JP2017029067A - 柑橘果汁、それを含有する調味料及び飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器のリング跡の発生や、ノズルの閉塞などを抑制することができると共に、柚子本来の香りや風味が高く維持された柑橘果汁、それを含有する調味料及び飲料を提供する。【解決手段】繊維分及び油分を除去した柚子果汁と、繊維分及び油分を除去したシークワーサー果汁とを、前記柚子果汁/前記シークワーサー果汁=0.4〜4.0の質量比で含有させて柑橘果汁を得る。この柑橘果汁を、調味料や飲料の原料として用いる。【選択図】 図4

Description

本発明は、柚子風味を有する柑橘果汁、それを含有する調味料及び飲料に関する。
柚子果汁は、さわやかな酸味と、香りの高い風味を有するため、ポン酢、ドレッシング等の調味料に汎用されている。また、柚子果汁は、はちみつ等の甘味料で味付けされて、飲料としても利用されている。
柑橘果汁を含む液体調味料として、下記特許文献1には、メチルエステル化率40〜55%であり、かつアミド化率0.05%未満であるペクチンを0.15〜0.45質量%、及び柑橘果汁を含有し、常温での粘度が80〜600mPa・sである液体調味料が開示されている。そして、柑橘果汁として、いよかん、うんしゅうみかん、きんかん、くねんぼ、すだち、だいだい、なつみかん、はっさく、ひゅうがなつみかん、ぽんかん、ゆず、かぼす、オレンジ、ライム、レモン、グレープフルーツ及びシークァーサーから選ばれる1種又は2種以上の果汁を用いることが記載されている。
特許第5184398号公報
柚子等の柑橘果汁は、一般に柑橘類を丸ごと搾汁して作られている。このため、柑橘果汁中には、果皮や内皮(じょうのう)に由来する繊維分や油脂分が含まれている。
ところが、柑橘果汁を含有する調味料や飲料においては、上記繊維分や油脂分が液面に浮上し容器の内周に付着してリング状の跡ができたり、容器の底部に沈殿物が生じたりすることがあった。また、デラミ容器などのノズル内径が小さい容器に充填した場合には、上記繊維分や油脂分がノズルを閉塞してしまうことがあった。
このため、柑橘果汁をストレーナーやフィルターに通して、繊維分や油分を除去して利用することも行われている。しかしながら、柚子果汁の場合は、上記のようにして繊維分や油分を除去すると、柚子本来の香りや風味が著しく低減してしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、容器のリング跡の発生や、ノズルの閉塞などを抑制することができると共に、柚子本来の香りや風味が高く維持された柑橘果汁、それを含有する調味料及び飲料を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の柚子果汁は、繊維分及び油分を除去した柚子果汁と、繊維分及び油分を除去したシークワーサー果汁とを、前記柚子果汁/前記シークワーサー果汁=0.4〜4.0の質量比で含有することを特徴とする。
柑橘果汁の香り及び風味は、柑橘類の種類によって相違しているが、本発明者らが鋭意研究したところ、柚子果汁の香り成分と、シークワーサー果汁の香り成分とは、互いに一致する成分が多く、柚子果汁にシークワーサー果汁を加えると、柚子の香り及び風味が効果的に増強されることがわかった。
本発明の柚子果汁によれば、柚子果汁にシークワーサー果汁を加えることにより、柚子果汁の香りや風味が、シークワーサー果汁の香りや風味によって増強され、繊維分及び油分を除去した果汁であっても、柚子本来の香りや風味が高く維持された果汁を得ることができる。
また、いずれの果汁も繊維分及び油分を除去しているので、透明な容器に充填したときに、液面に浮遊した繊維分等が容器内壁に付着してリング状の跡が生じたり、容器のノズルが繊維分等によって詰まったりする不都合が生じにくくなる。
