JP2017029094A - カビ検出用担体、カビの検出方法、及びカビ検出用キット - Google Patents
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Abstract
Description
このようなカビの検査では、一般的に、環境中から試料を採取して前培養し、次いで菌種ごとに最適な培地で20日程度の培養を行った後に、形態的特徴を観察することで、カビを同定する形態観察法(培養法)が行われている(特許文献1参照)。
ところで、環境中の検出対象のカビには様々な種類があるため、1個のDNAチップにより複数のカビを同時に検出できることが望ましい。そのためには、DNAチップ上に複数のカビから選択されたプローブを固定化する必要がある。
しかしながら、複数の標的領域を同時に増幅させるマルチプレックスを行う場合には、プローブにもより高い精度で機能するものが求められる。また、同時に増幅させる検出対象のカビの数が増加すれば、プローブに要求される精度は一層高くなる。
これら複数種類のカビのそれぞれのDNAにおける特定の標的領域のうち、それぞれのカビにのみ特異的に結合する塩基配列を有し、かつ他の種類のカビには結合しない塩基配列を選択してプローブを作成すれば、理論上、各プローブによりこれら複数種類のカビをそれぞれ特異的に検出することが可能である。
しかしながら、コレトトリカム・アクタタム、フザリウム・ソラニ、アルタナリア・ソラニ、及びリゾクトニア・ソラニの4種類のカビを、それぞれ精度高く特異的に同時に検出することが可能なプローブを固定化したカビ検出用担体は知られていない。
(a)配列番号1〜6に示す塩基配列を有するプローブ。
(b)配列番号1〜6に示す塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸断片に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるプローブ。
(c)(a)又は(b)のプローブに対して相補的な塩基配列を有するプローブ。
本実施形態のカビ検出用担体は、図1に示す特定のカビを検出するためのプローブ(配列番号1〜6)の少なくともいずれか1つを、基板上に固定化したものであれば特に限定されない。このカビ検出用担体は、例えばスポット型又は合成型のDNAチップやDNAマイクロアレイなどとして製造することができる。
本実施形態のカビ検出用担体により検出する対象のカビは、コレトトリカム・アクタタム(Colletotrichum acutatum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、アルタナリア・ソラニ(Alternaria solani)、及びリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)の4種類である。
本実施形態の対象カビを検出するためのプローブは、配列番号1〜6によりそれぞれ特定される塩基配列からなる核酸断片である。
このうち、配列番号1に示す塩基配列を有するものが、コレトトリカム・アクタタムを検出するための、ITS領域から選択されたプローブである。また、配列番号2に示す塩基配列を有するものが、同菌を検出するための、β-チューブリン遺伝子から選択されたプローブである。
ITS領域は、RNAに転写後にスプライシングされる部分である。このため、コーディング領域に比べると保存性が低く、変化に富んでいるが、カビの種類間の類似性が高く、偽陽性反応が生じる場合が比較的多い。このため、DNAチップに数多くの種類のカビのプローブを固定化してカビの識別に用いる場合には、カビの種類によっては、ITS領域から選択されたプローブのみを使用すると、検出精度の低下を招く場合がある。一方、β−チューブリン遺伝子には、カビの種類毎にユニークな配列が比較的多く存在している。そこで、本実施形態のカビ検出用担体では、カビの種類によっては、ITS領域とβ−チューブリン遺伝子の両方を標的領域として用いることで、偽陽性反応を低減させることを可能にしている。
一方、コレトトリカム・アクタタムについては、少なくともITS領域又はβ−チューブリン遺伝子から選択されたプローブのいずれかにおいて陽性反応が得られた場合に、当該カビが存在していると判定することができる。
本実施形態のカビ検出用担体に固定化される上記プローブは、いずれも30〜55塩基程度の長さであり、一般的なDNA合成装置により合成できる。後述する実施例でカビ検出用担体に固定化した配列番号1〜6に示す塩基配列からなるプローブは、いずれもDNA合成装置により合成したものを使用した。なお、後述する実施例でPCRに用いた配列番号7〜10に示す塩基配列からなるプライマーも19〜26塩基程度の長さであり、DNA合成装置により合成したものを使用した。
本実施形態のカビ検出用担体は、配列番号1〜6に示す塩基配列を有するプローブを用いて、既存の一般的な方法で製造することができる。
