JP2017025027A - 医薬組成物、着色抑制方法および着色抑制剤 - Google Patents

医薬組成物、着色抑制方法および着色抑制剤 Download PDF

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卓也 松井
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Abstract

【課題】ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する医薬組成物、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する方法およびロスバスタチンカルシウムの着色抑制剤を提供すること。
【解決手段】医薬組成物に対して0.5〜10重量%の炭酸水素アルカリ金属を含む、ロスバスタチンカルシウムを含有する医薬組成物、ロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物に炭酸水素アルカリ金属を添加することによる、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する方法、ならびにロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物においてロスバスタチンカルシウムの着色を抑えるための、炭酸水素アルカリ金属を含む着色抑制剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、医薬組成物、着色抑制方法および着色抑制剤に関する。詳しくは、本発明は、ロスバスタチンカルシウムを含有する医薬組成物、ロスバスタチンカルシウムの着色抑制方法およびロスバスタチンカルシウムの着色抑制剤に関する。
ロスバスタチンカルシウムは、合成HMG−CoA還元酵素阻害剤であり、脂質低下作用を示す。日本では、高コレステロール血症および家族性高コレステロール血症の治療剤として承認されて販売されており、現在、100ヶ国以上で販売されている。
ロスバスタチンカルシウムは一定条件下で分解が進行して、主要な分解物として対応する「ラクトン体」および5位の水酸基が酸化された「5−ケト体」が生成することが知られている(特許文献1)。そこで、ロスバスタチンカルシウムのこれらの分解物の生成を抑えるための医薬組成物が検討されている。
特許文献1には、ロスバスタチンカルシウムとカチオンが多価である三塩基リン酸塩を含有する医薬組成物が開示されている。実施例には、ロスバスタチンカルシウムに三塩基性リン酸カルシウムを添加した医薬組成物とすることによってラクトン体および5−ケト体の生成が抑えられたことが記載されている。
特許文献2には、HMG−CoA還元酵素阻害化合物、および少なくともpH8を付与しうるアルカリ性媒体を含む医薬組成物が開示されている。特許文献2には、HMG−CoA還元酵素阻害化合物が約8以下のpHにおいて非常に分解しやすく、酸化体、トレオ異性体、ラクトン等が生成すること、および炭酸塩等の少なくともpH8を付与しうるアルカリ性媒体を含む医薬組成物とすることで分解が抑えられることが記載されている。実施例には、フルバスタチンに炭酸カルシウムと炭酸水素ナトリウムを加えた医薬組成物が記載されている。
特許文献3には、ロスバスタチンカルシウム等と、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩またはその混合物とを含む医薬組成物が開示されている。実施例には、ロスバスタチンカルシウムと無水炭酸ナトリウムを含有する錠剤が市販の医薬品と同様の溶出挙動を示したことが記載されている。
特許文献4には、ロスバスタチンカルシウム等のHMG−CoA還元酵素阻害化合物と炭酸水素ナトリウム等の一価カチオンの無機塩を含む医薬組成物が開示されている。実施例には、ロスバスタチンカルシウム40mgを含む総重量300mgの錠剤コアにおいて、3mgまたは12mgのリン酸水素二ナトリウムを含むもの(実施例1と2)、4.5mgのクエン酸ナトリウムおよび0.5mgの炭酸水素ナトリウムを含むもの(実施例3)、0.3mgの炭酸ナトリウムを含むもの(実施例4)、0.5mgの炭酸水素ナトリウムを含むもの(実施例5と6)が記載されている。
非特許文献1には、ロスバスタチンカルシウムの苛酷試験において、着色および有機不純物の増加がみられたことが記載されている。しかし、上記の特許文献1〜4には、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えることは記載されているが、ロスバスタチンカルシウムの着色については一切記載されていない。そこで、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色をも抑える医薬組成物が求められていた。
特許第3267960号 特開平5−246844 特表2011−525901 WO2008/062476
医薬品インタビューフォーム クレストール(登録商標)錠2.5mg/クレストール(登録商標)錠5mg
