JP2009229210A - マイクロアレイおよびネガティブコントロールプローブの設計方法 - Google Patents

マイクロアレイおよびネガティブコントロールプローブの設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 如何なる検体を当てた場合にもバックグラウンド信号レベルを正確に評価することが可能となる手段を提供する。
【解決手段】 基体と、前記基体の第1の領域内に固定化され、異なる配列を有する複数の第1のプローブを備えるネガティブコントロールプローブ群と、前記基体の第2の領域内に固定化されたターゲット核酸の相補配列を含む第2のプローブとを具備する核酸検出用マイクロアレイであって、前記ネガティブコントロールプローブ群に含まれる複数の第1のプローブの種類は、ネガティブコントロール群とそこに含まれる第1のプローブの一部に対するフルマッチ核酸との反応で得られるハイブリダイズ信号が閾値以下となる数であることを特徴とするマイクロアレイ。
【選択図】なし

Description

本発明は、ネガティブコントロールプローブを具備するマイクロアレイ、及びネガティブコントロールの設計方法に関する。
マイクロアレイ検出では、バックグラウンド信号レベルを評価する為に用いるネガティブコントロールプローブ(一般的にはNCプローブとも称する)を設定する必要がある(非特許文献1)。通常、NCプローブを設定する際には、検体と交差反応する可能性の少ない特定の塩基配列を選定し、基体上に固定化することによりバックグラウンド信号レベル評価に用いることが行われている。
一方、近年、広い範囲の生物界において種の壁を越えてダイナミックに遺伝子配列のやり取りが行われていることが明らかとなっている。例えば、微生物の遺伝子配列の一部が植物遺伝子に組み込まれているといったようなことが確実に起こり得る。このことから、従来のNCプローブ設定方法により得られる、検出対象と交差反応する可能性の低い特定の塩基配列を選定するというコンセプトの下で設定されたNCプローブでは、種の壁を越えた遺伝子配列のやり取りに起因する意図せざる交差反応を避けることは困難である。
バイオ実験超基本 Q&A、p58-61、羊土社
本発明の目的は、マイクロアレイのバックグラウンド信号レベルをより正確に評価することが可能となる手段を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、
(1)基体と、前記基体の第1の領域内に固定化され、異なる配列を有する複数の第1のプローブを備えるネガティブコントロールプローブ群と、前記基体の第2の領域内に固定化されたターゲット核酸の相補配列を含む第2のプローブとを具備する核酸検出用マイクロアレイであって、前記ネガティブコントロールプローブ群に含まれる複数の第1のプローブの種類は、ネガティブコントロール群とそこに含まれる第1のプローブの一部に対するフルマッチ核酸との反応で得られるハイブリダイズ信号が閾値以下となる数であることを特徴とするマイクロアレイ;および
(2)(1)に記載のマイクロアレイに含まれるネガティブコントロールプローブ群の設計方法であって、ネガティブコントロール群に適用する複数の第1のプローブを別々の領域に固定化したマイクロアレイに対し、同一検体を作用させて繰り返しハイブリダイズ信号を測定すること、前記測定されたハイブリダイズ信号の間のバラツキ値の最大値を求めること、および前記バラツキ値の最大値に安全係数を乗ずることにより閾値を求め、当該ネガティブコントロール群に含まれる第1のプローブの一部に対するフルマッチ核酸との反応により得られるハイブリダイズ信号が閾値以下となる第1のプローブの濃度を決定し、ネガティブコントロールプローブ群を設計することを具備する方法;
である。
本発明により、マイクロアレイのバックグラウンド信号レベルをより正確に評価することが可能となる手段が提供される。
本発明に従うマイクロアレイは、基本的には、基体上の検出用プローブ固定化領域に固定化されたターゲット核酸検出用プローブによって目的とする核酸を検出するための装置である。当該装置は、ターゲット核酸と相補的な配列を有するターゲット核酸検出用プローブと、ターゲット核酸とのハイブリダイズ信号を検出することにより、検体核酸を含む試料中にターゲット核酸が存在するか否かを検出するための装置である。本発明に従うマイクロアレイは、当該ターゲット核酸検出用プローブのほかに、ネガティブコントロールプローブ群を具備する。ネガティブコントロールプローブ群は、バックグラウンド信号を検出するためのプローブであり、これは、当該ターゲット核酸検出用プローブが固定化されている基体の同一面に配置されたネガティブコントロールプローブ固定化領域に固定化される。
ここで使用される「マイクロアレイ」は、一般的に使用される「核酸チップ」、「DNAチップ」および「DNAアレイ」などの用語と同義であり、互いに交換可能に使用される。
本発明において使用される基体は、電流検出型を代表とする電気化学的検出型、蛍光検出型、化学発色型および放射能検出型など、従来公知の何れの種類のマイクロアレイ用の基体であってよい。
