEmail」、「ScanToUSB」、「ファクシミリ送信」、「コピー」は、スキャン動作(画像読取動作)を伴うジョブであり、「スキャン関連ジョブ」とも表現される。また、「ファクシミリ受信」、「PCプリント」、「BOX(ボックス)プリント」、「コピー」は、プリント動作(印刷出力動作)を伴うジョブであり、「プリント関連ジョブ」とも表現される。また、「コピー」は、スキャン関連ジョブであり且つコピー関連ジョブでもあることから、「複合ジョブ」とも表現される。
このように、MFP1にて実行される複数のジョブは、スキャン動作(画像読取動作)を伴うジョブ(スキャン関連ジョブ)と、プリント動作(印刷出力動作)を伴うジョブ(プリント関連ジョブ)とを含む。また、スキャン動作(画像読取動作)は、読取ユニット210の可動部の移動動作を伴う動作と、ADF26を用いた原稿搬送動作を伴う動作とに分類される。
図7では、各スキャン関連ジョブに関して、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン動作(詳細には、読取ユニット210の可動部220a,220bの移動動作を伴うスキャン動作)を伴うジョブと、ADF26を利用するスキャン動作を伴うジョブとが、互いに区別された上で、各ジョブに対応する「振動発生源」が規定されている。なお、ADF26を利用するスキャン動作を伴うジョブは、読取ユニット210の可動部220a,220bに関する上述のような移動動作を伴わずに実行される。
たとえば、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)においては、読取ユニット210の可動部220a,220b(の駆動動作)を振動発生源とする振動が発生することが(表中の黒丸印によって)示されている。また、ADF26を利用するスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)においては、ADF26(の駆動動作)を振動発生源とする振動が発生することが(表中の黒丸印によって)示されている。
また、図7では、各プリント関連ジョブに関して、各ジョブに対応する「振動発生源」が規定されている。具体的には、ウォームアップ機構(定着ローラの回転駆動機構等を含む)(のウォームアップ動作)を振動発生源とする振動が発生することが(表中の黒丸印によって)示されている。また、給紙機構(による給紙動作)を振動発生源とする振動が発生すること、および搬送角度変更部を振動発生源とする振動が発生することも、(表中の黒丸印によって)示されている。
MFP1では、図7のデータテーブル550と図6のデータテーブル560とを用いて、ジョブ種類と振動発生タイミングとの関係が規定されている。
具体的には、まず、各スキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」、「ScanToEmail」、「ScanToUSB」、「ファクシミリ送信」)のそれぞれにおける「振動発生タイミング」が規定されている。特に、各スキャン関連ジョブにおいては、ADFを利用するスキャン関連ジョブと、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブとが互いに区別された上で、各ジョブの「振動発生タイミング」が規定されている。
たとえば、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)(図7参照)においては、スキャナスライダ(可動部220a,220b)に関する、「読取開始」、「読取完了」、「スライダ復帰中および復帰完了」(図6参照)が、「振動発生タイミング」として存在することが規定されている。
また、ADF26を利用するスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)においては、ADF26に関する、「読取開始」、「排紙完了」が、「振動発生タイミング」として存在することが規定されている。
さらに、プリント関連ジョブにおいては、ウォームアップ動作に関する振動発生タイミング(「ウォームアップ開始」および「ウォームアップ期間中」)と、給紙機構による給紙動作に関する振動発生タイミング(「給紙開始」、「給紙完了」)と、搬送角度変更部における突当動作に応じた振動発生タイミング(所定の搬送ローラへの「突当」)とが存在することが規定されている。
<6.動作詳細>
次に、図10を参照しながら、MFP1の詳細動作について説明する。なお、図10は、MFP1の動作を示すフローチャートである。
MFP1は、外部装置(PC等)から或いはMFP1の操作パネル部150を介して各種のジョブ(実行対象のジョブ)を受け付けると、処理はステップS1からステップS2に進む。
