JP2017025237A - 粘着層付き透明曲面材、表示装置、粘着層付き透明曲面材の製造方法及び表示装置の製造方法 - Google Patents

粘着層付き透明曲面材、表示装置、粘着層付き透明曲面材の製造方法及び表示装置の製造方法 Download PDF

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Yutaka Nojiri
裕 野尻
泰則 伊藤
Yasunori Ito
泰則 伊藤
新山 聡
Satoshi Niiyama
聡 新山
和幸 浅野
Kazuyuki Asano
和幸 浅野
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Abstract

【課題】設計、使用態様等の自由度を高め、かつ表示品位を低下させない粘着層付き透明曲面材を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る粘着層付き透明曲面材は、湾曲した透明曲面材と、前記透明曲面材の一方の湾曲面に形成された粘着層と、を備え、前記粘着層は、層状部と前記層状部の全周を囲む堰状部からなり、前記層状部の前記透明曲面材と接する面と反対側の面は、平面又は前記湾曲面の曲率より小さい曲率を有する曲面である。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着層付き透明曲面材、表示装置、粘着層付き透明曲面材の製造方法及び表示装置の製造方法に関する。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の表示パネルの表示面を保護する目的で、表示パネルに粘着層を備えた平板状の透明面材を貼合することが行われている。
たとえば、下記の特許文献1には、表示パネルと貼合した際に表示パネルと粘着層との間に気泡が残存しにくい特性を有する粘着層付き透明面材が提案されている。
国際公開第2014/104231号
近年、表示装置の様々な使用態様が検討されている。例えば、車載のメーター、カーナビゲーション等を含めたセンターコンソール等に表示装置を用いる使用態様が検討されている。センターコンソールは、車の運転席と助手席の間に位置するため高いデザイン性が求められる。センターコンソールには、車の種々の装置を制御するスイッチ等が多数配設されることが多い。そのため、この使用形態における表示装置には、センターコンソール等の形状を限定しないこと、表示装置を含めた種々の部材を効率的に配置できること等の設計の自由度が求められる。
しかしながら、特許文献1に記載の粘着層付き透明面材は、表示パネルの保護を目的としており、表示装置は平板状である。平板状の表示装置をセンターコンソール等に適用する場合、センターコンソールに適用可能な形状が限定される。
平板状の表示装置の場合、平板状の表示装置を収納できるサイズの平面が必要である。一般に、車内の多くは曲面で形成されているため、このサイズの平面を設けることができる部分は限られる。したがって、平板状の表示装置の配設位置を決定した後に、その他の装置を制御するためのスイッチ等の部材の配設位置を決めることとなる。各部材の配設パターンが限定されるため、表示装置を効率的に配設することが難しい。
なお、表示装置の使用態様は、車載に限られない。例えば、店舗のショーウインドウ等に貼合する使用態様が検討されている。この使用態様においても、より曲面に対応でき、高いデザイン性を有する表示装置が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表示装置の設計、使用態様等の自由度を高め、且つ表示パネルに貼合しても、表示パネルの表示品位を低下させない粘着層付き透明曲面材を提供する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、平板状の表示パネルに対して湾曲させた透明曲面材を貼り合せることで、設計、使用態様等の自由度を高めた表示装置を実現できることを見出した。また透明曲面材に対して所定の粘着層を設けることで、表示品位が低下することを抑制できる表示装置を実現できることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用した。
本発明の一つの態様の粘着層付き透明曲面材は、湾曲した透明曲面材と、前記透明曲面材の一方の湾曲面に形成された粘着層と、を備え、前記粘着層は、層状部と前記層状部の全周を囲む堰状部とからなり、前記層状部の前記透明曲面材と接する面と反対側の面は、平面又は前記湾曲面の曲率より小さい曲率を有する曲面である。
本発明の一つの態様の粘着層付き透明曲面材において、前記堰状部が幅の異なる部分を有してもよい。
本発明の一つの態様の粘着層付き透明曲面材において、前記堰状部の幅が、前記堰状部の厚さに応じて異なり、前記堰状部は、所定の厚さを有する第1部分と、前記第1部分より前記堰状部の厚さが薄い第2部分と、を有し、前記第1部分における前記堰状部の幅が、前記第2部分における前記堰状部の幅より広くてもよい。
本発明の一つの態様の粘着層付き透明曲面材において、前記堰状部の延在方向と垂直な面で切断した前記堰状部の断面形状が凹部を有していてもよい。
本発明の一つの態様の粘着層付き透明曲面材の前記堰状部が前記層状部と近接する領域の少なくとも一部において、前記堰状部が前記層状部より突出していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置は、粘着層付き透明曲面材と、前記粘着層付き透明曲面材の前記粘着層側に貼合された表示パネルと、を備える。
本発明の一つの態様の粘着層付き透明曲面材の製造方法は、透明曲面材と、前記透明曲面材の少なくとも一方の表面に形成された粘着層と、前記粘着層の表面を覆う、剥離可能な保護フィルムとを有し、前記粘着層が、前記透明曲面材と接する面と反対側の面が平面又は前記透明曲面材の湾曲面の曲率より小さい曲率を有する曲面である層状部と、前記層状部の全周を囲む堰状部とを有する粘着層付き透明曲面材を製造する方法であって、下記の工程(a)〜(e)を有する。
(a)前記透明曲面材の表面の所定の位置を取り囲むように、堰状部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して前記堰状部を形成する工程。
(b)前記堰状部で囲まれた領域内に、層状部形成用樹脂組成物を供給する工程。
(c)前記層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に、前記保護フィルムが貼着された支持面材を前記保護フィルムが前記層状部形成用硬化性樹脂組成物に接するように重ねて、前記透明曲面材、前記保護フィルム及び前記堰状部で前記層状部形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の前記層状部が密封された積層物を得る工程。
(d)未硬化の前記層状部を硬化させ、前記層状部及び前記堰状部を有する粘着層を形成する工程。
(e)前記支持面材を前記保護フィルムから剥離する工程。
この前記堰状部を形成する工程(a)において、前記堰状部形成用樹脂組成物を塗布した直後に、前記堰状部形成用樹脂組成物を半硬化してもよい。
この前記堰状部を形成する工程(a)において、前記堰状部形成用樹脂組成物を複数回に分けて塗布し、前記堰状部形成用樹脂組成物を積層してもよい。
本発明の一つの態様に係る表示装置の製造方法は、表示パネルと粘着層付き透明曲面材とを、粘着層が表示パネルに接するように重ねて貼合する。
本発明の一つの態様によれば、設計、使用態様等の自由度を高め、且つ表示品位を低下させない粘着層付き透明曲面材を提供できる。本発明の一つの態様によれば、粘着層付き透明曲面材を備え、表示品位に優れた表示装置を提供できる。
第1実施形態の粘着層付き透明曲面材の断面図である。 第1実施形態の粘着層付き透明曲面材を平面視した際の模式図である。 (a)は、図2のA−A方向に沿って切断した際の堰状部付近を模式的に示した図であり、(b)は図2のB−B方向に沿って切断した際の堰状部付近を模式的に示した図である。 第1実施形態の粘着層付き透明曲面材における堰状部と層状部の関係を示す断面模式図である。 第1実施形態の粘着層付き透明曲面材における堰状部と層状部の関係を示す断面模式図である。 透明曲面材と表示パネルとを粘着シートを介して貼合した際の、透明曲面材と表示パネルの間に形成される空隙の様子を示す斜視図である。 透明曲面材と表示パネルとを粘着シートを介して貼合した際の、透明曲面材と表示パネルの間に形成される空隙の様子を示す斜視図である。 本発明の一態様に係る粘着層付き透明曲面材の別の例の模式図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 本発明の一態様に係る粘着層付き透明曲面材の別の例の模式図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 本発明の一態様に係る粘着層付き透明曲面材の製造方法における工程(a)を模式的に示した平面図である。 堰状部形成用樹脂組成物を塗布した後の時間経過に伴う堰状部形成用樹脂組成物の形状変化を模式的に示した図であり、(a)は堰状部形成用樹脂組成物が未硬化の場合であり、(b)は堰状部形成用樹脂組成物が半硬化の場合である。 本発明の一態様に係る粘着層付き透明曲面材の製造方法における工程(c)を模式的に示した平面図である。 第二実施形態の粘着層付き透明曲面材の堰状部付近を拡大した断面図である。 本発明の表示装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を用いて説明する。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
本明細書における「透明」とは、曲面材と表示装置本体の表示面とを粘着層を介して空隙なく貼合した後に、表示装置本体の表示画像の全体又は一部を曲面材を通して視認できる態様を意味する。したがって、表示装置本体から曲面材に入射する光の一部が曲面材により吸収、反射するもの、又は光学的な位相の変化等により曲面材の可視線透過率が低いものであっても、曲面材を通して表示装置本体の画像を視認できるものであれば、「透明」であると言える。
本明細書において、粘着層付き透明曲面材と表示パネルを貼合した際に、人が表示パネルを視認する方向を「視認方向」と言い、その視認方向に対して垂直な面方向を「面内方向」と言う。粘着層付き透明曲面材、表示パネル及び表示装置を視認方向から見ることを「平面視」という。
〈粘着層付き透明曲面材〉
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の粘着層付き透明曲面材1の断面図である。
図1に示すように、第1実施形態の粘着層付き透明曲面材1は、透明曲面材2、遮光部3、粘着層4及び保護フィルム5を備える。粘着層4は、堰状部6と層状部7とからなる。粘着層4の表面を覆う保護フィルム5は、剥離可能である。この保護フィルム5を剥離した後、表示パネルと貼合することで表示装置を製造することができるため、表示装置の前駆体としての役割を果たす。
(透明曲面材)
透明曲面材2は、基準面に対して透明曲面材2の第1面2a及び第2面2bのいずれもが、同じ側に湾曲している透明な板材である。以下、透明曲面材2の粘着層4が形成される側の面を第1面2aとし、粘着層4が形成される面と反対側であって視認される側の面を第2面2bとする。「基準面」とは、透明曲面材2の第1面2aを下にして平坦面上に安定的に載置した際の載置面と平行な面を意味する。
透明曲面材2の湾曲の程度、すなわち曲率は、表示装置の使用態様に合せて決定することができる。
