JP2017025486A - サイディングプレカット用採寸データ取得方法及びシステム - Google Patents

サイディングプレカット用採寸データ取得方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 大幅な省力化を実現して作業コストの低減を図り、かつ全体の作業時間を短縮して作業能率向上を図るとともに、オペレータによるデータ入力作業を不要にし、人為的な入力ミスを回避することにより信頼性及び利便性を向上させる。【解決手段】 サイディングBをプレカットする際に用いる建造物躯体部Hの採寸データDを取得するシステムを構成するに際し、建造物躯体部Hと足場作業床A間の隙間Eの所定位置に設置可能なレーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器2と、サイディング施工前における建造物躯体部Hの所定位置に表示することによりサイディングBを施工する基準となる水平基準ラインLoの一端における測定点P1及び他端における測定点P2に取付可能なレーザ光Cを反射する基準ターゲットプレート3oと、選定した複数の測定点P3…に対応して取付可能な一又は二以上の異なるターゲットプレート3o,3a…とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、建築中の建造物躯体部の採寸データを取得してサイディングをプレカットする際に用いるサイディングプレカット用採寸データ取得方法及びシステムに関する。
一般に、住宅等の外壁パネルとして用いるサイディングは、外壁に対して形状的にフィットさせる必要があることから、通常、現場においてカッティング加工を行い、確認しながら施工していた。しかし、現場のカッティング加工は、粉塵や騒音等の発生が近隣や作業者に影響する問題があるため、近時においては、予め、工場においてサイディングをプレカットし、これにより現場ではカッティング加工を行わないプレカット式工法に変わりつつある。
従来、このようなプレカット式工法に関連する技術としては、特許文献1で開示されるサイディングプレカット割付方法及び特許文献2で開示されるサイディング材割付基準位置測定方法が知られている。
前者のサイディングプレカット割付方法は、軸組工法により新たに建築される住宅などの建物の構造躯体に対してサイディング板の割り付けを行い、各サイディング板の寸法及び形状を決定してプレカットを可能にすることを目的としたものであり、具体的には、軸組工法により建築する建物のサイディングを施工する面の柱,梁,桁及び土台のそれぞれの設計位置および設計寸法と、各開口部の設計位置及び設計寸法とを含む設計値データを記憶する工程、サイディングの施工に使用するサイディング板の長さ,働き幅及び厚さと、サイディング板を固定するために前記柱,梁,桁及び土台に取り付ける胴縁の厚さとを含む基準寸法データを記憶する工程、サイディングの目地の位置を入力する工程、記憶された設計値データを取得し、記憶された基準寸法データを取得し、設計値データに含まれる柱,梁及び桁のそれぞれの設計位置及び設計寸法と、設計値データに含まれる土台の設計位置及び設計寸法から決定されるサイディングの下端位置と、入力された目地の位置と、基準寸法データに含まれるサイディング板の働き幅及び厚さと、基準寸法データに含まれる胴縁の厚さとから、サイディング板を自動割り付けする工程、記憶された設計値データと、入力された目地の位置を記した採寸用図面を出力する工程と、出力された採寸用図面の目地の位置を基準として現場において採寸された実寸法を入力する工程と、取得した設計値データを入力された実寸法に基づいて修正し、サイディング板の自動割り付けを再度実行することにより、サイディング板のプレカット寸法を決定する工程と、決定されたサイディング板のプレカット寸法を出力する工程とを含ませたものである。一方、後者のサイディング材割付基準位置測定方法は、建築現場でサイディング材を切断する必要がなく、建築現場で騒音や粉じんを発生させることなく短い工期でサイディング材の取り付け施工が行えるサイディング材割付基準位置測定方法の提供を目的とするものであり、具体的には、建築物の棟上後で側面に外部シートを貼る前において外部建具の位置を測定する第1基準点位置測定と、外部シート貼付け後でサイディング材取付け前において、外部シート貼付け後に設けられた外部建具の位置を測定する第2基準点位置測定を行うようにしたものである。
しかし、このような従来のプレカット式工法に関連する技術では、建築中の現場で住宅構造に対する採寸作業を行う場合、基準点の設定が必ずしも適切であるとはいえないため、プレカット式工法による利点を十分に享受できない。即ち、特許文献1の場合、サイディング側の目地位置を基準にするため、住宅構造の本体における基準位置が曖昧となる。したがって、プレカットしたサイディングを現場で取付ける場合、住宅構造の本体との関係では誤差が発生しやすく、例えば、住宅構造が若干傾いていたような場合、その誤差の発生は避けられない。また、特許文献2の場合も同様であり、基準点を窓枠や玄関等の建具に設定するに留まるため、住宅構造の本体(隅柱等)に対する基準が曖昧となる。このように、いずれもフィット性の高い的確なサイディングを得る観点からは不十分となる。結局、現場における追加加工や補修が必要になるなど、プレカット式工法に係わる本来の利点を十分に生かしきれない。しかも、プレカットする際の基準点の設定が曖昧になることから、様々な形状(形態)や構造を有する住宅構造に対して、それぞれ個別に対応する必要がある。即ち、各住宅構造毎に基準点が異なってしまうため、スムースな採寸作業を行うことができない。結局、採寸作業に無用な時間がかかり非能率的になるとともに、採寸作業のマニュアル化を図る場合、採寸手順が煩雑で解りにくくなりやすく、特に、作業者が初心者であったような場合、作業がチグハグになりやすく、流れに沿った一連の作業を行いにくいとともに、採寸ミスも生じやすい。などの問題があった。
