JP5252564B2 - インダクタンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、主として電源線等を伝播する電気的雑音(以下、ノイズと表記)を防止するためのインダクタンス素子に関する。
パーソナルコンピュータ、薄型液晶TVなどの電子機器は、自らが発生させ、伝搬するノイズを抑制し、かつ他の機器から生じたノイズの影響を受けないようにすることが電気用品安全法や、VCCI、電波法、CISPRなどの各種規格によって定められている。
このため、ノイズ問題を抱える電子機器の電源部等には、各種規格を遵守するためのインダクタンス素子や、インダクタンス素子を使用したノイズフィルタ等が設けられている。
一般にノイズは、平衡(以下、コモンと表記)モードノイズと不平衡(以下、ノーマルと表記)モードノイズとが混在しているものである。
コモンモードノイズとは、入出力線と基板グラウンドや、筐体、大地などとの間に流れ、例えば、グラウンドと入出力線との間に電位差が生じているものである。
また、ノーマルモードノイズとは、入出力線と負荷との間に不要な電位差が生じているものである。
図4は、一般的なノイズフィルタの等価回路である。図4に示す一般的なノイズフィルタ20は、コモンモードノイズを遮り、減衰させるインピーダンスとリアクタンスと高い結合係数の相互インダクタンスとを有するインダクタンス素子1と、基板のグラウンド21に一方の端子が接地され、コモンモードノイズを還流させて打ち消し合わせる一対のコンデンサ22と、ノーマルモードノイズを遮り、減衰させるインピーダンスとリアクタンスとを有するノーマルモードチョークコイル23と、ノーマルモードノイズを還流させて打ち消し合わせるコンデンサ24とコンデンサ25とから構成されている。
なお、電源26は、商用の交流電源を想定し、グラウンド21は、筐体等のグラウンドに接地された状態を想定し、負荷27は、ノイズを発生する負荷を有した電子機器等を想定している。
上述したインダクタンス素子としては、軟磁性の磁気特性を有する磁気コアがグラウンドに電気的に接地され、接地した磁気コアに電気絶縁性の皮膜を有する被覆導線を直接巻回してコイルを形成し、磁気コアとコイルとの間に分布定数的に生じるキャパシタンスと、磁気コアとコイルによって誘導されるインダクタンスとを用いて分布定数型フィルタとなるインダクタンス素子が提案されている。
このようなインダクタンス素子は、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
これに対して、接地間容量の調整を容易にするため、コイルが配置される磁気コア上にグラウンドに接地した導電性の導電体を備え、該導電体上に誘電体を配し、該誘電体上にコイルと近接する近接導電体とを配して積層することにより、導電体と近接導電体との間に生じるキャパシタンスを利用したインダクタンス素子が提案されている。
このようなインダクタンス素子は、例えば特許文献3に開示されている。
図5は、従来のインダクタンス素子を説明する図で、図5(a)は、正面図で、図5(b)は、側面図で、図5(c)は、図5(a)をL−Lで切断した断面図である。
インダクタンス素子1aは、トロイダル形状の磁気コア2を電気絶縁性の樹脂を用いた絶縁ケース3に収納して環状の組込体に形成し、絶縁ケース3の外側に設けられた箔状の導電体4と、導電体4を覆うように設けられたシート状の誘電体5と、導電体4に接続して引き出された導電性のグラウンド端子9と、被覆導線6を巻回して形成したコイル7とを備えたインダクタンス素子であって、コイル7の少なくとも一部に接触または近接して配置した誘電体5と、コイル7及び誘電体5とキャパシタンスを形成する導電体4を配してなるように形成している。
なお、コイル7の夫々の端末は、被覆導線6の絶縁皮膜が剥離され、半田付けによって基板等に接続するための半田メッキ等が施され、実装端子8a、8b、8c、8dが各々形成されている。
