JP7210230B2 - 茶飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、茶飲料に関する。
非重合体カテキン類はポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を始め様々な生理作用を有することが知られている。しかしながら、非重合体カテキン類を高濃度含有する茶飲料は、非重合体カテキン類由来の渋味が強過ぎて不快感ないし嫌悪感を伴うことがある。ここで、渋味とは、味覚受容体で知覚される苦味とは異なり、味蕾や味細胞以外の、口腔内全体の粘膜の収縮によって知覚される口中がしびれるような感覚であり、苦味とは異なる感覚である。また、渋味は、渋味物質を連続的に経口摂取すると、口腔中の渋味の感覚が蓄積して強くなっていくが、苦味は、苦味物質を連続的に経口摂取しても、このような蓄積は起こらない。このように、渋味と苦味が全く異なる感覚であることは当業者にとっては通常知られていることである。
一方、ミルセンはモノテルペン系の香気成分であり、ミカン科又はシソ科の葉、ホップ、松、スギ、ヒノキ、ゲッケイジュ等に存在することが知られている。また、飲料への応用が検討され、酸性飲料に0.1~2000ppmミルセンを配合すると、香味や外観を良好に維持しつつ耐熱性好酸性菌の増殖を抑制できることが報告されている(特許文献1)。また、プリン体濃度の低い非発酵ビール様発泡性飲料に、ミルセンを穀物様香気成分及び含硫香気成分とともに含有させることで、ビールらしい泡持ちや色度を付与できることが報告されている(特許文献2)。
特開2007-60929号公報 特開2016-18213号公報
本発明の課題は、非重合体カテキン類を高含有するにも拘わらず、渋味が抑制されかつうま味の強化された茶飲料を提供することにある。
本発明者らは、非重合体カテキン類の渋味抑制、うま味の強化について検討を行った。その結果、非重合体カテキン類に対して微量の特定のモノテルペン類を特定の量比で含有させると、非重合体カテキン類の渋味抑制、及びうま味の強化に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)非重合体カテキン類
(B)ミルセン 0.1~100質量ppb
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が1.0×10-7以上500×10-7以下である、茶飲料を提供するものである。
本発明はまた、ミルセンを有効成分とする、渋味抑制剤を提供するものである。
本発明は更に、(A)非重合体カテキン類と(B)ミルセンとを共存させる、非重合体カテキン類の渋味抑制方法を提供するものである。
本発明によれば、非重合体カテキン類を高含有するにも拘わらず、渋味が抑制され、かつうま味の強化された茶飲料を提供することができる。したがって、本発明の茶飲料は、非重合体カテキン類を長期に亘って継続して摂取するのに適しており、種々の生理効果を十分に期待できる。
〔茶飲料〕
本明細書において「茶飲料」とは、植物抽出物を茶原料として含む飲料をいう。
植物抽出物の原料としては特に限定されないが、例えば、Camellia属の茶葉、穀物、Camellia属以外の茎葉や根を挙げることができる。なお、植物抽出物の抽出方法は特に限定されず、植物の種類に応じて公知の方法を採用することが可能であり、例えば、撹拌抽出、カラム抽出、ドリップ抽出等が挙げられる。なお、複数の原料を使用する場合、別個に抽出しても、原料を混合して抽出してもよい。抽出条件は、抽出方法により適宜選択することができる。また、植物抽出物は、市販品を使用することも可能である。更に、植物抽出物は、濃縮又は乾燥することができる。濃縮方法としては、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等の公知の方法を採用することができる。乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を採用することができる。
Camellia属の茶葉としては、例えば、C.sinensis.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.sinensis.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができ、1種又は2種以上を使用することができる。なお、茶葉の茶品種及び採取時期は特に限定されず、また茶葉は火入れ加工が施されていてもよい。不発酵茶としては、例えば、煎茶、深蒸し煎茶、焙じ茶、番茶、玉露、かぶせ茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。
穀物としては、例えば、大麦、小麦、ハト麦、ライ麦、燕麦、裸麦等の麦;玄米等の米;大豆、黒大豆、ソラマメ、インゲン豆、小豆、エビスクサ、ササゲ、ラッカセイ、エンドウ、リョクトウ等の豆;ソバ、トウモロコシ、白ゴマ、黒ゴマ、粟、稗、黍、キヌワ等の雑穀を挙げることができる。穀物は、1種又は2種以上を使用することができる。
Camellia属以外の茎葉、根としては、例えば、イチョウの葉、柿の葉、ビワの葉、桑の葉、ゴボウ、チコリの葉、タンポポの葉又は根、クコの葉、杜仲の葉、エゴマの葉、小松菜、ルイボス、クマザサ、ヨモギ、ドクダミ、アマチャヅル、スイカズラ、ツキミソウ、カキドオシ、カワラケツメイ、ギムネマ・シルベスタ、黄杞茶(クルミ科)、甜茶(バラ科)、キダチアロエ等が挙げられる。更に、カモミール、ハイビスカス、ペパーミント、レモングラス、レモンピール、レモンバーム、ローズヒップ、ローズマリー等のハーブも用いることができる。Camellia属の茶葉以外の茎葉、根は、1種又は2種以上を使用することができる。
