JP7296043B2 - 微生物密度の推定方法、及び微生物密度推定用マイクロアレイ - Google Patents
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Description
このような微生物の検査において、遺伝子を用いた同定法が行われている。すなわち、環境中から採取した微生物からDNAを抽出して、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法などにより標的領域を増幅し、その増幅産物を解析することで、環境中の微生物を同定することが行われている。増幅産物を解析する方法としては、電気泳動によって増幅産物のサイズを分析する方法や、増幅産物と相補的に結合するプローブを配置したマイクロアレイを用いる方法などが提案されている(特許文献1、2参照)。
例えば、農薬を散布して土壌消毒を行うような場合、農作物に病気が生じる程に病原性微生物が土壌に存在していない場合であっても、安心感を得るために、農薬が散布されることがある。しかしながら、このような農薬の散布は本来無駄であり、また環境に悪影響を与えるという問題もある。
具体的には、アブラナ科野菜の根こぶ病などでは、根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae)が所定の土壌条件下において一定の密度以下しか存在しない場合には、農薬を散布する必要がないことが知られている。このため、環境中における微生物の密度が簡単に推定できれば、有益である。
ところが、SN比値自体にもとづいて、環境中における微生物の密度を推定することは困難であった。その理由は、SN比値には、ばらつきが生じ易いという特性があるためである。
なお、SN比値が小さくなればなる程、そのばらつきが小さくなることから、微生物の存否を判定に用いられる閾値の近辺においては、SN比値のばらつきは比較的小さいと考えられる。
感度の異なる2種類のプローブを使用することについて記載された技術先行文献としては、特許文献3に記載のプローブを挙げることができる。
すなわち、この特許文献3に記載のプローブによれば、感度の異なる2種類のプローブで計測されたシグナル値を合算することによって、検出感度を向上させることが可能になっている。
しかしながら、この技術は、環境中における微生物の密度を推定するために適用可能なものではなかった。
検査対象の微生物の遺伝子における分析対象領域のポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする、以下の(a)及び(b)に規定するオリゴヌクレオチドプローブを用いて、これらのプローブが前記ポリヌクレオチドとハイブリダイズした程度を示すシグナル値を測定し、前記シグナル値と所定の閾値にもとづいてパターン(1)~(3)を判定することにより、前記微生物密度を推定することを特徴とする微生物密度の推定方法。
プローブ(a):前記ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が特定の微生物密度(α)の場合に前記所定の閾値以上の前記シグナル値を示すものとして予め対応付けられたプローブ
プローブ(b):前記ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が前記微生物密度(α)よりも小さい特定の微生物密度(β)の場合に前記所定の閾値以上の前記シグナル値を示すものとして予め対応付けられた1つ以上のプローブ
パターン(1):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるシグナル値が、両方ともに前記所定の閾値以上の場合
微生物密度は、前記微生物密度(α)以上
パターン(2):前記プローブ(a)におけるシグナル値が、前記所定の閾値未満であり、かつ、前記プローブ(b)におけるシグナル値が、前記所定の閾値以上の場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)以上、前記微生物密度(α)未満
パターン(3):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるシグナル値が、両方ともに前記所定の閾値未満の場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)未満
プローブ(a):ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が特定の微生物密度(α)の場合に所定の閾値以上のシグナル値を示すものとして予め対応付けられたプローブ
プローブ(b):ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が微生物密度(α)よりも小さい特定の微生物密度(β)の場合に所定の閾値以上のシグナル値を示すものとして予め対応付けられた1つ以上のプローブ
パターン(1):プローブ(a)及びプローブ(b)におけるシグナル値が、両方ともに所定の閾値以上の場合
微生物密度は、微生物密度(α)以上
パターン(2):プローブ(a)におけるシグナル値が、所定の閾値未満であり、かつ、プローブ(b)におけるシグナル値が、所定の閾値以上の場合
微生物密度は、微生物密度(β)以上、微生物密度(α)未満
パターン(3):プローブ(a)及びプローブ(b)におけるシグナル値が、両方ともに所定の閾値未満の場合
微生物密度は、微生物密度(β)未満
