JP6775411B2 - 飲料 - Google Patents
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[1] 不飽和脂肪酸を含み720nmの吸光度が0.01以下であり、光によって生じる劣化臭が感じられるのが抑えられている飲料であって、
ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜50ppmの範囲で含有する飲料。
[2] ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜5ppmの範囲で含有する[1]に記載の飲料。
[3] 前記飲料が容器詰飲料である、[1]または[2]に記載の飲料。
[4] 不飽和脂肪酸を含み720nmの吸光度が0.01以下である飲料においてヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜50ppmの範囲となるように含有させることを含む、不飽和脂肪酸に由来して光により生じる劣化臭のマスキング方法。
本実施形態に係る飲料は不飽和脂肪酸を含み720nmの吸光度が0.01以下である飲料であって、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜50ppmの範囲で含有する。当該構成を満足することで、光の影響により不飽和脂肪酸から劣化臭の原因物質が生成されるときにも、飲んだとき(口にしたとき)に当該劣化臭が感じられるのを抑えることができる。
本明細書において、果汁とは果物を搾汁した際に得られる液体成分をいう。搾汁は果物から液体成分を搾って分離する操作をいう。例えば、果物を適当な大ききに破砕し、当該破砕物を搾汁することにより、果汁が得られる。搾汁は、通常の搾汁機を用いて常法により行うことができ、例えば、ブラウン型(パドル型)又はバタフライ型のパルパーフィニッシャーなどを用いて行うことができる。また、果汁は精密濾過法、酵素処理法、限外濾過法などの清澄化処理が行われたものであってもよい。
本実施形態においては、モモ、ブドウ、イチゴ、ウメ、リンゴ、和梨、洋梨などの果汁を挙げることができ、特に限定されず、例えば飲料においてこれらのうち1種または2種以上の果汁が含まれるようにすることができる。
本明細書において無色透明とは、透けて見え、特定の色もなく、水と同様の外観である状態をいう。なお、720nmの吸光度は、例えば、分光光度計を用い、光路長1cmとして測定することができる。
飲料におけるこれら化合物の合計含有量が0.01ppm以上であるとき、0.01ppm未満である場合と比較して飲んだときに劣化臭が感じられにくくなる。また、50ppmより高い合計含有量とする場合も劣化臭が感じられるのを抑えることができるが、青葉のような風味が増し、果実飲料としての嗜好性が下がることから、50ppm以下であることが好ましい。
本実施形態の飲料において、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールは、これら各化合物のうち1種が飲料中に含まれている態様であってもよく、また、これらのうち2種または3種の化合物が飲料中に含まれる態様であってもよい。2種または3種の化合物が飲料中に含まれる場合、各化合物の含有量や比率などは特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
また、飲料のpHなどは特に限定されず適宜設定できるが、例えば飲料が無色透明である場合にはpHは2.6〜3.6の範囲とされることがあり、当該範囲においては本実施形態に係る構成を適用することがより好適である。
すなわち、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールのうち1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜50ppmの範囲で含有させることにより、抗酸化剤を添加しなくとも劣化臭が感じられるのを抑えることができる。その結果、抗酸化剤由来の濁り成分の影響がより大きい無色透明のpH2.6〜3.6である飲料において、抗酸化剤の使用量をより少なくしたり、あるいは未使用として飲料を製造することが可能となる。そのため、無色透明のpH2.6〜3.6である飲料において上記の本実施形態に係る飲料の構成が適用されることが、より好ましい。
また、本実施形態の飲料は、炭酸ガスが溶解している発泡性の飲料(炭酸飲料)であってもよい。炭酸飲料である場合、特に限定されないが、ガス圧は例えば0.13〜0.46MPaとすることができる。
なお、本明細書において、ガス圧とは、1気圧、20℃における容器詰め飲料のガス内圧力をいう。その測定は、試料を20℃とした後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定の値になった時の値をMpaに換算することにより行うことができる。
また、アルコールが添加され、アルコール飲料として製造することもできる。
ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールはブドウ、モモ、リンゴなどの果実(具体的には、果皮または果肉、あるいはその両方)に含まれる成分である。したがってこれらの果皮等が飲料中に添加されることによりヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールのうち少なくともいずれかが飲料中に含まれるようにしてもよい。
また、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールのうち少なくともいずれかが化合物単独で、あるいはこれら化合物同士または他の化合物との混合物の状態で添加されて飲料中に含まれるようにしてもよい。