透明曲面材2が曲率を有する方向は、いずれの方向でもよい。例えば、透明曲面材2が矩形の場合は、長手方向に湾曲していてもよいし、短手方向に湾曲していてもよいし、対角方向に湾曲していてもよい。この透明曲面材2が曲率を有する方向は、一方向に限られず複数方向でもよい。例えば、透明曲面材2が矩形の場合は、長手方向及び短手方向に湾曲していてもよい。
透明曲面材2が湾曲する向きは、粘着層4が形成される第1面2aと反対の視認面側から見て凸状でも凹状でもよい。また、凹状の湾曲と凸状の湾曲が組合されていてもよい。例えば、透明曲面材2が矩形の場合に、長手方向が視認面側から見て凹状に湾曲し、短手方向が視認面側から見て凸状に湾曲してもよい。
透明曲面材は、一つの方向に複数回湾曲してもよい。例えば、視認面側から見て凹状の湾曲と凸状の湾曲が交互に繰り返した波状に湾曲してもよい。
透明曲面材2には、ガラス板、樹脂板等を用いることができる。表示装置本体からの射出光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面擦傷性、高い機械的強度を有する観点から、透明曲面材2としてガラス板を用いることが最も好ましい。透明曲面材2として、堰状部6および層状部7を構成する光硬化性樹脂組成物を硬化させる光に対して高い透過率を有する観点でも、ガラス板の使用が好ましい。
ガラス板の例として、ソーダライムガラス等のガラス材料が挙げられる。さらにガラス板として、鉄分がより低く、青みの少ない高透過ガラスがより好ましい。
安全性を高めるために、表面材として強化ガラスを用いてもよい。特に薄いガラス板を用いる場合には、化学強化を施したガラス板を用いることが好ましい。
樹脂板の例としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の透明性の高い樹脂材料が挙げられる。
透明曲面材2の粘着層との界面は、粘着層4との界面接着力を向上させるための表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、たとえば透明曲面材2の第1面2aをシランカップリング剤で処理する方法、フレームバーナーによる酸化炎により酸化ケイ素薄膜を形成する方法等が挙げられる。
透明曲面材2の視認側の第2面2bには、反射防止層を設けてもよい。反射防止層を設けることにより、透明曲面材2と空気界面における光の反射が低減され、表示画像のコントラストを高めることができる。反射防止層は、透明曲面材2の第2面2bに無機薄膜を直接形成する方法や、反射防止層を設けた透明樹脂フィルムを透明曲面材2に貼合する方法によって設けることができる。透明曲面材2は湾曲しているため、透明曲面材2の表面に無機薄膜を直接形成する方法が好ましい。
目的に応じて、透明曲面材2の一部又は全体を着色したり、透明曲面材2の表面の一部又は全体をすりガラス上にして光を散乱させたり、透明曲面材2の表面の一部又は全体に微罪な凹凸等を形成して透過光を屈折又は反射させたりしてもよい。着色フィルム、光散乱フィルム、光屈折フィルム、光反射フィルム等を、透明曲面材2の粘着層4が形成されている面と反対側の表面の一部又は全体に貼合してもよい。
(遮光部)
遮光部3は、表示装置本体を貼合した際に表示装置本体の画像表示領域以外の領域(画像表示領域の外側の領域、以下、「額縁領域」という)が見えないように、表示装置本体に接続されたフレキシブルプリント配線板等の配線部材等を隠す働きをする。本実施形態の場合、遮光部3は、透明曲面材2の第1面2a又は第2面2bのいずれかまたは両方に形成することができる。遮光部3と画像表示領域との視差を低減する点では、粘着層4が形成される第1面2a側の表面に形成することが好ましい。遮光部3は、透明曲面材2の周縁部に枠状に形成されている。遮光部3の内側の開口領域は、表示装置本体を貼合した際に表示装置本体の画像表示領域とほぼ一致する。
透明曲面材2がガラス板の場合、セラミック印刷や有機印刷等の印刷法を用いて遮光部3を形成できる。中でも、有機印刷は、遮光インクを塗布した後の焼成温度が低いため好ましい。遮光部3は、必ずしも印刷法により形成されたものでなくてもよい。たとえば、別途作製した遮光部3と透明曲面材2とを貼合させてもよい。その他、種々の薄膜形成法を用いて遮光部3を形成できる。
(粘着層)
粘着層4の層状部7の透明曲面材1と接する面と反対側の面は、平面又は前記湾曲面の曲率より小さい曲率を有する。そして、粘着層4を平面視すると、粘着層4は所定の領域を占める層状部7と、層状部7の全周を囲む堰状部6とを備える。
層状部7は透明樹脂からなる層である。なお、「層状」とは、透明曲面材2及び表示パネルに対して層状に形成されていることを意味する。すなわち、層状部7自体は、積層構造を有している必要はない。
図1で、層状部7の透明曲面材2と接する面は、透明曲面材2の湾曲面(第1面2a)と同じ曲率を有する。これに対し、層状部7の透明曲面材2と接する面と反対側の面は、平面である。
本明細書において、以下、説明の便宜上、粘着層4における透明曲面材2と反対側の面を上面、粘着層4における透明曲面材2側の面を下面として説明する。実際の使用態様においては、いずれの面が上面となり、いずれの面が下面となってもよい。
図1のように、層状部7の上面が平面であれば、平板状の表示パネルと貼合する際に、表示パネルと層状部7の間に残存する空間を小さくできる。その結果、層状部7と表示パネルとが面で接するので、層状部7と表示パネルの間で空隙の発生を抑制することができる。
図1では、層状部7の上面の形状は、平面として図示したが、貼り合せる表示パネルが湾曲している場合は、湾曲していてもよい。この際、層状部7の上面の曲率は、貼り合わせる表示パネルの曲率に合わせて調整される。層状部7の上面を、表示パネルの湾曲に合せた曲面とすることで、層状部7と表示パネルとが面で接するので、空隙の発生を抑制することができる。
図2は、第1実施形態の粘着層付き透明曲面材を平面視した模式図である。図2に示すように、粘着層4を平面視すると、粘着層4は所定の領域を占める層状部7と、層状部7の全周を囲む堰状部6とを備える。
粘着層4の断面構造において、層状部7の厚さは、最も薄い部分で0.03mm〜2mmであることが好ましい。層状部7の厚さは、0.1mm〜0.8mmであることがより好ましい。層状部7の最も薄い部分の厚さが0.03mm以上であれば、透明曲面材2側からの外力による衝撃等を層状部7が効果的に緩和して、表示パネルを保護できる。層状部7の最も薄い部分の厚さが2mm以下であれば、使用する樹脂量が不要に多くなることを避け、層状部7と透明曲面材2又は表示パネルとの間に空隙が残留しにくくなる。層状部7の厚さを調節する方法としては、堰状部6の厚さを調節するとともに、透明曲面材2に供給する樹脂組成物の量を調節する方法が挙げられる。
堰状部6は、層状部7の全周を囲い、後述する製造工程において層状部7を形成する層状部形成用樹脂組成物が堰状部6の外部に流れ出ることを抑制する。第1実施形態においては、堰状部6の形状は特に限定されない。
図2で示すように、透明曲面材2を平面視した際に、堰状部6は、幅の異なる部分を有していることが好ましい。すなわち、堰状部の幅は堰状部6の全体で不均一であることが好ましい。堰状部6の幅は、全体の中で最も広い幅(L1)に対する最も狭い幅(L2)の比(L2/L1)が、0.01〜1であることがより好ましく、L2/L1は0.1〜1であることがさらに好ましい。L2/L1がこの範囲内であれば、表示装置を視認した際に、幅の広い部分が視認されることを避けることができ、意匠性を高めることができる。また堰状部6及び層状部7を形成するための樹脂量が増加することを抑制することができる。堰状部の幅は、最も幅が広い部分で、0.5mm〜50mmが好ましい。
さらに、堰状部6の幅は、堰状部6の厚さ(高さ)に依存して異なることが好ましい。
なお、本明細書において、「堰状部の厚さ(高さ)」とは、堰状部6を平面視した際の幅方向中央における堰状部6の厚さ(高さ)を意味し、「堰状部の幅」とは、堰状部6を平面視した際の幅を意味する。
図3(a)は、図2の直線A−Aに沿って切断した際の堰状部付近を模式的に示した図であり、図3(b)は図2の直線B−Bに沿って切断した際の堰状部付近を模式的に示した図である。直線A−Aは、堰状部6の幅が広い部分を通る任意の直線であり、直線B−Bは、堰状部の幅が狭い部分を通る任意の直線である。図2では、平面視矩形の透明曲面材2が長手方向に湾曲している。湾曲方向は、短手方向の辺と平行かつ長手方向中点を通る直線を中心に紙面手前方向に凸状である。そのため、堰状部6の厚さが最も厚くなる部分は短手方向と平行な直線部分であり、堰状部6の厚さが最も薄くなる部分は長手方向の中央線と交差する部分である。
この堰状部6における層状部7の厚みが厚くなる部分に隣接する部分は、特許請求の範囲における第1部分に対応し、堰状部6における層状部7の厚みが薄くなる部分に隣接する部分は、特許請求の範囲における第2部分に対応する。換言すると、直線A−Aと堰状部6が交差する部分は、特許請求の範囲における第1部分に対応し、直線B−Bと堰状部6が交差する部分は、特許請求の範囲における第2部分に対応するともいえる。
上述のように、湾曲する透明曲面材2に形成される層状部7の上面は、平面又は曲率の小さい曲面であることが好ましい。すなわち、層状部7を堰き止める堰状部6の高さは、層状部7が曲率を有していたとしても透明曲面材2の湾曲の影響を最も大きく受ける。したがって、堰状部6の高さは、湾曲に合せて変化させることが好ましい。形成される層状部7の厚みが厚い部分は、堰状部6の高さ(h1)が高くなり、形成される層状部7の厚みが薄い部分は、堰状部6の高さ(h2)が低くなる。
図3(a)に示す堰状部6の第1部分6Aの幅(w1)は、図3(b)に示す堰状部6の第2部分6Bの幅(w2)より広い。堰状部6の高さ(h1)が高い部分の付近では、層状部7の厚みが厚く、層状部7を形成する層状部形成用樹脂組成物の量が多くなる。後述するが、保護フィルム5と粘着層4を貼合する際には、層状部7を形成する層状部形成用樹脂組成物は、堰状部6で囲まれる領域内に広がる。堰状部6の高さ(h1)が高い部分は、堰状部6の高さ(h2)が低い部分と比べて、多くの層状部形成用樹脂組成物によって押されるため、高い圧力が加わる。
堰状部6の上面は、基準面と平行な平坦面となるように調整されるが、完璧な平坦面とすることは難しい。そのため、平坦面には僅かに凹凸が形成され、貼合する保護フィルム5と堰状部6の間にわずかな隙間が残存する場合がある。この場合に、高い圧力が加わる第1部分6Aでは、層状部7を形成する層状部形成用樹脂組成物が堰状部6で囲まれる領域の外側に漏れ出す可能性が高まる。層状部形成用樹脂組成物が堰状部6で囲まれる領域の外側に漏れ出すと、その漏れ出た体積分だけ層状部7と貼合する保護フィルム5の間に空隙が発生するおそれがある。
第1部分6Aの堰状部6の幅を第2部分6Bの堰状部6の幅より広く設定しておくと、堰状部6で囲まれる領域の外側に層状部形成用樹脂組成物が漏れ出すことを抑えることができる。つまり、保護フィルム5と粘着層4の間に空隙が発生することを避けることができる。
第1部分6Aの堰状部6の幅を第2部分6Bの堰状部6の幅より広く設定することで、堰状部6で囲まれる領域の外側に層状部形成用樹脂組成物が流れることが抑制できるのは、以下の理由と考えられる。
層状部形成用樹脂組成物が、堰状部6で囲まれる領域外に漏れ出すためには、堰状部6の幅分の距離を流れる必要がある。そのため、堰状部6の幅が狭いと、堰状部6の上面には僅かな凹凸が形成されるだけでも、貼合する保護フィルム5と堰状部6の間にわずかな隙間が形成され、層状部形成用樹脂組成物が堰状部6で囲まれる領域外に漏れ出すことがある。これに対し、堰状部6の幅が厚いと、堰状部6の上面には僅かな凹凸が形成されても、堰状部6の幅方向の別の部分において、貼合する保護フィルム5と堰状部6が密着している。その結果、層状部形成用樹脂組成物が堰状部6で囲まれる領域外に漏れ出すことを抑制することができる。すなわち、高い圧力が加わる可能性の高い第1部分6Aの幅を、第1部分6Aと比較して高い圧力が加わらない第2部分6Bの幅に対して広く設定することが好ましい。