そこで、本出願人は、既に、特許文献3により、これらの問題を解決するためのサイディングプレカット用採寸データ取得方法を提案した。このサイディングプレカット用採寸データ取得方法は、迅速かつ能率的な採寸作業を可能にするとともに、正確にプレカットしたフィット性の高いサイディングを得ることを目的としたものであり、具体的には、サイディング施工前における、建設中の住宅構造の垂直精度に係わるデータ及び/又は水平精度に係わるデータを採寸データの一部として取得するとともに、壁面部分の所定位置に表示した初期水平ラインを基準にして取付けた土台水切部を含むサイディング施工直前の壁面部分の位置であって、土台水切部を基準にした前記サイディングの縦幅の倍数となる一又は二以上の所定位置に、基準水平ラインを表示し、かつこの基準水平ラインを基準にした一又は二以上の所定位置に基準垂直ラインを表示した後、基準水平ライン及び基準垂直ラインを基準にして建築中の住宅構造に対する採寸を行うことにより採寸データを取得するようにしたものである。
特開2006−283390号公報 特開2012−041754号公報 特開2014−152521号公報
しかし、上述した特許文献3におけるサイディングプレカット用採寸データ取得方法は、次のような解決すべき課題も残されていた。
第一に、採寸データを取得するに際し、人が介在する作業が多くなりやすいとともに、二人で行わなければならない作業も存在する。したがって、最低二人の作業者が必要になるとともに、全体の作業時間も長くなる傾向がある。結局、作業コストの上昇及び作業能率の低下を招くことになり、コスト低減及び作業能率向上を図る観点からは更なる改善の余地があった。
第二に、採寸データは、サイディングをプレカットするための加工用データに変換する必要があるため、通常、採寸データをCADシステムに入力している。この場合、採寸データは人為的に測定するため、採寸データをCADシステムに入力させるには、オペレータによるデータ入力作業が必要になる。採寸データの測定点は、例えば、一般住宅の場合、一壁面毎に50個所程度必要になり、全壁面のデータ量は相当の量になる。結局、人為的な入力作業及びデータ量の多さから更なる作業コストの上昇及び作業能率の低下を招くとともに、加えて入力ミスも生じやすくなる。したがって、人為的な入力作業を排し、入力ミスを回避する観点からも更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したサイディングプレカット用採寸データ取得方法及びシステムの提供を目的とするものである。
本発明に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法は、上述した課題を解決するため、サイディングBをプレカットする際に用いる建造物躯体部Hの採寸データDを取得するに際し、建造物躯体部Hと足場作業床A間の隙間Eの所定位置に、レーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器2を設置するとともに、サイディング施工前における建造物躯体部Hの所定位置に表示することによりサイディングBを施工する基準となる水平基準ラインLoの一端における測定点P1及び他端における測定点P2にレーザ光Cを反射する基準ターゲットプレート3oをそれぞれ取付けた後、測定器2と基準ターゲットプレート3o間の距離及びレーザ光Cの投射方向Fcから水平基準ラインLoの一端における測定点P1の位置と他端における測定点P2の位置を測定し、この後、予め選定した複数の測定点P3…に対応するターゲットプレート3o,3a…を順次取付け又は取付けること無しに、測定器2により当該ターゲットプレート3o,3a…の位置又はターゲットプレートの無い測定点P6…の位置を測定し、建造物躯体部Hにおける採寸データDを取得するようにしたことを特徴とする。
一方、本発明に係るサイディングプレカット用採寸データ取得システム1は、上述した課題を解決するため、サイディングBをプレカットする際に用いる建造物躯体部Hの採寸データDを取得するシステムを構成するに際して、建造物躯体部Hと足場作業床A間の隙間Eの所定位置に設置可能なレーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器2と、サイディング施工前における建造物躯体部Hの所定位置に表示することによりサイディングBを施工する基準となる水平基準ラインLoの一端における測定点P1及び他端における測定点P2に取付可能なレーザ光Cを反射する基準ターゲットプレート3oと、選定した複数の測定点P3…に対応して取付可能な一又は二以上の異なるターゲットプレート3o,3a…とを備えてなることを特徴とする。
また、本発明は、発明の好適な態様により、測定器2を設置した後は、当該測定器2のレベリング調整を行うことが望ましい。測定器2は、測定器本体2mと、この測定器本体2mを制御するコントローラ2cにより構成し、測定器本体2mとコントローラ2cは、無線通信Tm又は有線通信により接続することができる。更に、測定器2には、レーザ光Cの投射方向Fcを、水平回転軸Rh及び垂直回転軸Rvにより変更可能な三次元測定器2tを用いることができる。一方、測定器2には、レーザ光Cの投射方向Fcに対して撮象可能なデジタルカメラ機能部Kcを設けることができる。なお、ターゲットプレート3a…には、オフセット位置Xwに係わるオフセット測定点の位置を測定可能なオフセット測定用ターゲットプレート3cを含ませることができる。
このような本発明に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法及びシステム1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 本発明に係る採寸データ取得方法を用いれば、採寸データDを取得するに際し、測定器2を設置するとともに、ターゲットプレート3a,3b…(基準ターゲットプレート3oを含む)を取付けた後、測定器2を操作して採寸を行うようにしたため、基本的に、一人の作業者により行うことができる。したがって、大幅な省力化を実現することができ、作業コストの低減を図れるとともに、全体の作業時間の短縮により作業能率の向上を図ることができる。