何れの種類のマイクロアレイも、それ自身公知の方法により製造することが可能である。例えば、電流検出型マイクロアレイの場合、ネガティブコントロールプローブ固定化領域および検出用プローブ固定化領域は、それぞれ異なる電極上に配置されればよい。
ここで使用される「ハイブリダイズ信号」とは、プローブとその相補配列とのハイブリダイズにより生じる信号であり、当該マイクロアレイの検出方式により、例えば、電流値、蛍光光度、発光光度などとして検出される検出信号を総称するものである。
当該ネガティブコントロールプローブの塩基配列は、人工的にランダムに合成および/または選択された塩基配列であってもよく、通常自然界に存在する何れの塩基配列であってもよい。
本発明に従うネガティブコントロールプローブは、それ自身公知の何れの方法により製造されてもよく、自然界に存在する核酸から調製されてもよい。また、目的とする基体に固定化するための必要なそれ自身公知の何れかの修飾を有してもよい。
なお、本発明においては、基体と、ネガティブコントロールプローブを独立して具備するアッセイキットが提供されてもよい。その場合、更に、検出用プローブおよび/または固定化用試薬などが組み合わされて提供されてもよい。
本発明によれば、変異や遺伝子組み換えなどが生じた検体核酸を試料として使用した場合に意図せざる交差反応が生じたとしても、バックグラウンド信号レベルをより正確に評価することが可能となる。
ここで使用される検出用プローブは、それ自身公知の何れの核酸からなってもよく、またそれ自身公知の何れの特徴を有してもよい。
(第1の発明の実施形態)
マイクロアレイ1は図1(a)に示すように、基体2と、前記基体2の第1の面に具備される第1の領域であるネガティブコントロールプローブ固定化領域3に固定化された異なる配列を有する複数の第1のプローブ4a〜4x(ここで、xは2以上の整数である)を備えるネガティブコントロールプローブ群5と、第2の領域である検出用プローブ固定化領域6に固定化された検出用プローブからなる第2のプローブ7を具備する。
第2のプローブ7は、ターゲット核酸の相補配列であればよく、例えば、検体中に存在することが予測される検体核酸配列の相補配列を有すればよい。マイクロアレイ1に対して検体核酸を含む試料を反応させた際に、試料中の目的とする核酸が、第2のプローブ7とハイブリダイズした場合にはハイブリダイズ信号が生じる。このハイブリダイズ信号を検出することにより当該マイクロアレイ1による検出が達成される。図1には検出プローブ固定化領域6は1つしか記載されていないが、従来のマイクロアレイと同様、第3、第4、第5の領域などとして、更なる検出用プローブ固定化領域6が複数設けられてもよい。その場合、更なる検出用プローブ固定化領域には、領域毎に異なる配列のプローブが固定化されてもよく、同じ配列のプローブが固定化されてもよい。
一方、ネガティブコントロールプローブ群5は、当該マイクロアレイの装置毎の測定におけるバックグラウンド信号を測定するために利用される。ネガティブコントロールプローブ群5は、当該マイクロアレイのネガティブコントロール固定化領域3に固定化されて提供される。ネガティブコントロールプローブ群5が複数のネガティブコントロールプローブ固定化領域3に固定化されて提供されてもよい。
バックグラウンド信号レベルをより正確に求める必要がある場合には、ネガティブコントロール固定化領域3に固定化されるネガティブコントロールプローブ群5の合計量は、検出用プローブ固定化領域6に固定化される第2のプローブと同量が固定化されることが望ましい。ここでいう同量とは、例えば第2のプローブの量の1/10以上10倍以下の範囲にあればよい。
また、ネガティブコントロール固定化領域3に固定化されるネガティブコントロールプローブ群5の合計量は検出用プローブ固定化領域6に固定化される第2のプローブと同量でなくとも、両者の間で所定の量比をもって固定化されていてもよい。その場合には、各プローブ固定化領域から得られた信号に適切な任意の値(例えば前記所定比率の逆数)を乗ずることによりバックグラウンド、或いはハイブリダイゼーション信号が算出されることとなる。
例えば、ネガティブコントロール固定化領域3に固定化されるネガティブコントロールプローブ群5の合計量が検出用プローブ固定化領域6に固定化される第2のプローブの1/2量であった場合、(1)検出用プローブ固定化領域6から得られるハイブリダイゼーション信号と比較するバックグラウンド信号を、ネガティブコントロール固定化領域3から得られる信号を2倍することにより算出する。あるいは(2)検出用プローブ固定化領域6から得られるハイブリダイゼーション信号を1/2倍し、ネガティブコントロール固定化領域3から得られるバックグラウンド信号と比較する。
当該ネガティブコントロールプローブ群5は、複数種類のプローブからなり、それらは互いに異なる塩基配列を有する。即ち、第一のプローブは、プローブ4a〜プローブ4x(ここで、xは、2以上の任意の整数である)からなるプローブの集合体であってよく、更に、同じ種類の配列も複数で具備されてもよい。第1のプローブに含まれるプローブの塩基配列は基本的には、検出しようとするターゲット核酸の相補配列とは異なる配列を有することが望ましい。しかしながら、本発明に従うと、ネガティブコントロールプローブ群に含まれる配列に相補的な配列を有する核酸が、意図せざる交差反応により生じ、それがネガティブコントロールプローブ群に適用された場合であっても、閾値以下のハイブリダイズ信号強度しか生じないように設計される。従って、必ずしもネガティブコントロールプローブ群に含まれるプローブの配列が検体核酸の相補鎖と異なる必要はない。