本発明の柑橘果汁においては、前記柚子果汁の含有量が30〜80質量%であることが好ましい。これによれば、柚子風味をより良好に付与することができる。
本発明の調味料は、前記柑橘果汁を含有することを特徴とする。
本発明の調味料によれば、透明な容器に充填したときに、液面に浮遊した繊維分等が容器内壁に付着してリング状の跡が生じたり、容器のノズルが繊維分等によって詰まったりする不都合が生じにくく、しかも、柚子風味が良好に維持された調味料を提供できる。
本発明の調味料は、ぽん酢又はドレッシングであることが好ましい。これによれば、良好な柚子風味を有するぽん酢又はドレッシングを提供できる。
本発明の調味料は、デラミ容器に充填されたものであることが好ましい。
デラミ容器(容器の外殻を形成する外容器と、この外容器の内側に剥離可能に積層される減容変形可能な内容器とを備え、内容器内に収容した内容物の注出に伴い、外容器と内容器との相互間に外気を導入しつつ内容器のみを減容させるようにした積層剥離容器)は、ノズル内径が小さい容器であるが、繊維分及び油分を除去した柚子果汁及びシークワーサー果汁を含有することにより、ノズルに詰まりが生じることを抑制することができると共に、柚子風味も良好に付与することができる。また、デラミ容器に充填することによって、柚子の香りや風味を長期間に亘って保持できる。
本発明の飲料は、前記柑橘果汁を含有することを特徴とする。
これによれば、透明な容器に充填したときに、液面に浮遊した繊維分等が容器内壁に付着してリング状の跡が生じたり、容器の底部に沈殿物が生じたりする不都合が生じにくく、しかも、柚子風味が良好に維持された飲料を提供できる。
本発明によれば、柚子果汁にシークワーサー果汁を加えることにより、柚子果汁の香りや風味が、シークワーサー果汁の香りや風味によって増強され、繊維分及び油分を除去した果汁であっても、柚子本来の香りや風味が高く維持された果汁を得ることができる。そして、調味料又は飲料の原料として、本発明の柑橘果汁を含有させることにより、柚子の風味が高く、透明な容器に充填したときに、液面に浮遊した繊維分等が容器内壁に付着してリング状の跡が生じたり、容器のノズルが繊維分等によって詰まったりする不都合が生じにくい、調味料又は飲料を得ることができる。
本発明で用いるデラミ容器の一例を示す部分切欠き正面図である。 同デラミ容器の内容物を吐出する状態を示す部分拡大断面図である。 同デラミ容器の内容物の吐出を停止した状態を示す部分拡大断面図である。 試験例2で用いた各サンプルの香気成分を分析したクロマトグラムを示す図表である。
本発明において、柚子果汁の調製方法は、特に限定されないが、果実から一般的な方法で搾汁し、搾汁液から繊維分及び油分を除去すればよい。繊維分及び油分の除去方法としては、果汁をふるいやストレーナーに通したり、遠心分離したりする方法が採用できる。好ましい一例として、下記のような工程で調製することができる。
(1)柚子の果実を洗浄する。
(2)柚子の果実から搾汁する。
(3)搾汁液を振動ふるいに通して、種・じょうのう膜片・パルプを除去する。
(4)遠心分離によりパルプ・オイルを除去する。
(5)マグネットトラップにより、磁性金属等を吸着除去する。
(6)適当な液体容器に充填し、−18℃以下で冷凍保存する。
(7)使用に際しては、冷凍した上記柚子果汁を解凍して使用する。
本発明で用いる柚子果汁は、繊維分が0.3質量%以下、油分が0.3質量%以下とされていることが好ましい。なお、繊維分は、遠心分離法して沈降画分を採取してその乾燥重量を測定することにより求めることができる。また、油分は、遠心分離法して浮上画分を採取して重量を測定することにより求めることができる。
なお、本発明において、柚子としては、柚子の変種であるゆこうも利用することができ、本発明における柚子とは、ゆこうも含む意味である。