(2) レーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器2を利用するため、基本的に、測定結果はデジタル信号を用いた採寸データDとして得ることができる。したがって、採寸データDを、サイディングをプレカットするための加工用データに変換する場合であっても、CADシステムに対して容易にデータ入力(データ転送)することができる。この結果、オペレータによるデータ入力作業が不要となるため、更なる作業コストの低減及び作業能率の向上を図ることができるとともに、人為的な入力ミスを回避することにより信頼性及び利便性を向上させることができる。
(3) レーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器2は、建造物躯体部Hと足場作業床A間の隙間Eの所定位置に設置できるため、ターゲットプレート3a…と組合わせることにより、上述したサイディングプレカット用採寸データ取得方法を、確実かつ容易に実施することができる。
(4) 好適な態様により、測定器2を設置した後、当該測定器2のレベリング調整を行うようにすれば、正確な水平レベルを確保できるため、水平基準ラインLoの水平度も容易に確認できるなど、水平基準ラインLoを基準にした的確で精度の高い採寸測定を行うことができる。
(5) 好適な態様により、測定器2を、測定器本体2mと、この測定器本体2mを制御するコントローラ2cにより構成し、測定器本体2mとコントローラ2cを無線通信Tm又は有線通信により接続するようにすれば、一人で作業を行う場合であっても、任意の場所でコントローラ2cを操作しつつ採寸作業を行うことができるため、測定作業の容易化を図ることができるとともに、採寸作業における作業性及び利便性をより高めることができる。
(6) 好適な態様により、測定器2として、レーザ光Cの投射方向Fcを、水平回転軸Rh及び垂直回転軸Rvにより変更可能な三次元測定器2tを用いれば、水平回転軸Rh及び垂直回転軸Rvは、モータ等を用いた駆動部により容易に回転制御できるため、測定点に対するレーザ光Cの正確な位置決めを容易かつ迅速に行うことができる。
(7) 好適な態様により、測定器2に、レーザ光Cの投射方向Fcに対して撮象可能なデジタルカメラ機能部Kcを設ければ、このデジタルカメラ機能部Kcにより撮象される測定点の画像を容易に確認できるため、測定点に対するレーザ光Cの位置決めを迅速かつ正確に行うことができるとともに、作業者の利便性を向上させることができる。
(8) 好適な態様により、ターゲットプレート3a…に、正規の測定点からオフセットしたオフセット位置Xwにおけるオフセット測定点の位置を測定可能なオフセット測定用ターゲットプレート3cを含ませれば、測定器2からのレーザ光Cが届かない、いわば陰になる測定点であっても測定器2の設置位置を変更することなく測定可能になるため、更なる作業能率及び利便性の向上に寄与できる。
本発明の好適実施形態に係る採寸データ取得システムの使用時の状態を含む建造物躯体部の立面図、 同採寸データ取得システムに備える測定器本体の外観正面図を含む設置方法説明図、 同採寸データ取得システムに備える測定器本体の外観側面図を用いた作用説明図、 同採寸データ取得システムに備える測定器本体の外観平面図を用いた他の作用説明図、 同採寸データ取得システムに備えるターゲットプレートを例示する外観斜視図、 同採寸データ取得システムに備える他のターゲットプレートを例示する外観斜視図、 図6のターゲットプレートの変形例を示す外観斜視図、 同採寸データ取得システムに備える他のターゲットプレートを例示する外観斜視図、 同採寸データ取得システムの全体構成を示すブロック系統図、 同採寸データ取得システムの設置方法説明図、 本発明の好適実施形態に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法の処理手順を説明するためのフローチャート(工程図)、 同採寸データ取得方法を用いた測定点及びサイディングプレカットラインを示した建造物躯体部の立面図、 同採寸データ取得方法を実施した際の処理工程を説明するための建造物躯体部の立面図、 同採寸データ取得方法を実施した際の他の処理工程を説明するための建造物躯体部の立面図、 同採寸データ取得方法の実施時におけるコントローラに備えるディスプレイの表示画面図、 同採寸データ取得方法の実施時におけるコントローラに備えるディスプレイの測定結果を表示した画面図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
最初に、本実施形態に係るサイディングプレカット用採寸データ取得システム1の構成について、図1〜図9(及び図15,図16)を参照して説明する。
図1は、採寸データ取得システム1の使用時の状態を示す。この採寸データ取得システム1は、大別して、測定器2と、一又は二以上の異なるターゲットプレート3o,3a,3b…を備えて構成する。また、測定器2は、図9のブロック系統図に示すように、測定器本体2mと、この測定器本体2mを制御するコントローラ2cにより構成し、この測定器本体2mとコントローラ2cは、無線通信Tmにより接続する。
以下、採寸データ取得システム1における各部の構成について具体的に説明する。図2〜図4に測定器本体2mの外観構成を示すとともに、図5〜図8及び図1に各種ターゲットプレート3o,3a,3b,3c,3dを一例として示す。
まず、測定器2には、レーザ光Cの投射方向Fcを、水平回転軸Rh及び垂直回転軸Rvにより変更可能な三次元測定器2tを用いる。したがって、例示の測定器本体2mは、三次元測定器2tの測定器本体2mtとなる。このように、測定器2に、レーザ光Cの投射方向Fcを、水平回転軸Rh及び垂直回転軸Rvにより変更可能な三次元測定器2tを用いれば、水平回転軸Rh及び垂直回転軸Rvは、モータ等を用いた駆動部により容易に回転制御できるため、測定点に対するレーザ光Cの正確な位置決めを容易かつ迅速に行うことができる利点がある。
