JP2017034125A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つのワイヤでそれぞれ構成されるコイル部のインダクタンスを略同一に調整することが可能なコイル部品を提供する。【解決手段】巻芯部22と、巻芯部22に巻回してある第1ワイヤ41と、第2ワイヤ42と、を有するコイル部品である。第2ワイヤ42の線路長が、第1ワイヤ41の線路長よりも長い。第1近側巻回部41αの第1ワイヤ41の巻回数をnn1とし、第1遠側巻回部41βの第1ワイヤ41の巻回数をnf1とし、第2近側巻回部42αの第2ワイヤ42の巻回数をnn2とし、第2遠側巻回部42βの第2ワイヤ42の巻回数をnf2とした場合に、nf2>nf1である。【選択図】図2

Description

本発明は、たとえばバラントランスなどに用いられるコイル部品に関する。
近年、無線通信装置、たとえばセルラー電話では、ユーザに提供する機能の量が絶えず増加し続けているとともに、性能およびコンピューティング能力が向上し、その一方で装置の外径寸法は小さくなっている。このような装置において用いられるコイル部品の一例として、バラントランスがある。
一般的に、バラントランスは、アンテナによって通常は送受信されるシングル・エンドまたは「不平衡」信号を、無線通信装置の処理電子装置において見られる差動または「平衡」信号に変換するものである。
このようなバラントランスを構成するコイル部品として、ドラムコアを用いることが検討されている。バラントランスではないが、コモンモードフィルタとしては、たとえば下記の特許文献1に示すようなドラムコアの巻芯部に、2本のワイヤを略同一の巻回数で巻回してあるコイル部品が知られている。
しかしながら、特許文献1に示すような構成のコイル部品を、たとえばバラントランスとして用いようとすると、2つのワイヤでそれぞれ構成されるコイル部のインダクタンスを略同一に調整することが困難であった。
特開2014−207367号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、2つのワイヤでそれぞれ構成されるコイル部のインダクタンスを略同一に調整することが可能なコイル部品を提供することである。
本発明者等は、コイル部品について鋭意検討した結果、巻芯部に巻き付ける2つのワイヤで構成されるコイル部のインダクタンスを略同一に近づけるためには、2つのワイヤの線路長の長さの違いと、磁性体からなる巻芯部から受ける影響を考慮する必要があることに着目し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の観点に係るコイル部品は、
巻芯部と、
前記巻芯部に巻回してある第1ワイヤと、
前記第1ワイヤとは別に前記巻芯部に巻回してある第2ワイヤと、を有するコイル部品であって、
前記第1ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第1近側巻回部と、前記第1近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第1遠側巻回部とを有し、
前記第2ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第2近側巻回部と、前記第2近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第2遠側巻回部とを有し、
前記第2ワイヤの線路長が、前記第1ワイヤの線路長よりも長く、
前記第1近側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnn1とし、前記第1遠側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnf1とし、
前記第2近側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnn2とし、前記第2遠側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnf2とした場合に、
nf2>nf1であることを特徴とする。
コイル部品において、第1ワイヤと第2ワイヤとを共通する巻芯部に2本同時に同じ巻き数で巻回すれば、これらのワイヤで構成されるコイル部のインダクタンスは、同じになると考えられていた。実際に、ほぼ同じインダクタンスになることは知られている。しかしながら、コイル部品の小型化と、高性能が要求される近年では、コイル部品を小型にしても、インダクタンスを高精度で一致させることができる電子部品が求められている。
そこで、本発明者等は、第1ワイヤと第2ワイヤとを、共通する巻芯部に2本同時に巻始め、巻始め当初は、第1ワイヤが巻芯部側に来るように巻回し、トータルの1/2巻き終わったところで、それ以降は、第1ワイヤと第2ワイヤとの位置関係を逆転させ、第2ワイヤが巻芯部側に来るように巻回してあるコイルを試作した。理論的には、これらのワイヤで構成されるコイル部品のインダクタンスは、同じになるはずであった。