ここで、堰状部6は、塗布された堰状部形成用樹脂組成物を硬化することで形成される。堰状部形成用樹脂組成物は、塗布後一定時間経過後には、その表面張力により一定の形状となる。そのため、堰状部6の幅と高さはおおよそ一定の関係を有する。この幅と高さの関係は、透明曲面材2に対する堰状部形成用樹脂組成物の接触角や、堰状部形成用樹脂組成物の表面張力等によって決まる。堰状部6の高さ(h1)が高い部分における堰状部の幅(w1)を、堰状部6の高さ(h2)が低い部分における堰状部の幅(w2)より広くすることは、特別な作業を行わなくても容易に実現することができる。
次いで、粘着層4を構成する層状部7と堰状部6の厚さの関係について説明する。
粘着層4の堰状部6と層状部7が近接する領域7aの少なくとも一部においては、図4に示すように、堰状部6と層状部7が近接する領域7aの少なくとも一部において堰状部6の上面が層状部7の上面より突出していることが好ましい。ここで「近接する領域7a」とは、例えば、堰状部6を平面視した際の幅方向中央における堰状部6の厚みB分だけ、堰状部6と層状部7が接する部分のうち最も外側の部分から堰状部6の長手方向に対して垂直かつ層状部7が拡がる内側方向に進んだ領域を意味する。そのため、図5に示すように、近接する領域7aを超えた位置で、堰状部6の上面より、層状部7の上面が突出している領域が形成されていてもよい。
堰状部6と層状部7が近接する領域の少なくとも一部において、堰状部6の上面が層状部7の上面より突出していることで、表示パネルと透明曲面材とを減圧雰囲気下で貼合する場合に、貼合界面の気泡の発生を低減できる。
図6に示すように、減圧雰囲気下にて、表示パネル61と透明曲面材2とを粘着シート100を介して貼合した際に、表示パネル61又は透明曲面材2と粘着層シート100との界面に独立した空隙110が形成されることがある。しかしながら、この表示パネル61と透明曲面材2の積層体を大気圧雰囲気下に戻すと、空隙110内の圧力(減圧雰囲気のまま)と粘着シート100にかかる圧力(大気圧)との差圧によって、空隙110の体積が減少する。そして微細化された空隙110の気体が粘着シート100に吸収されるなどして消失する。
これに対し、図7に示すように、表示パネル61と透明曲面材2で挟まれる粘着シート100の周縁部に、その一部が外部に開放された空隙120が形成されることがある。この場合、減圧雰囲気下にて表示パネル61と透明曲面材2とを粘着シート100を介して貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、その一部が外部に開放されている空隙120内も大気圧に戻ってしまう。そのため、空隙120を上述のように差圧により微細化することができず、空隙120が粘着シート100内に残存することがある。
ここで、堰状部6と層状部7が近接する領域7aの少なくとも一部において、堰状部6の上面が層状部7の上面より突出するように形成すると、堰状部6によって層状部7内に形成された空隙を遮り、一部が外部に開放された空隙の発生を抑制することができる。すなわち、減圧雰囲気下にて表示パネル61と透明曲面材2とを粘着層4を介して貼合した際に生じた空隙は、大気圧雰囲気下に戻した際の差圧により微細化する。そして、粘着層4に吸収されるなどして消失する。
粘着層4において、堰状部6が層状部7に対して透明曲面材2と反対方向へ突出する突出高さh3(図4、図5参照)は、0.005mm以上であることが好ましく、0.01mm以上であることがより好ましい。この範囲であれば、空隙の一部が外部に開放されることを抑制することができる。
これらの高さの差は、レーザー変位計(キーエンス性、LK−G80)や、表面粗さ形状測定機(東京精密社製、SURFCOM 1440D−12)などを用いて測定することができる。
粘着層4を構成する層状部7及び堰状部6に用いる材料の特徴について説明する。
層状部7の25℃で1Hzにおけるせん断弾性率は、10〜10Paが好ましく、10〜10Paがより好ましい。更に、貼合時の空隙をより短時間に消失させるためには、10〜10Paが特に好ましい。せん断弾性率が10Pa以上であれば、層状部7の形状を維持できる。層状部7の厚さが比較的厚い場合であっても、層状部7の表示パネルとの貼合面を平坦化することができる。そのため、粘着層付き透明曲面材1と表示パネルとを貼合する際に、表示パネルと粘着層1との界面に空隙が発生しにくい。せん断弾性率が10Pa以上であると、後述する保護フィルムを剥離する際に層状部7の変形を抑えやすい。せん断弾性率が10Pa以下であれば、表示パネルと貼合させた場合に層状部7が良好な密着性を発揮できる。層状部7を形成する樹脂材の分子運動性が比較的高いため、減圧雰囲気下にて表示パネルと粘着層付き透明曲面材1とを貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、空隙内の圧力(減圧のまま)と層状部7にかかる圧力(大気圧)との差圧によって空隙の体積が減少しやすくなり、また、体積が減少した空隙内の気体が層状部7に溶解し、吸収されやすい。
堰状部6の25℃で1Hzにおけるせん断弾性率は、層状部7の25℃におけるせん断弾性率よりも大きいことが好ましい。堰状部6のせん断弾性率が、層状部7のせん断弾性率よりも大きければ、図6に示すように、表示パネル61と透明曲面材2とを貼合する際に、粘着層の周縁部において、表示パネル61と粘着層との界面に空隙110が残存していても、空隙110が外部に開放されにくく、独立した空隙110となりやすい。よって、減圧雰囲気下にて表示パネル61と透明曲面材2とを貼合した後、これを大気圧雰囲気下に戻した際に、空隙110内の圧力(減圧のまま)と粘着層にかかる圧力(大気圧)との差圧によって空隙110の体積が減少し、空隙110は消失しやすい。
また、堰状部6のせん断弾性率を層状部7のせん断弾性率よりも大きくすることで、図4に示すように、堰状部6が層状部7と近接する領域の少なくとも一部において、透明曲面材2と反対方向に堰状部6が層状部7より突出した、粘着層付き透明曲面材1を製造しやすくなる。
層状部7及び堰状部6の25℃で1Hzにおけるせん断弾性率は、レオメーター(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR−301)を用い、測定スピンドルと透光性の定板の隙間に未硬化の層状部形成用樹脂組成物又は堰状部形成用樹脂組成物を配置し、硬化に必要な熱や光を未硬化の層状部形成用樹脂組成物又は堰状部形成用樹脂組成物に加えながら硬化過程のせん断弾性率を測定する。所定の硬化条件及び所定の厚みにおける計測値を層状部7及び堰状部6のせん断弾性率とした。
(保護フィルム)
保護フィルム5は、粘着層4と強固に密着せず、後述する本発明の製造方法において支持面材に貼着できる物性を有するものが好ましい。よって、保護フィルム5としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等からなる密着性の比較的低い基材フィルムの片面が粘着面とされた自己粘着性保護フィルムが好ましい。保護フィルム5の粘着面の粘着力は、アクリル板に対する剥離速度300mm/分での180°剥離試験における50mm幅の試験体にて0.01〜0.1Nが好ましく、0.02〜0.06Nがさらに好ましい。粘着力が0.01N以上あると支持面材への貼着が可能であり、0.1N以下であると支持面材から保護フィルム5を剥離させることが容易である。
保護フィルム5の好適な厚さは、用いる樹脂により異なる。ポリエチレン、ポリプロピレン等の比較的柔軟な樹脂を用いる場合には、0.04〜0.2mmが好ましく、0.06〜0.1mmがさらに好ましい。これらの樹脂を用いる場合、保護フィルムの厚さが0.04mm以上であると粘着層4から保護フィルム5を剥離する際に保護フィルム5の変形を抑えることができる。また、これらの樹脂を用いる場合、保護フィルムの厚さが0.2mm以下であると剥離時に保護フィルム5が撓みやすく剥離させることが容易である。さらに、保護フィルム5の粘着面とは反対側の裏面に背面層を設けると、粘着層4からの剥離をさらに容易にできる。
支持面材への保護フィルム5の貼着は、ロール状の巻物として供給される保護フィルム5を、ゴムロール等を用いて支持面材に貼合させることによって行われる。
この時、支持面材と保護フィルム5の粘着面の間に空隙が発生しないように、ゴムロールを支持面材に押しあてたり、減圧空間で貼合させることができる。粘着層4からの剥離時に保護フィルム5の端部を担持しやすいよう、支持面材よりも一回り大きな保護フィルム5を用いることが好ましい。
(その他の態様)
ここまでは、透明曲面材が曲率を有する方向が一方向で、かつ視認面側に凹状に湾曲した場合を示した。
粘着層付き透明曲面材1は、この他にも種々の態様とすることができる。
図8は、本実施形態に係る粘着層付き透明曲面材の別の例の模式図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。図8(a)の断面は、短手方向の中心を通り、長手方向と平行な直線で切断した面である。
図8(a)及び図8(b)に示す粘着層付き透明曲面材11は、透明曲面材が矩形で、その長手方向に曲率を有する点は、第1実施形態の粘着層付き透明曲面材1と同一である。一方で、透明曲面材12が視認面側に凸状に湾曲している点が、透明曲面材2が視認面側に凹状に湾曲する第1実施形態における粘着層付き透明曲面材1と異なる。その結果、粘着層14の厚みが厚い部分と薄い部分の関係が第1実施形態における粘着層付き透明曲面材11と異なる。その他の構成は、第1実施形態の粘着層付き透明曲面材1と同様である。
図1に示す粘着層付き透明曲面材1は、視認面側に凹状に湾曲しているため、その両端において最も粘着層4の厚みが厚くなる。これに対し、図8(a)に示す粘着層付き透明曲面材11は、視認面側に凸状に湾曲しているため、その長手方向中央において最も粘着層14の厚みが厚くなる。この実施形態においては、粘着層付き透明曲面材11を平面視した際に、長手方向中央において堰状部16の幅は最も広く、短手方向に平行な両辺において堰状部16の幅は最も狭い。つまり、図2に示す粘着層付き透明曲面材1と図8(b)に示す粘着層付き透明曲面材11とは、堰状部6の幅が広い部分と狭い部分の関係がちょうど反転している。
上述のように、透明曲面材2が湾曲する曲率を有する方向は、一方向に限られない。図9は、本実施形態に係る粘着層付き透明曲面材の別の例の模式図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図9(a)及び(b)に示す粘着層付き透明曲面材21は、透明曲面材22が平面視矩形で、その長手方向にも短手方向にも曲率を有する。透明曲面材22は、長手方向及び短手方向のいずれにも視認面側に凹状に湾曲している。その結果、粘着層24の厚みは、その中央部で最も薄く、矩形の対角方向の4隅で最も厚くなる。この場合、図9(b)に示すように、粘着層付き透明曲面材21の平面視において、堰状部26の4つの角部において堰状部26の幅が最も広く、長手方向の中央部及び短手方向の中央部において堰状部26の幅が最も狭い。
図9では、長手方向及び短手方向のいずれにも視認面側に凹状に湾曲している場合を図示したが、長手方向及び短手方向のいずれにも視認面側に凸状に湾曲している場合でもよい(図示略)。この場合、粘着層付き透明曲面材を平面視すると、堰状部によって形成される4つの角部において堰状部の幅が最も狭く、長手方向の中央部及び短手方向の中央部において堰状部の幅が最も広い。