三次元測定器2tにおける測定器本体2mtは、下部を構成する基体部21と、この基体部21の上面に配することにより上部を構成する測定部22を備える。基体部21は固定部となる基体下部21dと、この基体下部21dの上に垂直回転軸Rvにより回動自在に支持された基体上部21uを備える。また、基体下部21dには、図9に示すように、測定処理部25,垂直回転軸駆動部26,自動レベリング調整部27,電源部(バッテリ又は商用AC電源等)28及び通信部29等を内蔵する。
この場合、測定処理部25は、CPUや内部メモリ等のハードウェアを用いたコンピューティング機能、即ち、各種データ(信号)に対する演算機能,入出力機能及び記憶機能をはじめ、各部に対する制御機能等を含む各種処理機能を有する。垂直回転軸駆動部26は、駆動モータを内蔵し、図4に示すように、垂直回転軸Rvを回動変位させることにより基体上部21uを正方向Fpv又は逆方向Fnvに回動変位させることができる。自動レベリング調整部27は、測定器本体2mtが水平状態になるように自動で調整する機能であり、実施形態では一例として、基体下部21dの底面に設けた三つの脚部31a,31b,31cをそれぞれ昇降制御する形態を示している。自動レベリング調整部27としては、測定器本体2mtが水平状態になるように自動で調整する機能を有するものであれば、各種形態により構成できる。通信部29は、無線通信方式によりコントローラ2cに内蔵する通信部41に対してデータの相互通信を行うことができる。
一方、測定部22は、基体上部21uの上面に固定した一対の対峙するユニット支持部32p,32qを備え、このユニット支持部32p,32q間に配したセンサユニット33を水平回転軸Rhにより回動自在に支持する。この場合、一方のユニット支持部32pには、水平回転軸駆動部34を内蔵する。この水平回転軸駆動部34は、駆動モータを内蔵し、図3に示すように、水平回転軸Rhを回動変位させることによりセンサユニット33を正方向Fph及び逆方向Fnhに回動変位させることができる。
また、センサユニット33は、水平回転軸Rhに対して平行かつ水平回転軸Rhの法線に対して直角となるパネル面33pを備え、このパネル面33pに、レーザ光Cを投射する投光部及びこの投光部から投射されたレーザ光Cの反射光を受光する受光部を有するレーザ投受部36と、デジタルカメラ機能部Kcのレンズ部を配設する。例示のレーザ投受部36は、測定原理として位相差測定方式を用いている。位相差測定方式では、投光部から投射したパルス光(測定用パス)が測定点で反射するため、反射したパルス光を受光部により受信する。そして、受信した測定用パスと内部の基準パスを比較し、得られる位相差(ランタイム)から測定点までの距離を求める。デジタルカメラ機能部Kcは、通常の撮像機能(カメラ機能)に加え、フォーカス調整機能Kcf,ズーミング調整機能Kcz,アイリス調整機能Kciを備えている。なお、アイリス調整機能Kciは必ずしも設けることを要しない。
他方、コントローラ2cは、測定器本体2mtに対して無線通信機能を有するタブレットにより構成することができる。この場合、コントローラ2cは専用タブレットにより構成してもよいし、汎用性を有するスマートホンやタブレットを使用し、必要なアプリケーションソフトウェアを格納して用いてもよい。コントローラ2cは、図9に示すように、タブレット処理部42を内蔵し、このタブレット処理部42は、CPUや内部メモリ等のハードウェアを用いたコンピューティング機能、即ち、各種データ(信号)に対する演算機能,入出力機能及び記憶機能をはじめ、各部に対する制御機能等を含む各種処理機能を有する。また、コントローラ2cは、通信部41を内蔵し、この通信部41はタブレット処理部42に接続する。さらに、コントローラ2cには、タッチパネル方式のディスプレイ43を備え、このディスプレイ43もタブレット処理部42に接続する。図15及び図16は、ディスプレイ43に表示される画面の一例を示している。
一方、通信部41は、前述したように無線通信Tmにより測定器本体2mtの通信部29に対してデータの相互通信を行うことができる。なお、測定器本体2mとコントローラ2cは、無線通信Tmにより接続する例を示したが、有線通信により接続してもよい。このように、測定器2(三次元測定器2t)を構成するに際し、測定器本体2mと、この測定器本体2mを制御するコントローラ2cにより構成し、測定器本体2mとコントローラ2cを無線通信Tm又は有線通信により接続するようにすれば、一人で作業を行う場合であっても、任意の場所でコントローラ2cを操作し、採寸作業を行うことができるため、測定作業の容易化を図れるとともに、採寸作業における作業性及び利便性をより高めることができる利点がある。また、通信部41は、CADシステム45に対しても無線通信方式によりデータの相互通信を行うことができる。
図5〜図8及び図1には、各種ターゲットプレート3o,3a,3b,3c,3dを示す。各ターゲットプレート3o,3a…は一例であり、建造物躯体部Hにおける様々な位置に着脱可能な各種ターゲットプレート3o,3a…を用意することができ、その種類は任意である。また、各ターゲットプレート3o,3a…は、その基本的構成として、建造物躯体部Hの所定位置に着脱する取付部51とこの取付部51に支持されるターゲットプレート本体部52を備えている。
例示する図5のターゲットプレート3oは、基準ターゲットプレートを兼用しており、図1に示す建造物躯体部Hを構成する角部の胴縁Hpに取付けることができる。このため、取付部51は、二本の平行シャフト51a,51bと、この平行シャフト51a,51bにスライド自在に支持される保持プレート51c,51dと、各保持プレート51c,51dをそれぞれ接近する方向へ付勢するスプリング51e…と、平行シャフト51a,51bの一端部に固定した規制プレート51f等により構成するとともに、ターゲットプレート本体部52は、規制プレート51fに支持される構成を備える。この場合、ターゲットプレート本体部52は、規制プレート51fの面上に直角に突出させるとともに、ターゲットプレート本体部52と規制プレート51f間には回動支持部52sを介在させることにより、ターゲットプレート本体部52の角度を調整可能にしている。ターゲットプレート本体部52は、矩形プレートにより形成し、中央位置には、ターゲットライン52tを設ける。これにより、ターゲットプレート(基準ターゲットプレート)3oは、保持プレート51cと51dにより胴縁Hpを挟んで取付けることができるとともに、規制プレート51fにより角度及び位置を規制することができる。