当該ネガティブコントロールプローブ群5を構成する各々のプローブは、これとフルマッチの塩基配列を有する核酸とハイブリダイズした場合であっても、ネガティブコントロールプローブ群5全体としてはハイブリダイズ信号が検出されない。即ち、当該ネガティブコントロール群5は、ネガティブコントロールプローブ群5に含まれる複数種類のプローブのうちの1つの種類のプローブと、それと完全にマッチする配列とが反応した場合でも、有効な信号強度とそれ以下の信号強度とを分けるための閾値よりも小さな値を示すように設計されればよい。
このような設計は、ネガティブコントロール群5に含まれるプローブの種類を増やすことにより得ることができる。ネガティブコントロール固定化領域3に固定化されているネガティブコントロールプローブ群5からのハイブリダイズ信号、例えば、電気化学的信号、蛍光信号、化学発色信号などの信号は、ネガティブコントロールプローブ固定化領域3に存在する塩基配列の種類をある程度多くすることにより、意図せざる交差反応により生じたネガティブコントロールプローブ群内のハイブリダイズ信号を低く抑えることできる。例えば、プローブコントロール群に含まれるプローブの種類が増えれば増えるほど、意図せざるハイブリダイズ信号は低くなる。これは、1つのネガティブコントロールプローブ固定化領域3に含まれる1つの種類の塩基配列の濃度、即ち、分子数を低く抑えることによる。それにより、ある一定したバックグラウンドとして機能することが可能になる。即ち、図1(b)に示すように、ネガティブコントロールプローブ群5に含まれる同一種類のポリヌクレオチドプローブの量が特定の濃度、即ち、臨界濃度または臨界分子量よりも低い場合(図1(b)においては、破線矢印よりも左側の濃度において)、フルマッチの検体核酸をハイブリダイゼーションさせた場合であってもハイブリダイズによる信号は低く一定した値を取る。従って、このような濃度に同一種類のポリヌクレオチドプローブを抑えることが重要である。このように設計することにより、仮に試料中に含まれる一部の核酸にフルマッチの塩基配列が第1のプローブとして適用されたとしてもハイブリダイズ信号としては検出されない。そのため、ネガティブコントロールプローブ群5全体としては、ネガティブコントロールプローブとしての役割を果たすことが可能となる。
当該ネガティブコントロールプローブ群に含まれるプローブの種類は、多ければ多いほど好ましい。含まれるプローブの種類が多いほど、擬陽性シグナルが生じる確率を減らすことが可能であるので有利である。
ネガティブコントロールプローブ群に含まれるプローブの種類が多いほうがよいことは以下のことから理解することが可能である。
図2aを参照されたい。図2aには、1種類、2種類、3種類、4種類および5種類のプローブからなるネガティブコントロールプローブ群を具備するマイクロアレイに対して、各ネガティブコントロールプローブ群に含まれる1つのプローブと100%相補性を有する核酸を反応させたときのマイクロアレイからのハイブリダイズ信号を検出した結果を示すグラフである。なお、これらプローブ群を構成するプローブ配列の種類数に関わらず、プローブ全体の量及び分子数は均一である。当該グラフの横軸は、固定化したプローブの種類であり、縦軸は検出されたハイブリダイズ信号を示す。当該グラフから分かるように、ネガティブコントロールプローブ群に含まれるプローブの種類が多いほどハイブリダイズ信号は小さくなる。
ここで使用したプローブは、5種類であり、それぞれのプローブは、配列番号1〜5に示されるポリヌクレオチドの何れかを含むプローブである。即ち、1種類で使用したプローブは、配列番号1のポリヌクレオチドを含むプローブである。2種類で使用したプローブは、配列番号1のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号2のポリヌクレオチドを含むプローブである。3種類で使用したプローブは、配列番号1のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号2のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号3のポリヌクレオチドを含むプローブである。4種類で使用したプローブは、配列番号1のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号2のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号3のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号4のポリヌクレオチドを含むプローブである。5種類で使用したプローブは、配列番号1のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号2のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号3のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号4のポリヌクレオチドを含むプローブと配列番号5のポリヌクレオチドを含むプローブである。