以上説明した第1実施形態における粘着層付き透明曲面材にあっては、透明曲面材の少なくとも一方の表面に粘着層が形成されている。そのため、他の面材(表示パネル等)と1回の貼合工程で製品を製造できる。
また、透明曲面材の寸法に合わせた粘着層が形成されている。そのため、従来の粘着シートとは異なり、透明曲面材や他の面材の寸法に合わせて粘着層を裁断する工程を必要としない。特に、せん断弾性率の小さい粘着層を透明曲面材上に形成する場合、裁断時に粘着層の裁断面が変形して裁断面近傍に貼合時の空隙が残存するおそれがない。
粘着層を構成する層状部の透明曲面材との接する面と反対側の面は、透明曲面材の形状に追従せず、表示パネルの貼合する面の形状に合わせて形成される。そのため、層状部と表示パネルとが面で接触し、表示パネルと層状部の間に空隙が発生することを抑制することができる。
<粘着層付き透明曲面材の製造方法>
本実施形態の粘着層付き透明曲面材の製造方法は、下記の工程(a)〜(e)を有する方法である。
(a)透明曲面材の表面の所定の位置を取り囲むように、堰状部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して堰状部を形成する工程。
(b)堰状部で囲まれた領域内に、層状部形成用樹脂組成物を供給する工程。
(c)層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に、保護フィルムが貼着された支持面材を保護フィルムが層状部形成用硬化性樹脂組成物に接するように重ねて、透明曲面材、保護フィルム及び堰状部で層状部形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の層状部が密封された積層物を得る工程。
(d)未硬化の層状部を硬化させ、層状部及び堰状部を有する粘着層を形成する工程。
(e)支持面材を保護フィルムから剥離する工程。
以下、層状部形成用樹脂組成物を「第一組成物」、堰状部形成用硬化性樹脂組成物を「第二組成物」と表記することがある。
本実施形態の製造方法は、透明曲面材と、支持面材に貼着された保護フィルムとの間に液状の第一組成物を封じ込め、この第一組成物を硬化させて層状部を形成する方法である。第一組成物の封じ込めは、透明曲面材のほぼ全面に第一組成物を供給し、その後、支持面材に貼着された保護フィルムを重ねることで行う。
(工程(a))
透明曲面材の表面の周縁部に、液状の第二組成物を塗布して堰状部を形成する。第二組成物の塗布は、印刷機、ディスペンサ等を用いて行われる。図10は、本発明の一態様に係る粘着層付き透明曲面材の製造方法における工程(a)を模式的に示した平面図である。
堰状部6は、第二組成物の未硬化物でもよく、第二組成物の半硬化物でもよい。ここで「半硬化」とは、第二組成物の架橋が一部始まった状態を意味する。
また、堰状部6の高さHに対する幅Wの比であるアスペクト比(W/H)は0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。アスペクト比が小さければ、第二組成物の量が少なくても所定の高さの堰状部を形成できる。
透明曲面材2は、透明曲面材2の湾曲に合せた形状を有する下定盤38に設置される。そして、図10に示すように、透明曲面材2の周縁部の遮光部3に沿ってディスペンサ30等によって第二組成物を塗布する。
本実施形態において、ディスペンサ30は、一対の送りねじ32と、送りねじ32に直交する送りねじ34とからなる公知の水平移動機構によって水平移動が可能となっている。ディスペンサ30が水平移動する4方向のそれぞれに、ディスペンサ30には4灯の露光機31が設置されている。露光機31により、ディスペンサ30が水平移動する方向の後方を光照射でき、第二組成物を塗布した直後に半硬化できる。
堰状部の幅を狭くするためには、第二組成物の粘度を高くする、または、第二組成物の塗布後に半硬化して、第二組成物が流動しにくい程度に粘度を高くすることが好ましい。堰状部の幅を狭くするための第二組成物の粘度および半硬化後の第二組成物の粘度は、100Pa・s〜10000Pa・sであることが好ましい。第二組成物のハンドリング性を高くする観点から、工程(a)は粘度の低い第二組成物を使用し、塗布後に半硬化して粘度を高くすることが好ましい。
図11は、第二組成物を塗布した後の時間経過に伴う第二組成物の形状変化を模式的に示した図であり、図11(a)は第二組成物が未硬化の場合を示したものであり、図11(b)は第二組成物が半硬化の場合を示したものである。図11では、理解を容易にするために、平板2A上に第二組成物を塗布した場合を図示しているが、透明曲面材2に塗布した場合も同様である。
図11(a)に示すように、第二組成物の粘度が低い場合、ディスペンサ30から吐出された第二組成物41は、塗布後、時間の経過と共に面内方向に広がる。これに対し、図11(b)に示すように、ディスペンサ30から吐出された第二組成物41を露光機31で光照射して半硬化させると、半硬化した第二組成物41Aは流動性を失い、面内方向に広がることが抑制される。例えば、第二組成物の粘度が60Pa・sである場合、塗布した後に時間が経過すると第二組成物41の高さHに対する幅Wの比であるアスペクト比は0.1未満となる。これに対し、同様の第二組成物を用いて、塗布後に半硬化すると、アスペクト比を0.1以上とすることができる。これにより、工程(a)で幅の狭い堰状部6の幅を形成できる。
第二組成物を半硬化する方法は、樹脂組成物を硬化する公知の方法を使用できる。例えば、第二組成物が光硬化性組成物である場合、光の照射によって行われる。本実施形態においては、図10に示すとおり、第二組成物を塗布するディスペンサの進行方向の後方に露光機(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)を配置し、ディスペンサで第二組成物を塗布しながら、露光機で紫外線又は短波長の可視光を照射して、光硬化性樹脂組成物を半硬化する。
第二組成物を半硬化させる場合、第二組成物を塗布した直後に露光機31による露光を行うことが好ましい。ここで「直後」とは、第二組成物のアスペクト比が0.1以下になる前に露光を行うことを意味する。第二組成物の種類、粘度等によって、アスペクト比が0.1以下になる時間は異なるため、事前に検討により時間を適宜設定することが出来る。
例えば、第二組成物として、60Pa・sの粘度の樹脂を用いた場合は、塗布後で10秒以内に光照射を行うことが好ましい。
堰状部6は、図2及び図3に示すように、場所によって必要な第二組成物の量が異なる。この第二組成物の量は、ディスペンサ30からの第二組成物の吐出量を変化させる、第二組成物の吐出量が一定としディスペンサ30の送り速度を変化させる、または第二組成物の吐出量を変化させかつディスペンサ30の送り速度を変化させることで調整できる。例えば、堰状部6の幅を広くする部分や厚みを厚くする部分では、吐出量を多くする、または、送り速度を遅くする。これに対し、堰状部6の幅を狭くする部分や厚みを薄くする部分では、吐出量を少なくする、または、送り速度を早くする。
第二組成物の25℃における粘度は、10〜3000Pa・sが好ましい。粘度がこの範囲内にあれば、第二組成物の塗布および塗布後に半硬化することで、所望の高さの堰状部を形成できる。第二組成物の25℃における粘度は、300〜2800Pa・sがより好ましく、800〜2000Pa・sがさらに好ましい。
第二組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
第二組成物は、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物または光および熱硬化性樹脂組成物が好ましい。中でも、第二組成物としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。
第二組成物として好適な光硬化性樹脂組成物としては、硬化性基を有するオリゴマー(A´)、硬化性基を有するモノマー(B´)、および光重合開始剤(D)の混合物が好ましい。また、第二組成物の粘度を調整するため、硬化性基を有さないオリゴマー(C´)を含んでもよい。
オリゴマー(A´)は数平均分子量が、30000〜100000であることが好ましく、40000〜80000がより好ましく、50000〜65000がさらに好ましい。オリゴマー(A´)の数平均分子量が該範囲であれば、第二組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
オリゴマー(A´)の数平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。なお、GPC測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等)のピークが現れる場合は、該ピークを除外して数平均分子量を求める。
オリゴマー(A´)の硬化性基は、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。
オリゴマー(A´)は、硬化性基を1分子あたり平均1.8〜4個有することが好ましい。これにより、第二組成物の硬化性、堰状部の機械的特性を所望の範囲にできる。
オリゴマー(A´)は、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、透明曲面材又は表示パネルとの密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマー(A1)が好ましい。
第二組成物には、硬化性基を有するモノマー(B´)を含むことが好ましい。モノマー(B´)の含有により、第二組成物の粘度を所定の範囲に調整でき、ハンドリング性が向上する。
モノマー(B´)の分子量は、125〜600が好ましく、140〜400がより好ましく、150〜350がさらに好ましい。モノマー(B´)の分子量が125以上であれば、製造工程で減圧雰囲気に置かれる場合があっても、成分の揮発が抑えられる。モノマー(B´)の分子量が600以下であれば、高分子量のオリゴマー(A´)に対するモノマー(B´)の溶解性を高めることができ、第二組成物としての粘度調整を好適に行うことができる。
モノマー(B´)の硬化性基は、付加重合性の不飽和基(アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等)、不飽和基とチオール基との組み合わせ等が挙げられる。硬化速度が速い点および透明性の高い堰状部が得られる点から、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基から選ばれる基が好ましい。
モノマー(B´)は、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。これにより、第二組成物の硬化性および堰状部の機械的特性を所望の範囲にできる。
第二組成物の硬化では、比較的低分子量のモノマー(B´)の硬化性基が、比較的高分子量のオリゴマー(A´)の硬化性基よりも反応性が高くなりやすい。そのため、第二組成物の硬化反応を均質に進めるために、モノマー(B´)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とし、オリゴマー(A´)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
モノマー(B´)は、透明曲面材又は表示パネルと堰状部との密着性や後述する各種添加剤の溶解性の点から、水酸基を有するモノマー(B1´)を含むことが好ましい。