例示する図6のターゲットプレート3aは、図1に示す建造物躯体部Hにおける窓サッシHsの角部に取付けることができる。したがって、取付部51は、L形の位置決めベース51pと、この位置決めベース51pの中央位置に配した可動クリップ51rと、この可動クリップ51rを弾性支持するクリップ支持部51qにより構成するとともに、ターゲットプレート本体部52は、位置決めベース51pの中央位置に支持される構成を備える。この場合、クリップ支持部51qは、位置決めベース51pの中央位置に設けたガイド孔により、このL形の位置決めベース51pに対して45°の方向にスライド自在に支持される一対のシャフト51qa,51qb及びこのシャフト51qa…を付勢するスプリング51qm…を備え、このシャフト51qa,51qbの先端に可動クリップ51rを支持する構造を備える。また、ターゲットプレート本体部52は、位置決めベース51pの面上に直角に突出させるとともに、ターゲットプレート3oと同様に、ターゲットプレート本体部52と位置決めベース51p間には図に現れない回動支持部を介在させることにより、ターゲットプレート本体部52の角度を調整可能にしている。さらに、ターゲットプレート本体部52は、矩形プレートにより形成し、中央位置には、ターゲットライン52tを設ける。これにより、ターゲットプレート3aは、窓サッシHsの角部の外側に配し、可動クリップ51rを窓サッシHsの角部の内側に圧接させることにより取付けることができる。
図7のターゲットプレート3bは、図6のターゲットプレート3aの変形例であり、ターゲットプレート3aと同様に図1に示す建造物躯体部Hにおける窓サッシHsの角部に取付けることができる。したがって、取付部51は、L形の位置決めベース51hと、この位置決めベース51hの両端にそれぞれ設けたクリップ51i,51j等により構成するとともに、ターゲットプレート本体部52は、位置決めベース51hの中央位置に支持される構成を備える。この場合、ターゲットプレート本体部52は、位置決めベース51hの面上に直角に突出させるとともに、ターゲットプレート3oと同様に、ターゲットプレート本体部52と位置決めベース51h間には回動支持部52sを介在させることにより、ターゲットプレート本体部52の角度を調整可能にしている。また、ターゲットプレート本体部52は、矩形プレートにより形成し、中央位置には、ターゲットライン52tを設ける。これにより、ターゲットプレート3aは、窓サッシHsの角部に配し、窓サッシHsにおけるフランジHsfの縦横部位をそれぞれクリップ51i,51jにより挟んで取付けることができる。
例示する図8のターゲットプレート3cは、図1に示す建造物躯体部Hにおけるベランダ等の張出部Hmの角部に設置することができる。したがって、取付部51は、端面が正方形となる角棒体51mにより構成するとともに、この角棒体51mの一端部(先端部)にターゲットプレート本体部52を設けた構成を備える。例示のターゲットプレート本体部52は、角棒体51mの角部に45°の傾斜面部52cを設けるとともに、当該角部の反対側の角部にL形プレート52dを固定した構成を備える。これにより、ターゲットプレート3cは、傾斜面部52cに加え、直角の折曲ラインを含ませれば、実質的に四つのターゲットポイントを有することになる。
また、図1には、オフセット測定用ターゲットプレート3dを示す。このターゲットプレート3dは、正規の測定点P9からオフセットしたオフセット位置Xwにおけるオフセット測定点P9sの位置を測定することができる。即ち、レーザ光Cが直接届かない測定点P9に対して間接的に測定するためのターゲットプレートとなる。このターゲットプレート3dも取付部51とターゲットプレート本体部52を備える基本的な構成は他のターゲットプレート3o…と同じであるが、ターゲットプレート本体部52はスケール機能を有している。これにより、ターゲットプレート本体部52の基準点を測定点P9にセットし、ターゲットプレート本体部52におけるオフセットした他の測定点P9sをレーザ光Cにより測定できるようにセットすれば、目的の測定点Psの位置を間接的に得ることができる。また、取付部51とターゲットプレート本体部52間には可動アーム52kを介在させている。このようなオフセット測定用ターゲットプレート3dを用いれば、測定器2からのレーザ光Cが届かない、いわば陰になる測定点P9であっても測定器本体2mt(測定器2)の設置位置を変更することなく測定可能になるため、更なる作業能率及び利便性の向上に寄与できる利点がある。
次に、本実施形態に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法について、図1〜図10及び図12〜図16を参照しつつ、図11に示すフローチャートに従い、順を追って説明する。
今、一般住宅に係わる建築工事が施工され、サイディング施工前まで建築工事が進行した場合を想定する(ステップS1,S2)。サイディング施工前とは、下地胴縁工事,軒天工事,電気ガス等の配線及び配管工事が完了した時点となる。図1は、この時点における建造物躯体部Hを示している。そして、この時点が本実施形態に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法を実施する採寸タイミングとなる。
最初に、横基準墨出しを行う(ステップS3)。横基準墨出しは、図13に示すように、採寸を行う壁面Wsに対して、基準墨、即ち、水平基準ラインLoを表示する。図1の仮想線及び図12の点線で示した水平線Khと垂直線Kvは、サイディングの施工位置となる。水平基準ラインLoは、このサイディングの一段目の上端位置(水平線Kh)に表示する。より具体的には、サイディングの施工を開始する最下端位置(土台水切部の上)からサイディング有効幅(例示は455mm幅)+サネ幅の高さLhの位置に水平基準ラインLoを表示する。なお、水平基準ラインLoを簡便に表示する方法としては、レーザ墨出器等を利用した墨書を用いることができる。