配列番号1から5のポリヌクレオチドは、ヒトパピローマウイルス(図中「HPV」と記す。また、以下「HPV」とも記す)に由来するポリヌクレオチドである。図2aのグラフはこれらを電流検出型のマイクロアレイに固定化し、検体として配列番号1に相補的なポリヌクレオチドを適用し、生じたハイブリダイズ信号を電流値として検出した結果である。また、図中の黒菱形は、検体の濃度が1012コピー/mLのときの電流値であり、黒四角は5倍希釈したときの電流値であり、黒三角は10倍希釈したときの電流値である。
また、同じデータをプローブの種類ではなく、ネガティブコントロールプローブ群に含まれる1つの種類の核酸の濃度により示した図が図2bである。図2bに示すグラフは、横軸に着目した1種類の核酸の濃度を示し、縦軸にはハイブリダイズ信号を示す。
図2bから分かるように濃度が低いほどハイブリダイズ信号は小さくなる。即ち、ネガティブコントロールプローブ群に含まれるプローブの種類を多くすることにより、そこに存在する同じ種類のプローブの濃度は下がり、それにより検出されるハイブリダイズ信号を低下することが可能になる。本発明に従うネガティブコントロールプローブ群は、このような原理を利用し、検出されるハイブリダイズ信号が有効な信号強度よりも小さい値となるように、即ち、予め設定した閾値以下となるように、ネガティブコントロールプローブ群に異なる種類の配列を有するプローブを含ませればよい。
例えば、同一のネガティブコントロール固定化領域3内に固定化されるプローブの種類は、例えば、3種類以上、4種類以上、5種類以上、6種類以上、7種類以上、8種類以上、9種類以上、10種類以上、50種類以上、100種類以上であればよく、好ましくは50種類以上または60種類以上、より好ましくは100種類以上、4種類以下(ここで、nはプローブの塩基数を示す)を同一基体の同一領域内に固定化すればよい。
また、1つのネガティブコントロール群に含まれるプローブは、その長さが同じであってもよく、異なっていてもよい。しかしながら、検出用プローブと同じ長さを有することが好ましい。また、種類の異なるプローブ間でその濃度が同じであっても、異なっていてもよい。
図3を参照されたい。図3には、HPV18(配列番号1)、HPV33(配列番号2)、HPV58(配列番号3)およびHPV68(配列番号4)をネガティブコントロールプローブとして基体に固定化して得た電流検出型マイクロアレイに対して、100%相補的なターゲット核酸を2つの濃度で反応させて得たハイブリダイズ信号を電流値として検出した結果を示す。それぞれのプローブを、精製水に0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、2μMおよび3μMとなるように溶解して、得られたプローブ溶液を100nLずつ電極に固定化した。何れの核酸を固定化した場合においても、濃度が低いほどハイブリダイズ信号は小さくなった。
従って、当該ネガティブコントロール群に含まれるプローブは、検体核酸に対してフルマッチの配列を有しても、同一領域内に固定化するための同一種類のプローブとして、得られる信号強度が有効な信号強度より小さい、即ち特定の閾値以下となるよう、例えば、1μM以下、0.5μM以下、好ましくは0.1μM以下または0.05μM以下で固定化されればよい。そのようなネガティブコントロール群の固定化は、例えば、同一種類のプローブの濃度が上記のような濃度になり、且つ固定化されるネガティブコントロールプローブ群合計量の濃度が、第2のプローブと同量となるように異なる種類のプローブを混合して、ネガティブコントロールプローブ群溶液を調製し、それを用いて基体のネガティブコントロール固定化領域にプローブを固定化すればよい。このようなネガティブコントロールプローブ群溶液も本発明の範囲に含まれ、例えば、当該溶液を具備するキットとして提供されてもよい。
また、前記濃度とするためには、例えば、異なる塩基配列の種類を、3種類以上、4種類以上、5種類以上、6種類以上、7種類以上、8種類以上、9種類以上、10種類以上、50種類以上、100種類以上であればよく、好ましくは50種類以上または60種類以上、より好ましくは100種類以上、4種類以下(ここで、nはプローブの塩基数を示す)を同一基体の同一領域内に固定化すればよい。
何れの検出型のマイクロアレイであっても、前記閾値は、次のように求めることが可能である。即ち、複数種のプローブを別々の領域に固定化したマイクロアレイに対し、各々のプローブに相補的な同一検体を作用させ繰り返しハイブリダイズ信号量を測定する。次に繰り返し測定した各プローブ毎のハイブリダイズ信号量の測定値間のバラツキの範囲を求め、そのバラツキの最大値に、安全係数を乗じたものを閾値とすればよい。それにより何れの検出型のマイクロアレイについても閾値を求めることが可能である。