中でも、本発明の効果を享受しやすい点から、Camellia属の茶葉及び穀物から選択される少なくとも1種を茶原料とすることが好ましく、Camellia属の茶葉を茶原料とすることがより好ましく、不発酵葉を茶原料とすることが更に好ましい。
本発明の茶飲料の種類としては、例えば、不発酵茶飲料、半発酵茶飲料、発酵茶飲料、麦茶飲料、ブレンド茶飲料等を挙げることができる。中でも、本発明の効果を享受しやすい点から、不発酵茶飲料、半発酵茶飲料、麦茶飲料が好ましく、不発酵茶飲料が更に好ましい。ここで、本明細書において「ブレンド茶飲料」とは、複数の茶原料を使用する飲料をいう。
本発明の茶飲料は、成分(A)として非重合体カテキン類を含有する。
ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類、並びにエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、本発明においては上記8種のうち少なくとも1種を含有すればよい。
本発明の茶飲料中の成分(A)の含有量は、生理効果、うまみ強化の観点から、500質量ppm以上が好ましく、700質量ppm以上がより好ましく、800質量ppm以上が更に好ましく、1100質量ppm以上が殊更に好ましく、また渋味抑制の観点から、3000質量ppm以下が好ましく、2500質量ppm以下がより好ましく、2000質量ppm以下が更に好ましく、1800質量ppm以下がより好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、本発明の茶飲料中に、好ましくは500~3000質量ppmであり、より好ましくは700~2500質量ppmであり、更に好ましくは800~2000質量ppmであり、更に好ましくは1100~1800質量ppmである。なお、本明細書において、成分(A)の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義される。成分(A)の含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した分析法、例えば、高速液体クロマトグラフ法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の茶飲料は、成分(B)としてミルセンを含有する。
ミルセンとしては飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、植物より抽出したものでも、化学合成品でも、市販品でも、原料由来のものでもよい。なお、ミルセンには、α-ミルセン及びβ-ミルセンが存在するが、通常α-ミルセンは天然に存在しないことから、β-ミルセンが好ましい。
本発明の茶飲料中の成分(B)の含有量は0.1~100質量ppbであるが、渋味抑制、うま味強化の観点から、0.2質量ppb以上が好ましく、0.3質量ppb以上がより好ましく、0.4質量ppb以上が更に好ましく、0.6質量ppb以上が殊更に好ましく、また異臭抑制の観点から、70質量ppb以下が好ましく、40質量ppb以下がより好ましく、20質量ppb以下が更に好ましく、8質量ppb以下がより更に好ましく、5質量ppb以下が殊更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、本発明の茶飲料中に、好ましくは0.1~70質量ppbであり、より好ましくは0.2~40質量ppbであり、更に好ましくは0.3~20質量ppbであり、より更に好ましくは0.4~8質量ppbであり、殊更に好ましくは0.6~5質量ppbである。なお、本明細書において、成分(B)の含有量は、α-ミルセン及びβ-ミルセンの合計量に基づいて定義される。成分(B)の含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した分析法、例えば、GC/MS法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
また、本発明の茶飲料は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が1.0×10-7以上500×10-7以下であるが、渋味抑制、うま味強化の観点から、1.5×10-7以上が好ましく、2.5×10-7以上がより好ましく、3.0×10-7以上が更に好ましく、4.0×10-7以上が殊更に好ましく、また異臭抑制の観点から、400×10-7以下が好ましく、300×10-7以下がより好ましく、100×10-7以下が更に好ましく、50×10-7以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは1.5×10-7以上400×10-7以下であり、より好ましくは2.5×10-7以上300×10-7以下であり、更に好ましくは3.0×10-7以上100×10-7以下であり、殊更に好ましくは4.0×10-7以上50×10-7以下である。なお、質量比[(B)/(A)]は、成分(A)と成分(B)の含有量の単位を揃えて算出するものとする。
また、本発明の茶飲料は、所望により、甘味料、酸味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有してもよい。なお、添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