このようにインダクタンス素子を形成することにより、設計の自由度が高い誘電体5によって生じる大きなキャパシタンスを附加することも可能で、誘電体5を用いて導電体4とコイル7との間を電気的に絶縁することで電気的信頼性を向上させ、かつノイズの減衰特性を数十MHzの高い周波数領域にまで広帯域化した分布定数型フィルタである。図5に示されたインダクタンス素子1aは、例えば特許文献4に開示されている。
特開平09−102426号公報 特開2004−311866号公報 特開2004−235709号公報 特開2008−118101号公報
しかしながら、従来の図5に示すようなインダクタンス素子1aでは、この素子によるノイズの減衰特性(以下、単に減衰特性と表記)にばらつきが生じるために製品の品質が低下すると言う問題があった。
本発明の技術的課題は、製品の減衰特性の低下を小さくすることにより、減衰特性のばらつきが小さいインダクタンス素子を提供することにある。
発明者らは、上述した減衰特性がばらつく原因の一つとして、被覆導線を磁気コアと導電体と誘電体とグラウンド端子とを備えた組込体の外面に巻回してコイルを形成した際に、導電体上の誘電体の上面と被覆導線を巻回して形成したコイルとの間に巻回した導体が弛むことによって隙間が生じていることを見出した。
前記隙間が生じることにより、誘電体を挟んで導電体とコイルとの間に生じるキャパシタンスが減少し、コイルの隣接する被覆導線間に生じているキャパシタンスの影響が相対的に大きくなり、その結果として減衰特性が低下したり、ばらついたりするものと推考した。
コイルでは、銅線等の弾性を有する被覆導線を巻回して形成するため、作業者間の作業方法や、被覆導線にかける引っ張り条件、被覆導線の巻回す際の折り曲げ位置、巻回す際に用いる治工具などの影響によって、形成されたコイルの被覆導線の弛み具合が各々異なることが判明している。
発明者らは、導電体の上面と、前記導電体の面に対して垂直上の位置にある前記導電体側のコイルの外面との間の弛み距離が、該誘電体の厚みを含む導電体の上面から1.5mmを超えた場合に、300kHzから10MHzの周波数領域での減衰特性の下限の目標とする−40dBを割り込む可能性があることを見出した。
従って本発明は、前記導電体の上面を基準とした前記弛み距離を誘電体の厚みを下限にして上限を1.5mm以内に設定することにより、300kHzから10MHzの周波数領域での減衰特性の低下を想定した範囲内に収められることで品質の良いインダクタンス素子を顧客に供給することができる。
前記被覆導線には、アルミニウム線や、アルミニウムの表面を銅で覆った銅クラッドアルミニウム線を用いても形成することができる。
アルミニウム線や銅クラッドアルミニウム線は、銅線と比較して弾性率が低いことから銅線と同一の条件で巻回してコイルを形成することで生じる弛みが少ないコイルを形成することができる。
本発明によれば、軟磁性の磁気特性を有する環状の磁気コアと、電気絶縁性の材料で前記磁気コアの外面を覆うことのできる絶縁ケースと、導電性を有するシート状の導電体と、電気絶縁性を有するシート状の誘電体と、導電性の金属棒からなるグラウンド端子と、電気絶縁性の被膜を有する被覆導線とからなるインダクタンス素子であって、前記磁気コアを前記絶縁ケースに収納して環状の組込体を形成し、前記グラウンド端子の一端が接続された前記導電体を前記組込体の外面に配置し、さらに前記誘電体を前記導電体上に配置してなるものに、アルミニウム線あるいは銅クラッドアルミニウム線を用いて形成した前記被覆導線を巻回してコイルを形成し、前記コイルの巻始めと巻終わりの端末を外部と電気的に接続できる接続端子に形成し、前記導電体の上面と、該導電体の面に対して垂直上にある該導電体側の前記コイルの外面との間の弛み距離が、前記誘電体の厚み以上、1.5mm以内であることを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
本発明により、製品の減衰特性の低下を小さくできることになり、減衰特性のばらつきが少ないインダクタンス素子を提供することが可能となった。