このようにして求めた閾値よりも低いハイブリダイズ信号が得られるように各プローブの濃度を決定する。そして各濃度のプローブを混合して、または当該各濃度になるようにプローブを混合して、ネガティブコントロールプローブ群を形成すればよい。
また、電流検出型以外の検出様式のマイクロアレイの場合では、その様式により感度が異なる場合がある。その場合であっても、上述した方法により閾値を求め、その閾値以下となるのに必要な種類のプローブを混合してネガティブコントロール群を作製すればよい。またはそのような閾値以下となるのに必要なプローブの濃度を求めて臨界濃度とし、臨界濃度以下となるように複数種類のポリヌクレオチドを含むプローブを混合し、基体にネガティブコントロールプローブ群を作製してもよい。
本発明はまた、ネガティブコントロールプローブ群を設計する方法も提供する。そのような方法の例は次の通りである。まず、複数種のプローブを別々の領域に固定化したマイクロアレイに対し、同一検体を繰り返し測定し、測定間のハイブリダイズ信号量のバラツキの範囲を求める。次に得られたバラツキの値の最大値に、測定手段に応じた安全係数を乗ずることにより閾値を求める。次に、100%の相補鎖を適用したときに得られるハイブリダイズ信号量が当該閾値以下となるようなプローブ濃度条件を求める。当該条件を満たすように複数の種類のプローブの濃度を選択することにより、ネガティブコントロールプローブ群を設計することが可能である。このような設計方法は、それ自身公知の何れの検出型のマイクロアレイのネガティブコントロール群に対しても適用することが可能である。なお、安全係数は、使用条件の数値の、理論値や実験によって求められる使用上限の数値に対する倍率である。
当該マイクロアレイにより検出した結果は、検出用プローブ固定化領域から得られたハイブリダイズ信号からネガティブコントロール固定化領域から得られたハイブリダイズ信号を引くことにより算出すればよい。
(第2の発明の実施形態)
更なる実施形態において、マイクロアレイ11は、図1(c)に示すように、基体12と、第1の領域としてのネガティブコントロールプローブ固定化領域13に固定化されたネガティブコントロールプローブである第1のプローブ14と、第2の領域としての検出用プローブ固定化領域16に固定化された検出用プローブである第2のプローブ17を具備する。
第2のプローブ17は、第1の実施形態と同様に、ターゲット核酸の相補配列、例えば、検体中に存在することが予測される検体核酸配列の相補配列を有する。マイクロアレイ11に対して核酸を含む検体を反応させた際に、検体中の目的とする核酸が、第2のプローブ17とハイブリダイズした場合にはハイブリダイズ信号が生じる。このハイブリダイズ信号を検出することにより当該マイクロアレイ11による検出が達成される。データについては、得られたデータからネガティブコントロールプローブより得られたハイブリダイズ信号をバックグラウンドとして差し引く処理を行う。図1(d)には検出プローブ固定化領域16は1つしか記載されていないが、従来のマイクロアレイと同様、検出プローブ固定化領域16が複数設けられてもよく、各々の領域毎に異なる若しくは同じ配列の検出用プローブが固定化されてもよい。
上述したようにネガティブコントロールプローブである第1のプローブ14は、当該マイクロアレイの装置毎の測定におけるバックグラウンドを測定するために利用される。ネガティブコントロールプローブ14は、当該マイクロアレイのネガティブコントロールプローブ固定化領域13に固定化されて提供される。
当該ネガティブコントロールプローブ14は、修飾塩基を有するヌクレオチド15を有するポリヌクレオチドである。
ここで使用する「修飾塩基」とは、ヌクレオチドを構成する塩基の部分に塩基配列特異的なハイブリダイズを起こさないような修飾を有する塩基をいう。そのような修飾は、これに限定するものではないが、例えば、2’−デオキシイノシン(2'-deoxyinosine)、および2’−デオキシネブラリン(2'-deoxynebularine)などが含まれる。修飾塩基を使用することにより、仮に、交差反応によりフルマッチの塩基配列が含まれていてもハイブリダイズ信号としては検出されず、ネガティブコントロールプローブとしてのその役割を果たすことが可能である。
同一のネガティブコントロール固定化領域13に固定化されるネガティブコントロールプローブは、複数種類のヌクレオチドからなる修飾塩基を有するポリヌクレオチドであっても、同一種類のヌクレオチドからなる修飾塩基を有するポリヌクレオチドであってよい。
本実施形態のネガティブコントロールプローブとして提供される修飾塩基を有するポリヌクレオチドは、それ自身公知の方法により合成されてよい。また、目的とする基体に固定化するために必要なそれ自身公知の何れかの修飾を有して提供されてもよい。また、1つのネガティブコントロールに含まれるプローブは、その長さが同じであってもよく、異なっていてもよい。しかしながら、検出用プローブと同じ長さを有することが好ましい。また、種類の異なるプローブ間でその濃度が同じであっても、異なっていてもよい。