また、環境中とは、例えば食品製造現場や臨床現場、農業現場、文化財保護環境等の各種検査対象となり得る場所を意味し、これらの場所から採取された試料を環境と見なすことができる。
プローブ(a):ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が特定の微生物密度(α)の場合に所定の閾値(SN比値を用いる場合は3)以上のシグナル値を示すものとして予め対応付けられたプローブ(以下、プローブ(a)を単に低感度プローブと称する場合がある。)
プローブ(b):ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が微生物密度(α)よりも小さい特定の微生物密度(β)の場合に所定の閾値以上のシグナル値を示すものとして予め対応付けられた1つ以上のプローブ(以下、プローブ(b)を単に高感度プローブと称する場合がある。)
例えば、実験1において、仮に高感度プローブ2により密度が180で陽性が示される場合には、微生物密度(β)として、最小の180が選択される。
このSN比値が閾値に近い値を示す微生物密度の範囲としては、高感度プローブによるSN比値が閾値となる密度からその10倍程度とすることができる。
すなわち、具体的な例として、本実施形態の微生物密度の推定方法において使用するオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号1~9によりそれぞれ特定される塩基配列からなる核酸断片を用いることができる。
また、アルタナリア・アルタナータ(Alternaria alternata)を検出するための配列番号4~6に示す塩基配列からなるプローブのセットを用いることができる。
さらに、バーティシリウム・ダーリエ(Verticillium dahliae)を検出するための配列番号7~9に示す塩基配列からなるプローブのセットを用いることができる。
なお、これらのプローブは、それぞれの微生物のrDNA遺伝子ITS領域から選択されたものである。
パターン(1):プローブ(a)及びプローブ(b)におけるシグナル値が、両方ともに所定の閾値以上の場合
微生物密度は、密度(α)以上
パターン(2):プローブ(a)におけるシグナル値が所定の閾値未満であり、かつ、プローブ(b)におけるシグナル値が所定の閾値以上の場合
微生物密度は、密度(β)以上、密度(α)未満
パターン(3):プローブ(a)及びプローブ(b)におけるシグナル値が、両方ともに所定の閾値未満の場合
微生物密度は、密度(β)未満
また、低感度プローブが陰性を示し、高感度プローブが陽性を示す場合、推定される微生物密度は密度(β)以上、密度(α)未満であると判定する。
また、低感度プローブ及び高感度プローブが陰性を示す場合、推定される微生物密度は密度(β)未満である判定する。
これにより、本実施形態の微生物密度の推定方法によれば、感度の異なる2種類のプローブを用いることにより、環境中に存在する微生物の密度の大凡の範囲を、比較的簡易に推定することが可能になっている。
このような微生物密度推定用マイクロアレイは、例えば、配列番号1~9に示す塩基配列を有するプローブを用いて、既存の一般的な方法で製造することができる。
まず、微生物を含む検体を環境中から採取する。このとき、必要に応じて、乾燥、破砕、ふるいがけ、及び濃縮等を行う。
そして、得られた増幅産物を微生物密度推定用マイクロアレイに滴下して、これに配置されたプローブにハイブリダイズした増幅産物の標識を検出する。この標識として蛍光強度などを用いて、ハイブリダイズした程度を示すシグナル値としてSN比値等を算出する。
[実験1]
検出対象の微生物として、独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門(NITE Biological Resource Center)から入手した菌株のものを使用した。具体的には、次の3種類のカビを使用した。
(1)フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(NBRC 31629)
(2)アルタナリア・アルタナータ(Alternaria alternata)(NBRC 106339)
(3)バーティシリウム・ダーリエ(Verticillium dahliae)(NBRC 9435)
すなわち、配列番号1に示す塩基配列からなるプローブは、フザリウム・オキシスポラムの密度を推定するための低感度プローブであり、配列番号2に示す塩基配列からなるプローブと配列番号3に示す塩基配列からなるプローブは、フザリウム・オキシスポラムの密度を推定するための高感度プローブである。
高感度プローブにおける低感度プローブと相違する配列部分を図2において太字二重下線で示している。図2におけるその他のカビを検出するためのプローブについても同様である。
次に、胞子が形成された培養プレート上に0.05%Tween80生食水を10 mL注ぎ、コンラージ棒で胞子を軽く撫でてそぎ落とし、水溶液中に分散させた。次いで、胞子を分散させた水溶液をピペットで回収し、滅菌ガーゼでろ過して菌糸を取り除いた後、ろ液を3,000gで10分間遠心して上清を取り除いた。沈殿した胞子に水溶液を100 μL加えて懸濁したものを胞子液とした。そして、胞子液をトーマ血球計算盤で計数することによって、10^8から10^0の胞子を含む10倍段階希釈系列胞子液を作成した。