本発明のインダクタンス素子を説明する図。図1(a)は正面図。図1(b)は側面図。図1(c)は、図1(b)のJ−J断面図。図1(d)は、図1(a)のK−K断面の部分拡大図。 本発明の実施例と比較例のインダクタンス素子のコモンモードチョークコイルでの減衰特性。 本発明の実施例によるインダクタンス素子のコモンモードチョークコイルでの減衰特性。 一般的なノイズフィルタの等価回路。 従来のインダクタンス素子を説明する図。図5(a)は正面図。図5(b)は側面図。図5(c)は、図5(a)のL−L断面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳述する。
図1は、本発明のインダクタンス素子を説明する図で、図1(a)は、正面図で、図1(b)は、側面図で、図1(c)は、図1(b)のJ−J断面図で、図1(d)は、図1(a)のK−K断面の部分拡大図である。
本発明のインダクタンス素子1は、磁気コア2と、絶縁ケース3と、導電体4と、誘電体5と、被覆導線6と、グラウンド端子9とから構成されている。
磁気コア2は、軟磁性の磁気特性を有し、トロイダル形状に形成されている。磁気コア2は、高透磁率の磁性材料であれば何れのものでも良く、Mn−Zn系やNi−Zn系の酸化鉄の焼結体であるフェライト材料や、アモルファスやパーマロイなどの金属系材料、鉄合金粉末等の圧粉材料など、要求特性に応じて適宜選定するのが好ましい。
なお、磁気コア2の形状は、トロイダル形状に限定されず、一つの閉磁路を有する形状にできるものであれば良く、円形、長円形、楕円形、方形など、適宜選定すれば良い。また、その磁路の断面形状としては、方形、円形、楕円形、長円形、多角形など、適宜選定すれば良い。
磁気コア2は、電気絶縁性の樹脂を成形加工した絶縁ケース3に収納され、電気絶縁性の樹脂で覆われたトロイダル形状の組込体を形成している。
絶縁ケース3は、磁気コア2を外部と電気的に絶縁して覆う樹脂であれば何れの材質でも良く、エポキシ系、フェノール系の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン系の熱可塑性樹脂など適宜選定すれば良い。
また、上記樹脂成形体に限らず、磁気コア2の周囲に絶縁紙や絶縁テープ、絶縁塗料などを用いて所定の厚みまで形成したものであっても良い。
組込体の外周面には、導電性の金属箔からなる導電体4を配置している。
なお、導電体4は、磁気コアに生じる磁束を打ち消すショートリング効果を生じないように形成すれば良く、例えば、トロイダルの一つの稜線で線状に分断し、他の全ての外面を覆うように形成したものであっても良い。
なお、導電体4は、インダクタンス素子を二等分する線15を軸に対称に形成することにより、同軸に対して対称に被覆導線6を巻回してなる左右のコイル7によって各々に生じるインダクタンスとキャパシタンスとを等しく形成することができるので好ましい。
導電体4は、導電性を有し、曲面等に併せて配置することが可能な、フィルム状、あるいは板状、格子状や網目状などの何れであっても良い、例えば、導電性の金属箔を配置しても良く、導電性の金属の蒸着膜や、スパッタ膜、メッキ膜などを形成したものであっても良い、あるいは、カーボン等の導電性の材料を印刷して配置したものや導電性接着剤を塗布したものであっても良い。
導電体4の上面には、導電体4の上面を密着して覆うように比誘電率を有するシート状の誘電体5を配置している。
なお、誘電体5は、導電体4を含む組込体の外面全てを覆うように形成しても良い。
なお、誘電体5は、電気絶縁性の樹脂であれば何れのものであっても良いが、作業上任意の曲面形状に合わせて使用することができ、かつ比誘電率が高いフィルム状のものであるのが好ましく、例えば、誘電率が大きく、かつ使用温度範囲が広い、難燃性の材質であるシリコーンゴムやポリエチレンテレフタレート(PET)などの汎用的な樹脂で形成されたフィルム状のシートを用いるのが好ましい。