例えば、本実施形態のカビ検出用担体として貼り付け型のDNAチップを作成する場合は、DNAスポッターによりプローブをガラス基板上に固定化して、各プローブに対応するスポットを形成することにより作成することができる。また、合成型DNAチップを作成する場合は、光リソグラフィ技術により、ガラス基板上で上記配列を備えた一本鎖オリゴDNAを合成することにより作成することができる。さらに、基板はガラス製に限定されず、プラスチック基板やシリコンウエハー等を用いることもできる。また、基板の形状は平板状のものに限定されず、様々な立体形状のものとすることもでき、その表面に化学反応が可能となるように官能基を導入したものなどを用いることもできる。
また、本実施形態のカビ検出用担体は、菌種毎に、それぞれを検出するためのプローブを少なくも1つ固定化したものとすることができる。
さらに、本実施形態のカビ検出用担体は、配列番号1〜6に示す塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加されたプローブの全部又は一部を固定化したものとすることも、配列番号1〜6に示す塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸断片に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるプローブの全部又は一部を固定化したものとすることもでき、これらのプローブ又は配列番号1〜6に示す塩基配列からなるプローブに対して、相補的な塩基配列を有するプローブの全部又は一部を固定化したものとすることもできる。
本実施形態のカビの検出方法は、検出対象のカビのDNAにおける標的領域を増幅させて、増幅産物の有無を確認する工程を含むカビの検出方法であって、PCR用反応液に、配列番号7に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号8に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるITS領域を増幅させるためのプライマーセット、及び、配列番号9に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号10に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるβ−チューブリン遺伝子を増幅させるためのプライマーセットと試料とを含有させ、試料にコレトトリカム・アクタタム、フザリウム・ソラニ、アルタナリア・ソラニ、及びリゾクトニア・ソラニの少なくともいずれかのDNAが含有されている場合、PCR用反応液を使用して試料に含有されるDNAにおける標的領域を増幅させ、得られた増幅産物をカビ検出用担体に滴下して相補的な塩基配列を有するプローブと結合させる方法であれば良く、具体的な実施形態及び実施例の構成に限定されるものではないが、例えば(1)カビの採取とDNAの抽出、(2)標的領域の増幅、及び(3)増幅産物の確認を含むものとすることができる。
カビの採取とDNAの抽出には、種々の方法があり特に限定されないが、例えば植物を育てる土壌を採取して、適当量の水に懸濁し、その後任意の倍率で段階希釈して、それぞれの段階希釈液を培地に塗布して培養した後に、培養されたカビからDNAを抽出する方法とすることができる。
また、土壌を採取し、採取した土壌から直接、植物病原カビを含む土壌微生物(細菌や線虫などの微生物)のDNAを抽出しても良い。その方法としては、直接溶菌法(Direct Lysis Method)や、市販の土壌DNA抽出キットを用いるなど、一般的な手法により行うことができる。
また、エアーサンプラーで空中浮遊カビ胞子を寒天培地に採取して、培養後にDNAを抽出することもできる。
そして、このようにして得られたカビの細胞の破砕物からゲノムDNAを抽出する。ゲノムDNAの抽出は、CTAB法(Cetyl trimethyl ammonium bromide)による方法やDNA抽出装置を用いる方法など、一般的な手法により行うことができる。
次に、抽出したゲノムDNAにおける標的領域を増幅させる。すなわち、ゲノムDNAにおける標的領域を含むDNA断片を増幅させる。この標的領域の増幅方法は、特に限定されないが、PCR法を好適に用いることができる。PCR法では、標的領域を増幅させるためのプライマーセットを含有するPCR反応液を用いて、標的領域を増幅させる。PCR装置としては、一般的なサーマルサイクラーなどを用いることができる。
(a)95℃ 10分、(b)95℃(DNA変性工程) 30秒、(c)56℃(アニーリング工程) 30秒、(d)72℃(DNA合成工程) 60秒((b)〜(d)を40サイクル)、(e)72℃ 10分
このとき、ITS領域を増幅させるためのプライマーセットとしては、図2に示す配列番号7及び8の塩基配列からなるもの(配列番号7:フォワードプライマー、配列番号8:リバースプライマー)を用いることが好ましい。