容器への封入方法なども特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶等が挙げられる。
その結果、720nmの吸光度が0.01以下である飲料において抗酸化剤の添加量を少なくして、あるいは添加しないでも嗜好性を有する飲料を構成することができ、より自由度の高い設計が可能となり、また、飲料が透明(特に無色透明)である場合には、その透明度の維持にも貢献できる。
果糖ぶどう糖液糖136.5g、クエン酸1.0g、モモ果汁1.4g(8倍濃縮、ストレート換算1%)、モモ香料(果実・果汁由来の成分を含む)1.0gを混合し、加水して全量が1000mLとした溶液をPETボトル(200mL)へホットパック充填し、容器詰飲料を得た。(未劣化品)。
また、未劣化品へLEDライト照射して光劣化した状態にある飲料を調製した。(劣化品)。
また、光劣化した状態にある飲料についてヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールまたはトランス−2−ヘキセノールを図1に示す量でそれぞれ添加した。
得られた各容器詰飲料について720nmの吸光度(A720)を測定した。具体的には、分光光度計((株)日立製作所製、U―3990H)を用い、光路長1cm(1cmセル)として、サンプルを希釈することなく測定に供した。また、水をブランクとして用いて測定した。いずれの容器詰飲料についても、その値はゼロ(小数点4桁以下切捨て、以下同じ)であった。
劣化臭については、比較例である劣化品を最も劣化臭が強い評価である1とした5段階で評価を行った。
また、おいしさについても、未劣化品について最もおいしいとの評価である5とした5段階で評価を行った。
モモ果汁およびモモ香料に代えてブドウ果汁1.7g(6倍濃縮、ストレート換算1%)およびブドウ香料(果実・果汁由来の成分を含む)1.2gを用いた以外はモモ香料含有飲料(1)と同様の方法で各飲料を製造した。
得られた各容器詰飲料についてモモ香料含有飲料(1)と同様の方法で720nmの吸光度(A720)を測定した。いずれの容器詰飲料についても、その値はゼロであった。
また、モモ香料含有飲料(1)と同様に劣化臭が抑えられているか否かおよび飲料のおいしさを5名のパネリストによる官能試験で評価した(N=5)。
図1〜12から理解できるとおり、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールのいずれについても、その含有量を0.01〜50ppmとした容器詰飲料(実施例)において、感じられる劣化臭が抑えられていることが理解できる。具体的には、ヘキサナールについてはその含有量を0.01ppmとすることで、劣化品に対してモモ香料含有飲料(1)では5%有意差(ブドウ香料含有飲料では1%有意差)で抑制が確認できた。また、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールについても、その含有量を0.01ppmとすることで、劣化品に対してモモ香料含有飲料(1)では1%有意差(ブドウ香料含有飲料では5%有意差)で抑制が確認できた。
さらに含有量を0.01〜5ppmの範囲とする場合には飲料のおいしさについても改善されていることが理解できる。具体的には、モモ香料含有飲料(1)とブドウ香料含有飲料の両方において、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールのいずれについても、その含有量を0.01ppmとすることで、劣化品に対して1%有意差でおいしさの改善が確認された。
モモ香料含有飲料(1)の場合と同様の方法で光劣化した状態にある飲料を製造するとともに、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセノールのいずれかまたはその両方を添加した。
得られた各容器詰飲料についてモモ香料含有飲料(1)と同様の方法で720nmの吸光度(A720)を測定した。いずれの容器詰飲料についても、その値はゼロであった。
結果を図13に示す。図13から理解できるとおり、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセノールの両方を添加したときにも劣化臭が抑えられており、また、飲料のおいしさについても改善できることが理解できる。
Claims (4)
- 不飽和脂肪酸を含み720nmの吸光度が0.01以下であり、光によって生じる劣化臭が感じられるのが抑えられている飲料であって、
ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜50ppmの範囲で含有する飲料(但し、蒸留酒類を除く)。 - ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜5ppmの範囲で含有する請求項1に記載の飲料。
- 前記飲料が容器詰飲料である、請求項1または2に記載の飲料。
- 不飽和脂肪酸を含み720nmの吸光度が0.01以下である飲料においてヘキサナール、トランス−2−ヘキセナールおよびトランス−2−ヘキセノールからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を、その合計含有量が0.01〜50ppmの範囲となるように含有させることを含む、不飽和脂肪酸に由来して光により生じる劣化臭のマスキング方法。
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