JP2017026052A - 油圧ポンプ - Google Patents

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Kentaro Kashu
顕太郎 賀集
利憲 田畑
Toshinori Tabata
利憲 田畑
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Abstract

【課題】本発明は、新たな部品を追加することなく、シール性に優れた耐圧型オイルシールを備えた油圧ポンプを提供する。【解決手段】主軸を回転中心軸として回転する回転伝達軸と、回転伝達軸に挿嵌されるオイルシールと、を含み、前記オイルシールは、シールリップ部にリブが設けられていることを特徴とする耐圧型オイルシールを備えた油圧ポンプ。本発明の一実施形態において前記リブは、断面形状が略三角形であり螺旋状であってもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、油圧ポンプに関する。特に、油漏れを低減した耐圧型オイルシールを備えた油圧ポンプに関する。
従来、工作機械をはじめ、一般産業機械、建設機械、車両等に組み込まれる油圧システムの動力伝達機構として油圧ポンプが使われている。
油圧ポンプのうち、アキシャルピストンポンプを例にして油圧ポンプ装置本体の内部を説明すると、主軸を回転中心軸として回転する回転伝達軸と、該回転伝達軸の回転に連動して回転するシリンダブロックなどから構成されている。
ここで、回転伝達軸は、装置本体の一部を貫通していることから、回転に伴って、内部の流体(たとえば、油)が漏れ出す恐れがある。この、軸(シャフト)の隙間から流体が漏れ出すことへの対策として、オイルシールを用いるのが知られている。
近年、一般産業機械や建設機械では使用圧力の高圧化が望まれており、それに伴い、オイルシールも高圧条件下で使用され、さらに長時間の密封性能が求められている。非特許文献1では、耐圧型オイルシールとして、主リップ部をバックアップ金属環と一体形成し、バックアップ金属環とゴムリップ間の隙間をなくし、圧力下での密封性に優れる構造とすると共に、バックアップ金属環内径は、高圧条件下でのゴムリップ変形に耐えるように軸に近接させ、さらにダストリップ部は低発熱とする耐圧型オイルシールが記載されている。
新型耐圧シール 一般社団法人日本フルードパワーシステム学会誌 第39巻 第E1号 2008年8月 E39−E43
しかし、この技術では、高圧条件下でリップ変形を最小にして流体の漏れを防ぐことはできたが、オイルシールが馴染むまでの間の初期漏れなどが防止できず、封止が十分とはいえなかった。そこで、リップ部を回転軸に密着させる以外の方法を採用することで高圧条件下のシール性能を向上させることが必要である。
本発明は、新たな部品を追加することなく、シール性に優れた耐圧型オイルシールを備えた油圧ポンプを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態として、主軸を回転中心軸として回転する回転伝達軸と、回転伝達軸に挿嵌される耐圧型オイルシールと、を含む油圧ポンプにおいて、耐圧型オイルシールは、シールリップ部にリブが設けられていることを特徴とする油圧ポンプが提供される。
本発明の一実施形態として、リブは、断面形状が略三角形であり螺旋状の形状であってもよい。
本発明の一実施形態として、リブは、凸形状であってもよい。
本発明の一実施形態として、リブは、凹形状であってもよい。
本発明の一実施形態として、リブは、シールリップ面において斜線形状であり、傾きが徐々に変化してもよい。
本発明の一実施形態として、リブは、シールリップ面において斜線形状であり、少なくとも1か所ハの字型になる箇所を有してもよい。
本発明の一実施形態として、リブは、シールリップ端部から、金属環にかけて設けられていてもよい。
本発明によると、新たな部品を追加することなく、シール性に優れた耐圧型オイルシールを備えた油圧ポンプを実現できる。
本発明におけるピストンポンプの概略構成を示す図である。 本発明におけるピストンポンプを構成するオイルシールの概略構成を示す図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
なお、油圧ポンプには、回転ポンプとしてギアポンプ、ベーンポンプ、ねじポンプがある。また、往復ポンプとしてアキシャルピストンポンプ、ラジアルピストンポンプ、レシプロピストンポンプなどがある。以下の実施形態では、そのうちのアキシャルピストンポンプ(以下、「ピストンポンプ」と呼ぶ)を例に挙げて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプの概略構成を示す図である。図1において、装置本体10の内部には、主軸11、該主軸11を回転中心軸として回転する回転伝達軸12、該回転伝達軸12の軸を封止するオイルシール13、及び該回転伝達軸12の回転に連動して回転するシリンダブロック14が配置される。