しかしながら、このようにして試作したコイル部品であっても、それぞれのワイヤで巻回されたコイル部のインダクタンスは、2%以上の変化率でばらつくことが判明した。本発明者等は、それぞれのワイヤで巻回されたコイル部のインダクタンスの変化率を低減することについて鋭意検討した結果、下記の新たな知見を得た。すなわち、共通する巻芯部に同じ巻回数で第1ワイヤと第2ワイヤとを巻いたとしても、これらのワイヤの端子電極間の線路長が微妙に異なると共に、ワイヤとコアとの距離の影響が大きく影響していることを見出した。
本発明のコイル部品では、結果的に線路長が長くなる第2ワイヤにおける巻芯部から遠い側に巻回される巻き数nf2を、線路長が比較的に短くなる第1ワイヤにおける巻芯部から遠い側に巻回される巻き数nf1よりも多くしてある。そのため、第1ワイヤからなるコイル部と第2ワイヤから成るコイル部とのインダクタンスを近づけることができる。
また、共通する単一の巻芯部に2つの第1および第2ワイヤを巻回してコイル部品を構成してあるために、各ワイヤで構成されるコイルの特性ばらつきや温度特性のばらつきを低減することができる。また、1チップのコイル部品にすることにより小型化が可能である。
好ましくは、第2ワイヤのトータル巻き数(nn2+nf2)は、第1ワイヤのトータル巻き数(nn1+nf1)に略等しい。略等しくすることで、第1ワイヤからなるコイル部と第2ワイヤから成るコイル部とのインダクタンスを近づけることができる。
あるいは、第2ワイヤのトータル巻き数(nn2+nf2)は、第1ワイヤのトータル巻き数(nn1+nf1)よりも多少多くても良い。第2ワイヤのトータル巻き数(nn2+nf2)を多くすることで、第2ワイヤからなるコイルのインダクタンスが大きくなる。しかしながら、第2ワイヤにおける巻芯部から遠い側に巻回される巻き数nf2を、線路長が比較的に短くなる第1ワイヤにおける巻芯部から遠い側に巻回される巻き数nf1よりも多くすることでキャンセルできる可能性がある。
好ましくは、前記第2ワイヤの導体部分の横断面積は、前記第1ワイヤの導体部分の横断面積に略等しい。略等しくすることで、第1ワイヤからなるコイル部と第2ワイヤから成るコイル部とのインダクタンスを近づけることができる。
しかしながら、第2ワイヤの導体部分の横断面積を、第1ワイヤの導体部分の横断面積よりも大きくしても良い。第2ワイヤの導体部分の横断面積を大きくすることで、第2ワイヤからなるコイルのインダクタンスが大きくなる。しかしながら、第2ワイヤにおける巻芯部から遠い側に巻回される巻き数nf2を、第1ワイヤにおける巻芯部から遠い側に巻回される巻き数nf1よりも多くすることでキャンセルできる可能性がある。
好ましくは、前記巻回数nn2が2ターン以上であり、nf2/(nn2+nf2)が0.55以上、さらに好ましくは0.60以上である。このような範囲とすることで、第1ワイヤからなるコイル部と第2ワイヤから成るコイル部とのインダクタンスを近づけることができる。
本発明の第2の観点に係るコイル部品は、
巻芯部と、
前記巻芯部に巻回してある第1ワイヤと、
前記第1ワイヤとは別に前記巻芯部に巻回してある第2ワイヤと、を有するコイル部品であって、
前記第1ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第1近側巻回部と、前記第1近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第1遠側巻回部とを有し、
前記第2ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第2近側巻回部と、前記第2近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第2遠側巻回部とを有し、
前記第2ワイヤの導体部分の横断面積が、前記第1ワイヤの導体部分の横断面積よりも大きく、
前記第1近側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnn1とし、前記第1遠側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnf1とし、
前記第2近側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnn2とし、前記第2遠側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnf2とした場合に、
nf2>nf1ことを特徴とする。
本発明の第3観点に係るコイル部品は、
巻芯部と、
前記巻芯部に巻回してある第1ワイヤと、
前記第1ワイヤとは別に前記巻芯部に巻回してある第2ワイヤと、を有するコイル部品であって、
