JP6918393B1 - 漢方エキス又は植物性生薬エキスを含む固形製剤及びその製造方法、並びに固形製剤の崩壊性を向上させる方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 芍薬甘草湯エキスの調製
(i) 原料生薬の抽出物中のα化デンプンの測定
芍薬甘草湯の原料生薬として、第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合したカンゾウ及びシャクヤクをそれぞれ複数ロット購入した。各生薬を適当な大きさに裁断したものを一定量ずつ量り、全量に水10倍量を加え、95℃以上で1時間抽出した。この抽出物と蒸留水との混合物を定性濾紙(東洋濾紙社製、No.1)でろ過し、夾雑物を取り除いた。ろ液を蒸留水で50 mLにメスアップしたのち、その5mLにヨウ素液(関東化学社製)を0.5 mL加えて、蒸留水で50 mLにメスアップし、ダブルレーザー分光光度計(日立製作所社製、U-2010)で600 nmでの吸光度を測定した。また、検量線作成のための標準物質として、可溶性デンプン(α化デンプン)(関東化学社製)を用いた。上記のろ液に替えて、種々の濃度の可溶性デンプン水溶液を同様に測定して、α化デンプン含有量と吸光度との関係を示す検量線を作成した。この検量線を用いて、各ロットのカンゾウ及びシャクヤクのそれぞれの抽出物に含まれるα化デンプン量を決定した。
上記(i)の結果に基づいて、各ロットのカンゾウ及びシャクヤクを組み合わせて、α化デンプン含有量が少ない順に、各組み合わせを実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4とした。α化デンプン含有量が最も多いロットの組み合わせを比較例1とした。これらのカンゾウ及びシャクヤクの組み合わせを用いて、第十七改正日本薬局方に記載の芍薬甘草湯エキスの製法に従って、芍薬甘草湯の乾燥エキス末(以下、「芍薬甘草湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。実施例1〜4及び比較例1のそれぞれの芍薬甘草湯エキスから100 mgずつ分取して常温の蒸留水(25 mL)と混合し、振とう機(イワキ産業社製、V-SN)で5分間振とうさせて可溶性成分を溶解させた。エキスと蒸留水との混合物を定性濾紙(東洋濾紙社製、No.1)でろ過し、夾雑物を取り除いた。ろ液全量にヨウ素液(1mL)を加えて、蒸留水で100 mLにメスアップして、ダブルレーザー分光光度計(日立製作所社製、U-2010)で600 nmでの吸光度を測定した。上記(i)で作成した検量線を用いて、各芍薬甘草湯エキス中のα化デンプンの含有量を決定した。結果を表1に示す。
表2に、実施例1〜4及び比較例1の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(ii)で得た芍薬甘草湯エキスと含水二酸化ケイ素とを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、カルメロースカルシウム、結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。
実施例1〜4及び比較例1の錠剤(10錠)のそれぞれについて、硬度を硬度計(Sotax社製、MT50)で測定した。また、実施例1〜4及び比較例1の錠剤(6錠)のそれぞれについて、第十七改正日本薬局方の一般試験法 6. 製剤試験法 6.09 崩壊試験法 2.1.即放性製剤の記載に基づいて、錠剤の崩壊時間を崩壊試験機(富山産業社製、NT-2H)で測定した。試験液には水を用いた。補助版は使用しなかった。結果を表3に示す。また、各錠剤の1錠中のα化デンプン含有量(重量%)と崩壊時間(分)とをプロットしたグラフを図1に示す。
半夏厚朴湯エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した半夏厚朴湯の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の半夏厚朴湯エキスの製法に従って、半夏厚朴湯の乾燥エキス末(以下、「半夏厚朴湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの半夏厚朴湯エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表4に示す。調製した半夏厚朴湯エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例5、実施例6及び比較例2とした。
表5に、実施例5、6及び比較例2の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た半夏厚朴湯エキスと含水二酸化ケイ素とを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、クロスカルメロースカルシウム、結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例5、6及び比較例2の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表5に示す。また、各錠剤の1錠中のα化デンプン含有量(重量%)と崩壊時間(分)とをプロットしたグラフを図2に示す。
防已黄耆湯エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した防已黄耆湯の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の防已黄耆湯エキスの製法に従って、防已黄耆湯の乾燥エキス末(以下、「防已黄耆湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの防已黄耆湯エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表6に示す。調製した防已黄耆湯エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例7、実施例8及び比較例3とした。
表7に、実施例7、8及び比較例3の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た防已黄耆湯エキスと、含水二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、水酸化アルミナマグネシウム、タルク及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例7、8及び比較例3の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表7に示す。また、各錠剤の1錠中のα化デンプン含有量(重量%)と崩壊時間(分)とをプロットしたグラフを図3に示す。
小青竜湯エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した小青竜湯の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の小青竜湯エキスの製法に従って、小青竜湯の乾燥エキス末(以下、「小青竜湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの小青竜湯エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表8に示す。調製した小青竜湯エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例9、実施例10及び比較例4とした。
表9に、実施例9、10及び比較例4の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た小青竜湯エキスと含水二酸化ケイ素とを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、カルメロースカルシウム、結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例9、10及び比較例4の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表9に示す。
五苓散エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した小青竜湯の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の五苓散エキスの製法に従って、五苓散の乾燥エキス末(以下、「五苓散エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの五苓散エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表10に示す。調製した五苓散エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例11、実施例12及び比較例5とした。
表11に、実施例11、12及び比較例5の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た五苓散エキスと軽質無水ケイ酸とを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例11、12及び比較例5の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表11に示す。