本発明の茶飲料は、例えば、RTD(レディ・トゥ・ドリンク)のみならず、インスタント茶飲料の形態も採ることがきる。中でも、茶飲料としてはインスタント茶飲料が好ましい。ここで、「インスタント茶飲料」とは、液体に希釈して茶飲料として飲用に供されるものをいう。液体は飲料に還元できれば特に限定されず、例えば、水、炭酸水、牛乳、豆乳等が挙げられ、液体の温度は問わない。インスタント茶飲料の形態は、固形でも、濃縮液状でもよい。固形としては、例えば、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状等を挙げることができる。濃縮液状である場合、その固形分濃度はRTDよりも高濃度であれば適宜選択可能である。
インスタント茶飲料は、当該インスタント茶飲料を所定の用法にしたがい液体で希釈して茶飲料を調製したときに、以下の要件を満たせばよい。
成分(A)の含有量は、インスタント茶飲料を液体で希釈して調製された茶飲料中に、好ましくは500~3000質量ppmであり、より好ましくは700~2500質量ppmであり、更に好ましくは800~2000質量ppmであり、更に好ましくは1100~1800質量ppmである。
成分(B)の含有量は、インスタント茶飲料を液体で希釈して調製された茶飲料中に0.1~100質量ppbであるが、好ましくは0.1~70質量ppbであり、より好ましくは0.2~40質量ppbであり、更に好ましくは0.3~20質量ppbであり、より更に好ましくは0.4~8質量ppbであり、殊更に好ましくは0.6~5質量ppbである。
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、インスタント茶飲料中及び該インスタント茶飲料を液体で希釈して調製された茶飲料中に、1.0×10-7以上500×10-7以下であるが、好ましくは1.5×10-7以上400×10-7以下であり、より好ましくは2.5×10-7以上300×10-7以下であり、更に好ましくは3.0×10-7以上100×10-7以下であり、殊更に好ましくは4.0×10-7以上50×10-7以下である。
希釈倍率は適宜設定可能であるが、インスタント茶飲料が固形である場合、通常20~600質量倍、好ましくは30~500質量倍、より好ましくは40~250質量倍、更に好ましくは50~200質量倍であり、殊更に好ましくは50~150質量倍である。また、インスタント茶飲料が濃縮飲料である場合、希釈倍率は、通常1.5~200質量倍、好ましくは1.5~100質量倍、より好ましくは1.8~50質量倍、更に好ましくは2~30質量倍である。
インスタント茶飲料は、例えば、瓶等に容器詰し飲用する際にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、カップ1杯分毎に小分け包装したスティックタイプ等とすることができる。また、茶飲料が濃縮飲料である場合、例えば、カップ1杯分毎に小分け包装したポーションタイプの希釈飲料等が挙げられる。なお、カップの容量は30~320mLであることが好ましく、また小分け包装の内容量はカップ容量に適合するように適宜設定することが可能である。中でも、本発明の効果を享受しやすい点から、カップ1杯分毎に小分け包装したものが好ましく、例えば、スティック包装したもの、ピロー包装したものを挙げることができる。小分け包装は、アルミ蒸着フィルム等を材質とする包装材料で包装することができる。なお、容器内及び包材内は窒素ガスを充填してもよく、また包材は酸素透過性の低いものが品質維持の点で好ましい。
本発明の茶飲料は、常法にしたがって製造することが可能であり、適宜の方法を採り得る。例えば、1又は2以上の植物抽出物に、成分(A)及び/又は成分(B)、必要により他の成分を配合し、成分(B)の含有量、及び質量比[(B)/(A)]を上記範囲内に調整して製造することができる。本発明の製造方法においては、最終的に茶飲料中に成分(A)及び(B)が共存した状態にあれば、成分(A)及び(B)の配合順序は特に限定されない。
〔渋味抑制剤、渋味抑制方法〕
本発明の渋味抑制剤及び渋味抑制方法は、成分(B)を有効成分として含有するものであり、経口製品に適用することができ、中でも成分(A)を含有する経口製品に適用することが好ましい。本発明の渋味抑制方法においては、成分(A)及び(B)が最終的に経口製品中に共存した状態にあればよく、共存させるタイミングや配合順序は特に限定されない。
経口製品としては、経口摂取可能なものであれば特に限定されず、液状でも、固体状でもよい。例えば、成分(A)を含有する、医薬品、医薬部外品又は飲食品等を挙げることができる。中でも、飲食品が好ましい。
医薬品及び医薬部外品の剤型は特に限定されず、例えば、経口投与用製剤が挙げられ、例えば、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、シロップ剤等の公知の剤型を採用することができる。また、製剤化の際は、賦形剤等の公知の添加剤を配合することができる。なお、医薬品及び医薬部外品は、常法にしたがって製造することができる。
飲食品としては、例えば、成分(A)を含有する飲料、成分(A)が添加された食品を挙げることができる。飲料としては、茶飲料が好ましく、例えば、不発酵飲料、半発酵茶飲料、発酵茶飲料、麦茶飲料、ブレンド茶飲料を挙げることができる。中でも、成分(A)を含有する飲料が好ましく、成分(A)を含有する茶飲料が更に好ましい。なお、飲食品は、飲食品の種類に応じて、常法にしたがって製造することができる。