前記第1ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第1近側巻回部と、前記第1近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第1遠側巻回部とを有し、
前記第2ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第2近側巻回部と、前記第2近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第2遠側巻回部とを有し、
前記第2ワイヤの導体部分の横断面積が、前記第1ワイヤの導体部分の横断面積よりも大きく、
前記第1ワイヤの線路長が、前記第2ワイヤの線路長よりも長く、
前記第1近側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnn1とし、前記第1遠側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnf1とし、
前記第2近側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnn2とし、前記第2遠側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnf2とした場合に、
nf2がnf1に略等しい。
本発明の第2および第3の観点に係るコイル部品においても、第1ワイヤからなるコイル部と第2ワイヤから成るコイル部とのインダクタンスを近づけることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。 図2は図1に示すコイル部の巻芯部に巻回してあるコイル部の概略断面図である。 図3は図1および図2に示すコイル部品の等価回路図である。 図4は本発明の実施例に係るコイル部品の効果を示すグラフである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るコイル部品10は、ドラム型コア20と、ドラムコア20の巻芯部22に巻回されたコイル部40を有する。
なお、コイル部品10の説明では、コイル部品10を実装する実装面と平行な面内にありドラムコア20の巻芯部22の巻軸と平行な方向をX軸、X軸と同じく実装面と平行な面内にありX軸と垂直な方向をY軸方向、実装面の法線方向をZ軸方向とする。
コイル部品10は、その外形寸法が、たとえば(幅3.2mm×高さ2.8mm×奥行き3.2mm)であるが、コイル部品10のサイズはこれに限定されない。
ドラムコア20は、棒状の巻芯部22と、巻芯部22の両端に備えられる一対のコア端部としての一対の鍔部24,24と、を有する。
鍔部24の外形状は、略直方体であり、一対の鍔部24は、X軸方向に関して所定の間隔を空けて、互いに略平行になるように配置されている。巻芯部22は、一対の鍔部24において互いに向かい合うそれぞれの面の中央部に接続しており、一対の鍔部24を接続している。巻芯部22の横断面形状は、本実施形態では矩形であるが、円形でも良く、その断面形状は特に限定されない。
ドラムコア20のZ軸方向下端部またはZ軸方向の上端部には、板状コアが接着してあっても良い。
ドラムコア20の各鍔部24には、端子51〜54が設けられている。端子51〜54は、略L字の外形状を有する金具で構成されており、少なくとも一部が鍔部24の設置面24bに設けられている。なお、鍔部24の設置面24bは、鍔部24の底面24aとは、反対側のZ軸方向の上面である。
2つの端子51〜52は、一方の鍔部24に設けられており、他の2つの端子53〜54は、他方の鍔部24に設けられている。隣接する端子51,52または53,54の間隔は、絶縁が確保される距離であれば特に限定されない。
ドラムコア20の巻芯部22には、コイル部40が形成されている。コイル部40は、2本のワイヤ41〜42により構成される。ワイヤ41〜42は、たとえば被覆導線で構成してあり、良導体からなる芯材を絶縁性の被覆膜で覆った構成を有しており、巻芯部22に、後述する2層構造で巻回されている。本実施形態では、各ワイヤ41〜42における導体部分の横断面積は同一である。
図1に示すように、第1ワイヤ41のワイヤ端41a,41bは、それぞれ端子51,53に接続され、第2ワイヤ42のワイヤ端42a,42bは、それぞれ端子52,54に接続される。なお、図3に示すように、端子53,54は、たとえばコンデンサ55,56などの外部回路にそれぞれ接続されることができる。図3に示すように、第1ワイヤ41は、第1コイル41Aを構成し、第2ワイヤ42は、第2コイル42Aを構成する。