なお、誘電体5の厚みは、所望するキャパシタンスとの兼ね合いで適宜調整することが好ましい。
なお、導電体4は、誘電体5となるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の一方の面に導電性の導体を蒸着や、スパッタ、メッキ、印刷、塗布などの加工方法によって誘電体5と一体的に形成することができる。また、その逆に導電体4となる銅箔等の上に誘電体5の膜を形成してもできる。
グラウンド端子9は、導電性の棒の一方を半田付けや、電気溶接などによって導電体4と電気的に接続し、他方を基板のグラウンド面等に半田付けできるように形成している。
グラウンド端子9は、比抵抗の小さい導電体を用いて直流抵抗が小さく、かつ高周波領域でのインピーダンスが低くなるように形成すれば良く、棒状や、板状、線状など適宜選定すれば良い。
被覆導線6は、導電体4と誘電体5とグラウンド端子9とを備えた組込体の外面に巻回して磁気コア2に生じる磁束が磁気コア2の閉じた磁路を周回するようにコイル7を形成している。
なお、左右のコイル7は、各々に生じる磁束が互いに打ち消し合うように対向して形成することにより、コモンモードノイズ対策に効果があるように構成している。
コイル7の巻始めと巻き終わりとなる端末には、外部と電気的に接続できるように半田メッキ処理が施されて実装端子8a、8b、8c、8dを夫々形成している。
被覆導線6は、線状の銅の外周をポリウレタンやポリエステル、ポリアミドイミドなどの樹脂を焼き付けて形成したポリウレタン被覆銅線(UEW)、ポリエステル被覆銅線(PEW)、ポリアミドイミド被覆銅線(AIW)などや、より電気絶縁性を高めたポリ塩化ビニル(PVC)を皮膜に用いたPVC被覆銅線など適宜選定すれば良い。
コイル7は、導電体4の上面と導電体4の面に対して垂直上の位置にある前記導電体4側のコイル7の外面との間の弛み距離10を、導電体4の上面と密着して配置される導電体4上の誘電体5の厚みを下限として、上限を導電体4の上面から1.5mm以内となるように形成している。
インダクタンス素子1は、弛み距離10を1.5mm以内に形成することにより、導電体4上の誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面とが密着して形成したものと比較して、共振現象が生じる前の周波数領域において、減衰特性の低下を−10dB以内に収めることができる。
同様に、弛み距離10を1mm以内に形成することにより、導電体4上の誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面とが密着して形成したものと比較して、共振現象が生じる前の周波数領域において、減衰特性の低下を−5dB以内に収めることができる。
被覆導線6の導電材料としては、銅以外に弾性率の低いアルミニウムや、アルミニウムの表面を銅で覆った銅クラッドアルミニウム線を用いることにより、銅線を用いた場合と比較して被覆導線を巻回した際に生じる弛み距離10の短いインダクタンス素子1に形成している。
従って、アルミニウムや、銅クラッドアルミニウム線を用いることにより、減衰特性のばらつきを抑制することができる。
上述した実施の形態におけるインダクタンス素子は、コモンモード用、すなわちトロイダル形状の磁気コアを半円環状に二等分し、磁気コアの磁路に生じる磁束が互いに打ち消し合わさるように被覆導線を二等分した磁路に各々巻回し、磁気コアを二等分する軸に対して対称となる二つのコイルを形成しているが、全周にわたって被覆導線を巻回し、コイルを一つ形成したノーマルモード用や、三相電源等に用いられ、コイルを三つ以上形成したコモンモードのインダクタンス素子の場合であっても適用可能である。
以下、本発明について実施例を用いて説明する。
(実施例1)
磁気コア2として、外形25mm、内径15mm、高さ12mm、断面が長方形となるトロイダル形状で、周波数100kHzでの初透磁率が約10000となるMn−Zn系フェライトコア(NECトーキン製FR25/15/12−10H材)を使用した。