本発明において、シークワーサー果汁の調製方法は、特に限定されないが、果実から一般的な方法で搾汁し、搾汁液から繊維分及び油分を除去すればよい。繊維分及び油分の除去方法としては、果汁をふるいやストレーナーに通したり、遠心分離したりする方法が採用できる。好ましい一例として、下記のような工程で調製することができる。
(1)シークワーサーの果実を洗浄する。
(2)シークワーサーの果実から搾汁する。
(3)搾汁液を振動ふるいに通して、種・じょうのう膜片・パルプを除去する。
(4)遠心分離によりパルプ・オイルを除去する。
(5)マグネットトラップにより、磁性金属等を吸着除去する。
(6)適当な液体容器に充填し、−18℃以下で冷凍保存する。
(7)使用に際しては、冷凍した上記シークワ―サー果汁を解凍して使用する。
本発明で用いるシークワーサー果汁は、繊維分が0.3質量%以下、油分が0.6質量%以下とされていることが好ましい。
本発明の柑橘果汁は、繊維分及び油分を除去した柚子果汁と、繊維分及び油分を除去したシークワーサー果汁とを含有する。両果汁の配合割合は、柚子果汁/シークワーサー果汁の質量比で、0.4〜4.0とする。柚子果汁の配合割合が上記よりも少ないと、シークワーサー果汁の味及び香りが強く、柚子の風味とは異質な風味になる傾向があり、柚子果汁の配合割合が上記よりも多いと、柚子の味と香りが弱くなる傾向がある。両果汁の配合割合は、柚子果汁/シークワーサー果汁の質量比で、1.0〜2.3とすることがより好ましい。
本発明において、シークワーサー果汁を添加すると、柚子本来の香りや風味が増強される理由は、よくわからないが、シークワーサー果汁の香り成分が、柚子果汁の香り成分と似ており、しかも、シークワーサー果汁の香り成分は、繊維分及び油分を除去しても、低下しにくいためと考えられる。
本発明の柑橘果汁(混合果汁)は、香り成分として、α−ピネンを1500〜2600ppm、及びミルセンを5500〜8000ppm含有することが好ましく、α−ピネンを1800〜2200ppm、及びミルセンを6300〜7100ppm含有することがより好ましい。α−ピネンが1500〜2600ppm、ミルセンが5500〜8000ppmの範囲であるとき、混合果汁の柚子風味がより良好に改善することが判明した。
α−ピネン及びミルセンの定量方法は、ヘッドスペース法で香り成分を採取し、ガスクロマトグラフィーにかけて分析する方法が採用できる。例えば、果汁をバイアル瓶に入れて、50℃に加温し、注射器でバイアル瓶内の香りを吸い、その香りをガスクロマトグラフィーにかけて、定量分析する方法が挙げられる。このような分析器としては、例えば香りセンサー「HERACLESll」(商品名、アルファ・モス・ジャパン株式会社)などが挙げられる。
本発明の柑橘果汁は、柚子果汁及びシークワーサー果汁以外の原料、例えば他の柑橘果汁を含有していてもよいが、柚子果汁の含有量が30〜80質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることがより好ましい。
本発明の調味料は、前記柑橘果汁を含有することを特徴とする。調味料全体中の前記柑橘果汁の含有量は、20〜70 質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
調味料の原料としては、前記柑橘果汁以外に、しょうゆや、味噌や、食酢、りんご酢等の酸味料や、砂糖、ぶどう糖、果糖、水飴、ぶどう糖果糖液糖などの糖類や、食塩や、鰹節、昆布、椎茸等のだし原料や、酵母エキス、魚介類エキス、畜肉エキス等の旨味原料や、香辛料や、ニンニク、生姜等の香味野菜や、みりん、清酒等の酒類や、大豆油、ナタネ油、ゴマ油、ラー油等の食用油脂類や、澱粉や加工澱粉、ガム類等の増粘剤などを含有させることができる。
本発明の調味料は、ぽん酢又はドレッシングであることが好ましい。ぽん酢の場合には、前記柑橘果汁以外に、原料として、しょうゆと、食酢、りんご酢等の酸味料と、ぶどう糖果糖液糖、砂糖等の糖類と、鰹節、昆布、椎茸等のだし原料と、みりん、清酒等の酒類とを含むものが好ましい。