水酸基を有するモノマー(B1´)としては、水酸基数が1〜2であり、炭素数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシメタアクリレート(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等)が好ましく、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。
モノマー(B´)としては、イソシアネート基と反応する基を有さないモノマー(B2´)やイソシアネート基と反応する基および硬化性基を有するモノマー(B3´)が挙げられる。
モノマー(B2´)としては、炭素数8〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ベヘニル(メタ)アクリレート等)、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。
モノマー(B3´)としては、活性水素(水酸基、アミノ基等)および硬化性基を有するモノマーが挙げられ、具体的には、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等)等が挙げられ、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが好ましい。
第二組成物中のオリゴマー(A´)とモノマー(B´)の含有割合は、これらの合量(100質量%)のうち、オリゴマー(A´)を20〜90質量%であり、モノマー(B´)を10〜80質量%であることが好ましい。これにより、第二組成物を硬化して得られる堰状部の耐熱性を良好にでき、透明曲面材と堰状部の密着性を高めることができる。前記含有割合は、オリゴマー(A´)が30〜80質量%で、モノマー(B´)が20〜70質量%であることがより好ましい。これにより、第二組成物の粘度を所定の範囲に調整しやすくなる。
硬化性基を有さないオリゴマー(C´)は、第二組成物の硬化時にオリゴマー(A´)およびモノマー(B´)と硬化反応しないオリゴマーである。オリゴマー(C´)は水酸基を有するオリゴマー(C1´)であることが好ましい。
オリゴマー(C1´)の一分子あたりの平均水酸基数は、0.8〜3個が好ましく、1.8〜2.3個がより好ましい。
オリゴマー(C1´)の水酸基1個当たりの数平均分子量(Mn)は400〜8000が好まし。前記数平均分子量(Mn)が400以上であれば、オリゴマー(C1)の極性が高くなりすぎず、オリゴマー(A´)およびモノモー(B´)との相溶性が得られる。前記数平均分子量(Mn)が8000以下であれば、第二組成物の硬化後の層状部中で、オリゴマー(C1´)を安定化させる効果が得られる。
オリゴマー(C1´)としては、高分子量のポリオール等が挙げられる。オリゴマー(C1)としては、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましい。
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリオキシエチレングルコール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
オリゴマー(C1´)の数平均分子量は、JIS K 1557−1(2007年版)に準拠して測定した水酸基価P(mgKOH/g)と、オリゴマー(C1´)1分子当たりの平均水酸基数Qから、下式(1)にて算出した値である。
オリゴマー(C1´)の分子量=56.1×Q×1000/P (1)
光重合開始剤(D)としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾイン又はベンゾインエーテル系、フォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、キノン系等の光重合開始剤が挙げられる。吸収波長域の異なる2種以上の光重合開始剤(C)を併用することによって、硬化時間をさらに短くすることや、堰状部における表面硬化性を高めることができる。
光重合開始剤(D)の量は、オリゴマー(A´)とモノマー(B´)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜2.5質量部がより好ましい。
第二組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、光硬化促進剤、連鎖移動剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤等)、顔料、染料等の他の添加剤を含んでいてもよく、重合禁止剤、光安定剤等を含むことが好ましい。重合禁止剤を重合開始剤より少ない量含むことによって、第二組成物の安定性を改善でき、硬化後の層状部の分子量も調整できる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン系(2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等)、カテコール系(p−t−ブチルカテコール等)、アンスラキノン系、フェノチアジン系、ヒドロキシトルエン系等の重合禁止剤が挙げられる。
光安定剤としては、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチレート系等)、ラジカル捕獲剤(ヒンダードアミン系)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、リン系、イオウ系の化合物が挙げられる。
他の添加剤の合計量は、オリゴマー(A´)とモノマー(B´)との合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(工程(b))
工程(a)の後、図10に示す堰状部6で囲まれた領域44に液状の第一組成物を供給する。
第一組成物の供給量は、堰状部、透明曲面材および保護フィルムによって形成される空間が第一組成物によって充填され、かつ透明曲面材と保護フィルムとの間を所定の間隔とする(すなわち層状部を所定の厚さとする)だけの分量にあらかじめ設定する。この際、第一組成物の硬化収縮による体積減少をあらかじめ考慮することが好ましい。よって、分量は、層状部の所定厚さよりも第一組成物の厚さが若干厚くなる量が好ましい。
第一組成物の供給は、透明曲面材2を透明曲面材2の湾曲に合せた形状を有する下定盤38に設置し、水平方向に移動するディスペンサ30によって第一組成物を線状、帯状又は点状に供給することによって実施される。
ディスペンサ30は、領域44の全範囲において水平移動可能となっている。なお、ディスペンサ30の代わりに、ダイコータを用いてもよい。
第一組成物の25℃における粘度は0.05〜50Pa・sが好ましく、1〜20Pa・sがより好ましい。前記粘度が0.05Pa・s以上であれば、第一組成物を塗布後で硬化するまでの間、第一組成物の形状を保持できる。粘度が50Pa・s以下であれば、層状部に空隙が残留しにくい。
第一組成物の粘度は、25℃においてE型粘度計を用いて測定する。
第一組成物は、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物または光および熱硬化性樹脂組成物が好ましい。中でも、第一組成物としては、低温で硬化でき、かつ硬化速度が速い点から、硬化性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物が好ましい。
第一組成物として好適な光硬化性樹脂組成物としては、硬化性基を有するオリゴマー(A)、硬化性基を有するモノマー(B)、および光重合開始剤(D)の混合物が好ましい。また、第一組成物の硬化後の層状部のせん断弾性率を所望の範囲に調整するため、硬化性基を有さないオリゴマー(C)を含むことが好ましい。
オリゴマー(A)の数平均分子量は、1000〜100000が好ましく、10000〜70000がより好ましい。オリゴマー(A)の数平均分子量が該範囲であれば、第一組成物の粘度を前記範囲に調整しやすい。
オリゴマー(A)の数平均分子量は、GPC測定によって得られた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。なお、GPC測定において、未反応の低分子量成分(モノマー等)のピークが現れる場合は、該ピークを除外して数平均分子量を求める。
オリゴマー(A)の硬化性基は、オリゴマー(A´)と同様の硬化性基が好ましい。
オリゴマー(A)は、硬化性基を1分子あたり平均1.8〜4個有するものが好ましい。これにより、第一組成物の硬化性および層状部の機械的特性を所望の範囲にできる。
オリゴマー(A)としては、ウレタン結合を有するウレタンオリゴマー、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン鎖の分子設計等によって硬化後の樹脂の機械的特性、透明曲面材又は表示パネルとの密着性等を幅広く調整できる点から、ウレタンオリゴマーが好ましい。
モノマー(B)の分子量は、125〜600であり、140〜400が好ましい。モノマー(B)の分子量が125以上であれば、後述する減圧雰囲気下におけるモノマーの揮発が抑えられる。モノマー(B)の分子量が600以下であれば、透明曲面材又は表示パネルと層状部との密着性が良好となる。
モノマー(B)の硬化性基としては、モノマー(B´)と同様の硬化性基が好ましい。
モノマー(B)は、硬化性基を1分子あたり1〜3個有するものが好ましい。これにより、第一組成物の硬化性、層状部の機械的特性を所望の範囲にできる。
また、第二組成物の硬化と同様に、第一組成物の硬化反応を均質に進めるために、モノマー(B)の硬化性基を比較的反応性の低いメタクリロイルオキシ基とし、オリゴマー(A)の硬化性基を比較的反応性の高いアクリロイルオキシ基とすることがより好ましい。
モノマー(B)は、透明曲面材又は表示パネルと層状部との密着性の点から、水酸基を有するモノマー(B3)を含むことが好ましい。
水酸基を有するモノマー(B3)としては、第二組成物におけるモノマー(B3)と同様のものが挙げられ、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが特に好ましい。
モノマー(B3)を含有する場合、モノマー(B3)の含有割合は、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、15〜70質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。モノマー(B3)の割合が15質量%以上であれば、第一組成物の硬化性、透明曲面材又は表示パネルと層状部との密着性が良好となる。
モノマー(B)は、層状部の機械的特性の点から、炭素数8〜22のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(以下、モノマー(B4)という)を含むことが好ましい。モノマー(B4)としては、n−ドデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、n−ベヘニルメタクリレート等が挙げられる。中でもモノマー(B4)は、n−ドデシルメタクリレートおよびn−オクタデシルメタクリレートが好ましい。
モノマー(B4)を含有する場合、モノマー(B4)の含有割合は、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。モノマー(B4)の割合が5質量%以上であれば、層状部の柔軟性が良好となる。