絶縁ケース3として、外形27mm、内径13mm、高さ14mm、各部の最低肉厚が0.5mmとなる形状で、ポリプロピレン樹脂を用いてトロイダル形状に成形加工したものに前記磁気コア2を収納して組込体を形成した。
導電体4として、厚み80μm、幅10mm、長さ80mmの銅箔を磁気コア2が収納された絶縁ケース3の外周面にインダクタンス素子を二等分する線15を軸に対称となるように配置した。
誘電体5として、厚さ0.5mm、幅15mm、長さ100mmのシリコーンシートを用いて導電体5を覆うように配置した。
グラウンド端子9は、線径0.3mmの銅線の一方を導電体4の略中央に半田付けして接続して引き出し、他方には、半田メッキ処理を行って外部に引き出した。
被覆導線6として、銅線径1mmのポリウレタン被覆銅線(UEW)を用いた。
コイル7は、導電体4と誘電体5とグラウンド端子11とを備えた組込体に被覆導線6を用いて各々31ターンずつ誘電体5の上面に密着するように巻回して形成した。
なお、コイル7は、各々に生じる磁束が互いに打ち消し合うように形成するため、インダクタンス素子を二等分する線15を軸に対称となるように一方のコイルを逆方向に巻回して周波数100kHzでの各々のインダクタンスが10mHとなるように形成した。
コイル7の各々の端末は、被覆導線6の被覆を剥離し、半田付け等によって接続が容易にできるように半田めっきを施し、巻き始めである一方の実装端子8a、8dと巻き終わりである他方の実装端子8b、8cとを各々設けて図1に示すインダクタンス素子1を形成した。
上述のように形成することにより、導電体4の上面と導電体4の面に対して垂直上にある前記導電体4側のコイル7の外面との間の弛み距離10が0.5mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面に導電体4側のコイル7の外面を密着して形成した実施例1の弛み距離10が0.5mmとなる実施例1のインダクタンス素子を作製した。
(実施例2)
上述の実施例1と同一部材を用いて、弛み距離10が1mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面との間が0.5mmの空間を有するように実施例2のインダクタンス素子を作製した。
なお、この場合の弛み距離10は、厚み0.5mmの誘電体5の上面に厚み0.5mmの図示していないスペーサーで覆ってスペーサーの上面にコイル7の導電体4側の外面が密着されるように巻回してコイルを形成した後にスペーサーを除去して形成した。
(実施例3)
上述の実施例1と同一部材を用いて、弛み距離10が1.5mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面との間が1mmの空間を有するように実施例3のインダクタンス素子を作製した。
なお、この場合の弛み距離10は、厚み0.5mmの誘電体5の上面に厚み1mmの図示していないスペーサーで覆ってスペーサーの上面にコイル7の導電体4側の外面が密着されるように巻回してコイルを形成した後にスペーサーを除去して形成した。
(比較例1)
上述の実施例1と同一部材を用いて、弛み距離10が2mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面との間が1.5mmの空間を有するように比較例1のインダクタンス素子を作製した。
なお、この場合の弛み距離10は、厚み0.5mmの誘電体5の上面に厚み1.5mmの図示していないスペーサーで覆ってスペーサーの上面にコイル7の導電体4側の外面が密着されるように巻回してコイルを形成した後にスペーサーを除去して形成した。
(比較例2)
上述の実施例1と同一部材を用いて、弛み距離10が2.5mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面との間が2mmの空間を有するように比較例1のインダクタンス素子を作製した。