本発明が解決しようとする課題は、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する医薬組成物を提供することにある。また、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する方法およびロスバスタチンカルシウムの着色抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ロスバスタチンカルシウムに炭酸ナトリウムを添加した公知の医薬組成物では、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成は抑えられるが、ロスバスタチンカルシウムの着色は増悪するのに対して、ロスバスタチンカルシウムに炭酸水素ナトリウムを添加した医薬組成物では、意外にもロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色も抑えることを見出して、本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、以下の通りである。
[1] 医薬組成物に対して0.5〜10重量%の炭酸水素アルカリ金属を含む、ロスバスタチンカルシウムを含有する医薬組成物。
[2] 前記炭酸水素アルカリ金属が炭酸水素ナトリウムである、[1]に記載の医薬組成物。
[3] ロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物に炭酸水素アルカリ金属を添加することによる、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する方法。
[4] ロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物においてロスバスタチンカルシウムの着色を抑えるための、炭酸水素アルカリ金属を含む着色抑制剤。
本発明の医薬組成物は、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制することができる。また、本発明の着色抑制方法および着色抑制剤によって、ロスバスタチンカルシウムの着色が抑制される。
実施例2における炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加による5−ケト体の生成抑制を示すグラフである。 実施例2における炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加によるラクトン体の生成抑制を示すグラフである。 実施例3における炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加による色差の改善を示すグラフである。 実施例3における炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加による色差の改善を示すグラフである。 実施例4における炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加による色差の改善を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.医薬組成物
本発明のロスバスタチンカルシウムを含有する医薬組成物には、医薬組成物に対して0.5〜10重量%の炭酸水素アルカリ金属が含まれる。
ロスバスタチンカルシウムの含有量は、1日投与量に合わせて適宜変更することができ、例えば2.5mg、5mg、10mg、20mgおよび40mg等とすることができる。
炭酸水素アルカリ金属としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられ、好ましくは炭酸水素ナトリウムが挙げられる。炭酸水素アルカリ金属の添加量としては、医薬組成物に対して0.5〜10重量%が挙げられ、好ましくは1〜7重量%が挙げられ、より好ましくは2〜5重量%が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制することができる。後述の実施例に記載の通り、炭酸水素ナトリウムの添加によって、特許文献3に記載されている炭酸ナトリウムの添加と同程度に、5−ケト体およびラクトン体の生成が抑えられた。また、炭酸ナトリウムの添加では、添加量に応じて着色が進行したのに対して、炭酸水素ナトリウムの添加によって、着色がほぼ抑制された。
本医薬組成物としては、例えば固形製剤が好ましく、例えば錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、ドライシロップ剤、トローチ剤、ドロップ剤、チュアブル剤、口腔内崩壊剤、発泡剤等とすることができる。好ましい剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤等が挙げられ、より好ましくは錠剤、カプセル剤が挙げられ、特に好ましくは錠剤が挙げれれる。
本医薬組成物には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、安定剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、風味剤等を添加することができる。
賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、粉末セルロース、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、二酸化ケイ素、硫酸カルシウム等が挙げられる。好ましい賦形剤としては、結晶セルロース、マンニトール、乳糖等が挙げられ、より好ましくは結晶セルロース、マンニトール等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、デキストリン、部分アルファー化デンプン、プルラン、アラビアゴム、グアーゴム、カンテン、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポビドン、ポリビニルアルコール、ペクチン等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプピルセルロース、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、カルナウバろう、水素化植物油、鉱油等が挙げられる。