ステップS2では、MFP1は、現在の実行対象ジョブ(実行対象のジョブ)に対応する振動情報を格納部5(振動データテーブル550,560)から抽出して取得する。具体的には、実行対象ジョブの種類に応じた振動発生タイミングを含む情報が、実行対象ジョブに対応する振動情報として取得される。たとえば、実行対象ジョブの種類が「ScanToBOX」ジョブ(且つプラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブ)である場合、「ScanToBOX」ジョブ(且つプラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブ)に応じた振動情報(予め指定された「振動発生タイミング」等に関する情報を含む)が、現在の実行対象ジョブに対応する振動情報として取得される。
そして、ステップS3において、MFP1は、実行対象ジョブに対応する当該振動情報に基づき、操作パネル部150の振動発生タイミングを推定(特定)する。すなわち、当該実行対象ジョブ(の種類)に応じた振動発生タイミングが特定される。たとえば、実行対象のジョブが、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)である場合、スキャナスライダに関する「読取開始」、「読取完了」、「スライダ復帰中および復帰完了」が、「振動発生タイミング」として特定される。
その後、ステップS4において、各ジョブの種類に応じた動作(振動影響軽減のための補正動作等を含む)が実行される。
図11〜図14は、ステップS4の動作の詳細を示すフローチャートである。図11においては、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブに関する補正動作等が示されている。図12においては、ADF26を用いたスキャン関連ジョブに関する補正動作等が示されている。図13および図14においては、プリント関連ジョブに関する補正動作等が示されている。
以下では、まず、図11を参照しながら、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブに関する補正動作等について説明する。
<6−1.プラテンガラス244上の原稿に関するスキャンジョブ実行時>
実行対象のジョブが、プラテンガラス244上の原稿を読み取るスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)である場合、ステップS3において、スキャナスライダに関する「読取開始」、「読取完了」、「スライダ復帰中および復帰完了」が「振動発生タイミング」として特定される。そして、ステップS4の動作として、ステップS20(図11)の動作が実行される。
スキャンジョブの設定操作が終了しスタートボタンの押下に応じてスキャン動作の開始指示(画像読取開始指示)が付与されると、ステップS21からステップS22に進む。
ステップS22では、MFP1は、画像読取開始指示に応じて振動発生タイミング(具体的には、「読取開始」)が到来した旨を判定し、所定期間(たとえば3秒間)に亘る補正動作(操作ボタン511の拡大表示処理)(図9参照)を開始する。
その後、画像読取処理が完了した旨がステップS23にて判定されると、ステップS24に進む。
ステップS24では、MFP1は、振動発生タイミング(具体的には、「読取完了」および「スライダ復帰中」)が到来した旨を判定し、補正動作を開始する。
その後、スライダ復帰処理が完了した旨(スライダがホームポジションに復帰した旨)がステップS25にて判定されるまでは、補正動作が継続される(ステップS26)。換言すれば、スライダ復帰動作の継続中(の期間)も「振動発生タイミング」として特定(判定)され、当該スライダ復帰動作の継続中においても補正動作が実行される。
一方、スライダ復帰処理が完了した旨(スライダがホームポジションに復帰した旨)がステップS25にて判定されると、ステップS27に進む。
ステップS27では、振動発生タイミング(具体的には、「スライダ復帰完了」)が到来した旨を判定し、所定期間(たとえば3秒間)に亘る補正動作を開始する。
<6−2.ADF26を利用したスキャンジョブ実行時>
次に、図12を参照しながら、ADF26を用いたスキャン関連ジョブに関する補正動作等について説明する。
実行対象のジョブが、ADF26を利用したスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)である場合、ステップS3において、ADF26に関する「読取開始」(搬送ローラ271〜274等の駆動開始タイミング)および「排紙完了」(搬送ローラ275,276等の駆動完了タイミング)が「振動発生タイミング」として特定される。そして、ステップS4の動作として、ステップS30(図12)の動作が実行される。
スキャンジョブの設定操作が終了しスタートボタンの押下に応じてスキャン動作の開始指示(画像読取開始指示)が付与されると、ステップS31からステップS32に進む。