(B)ミルセンの使用量は、渋味を抑制するための有効量であるが、例えば、成分(A)に対する質量比[(B)/(A)]として、好ましくは1.0×10-7以上500×10-7以下であり、より好ましくは1.5×10-7以上400×10-7以下であり、更に好ましくは2.5×10-7以上300×10-7以下であり、より更に好ましくは3.0×10-7以上100×10-7以下であり、殊更に好ましくは4.0×10-7以上50×10-7以下である。この場合、経口製品中の成分(A)の含有量は、好ましくは500~3000質量ppmであり、より好ましくは700~2500質量ppmであり、更に好ましくは1000~2000質量ppmであり、更に好ましくは1100~1800質量ppmである。また、経口製品中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.1~70質量ppbであり、より好ましくは0.2~40質量ppbであり、更に好ましくは0.3~20質量ppbであり、より更に好ましくは0.4~8質量ppbであり、殊更に好ましくは0.6~5質量ppbである。
1.非重合体カテキン類の分析
純水で溶解希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式SCL-10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L-カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
2.ミルセンの分析
試料10mLに塩化ナトリウム3gを添加した。スターラーで3分間撹拌後、GC用ヘッドスペースバイアル(20mL)に採取した。SPMEファイバー(シグマアルドリッチ社製,50/30μm,DVB/CAR/PDMS)に含有成分を吸着させた。吸着後、SPMEファイバーを加熱脱着し、GC/MSで測定を行った。なお、定量にはm/z 93のイオンのピーク面積を用いた。
分析条件は次のとおりである。
・分析装置 :GC/MS(Agilent,6890N)
・カラム :VF-WAX(60m×0.25mm×0.25μm)
・カラム温度 :35℃(4min)→2℃/min→240℃(13.5min)
・カラム流量 :l.5mL/min(He)
・注入口温度 :240℃
・注入方式 :スプリットレス
・検出器 :MS
・検出モード :SIM(m/z 41、69、93、151)
・イオン源温度:230℃
・イオン化方法:EI
3.官能評価
各容器詰茶飲料の「渋味」及び「うま味」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験では、各容器詰茶飲料について下記の評価基準にて評価し、その後専門パネルの評点の平均値を求めた。
(1)渋味の評価基準
1:非常に強い
2:強い
3:やや強い
4:弱い
5:非常に弱い
(2)うま味の評価基準
本明細書において「うま味」とは、玉露やかぶせ茶に特有に感じられる「海藻様の香り、味」をいい、玉露やかぶせ茶のような「海藻様の香り、味」が感じられるか否かを観点に評価した。
1:非常に弱い
2:弱い
3:やや強い
4:強い
5:非常に強い
実施例1~9及び比較例1
表1に示す成分を配合し、イオン交換水にて全量を100質量%に調整して茶飲料を調製した。得られた各茶飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、各パネリストが比較例1の茶飲料の渋味の評点を「1」、実施例3の茶飲料の渋味の評点を「5」とし、また比較例1の茶飲料のうま味の評点を「1」、実施例3の茶飲料のうま味の評点を「5」とすることに合意したうえで実施した。その結果を表1に併せて示す。
参考例1
市販の緑茶抽出液(茶飲料)について分析及び官能評価を行った。
Figure 0007210230000001
実施例10~12、比較例2~4及び参考例2~4
表2に示す成分を均一に混合してインスタント茶飲料を得た。得られたインスタント茶飲料をイオン交換水にて全量100質量部になるよう希釈して茶飲料を調製した。各茶飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、各パネリストが各比較例の茶飲料の渋味の評点を「1」、対応する各参考例の茶飲料の渋味の評点を「5」とし、また各参考例の茶飲料のうま味の評点を「1」、実施例10の茶飲料のうま味の評点を「5」とすることに合意したうえで実施した。その結果を表2に併せて示す。
Figure 0007210230000002
表1、2から、非重合体カテキン類に対して微量のミルセンを特定の量比で含有させることで、非重合体カテキン類を高含有するにも拘わらず、渋味が抑制され、かつうま味の強化された茶飲料が得られることがわかる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)非重合体カテキン類 500~3000質量ppm
    (B)ミルセン0.1~100質量ppb
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が1.0×10-7以上500×10-7以下である、茶飲料。
  2. 不発酵茶飲料、半発酵茶飲料、発酵茶飲料又はブレンド茶飲料である、請求項記載の茶飲料。
  3. 茶原料がCamellia属の茶葉である、請求項1又は2記載の茶飲料。
  4. ミルセンを有効成分とする、渋味抑制剤。
  5. ミルセンを有効成分とする、非重合体カテキン類の渋味抑制剤。
  6. (A)非重合体カテキン類と(B)ミルセンとを共存させる、非重合体カテキン類の渋味抑制方法。
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