また、βチューブリン遺伝子を増幅させるためのプライマーセットとしては、同図に示す配列番号9及び10の塩基配列からなるもの(配列番号9:フォワードプライマー、配列番号10:リバースプライマー)を用いることが好ましい。
次に、増幅産物を本実施形態のカビ検出用担体に滴下し、このカビ検出用担体に固定化されたプローブにハイブリダイズした増幅産物の標識を検出することで、増幅産物の有無を確認する。これによって、検査対象に存在しているカビを特定することができる。
標識の検出は、蛍光スキャニング装置など一般的な標識検出装置を用いて行うことができ、例えば東洋鋼鈑株式会社のBIOSHOT(R)を用いて、増幅産物の蛍光強度を測定することにより行うことができる。測定結果は、S/N比値(Signal to Noise ratio)値として得ることが好ましい。本明細書中に記載のS/N比値は、(メディアン蛍光強度値−バックグラウンド値)÷バックグラウンド値にて算出される。なお、標識としては蛍光に限定されず、その他のものを用いることもできる。
本実施形態のカビ検出用キットには、検出対象のカビのDNAにおける標的領域を増幅させるためのプライマーセットと、増幅産物の有無を確認するためのプローブが固定されたカビ検出用担体とが含まれる。
具体的には、プライマーセットとしては、配列番号7に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号8に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるITS領域を増幅させるためのプライマーセット、及び、配列番号9に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号10に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるβ−チューブリン遺伝子を増幅させるためのプライマーセットが含まれる。
また。第一のプローブ群、第一のプローブ群、第一のプローブ群、及び第一のプローブ群における全てのプローブを固定化したものとすることも好ましい。
カビ検出用担体としては、ジーンシリコン(R)(東洋鋼鈑株式会社製)を用い、図1に示される配列番号1〜6のプローブを固定化したものを使用した。各プローブは、オペロンテクノロジー株式会社により合成したものを使用した。また、各プローブの基板への固定化は、マイクロアレイヤーにより行った。
(1)コレトトリカム・アクタタム(Colletotrichum acutatum) NBRC32850
(2)フザリウム・ソラニ(Fusarium solani) NBRC7707
(3)アルタナリア・ソラニ(Alternaria solani) NBRC7516
(4)リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani) NBRC30984
さらに、培養したカビのコロニーを採取し、φ0.5mmジルコニアビーズを入れたバイアル瓶に個別に入れ、液体窒素に浸して試料を凍結した後、振盪装置を用いて、カビの細胞を破砕した。
次いで、DNA抽出装置によりカビのゲノムDNAを抽出して、PCR法により、各カビのITS領域及びβ−チューブリン遺伝子((3)、(4)については実際に増幅されるのはITS領域のみ)を菌株毎に増幅した。
なお、以上のプライマーは、オペロンテクノロジー株式会社により合成したものを使用した。
1.Ampdirect(G/Crich) 4.0μl
2.Ampdirect(addition-4) 4.0μl
3.dNTPmix 1.0μl
4.Cy-5dCTP 0.2μl
5.ITS1-Fw primer(配列番号7)(2.5μM) 1.0μl
6.ITS1-Rv primer(配列番号8)(2.5μM) 1.0μl
7.BtF primer(配列番号9)(10μM) 1.0μl
8.BtR primer(配列番号10)(10μM) 1.0μl
9.Template DNA 1.0μl(100pg/μl)
10.NovaTaq HotStart DNA polymerase 0.2μl
11.水(全体が20.0μlになるまで加水)
(a)95℃ 10分
(b)95℃ 30秒
(c)56℃ 30秒
(d)72℃ 60秒((b)〜(d)を40サイクル)
(e)72℃ 10分
そして、標識検出装置(BIOSHOT(R),東洋鋼鈑株式会社製)を用いて、カビ検出用担体に固定化された各プローブにおける蛍光強度(プローブに結合した増幅産物の蛍光強度)を測定して、各プローブにおけるS/N比値を取得した。
検出対象の複数のカビのDNAにおける標的領域を同時に増幅させるマルチプレックスPCRを行った場合に、本実施形態のカビ検出用担体に固定化したプローブが有効に機能するかを確認するための試験を行った。
本試験では、コレトトリカム・アクタタム、フザリウム・ソラニ、アルタナリア・ソラニ、及びリゾクトニア・ソラニを、PDA培地を用いて、25℃の暗所で、7日間静置させてそれぞれ培養した。