ドレッシングの場合には、前記柑橘果汁以外に、原料として、しょうゆと、食酢、りんご酢等の酸味料と、ぶどう糖果糖液糖、砂糖等の糖類と、鰹節、昆布、椎茸等のだし原料と、香辛料と、食用油脂類とを含むものが好ましい。
本発明の調味料は、デラミ容器に充填されたものであることが好ましい。ここで、デラミ容器とは、容器の外殻を形成する外容器と、この外容器の内側に剥離可能に積層される減容変形可能な内容器とを備え、内容器内に収容した内容物の注出に伴い、外容器と内容器との相互間に外気を導入しつつ内容器のみを減容させるようにした積層剥離容器を意味する。
図1〜3には、上記デラミ容器の一例として、特許第5667010号に開示されたものが示されている。この容器10は、図1に示すように、容器本体13と、容器本体13の口部に装着された吐出キャップ15と、吐出キャップ15に着脱自在に配設されたオーバーキャップ16とを備えている。なお、容器本体13の口部と吐出キャップ15との間には、口部の開口部に装着された中栓部材21が介装されている。
図2,3に示すように、容器本体13は、内容物Mが収容されるとともに内容物Mの減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器11と、内容器11が内装されるとともに弾性変形可能な外容器12とを備えている。
吐出キャップ15には、内容物Mを吐出する吐出口14とされる吐出筒36と、内容器11及び外容器12の間の空間に連通する外気導入孔34とが形成されている。オーバーキャップ16には、閉じたときに、上記吐出口14を塞ぐ、図示しない突起が内側に形成されている。
中栓部材21には、その詳細な説明は省略するが、容器本体13の内容物Mが加圧されると開き、減圧されると閉じる弁機構が設けられている。
そして、容器本体13を押圧すると、図2に示すように、外容器12と内容器11とが変形して、中栓部材21の弁機構が開き、内容物Mが吐出口14から押し出される。
次いで、調味料を所望の量で押出した後、容器本体13の押圧を解除すると、図3に示すように、中栓部材21の弁機構が閉じて、外気導入孔34から内容器11及び外容器12の間の空間に外気が導入され、内容器11は変形したままで、外容器12のみが元の形状に戻る。それによって、内容器11内に空気が侵入することを防ぎ、調味液の酸化を抑制する効果がもたらされる。
そして、このようなデラミ容器は、吐出口14の内径が小さいので、繊維分や油分を含む柑橘果汁を充填すると、吐出口14が詰まりやすくなるという問題があるが、本発明では、柚子果汁もシークワーサー果汁も、繊維分及び油分を除いたものを使用するので、そのような問題を解消できる。
本発明の飲料は、前記柑橘果汁を含有することを特徴とする。飲料全体中の前記柑橘果汁の含有量は、20〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
本発明は、果実飲料、清涼飲料、豆乳飲料等の各種飲料に適用することができる。前記柑橘果汁以外の飲料の原料は、飲料の種類によって適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、砂糖、ぶどう糖、果糖、水飴、ぶどう糖果糖液糖などの糖類や、はちみつ、香料等が挙げられる。また、飲料には、炭酸を入れてもよい。
調味料や飲料の容器として、透明性のある容器を使用した場合、繊維分や油分を含む柑橘果汁を充填すると、液面付近に繊維分や油分が浮上して、容器の内壁にリング状にこびりついて、リング状の跡ができ、需要者に変質などの印象を与えるという問題があるが、本発明では、柚子果汁もシークワーサー果汁も、繊維分及び油分を除いたものを使用するので、そのような問題を解消できる。