ステップS32では、MFP1は、振動発生タイミング(具体的には、「読取開始」)が到来した旨を判定し、所定期間(たとえば2秒間)に亘る補正動作を開始する。
その後、原稿排出処理が完了した旨がステップS35にて判定されると、ステップS36に進む。
ステップS36では、MFP1は、振動発生タイミング(具体的には、「排紙完了」)が到来した旨を判定し、所定期間(たとえば1秒間)に亘る補正動作を開始する。
なお、ここでは、1枚の原稿のみが読み取られる場合を例示しているが、これに限定されず、複数枚の原稿が連続的に読み取られる場合にも同様の動作が実行されればよい。この場合、各原稿についてステップS31,S32,S35,S36の動作が実行されればよい。また、ステップS31,S32においては、2枚目以後の原稿の読取開始指示がCPUによって付与されたタイミングが2枚目の原稿の「読取開始」タイミングであると判定されればよい。あるいは、1枚目の原稿の読取が開始されてから最後のN枚目の原稿の排出が完了するまでの期間が「振動発生タイミング」として特定されて、当該期間に亘って補正動作が継続されてもよい。さらに、最後のN枚目の原稿の排出が完了したタイミングが「振動発生タイミング」として特定されて、当該排出完了の後の所定期間(たとえば2秒間)に亘っても補正動作が継続されてもよい。
<6−3.プリントジョブ実行時>
次に、図13および図14を参照しながら、プリント関連ジョブに関する補正動作等について説明する。
実行対象のジョブが、プリント関連ジョブ(「PCプリント」ジョブ等)である場合、ステップS3において、定着部67等に関する「ウォームアップ開始」および「ウォームアップ期間中」、給紙機構に関する「給紙開始」および「給紙完了」、ならびに搬送角度変更に伴う「衝突箇所への用紙到達」タイミングが、「振動発生タイミング」として特定される(図6等参照)。そして、ステップS4の動作として、ステップS50(図13)(およびステップS60(図14))の動作が実行される。
プリントジョブが受け付けられると、ステップS51に進む。
ステップS51では、ウォームアップ動作が直ぐに実行される状況であるか否かが判定される。MFP1においては、スリープ復帰直後(あるいは電源オン直後など)の状況においてはウォームアップ動作が実行されるように構成されている。したがって、「スリープ復帰直後」(あるいは「電源オン直後」等)は、ウォームアップ動作が直ぐに実行される状況であると判定される。この場合、処理はステップS52に進む。一方、ウォームアップ動作が直ぐに実行される状況ではないと判定される場合、処理はステップS60に進む。
ステップS52において、ウォームアップ動作(より詳細には、ウォームアップ動作に伴う定着ローラの予備回転動作等)が開始された旨が判定されると、処理はステップS53に進む。
ステップS53においては、MFP1は、振動発生タイミング(具体的には、「ウォームアップ開始」)が到来した旨を判定し、補正動作を開始する。
その後、ウォームアップ動作が完了した旨がステップS54にて判定されると、MFP1は補正動作を終了する(ステップS55)。換言すれば、当該補正動作は、ウォームアップ動作の終了タイミング(完了タイミング)まで継続される。なお、ウォームアップ動作の完了直後に引き続いて印刷出力動作(給紙動作)が直ちに開始される場合には、当該補正動作は、当該給紙動作の開始まで継続されるとともに、当該給紙動作の開始に応答して補正動作が再び開始される(ステップS63(後述))。
そして、処理は、ステップS55からステップS60(図15)へと進む。
ステップS61では、プリント動作の開始指示(プリント開始指示)が付与されたか否かが判定される。
たとえば、プリントジョブがPCプリントジョブである場合には、外部装置からのプリントデータの受信完了等に応じて、プリント動作の実行開始指示が付与された旨が判定される。あるいは、プリントジョブがMFP1(操作パネル部150等)に対するユーザ操作を伴うものである場合には、操作パネル部150等に対するユーザ操作(設定操作等)が完了しスタートボタンが押下されると、プリント動作の実行開始指示が付与された旨が判定される。
プリント動作の開始指示(プリント開始指示)が付与されていることが判定されると、ステップS61からステップS62に進む。
ステップS62では、MFP1は、印刷用紙に関する給紙動作(搬送ローラ332,333,334の駆動動作)が開始されたか否かを判定する。当該給紙動作が開始された旨が判定されると、ステップS63に進む。
ステップS63では、MFP1は、振動発生タイミング(具体的には、「給紙開始」)が到来した旨を判定し、所定期間(たとえば2秒間)に亘る補正動作を開始する。
その後、ステップS64では、給紙動作が(ちょうど)完了したか否かが判定される。