次いで、DNA抽出装置によりカビのゲノムDNAを抽出して、PCR法により、各カビのITS領域及びβ−チューブリン遺伝子(アルタナリア・ソラニ、及びリゾクトニア・ソラニについてはITS領域のみ)を同時に増幅した。PCR法で用いたプライマーセットは、試験1におけるものと同一である。
1.Ampdirect(G/Crich) 4.0μl
2.Ampdirect(addition-4) 4.0μl
3.dNTPmix 1.0μl
4.Cy-5dCTP 0.2μl
5.ITS1-Fw primer(2.5μM) 1.0μl
6.ITS1-Rv primer(2.5μM) 1.0μl
7.BtF primer(10μM) 1.0μl
8.BtR primer(10μM) 1.0μl
9.Template DNA(1.0μl/菌株)(100pg/μl) 1.0μl×4
10.NovaTaq HotStart DNA polymerase 0.2μl
11.水(全体が20.0μlになるまで加水)
次に、PCR増幅産物に緩衝液(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合して、94℃で5分間加温し、カビ検出用担体(DNAチップ)に滴下した。このカビ検出用担体を45℃で1時間静置し、上記緩衝液を用いてハイブリダイズしなかったPCR産物をDNAチップから洗い流した。
そして、標識検出装置(GenePix4100A Molecular Devices社製)を用いて、カビ検出用担体に固定化された各プローブにおける蛍光強度を測定し、各プローブにおけるS/N比値を取得した。その結果を図3に示す。
さらに、アルタナリア・ソラニを検出するための配列番号5のプローブでは、S/N比値が3以上となっており、アルタナリア・ソラニについて、陽性と判断できる。
また、リゾクトニア・ソラニを検出するための配列番号6のプローブでは、S/N比値が3以上となっており、リゾクトニア・ソラニについて、陽性と判断できる。
本実施形態のカビ検出用担体に固定化したプローブが、検出対象以外のカビのDNAにおける標的領域の増幅産物とはハイブリダイズせず、偽陽性反応を生じないことを確認するための試験を行った。
検出対象以外のカビとしては、独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(Japan Collection of Microorganisms)及び独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門(NITE Biological Resource Center)から入手した菌株を使用した。具体的には、以下の6種類のカビの菌株を使用した。
(1)アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus) JCM10252
(2)ケトミウム・グロボサム(Chaetomium globosum) NBRC6347
(3)カーブラリア・ルナータ(Curvularia lunata) NBR100165
(4)ユーロチウム・レペンス(Eurotium repens) JCM1580
(5)ペニシリウム・デジタタム(Penicillium digitatum) JCM9863
(6)フォーマ・デストラクティバ(Phoma destructiva) NBRC7482
さらに、培養したカビのコロニーを採取し、φ0.5mmジルコニアビーズを入れたバイアル瓶に個別に入れ、液体窒素に浸して試料を凍結した後、振盪装置を用いて、カビの細胞を破砕した。
次いで、DNA抽出装置によりカビのゲノムDNAを抽出して、PCR法により、試験1と同様にして、各カビのITS領域及び/又はβ−チューブリン遺伝子の増幅反応を菌株毎に行った。
そして、標識検出装置(BIOSHOT(R),東洋鋼鈑株式会社製)を用いて、カビ検出用担体に固定化された各プローブにおける蛍光強度を測定して、各プローブにおけるS/N比値を取得した。その結果を図3に示す。
例えば、本実施形態のカビ検出用担体において、各プローブを1スポットずつ、又は複数スポットずつ固定化することができる。また、本実施形態の検出対象カビ以外のカビを検出するためのその他のプローブを、本実施形態におけるプローブと共に固定化することもでき、適宜変更することが可能である。
Claims (4)
- 以下の(a)、(b)、又は(c)に記載の塩基配列を有するプローブ群から選択された二以上のプローブを固定化したことを特徴とするカビ検出用担体。
(a)配列番号1〜6に示す塩基配列を有するプローブ。
(b)配列番号1〜6に示す塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸断片に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるプローブ。