オリゴマー(A)の割合は、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計(100質量%)のうち、20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。オリゴマー(A)の割合が20質量%以上であれば、層状部の耐熱性が良好となる。オリゴマー(A)の割合が60質量%以下であれば、第一組成物の硬化性および透明曲面材又は表示パネルと層状部との密着性が良好となる。
第一組成物に含まれる光重合開始剤は、第二組成物に含まれる光重合開始剤(C)と同様の光重合性開始剤を使用できる。また、光重合性開始剤の含有量は、オリゴマー(A)とモノマー(B)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜2.5質量部がより好ましい。
第一組成物は、連鎖移動剤を含むことが好ましい。連鎖移動剤を含むことによって、層状部の、25℃におけるせん断弾性率を10〜10Paに調整しやすい。
連鎖移動剤としては、チオール基を有する化合物(n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等)が挙げられる。
連鎖移動剤の量は、オリゴマー(A')とモノマー(B')との合計100質量部に対して、0.1〜4質量部が好ましく、0.3〜2質量部がより好ましい。
一方、第一組成物に含まれる、オリゴマーやモノマー又はその他の添加剤などの種類や割合によって、連鎖移動剤を含むことなく、層状部の、25℃におけるせん断弾性率を10〜10Paに調整できる場合には、第一組成物は、連鎖移動剤を含まなくてもよい。
第一組成物は、必要に応じて、熱線吸収剤、重合禁止剤、光硬化促進剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカル捕獲剤等)、酸化防止剤、難燃化剤、接着性向上剤(シランカップリング剤等)、顔料、染料等の他の添加剤を含んでいてもよく、重合禁止剤、光安定剤等を含むことが好ましい。特に、重合禁止剤を重合開始剤より少ない量含むことによって、第一組成物の安定性を改善でき、硬化後の層状部の分子量も調整できる。
他の添加剤の合計量は、オリゴマー(A’)とモノマー(B’)との合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
硬化性基を有さないオリゴマー(C)は、第一組成物の硬化時にオリゴマー(A)およびモノマー(B)と硬化反応しないオリゴマーである。オリゴマー(C)は第二組成物の任意成分であるオリゴマー(C´)と同様のオリゴマーを使用できる。
第一組成物に含まれるオリゴマー(C)は、水酸基を有するオリゴマー(C1)であることが好ましい。オリゴマー(C1)は第二組成物の任意成分であるオリゴマー(C1´)と同様のオリゴマーである。
第一組成物にオリゴマー(C)を含有する場合、オリゴマー(A)、モノマー(B)およびオリゴマー(C)の含有割合は、質量%の比率で、オリゴマー(A):モノマー(B):オリゴマー(C)が6〜80:3〜70:10〜70が好ましい。この範囲にあれば、第一組成物の粘度を所定の範囲にできる。
堰状部6が層状部7と近接する領域の少なくとも一部において、透明曲面材2と反対方向に堰状部6が層状部7より突出させる手段の一つとしては、第二組成物の硬化時の収縮率が、後述する第一組成物の硬化時の収縮率より小さくなるように、第二組成物および第一組成物を設計する。第一組成物を硬化してなる層状部7には、硬化時の収縮率に応じた収縮応力が層状部7の厚さ方向に残留していると考えられ、後述する工程(e)において支持面材を保護フィルムから剥離することで層状部7に残留する厚さ方向の収縮応力により層状部の厚さがわずかに減少する。第二組成物より硬化時の収縮率の大きい第一組成物を用いることで、後述する工程(e)において、支持面材を保護フィルムから剥離した後に堰状部6の厚さをわずかに厚くすることができる。
第二組成物の硬化時の収縮率を第一組成物の硬化時の収縮率より小さくする手段の一つは、第二組成物の硬化性基の数を第一組成物の硬化性基の数より少なくすることである。そのためには、第二組成物において(i)分子量の小さい硬化性化合物(モノマー)の含有量を少なくしたり、(ii)分子量の大きい硬化性化合物(オリゴマー)の含有量を多くしたりすればよい。
すなわち、第二組成物の粘度を、第一組成物の粘度より高くすればよい。具体的には、第二組成物の未硬化時の粘度は、第一組成物の未硬化時の粘度の10倍以上が好ましく、100倍以上がより好ましく、300倍以上がさらに好ましい。また、第二組成物を塗布により透明曲面材上に形成するためには、第二組成物の25℃における未硬化時の粘度は、3000Pa・s以下であることが好ましい。
また、堰状部6には、後述する工程(c)において、堰状部6と透明曲面材2との界面、および堰状部6と保護フィルムとの界面から液状の第一組成物が漏れ出さない程度以上の界面密着力、および形状を維持できる程度の固さが必要である。よって、堰状部6には、粘度の高い第二組成物を用いることが好ましい。また、透明曲面材2と表示パネルとの間隔を保持するために、所定の粒子径のスペーサ粒子を第二組成物に配合してもよい。
第一組成物と第二組成物の硬化時の収縮率の差によらずに、堰状部6が層状部7と近接する領域の少なくとも一部において、透明曲面材2と反対方向に堰状部6を層状部7より突出させる手段の一つとしては、例えば以下が提供される。第二組成物の粘度を充分に大きくし、透明曲面材2の周縁部に塗布する高さを、後述する工程(c)における積層後の堰状部の厚みより大きくすることで、積層時における第二組成物の流動による応力が残留した状態で、後述する工程(d)において未硬化の堰状部を硬化させる。このとき、前記残留応力が圧縮応力として硬化後の堰状部に蓄積されることがあり、次に、後述する工程(e)において、支持面材を剥離することで、当該圧縮応力が解放されて、硬化後の堰状部の厚みが、支持面材の剥離前、すなわち工程(c)の積層時の厚みより僅かに大きくなることがある。より粘度の小さい第一組成物では積層時における流動による残留応力はほとんどない。硬化後に支持面材を剥離しても硬化後の層状部の厚みの変化は小さいため、堰状部が層状部と近接する領域の少なくとも一部において、硬化後の堰状部の厚さを層状部の厚みよりも厚くすることができる。
(工程(c))
図12は、本発明の一態様に係る粘着層付き透明曲面材の製造方法における工程(c)を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、工程(c)は減圧装置49内で行う。まず、図12に示すように、透明曲面材2と、保護フィルム5が貼着された支持面材36とを減圧装置49内に搬入する。減圧装置49内の上部には、複数の吸着パッド40を有する上定盤42が配置され、下部には、下定盤38が設けられている。上定盤42は、エアシリンダ46によって上下方向に移動可能とされている。
支持面材36は、保護フィルム5が貼着された面を下にして吸着パッド40に取り付けられる。透明曲面材2は、第一組成物39が供給された面を上にして下定盤38の上に固定される。下定盤38の透明曲面材2が載置される面は、透明曲面材2の湾曲と同様に湾曲していることが好ましい。
この際、上下方向に移動可能なシリンダ46を減圧装置内の下部に設け、シリンダ46の上に第一組成物が供給された透明曲面材2を置いてもよい。この場合、支持面材36は、減圧装置49内の上部に設けられた吸着パッド40に取り付けて、透明曲面材2と支持面材36とを対向させる。透明曲面材2および支持面材36の両方を、減圧装置49内の上下に設けたシリンダ46で支持してもよい。
透明曲面材2および支持面材36を所定の位置に配置した後、減圧装置49の内部を減圧ポンプ48によって減圧して所定の減圧雰囲気とする。可能であれば、減圧操作中又は所定の減圧雰囲気とした後に、減圧装置49内で透明曲面材2および支持面材36を所定の位置に配置させてもよい。
減圧装置49の内部が所定の減圧雰囲気となった後、シリンダ46で支持された支持面材36を下方に移動する。この際、透明曲面材の上の第一組成物の上に、保護フィルム5が貼着された支持面材36を、保護フィルム5が第一組成物に接するように重ね合わせる。
重ね合わせによって、透明曲面材2の表面、支持面材36に貼着された保護フィルム5の表面、および堰状部6で囲まれた空間内に、第一組成物が密封される。
重ね合わせの際、支持面材36の自重、シリンダ46からの押圧等によって、第一組成物が押し広げられ、空間内に第一組成物が充満し、未硬化の層状部7が形成される。その後、工程(d)において高い圧力雰囲気に曝した際に、空隙の少ない又は空隙のない未硬化の層状部7が形成される。
重ね合わせの際の減圧雰囲気は、1kPa以下であることが好ましく、10〜300Paがより好ましく、15〜100Paがさらに好ましい。減圧雰囲気があまりに低圧であると、第一組成物に含まれる各成分(硬化性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、光安定剤等)に悪影響を与えるおそれがある。たとえば、減圧雰囲気があまりに低圧であると、各成分が気化するおそれがあり、また、減圧雰囲気を提供するために時間がかかることがある。
透明曲面材2と支持面材36とを重ね合わせた時点から減圧雰囲気を解除するまでの時間は、特に限定されず、第一組成物の密封後、直ちに減圧雰囲気を解除してもよく、第一組成物の密封後、減圧状態を所定時間維持してもよい。減圧状態を所定時間維持することによって、第一組成物が密閉空間内を流れて透明曲面材2と、支持面材36に貼着された保護フィルム5と間の間隔が均一となり、雰囲気圧力を上げても密封状態を維持しやすくなる。減圧状態を維持する時間は、数時間以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、1時間以内が好ましく、10分以内がより好ましい。
なお工程(c)では、必ずしも減圧する必要はない。透明曲面材2と保護フィルム5が貼着された支持面材36とを重ねあわせる際に、目視で空隙が発生していなければ常圧で重ねあわせてもよい。
(工程(d))
工程(c)の後、未硬化の層状部を硬化させて、前記層状部及び前記堰状部を有する粘着層を形成する。
本実施形態では、工程(c)を減圧雰囲下で行い、工程(d)を50kPa以上の圧力雰囲気下で行う。減圧雰囲気で形成した積層物を 積層物を50kPa以上の圧力雰囲気下に置くと、上昇した圧力によって透明曲面材2と支持面材36とが密着する方向に押圧されるため、積層物内の密閉空間に空隙が存在すると、空隙に未硬化の層状部が流動していき、密閉空間全体が未硬化の層状部によって均一に充填される。
圧力雰囲気は、通常80k〜120kPaである。圧力雰囲気は、大気圧雰囲気であってもよく、それよりも高い圧力であってもよい。未硬化の層状部の硬化等の操作を、特別な設備を要することなく行うことができる点から、大気圧雰囲気が最も好ましい。
積層物を50kPa以上の圧力雰囲気下に置いた時点から未硬化の層状部の硬化を開始するまでの時間(以下、高圧保持時間と記す。)は、特に限定されない。積層物を減圧装置から取り出して硬化装置に移動し、硬化を開始するまでのプロセスを大気圧雰囲気下で行う場合には、そのプロセスに要する時間が高圧保持時間となる。よって、大気圧雰囲気下に置いた時点ですでに積層物の密閉空間内に空隙が存在しない場合、又はそのプロセスの間に空隙が消失した場合は、直ちに未硬化の層状部を硬化させることができる。空隙が消失するまでに時間を要する場合は、積層物を空隙が消失するまで50kPa以上の圧力の雰囲気下で保持する。また、高圧保持時間が長くなっても通常支障は生じないことから、プロセス上の他の必要性から高圧保持時間を長くしてもよい。高圧保持時間は、1日以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、6時間以内が好ましく、1時間以内がより好ましく、さらに生産効率が高まる点から、10分以内が特に好ましい。