なお、この場合の弛み距離10は、厚み0.5mmの誘電体5の上面に厚み2mmの図示していないスペーサーで覆ってスペーサーの上面にコイル7の導電体4側の外面が密着されるように巻回してコイルを形成した後にスペーサーを除去して形成した。
図2は、本発明の実施例と比較例のインダクタンス素子のコモンモードチョークコイルでの減衰特性である。
図2には、上記の要領で作製した本発明の実施例1〜3による弛み距離が0.5mm、1mm、1.5mmとなるインダクタンス素子と、比較例1、2による弛み距離が2.0mm、2.5mmとなるインダクタンス素子とのコモンモードチョークコイルとしての減衰特性を示した。
図2の結果によれば、本発明による実施例のインダクタンス素子は、弛み距離を大きくした比較例のインダクタンス素子に比べ、LC共振の影響が少ない周波数10MHz以下の領域での減衰特性の低下を小さくすることができた。
実施例1の弛み距離を0.5mmとしたインダクタンス素子の周波数10MHzでの減衰特性は、41.5dBであった。
実施例2の弛み距離を1mmとしたインダクタンス素子の周波数10MHzでの減衰特性は、1dB増加の42.5dBであった。
また、実施例1のインダクタンス素子と比べ、同等な減衰特性の周波数特性となり、−5%の範囲に収められた。
実施例3の弛み距離を1.5mmとしたインダクタンス素子の周波数10MHzでの減衰特性は、−0.5dBの41dBであった。
また、実施例1のインダクタンス素子と比べ、最大の差が生じた7MHzから8MHzでの減衰特性の差も−4dB以内となり、−10%の範囲に収められた。
比較例1の弛み距離を2mmとしたインダクタンス素子の周波数10MHzでの減衰特性は、−8dBの33.5dBであった。
また、実施例1のインダクタンス素子と比べ、最大の差が生じた9MHzでの減衰特性の差も−8.5dBとなり、目標とする−10%の範囲に収まらなかった。
比較例2の弛み距離を2.5mmとしたインダクタンス素子の周波数10MHzでの減衰特性は、−12dBの29.5dBであった。
また、実施例1のインダクタンス素子と比べ、最大の差が生じた10MHzでの減衰特性の差も−12dBとなり、目標とする−10%の範囲に収まらなかった。
(実施例4)
実施例1と被覆導線6のみが異なる同一部材を用いて、弛み距離10が1mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面との間が0.5mmの空間を有するように実施例4のインダクタンス素子を作製した。
実施例4の被覆導線6には、ポリウレタンの絶縁皮膜が形成された直径1.3mmの銅線を用いた。
なお、この場合の弛み距離10は、厚み0.5mmの誘電体5の上面に厚み0.5mmの図示していないスペーサーで覆ってスペーサーの上面にコイル7の導電体4側の外面が密着されるように巻回してコイルを形成した後にスペーサーを除去して形成した。
(実施例5)
上述した実施例4と被覆導線6のみが異なる同一部材を用いて、弛み距離10が1mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面との間が0.5mmの空間を有するように実施例5のインダクタンス素子を作製した。
実施例5の被覆導線6には、ポリウレタンの絶縁皮膜が形成された直径1.3mmのアルミニウム線を用いた。
なお、この場合の弛み距離10は、厚み0.5mmの誘電体5の上面に厚み0.5mmの図示していないスペーサーで覆ってスペーサーの上面にコイル7の導電体4側の外面が密着されるように巻回してコイルを形成した後にスペーサーを除去して形成した。
(実施例6)
実施例4と被覆導線6のみが異なる同一部材を用いて、弛み距離10が1mmとなる、即ち、導電体4上の厚み0.5mmを有する誘電体5の上面と導電体4側のコイル7の外面との間が0.5mmの空間を有するように実施例6のインダクタンス素子を作製した。
実施例5の被覆導線6には、ポリウレタンの絶縁皮膜が形成された直径1.3mmの銅クラッドアルミニウム線を用いた。