(c)(a)又は(b)のプローブに対して相補的な塩基配列を有するプローブ。 - コレトトリカム・アクタタム(Colletotrichum acutatum)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号1に示す塩基配列を有するプローブ、及び、β−チューブリン遺伝子から選択された配列番号2に示す塩基配列を有するプローブからなる第一のプローブ群、
フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号3に示す塩基配列を有するプローブ、及び、β−チューブリン遺伝子から選択された配列番号4に示す塩基配列を有するプローブからなる第二のプローブ群、
アルタナリア・ソラニ(Alternaria solani)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号5に示す塩基配列を有するプローブからなる第三のプローブ群、並びに、
リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号6に示す塩基配列を有するプローブからなる第四のプローブ群の各群からそれぞれ選択されたプローブを固定化したことを特徴とする請求項1記載のカビ検出用担体。 - 検出対象のカビのDNAにおける標的領域をPCRにより増幅させて、増幅産物の有無を確認する工程を含むカビの検出方法であって、
PCR用反応液に、配列番号7に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号8に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるITS領域を増幅させるためのプライマーセット、及び、配列番号9に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号10に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるβ−チューブリン遺伝子を増幅させるためのプライマーセットと、試料とを含有させ、
前記試料に、コレトトリカム・アクタタム(Colletotrichum acutatum)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、アルタナリア・ソラニ(Alternaria solani)、及びリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)の少なくともいずれかのDNAが含有されている場合、
前記PCR用反応液を使用して、前記試料に含有されるDNAにおける標的領域を増幅させ、
得られた増幅産物を、請求項1又は2記載のカビ検出用担体に滴下して、相補的な塩基配列を有するプローブと結合させる
ことを特徴とするカビの検出方法。 - 検出対象のカビのDNAにおける標的領域を増幅させるためのプライマーセットと、増幅産物の有無を確認するためのプローブが固定された担体を含むカビ検出用キットであって、
前記プライマーセットが、
配列番号7に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号8に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるITS領域を増幅させるためのプライマーセット、及び、配列番号9に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号10に示す塩基配列からなるリバースプライマーからなるβ−チューブリン遺伝子を増幅させるためのプライマーセットを含み、
前記担体が、
コレトトリカム・アクタタム(Colletotrichum acutatum)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号1に示す塩基配列を有するプローブ、及び、β−チューブリン遺伝子から選択された配列番号2に示す塩基配列を有するプローブからなる第一のプローブ群、
フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号3に示す塩基配列を有するプローブ、及び、β−チューブリン遺伝子から選択された配列番号4に示す塩基配列を有するプローブからなる第二のプローブ群、
アルタナリア・ソラニ(Alternaria solani)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号5に示す塩基配列を有するプローブからなる第三のプローブ群、並びに、
リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)を検出するための、ITS領域から選択された配列番号6に示す塩基配列を有するプローブからなる第四のプローブ群の各群からそれぞれ選択されたプローブを固定化した
ことを特徴とするカビ検出用キット。
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