図2に示すように、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42とは、巻芯部22に通常のバイファイラ巻きされるが、巻芯部22の巻軸方向に沿って所定の反転位置23を境界として、一方の鍔部24側の第1区画S1と、他方の鍔部24側の第2区画S2とで、巻芯部22に対する巻き層数順位置が逆になっている。
すなわち、第1区画位置で、第2ワイヤ42が巻芯部22の近くの第1層位置に位置し、第1ワイヤ41が巻芯部22から遠い第2層位置に位置している。また、第2区画位置では、逆に、第1ワイヤ41が巻芯部22の近くの第1層位置に位置し、第2ワイヤ42が巻芯部22から遠い第2層位置に位置している。反転位置23では、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42とが180度反転して捻られている。
その結果、第1ワイヤ41は、巻芯部22の近くで巻芯部22に巻回してある第1近側巻回部41αと、第1近側巻回部41αよりも巻芯部22から離れて巻芯部22に巻回してある第1遠側巻回部41βとを有する。また、第2ワイヤ42は、巻芯部22の近くで巻芯部22に巻回してある第2近側巻回部42αと、第2近側巻回部42αよりも巻芯部22から離れて巻芯部22に巻回してある第2遠側巻回部42βとを有することになる。
巻芯部22に対する第1近側巻回部41αの第1ワイヤ41の巻回数をnn1とし、第1遠側巻回部41βの第1ワイヤ41の巻回数をnf1とし、第2近側巻回部42αの第2ワイヤ42の巻回数をnn2とし、第2遠側巻回部42βの第2ワイヤ42の巻回数をnf2とした場合には、本実施形態では、nf2>nf1の関係が成り立つ。また、好ましくは、巻回数nn2が2ターン以上であり、nf2/(nn2+nf2)が0.55以上、さらに好ましくは0.60以上である。
なお、図1に示すように、本実施形態では、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42とでは、巻芯部22の回りに、同じ方向に巻回してある。また、第1ワイヤ41のトータルの巻回数(nn1+nf1)と第2ワイヤ42のトータルの巻回数(nn2+nf2)は同じである。しかしながら、たとえば図1に示すように、コイル部40から引き出されるワイヤ端41a,41b,42a,42bが各端子電極51〜54に接続するまでの距離が異なることなどが原因で、第1ワイヤ41の線路長と第2ワイヤ42の線路長とが異なり、第2ワイヤ42の線路長が、第1ワイヤのそれよりも長くなることがある。
第1ワイヤ41の線路長は、第1端子51から第3端子53に接続されるまでの第1ワイヤ41の長手方向の長さであり、第2ワイヤ42の線路長は、第2端子52から第4端子54に接続されるまでの第2ワイヤ42の長手方向の長さである。
コイル部品10の製造では、まず、端子51〜54を設置したドラム型のドラムコア20とワイヤ41〜44を準備する。ドラムコア20は、磁性体で構成され、たとえば、比較的透磁率の高い磁性材料、たとえばNi−Zn系フェライトや、Mn−Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などで構成してある磁性粉体を、成型および焼結することにより作製される。金属の端子51〜54は、接着等によりドラムコア20の鍔部24に固定される。なお、端子51〜54は、ドラムコア20に印刷・メッキ等により導体膜を形成し、その導体膜を焼き付けることにより、鍔部24に設けられてもよい。
ワイヤ41〜42としては、たとえば、銅(Cu)などの良導体からなる芯材を、イミド変成ポリウレタンなどからなる絶縁材で覆い、さらに最表面をポリエステルなどの薄い樹脂膜で覆ったものを用いることができる。準備された端子51〜54を設置したドラムコア20およびワイヤ41〜42は、巻線機にセットされ、ワイヤ41〜42が、所定の順序でドラムコア20の巻芯部22に巻回される。
本実施形態では、第1区画S1において、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42とのバイファイラ巻きを行い、その次に、第2区画S2では、第1ワイヤ41と第2ワイヤ42の層数順序を反転させてバイファイラ巻きを行っている。巻回されたワイヤ41〜42のワイヤ端41a〜42a,41b〜42bは、図1に示す所定の端子51〜54に、銀ロー付け、熱圧着またはレーザー接合などにより固定される。なお、ワイヤ41,42の巻回方法は、特に限定されない。また、第2区画S2から第1区画S2方向に巻回しても良い。
本実施形態に係るコイル部品10では、結果的に線路長が長くなる第2ワイヤ42における巻芯部22から遠い側に巻回される巻き数nf2を、線路長が比較的に短くなる第1ワイヤ41における巻芯部22から遠い側に巻回される巻き数nf1よりも多くしてある。そのため、図3に示す第1ワイヤ41からなる第1コイル41Aのインダクタンスと、第2ワイヤ42から成る第2コイル42Aのインダクタンスとが一致するように近づけることができる。