なお、この場合の弛み距離10は、厚み0.5mmの誘電体5の上面に厚み0.5mmの図示していないスペーサーで覆ってスペーサーの上面にコイル7の導電体4側の外面が密着されるように巻回してコイルを形成した後にスペーサーを除去して形成した。
図3は、本発明の実施例によるインダクタンス素子のコモンモードチョークコイルでの減衰特性である。
図3には、上記の要領で作製した本発明の実施例4〜6による弛み距離を1mmとした、直径1.3mmのアルミニウム線を用いた実施例4のインダクタンス素子と、直径1.3mmの銅クラッドアルミニウム線を用いた実施例5のインダクタンス素子と、直径1.3mmの銅線を用いた実施例6のインダクタンス素子とのコモンモードチョークコイルでの減衰特性を示した。
実施例4のインダクタンス素子の周波数が3MHzと5MHzと10MHzでの減衰特性は、夫々47.6dB、43.5dB、44.2dBであった。
実施例5のインダクタンス素子の周波数が3MHzと5MHzと10MHzでの減衰特性は、夫々46.3dB、44.2dB、43.9dBであり、実施例4のインダクタンス素子と比べ、同等な減衰特性の周波数特性が得られた。
実施例6のインダクタンス素子の周波数が3MHzと5MHzと10MHzでの減衰特性は、夫々46.9dB、43.9dB、44.1dBであり、実施例4のインダクタンス素子と比べ、同等な減衰特性の周波数特性が得られた。
図3の結果によれば、本発明による被覆導線6に直径1.3mmのアルミニウム線を用いた実施例5のインダクタンス素子と、被覆導線6に直径1.3mmの銅クラッドアルミニウム線を用いた実施例6のインダクタンス素子とは、被覆導線6に直径1.3mmの銅線を用いた実施例4のインダクタンス素子との減衰特性の比較において同等の減衰特性が得られた。
このように、被覆導線6の材料が変わっても弛み距離が一定の場合には、同等の減衰特性となることがわかった。
従って、コイル7を形成する被覆導線6に弾性率の少ないアルミニウム線や銅クラッドアルミニウム線を用いても本発明のインダクタンス素子を形成できることがわかった。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
即ち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明のインダクタンス素子は、電子機器等の電源回路や、演算回路、通信回路、制御回路などに利用することができる。
1、1a インダクタンス素子
2 磁気コア
3 絶縁ケース
4 導電体
5 誘電体
6 被覆導線
7 コイル
8a 実装端子
8b 実装端子
8c 実装端子
8d 実装端子
9 グラウンド端子
10 弛み距離
15 二等分する線
20 ノイズフィルタ
21 グラウンド
22 コンデンサ
23 ノーマルモードチョークコイル
24 コンデンサ
25 コンデンサ
26 電源
27 負荷

Claims (1)

  1. 軟磁性の磁気特性を有する環状の磁気コアと、電気絶縁性の材料で前記磁気コアの外面を覆うことのできる絶縁ケースと、導電性を有するシート状の導電体と、電気絶縁性を有するシート状の誘電体と、導電性の金属棒からなるグラウンド端子と、電気絶縁性の被膜を有する被覆導線とからなるインダクタンス素子であって、
    前記磁気コアを前記絶縁ケースに収納して環状の組込体を形成し、前記グラウンド端子の一端が接続された前記導電体を前記組込体の外面に配置し、さらに前記誘電体を前記導電体上に配置してなるものに、アルミニウム線あるいは銅クラッドアルミニウム線を用いて形成した前記被覆導線を巻回してコイルを形成し、前記コイルの巻始めと巻終わりの端末を外部と電気的に接続できる接続端子に形成し、前記導電体の上面と、該導電体の面に対して垂直上にある該導電体側の前記コイルの外面との間の弛み距離が、前記誘電体の厚み以上、1.5mm以内であることを特徴とするインダクタンス素子。
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