大柴胡湯エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した大柴胡湯の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の大柴胡湯エキスの製法に従って、大柴胡湯の乾燥エキス末(以下、「大柴胡湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの大柴胡湯エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表12に示す。調製した大柴胡湯エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例13、実施例14及び比較例6とした。
表13に、実施例13、14及び比較例6の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た大柴胡湯エキスと、軽質無水ケイ酸及びラウリル硫酸ナトリウムとを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例13、14及び比較例6の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表13に示す。
葛根湯加川キュウ辛夷エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した葛根湯加川キュウ辛夷の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の葛根湯加川キュウ辛夷エキスの製法に従って、葛根湯加川キュウ辛夷の乾燥エキス末(以下、「葛根湯加川キュウ辛夷エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの葛根湯加川キュウ辛夷エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表14に示す。調製した葛根湯加川キュウ辛夷エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例15、実施例16及び比較例7とした。
表15に、実施例15、16及び比較例7の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た葛根湯加川キュウ辛夷エキスと、カルメロースカルシウム、軽質無水ケイ酸及びラウリル硫酸ナトリウムとを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、水酸化アルミナマグネシウム、軽質無水ケイ酸、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例15、16及び比較例7の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表15に示す。
加味帰脾湯エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した加味帰脾湯の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の加味帰脾湯エキスの製法に従って、加味帰脾湯の乾燥エキス末(以下、「加味帰脾湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの加味帰脾湯エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表16に示す。調製した加味帰脾湯エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例17、実施例18及び比較例8とした。
表17に、実施例17、18及び比較例8の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た加味帰脾湯エキスと軽質無水ケイ酸とを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、カルメロースカルシウム、結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例17、18及び比較例8の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表17に示す。
桂枝加苓朮附湯エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した桂枝加苓朮附湯の原料生薬を複数ロット購入して「改訂 一般用漢方処方の手引き」などの公知の文献の桂枝加苓朮附湯の項目に書かれた生薬を適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載のエキス剤の製法に従って、桂枝加苓朮附湯の乾燥エキス末(以下、「桂枝加苓朮附湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの桂枝加苓朮附湯エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表18に示す。調製した桂枝加苓朮附湯エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例19、実施例20及び比較例9とした。
表19に、実施例19、20及び比較例9の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た桂枝加苓朮附湯エキスと軽質無水ケイ酸とを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例19、20及び比較例9の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表19に示す。
半夏瀉心湯エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した半夏瀉心湯の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の半夏瀉心湯エキスの製法に従って、半夏瀉心湯の乾燥エキス末(以下、「半夏瀉心湯エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの半夏瀉心湯エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表20に示す。調製した半夏瀉心湯エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例21、実施例22及び比較例10とした。
表21に、実施例21、22及び比較例10の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た半夏瀉心湯エキスと、乳糖水和物及び軽質無水ケイ酸とを混合し、99%エタノールを溶媒として添加し、乳鉢を用いて造粒した。乾燥棚で乾燥させた造粒末と、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例21、22及び比較例10の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表21に示す。
防風通聖散エキス含有錠剤についても、芍薬甘草湯エキス含有錠剤と同様の結果が得られるかについて検討した。
第十七改正日本薬局方に記載された規格に適合した防風通聖散の原料生薬を複数ロット購入して適宜組み合わせた。3通りの原料生薬の組み合わせについて、第十七改正日本薬局方に記載の防風通聖散エキスの製法に従って、防風通聖散の乾燥エキス末(以下、「防風通聖散エキス」とも呼ぶ)を調製した。試験例1と同様にして、それぞれの防風通聖散エキス中のα化デンプンの含有量を測定した。結果を表22に示す。調製した防風通聖散エキスを、α化デンプン含有量が少ない順に実施例23、実施例24及び比較例11とした。
表23に、実施例23、24及び比較例11の錠剤の処方(1錠当たりの成分量)を示す。処方自体はいずれも同じである。各錠剤を、次のようにして製造した。上記(1)で得た防風通聖散エキスと、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、タルク及びステアリン酸マグネシウムとを混合し、混合物を50号メッシュで篩過して、打錠末を得た。得られた打錠末を、ロータリー打錠機(菊水製作所社製、コレクト24)を用いて圧縮成型して錠剤を得た。実施例23、24及び比較例11の錠剤(6錠)のそれぞれについて、試験例1と同様にして、錠剤の崩壊時間を測定した。結果を表23に示す。また、各錠剤の1錠中のα化デンプン含有量(重量%)と崩壊時間(分)とをプロットしたグラフを図11に示す。
以下に、本実施形態の錠剤の処方例を挙げるが、本発明はこれらに限られるものではない。表24〜26に記載の処方について、公知の技術を用いて錠剤とする。
Claims (3)
- 漢方エキス又は植物性生薬エキスと、薬学的に許容される添加剤とを含む固形製剤の製造方法であって、
前記エキスに含まれるα化デンプンを測定する工程と、
α化デンプンの測定値に基づいて、前記固形製剤において前記エキスが60重量%以上の割合で配合され、かつ前記固形製剤におけるα化デンプンの含有量が12重量%以下となるように、前記エキスと前記添加剤とを混合する工程と、
得られた混合物を用いて固形製剤を成型する工程と
を含む、漢方エキス又は植物性生薬エキスを含む固形製剤の製造方法。 - 前記添加剤が、α化デンプンを含まない請求項1に記載の製造方法。
- 固形製剤において、漢方エキス又は植物性生薬エキスの配合割合が60重量%以上となり、かつα化デンプンの含有量が12重量%以下となるように、前記エキスと、薬学的に許容される添加剤(ただし、α化デンプンを除く)とを混合し、得られた混合物を用いて固形製剤を成型することを含み、前記α化デンプンが、前記エキスに由来する成分である、漢方エキス又は植物性生薬エキスを含む固形製剤の崩壊性を向上させる方法。
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