ついで、未硬化の層状部および未硬化又は半硬化の堰状部を硬化させることによって、層状部および堰状部を有する粘着層が形成される。この際、未硬化又は半硬化の堰状部は、未硬化の層状部の硬化と同時に硬化させてもよく、未硬化の層状部を硬化する前にあらかじめ硬化させてもよい。
未硬化の層状部および未硬化又は半硬化の堰状部は、光硬化性組成物からなる場合、光を照射して硬化させる。たとえば、光源(紫外線ランプ、高圧水銀灯、UV−LED等)から紫外線又は短波長の可視光を照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させる。
光としては、紫外線又は450nm以下の可視光が好ましい。
透明曲面材の周縁部に遮光印刷部が形成されている場合、又は透明曲面材に反射防止層が設けられ、反射防止層、又は反射防止層を形成した透明樹脂フィルムやその反射防止フィルムと透明曲面材との間に設けられた粘着層等が紫外線を透過しない場合は、支持面材の側から光を照射する。
未硬化の層状部が光硬化性組成物からなる場合で、かつ充分に光硬化させると好適なせん断弾性率が得られない場合、硬化途中で光照射を中断して層状部を形成し、他の面材(表示パネル)と貼合した後に、層状部に再び光照射したり、又は加熱することで層状部の硬化を促進してもよい。加熱することで硬化を促進する場合、光硬化性組成物に微量の熱重合開始剤を含ませてもよい。また、熱重合開始剤を併用しない場合であっても、不完全な光硬化後に加熱保持することで層状部の硬化状態を安定化でき好ましい。
本発明の製造方法は、通常フィルムが耐えうるような低温で行われるため、保護フィルムの保護の点で有利である。
(工程(e))
支持面材を保護フィルムから剥離することによって、充分な粘着力を有する粘着層が、あらかじめ透明曲面材に形成され、かつ透明曲面材と粘着層との界面における空隙の発生が充分に抑えられた、粘着層付き透明曲面材が得られる。
以上説明した本発明の粘着層付き透明曲面材の製造方法にあっては、透明曲面材又は保護フィルムと粘着層との界面に空隙を発生させることなく製造できる。仮に、減圧下で密封した未硬化の層状部に空隙が残存しても、硬化前の高い圧力雰囲気下では密封した未硬化の層状部にもその圧力がかかり、その空隙の体積は減少し、微細化した空隙は粘着層に吸収されるなどして容易に消失する。たとえば、100Pa下で密封した未硬化の層状部中の空隙中の気体の体積は100kPa下では1/1000になると考えられる。空隙中の気体は未硬化の層状部に溶解して吸収されることもあるので、微小体積の空隙中の気体は未硬化の層状部に速やかに溶解して消失する。
また、2枚の面材間の狭くかつ広い面積の空間に流動性の硬化性樹脂組成物を注入する方法(注入法)と比較すると、空隙の発生が少なくかつ短時間に第一組成物を充填できる。しかも、第一組成物の粘度の制約が少なく、高粘度の第一組成物を容易に充填できる。 したがって、層状部のせん断弾性率を低減しやすい比較的高分子量の硬化性化合物を含む高粘度の第一組成物を用いることができる。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態の粘着層付き透明曲面材51の堰状部56付近の断面図である。図13では、理解を容易にするために、保護フィルムを図示していない。
第2実施形態の粘着層付き透明曲面材51は、第1実施形態の粘着層付き透明曲面材1と同様に、透明曲面材52、遮光部53、粘着層54及び保護フィルム(図示略)を備える。粘着層54は、堰状部56と層状部57とからなる。一方で、堰状部56の断面形状が第1実施形態の粘着層付き透明曲面材1の堰状部6と異なる。以下、第1実施形態と同一の構成については説明を省く。
透明曲面材52は、第1実施形態と同様の構成、材料を用いることができる。透明曲面材52の湾曲の程度、曲率を有する方向、視認面側から見て凹状であるか又は凸状であるか等は、第1実施形態における透明曲面材1と同様、種々選択することができる。ここでは、説明の便宜上、図1に示す透明曲面材1と同一のものを用いて説明する。すなわち、図13に示す透明曲面材11は、平面視矩形で、視認面側から見てその長手方向に凹状に湾曲している。
粘着層54は、第1実施形態における粘着層4と、堰状部56の断面形状が異なる以外は同様の構成、材料を用いることができる。すなわち、第2実施形態の粘着層付き透明曲面材51を平面視した構成は、図2と同様になる。
堰状部56は、図13に示すように、その延在方向に垂直な面で切断した断面における断面形状が凹部56aを有する。凹部56aとは、同じ高さの堰状部を1回の塗布で形成する場合に表面張力によって形成されるなだらかな仮想曲線(図13の二点鎖線)からくぼんだ部分を指す。凹部56aは、粘着層付き透明曲面材51を側面側から視認した際は、堰状部56の高さ方向の途中の位置に形成された直線として確認される。
凹部56aは、堰状部形成用樹脂組成物を複数段に積層することで形成される。堰状部56を2段の段構造とすると、堰状部56のアスペクト比を高めることができる。アスペクト比は、堰状部56の幅に対する高さの比を意味する。
例えば、図3(a)に示す第1実施形態における堰状部6(図13の二点鎖線に対応)は、高さh1を得るためにw1の幅を要するのに対し、図13に示す凹部56aを設けた堰状部56は、高さh1を得るためにw3の幅で足る。図13に示すように、w1>w3であるため、凹部56aを設けることで、その幅を狭くすることができる。
堰状部56は、表示パネルと貼合した際に、表示パネルの画像表示領域の外側の領域(額縁部分)と平面視重なる位置に配置される。近年、表示パネルの額縁部分は狭くする試みが進められているため、堰状部56の幅は狭いことが好ましい。
凹部56aを堰状部56に設けることで、堰状部56の体積を小さくすることができる。堰状部56の体積が小さくなることは、堰状部56を形成するために必要な堰状部形成用樹脂組成物の量を減らすことができる。
堰状部56の断面形状は、凹部56aを一つ以上有すればよく、図13の形状に限られない。
図13に示す堰状部56の断面形状は、第1段目56Aと第2段目56Bが2段に重なった形状であるが、2段の構成に限られない。また図13では、第1段目56Aと第2段目56Bの曲率をほぼ同一として図示しているが、第1段目56Aと第2段目56Bの曲率は異なってもよい。例えば、透明曲面材52側の第1段目56Aの曲率を大きくし、第2段目56Bの曲率を小さくしてもよい。
堰状部56は、上述の第二組成物の塗布を二回に分けて行い、第二組成物を二段に積層することによって実現することができる。
例えば堰状部56を形成する部分に沿って、図10に示すディスペンサ30によって第二組成物を塗布しながら、進行後方の露光機31によって第二組成物を半硬化させる。これを1サイクルとすることで、所定の領域を囲む堰状部56の第1段目56Aを形成することができる。この際、第1段目56Aは半硬化しているため、形状は変化しない。次いで、1サイクルと同一の作業を、1回目に塗布した第1段目56Aの上で行う。これにより、第1段目56Aの上に第2段目56Bが形成される。第1段目56Aと第2段目56Bは、同一の材料からなるため接触界面は密着するが、形状は維持される。これにより、堰状部56の高さ方向の途中の位置に凹部56aを形成することができる。
このように、第二組成物を複数回に分けて行うことで、堰状部のアスペクト比を高めることができる。すなわち、第二組成物から得られる堰状部の幅を狭くすることができる。
第2実施形態に係る粘着層付き透明曲面材51は、粘着層54を構成する堰状部56が複数段に形成され、凹部56aを有する。凹部56aを設けることで、堰状部56のアスペクト比を高くすることができ、堰状部56の幅を狭めることができる。堰状部56は、表示パネルの額縁部分と平面視重なる位置に配設されるため、近年の表示パネルの狭い額縁部分にも対応することができる。また凹部56aを堰状部56に設けることで、堰状部56の体積を小さくすることができる。堰状部56の体積が小さくなることは、堰状部56を形成するために必要な堰状部形成用樹脂組成物の量を減らすことに繋がる。
<表示装置>
図14は、本発明の表示装置の一例を示す断面図である。
表示装置60は、表示パネル61と、粘着層4が表示パネル61に接するように、表示パネル61に貼合された、粘着層付き透明曲面材1とを有するものである。粘着層付き透明曲面材は、第1実施形態、第2実施形態のいずれも用いてもよいが、以下、第1実施形態の粘着層付き透明曲面材1を例に説明する。
表示装置60は、透明曲面材2と、表示パネル61と、透明曲面材2および表示パネル61に挟まれた層状部7と、層状部7の周囲を囲む堰状部6と、表示パネル61に接続された表示パネル61を動作させる駆動ICを搭載したフレキシブルプリント配線板63(FPC)とを有する。
また透明曲面材2の内部に、タッチパネル用センサー等を設けてもよい。透明曲面材2の内部にタッチパネル用センサー等を設けることで、透明曲面材2側から表示パネル61を制御することが可能となる。
(表示パネル)
図示例の表示パネル61は、カラーフィルタを設けた透明基板62とTFTを設けた透明基板64とを液晶層66を介して貼合し、これを一対の偏光板68で挟んだ構成の液晶パネルの一例であるが、本発明における表示パネルは、図示例のものに限定されない。
表示パネル61は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極間や、同一面内に形成された複数の電極対を有する基板と透明基板との間などに、外部の電気信号によって光学様態が変化する表示材を挟持したものである。表示材の種類によって、液晶パネル、ELパネル、プラズマパネル、電子インク型パネル等がある。中でも、液晶パネルは、曲面に対応可能かつ高品位の画像を表示可能なものはあまり知られていない。そのため、曲面状の部分に液晶パネルを適応する場合に、透明曲面材2を液晶パネルに貼合することは、特に好ましい。
また、表示パネル61は、少なくとも一方が透明基板である一対の面材を貼り合わせた構造を有しており、透明基板側が層状部7と接するように配置する。この際、一部の表示パネル61においては、層状部7と接する側の透明基板の最外層側に偏光板、位相差板等の光学フィルムが設置されていることがある。この場合、層状部7は表示パネル61上の光学フィルムと、透明曲面板2とを接合する様態となる。
表示パネル61の層状部7との接合面には、界面接着力を向上させるために、表面処理を施してもよい。表面処理は、周縁部だけであってもよく、面材の表面全体であってもよい。表面処理の方法としては、低温加工可能な接着用プライマー等で処理する方法等が挙げられる。表示パネル61の厚さは、TFTによって動作させる液晶パネルの場合は通常0.4〜4mmであり、ELパネルの場合は通常0.2〜3mmである。
表示パネル61の形状は、通常矩形である。表示パネル61は、必ずしも平板状である必要はなく、多少湾曲していてもよい。湾曲する向きは、透明曲面材の湾曲方向と同じでもよく、異なっていてもよい。
表示パネル61の大きさは、大型のものから車載用のものまで適宜用いることができる。透明曲面材2と表示パネル61の寸法は、ほぼ等しくてもよいが、表示装置を収納する他の筺体との関係から、透明曲面材が表示パネルより一回り大きくなる場合も多い。また逆に、他の筺体の構造によっては、保護板を表示パネルより若干小さくしてもよい。
本発明の表示装置は、湾曲した透明曲面材を備える。そのため人間が視認する側に湾曲面を設けることができ、表示装置を種々の曲面部分に適用することができる。すなわち、表示装置の設計の自由度や、表示装置を用いることができる使用態様の自由度を高めるができる。例えば車のセンターコンソール等の限られた空間でも、効率的に各部材を配置することができると共に、デザインの自由度も高めることができる。