シリンダブロック14は、主軸11を中心として複数のシリンダボア15を有し、各シリンダボア15は、主軸11を中心とした同心円上に並んでいる。各シリンダボア15には、それぞれ複数のピストン16が摺動自在に挿入され、それぞれのピストン16は、シリンダブロック14の回転に連動して、各シリンダボア15内を往復運動する。これらピストン16の往復運動に応じて、各シリンダボア15においては外部からの流体(例えばオイル)の供給、又は、各シリンダボア15からの流体の排出が行われる。
各ピストン16の一端には斜板17が摺接しており、斜板17の回転に伴って各ピストン16が往復運動を行う。これにより、主軸12を回転中心としてピストン16が公転する間に、斜板17に隣接するシュープレート18によりピストン16の球状部16aに装着されたピストンシュー19が引き上げられ、シリンダボア15内の空間の容積が拡大される。
他方、シュープレート18がピストンシュー19を押し下げるタイミングでは、シリンダボア15内の空間の容積が圧縮される。このように、シリンダボア15内の空間の容積が拡大及び圧縮される反復運動により、シリンダボア15内部への流体の供給、又は、シリンダボア15内部からの流体の排出が繰り返される。
シリンダブロック14の一端面(シリンダブロックのポート31が配置される側の面)には、流体供給用の吸込みポート20及び流体排出用の吐出しポート21を有するバルブプレート22が設けられる。吸込みポート20及び吐出しポート21は、それぞれバルブプレート22の一方の面と他方の面とを連通させるように設けられた貫通孔であり、ピストンポンプで扱う流体の流動経路を構成する。
図1において、バルブプレート22を介してシリンダブロック14と対向する位置には、ポートブロック24が配置される。ポートブロック24には、流体を供給する経路となる供給ポート25と、流体を排出する経路となる排出ポート26が設けられている。これら供給ポート25と排出ポート26は、それぞれ前述のバルブプレート22における吸込みポート20と吐出しポート21とに対応した位置に設けられ、外部のタンクから流体を供給したり、外部へと流体を排出したりできるように構成されている。
また、回転伝達軸12の周囲には、回転伝達軸12の回転を滑らかにするためのベアリング27が配置されている。ベアリング27は、回転伝達軸12と各ポート25、26との間に配置される。また、回転伝達軸12が装置本体を貫通する箇所における軸の周囲にはオイルシール13が配置される。
図2(a)は、本発明におけるピストンポンプを構成するオイルシールを大気側から見た際の平面図の模式図である。図2(b)及び図2(c)は本発明の一実施形態におけるピストンポンプを構成するオイルシールにつき、図2(a)におけるA−A´の線に沿って切り取った場合の断面図である。
オイルシール13は、オイルシール13の、はめあい部によって、装置本体に接続され、オイルシール外周面からの流体の漏れを防いでいる。また、金属環30が設けられていてもよく、金属環30はオイルシール13をハウジングに固定して、はめあい力を保持する役割を果たす。
オイルシール13には、金属環30の内周部から密封流体側へと徐々に縮径するように形成された環状の封止対象部側のリップであるシールリップ部32と、金属環30の内周部から大気側に向かって徐々に縮径するように形成された大気側のダストリップ部34とを有していてもよい。シールリップ部32は、楔形の断面形状であり、先端部で軸表面を押し付けて流体を封止する役割を果たす。ダストリップ部34は、補助的につけられたリップであり、ほこりなどが装置内部に侵入することを防ぐ役割を果たす。
金属環30にエラストマー等ゴム状弾性体を被着(たとえば、加硫接着)し、このゴム状弾性体によって、軸の周面に摺動自在に密接するシールリップ部32が成形されている。
シールリップ部32は、リップ先端部およびリップ腰部を有し、リップ先端部の内周面に、全周に亙って回転伝達軸の周面に摺動自在に密接するリップ端が設けられるとともに、その外周面に環状の溝部(スプリングホルダー部)が設けられる。また、シールリップ部32のリップ先端、の径方向外側の背面には、シールリップ部32と回転軸との間のラジアル方向の緊迫力を保持するためのガータースプリング(ばね)40が配設される。ばね40は、このスプリングホルダー部に嵌着されている。
本実施形態において用いられるオイルシール13は、油漏れを防止する構造となっている。まず、オイルシール13は、図1の13の箇所に設けられている。図2(a)において、斜線形状で示した場所がリブ36である。図2(a)においては、リブ36の一部を示している。リブ36は、金属環30から、シールリップ部32に向かって形成されている。このことを金属環30から見ると、リブ36がシールリップ部32から金属環30に向かって延在するように形成されているということもできる。なお、図2(a)においては、リブ36は斜線で表しているものの、実際は、リブ36は断面形状が略三角形となる凸形状となっている。
シールリップ面(シールリップが形成する表面)において、リブ36は斜線形状であり、傾きが徐々に変化してもよい。また、リブ36の形状に関しては、凸形状とする以外に、凹形状とすることも可能である。シールリップ部32すべてに斜線形状を設ける必要はなく、一部には設けないということもできる。