流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、酸化チタン等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号等が挙げられる。
必要に応じて、剤型の表面をコーティングすることもできる。コーティング剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
本医薬組成物における粒状物は、押し出し造粒、転動造粒、撹拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒、破砕造粒、溶融造粒等の公知の造粒方法によって、ロスバスタチンカルシウム、炭酸水素アルカリ金属、および上記の添加物を用いて製造することができる。その後、常法に従って、所望の剤型に調製することができる。
2.着色抑制方法および着色抑制剤
上記の通り、炭酸水素アルカリ金属を医薬組成物に添加することで、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制することができる。従って、本発明によって、ロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物に炭酸水素アルカリ金属を添加することによる、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する方法、およびロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物においてロスバスタチンカルシウムの着色を抑えるための、炭酸水素アルカリ金属を含む着色抑制剤が提供される。
炭酸水素アルカリ金属としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられ、好ましくは炭酸水素ナトリウムが挙げられる。炭酸水素アルカリ金属の添加量としては、医薬組成物に対して例えば0.5〜10重量%が挙げられ、好ましくは1〜7重量%が挙げられ、より好ましくは2〜5重量%が挙げられる。
本発明の着色抑制方法および着色抑制剤は、上記の本発明の医薬組成物と同様にして実施することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
<試験方法>
(1)保存安定性試験
実施例で調製された医薬組成物を、ポリエチレン瓶中に密栓して70℃で9日間、またはポリエチレン瓶中で開放して40℃75%相対湿度で15日間、1ヶ月間もしくは3ヶ月間、保存する。医薬組成物にアセトニトリル/水(9/1)の混合液50mLを加え、振り混ぜて崩壊させ、孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液5mLを取り除き、次のろ液を試料溶液とする。その試料溶液をサンプリングして、下記の方法に従って、5−ケト体およびラクトン体の量を測定し、また着色を測定する。
(2)5−ケト体およびラクトン体の分析方法
以下のHPLC分析条件で分析を行い、5−ケト体およびラクトン体のピーク面積を自動積分法により測定し、面積百分率法によりそれらの量(%)を求める。ケト体については、感度係数2.1を乗じた値として算出した。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:242nm)
カラム:内径4.6mm、長さ10cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール/水/酢酸(2500/2500/1)の混合液
流量:ロスバスタチンの保持時間が約10分間になるように調整する
面積測定範囲:ロスバスタチンの保持時間の約3倍の範囲
(3)着色の分析方法
色差ΔEabの値に基づいて、保存安定性試験前後での錠剤の色差を「比染色増強度」の指標として、着色の分析を行った。
ここで色差ΔEabは、CIE1976(L,a,b)空間表色系による以下の色差公式:
ΔEab={(ΔL+(Δa+(Δb1/2
から求められる値である(日本色彩学会編 新編色彩科学ハンドブック(昭和60年)p.266)。本分析方法では、ΔEabは分光測色計(SE−2000,日本電色工業株式会社製)を用いて測定する。
実施例1
炭酸水素ナトリウムの添加による5−ケト体およびラクトン体の生成抑制
下表に記載の量のロスバスタチンカルシウム、D−マンニトール、結晶セルロース、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸および炭酸水素ナトリウムをポリエチレン袋に加え、1分間混合した。#30メッシュ(500μm)のふるいで篩過し、さらにポリエチレン袋中で1分間混合して混合末を得た。下表に記載の量のステアリン酸マグネシウムを#30メッシュ(500μm)のふるいで篩過し、上記混合末に添加し、さらに30秒間混合した。得られた均質な混合物を圧縮成形して錠剤を製造した。
得られた4つの錠剤を、ポリエチレン瓶中に密栓して70℃で9日間、またはポリエチレン瓶中で開放して40℃75%相対湿度で3ヶ月間、保存して、5−ケト体およびラクトン体の含有量を分析した。その結果を表2および3に示す。