また粘着層付き透明曲面材の粘着層が表示パネルに接するように貼合されたものであるため、表示パネルと粘着層との界面および透明曲面材と粘着層との界面における空隙の発生が充分に抑えられたものとなる。表示パネルの画像が空隙により歪められることを抑制し、表示装置の表示品位を高めることができる。
粘着層の層状部の、25℃におけるせん断弾性率が10〜10Paであれば、液晶パネルとの貼合の際の圧力が粘着層に残留しないため、液晶パネル内の液晶配列に悪影響を及ぼすことがなく、画質の低下が抑えられる。
粘着層の堰状部の弾性率を層状部の弾性率よりも大きくすることで、表示パネルと粘着層付き透明曲面材とを貼合する際に、貼合時に圧力が集中する場合のある粘着層の周縁部において粘着層の変形を効果的に防止することができる。また、貼合後に不均一な応力が粘着層に残留することを防止でき、液晶パネル内の周縁部の液晶配列に悪影響を及ぼすことがなく、画質の低下が抑えられる。
<表示装置の製造方法>
本発明の表示装置の製造方法は、本発明の粘着層付き透明曲面材から保護フィルムを剥離した後、表示パネルと本発明の粘着層付き透明曲面材とを、粘着層が表示パネルに接するように重ねて貼合する方法である。
粘着層の層状部のせん断弾性率を充分に小さくした場合、保護フィルムを剥離する際に粘着層を冷却して粘着層のせん断弾性率を高めることで、保護フィルムを容易に剥離できる。保護フィルムを剥離する際の粘着層の変形が抑えられ、保護フィルムを剥離した後の粘着層の厚さの均一性を高め、表示パネルとの貼合した際の空隙の発生を抑えることができる。
粘着層を冷却する温度は、粘着層として用いる樹脂のガラス転移温度により異なるが、ガラス転移温度をせん断弾性率測定における損失弾性率の極大値を示す温度とするとき、ガラス転移温度より40℃程度高い温度以下とすることが好ましい。下限の温度は特に規定されないが、保護フィルムに用いる樹脂によっては低温時に脆くなって剥離時にフィルムが裂けるおそれがあるため、通常−30℃程度が好ましい。
貼合の際の減圧雰囲気は、1kPa以下であることが好ましく、10〜500Paであることがより好ましく、15〜200Paであることがさらに好ましい。
表示パネルと粘着層付き透明曲面材とを重ね合わせた時点から減圧雰囲気を解除するまでの時間は、数時間以上の長時間であってもよいが、生産効率の点から、1時間以内が好ましく、10分以内がより好ましい。
表示パネルと粘着層付き透明曲面材とを貼合した後に、硬化が不完全な粘着層に再び光照射したり、加熱したりすることで粘着層の硬化を促進し、粘着層の硬化状態を安定化してもよい。
本発明の一態様に係る表示装置の製造方法においては、既に粘着層が付いた透明曲面材を用いるため、粘着層の塗工等の工程を省くことができる。また減圧雰囲気で表示パネルと粘着層付き透明曲面材を貼合し、その後大気解放するため、内部に残存した空隙を消滅させることができる。すなわち、高品位の表示装置を簡便に作製することができる。
以下に、本発明の有効性を確認するために実施した例について示す。本発明をより具体的に実施例及び比較例により説明するが、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
透明曲面材として以下の3つの基材を準備した。
基材寸法:250mm×146mm
湾曲方向:長手方向
湾曲面の曲率:実施例1−1;1/1500(1/mm)、実施例2−1及び2−2;1/1000(1/mm)、実施例3−1及び3−2;1/500(1/mm)
材質:ガラス
(実施例1−1)
実施例1の透明曲面材の凸状に湾曲した面に堰状部を形成した。堰状部の形成条件は、粘度60Pa・sの堰状部形成用樹脂組成物を塗工し、塗工してから0.5秒後に波長365nmの光を0.5秒間照射した。塗布、半硬化のサイクルは1回とし、堰状部全周を1周で塗布した。堰状部の厚み及び幅は、最も厚みが厚い部分で幅10mm×厚み3mm、最も厚みが薄い部分で幅3mm×0.8mmであった。このとき使用した堰状部形成用樹脂組成物の総重量は8gであった。
次いで、堰状部に囲まれる空間内に、粘度1.6Pa・sの層状部形成用樹脂組成物を塗工した。使用した層状部形成用樹脂組成物の総重量は27gであった。
堰状部および層状部を有する粘着層が形成された透明曲面材を15Paまで減圧し、保護フィルム付きのダミーガラス板を、保護フィルムが粘着面と接触するように重ねた。そして、透明曲面材、粘着層、保護フィルム及びダミーガラスが積層された積層体を大気解放した。そして、大気解放後の積層体をダミーガラス側から、波長365μmのケミカルランプを用いて、2mW/cmの露光条件で、10分間露光した。
(実施例2−1)
実施例2−1は、実施例1−1と基板の曲率が異なるだけで、その他の条件は同じとした。堰状部の厚み及び幅は、最も厚みが厚い部分で幅16mm×厚み4.2mm、最も厚みが薄い部分で幅3mm×0.8mmであった。このとき使用した堰状部形成用樹脂組成物の総重量は36gであった。また堰状部の内側に供給した層状部形成用樹脂組成物の総重量は34gであった。
(実施例2−2)
実施例2−2は、塗布、半硬化のサイクルを2回とし、堰状部全周を2周で塗布した点のみが実施例2−1と異なる。その他の条件は同じとした。堰状部の厚み及び幅は、最も厚みが厚い部分で幅7mm×厚み4.2mm、最も厚みが薄い部分で幅1.5mm×0.8mmであった。このとき使用した堰状部形成用樹脂組成物の総重量は10gであった。また堰状部の内側に供給した層状部形成用樹脂組成物の総重量は34gであった。
(実施例3−1)
実施例3−1は、実施例1−1と基板の曲率が異なるだけで、その他の条件は同じとした。堰状部の厚み及び幅は、最も厚みが厚い部分で幅28mm×厚み7.3mm、最も厚みが薄い部分で幅3mm×0.8mmであった。このとき使用した堰状部形成用樹脂組成物の総重量は79gであった。また堰状部の内側に供給した層状部形成用樹脂組成物の総重量は47gであった。
(実施例3−2)
実施例3−2は、塗布、半硬化のサイクルを3回とし、堰状部全周を3周で塗布した点のみが実施例3−1と異なる。その他の条件は同じとした。堰状部の厚み及び幅は、最も厚みが厚い部分で幅8mm×厚み7.3mm、最も厚みが薄い部分で幅1mm×0.8mmであった。このとき使用した堰状部形成用樹脂組成物の総重量は20gであった。また堰状部の内側に供給した層状部形成用樹脂組成物の総重量は47gであった。
いずれの実施例においても、ダミーガラスと透明曲面材の間に空隙は確認されなかった。すなわち、ダミーガラスに代えて表示パネルを用いることで、一面が曲面でかつ高品位な表示装置を実現することができる。
実施例2−1と実施例2−2及び実施例3−1と実施例3−2のそれぞれを比較すると、堰状部を複数回に分けて形成することにより堰状部形成用樹脂組成物の使用量を低減できた。堰状部の幅についても、実施例2−1と実施例2−2においては最も差が大きい部分で9mm、実施例3−1と実施例3−2においては最も差が大きい部分で20mm、その幅を狭くすることができた。すなわち、額縁領域の狭い表示パネルに対しても透明曲面材を適切に密着させることができ、より高品位かつ一面が曲面な表示装置を得ることができる。
本発明は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ等の各種表示装置、およびこれを透明支持体に貼合する際に用いる粘着層付き透明曲面材に利用可能である。
1,11,21,51…粘着層付き透明曲面材、2,12,22,52…透明曲面材、2a…第1面、2b…第2面、2A…平板、3,53…遮光部、4,14,24,54…粘着層、5…保護フィルム、6,16,26,56…堰状部、56a…変曲点、56A…一段目、56B…二段目、7,17,27,57…層状部、7a…領域、30…ディスペンサ、31…露光機、32,34…送りねじ、38…下定盤、40…吸着パッド、41…堰状部形成用樹脂組成物、42…上定盤、44…領域、46…エアシリンダ、48…真空ポンプ、49…減圧装置、61…表示パネル、63…フレキシブルプリント配線板、62,64…透明基板、66…液晶層、68…偏光板、60…表示装置、100…粘着シート、110,120…空隙

Claims (10)

  1. 湾曲した透明曲面材と、
    前記透明曲面材の一方の湾曲面に形成された粘着層と、を備え、
    前記粘着層は、層状部と前記層状部の全周を囲む堰状部とからなり、
    前記層状部の前記透明曲面材と接する面と反対側の面は、平面又は前記湾曲面の曲率より小さい曲率を有する曲面である、粘着層付き透明曲面材。
  2. 前記堰状部が、幅の異なる部分を有する請求項1に記載の粘着層付き透明曲面材。
  3. 前記堰状部の幅が、前記堰状部の厚さに応じて異なり、
    前記堰状部は、所定の厚さを有する第1部分と、前記第1部分より前記堰状部の厚さが薄い第2部分と、を有し、
    前記第1部分の前記堰状部の幅が、前記第2部分の前記堰状部の幅より広い、請求項1又は2のいずれかに記載の粘着層付き透明曲面材。
  4. 前記堰状部の延在方向と垂直な面で切断した前記堰状部の断面形状が凹部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着層付き透明曲面材。
  5. 前記堰状部が前記層状部と近接する領域の少なくとも一部において、前記堰状部が前記層状部より突出している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着層付き透明曲面材。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着層付き透明曲面材と、
    前記粘着層付き透明曲面材の前記粘着層側に貼合された表示パネルと、を備えた表示装置。
  7. 透明曲面材と、前記透明曲面材の少なくとも一方の表面に形成された粘着層と、前記粘着層の表面を覆う、剥離可能な保護フィルムとを有し、前記粘着層が、前記透明曲面材と接する面と反対側の面が平面又は前記透明曲面材の湾曲面の曲率より小さい曲率を有する曲面である層状部と、前記層状部の全周を囲む堰状部とを有する粘着層付き透明曲面材を製造する方法であって、
    下記の工程(a)〜(e)を有する粘着層付き透明曲面材の製造方法。
    (a)前記透明曲面材の表面の所定の位置を取り囲むように、堰状部形成用硬化性樹脂組成物を塗布して前記堰状部を形成する工程。
    (b)前記堰状部で囲まれた領域内に、層状部形成用樹脂組成物を供給する工程。
    (c)前記層状部形成用硬化性樹脂組成物の上に、前記保護フィルムが貼着された支持面材を前記保護フィルムが前記層状部形成用硬化性樹脂組成物に接するように重ねて、前記透明曲面材、前記保護フィルム及び前記堰状部で前記層状部形成用硬化性樹脂組成物からなる未硬化の前記層状部が密封された積層物を得る工程。
    (d)未硬化の前記層状部を硬化させ、前記層状部及び前記堰状部を有する粘着層を形成する工程。
    (e)前記支持面材を前記保護フィルムから剥離する工程。
  8. 前記堰状部を形成する工程(a)において、前記堰状部形成用樹脂組成物を塗布した直後に、前記堰状部形成用樹脂組成物を半硬化する請求項7に記載の粘着層付き透明曲面材の製造方法。
  9. 前記堰状部を形成する工程(a)において、前記堰状部形成用樹脂組成物を複数回に分けて塗布し、前記堰状部形成用樹脂組成物を積層する請求項8に記載の粘着層付き透明曲面材の製造方法。
  10. 表示パネルと請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着層付き透明曲面材とを、粘着層が表示パネルに接するように重ねて貼合する表示装置の製造方法。
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