そして、柚子果汁は、繊維分及び油分を除くと、後述する実施例に示されるように、柚子本来の香りや風味が低減してしまうという問題があるが、本発明では、シークワーサー果汁を添加することにより、柚子果汁の香りや風味が、シークワーサー果汁の香りや風味によって増強され、繊維分及び油分を除去した果汁であっても、柚子本来の香りや風味が高く維持された果汁を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験例1>
柚子、シークワーサー、だいだい、すだちの各果実から、定法により搾汁を行って、それぞれの果汁を調製した。なお、繊維分及び油分は除去していない。
これらの果汁を用いて、下記表1の配合で混合果汁を調製し、それぞれの混合果汁について、柚子の香りの高さを評価した。評価は、5…大変良い、4…良い、3…普通、2…やや悪い、1…悪い、の5段階評価とし、10名のパネラーの平均(小数点以下四捨五入)で表示した。この結果を表1に示す。
表1に示されるように、柚子果汁にシークワーサー果汁を加えると、柚子果汁にだいだい果汁又はすだち果汁を加えたものに比べて、柚子の香りが顕著に高くなることがわかる。
<試験例2>
未処理の柚子果汁としては、柚子の果実より搾汁した柚子果汁(丸共青果問屋社製ゆず果汁)を用いた(以後、未処理柚子果汁とする)。
繊維分及び油分を除去した柚子果汁としては、清田産業社製の「ゆず果汁EB110」(商品名)を用いた(以後、処理済柚子果汁とする)。
繊維分及び油分を除去したシークワ―サー果汁としては、清田産業社製の「シークヮーサー果汁787B」(商品名)を用いた(以後、処理済シークワーサー果汁とする)。
下記表2の配合にて、処理済柚子果汁と処理済シークワ―サー果汁を含む混合果汁を製造し、未処理柚子果汁の風味と比較した。
混合果汁の柚子の風味は、各配合比の柚子果汁を水で2倍希釈(w/w)した後、小スプーンに1mlを図り取ってから食し、口中の柚子の風味を確認した。評価は、5…大変良い、4…良い、3…普通、2…やや悪い、1…悪い、の5段階評価とし、10名のパネラーの平均(小数点以下2桁を四捨五入)で表示した。
また、水で100倍に希釈した各サンプル2gを、20mLのバイアル容器に量り取り、ゴム栓つきキャップで密封後、湯浴を用いて、50℃で15分加熱した。次いで、注射器を用いて、ゴム栓のキャップごしにバイアル容器のヘッドスペース中の香気成分を1mL吸い取り、香りセンサーに1mL注入し、α−ピネンとミルセンの定量分析を行った。
測定されたαピネンとミルセンの同定と定量は、市販の試薬であるα−ピネン及びミルセンを含水アルコールで希釈した後、上記と同様に、分析を行い各香成分の溶出時間により同定し、また、クロマトグラムのピーク面積より各香成分の定量を行った。すなわち、各香成分の試薬をアルコールを用いて10質量%に希釈し、ついで、水で10倍に希釈することで、各香り成分を1質量%含む含水アルコール溶液とした。さらに、各香成分を含む含水アルコール溶液を2g、20mLのバイアル容器に量り取った後、上記と同様に処理をして、香りセンサーに導入し、各香成分の溶出時間を測定するとともに、クラマトグラムのピーク面積より定量した。以上の結果を表2に示す。
表2に示されるように、混合果汁全体に対して、処理済柚子果汁の配合量として30〜80%、残部に処理済シークワ―サー果汁を配合することで、柚子風味の改善効果が見られた。
また、処理済柚子果汁と処理済シークワ―サー果汁の配合比は、処理済柚子果汁/処理済シークワ―サー果汁の質量比で、0.4〜4.0とすることが、柚子風味の改善に必要なことが分かった。
更に、柚子果汁の代表的香成分であるα−ピネンとミルセンの含量は、処理済柚子果汁と処理済シークワ―サー果汁を配合した混合果汁において、α−ピネンが1500〜2600ppm、ミルセンが5500〜8000ppmの範囲であるとき、混合果汁の柚子風味が改善することが判明した。