給紙動作が(ちょうど)完了した旨がステップS64にて判定されると、処理はステップS67に進む。ステップS67では、MFP1は、振動発生タイミング(具体的には、「給紙完了」)が到来した旨を判定し、所定期間(たとえば2秒間)に亘る補正動作を開始した後、処理はステップS68に進む。
一方、給紙動作が(ちょうど)完了した旨が判定されない場合(具体的には、給紙動作が未だ完了していない場合、あるいはステップS67の補正動作が既に開始された場合)には、処理はステップS64からステップS65に進む。
ステップS65では、搬送ローラによって給紙トレイから印刷出力部3へ向けて送り出された印刷用紙がその搬送方向の変更後に別の搬送ローラに突き当たるタイミングが到来したか否かが判定される。換言すれば、用紙搬送方向の変更に伴って用紙端が搬送ローラに衝突するタイミング(「用紙衝突タイミング」とも称する)が到来したか否かが判定される。「用紙衝突タイミング」は、たとえば、給紙部51(51a,51b,51c)の搬送ローラ(給紙ローラ)332,333,334を用いて用紙搬送経路上に供給された印刷用紙が、当該搬送ローラ(給紙ローラ)よりも下流側に設けられた別の搬送ローラ65,66(337,338)に対して衝突するタイミングである。すなわち、「用紙衝突タイミング」は、当該別の搬送ローラに対する印刷用紙の衝突に起因する振動発生タイミングである。
具体的には、給紙部51a,51cからの給紙開始後に、印刷用紙の下流側用紙端が用紙検出位置P2にまで到達したことがセンサ338により検出されたことに基づいて、「用紙衝突タイミング」が到来した旨(用紙端が衝突発生位置付近にまで到達した旨)が判定(検出)される。センサ338は、当該別の搬送ローラ65,66の上流側直近の用紙検出位置P2付近に設けられており、印刷用紙の下流側先端部が用紙検出位置P2に到達したことを検知できる。
同様に、給紙部51bからの給紙開始後に、印刷用紙の下流側用紙端が用紙検出位置P1にまで到達したこと(別の搬送ローラ335,336に近接した旨)が、当該別の搬送ローラ335,336の上流側直近に設けられたセンサ337により検出されたことに基づいて、「用紙衝突タイミング」が到来した旨が判定される。
用紙端が突当発生位置付近にまで到達した旨が判定されない場合(突当発生位置付近にまでは未だ到達していない場合、あるいは、ステップS66の補正動作(次述)が既に開始された場合)には、処理はステップS64に戻る。
一方、用紙端が突当発生位置付近にまで(ちょうど)到達した旨が判定される場合、ステップS66に進む。
ステップS66では、MFP1は、振動発生タイミング(具体的には、「衝突箇所への用紙到達」)が到来した旨を判定し、所定期間(たとえば1秒間)に亘る補正動作を開始する。そして、ステップS68に進む。
ステップS68では、給紙動作(搬送ローラ332,333,334の駆動動作)が終了したか否かが判定される。また、ステップS68では、用紙端が突当発生位置付近にまで到達したか否かも判定される。
当該給紙動作が未だ終了していない場合には、ステップS64に戻る。また、用紙端が突当発生位置付近にまで未だ到達していない場合にもステップS64に戻る。
給紙動作が終了し且つ用紙端が突当発生位置付近にまで到達した場合には、開始されている補正動作の終了を待って、ステップS60の処理を終了する。
<7.実施形態の効果>
以上のような態様によれば、機械的駆動動作に起因して発生する操作パネル部150の振動に関する情報(振動データテーブル550,560)が、格納部5内に予め格納されている。特に、各ジョブの実行時における機械的駆動動作に起因して発生する操作パネル部150の振動に関する情報(振動データテーブル550,560)が、ジョブの種類ごとに格納部5内に予め格納されている。
そして、MFP1は、現在の実行対象の特定動作に関する振動情報を格納部5内から抽出して取得する。たとえば、MFP1は、実際のジョブの実行段階において、実行対象ジョブに対応する振動情報を格納部5から抽出して取得する。そして、MFP1は、当該振動情報に基づき操作パネル部150の振動発生タイミングを推定(特定)する。さらに、MFP1は、操作パネル部150の振動による影響(操作パネル部150内の操作パーツへの影響等)を軽減する補正動作を当該振動発生タイミングにて実行する。
したがって、操作パネル部150における振動による影響を適切に軽減することが可能である。また特に、各MFP1において操作パネル部150の振動を検出する振動センサを別途設けることを要しないので、コストの増大を抑制することが可能である。
<8.変形例1>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態においては、格納部5内の振動情報(特に振動データテーブル550(550a)(図7))において、振動の発生タイミング(各機械的駆動動作における所定程度以上の振動の有無)のみが規定されているが、これに限定されない。具体的には、振動の発生タイミングのみならず、振動の大きさ(各機械的駆動動作における振動の大きさ)等もが規定されてもよい。また、補正動作においては、「振動の大きさ」(振幅に関する情報)に基づいて、補正動作における操作パーツの拡大の程度が変更されてもよい。