当該マイクロアレイにより検出した結果は、検出用プローブ固定化領域から得られたハイブリダイズ信号量からネガティブコントロール固定化領域から得られたハイブリダイズ信号量を引くことにより求めればよい。
[例]
以下に、本発明の例を説明する。
例1
マイクロアレイとして電流検出型核酸チップを用いて、30merのプローブをネガティブコントロールプローブとして用いる例を説明する。このシステムでは、15nA未満の微弱な信号増幅については、測定誤差の範囲内であると捉え、有効な信号と判定するための閾値を15nA以上と設定した。
まず、有効なハイブリダイズ信号が与えられないレベルの核酸量および/または分子数の条件を検討するために、異なる配列を有する30merの合成オリゴ核酸を200種類混合して、ネガティブコントロールプローブ群とした。これらの塩基配列は、配列表の配列番号1から200に示す。これらのプローブは、金電極を具備したマイクロアレイの基体に固定化するために3’末端にチオール基を導入した。
基体として、複数の金電極を具備するガラス基板を準備した。
何れのプローブも全体の核酸濃度が終濃度3μMになるように調製した。1種類の塩基配列を有するポリヌクレオチドを3μMの濃度になるように滅菌蒸留水中に溶解した。同様に、2種類のポリヌクレオチド(配列番号1および2)を各々終濃度1.5μMずつ、総核酸濃度で終濃度が3μMになるように調製した。更に、3種類(配列番号1〜3)から200種類(配列番号1〜200)のポリヌクレオチドを含む溶液を、それぞれ総核酸濃度で終濃度が3μMになるように調製した。即ち、1から複数種類のポリヌクレオチドについて、段階的に種類が増えるように一連のプローブ混合溶液を調製した。これらのプローブの混合種類数の異なる核酸溶液を、同一基板上の異なる金電極上に滴下した。これを常温にて1時間放置し、水洗し、乾燥することにより、金電極上にプローブを固定化した。
一方で、200種類の前記プローブのうち、各混合溶液に共通して含まれる1種類に対して100%相補的な配列を含む200mer程度の核酸断片を準備し、これをターゲット核酸として用いた。
各プローブ溶液を用いてプローブを基体に固定化してマイクロアレイを作製した後、当該マイクロアレイに対して1/9量の20xSSC緩衝液を添加したターゲット核酸を滴下し、35℃で1時間ハイブリダイゼーションを行った。
ハイブリダイゼーション後、0.2xSSCで15分間洗浄を行い、最後に、ヘキスト33258の電流応答を測定した。
なお、対照区として、基板上に搭載さているプローブ配列のいずれとも全く相補性の無い核酸配列を対照核酸として適用した場合の各電極からの電流値についても同様に反応させてデータを取得した。これをバックグラウンドとし、ターゲットのハイブリッダイゼーションによる電流増加量を算出する際の参考として用いた。その結果、評価を実施した何れのターゲット核酸とプローブとの組み合わせにおいても、ターゲット核酸と100%相補的な対象プローブの濃度が当該プローブ核酸混合溶液中で0.05μM程度以下の場合、即ち、60種類程度以上の核酸種を混合した場合に、閾値以下の信号強度となり、有効なハイブリダイズ信号が生じないことを確認した。
以上の評価結果を踏まえ、ウイルス核酸検出用プローブを、プローブ核酸混合溶液中の各配列の濃度が0.05μM程度以下になるように混合し、プローブ固定化電極を試験区として作製した。
他方、プローブと相補的な配列を含むターゲット核酸を1/9量の20xSSC緩衝液を添加して終濃度1012コピー/mLに調製し、当該プローブ固定化電極に対して滴下した。これを35℃で1時間ハイブリダイゼーションし、0.2xSSCで15分間の洗浄をした。その後、ヘキスト33258の電流応答を測定した。なお、対照区として3μMの濃度で単独種類のプローブを固定化した電極も同一基板上に準備した。その結果、対照区では顕著な電流値増加が見られた。他方、試験区では電流値増加、ハイブリダイゼーションに起因する信号が全く観察されなかった。
なお、本実施例では電流検出型核酸チップを使用した例を挙げたが、発明の用途はこれに限定されるものではなく、他の検出方式による核酸チップ、具体的には蛍光検出方式や化学発色方式、ビーズアレイなどにも適用可能である。
また、実施例対象としてウイルス由来配列を使用した例を示したが発明の用途は当然のことながらこれに限定されるものではない。またここでは、30merの合成オリゴ核酸をプローブとして用いた場合を例示したが、プローブの長さや配列、固定化方法については検出目的や用途などに応じて適切なものを選べばよく、本例記載の条件に限定されるものではない。また、必要に応じて長さの異なるプローブを混合してもよい。
以上のことから、本発明の方法により、例え、プローブと100%相補的な配列を有するターゲット核酸を検体として用いた場合でも、ネガティブコントロールプローブ群における有効なハイブリダイズ信号の発生を避けることができたので、バックグラウンド信号レベルを正確に評価できるネガティブコントロールプローブ群が提供されることが示された。