また、各サンプルの香気成分を上記方法で分析したクロマトグラムを図4に示す。図4におけるピークAはα−ピネンを示し、ピークBはミルセンを示す。
図4に示すように、未処理柚子果汁に対して、処理済柚子果汁は、α−ピネン及びミルセンの含量が顕著に減少している。一方、処理済シークワーサー果汁は、α−ピネンの含量が未処理柚子果汁より多く、ミルセンの含量が未処理柚子果汁と同等となっている。このため、混合果汁は、処理済柚子果汁に比べて、α−ピネン及びミルセンの含量が増大し、未処理柚子果汁の含量に近づいていることがわかる。
<試験例3>
果汁としては、未処理果汁、処理済柚子果汁及び処理済柚子果汁60%、且つ、処理済シークワ―サー果汁40%を配合した混合果汁を用い、下記表3に示す配合で、ぽん酢を調製した。
それぞれのぽん酢について、未処理柚子果汁を使用した柚子風味ぽん酢を対照として、柚子風味の評価を実施した。評価は、5…大変良い、4…良い、3…普通、2…やや悪い、1…悪い、の5段階評価とし、10名のパネラーの平均(小数点以下2桁を四捨五入)で表示した。この結果を表3に示す。
表3に示されるように、果汁として、混合果汁を含有する実施例7は、処理済柚子果汁のみを含有する比較例3に比べて、柚子の風味が顕著に高く、対照例2に近いものであった。
<試験例4>
果汁としては、未処理果汁、処理済柚子果汁及び処理済柚子果汁60%、且つ、処理済シークワ―サー果汁40%を配合した混合果汁を用い、下記表4に示す配合で、ドレッシングを調製した。
それぞれのドレッシングについて、未処理柚子果汁を使用した柚子風味ドレッシングを対照として、試験例3と同様にして、柚子風味の評価を実施した。この結果を表4に示す。
表4に示されるように、果汁として、混合果汁を含有する実施例8は、処理済柚子果汁のみを含有する比較例4に比べて、柚子の風味が顕著に高く、対照例3に近いものであった。
<試験例5>
果汁としては、未処理果汁、処理済柚子果汁及び処理済柚子果汁60%、且つ、処理済シークワ―サー果汁40%を配合した混合果汁を用いた。
下記表5に示す配合で、蜂蜜、食塩、砂糖をビーカーに量り取り、水を加えて溶解した。次いで、各果汁を加えて、柚子蜂蜜ドリンクを調製した。
それぞれの柚子蜂蜜ドリンクについて、未処理柚子果汁を使用した柚子蜂蜜ドリンクを対照として、試験例3と同様にして、柚子風味の評価を実施した。この結果を表5に示す。
表5に示されるように、果汁として、混合果汁を含有する実施例9は、処理済柚子果汁のみを含有する比較例5に比べて、柚子の風味が顕著に高く、対照例3に近いものであった。
10…容器
11…内容器
12…外容器
13…容器本体
14…吐出口
15…吐出キャップ
16…オーバーキャップ
21…中栓部材
34…外気導入孔

Claims (7)

  1. 繊維分及び油分を除去した柚子果汁と、繊維分及び油分を除去したシークワーサー果汁とを、前記柚子果汁/前記シークワーサー果汁=0.4〜4.0の質量比で含有することを特徴とする柑橘果汁。
  2. 前記柚子果汁の含有量が30〜80質量%である請求項1記載の柑橘果汁。
  3. 香り成分として、α−ピネンを1500〜2600ppm、及びミルセンを5500〜8000ppm含有する請求項1又は2記載の柑橘果汁。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の柑橘果汁を含有することを特徴とする調味料。
  5. ぽん酢又はドレッシングである請求項4記載の調味料。
  6. デラミ容器に充填されたものである請求項4又は5記載の調味料。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の柑橘果汁を含有することを特徴とする飲料。
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