各土壌サンプルを、0.2 g/mLスキムミルク 80 μL、100 mM Tris-HCl,40 mM EDTA バッファー 250 μL、10%SDS 50 μL、塩化ベンジル 150 μLと共に、ビードビーターを使用して、4,200 rpmで1分間破砕した。
得られた精製DNAを用いて、PCR法により、フザリウム・オキシスポラムのITS領域を増幅した。このとき、既存のプロトコルをそのまま用いたため、PCR用の反応液として、図3に示すITS領域を増幅させるための配列番号10に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号11に示す塩基配列からなるリバースプライマーとからなるプライマーセットと、βチューブリン遺伝子を増幅させるための配列番号12に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号13に示す塩基配列からなるリバースプライマーとからなるプライマーセットが含まれるものを使用したが、使用したプローブに対応する増幅対象領域は、ITS領域のみである。これらのプライマーは、シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社により合成した。
1.Ampdirect(G/Crich) 4.0μl
2.Ampdirect(addition-4) 4.0μl
3.dNTPmix 1.0μl
4.Cy-5dCTP 0.2μl
5.ITS領域フォワードプライマー(2.5μM) 1.0μl
6.ITS領域リバースプライマー(2.5μM) 1.0μl
7.βチューブリン遺伝子フォワードプライマー(10μM) 1.0μl
8.βチューブリン遺伝子リバースプライマー(10μM) 1.0μl
9.NovaTaq HotStart DNA polymerase 0.2μl
10.Template DNA 4.0μl
11.水(全体が20.0μlになるまで加水)
(a)95℃ 10分
(b)95℃ 30秒
(c)56℃ 30秒
(d)72℃ 60秒((b)~(d)を40サイクル)
(e)72℃ 10分
そして、標識検出装置(BIOSHOT(R),東洋鋼鈑株式会社製)を用いて、微生物密度推定用マイクロアレイに配置された各プローブにおける蛍光強度(プローブに結合した増幅産物の蛍光強度)を測定して、各プローブにおけるS/N比値((メディアン蛍光強度値-バックグラウンド値)÷バックグラウンド値)を取得した。その結果を図4に示す。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるフザリウム・オキシスポラムの密度は、微生物密度(α)に対応する18000(個/g乾土)以上であると推定される。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるフザリウム・オキシスポラムの密度は、微生物密度(β)に対応する1800(個/g乾土)以上、18000(個/g乾土)未満であると推定される。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるフザリウム・オキシスポラムの密度は、1800(個/g乾土)未満であると推定される。
そして、本実施形態の微生物密度の推定方法により、低感度プローブと高感度プローブにおけるSN比値にもとづき上記のパターンを判別することによって、同様に、その微生物密度が、18000(個/g乾土)以上であるのか、1800(個/g乾土)以上、18000(個/g乾土)未満であるのか、又は、1800(個/g乾土)未満であるのかということを大凡把握することが可能になっている。これは、以下の実験においても同様である。
すなわち、この場合、低感度プローブとこの高感度プローブ2が微生物密度の推定に使用されて、微生物密度が、18000(個/g乾土)以上であるのか、180(個/g乾土)以上、18000(個/g乾土)未満であるのか、又は、180(個/g乾土)未満であるのかということを判定することが可能である。
微生物密度(α)及び微生物密度(β)をこのように決定すれば、微生物密度の推定精度をより向上させることが可能となる。
実験2では、実験1と同じ微生物密度推定用マイクロアレイにおける、アルタナリア・アルタナータを検出するための配列番号4~6に示す塩基配列からなるプローブを微生物密度の推定に使用した。
すなわち、配列番号4に示す塩基配列からなるプローブは、アルタナリア・アルタナータの密度を推定するための低感度プローブであり、配列番号5に示す塩基配列からなるプローブと配列番号6に示す塩基配列からなるプローブは、アルタナリア・アルタナータの密度を推定するための高感度プローブである。
次に、得られた精製DNAを用いて、実験1と同様に、PCR法により、当該カビのITS領域を増幅した。
そして、PCR増幅産物と、上記の微生物密度推定用マイクロアレイを使用して、実験1と同様に各プローブにおけるS/N比値を取得した。その結果を図5に示す。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるアルタナリア・アルタナータの密度は、微生物密度(α)に対応する1500000(個/g乾土)以上であると推定される。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるアルタナリア・アルタナータの密度は、微生物密度(β)に対応する150000(個/g乾土)以上、1500000(個/g乾土)未満であると推定される。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるアルタナリア・アルタナータの密度は、150000(個/g乾土)未満であると推定される。