なお、本実施例においては、複数のプローブ配列を混合することにより有効なハイブリダイズ信号が与えられないレベルの核酸量および/または分子数の条件を導き出す方法を示したが、実際に多くの種類数を混ぜることは労力を要する。作業を簡便化するため、2種類程度の比較的少ない種類数を用いて、1種類のプローブ配列のみを対象として着目し、プローブ混合液中の対象プローブ濃度、あるいは分子数を変えていくことで、混合するプローブの種類数を変えて使用した場合と同様な結果が得られることを確認している。
例2
図4に示すように例1で得られたネガティブコントロールプローブ群65を電流検出型マイクロアレイ61の基体62のネガティブコントロール固定化領域63に固定化した。更に、検出用プローブ66を検出用プローブ固定化領域64に固定化した。これにより本発明に従うマイクロアレイが提供された。
例3
固定化のために3’末端にチオール基を導入した30merの2’−デオキシイノシンおよび2’−デオキシネブラリンを塩基として有する合成オリゴ核酸をネガティブコントロールプローブとして準備した。この修飾核酸を構成核酸として有するネガティブコントロールプローブを、3μMの濃度で滅菌蒸留水中に溶解した。
一方、複数の金電極を具備するガラス基板をマイクロアレイの基体として準備した。
当該金電極上に、3μMのネガティブコントロールプローブ溶液を滴下し、常温にて1時間放置し、水洗し、乾燥した。これによりネガティブコントロールプローブを具備するマイクロアレイを得た。
様々な配列からなるターゲット核酸を1/9量の20xSSC緩衝液を添加して終濃度1012コピー/mLに調製した。これを、上記のように作成したネガティブコントロールプローブを具備したマイクロアレイに対して滴下し、ヘキスト33258の電流応答を測定した。その結果、どのようなターゲットを当てた場合においても電流値増加がみられなかった。即ち、当該ネガティブコントロールプローブとターゲット間でのハイブリダイゼーションに起因する信号は全く観察されなかった。
なお、本実施例では電流検出型核酸チップを使用する例を挙げたが、本発明に従うと、他の検出方式による核酸チップ、例えば、蛍光検出型チップ、化学発色型チップ、ビーズアレイなども顕著な効果を有する本発明に従うマイクロアレイとして提供される。
ここでは、30merの合成オリゴ核酸をプローブとして用いた場合を例示したが、プローブの長さや修飾核酸種については検出目的や用途などに応じて適切なものを選べばよく、本例記載の条件に限定されるものではない。また、必要に応じて長さや核酸種の異なるプローブを混合してもよい。
以上のことから、本発明の方法により、例え、プローブと100%相補的な配列を有するターゲット核酸を含む検体を試料として用いた場合でも、ネガティブコントロールプローブにおける交差反応による有効なハイブリダイズ信号が生じるのを避けることが可能でことが示された。これにより、バックグラウンド信号レベルを正確に評価可能なネガティブコントロールプローブが提供された。
例4
図1(c)に示すように例3で得られたネガティブコントロールプローブ14を電流検出型マイクロアレイ11の基体12のネガティブコントロール領域13に固定化した。更に、検出用プローブ17を検出用プローブ領域16に固定化した。これにより本発明に従うマイクロアレイが提供された。
例5
マイクロアレイとして電流検出型核酸チップを用いて閾値求めた。
まず、プローブとして、3’末端にチオール基を導入した異なる配列を有する30merの合成オリゴ核酸を15種類準備した。基体として、複数の金電極を具備するガラス基板を準備した。
何れの配列を持つプローブも全体の核酸濃度が終濃度3μMになるように調製し、これらを同一基板上の異なる金電極上に滴下した。これを常温にて1時間放置し、水洗し、乾燥することにより、金電極上にプローブとして固定化し電流検出型核酸マイクロアレイとして供試した。
次に、DNAチップ上に固定化されたプローブ配列のそれぞれに対して100%相補的な標的核酸を10段階の濃度(10、104,106,108,1010,1012,1014,1016,1018,1020コピー/ml)で1/9量の20xSSC緩衝液に溶解して得た溶液を当該マイクロアレイに対して滴下し、35℃で1時間ハイブリダイゼーションを行った。
ハイブリダイゼーション後、0.2xSSCで15分間洗浄を行い、最後に、ヘキスト33258の電流応答を測定した。それぞれの実験区について少なくとも50回以上の反復試験を行い、測定結果の再現性及びデバイス自身の特性に起因する測定間のバラツキの程度を評価した。
なお、対照区として、基板上に搭載さているプローブ配列の何れとも全く相補性の無い核酸配列を対照核酸として適用した。これらの各電極からの電流値についても同様に反応を行いデータを取得した。これをバックグラウンドとし、ターゲットのハイブリッダイゼーションによる電流増加量を算出する際の参考として用いた。
その結果、評価を実施した何れのターゲットとプローブとの組み合わせについても、各プローブから得られる電流信号のバラツキの範囲は10nA以下であった。
前記のプローブおよびターゲット以外の配列を用いた場合(即ち、200種類以上の配列)についても、同様な評価を実施した。測定結果の再現性及びデバイス自身の特性に起因する測定間のバラツキの程度を評価した結果、本デバイスを用いた場合には最大で10nAの信号のバラツキが生じることを確認した。