横基準墨出しが終了したなら測定器設置台61を壁面Wsの所定位置に取付ける(ステップS4)。例示の測定器設置台61は、図2に示すように、水平に位置させる設置台本体部62と、この設置台本体部62の後端から直角方向上方へ起立した垂直取付部63と、設置台本体部62の所定位置に配設した高さ調整可能な複数(例示は三つ)の脚機構部64a,64b,64cを備える。したがって、測定器設置台61は、複数のネジ65…を利用することにより、垂直取付部63を建造物躯体部Hにおける所定の胴縁Hp等の外面に固定することができる。測定器設置台61の取付位置としては、取付けしやすい高さであること、全ての測定点の位置を測定可能であること、できるだけ多くの測定点に直接レーザ光Cが届くこと、などを考慮して選定できる。図12において、〇印で囲んだ部分が測定点P1,P2,P3…の位置を示している。したがって、〇印で囲んだ、できるだけ多くの位置に対して直接レーザ光Cが届くことが望ましい。
ところで、本実施形態に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法の場合、測定器設置台61の幾何学的設計及び取付位置選定が重要な要素となる。即ち、サイディング施工前における建造物躯体部Hでは、通常、図10に示すように、建造物躯体部Hの周囲に、作業者が作業を行うための足場作業床Aが設置されるとともに、さらに、この足場作業床Aの周囲は保護シートUにより覆われる。したがって、建造物躯体部Hに対して離間した場所からレーザ光Cを投射して測定を行う一般的な測定方法を用いる場合には測定が困難となる。
そこで、本実施形態に係る採寸データ取得方法では、図10に示すように、建造物躯体部Hと足場作業床A間に、通常、30cm程度の隙間(空間)Eが存在することに着目し、この隙間Eを利用してレーザ光Cを投射するようにした。このため、測定器本体2mtから投射されるレーザ光Cが30cm程度の隙間Eを通過可能にする測定器設置台61の幾何学的設計及び取付位置選定が必須となる。この条件を満たすことにより、レーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器本体2mtを、建造物躯体部Hと足場作業床A間の隙間Eに配することができるとともに、ターゲットプレート3o,3a,3b…と組合わせることにより、本実施形態に係る採寸データ取得方法を容易かつ確実に実現することができる。
一方、測定器設置台61の取付けが終了したなら設置台本体部62の上面に測定器本体2mtを設置する(ステップS5)。設置した測定器本体2mtの状態を図2に仮想線で示す。設置が終了したなら、測定器本体2mtに備える自動レベリング調整部27によりレベリング調整を行う(ステップS6)。レベリング調整を行うことにより、正確な水平レベルを確保できるため、水平基準ラインLoの水平度も容易に確認できるなど、水平基準ラインLoを基準にした的確で精度の高い採寸測定を行うことができる。
次いで、測定器本体2mtをコントローラ2cに接続する(ステップS7)。この場合、コントローラ2cの電源をONにし、接続画面を表示させた後、接続キーをタッチしてONにする。これにより接続が完了する。この後、コントローラ2cに測定画面を表示し、最初に基準高を入力する(ステップS8)。例示の場合、サイディングを施工する際の一段目の上端位置、即ち、サイディング有効幅455〔mm〕+サネ幅の高さLh〔mm〕となる水平基準ラインLoの高さLhを入力する。なお、測定上は、この基準高の位置(高さ)が「0mm」レベルとなる。
次いで、基準ターゲットプレート3oの取付けを行う(ステップS9)。基準ターゲットプレート3oは、最初に、図1の左端に位置する測定点(第一基準点)P1に取付ける。取付けに際しては、図1(図10)に示すように、隣接する壁面の端部に位置する胴縁Hpを、一対の保持プレート51c,51dにより挟むことにより取付けることができる。この場合、各保持プレート51c,51dは、スプリング51e…により胴縁Hpに圧接する。この際、ターゲットプレート本体部52のターゲットライン52tを水平基準ラインLoの一端(測定点P1)に対して上下方向位置が一致するように取付ける。これにより、基準ターゲットプレート3oを取付ける際における垂直方向の位置が設定されるとともに、水平方向の位置は、上述した胴縁Hpに取付けた基準ターゲットプレート3o自身により設定される。
この後、コントローラ2cにおけるディスプレイ43の画面を図15に示す測定画像画面Vcに切換える。この測定画像画面Vcではデジタルカメラ機能部Kcにより撮像されるターゲットプレート本体部52の画像が表示されるため、コントローラ2cの移動キーを操作し、垂直回転軸駆動部26及び水平回転軸駆動部34を制御することにより、ターゲットプレート本体部52の画像を測定画像画面Vcの略中央に表示させる。この際、ズーミング調整機能Kczによりズームイン(ズームアップ)するとともに、必要に応じてフォーカス調整機能Kcfにより表示画像の鮮明度を高める。図15は、ズームインされたターゲットプレート本体部52の画像となる。ディスプレイ43には、クロス形のヘアライン43cが重ね表示されるため、ヘアライン43cがターゲットプレート本体部52のターゲットライン52tの中央に位置するように、コントローラ2cの移動キーを操作して微調整を行う。なお、レーザ光Cの投射位置とヘアライン43cの中央位置は一致する。このように、レーザ光Cの投射方向Fcに対して撮象可能なデジタルカメラ機能部Kcを設ければ、このデジタルカメラ機能部Kcにより撮象される測定点の画像を容易に確認できるため、測定点に対するレーザ光Cの位置決めを迅速かつ正確に行うことができるとともに、作業者の利便性を向上させることができる利点がある。
そして、レーザ光Cの投射位置に対する微調整が終了したなら確定キーをONにして基準高を確定させる(ステップS10)。基準高の確定が終了したなら、測定キーをONにして距離(位置)測定を行う。これにより、一番目の測定点P1に係る位置データが第一基準点として取り込まれる(ステップS11)。このデータは採寸データとしてコントローラ2cに登録される。