実験3では、実験1と同じ微生物密度推定用マイクロアレイにおける、バーティシリウム・ダーリエを検出するための配列番号7~9に示す塩基配列からなるプローブを微生物密度の推定に使用した。
すなわち、配列番号7に示す塩基配列からなるプローブは、バーティシリウム・ダーリエの密度を推定するための低感度プローブであり、配列番号8に示す塩基配列からなるプローブと配列番号9に示す塩基配列からなるプローブは、バーティシリウム・ダーリエの密度を推定するための高感度プローブである。
次に、得られた精製DNAを用いて、実験1と同様に、PCR法により、当該カビのITS領域を増幅した。
そして、PCR増幅産物と、上記の微生物密度推定用マイクロアレイを使用して、実験1と同様に各プローブにおけるS/N比値を取得した。その結果を図6に示す。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるバーティシリウム・ダーリエの密度は、微生物密度(α)に対応する75000(個/g乾土)以上であると推定される。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるバーティシリウム・ダーリエの密度は、微生物密度(β)に対応する7500(個/g乾土)以上、75000(個/g乾土)未満であると推定される。
したがって、低感度プローブと高感度プローブが、当該パターンを示す場合、試料中におけるバーティシリウム・ダーリエの密度は、7500(個/g乾土)未満であると推定される。
例えば、本実施形態の微生物密度の推定方法で使用するオリゴヌクレオチドプローブは、実施例に示したもののみならず、その他のプローブを用いても良く、適宜変更することが可能である。
Claims (10)
- 検査対象の微生物が試料中に存在する密度を、マイクロアレイを用いて推定する微生物密度の推定方法であって、
前記検査対象の微生物が、フザリウム・オキシスポラムであり、
前記検査対象の微生物の遺伝子における分析対象領域のDNAと特異的にハイブリダイズする、前記マイクロアレイに固定された以下の(a)及び(b)に規定するオリゴヌクレオチドプローブを用いて、これらのプローブが前記DNAとハイブリダイズした程度を示すSN比値を測定し、前記SN比値にもとづいてパターン(1)~(3)を判定することにより、前記微生物密度を推定することを特徴とする微生物密度の推定方法。
プローブ(a):配列番号1に示す塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が特定の微生物密度(α)の場合に陽性を示すSN比値を示すものとして予め対応付けられたプローブ
プローブ(b):配列番号2又は3に示す塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が前記微生物密度(α)よりも小さい特定の微生物密度(β)の場合に陽性を示すSN比値を示すものとして予め対応付けられた1つ以上のプローブ
パターン(1):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるSN比値が、両方ともに陽性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(α)以上
パターン(2):前記プローブ(a)におけるSN比値が、陰性を示し、かつ、前記プローブ(b)におけるSN比値が、陽性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)以上、前記微生物密度(α)未満
パターン(3):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるSN比値が、両方ともに陰性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)未満 - 検査対象の微生物が試料中に存在する密度を、マイクロアレイを用いて推定する微生物密度の推定方法であって、
前記検査対象の微生物が、アルタナリア・アルタナータであり、
前記検査対象の微生物の遺伝子における分析対象領域のDNAと特異的にハイブリダイズする、前記マイクロアレイに固定された以下の(a)及び(b)に規定するオリゴヌクレオチドプローブを用いて、これらのプローブが前記DNAとハイブリダイズした程度を示すSN比値を測定し、前記SN比値にもとづいてパターン(1)~(3)を判定することにより、前記微生物密度を推定することを特徴とする微生物密度の推定方法。
プローブ(a):配列番号4に示す塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が特定の微生物密度(α)の場合に陽性を示すSN比値を示すものとして予め対応付けられたプローブ
プローブ(b):配列番号5又は6に示す塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が前記微生物密度(α)よりも小さい特定の微生物密度(β)の場合に陽性を示すSN比値を示すものとして予め対応付けられた1つ以上のプローブ
パターン(1):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるSN比値が、両方ともに陽性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(α)以上