たとえば図4に示すように、巻回数nn2が2ターン以上であり、nf2/(nn2+nf2)が0.55以上、さらに好ましくは0.60以上である場合に、第1コイル41Aのインダクタンスと第2コイル42Aのインダクタンスとが異なる割合(変化率のばらつき)を、1%以下、好ましくは0.8%以下にすることができることが判明した。
また、本実施形態では、共通する単一の巻芯部22に2つの第1ワイヤ41および第2ワイヤ42を巻回してコイル部品10を構成してあるために、各ワイヤ41,42で構成されるコイル41A,42Aの特性ばらつきや温度特性のばらつきを低減することができる。また、1チップのコイル部品10にすることにより小型化が可能である。
本実施形態のコイル部品10では、第1コイル41Aのインダクタンスと第2コイル42Aのインダクタンスとを、好ましくは1%以内、さらに好ましくは0.5%以内の範囲の誤差で一致されることができるため、たとえば下記の用途に好ましく用いられることができる。好ましく用いられるコイル部品10の用途としては、たとえば図3に示すような回路の一部として用いられるバラントランスや、その他の用途、たとえばアレイコイルなどとして用いることができる。
本実施形態では、第2ワイヤ42のトータル巻き数(nn2+nf2)は、第1ワイヤ41のトータル巻き数(nn1+nf1)よりも多少多く(0.1〜1巻程度)ても良い。第2ワイヤ42のトータル巻き数(nn2+nf2)を多くすることで、第2ワイヤ42からなるコイルのインダクタンスが大きくなる。しかしながら、第2ワイヤ42における巻芯部22から遠い側に巻回される巻き数nf2を、線路長が比較的に短くなる第1ワイヤ41における巻芯部22から遠い側に巻回される巻き数nf1よりも多くすることでキャンセルできる可能性がある。
また、本実施形態では、第2ワイヤ42の導体部分の横断面積を、第1ワイヤ41の導体部分の横断面積よりも大きくしても良い。第2ワイヤ42の導体部分の横断面積を大きくすることで、第2ワイヤ42からなるコイルのインダクタンスが大きくなる。しかしながら、第2ワイヤ42における巻芯部22から遠い側に巻回される巻き数nf2を、第1ワイヤ41における巻芯部22から遠い側に巻回される巻き数nf1よりも多くすることでキャンセルできる可能性がある。
第2実施形態
本発明の第2実施例に係るコイル部品は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏し、重複する部分の説明は省略する。この実施形態では、第2ワイヤ42の導体部分の横断面積が、第1ワイヤ41の導体部分の横断面積よりも大きい。
しかも、本実施形態では、第2ワイヤ42の線路長は、第1ワイヤ41の線路長と同じになるように、各端子51〜54とワイヤ端41a,41b,42a,42bの接続位置が工夫してある。あるいは、第2ワイヤ42の線路長は、第1ワイヤ41の線路長より短くなるように、各端子51〜54とワイヤ端41a,41b,42a,42bの接続位置が工夫してある。
本実施形態に係るコイル部品においても、第1ワイヤ41からなるコイル部と第2ワイヤ42から成るコイル部とのインダクタンスを近づけることができる。
第3実施形態
本発明の第3実施例に係るコイル部品は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏し、重複する部分の説明は省略する。この実施形態では、第2ワイヤ42の導体部分の横断面積が、第1ワイヤ41の導体部分の横断面積よりも大きい。
しかも、本実施形態では、第1ワイヤ41の線路長は、第2ワイヤ42の線路長よりも長くなるように、各端子51〜54とワイヤ端41a,41b,42a,42bの接続位置が工夫してある。本実施形態では、nf2がnf1に略等しい。
本実施形態に係るコイル部品においても、第1ワイヤからなるコイル部と第2ワイヤから成るコイル部とのインダクタンスを近づけることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、ドラムコア20の形状については、実施形態に示すドラム型に限定されず、U字型など、巻芯部の両端に一対のコア端部を備える任意の形状とすることができる。また、ドラムコア20の2つの鍔部24は、同じ形状であっても、異なる形状であってもよい。
10… コイル部品
20… ドラムコア
22… 巻芯部
24… 鍔部(コア端部)
40… コイル部
41… 第1ワイヤ
41α… 第1近側巻回部
41β… 第1遠側巻回部
42… 第2ワイヤ
42α… 第2近側巻回部
42β… 第2遠側巻回部

Claims (6)

  1. 巻芯部と、
    前記巻芯部に巻回してある第1ワイヤと、
    前記第1ワイヤとは別に前記巻芯部に巻回してある第2ワイヤと、を有するコイル部品であって、