次いで、基準ターゲットプレート3oを測定点P1から取り外し、図1の右端に位置する測定点(第二基準点)P2に取付ける。取付けに際しては、測定点P1側と同様に、隣接する壁面の端部に位置する胴縁Hpに取付ける(ステップS12)。即ち、ターゲットプレート本体部52のターゲットライン52tを水平基準ラインLoの他端(測定点P2)に対して上下方向位置が一致するように取付ける。
一方、測定器本体2mtに対しては、コントローラ2cを操作し、ズーミング調整機能Kczをズームアウトするとともに、垂直軸回転駆動部26及び水平軸回転駆動部34を制御することにより、レーザ光Cの投射方向を反転させる。そして、ターゲットプレート本体部52の画像をコントローラ2cの画面の略中央に表示させるとともに、ズーミング調整機能Kczによりズームインする。この状態が図11に示す状態となる。以降は、測定点P1側の測定と同様に、レーザ光Cの投射位置に対する微調整を行い、微調整が終了したなら測定キーをONにして距離(位置)測定を行う。これにより、二番目の測定点P2に係る位置データが第二基準点として取り込まれる(ステップS13)。このデータは採寸データDとしてコントローラ2cに登録される。なお、測定点P1側とは異なり、確定キーをONにした基準高の確定は行わない。
この後、コントローラ2cの画面を図16に示す結果表示画面Veに切換え、測定結果に対する測定結果処理を行う(ステップS14)。結果表示画面Veには、測定された第一基準点となる測定点P1と第二基準点となる測定点P2の位置が表示されるとともに、測定点P1と測定点P2間に水平ラインLsが表示される。なお、図16では、全ての測定点P1…に対する測定が終了した時点の画像を示しているが、測定点P2の測定終了時点では、一本の水平ラインLsが表示されるのみであり、以降、各測定点P3…の測定が終了する毎に順次ラインが追加される。また、結果表示画面Veでは、測定点P1と測定点P2の高低差が0mmであることを確認する。この際、誤差があれば、水平基準ラインLoにおける測定点P2側の0レベルを確認し、基準墨(水平基準ラインLo)の打ち直し(補正)を行う。
次いで、各個所における残りの測定点P3…に対する距離(位置)測定を順次行う(ステップS15…)。まず、ターゲットプレート3oを測定点P2から取り外し、測定点P2の上方に位置する次の測定点P3に取付ける(ステップS15)。なお、取付けは、上述した測定点P2に対する取付けと同様に行うことができる。測定点P3では、ターゲットプレート本体部52を回動操作し、レーザ光Cがターゲットプレート本体部52に対して直角方向から入光するように角度を変更する。その他の操作手順は、上述した測定点P1,P2に対する測定時と同様に行い、測定点P3に対する距離(位置)測定を行う(ステップS16)。これにより、測定点P3に係わる位置データが取り込まれる(ステップS13)。このデータは採寸データとしてコントローラ2cに登録される。以降の各測定点P4…に対しても、使用できるターゲットプレート3o,3a,3b,3c…を選択しつつ、順次同様の測定を行う(ステップS17,S15,S16)。
ところで、測定に際しては、必ずしもターゲットプレート3o,3a…を使用しない測定も許容する。例示の場合、図14に示すように、測定点P6は、軒下Hdに直接レーザ光Cを投射することにより測定可能になるため、ターゲットプレート3o,3a…は不要である。なお、測定点P6の位置、具体的には、水平方向距離(X座標)と垂直方向距離(Y座標)は、図14に示すように、測定データから距離「a」と投射角度「θ」が得られるため、[a・cosθ]により、水平方向距離「b」を求めることができるとともに、[a・sinθ]により、垂直方向距離「c」を求めることができる。したがって、位置を測定するとは、位置を特定するX座標の距離とY座標の距離を測定すると同義である。また、正確な測定点P6の位置は、他の測定点P5等から補正も可能である。図16は、最終的に得られた採寸データDに基づいて表示される立面面を示している。
一方、得られた採寸データDは、コントローラ2cに登録されているため、そのままCADシステム45に転送することができる(ステップS18)。転送方法としては、前述したように、コントローラ2cに内蔵する通信部41から無線通信方式により転送してよいし、USBメモリ等の外部メディアを介して転送してもよく、各種転送方式を利用できる。これにより、CADシステム45では、転送された採寸データDに基づいて、サイディングB(図1参照)を得るためのプレカットデータを得るなど、必要な各種データ処理に利用することができる(ステップS19)。
よって、このような本実施形態に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法を用いれば、採寸データDを取得するに際し、測定器本体2mt(測定器2)を設置するとともに、ターゲットプレート3a,3b…(基準ターゲットプレート3oを含む)を取付けた後、コントローラ2c(測定器2)を操作して採寸を行うようにしたため、基本的に、一人の作業者により行うことができる。したがって、大幅な省力化を実現することができ、作業コストの低減を図れるとともに、全体の作業時間の短縮により作業能率の向上を図ることができる。また、レーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器本体2mtを利用するため、基本的に、測定結果はデジタル信号を用いた採寸データDとして得ることができる。したがって、採寸データDを、サイディングをプレカットするための加工用データに変換する場合であっても、CADシステム45に対して容易にデータ入力(データ転送)することができる。この結果、オペレータによるデータ入力作業が不要となるため、更なる作業コストの低減及び作業能率の向上を図ることができるとともに、人為的な入力ミスを回避することにより信頼性及び利便性を向上させることができる。