図2(a)では、もっとも内側の実線の円について、ダストリップ部34となっているが、この箇所には、より流体密封側にシールリップ部32が存在している。図面ではシールリップ部32とダストリップ部34とを略同一の径で記載しているため、シールリップ部32の記載を省略している。なお、シールリップ部32とダストリップ部34とは、必ずしも同一の径でなければならないものではない。
また、図2(a)では、金属環30が存在する箇所に点線で記載している。金属環は、たとえば、冷間圧延鋼板及び鋼帯、熱間圧延鋼板及び鋼帯、冷間圧延ステンレス鋼板、冷間圧延ステンレス鋼帯などを使用することができる。また、ばね40については、記載を省略した。ばね40としては、硬鋼線やピアノ線等を用いることが可能である。
これをA−A´に沿って切り取った断面図が図2(b)である。そして、本実施形態のオイルシール13では、図2で示すリブ36は、断面形状が略三角山形で一様な螺旋状の形状である。そして、図2(b)をみると、リブ36は、斜線形状に形成されていると表現することもできる。
図2(b)を用い、リブ36の位置を説明する。まず、シールリップ部32には、軸方向一方(図では右方)の大気側斜面と軸方向他方(図では左方)の密封流体側斜面とを有し、前者の大気側斜面に、軸回転時に流体力学的なシール作用をなすためのリブ36が設けられている。リブ36は、回転伝達軸の回転時において、ポンピングシール作用によって密封流体を矢印Pの方向へ押し戻すものであって、所定の長さを有するスパイラル状のリブとして成形されており、このリブがシールリップ部32の円周上に複数成形され、それぞれその長手方向の一端部はリップ端に達している。また、リブ36の長手方向の他端はリップ端と交差していてもよい。
このような斜線形状のリブ36を有することによって、密封流体側から大気側に漏洩しようとする密封流体をシールリップ部32にあるリブ36により流体力学的な効果が生じ、オイルシール性能を向上させる。特に、このようなオイルシール13を用いることでオイルシール13が回転軸12になじむまでの間の、初期封止性をはじめとする封止性能に優れる。このような部材を使用することによって、新たな部品を追加することなく、シール性に優れた耐圧型オイルシールを備えた油圧ポンプを提供することが可能となる。
(実施形態2)
左右回転用とするために、図2の(c)のような方向の異なるリブ36を設けるのが実施形態2である。
実施形態1では、右回転でしか流体力学的なシール作用を生じさせることができなかったが、右用リブと左用リブとを設けることで、左右回転のいずれについてもシール性能を持たせることが可能となる。
このような傾きを設けることで、38のようにハの字を有することになり、右回転、左回転のいずれに対しても、密封流体側から大気側に漏洩しようとする密封流体をシールリップ部32にあるリブ36により流体力学的な効果を生じさせることができる。そして、特に初期封止性をはじめとする封止性能に優れる。また、新たな部品を追加することなく、シール性に優れた耐圧型オイルシールを備えた油圧ポンプを提供することができる。
10:装置本体
11:主軸
12:回転伝達軸
13:オイルシール
14:シリンダブロック
15:シリンダボア(シリンダ室)
16:ピストン
17:斜板(ヨーク)
18:シュープレート
19:ピストンシュー
20:吸込みポート
21:吐出しポート
22:バルブプレート
24:ポートブロック
25:供給ポート
26:排出ポート
30:金属環
32:シールリップ部
34:ダストリップ部
36:リブ
38:ハの字部分
40:ガータースプリング(ばね)

Claims (7)

  1. 主軸を回転中心軸として回転する回転伝達軸と、
    前記回転伝達軸に挿嵌される耐圧型オイルシールと、を含む油圧ポンプにおいて、
    前記耐圧型オイルシールは、シールリップ部にリブが設けられていることを特徴とする油圧ポンプ。
  2. 前記リブは、断面形状が略三角形であり螺旋状の形状であることを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ。
  3. 前記リブは、凸形状であることを特徴とする請求項1または2記載の油圧ポンプ。
  4. 前記リブは、凹形状であることを特徴とする請求項1または2記載の油圧ポンプ。
  5. 前記リブは、シールリップ面において斜線形状であり、傾きが徐々に変化することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の油圧ポンプ。
  6. 前記リブは、シールリップ面において斜線形状であり、少なくとも1か所ハの字型になる箇所を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の油圧ポンプ。
  7. 前記リブは、シールリップ端部から、金属環にかけて設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の油圧ポンプ。
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