    前記第1ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第1近側巻回部と、前記第1近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第1遠側巻回部とを有し、
    前記第2ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第2近側巻回部と、前記第2近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第2遠側巻回部とを有し、
    前記第2ワイヤの線路長が、前記第1ワイヤの線路長よりも長く、
    前記第1近側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnn1とし、前記第1遠側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnf1とし、
    前記第2近側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnn2とし、前記第2遠側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnf2とした場合に、
    nf2>nf1であるコイル部品。
  2. (nn2+nf2)が(nn1+nf1)に略等しいか、多い請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第2ワイヤの導体部分の横断面積は、前記第1ワイヤの導体部分の横断面積に略等しいか、大きい請求項1または2に記載のコイル部品。
  4. 前記巻回数nn2が2ターン以上であり、
    nf2/(nn2+nf2)が0.55以上である請求項1〜3のいずれかに記載のコイル部品。
  5. 巻芯部と、
    前記巻芯部に巻回してある第1ワイヤと、
    前記第1ワイヤとは別に前記巻芯部に巻回してある第2ワイヤと、を有するコイル部品であって、
    前記第1ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第1近側巻回部と、前記第1近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第1遠側巻回部とを有し、
    前記第2ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第2近側巻回部と、前記第2近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第2遠側巻回部とを有し、
    前記第2ワイヤの導体部分の横断面積が、前記第1ワイヤの導体部分の横断面積よりも大きく、
    前記第1近側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnn1とし、前記第1遠側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnf1とし、
    前記第2近側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnn2とし、前記第2遠側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnf2とした場合に、
    nf2>nf1であるコイル部品。
  6. 巻芯部と、
    前記巻芯部に巻回してある第1ワイヤと、
    前記第1ワイヤとは別に前記巻芯部に巻回してある第2ワイヤと、を有するコイル部品であって、
    前記第1ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第1近側巻回部と、前記第1近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第1遠側巻回部とを有し、
    前記第2ワイヤは、前記巻芯部の近くで前記巻芯部に巻回してある第2近側巻回部と、前記第2近側巻回部よりも前記巻芯部から離れて前記巻芯部に巻回してある第2遠側巻回部とを有し、
    前記第2ワイヤの導体部分の横断面積が、前記第1ワイヤの導体部分の横断面積よりも大きく、
    前記第1ワイヤの線路長が、前記第2ワイヤの線路長よりも長く、
    前記第1近側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnn1とし、前記第1遠側巻回部の第1ワイヤの巻回数をnf1とし、
    前記第2近側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnn2とし、前記第2遠側巻回部の第2ワイヤの巻回数をnf2とした場合に、
    nf2がnf1に略等しいコイル部品。
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