特に、レーザ光Cの投射による測距機能を有する測定器本体2mtは、建造物躯体部Hと足場作業床A間の隙間Eの所定位置に設置できるため、ターゲットプレート3a…と組合わせることにより、上述したサイディングプレカット用採寸データ取得方法を、確実かつ容易に実施することができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、ターゲットプレート3o,3a,3b,3c,3dを例示したが、これらは一例に過ぎず、取付場所の構造等に対応した各種ターゲットプレートを適用できる。一方、測定器2を設置した後、当該測定器2のレベリング調整を行うことが望ましいが、測定器2の種類によっては補正により対応する場合を排除するものではない。また、測定器2は、測定器本体2mと、この測定器本体2mを制御するコントローラ2cにより構成する場合が望ましいが、測定器本体2mとコントローラ2cが一体化された測定器2を排除するものではない。さらに、測定器2には、レーザ光Cの投射方向Fcを、水平回転軸Rh及び垂直回転軸Rvにより変更可能な三次元測定器2tを用いることが望ましいが、同様の機能を有する各種測定器2を利用可能である。他方、水平基準ラインLoは墨書により表示した場合を示したが、テープを貼るなど、他の表示方法を排除するものではない。また、CADシステム45に採寸データDを転送した場合を示したが、アプリケーションソフトをインストールした汎用のパーソナルコンピュータ或いはカッティングマシン等の各種機器類に転送可能である。
他方、例示は、各ターゲットプレート3o,3a…をそれぞれ単品で用意し、順次取付け及び取外しを繰返しながら測定を行う場合を示したが、各ターゲットプレート3o,3a…の一又は二以上について、それぞれ複数組ずつ用意し、複数のターゲットプレート3o…を取付けた後、取付けた複数のターゲットプレート3o…に対して順次測定を行ってもよい。なお、サイディングは、一般にいう窯業系サイディングをはじめ、ALC(軽量気泡コンクリート)パネルや鉄板サイディングなどの材料には限定されない各種サイディングを含む概念である。
本発明に係るサイディングプレカット用採寸データ取得方法及びシステムは、例示した一般住宅をはじめ、モニュメントや施設等、サイディングを適用する各種建造物に係わる建造物躯体部の採寸データを取得する際に利用することができる。
1:サイディングプレカット用採寸データ取得システム,2:測定器,2m:測定器本体,2c:コントローラ,2t:三次元測定器,2mt:測定器本体,3o:ターゲットプレート(基準ターゲットプレート),3a:ターゲットプレート,3b:ターゲットプレート,3c:ターゲットプレート,3d:ターゲットプレート(オフセット測定用ターゲットプレート),B:サイディング,H:建造物躯体部,D:採寸データ,Lo:水平基準ライン,A:足場作業床,E:隙間,C:レーザ光,Xw:オフセット位置,Tm:無線通信,Fc:投射方向,Rh:水平回転軸,Rv:垂直回転軸,Kc:デジタルカメラ機能部

Claims (7)

  1. サイディングをプレカットする際に用いる建造物躯体部の採寸データを取得するためのサイディングプレカット用採寸データ取得方法であって、前記建造物躯体部と足場作業床間の隙間の所定位置に、レーザ光の投射による測距機能を有する測定器を設置するとともに、サイディング施工前における前記建造物躯体部の所定位置に表示することによりサイディングを施工する基準となる水平基準ラインの一端における測定点と他端における測定点に前記レーザ光を反射する基準ターゲットプレートをそれぞれ取付けた後、前記測定器と前記基準ターゲットプレート間の距離及び前記レーザ光の投射方向から前記水平基準ラインの一端における測定点の位置と他端における測定点の位置を測定し、この後、予め選定した複数の測定点に対応するターゲットプレートを順次取付け又は取付けること無しに、前記測定器により当該ターゲットプレートの位置又はターゲットプレートの無い前記測定点の位置を測定し、前記建造物躯体部における採寸データを取得することを特徴とするサイディングプレカット用採寸データ取得方法。
  2. 前記測定器を設置した後、当該測定器のレベリング調整を行うことを特徴とする請求項1記載のサイディングプレカット用採寸データ取得方法。
  3. サイディングをプレカットする際に用いる建造物躯体部の採寸データを取得するためのサイディングプレカット用採寸データ取得システムであって、前記建造物躯体部と足場作業床間の隙間の所定位置に設置可能なレーザ光の投射による測距機能を有する測定器と、サイディング施工前における建造物躯体部の所定位置に表示することによりサイディングを施工する基準となる水平基準ラインの一端における測定点及び他端における測定点に取付可能な前記レーザ光を反射する基準ターゲットプレートと、選定した複数の測定点に対応して取付可能な一又は二以上の異なるターゲットプレートとを備えてなることを特徴とするサイディングプレカット用採寸データ取得システム。
  4. 前記測定器は、測定器本体とこの測定器本体を制御するコントローラにより構成し、測定器本体とコントローラを無線通信又は有線通信により接続してなることを特徴とする請求項3記載のサイディングプレカット用採寸データ取得システム。
  5. 前記測定器は、レーザ光の投射方向を、水平回転軸及び垂直回転軸により変更可能な三次元測定器を用いることを特徴とする請求項3又は4記載のサイディングプレカット用採寸データ取得システム。
  6. 前記測定器は、レーザ光の投射方向に対して撮象可能なデジタルカメラ機能部を備えることを請求項3,4又は5記載のサイディングプレカット用採寸データ取得システム。
  7. 前記ターゲットプレートには、正規の測定点からオフセットしたオフセット位置におけるオフセット測定点の位置を測定可能なオフセット測定用ターゲットプレートを含むことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のサイディングプレカット用採寸データ取得システム。
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