いずれの保存安定性試験においても、炭酸水素ナトリウムの添加量が増えるに従って、5−ケト体およびラクトン体の生成がより抑えられていることが理解される。
実施例2
炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加による5−ケト体およびラクトン体の生成抑制
下表に記載の量の各成分を用いて、実施例1と同様にして炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを含む錠剤を製造した。
得られた錠剤を、ポリエチレン瓶中に密栓して70℃で9日間、保存して、5−ケト体の含有量を分析した。その結果を表5および図1に示す。
いずれの保存安定性試験においても、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加量が増えるに従って、5−ケト体の生成が抑えられた。
得られた錠剤を、ポリエチレン瓶中で開放して40℃75%相対湿度で1ヶ月間、保存して、ラクトン体の生成を分析した。その結果を表6および図2に記す。
いずれの保存安定性試験においても、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加量が増えるに従って、ラクトン体の生成が抑えられた。
実施例3
炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加による色差の改善
実施例1と同様にして、炭酸水素ナトリウムを0重量%、1重量%、3重量%および5重量%含む錠剤を製造した。また、炭酸水素ナトリウムの代わりに炭酸ナトリウムを0重量%、1重量%、3重量%および5重量%含む錠剤を製造した。
得られた錠剤を、ポリエチレン瓶中に密栓して70℃で9日間、またはポリエチレン瓶中で開放して40℃75%相対湿度で15日間、保存して、色差ΔEabを求めた。その結果を表7、図3および4に示す。なお、表7に記載されている「製剤のpH」とは、錠剤1錠を水15mLに添加し、10分間撹拌して、得られた懸濁液について測定したpH値である。
以上の通り、炭酸水素ナトリウムを添加することで、70℃で9日間の保存安定性試験でのロスバスタチンカルシウムの着色が顕著に抑えられた。他方、炭酸ナトリウムを添加した場合、いずれの保存安定性試験でもロスバスタチンカルシウムは確実に着色した。このように炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムでの着色に顕著な差が生じた理由として、炭酸ナトリウムでは製剤のpHがかなり塩基性である点が影響しているとも考えられる。
実施例4
炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの添加による色差の改善
実施例2と同様にして、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを0重量%、0.2重量%、0.5重量%および1重量%含む錠剤を製造した。
得られた錠剤を、ポリエチレン瓶中で開放して40℃75%相対湿度で1ヶ月間、保存して、色差ΔEabを求めた。その結果を図5に示す。
図5から分かる通り、炭酸水素ナトリウムを添加した場合は、ロスバスタチンの着色は微量に留められた。炭酸ナトリウムを添加した場合は、一般に着色が知覚されるΔEab3以上となり、着色が認められた。
処方例1〜8
処方例1〜7は、下表に記載の量の各成分を用いて実施例1に準じた方法で錠剤を製造する。
処方例8は、以下の方法で錠剤を製造する。
ヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解し、造粒液を調製する。ロスバスタチンカルシウム,D−マンニトール、クロスポビドン、炭酸水素ナトリウム及び軽質無水ケイ酸を流動層造粒機にて混合し、上記造粒液を噴霧し、造粒する。その後、乾燥し、得られた乾燥末を#30メッシュ(500μm)のふるいで篩過し、整粒末とする。#30メッシュ(500μm)のふるいで篩過したステアリン酸マグネシウムを上記整粒末に添加し、さらに30秒間混合する。得られた均質な混合物を圧縮成形して錠剤を製造する。
本発明によって、ロスバスタチンカルシウムの分解物の生成を抑えつつ、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する医薬組成物、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する方法およびロスバスタチンカルシウムの着色抑制剤が提供される。

Claims (4)

  1. 医薬組成物に対して0.5〜10重量%の炭酸水素アルカリ金属を含む、ロスバスタチンカルシウムを含有する医薬組成物。
  2. 前記炭酸水素アルカリ金属が炭酸水素ナトリウムである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. ロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物に炭酸水素アルカリ金属を添加することによる、ロスバスタチンカルシウムの着色を抑制する方法。
  4. ロスバスタチンカルシウム含有医薬組成物においてロスバスタチンカルシウムの着色を抑えるための、炭酸水素アルカリ金属を含む着色抑制剤。
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