実際の使用環境は、多分に不確実性を含んだものであるため、ある程度の余裕のある設計を行う必要がある。従って、ここで得られた10nAのバラツキ実測値に対し、安全係数として1.5を掛け合わせ、15nAという値をハイブリダイズ信号の閾値として設定した。
以上の結果を踏まえ、本例で使用したシステムでは、15nA未満の微弱な信号増加については、測定誤差の範囲内であると捉えた。即ち、有効なハイブリダイズ信号と判定するための閾値を15nAと設定した。
なお、本例では電流検出型核酸チップを使用した例を挙げたが、発明の用途はこれに限定されるものではなく、他の検出方式による核酸チップ、具体的には蛍光検出方式や化学発色方式、ビーズアレイなどにも適用可能である。また、デバイス構成やその測定系の原理、測定目的などの条件によって前記バラツキの範囲や、安全係数の値などは異なってくる。
また、上述の例では、対象としてウイルス由来配列を使用した例を示したが、閾値設定に用いることの出来る配列はこれに限定されるものではない。ここでは30merの合成オリゴ核酸をプローブとして用いた例を示したが、プローブの長さや配列については検出目的や用途などに応じて適切なものを選べばよく、本例記載の条件に限定されるものではない。また、必要に応じて長さの異なるプローブを混合してもよい。
本発明の一態様についての概念を示す図。 本発明の原理を説明するための図。 本発明の一態様により得られるハイブリダイズ信号を示す図。 本発明の一態様を示す図。
符号の説明
1 マイクロアレイ
2 基体
3 ネガティブコントロール固定化領域
4 プローブ
5 ネガティブコントロールプローブ群
6 検出用プローブ固定化領域
7 検出用プローブ
11 マイクロアレイ
12 基体
13 ネガティブコントロール固定化領域
14 ネガティブコントロールプローブ
15 修飾塩基
16 検出用プローブ固定化領域
17 検出用プローブ
61 マイクロアレイ
62 基体
63 ネガティブコントロールプローブ固定化領域
64 検出用プローブ固定化領域
65 ネガティブコントロールプローブ群
66 検出用プローブ群

Claims (8)

  1. 基体と、前記基体の第1の領域内に固定化され、異なる配列を有する複数の第1のプローブを備えるネガティブコントロールプローブ群と、前記基体の第2の領域内に固定化されたターゲット核酸の相補配列を含む第2のプローブとを具備する核酸検出用マイクロアレイであって、前記ネガティブコントロールプローブ群に含まれる複数の第1のプローブの種類は、ネガティブコントロール群とそこに含まれる第1のプローブの一部に対するフルマッチ核酸との反応で得られるハイブリダイズ信号が閾値以下となる数であることを特徴とするマイクロアレイ。
  2. 前記第1のプローブの各々の塩基配列が前記第2のプローブの塩基配列とは異なる配列であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロアレイ。
  3. 前記マイクロアレイが、電気化学的検出型、蛍光検出型、化学発色検出型および放射能検出型からなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載のマイクロアレイ。
  4. 前記マイクロアレイが、電気化学的検出型であり、前記第1の領域が第1の電極上に、第2の領域が第2の電極上にあることを特徴とする請求項3に記載のマイクロアレイ。
  5. 請求項1に記載のマイクロアレイに含まれるネガティブコントロールプローブ群の設計方法であって、ネガティブコントロール群に適用する複数の第1のプローブを別々の領域に固定化したマイクロアレイに対し、同一検体を作用させて繰り返しハイブリダイズ信号を測定すること、前記測定されたハイブリダイズ信号の間のバラツキ値の最大値を求めること、および前記バラツキ値の最大値に安全係数を乗ずることにより閾値を求め、当該ネガティブコントロール群に含まれる第1のプローブの一部に対するフルマッチ核酸との反応により得られるハイブリダイズ信号が閾値以下となる第1のプローブの濃度を決定し、ネガティブコントロールプローブ群を設計することを具備する方法。
  6. 基体と、前記基体の第1の領域内に固定化されたポリヌクレオチドを具備するネガティブコントロールプローブと、前記基体の第2の領域内に固定化された、ターゲット核酸の相補配列を含む第2のプローブを具備するマイクロアレイであって、前記ネガティブコントロールプローブは、塩基配列特異的なハイブリダイゼーションに寄与しない修飾塩基を有するポリヌクレオチドであることを特徴とするマイクロアレイ。
  7. 前記ネガティブコントロールプローブは、5炭糖の1’位に修飾塩基が結合したヌクレオチドを有するポリヌクレオチドであることを特徴とする請求項6に記載のマイクロアレイ。
  8. 前記修飾塩基が、2’−デオキシイノシン、および2’−デオキシネブラリンからなる群より選択される修飾塩基であることを特徴とする請求項6記載のマイクロアレイ。
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