パターン(2):前記プローブ(a)におけるSN比値が、陰性を示し、かつ、前記プローブ(b)におけるSN比値が、陽性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)以上、前記微生物密度(α)未満
パターン(3):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるSN比値が、両方ともに陰性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)未満 - 検査対象の微生物が試料中に存在する密度を、マイクロアレイを用いて推定する微生物密度の推定方法であって、
前記検査対象の微生物が、バーティシリウム・ダーリエであり、
前記検査対象の微生物の遺伝子における分析対象領域のDNAと特異的にハイブリダイズする、前記マイクロアレイに固定された以下の(a)及び(b)に規定するオリゴヌクレオチドプローブを用いて、これらのプローブが前記DNAとハイブリダイズした程度を示すSN比値を測定し、前記SN比値にもとづいてパターン(1)~(3)を判定することにより、前記微生物密度を推定することを特徴とする微生物密度の推定方法。
プローブ(a):配列番号7に示す塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が特定の微生物密度(α)の場合に陽性を示すSN比値を示すものとして予め対応付けられたプローブ
プローブ(b):配列番号8又は9に示す塩基配列からなり、試料中に存在する該微生物の密度が前記微生物密度(α)よりも小さい特定の微生物密度(β)の場合に陽性を示すSN比値を示すものとして予め対応付けられた1つ以上のプローブ
パターン(1):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるSN比値が、両方ともに陽性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(α)以上
パターン(2):前記プローブ(a)におけるSN比値が、陰性を示し、かつ、前記プローブ(b)におけるSN比値が、陽性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)以上、前記微生物密度(α)未満
パターン(3):前記プローブ(a)及び前記プローブ(b)におけるSN比値が、両方ともに陰性を示す場合
微生物密度は、前記微生物密度(β)未満 - 前記陽性を示すSN比値が、3以上であり、前記陰性を示すSN比値が、3未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の微生物密度の推定方法。
- 前記プローブ(b)の塩基配列が、前記プローブ(a)の塩基配列と少なくとも1塩基以上の共通配列を含み、かつ、前記共通配列の5’末端若しくは3’末端、又はその両端に合計で3~25塩基付加された配列であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の微生物密度の推定方法。
- 前記プローブ(b)が複数存在し、かつ、前記微生物密度(β)が複数存在する場合、前記パターンにおいて、最小の微生物密度(β)を使用することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の微生物密度の推定方法。
- 環境中から採取された微生物の遺伝子を前記検査対象の微生物の遺伝子として使用し、該遺伝子をPCR法によって増幅して、前記分析対象領域のDNAを得ることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の微生物密度の推定方法。
- 請求項1記載の微生物密度の推定方法に用いるための微生物密度推定用マイクロアレイであって、
フザリウム・オキシスポラムの遺伝子における分析対象領域のDNAと特異的にハイブリダイズする、
配列番号1に示す塩基配列からなるプローブと、
配列番号2に示す塩基配列からなるプローブ及び配列番号3に示す塩基配列からなるプローブと、が固定された
ことを特徴とする微生物密度推定用マイクロアレイ。 - 請求項2記載の微生物密度の推定方法に用いるための微生物密度推定用マイクロアレイであって、
アルタナリア・アルタナータの遺伝子における分析対象領域のDNAと特異的にハイブリダイズする、
配列番号4に示す塩基配列からなるプローブと、
配列番号5に示す塩基配列からなるプローブ及び配列番号6に示す塩基配列からなるプローブと、が固定された
ことを特徴とする微生物密度推定用マイクロアレイ。 - 請求項3記載の微生物密度の推定方法に用いるための微生物密度推定用マイクロアレイであって、
バーティシリウム・ダーリエの遺伝子における分析対象領域のDNAと特異的にハイブリダイズする、
配列番号7に示す塩基配列からなるプローブと、
配列番号8に示す塩基配列からなるプローブ及び配列番号9に示す塩基配列からなるプローブと、が固定された
ことを特徴とする微生物密度推定用マイクロアレイ。
Applications Claiming Priority (3)
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統合ゲノミクスのためのマイクロアレイ データアナリシス,2006年,p. 78-81, 117-119 |
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