図8は、このような変形例に係る振動データテーブル550(550b)を示す図である。図8の振動データテーブル550bにおいては、各機械的駆動動作における振動の大きさ(振幅)が2段階(二重丸、一重丸)で示されている。より詳細には、当該振動の大きさに関する情報が、ジョブの種類ごとに2段階で示されている。
図8中における二重丸は、閾値TH1以上の大きさ(振幅)の振動(非常に大きな振動)が発生することを示しており、図8中における一重丸は、閾値TH1未満且つ閾値TH2以上の大きさ(振幅)の振動が発生することを示している。閾値TH1は、閾値TH2よりも大きな値である(TH1>TH2)。なお、二重丸は、「レベルL1」の大きさの振動を表しており、一重丸は、「レベルL2」の大きさの振動を表している、とも表現される。レベルL1は、レベルL2よりも大きな振幅での振動状態を示している。
そして、MFP1は、実行対象ジョブの種類に応じた振動の大きさをも含む情報を、当該実行対象ジョブに対応する振動情報として取得し、取得された当該振動の大きさにも基づいて、補正動作を実行するようにしてもよい。より詳細には、MFP1は、操作パネル部150内の操作パーツを拡大表示して振動による影響を軽減する際に、実行対象ジョブの種類に応じた振動の大きさに基づいて当該操作パーツの拡大の程度を変更するようにしてもよい。
たとえば、実行対象ジョブが、ADF26を利用せず且つ読取ユニット210を利用したスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)である場合、MFP1は、「レベルL1」(二重丸)の大きさの振動(非常に大きな振動)が発生すると判定すればよい。そして、MFP1は、この判定結果に基づき、操作パネル部150内の操作パーツの大きさ(幅方向の大きさ)を左右両側に(比較的大きな)所定幅W1(たとえば、10mm)ずつ拡大して、振動による影響を軽減すればよい。また、実行対象ジョブが、ADF26を利用したスキャン関連ジョブ(「ScanToBOX」ジョブ等)である場合、MFP1は、「レベルL2」(一重丸)の大きさの振動(やや大きな振動)が発生すると判定すればよい。そして、MFP1は、この判定結果に基づき、操作パネル部150内の操作パーツの大きさ(幅方向の大きさ)を左右両側に(比較的小さな)所定幅W2(たとえば、5mm)(ただし、W2<W1)ずつ拡大して、振動による影響を軽減すればよい。
また、振動の大きさに応じて補正動作の期間長が変更されてもよい。たとえば、レベルL1の振動に対しては比較的長い期間TM1(たとえば5秒)に亘る補正動作が行われ、レベルL2の振動に対しては比較的短い期間TM2(たとえば2秒)(ただし、TM2<TM1)に亘る補正動作が行われてもよい。
また、上記変形例では、振動の大きさが2段階で規定されているが、これに限定されず、振動の大きさは3段階以上の多段階で規定されてもよい。あるいは、振動の大きさは、上述のようなレベル値ではなく、実際の振動における振幅の測定値等によって示されてもよい。
また、上記実施形態においては、振動方向が主に所定方向(操作パネルの横方向に相当する方向)であることを前提にして、当該所定方向に操作パーツを拡大表示する補正動作によって振動の影響が軽減されているが、これに限定されない。操作パネル部150における2次元の全方向に振動する可能性がある場合等においては、操作パネル部150の縦方向と横方向との双方に操作パーツを拡大する補正等が行われるようにしてもよい。たとえば、操作ボタン511が縦方向にも拡大されて表示されてもよい。換言すれば、操作ボタン511が全方向に拡大されて表示されてもよい。特に、操作パネル部150が2次元の全方向に振動する可能性がある場合には、操作パネルの縦方向と横方向との双方に操作パーツを拡大する補正等が行われることが好ましい。
また、上記実施形態では、振動による影響を軽減するため、操作ボタン511の表示領域自体が拡大されているが、これに限定されない。たとえば、ボタンの表示領域の大きさ自体は変更されず、ボタンの押下操作を受け付ける領域(操作受付領域)が拡大されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ウォームアップ動作(および当該ウォームアップ動作に伴う補正動作)がジョブ種類の判定結果に応じて行われているが、これに限定されない。たとえば、ジョブの種類が特定されずにMFP1がスリープ状態から復帰した直後(あるいは電源オフから電源オン状態に遷移した直後)等にMFP1が常にウォームアップを行う場合において、当該ウォームアップに伴う補正動作をMFP1が常に実行してもよい。